JP2001278077A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2001278077A
JP2001278077A JP2000095140A JP2000095140A JP2001278077A JP 2001278077 A JP2001278077 A JP 2001278077A JP 2000095140 A JP2000095140 A JP 2000095140A JP 2000095140 A JP2000095140 A JP 2000095140A JP 2001278077 A JP2001278077 A JP 2001278077A
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Japan
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steering
shaft
pinion shaft
pinion
torque
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Application number
JP2000095140A
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English (en)
Inventor
Kadake Sakai
嘉岳 坂井
Kenichi Kirihara
建一 桐原
Tsutae Sasaki
傳 佐々木
Fumiyoshi Sato
史佳 佐藤
Mitsuo Sugino
光生 杉野
Toshihiro Yoda
俊宏 養田
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない部品で、しかも安価で簡単な構成によ
って、操舵輪からステアリングハンドルに振動を伝え易
くすることにより、ステアリングハンドルを通じて路面
状況を確実に把握できること。 【解決手段】 電動パワーステアリング装置10は、ス
テアリングハンドル11に加えた操舵トルクと、操舵ト
ルクに応じて電動機82が発生した補助トルクとを、ラ
ックアンドピニオン機構31のピニオン軸32に伝達
し、ラックアンドピニオン機構31によって操舵輪2
1,21を操舵するものである。ウォームギヤ式減速機
構90とピニオン軸32との間の補助トルク伝達経路
に、弾性体93を介在させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電動パワーステアリ
ング装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ステアリングハンドルの操舵力を
軽減して快適な操舵感を与えるために、電動パワーステ
アリング装置が多用されてきた。この種の電動パワース
テアリング装置は、電動機で操舵トルクに応じた補助ト
ルクを発生し、この補助トルクをステアリング系のラッ
クアンドピニオン機構に伝達するものであって、例えば
特開平11−171027号「電動式パワーステアリン
グ装置」(以下、「従来の技術」と言う。)が知られて
いる。
【0003】上記従来の技術は、同公報の図1に示され
る通り、入力軸12(番号は公報に記載されたものを引
用した。以下同じ。)に加えた操舵トルクを図示せぬト
ーションバーを介して出力軸14に伝達するとともに、
操舵トルクに応じて電動モータ30が発生した補助トル
クを歯車機構を介して出力軸14に伝達し、出力軸14
によって図示せぬ操舵輪(車輪)を操舵するというもの
である。歯車機構は、同公報の図2(a)に示される通
り、電動モータ30側の回転軸32のウォーム40に出
力軸14側のウォームホイール24を噛み合わせた、ウ
ォームギヤ式減速機構である。
【0004】ところで、車両を走行させると、路面の状
況に応じて操舵輪(車輪)が振動し、その振動が出力軸
14→ウォームホイール24→ウォーム40→回転軸3
2の経路で電動モータ30の回転子42に伝わる。上記
従来の技術は、ウォームホイール24からウォーム40
に伝わる振動によって歯面同士が当ったときの、叩き音
の発生を減少させることを目的としたものである。
【0005】上記従来の技術は、上記目的を達成するた
めに同公報の図2(a)〜(c)に示される通り、ウォ
ーム40を設けた回転軸32を2つの軸受50L,50
Rにて回転可能に且つ軸長手方向に移動可能に支持し、
回転軸32の軸長手方向移動を弾性部材48L,48R
にて制限するようにしたものである。振動によって歯面
同士が当ったときに、回転軸32が軸長手方向に移動し
て弾性部材48L又は48Rを弾性変形させる。弾性変
形によって歯面同士の衝突エネルギーを吸収すること
で、叩き音を緩和することができる。
【0006】ところで、運転者は操舵輪(車輪)から出
力軸14並びに入力軸12を通じてステアリングハンド
ルに伝わる振動の変化を手で感じとることによって、ス
テアリングハンドルを通じて路面状況(路面情報)をあ
る程度知ることができる。このように、ある程度路面状
況を知ることは操舵上に好ましい場合が多い。そのため
には、停止中の電動モータ30の慣性によって、振動が
減衰されないようにすることが必要である。上記従来の
技術は、ウォームホイール24と電動モータ30との間
に弾性部材48L,48Rを介在させて、振動をある程
度絶縁することにより、電動モータ30で振動が減衰さ
れることを防止できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術は同公報の図2(a)に示される通り、回転軸32の
セレーション34部を電動モータ30の回転子42のセ
レーション孔に連結したものである。振動によって回転
軸32が軸長手方向に頻繁に移動すると、セレーション
連結部分が軸長手方向に擦れ合う。従って、セレーショ
ン連結部分の耐久性を維持するための配慮が必要であ
り、コストアップの要因となる。さらには、ウォームギ
ヤ機構に2つの弾性部材48L,48Rを装着する必要
があるので、部品数が多くなり構成が複雑になる。
【0008】そこで本発明の目的は、少ない部品で、し
かも安価で簡単な構成によって、操舵輪(車輪)からス
テアリングハンドルに振動を伝え易くすることにより、
ステアリングハンドルを通じて路面状況を確実に把握す
ることができる技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、ステアリングハンドルに加えた操舵トル
クをラックアンドピニオン機構のピニオン軸に伝達する
とともに、操舵トルクに応じて電動機が発生した補助ト
ルクをウォームギヤ式減速機構を介してピニオン軸に伝
達し、ラックアンドピニオン機構によって操舵輪を操舵
するようにした電動パワーステアリング装置において、
ウォームギヤ式減速機構とピニオン軸との間の補助トル
ク伝達経路に弾性体を介在させたことを特徴とする。
【0010】弾性体は、ピニオン軸からウォームギヤ式
減速機構に伝わる振動を、ある程度絶縁する。操舵輪か
らピニオン軸に伝わった振動は電動機で減衰されること
なくほとんどがステアリングハンドルに伝わる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見
るものとする。図1は本発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の模式図である。電動パワーステアリング装置
10は、車両のステアリングハンドル11から操舵輪
(車輪)21,21に至るステアリング系22に、操舵
機構23並びにこの操舵機構23に補助トルクを加える
補助トルク機構24を備えたものである。
【0012】操舵機構23は、ステアリングハンドル1
1にステアリングシャフト12及び自在軸継手13,1
3を介してラックアンドピニオン機構31のピニオン軸
32を連結し、ラックアンドピニオン機構31のラック
軸34に左右のボールジョイント36,36及び左右の
タイロッド37,37を介して左右の操舵輪(車輪)2
1,21を連結したものである。ラックアンドピニオン
機構31は、ピニオン軸32に形成したピニオン33
に、ラック軸34に形成したラック35を噛み合わせた
ものである。運転者がステアリングハンドル11を操舵
し、この操舵トルクによりラックアンドピニオン機構3
1及び左右のタイロッド37,37を介して、左右の操
舵輪21,21を操舵することができる。
【0013】補助トルク機構24は、ステアリングハン
ドル11に加えたステアリング系22の操舵トルクを操
舵トルクセンサ70で検出し、この検出信号に基づき制
御手段81で制御信号を発生し、この制御信号に基づき
操舵トルクに応じた補助トルクを電動機82で発生し、
補助トルクをトルクリミッタ85並びにウォームギヤ式
減速機構90を介してピニオン軸32に伝達するように
したものである。
【0014】以上を要約すれば、電動パワーステアリン
グ装置10は、ステアリングハンドル11に加えた操舵
トルクをラックアンドピニオン機構31のピニオン軸3
2に伝達するとともに、操舵トルクに応じて電動機82
が発生した補助トルクをウォームギヤ式減速機構90を
介してピニオン軸32に伝達し、ラックアンドピニオン
機構31によって操舵輪21,21を操舵するようにし
たものである。従って、運転者の操舵トルクに電動機8
2の補助トルクを加えた複合トルクによって、操舵輪2
1,21を操舵することができる。
【0015】図2(a),(b)は本発明に係る操舵ト
ルクセンサの原理図である。操舵トルクセンサ70は、
鉄鋼材のように磁歪特性を有するピニオン軸32にトル
クが作用したときに、このトルクに応じて生じる磁歪効
果を電気コイルにて電気磁気的に検出する、磁歪式トル
クセンサである。このような磁歪式トルクセンサは、特
開平6−221940号公報「磁歪式トルクセンサ」に
示されるように、公知のセンサである。以下、操舵トル
クセンサ70の概要について説明する。
【0016】(a)に示す操舵トルクセンサ70は、概
ね8の字状に形成した励磁コイル71と、励磁コイル7
1とほぼ同様の大きさで概ね8の字状に形成した検出コ
イル72とを、ほぼ同心上に互いに略直交させて重ね、
これらの励磁・検出コイル71,72を1組の磁気ヘッ
ド73として、ピニオン軸32の外周面の近傍に配置し
たものである。すなわち、ピニオン軸32の外周面に対
向して、概ね8の字状の励磁コイル71を配置し、この
励磁コイル71に概ね8の字状の検出コイル72を90
゜位相を変えた状態で重ね合わせた。この場合、励磁コ
イル71をなす8の字状の直線部分を、ピニオン軸32
の外周にほぼ平行又は軸長手方向にほぼ平行にして配置
する。74は励磁電圧供給源、75は出力電圧増幅器で
ある。
【0017】励磁電圧供給源74から励磁コイル71に
20〜100kHz程度の高周波数の交流電圧(励磁電
圧)を供給すれば、トルクに基づくピニオン軸32の磁
歪効果に対応して、検出コイル72にて励磁電圧と同じ
周波数の交流電圧(出力電圧)を得ることができる。出
力電圧は、ピニオン軸32に作用するトルクの方向によ
って、励磁電圧と同相又は逆相になる。このときの出力
電圧の振幅は、トルクの大きさに比例する。従って、励
磁電圧の位相を基準として、出力電圧を同期整流すれ
ば、トルクの大きさと方向を検出することができる。
【0018】出力電圧は出力電圧増幅器75にて増幅さ
れ、操舵トルクセンサ70の検出信号として、制御手段
81に発することになる。なお、ピニオン軸32の磁化
力が小さければ、励磁コイル71と検出コイル72の巻
数を増し、これらの励磁・検出コイル71,72を1巻
ずつ交互に配列することで、対応すればよい。
【0019】(b)に示す操舵トルクセンサ70は、励
磁・検出コイル71,72からなる磁気ヘッド73を2
組準備し、これら2組の磁気ヘッド73,73を、ピニ
オン軸32の外周面の近傍に且つピニオン軸32の軸線
の対称位置に配置したものである。そして、出力電圧増
幅器75で、検出コイル72,72からの出力電圧の差
を増幅することにより、環境温度の変化に対してあまり
変化しない操舵トルク信号を得ることができる。
【0020】上記(a)や(b)の操舵トルクセンサ7
0を採用することにより、従来の電動パワーステアリン
グ装置において操舵トルクを検出する場合のように、ピ
ニオン軸32を長手方向に二分割して、これら分割軸間
をトーションバーにて連結する必要がない。従って、ピ
ニオン軸32を簡素な構成にすることができる。
【0021】図3は本発明に係る電動パワーステアリン
グ装置の全体構成図であり、左端部及び右端部を断面し
て表したものである。この図は、電動パワーステアリン
グ装置10のラック軸34を、車幅方向(図左右方向)
に延びるハウジング41に軸長手方向へスライド可能に
収容したことを示す。ラック軸34は、ハウジング41
から突出した長手方向両端にボールジョイント36,3
6をねじ結合し、これらのボールジョイント36,36
に左右のタイロッド37,37を連結した軸である。ハ
ウジング41は、図示せぬ車体に取付けるためのブラケ
ット42,42を備えたものである。44,44はダス
トシール用ブーツである。
【0022】図4は図3の4−4線断面図であり、電動
パワーステアリング装置10の縦断面構造を示す。電動
パワーステアリング装置10は、ラックアンドピニオン
機構31、操舵トルクセンサ70、トルクリミッタ85
(図1参照)、ウォームギヤ式減速機構90をハウジン
グ41に収納し、このハウジング41の上部開口をリッ
ド45で塞いだものである。操舵トルクセンサ70は、
ハウジング41又はリッド45に取付けたものである。
【0023】ハウジング41は、ピニオン軸32の下端
部及び長手中央部を、上下2個の軸受51,52を介し
て回転可能に支承することで、縦置きにセットしたもの
であり、ラックガイド60を備える。53はリッド取付
ボルト、54は止め輪である。
【0024】ピニオン軸32は下部にピニオン33を一
体に形成し、さらに下端部にねじ部55を形成するとと
もに、上端部をリッド45から外方へ突出したものであ
る。ねじ部55にナット56をねじ込むことで、ピニオ
ン軸32の軸長手方向(軸方向)の移動を規制すること
ができる。57は袋ナット、58はオイルシール、59
はスペーサである。
【0025】ラックガイド60は、ラック35と反対側
からラック軸34に当てるガイド部61と、このガイド
部61を圧縮ばね62を介して押す調整ボルト63とか
らなる。このようなラックガイド60によれば、ハウジ
ング41にねじ込んだ調整ボルト63にて、圧縮ばね6
2を介してガイド部61を適切な押圧力で押すことで、
ガイド部61でラック35に予圧を与えて、ラック35
をピニオン33に押し付けることができる。64はラッ
ク軸34の背面を滑らせる当て部材、65はロックナッ
トである。
【0026】図5は図4の5−5線断面図であり、ピニ
オン軸32と電動機82とトルクリミッタ85とウォー
ムギヤ式減速機構90との関係を示す。電動機82は、
出力軸83を横向きにしてハウジング41に取付け、ハ
ウジング41内に出力軸83を延したものである。
【0027】ウォームギヤ式減速機構90は、電動機8
2で発生した補助トルクをピニオン軸32に伝達するト
ルク伝達手段である。詳しくは、ウォームギヤ式減速機
構90は、電動機82の出力軸83にトルクリミッタ8
5を介して連結したウォーム軸91と、ウォーム軸91
に形成したウォーム92と、ピニオン軸32に弾性体9
3を介して連結したウォームホイール94(以下、単に
「ホイール94」と言う。)とからなる。ウォーム92
にホイール94を噛み合わせた。
【0028】ウォーム92並びにホイール94の歯の進
み角は、摩擦角よりも若干大きくなるように設定したも
のである。その理由は、電動機82が停止しているとき
に、ピニオン軸32の操舵トルクによりホイール94、
ウォーム92、ウォーム軸91の経路で電動機82の出
力軸83を回転可能にするためである。なお、トルクリ
ミッタ85の有無は任意であり、例えば、電動機82の
出力軸83を延長することでウォーム軸91を兼ねるよ
うにしてもよい。
【0029】上述のように本発明は、ウォームギヤ式減
速機構90とピニオン軸32との間の補助トルク伝達経
路に、弾性体93を介在させたことを特徴とする。具体
的には、筒状の弾性体93を準備し、弾性体93の内周
面にピニオン軸32を嵌合し、弾性体93の外周面をホ
イール94中心の軸孔94aに嵌合し、これらの部材3
2,93,94に焼き付け処理、接着処理等の一体化処
理を施して互いを固定することによって、ピニオン軸3
2に弾性体93を介してホイール94を連結したもので
ある。
【0030】弾性体93は、外力を加えて変形させた後
に外力を取り去ったときに直ちに原形に戻る性質、すな
わち弾性変形可能な性質を有する部材である。弾性体9
3については、特に次の(1)及び(2)について十分
に考慮し、ばね定数や耐久性を検討した上で、材質、形
状、寸法を決定することになる。弾性体93の材質とし
ては例えばゴムや軟質樹脂である。 (1)弾性体93による補助トルクの伝達性能。 (2)ピニオン軸32から弾性体93を介してホイール
94へ伝わる振動の絶縁性能。上記(1),(2)につ
いて十分に配慮をすることにより、ステアリングハンド
ル11(図1参照)を切り始めたときの応答遅れに影響
を及ぼすことはない。
【0031】ウォーム軸91は、出力軸83と同心上に
配置し、2個の軸受95,96を介してハウジング41
にて回転可能に支承した軸である。ハウジング41は、
出力軸83に近い位置にある第1軸受95を軸長手方向
移動不能に取付け、出力軸83から遠い位置にある第2
軸受96を軸長手方向移動可能に嵌合したものである。
さらには、第2軸受96の外輪の端面を、板ばね97を
介して調整ボルト98で出力軸83側に押している。調
整ボルト98と薄板円盤状の板ばね97の押圧力にて、
第1・第2軸受95,96に予圧を与えることで、ウォ
ーム軸91の軸長手方向の遊びがないように調整する、
すなわち、ガタ取りすることができる。しかも、ウォー
ム92の軸長手方向変位を調整して、ウォーム92とホ
イール94の噛み合いを、適切な摩擦を保ちつつガタが
無いように調整することができる。また、板ばね97の
弾性力により、ウォーム軸91の軸長手方向の熱膨張等
を吸収することができる。98aはロックナット、99
は止め輪である。
【0032】次に、上記構成の電動パワーステアリング
装置10の作用を図6に基づき説明する。図6(a)〜
(c)は電動パワーステアリング装置の作用説明図であ
り、(a)及び(b)は本発明の電動パワーステアリン
グ装置10を示し、(c)は比較例の電動パワーステア
リング装置100を示す。
【0033】(c)に示す比較例の電動パワーステアリ
ング装置100は、ピニオン軸32にホイール94を直
接取付けたものである。車両を走行させると、路面の状
況に応じて操舵輪(車輪)に振動が発生し、その振動は
ラック軸34を介してピニオン軸32に伝わる。ピニオ
ン軸32に伝わった振動は、更にステアリングハンドル
11に伝わるほかに、ホイール94→ウォーム92→ウ
ォーム軸91の経路で電動機82の出力軸83にも伝わ
る。この結果、ピニオン軸32に伝わった振動が電動機
82で減衰され得る。
【0034】特に、電動機82が停止して補助トルクを
発生していないときには、次のような現象が発生する。
ホイール94からウォーム92に伝わる振動のうち、ウ
ォーム92を回転させる方向の振動は、電動機82の出
力軸83並びに出力軸83に設けたロータ(図示せず)
を回そうとする。これに対して、電動機82が停止中に
は、出力軸83並びにロータは慣性により常に停止し続
けようとする。この結果、ウォーム92を回転させる方
向の振動を電動機82が打ち消して減衰させることにな
る。このようにして、ピニオン軸32に伝わった振動が
電動機82で減衰される。ピニオン軸32に伝わった振
動は、電動機82で減衰される分だけ、ステアリングハ
ンドル11に伝わりにくくなる。
【0035】これに対して、(a)に示すように本発明
の電動パワーステアリング装置10は、ウォームギヤ式
減速機構90とピニオン軸32との間の補助トルク伝達
経路Liに、弾性体93を介在させたものである。この
ため、ステアリングハンドル11からピニオン軸32
に加えた操舵トルクT1と、電動機82から補助トル
ク伝達経路Li並びに弾性体93を介してピニオン軸3
2に加えた補助トルクT2とによって、操舵輪(車輪)
を操舵することができる。
【0036】このような電動パワーステアリング装置1
0であるから、(b)に示すように、電動機82やウォ
ームギヤ式減速機構90は弾性体93によってピニオン
軸32から、ある程度振動が絶縁された状態にある。従
って、操舵輪からラック軸34を介してピニオン軸32
に伝わった振動は、その振動方向にかかわらず、電動機
82やウォームギヤ式減速機構90で減衰されることな
く、ほとんどがステアリングハンドル11に伝わる。こ
のため、運転者は操舵輪からステアリングハンドル11
に伝わる微振動の変化を手で感じとることによって、ス
テアリングハンドル11を通じて路面状況(路面情報)
を常に確実に把握することができる。
【0037】ところで、電動機82に伝わる振動を絶縁
するためには、電動機82の出力軸83とウォーム軸9
1との間に弾性体93を介在させることが考えられる。
すなわち、出力軸83に弾性体93を介してウォーム軸
91を連結するものである。この場合には、ホイール9
4からウォーム92に伝わった振動でウォーム92が回
転変位したときに、その回転角を弾性体93で制限する
ことになる。振動の絶縁性を本発明と同等程度に高める
ためには、(b)のようにウォームギヤ式減速機構90
とピニオン軸32との間に弾性体93を介在させた場合
に比べて、ウォームギヤ式減速機構90の減速比の分だ
け、弾性体93の弾性変形量を大きくする必要がある。
従って、ばね定数を小さくして弾性変形量を増すように
した、比較的大型の弾性体93を設けざるを得ず、得策
ではない。
【0038】さらには、ウォームギヤ式減速機構90の
逆伝達効率(ホイール94からウォーム92への伝達効
率)は一般に劣るので、この部分での振動が減衰されて
いまう。ピニオン軸32に伝わった振動は減衰される分
だけ、ステアリングハンドル11に伝わりにくくなる。
従って、ピニオン軸32からステアリングハンドル11
へ路面状況を十分に伝達することができない。
【0039】ここで、説明を(b)に示す本発明の電動
パワーステアリング装置10に戻す。本発明は、操舵ト
ルクセンサ70として磁歪式トルクセンサを採用したも
のである。磁歪式トルクセンサは、磁歪特性を有するピ
ニオン軸32に作用した操舵トルクに応じて生じる磁歪
効果を電気コイルにて電気磁気的に検出するものであ
る。従って、従来のように、操舵トルクを検出するため
にピニオン軸32を長手方向に二分割して、これら分割
軸間をトーションバーにて連結する必要がない。ピニオ
ン軸32の途中にトーションバーを設けないので、ラッ
ク軸34からピニオン軸32に伝わった振動を、トーシ
ョンバーで減衰することなくステアリングハンドル11
に伝えることができる。
【0040】これに対して、上記従来の技術の欄で説明
した電動パワーステアリング装置(特開平11−171
027号)は、入力軸に加えた操舵トルクをトーション
バーを介して出力軸に伝達するようにしたものである。
入・出力軸間の相対変位量に応じた操舵トルクをトルク
センサで検出することができる。このような従来の電動
パワーステアリング装置においては、操舵輪から出力軸
に伝わった振動をトーションバーで減衰するので、ステ
アリングホイールに伝わりにくい。
【0041】なお、上記本発明の実施の形態において、
ピニオン軸32に弾性体93を介してホイール94を連
結する構造は、少なくともピニオン軸32と弾性体93
とホイール94との間でトルク伝達が可能な連結構造で
あればよく、焼き付けや接着によって固定するものに限
定されず、例えば、セレーション結合であってもよい。
さらには、弾性体93の変形により、ピニオン軸32と
ホイール94とが所定の相対角度変位した後は、ピニオ
ン軸32とホイール94が弾性体93を介さず、直接に
トルク伝達可能に連結するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1記載の発明は、電動機の補助トルクを伝
達するためのウォームギヤ式減速機構とピニオン軸との
間の補助トルク伝達経路に弾性体を介在させたので、ピ
ニオン軸から電動機やウォームギヤ式減速機構に伝わる
振動を、弾性体によってある程度絶縁することができ
る。従って、操舵輪からピニオン軸に伝わった振動は、
その振動方向にかかわらず電動機で減衰されることな
く、ほとんどがステアリングハンドルに伝わる。このた
め、運転者は操舵輪からステアリングホイールに伝わる
振動の変化を手で感じとることによって、ステアリング
ハンドルを通じて路面状況(路面情報)を確実に把握す
ることができる。
【0043】さらには、ウォームギヤ式減速機構とピニ
オン軸との間の補助トルク伝達経路に弾性体を介在させ
たので、1つの弾性体ですみ、少ない部品でしかも安価
で簡単な構成によって、ウォームギヤ式減速機構とピニ
オン軸との間の振動を絶縁することができる。しかも、
ウォーム側に弾性体を設けた場合に比べて、振動による
弾性体の弾性変形量が小さくてすむ。従って、ばね定数
が比較的小さく小型の弾性体ですむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の模
式図
【図2】本発明に係る操舵トルクセンサの原理図
【図3】本発明に係る電動パワーステアリング装置の全
体構成図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】電動パワーステアリング装置の作用説明図
【符号の説明】
10…電動パワーステアリング装置、11…ステアリン
グハンドル、21…操舵輪(車輪)、31…ラックアン
ドピニオン機構、32…ピニオン軸、70…操舵トルク
センサ、82…電動機、90…ウォームギヤ式減速機
構、92…ウォーム、93…弾性体、94…ホイール、
Li…補助トルク伝達経路、T1…操舵トルク、T2…
補助トルク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 傳 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 佐藤 史佳 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 杉野 光生 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 養田 俊宏 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D032 CC48 DA15 EA01 EB11 3D033 CA02 CA04 CA16 CA22 CA28

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングハンドルに加えた操舵トル
    クをラックアンドピニオン機構のピニオン軸に伝達する
    とともに、前記操舵トルクに応じて電動機が発生した補
    助トルクをウォームギヤ式減速機構を介して前記ピニオ
    ン軸に伝達し、前記ラックアンドピニオン機構によって
    操舵輪を操舵するようにした電動パワーステアリング装
    置において、前記ウォームギヤ式減速機構と前記ピニオ
    ン軸との間の補助トルク伝達経路に弾性体を介在させた
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
JP2000095140A 2000-03-30 2000-03-30 電動パワーステアリング装置 Pending JP2001278077A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2415171A (en) * 2004-06-15 2005-12-21 Showa Corp Motor driven power steering apparatus for a vehicle

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2415171A (en) * 2004-06-15 2005-12-21 Showa Corp Motor driven power steering apparatus for a vehicle
GB2415171B (en) * 2004-06-15 2008-01-02 Showa Corp Motor-driven power steering apparatus for a vehicle

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