JP2001277935A - ヘッドランプの取付構造 - Google Patents

ヘッドランプの取付構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッドランプを車体側に取付ける際に位置決
めを容易にすることのできるヘッドランプの取付構造を
提供すること。 【解決手段】 ヘッドランプ3のハウジング7の上部に
は、先端側が車体の後方側に突出するようにL形に折り
曲げられた柔軟性を有する舌片状の取付片12を設けて
いる。取付片12は二股に分岐され、一方の短足片15
にはネジ挿通孔17を穿設し、他方の長足片16は下面
側に横断面が矩形の突起19を設け、突起19の先端を
下方に向けている。フェンダーパネル5の凹部14に
は、ヘッドランプ3が組付けられた状態で、長足片16
の突起19が対応する位置に矩形の長孔20を穿設して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘッドランプを車
体に取付ける際に、ヘッドランプの仮保持や位置決めを
容易にするヘッドランプの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、ヘッドランプ51の従来の組付
方法を示す分解斜視図である。図に示すようにヘッドラ
ンプ51は、フェンダーパネル52の内側でかつフロン
トメンバ53の下側に設けられているランプサポート5
4にヘッドランプ51のハウジング55部が収容され
る。車体側には、フロントメンバ53及びランプサポー
ト54にネジ孔56が穿設され、ヘッドランプ51はこ
れらの上下ネジ孔56とハウジング55の上側に取付け
ている取付片57及びその下側に設けている取付メンバ
58を介して、ボルト59により車体に取付けられる。
【0003】ヘッドランプ51が車体に取付けられた状
態で、ヘッドランプ51とその周囲の車体側の構成部
品、例えばフェンダーパネル52やフロントバンパー、
フロントフード(図1の符号2,4を参照)との隙間が
外観上一定であることが望ましいが、車体の構成上、フ
ェンダーパネル52、フロントメンバ53、ランプサポ
ート54を組付ける際にこれらの部材の夫々の組付誤差
が積み重なり、特にヘッドランプ51とフェンダーパネ
ル52間の隙間(図1の隙間S参照)が開きすぎたり、
不均一になったりあるいはそれらに段差が生じたりする
ことがあり、外観上好ましくなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】それらを解決するため
の手段としていくつかの方法が提案されており、それに
ついて、以下説明する。図6は、図5のヘッドランプ5
1が車体側に組付けられた状態における図中のX−X線
方向の断面図である。図に示すようにヘッドランプ51
とフェンダーパネル52との間に、エンドラバー60を
挟持させて前後方向の隙間S1と幅方向の隙間S2をな
くしている。この構成によると隙間S1,S2を埋める
ことにより、ヘッドランプ51周りの見栄えは良くなる
がエンドラバー60を必要とするためコスト高となる。
【0005】図7に示すヘッドランプの取付構造は、車
体側のフロントメンバ53及びランプサポート54にネ
ジ孔56が穿設され、ヘッドランプ51にはハウジング
55の上側に取付片57を設け、下側に取付アーム58
を設けている。そして、フェンダーパネル52の前端部
に形成した係止孔63に対応させて上下に位置決め用の
突起61を設けている。ヘッドランプ51を車体側に取
付ける際には、突起61を係止孔63に差し込んで、ヘ
ッドランプ51の位置決めをしてからヘッドランプ51
をネジ止めして取付けている。この構成によると、図8
の断面図に示すように、車体の幅方向の隙間S2のずれ
は改善することができるが、車体の前後方向の隙間S1
のずれについては、作業者が修正しなければならない。
【0006】図9に示すヘッドランプの取付構造は、ラ
ジエータ68のコアサイドに取付ブラケット62を固定
し、取付ブラケット62の一端をフェンダーパネル52
に取付け、他端をヘッドランプ51のハウジング55に
取付けている。この構成によると、取付ブラケット62
のラジエータ68への取付けなどコスト的に高価にな
る。
【0007】図10及び図11に示すヘッドランプの取
付構造は、ヘッドランプ51のハウジング55の上側部
に車体の後方側に延びる取付片57を設け、取付片57
には、ボス64及びこれに近接させて樹脂ナット挿入孔
65を設けると共に樹脂ナット挿入孔65に対応させて
樹脂ナット孔(図示せず)をフロントメンバ53に設
け、ボス64に対応させて係止孔(図示せず)をフェン
ダーパネル52に設けている。ヘッドランプ52を車体
側に取付けるには、樹脂ナット66をフロントメンバ5
3の樹脂ナット孔に取付ける。そして、樹脂ナット挿入
孔65を樹脂ナット66に合わせる様に取付ける。この
後、樹脂ナット66の孔68にスクリュー67を取付け
る事により、樹脂ナット66の先端69が外側に広がっ
て、取付片57が樹脂ナット66と共にフェンダーパネ
ル52に固定され、ヘッドランプ51が車体側に取付け
られる。
【0008】この構成によると、取付片57の近い位置
にピン孔64及びネジ挿通孔65を同一取付片57に設
けているので、フェンダーパネル52と、フロントメン
バー53との寸法管理をしなければ、取付片57が変形
し、ピン64の位置決め効果が発揮できない。また、樹
脂ナット66の使用でコストアップにもなる。本発明は
上記課題に鑑みてなされたもので、ヘッドランプを車体
側に取付ける際に位置決めを容易にすることのできるヘ
ッドランプの取付構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、自動車のフェンダパネルの端部がヘッドラ
ンプの外周部に対応する形状に形成されているヘッドラ
ンプの取付構造において、上記ヘッドランプに、該ヘッ
ドランプの取付用のネジ挿通孔と位置決め用の突起とを
形成した取付片を設け、上記突起を上記フェンダパネル
に穿設した係止孔に位置決めさせた後、上記ネジ挿通孔
を介して上記ヘッドランプを車体に取付けるようにし
た。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
ヘッドランプの取付構造について、図面を参照しながら
説明する。図1の自動車1の前部のフロントバンパー2
の上部には、左右に一対のヘッドランプ3が設けられ、
ヘッドランプ3の外周形状(外周輪郭)に対応させて、
フロントフード4の前側端部とフェンダーパネル5の前
端部とが形成されている。
【0011】図2は、自動車1の左側ヘッドランプ3の
取付状態を示す。このヘッドランプ3が配設される車体
側の構成について説明すると、ヘッドランプ3のハウジ
ング7の収容部であるランプサポート6がフェンダーパ
ネル5の先端部の内側下部に設けられ、左右フェンダー
パネル5の上部間には、フロントメンバ11が取付けら
れている。そして、図3に示すように、フェンダーパネ
ル5のエンジンルーム側には、フロントフード4の縁部
が配設される凹部14を形成したフード枠13が設けら
れている。図2に示すように、ヘッドランプ3は、ハウ
ジング7部分がランプサポート6に収容され、ハウジン
グ7は、レンズ9の外周部に位置させて前面外周縁8を
設け、この前面外周縁8の一部であるハウジング7の前
面上側部の形状に沿うように、フェンダーパネル5の前
縁部10が形成されている。
【0012】図3に示すように、ハウジング7の上部に
は、先端側が車体の後方側に突出するようにL形に折り
曲げられ、柔軟性若しくは弾性を有する舌片状の取付片
12を設けている。取付片12は、短足片15にヘッド
ランプ3の固定用のネジ挿通孔17を設け、フロントメ
ンバ11に穿設したネジ孔(図示せず)にボルト18が
締着される。図4に示すように取付片12の長足片16
は、先端部が上方側に多少屈曲され、下面側に断面が矩
形の突起19を設け、突起19の先端を下方に向けてい
る。取付片12は、柔軟性等を有していればよく樹脂製
のハウジング7と一体成形してもよく、ハウジング7と
取付片12の材質が異なってもよいが、ヘッドランプ3
の取付けに影響を及ばせないように形成する。
【0013】本実施の形態では、取付片12を短足片1
5と長足片16の二股形状に分岐することによりネジ挿
通孔17及び突起19を一定の間隔を開けることにより
柔軟性を持たせている。しかし、適度に取付片12の板
厚、形状を変えて柔軟性を有するようにしてもよい。フ
ェンダーパネル5の凹部14には、ヘッドランプ3が組
付けられた状態で、長足片16の突起19が対応する位
置に矩形の長孔20を穿設している。
【0014】長孔20の形状は車体の前後方向が短く、
突起19の車体方向の移動が制限される長さとし、長孔
20の車幅方向は、突起19が長孔20に嵌合された状
態で左右に余幅を有する長さに形成している。図2に示
すように、ヘッドランプ3の下部にはネジ挿通孔23,
24を穿設した取付アーム21,22が設けられ、ラン
プサポート6に設けられたネジ挿通孔23,24にボル
ト18を締着させることにより、ヘッドランプ3が固定
される。
【0015】本実施の形態では、ヘッドランプ3を車体
側に組付けるために、先ず取付片12に設けた突起19
をフェンダーパネル5に形成した長孔20に差し込んで
位置決めをする。この際、長孔20の車体の前後方向の
長さが突起19にほぼ一致させているので、突起19が
長孔20に係止されてヘッドランプ3の仮保持が可能に
なる。すなわち、ヘッドランプ3が外れようとする状態
では、取付片12が車体の前方にスライドするような力
を受けるが、突起19が長孔20に引っかけられるよう
にして係止される。なお、突起19の向きは下向きであ
ればよいが、図4に示すように車体の前側の角部28が
鋭角になるように形成することにより仮保持力が大きく
なる。また、長孔20が車幅方向に長いので突起19の
長孔への挿入が容易になる。
【0016】また、取付片12は、短足片15と長足片
16との二股に分岐しており、強度の許す限り柔軟性を
有するようにしており、さらにはネジ挿通孔17と突起
19との間を一定間隔を開けているので、取付片12の
短足片15をボルト18により締結する際に、長足片1
6側には、位置ずれによる短足片15の変形は、及ばな
い。したがって、突起19が移動することなく位置決め
が確実になる。このように、ヘッドランプ3の前後方向
の位置決めは、突起19が車体の前後方向に規制される
ことにより行われ、車幅方向の位置決めはネジ挿通孔1
7とボルト18により行われるが、車幅方向の位置決め
は長足片16とフェンダーパネル5の凹部14部とを嵌
合させて規制するようにしてもよい。
【0017】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、勿論、本発明はこれに限定されることなく本発明
の技術的思想に基いて種々の変形及び変更が可能であ
る。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のヘッドラン
プの取付構造によれば、自動車のフェンダパネルの端部
がヘッドランプの外周部に対応する形状に形成されてい
るヘッドランプの取付構造において、上記ヘッドランプ
に、該ヘッドランプの取付用のネジ挿通孔と位置決め用
の突起とを形成した取付片を設け、上記突起を上記フェ
ンダパネルに穿設した係止孔に位置決めさせた後、上記
ネジ挿通孔を介して上記ヘッドランプを車体に取付ける
ようにしたので、ヘッドランプの取付時において位置決
めができ、ヘッドランプの取付けが容易になる。また、
本発明は、上記取付片を柔軟性を有する部材で形成する
とともに、上記突起部と係止孔部とを上記取付片に分離
して配設すれば、取付片をネジにより取付けする際に、
位置決め用の突起にネジの回転力が及ばず、突起の位置
ずれを防止できる。さらに本発明は、上記係止孔を車幅
方向に長い長孔状に形成し、上記突起が上記係止孔に車
体の前後方向に規制されるようにすれば、上記ヘッドラ
ンプを仮保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるヘッドランプの取付
構造を採用している自動車の斜視図である。
【図2】図1の自動車の左側ヘッドランプの取付状態を
示す斜視図である。
【図3】図2のヘッドランプの上側の取付部である取付
片の装着前の分解拡大斜視図である。
【図4】図3の取付片の長足片部の断面図である。
【図5】従来のヘッドランプの取付構造を示す分解斜視
図である。
【図6】図5におけるX−X線方向の断面図である。
【図7】他の従来のヘッドランプの取付構造を示す分解
斜視図である。
【図8】図7におけるY−Y線方向の断面図である。
【図9】上記図5〜図8に示した以外の他の従来のヘッ
ドランプの取付構造を示す部分破断斜視図である。
【図10】上記図5〜図9に示した以外の他の従来のヘ
ッドランプの取付構造を示す部分破断斜視図である。
【図11】図10のヘッドランプの上側の取付部の拡大
斜視図である。
【符号の説明】
1 自動車 3 ヘッドランプ 5 フェンダーパネル 6 ランプサポート 7 ハウジング 11 フロントメンバ 12 取付片 15 短足片 16 長足片 17 ネジ挿通孔 19 突起 20 長孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のフェンダパネルの端部がヘッド
    ランプの外周部に対応する形状に形成されているヘッド
    ランプの取付構造において、上記ヘッドランプに、該ヘ
    ッドランプの取付用のネジ挿通孔と位置決め用の突起と
    を形成した取付片を設け、上記突起を上記フェンダパネ
    ルに穿設した係止孔に位置決めさせた後、上記ネジ挿通
    孔を介して上記ヘッドランプを車体に取付けるようにし
    たヘッドランプの取付構造。
  2. 【請求項2】 上記取付片を柔軟性を有する部材で形成
    するとともに、上記突起部とネジ挿通孔とを上記取付片
    に分離して配設したことを特徴とする請求項1に記載の
    ヘッドランプの取付構造。
  3. 【請求項3】 上記係止孔を車幅方向に長い長孔状に形
    成し、上記突起が上記係止孔に車体の前後方向に規制さ
    れることにより、上記ヘッドランプを仮保持できるよう
    にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッド
    ランプの取付構造。
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