JP2001277444A - 化粧シート及びこれを使用した板部材 - Google Patents

化粧シート及びこれを使用した板部材

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JP2001277444A
JP2001277444A JP2000098077A JP2000098077A JP2001277444A JP 2001277444 A JP2001277444 A JP 2001277444A JP 2000098077 A JP2000098077 A JP 2000098077A JP 2000098077 A JP2000098077 A JP 2000098077A JP 2001277444 A JP2001277444 A JP 2001277444A
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Japan
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decorative sheet
resin
base plate
sheet
surface layer
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JP2000098077A
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English (en)
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Atsushi Fukuhara
敦志 福原
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Itoki Crebio Corp
Original Assignee
Itoki Crebio Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】湾曲部を有すると共に表面に塗装を施した化粧
シートを、安全性・環境性・リサイクル性・加工性に優
れると共に安価な合成樹脂シートを素材として製造でき
るようにする。 【手段】化粧シート3を、金属架橋構造のオレフィン系
アイオノマー樹脂製とする。アイオノマー樹脂は曲げ加
工した部分にもUV塗装を施すことができるため、化粧
シート3として、安全性・環境性・リサイクル性及び加
工性に優れると共に安価なポリプロピレンを使用するこ
とができる。また、アイオノマー樹脂の硬度は高いた
め、傷付きにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、机やテーブルの天
板のように、表面に化粧シート(或いは化粧フィルム)
を張った板部材、及びこれに使用する化粧シートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】机やテーブルのような家具における天板
は、木質系又は金属系のベース板に合成樹脂製の化粧シ
ートを張った構造になっていることが多く、化粧シート
に木目模様などの様々の模様や色彩を塗装している。
【0003】この化粧シートは天板の表面を構成するも
のであるから、簡単には傷付かないようにある程度以上
の硬さが必要であり、単なるフラットな化粧シートの場
合はメラミン樹脂が多用されている。
【0004】他方、図7及び図8に示すように(図7は
平面図、図8は図7のVIII−VIII視断面図である)、周
縁部を断面円弧状に形成した天板1′がある。
【0005】この場合、化粧シート3′は、真空成形や
圧空成形等により、ベース板2′における周縁部の円弧
状形状に倣うように変形させているが、メラミン樹脂は
曲げ加工が難しいことから、周縁部3a′が曲げ加工さ
れた化粧シート3′の場合は、その素材として塩ビシー
トが使用されており、化粧シート3′をベース板2′に
接着してから,化粧シート3′に塗装していた。
【0006】そして、天板1′に塗装を施す場合、塗装
膜は簡単に剥がれたり傷付いたりしないようにある程度
の硬さが必要であり、このため、塗料としては、一般
に、ウレタン系やアクリル系のように紫外線の照射によ
って硬化する性質を有するUV樹脂が使用されており、
UV樹脂製塗料を使用したUV塗装が可能であることか
ら塩ビシートが多用されていた。
【0007】ところで、化粧シートは、例えば人が手で
触ったり幼児が舐めたりしても無害であること(安全
性)や、廃棄して焼却処理したり埋設処理したりする場
合に有害成分を発生して環境を悪化させないこと(環境
性)、及び、リサイクルを容易にできること(リサイク
ル性)といった条件が求められるが、良く知られている
ように、塩化ビニルは焼却に際してダイオキシン発生の
原因になる問題があり、このため、化粧シートにも塩ビ
シートに代わる素材が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記した安全性や環境
性、リサイクル性といった条件を満たす素材としては、
現状では、PP(ポリプロピレン)に代表されるオレフ
ィン系樹脂が最も好適なものとして挙げられ、その次
に、ポリエステル系のPET(ポリエチレンテレフタレ
ート)が挙げられている。
【0009】オレフィン系樹脂の場合、安価で加工性
(成形性)に優れているという利点もあるが、通常のオ
レフィン系樹脂はUV塗装を行えない(塗料がのらな
い)という問題がある。このため、オレフィン系樹脂を
化粧シートとして使用する場合は、従来は、素材の段階
で表面にコロナ放電処理を施しておき、ベース板に張っ
てからUV塗装を行っていた。
【0010】しかし、コロナ放電処理をした化粧シート
3′を真空成形や圧空成形によって図8のように変形さ
せると、化粧シート3′のうち湾曲部3a′の箇所でコ
ロナ放電処理効果がなくなってしまい、湾曲部3a′だ
けが塗装できなくなるという問題があった。また、予め
塗装した化粧シート3′を真空成形等によってベース板
2′に接着する場合も、湾曲部3a′の箇所で塗装膜が
剥げるか剥げやすくなってしまうことになる。
【0011】このため、ポリプロピレンに代表されるオ
レフィン系樹脂は、化粧シートとしての優秀性は認めら
れつつも、湾曲部3a′を有する化粧シート3′には適
用使用されておらず、現状では、次善の策として、コス
トや加工性・環境性の点ではオレフィン系に劣るがコロ
ナ放電処理なしで塗装できるPETを使用する傾向にあ
る。
【0012】しかし、PETの場合も、曲げ加工によっ
て非晶性から結晶性に変化するためと考えられるが、湾
曲部3a′で塗料の密着性が低下する現象が生じてお
り、必ずしも満足できるとは言い難い。
【0013】本願発明は、このような現状を改善するこ
とを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る化
粧シートは、少なくとも表層が、金属架橋構造のオレフ
ィン系アイオノマー樹脂(又はこれと同じ物性を有する
樹脂)から成っていることを特徴とする。
【0015】請求項2に係る発明の化粧シートは、少な
くとも表層が、金属架橋構造のようにイオン極性を有す
る合成樹脂からなっていることを特徴とする。
【0016】請求項3に係る化粧シートは、複数の樹脂
層で積層されており、そのうち少なくとも表層が請求項
1又は請求項2の構成になっていることを特徴とする。
【0017】請求項4に係る化粧シートは、請求項3に
おいて、オレフィン系樹脂からなる表層と、同じくオレ
フィン系樹脂から成る裏層との二層に積層されており、
前記表層が金属架橋構造のアイオノマー樹脂であること
を特徴とする。
【0018】請求項5に係る化粧シートは、請求項1〜
請求項4のうちのいずれかにおいて、その表面に、UV
樹脂系塗料のような塗料で塗装膜を施していることを特
徴とする。
【0019】請求項6に係る発明は家具用等の板製品に
係り、この板製品は、木質系や金属系等のベース板に、
請求項5に記載した化粧シートを表面に張っており、化
粧シートの周縁部がベース板の周縁部を包むように曲げ
加工されていることを特徴とする。
【0020】なお、オレフィン系(ポリオレフィン系)
樹脂には、ポリプロピレンの他にポリエチレンやEVA
樹脂、EVOH樹脂などの様々のものが含まれる。
【0021】
【発明の作用・効果】アイオノマー樹脂は金属イオン架
橋構造を有する熱可塑性樹脂であり、オレフィン系の代
表であるポリプロピレンの場合には、図1に示すよう
に、カリウムやカルシウム、マグネシウム等の金属イオ
ン架橋構造になっている。そして、このアイオノマー樹
脂を使用することにより、天板の周縁部のように湾曲さ
せた部分にも、塗装膜が全く剥がれない状態でUV塗装
を施すことが可能となった。
【0022】そのため、本願発明によると、PPのよう
に、安全性、環境性、リサイクル性、加工性(成形性)
性に優れると共に安価なオレフィン系の樹脂を、湾曲部
を有すると共に塗装を施した化粧シートに使用すること
が可能になった。また、通常のオレフィン系樹脂の硬さ
は鉛筆硬度でH〜B程度であるが、アイオノマー樹脂は
2H程度の硬さがあり、このため、耐傷性にも優れてい
る。
【0023】アイオノマー樹脂にUV塗装をできる理由
は明確ではないが、金属分子の存在によって極性(特に
マイナス極性)が生じ、金属分子のマイナスイオンと塗
料のプラスイオンとが強く引き合うためと推測される。
【0024】ところで、化粧シートが張られた物品を廃
棄した後は、処理やリサイクルのために化粧シートとベ
ース板とに分別する必要がある。その場合、アイオノマ
ー樹脂はメラミン樹脂製化粧シートのように剥がすに際
して割れてバラバラになることはない(或いはなりにく
い)ため、分別作業を容易に行える。
【0025】特に、請求項3や請求項4の化粧シートを
複層構造に構成すると、下層を通常のオレフィン系樹脂
のような強靱な素材製とすることにより、化粧シートの
全体を1枚板のまま剥がすことがより一層容易となり、
このため、分別作業をより一層容易になると共に、ベー
ス板又は化粧シートのリサイクル処理もより一層容易に
なる利点である。
【0026】
【発明の実施形態】次に、本発明の実施形態を図面(図
2〜図6)に基づいて説明する。
【0027】(1).主たる実施形態(図1〜図2) 図2は、ベース2に化粧シート3を張った家具用天板1
において、化粧シート3をアイオノマー樹脂のみの単層
に構成した例であり、接着剤(又は粘着剤)4によって
ベース板2に接着されており、また、表面には、ウレタ
ン系やアクリル系等のUV樹脂を塗工してから紫外線を
照射して硬化させるUV塗装により、塗装膜5が形成さ
れている。
【0028】そして、アイオノマー樹脂は湾曲したり屈
曲したりした部分にもUV塗装によって硬い塗装膜を形
成できるため、湾曲部や屈曲部を備えた化粧シート3で
あっても、ポリプロピレンのようなオレフィン系樹脂製
とすることができる。
【0029】ベース板2の周縁部を包むようにして化粧
シート3を張る場合、素材シートを加熱して軟化させた
状態で真空整形法や圧空成形法、或いはローラを用いた
曲げ加工法等によって、素材シートのベース板2の周縁
部に密着するように変形させるが、その加工の容易性や
経済性、或いは強度の点からは、一般に、化粧シート3
の厚さ寸法Tは80〜200μm程度が好ましい。
【0030】一般に、化粧シート3をベース板2に張っ
てから塗装を行うことが多いが、模様の変形のような問
題がない場合は、予め塗装した化粧シート3をベース板
2に張ることも可能である。
【0031】図3に示すのは化粧シート3を二層に形成
したもので、表層(上層)3aはアイオノマー樹脂(例
えばアイオノマーPP)で構成し、裏層(下層)3bは
通常のオレフィン系樹脂(例えば通常構造のPP)から
なっている。この場合、一般的には、表層3aの厚さ寸
法T1は50〜100μm程度、下層3bの厚さ寸法は
50〜750μm程度で、全体としての厚さ寸法は10
0〜800μm程度に設定すれば良い。
【0032】図3の場合、下層3bは通常のオレフィン
系樹脂であるため、化粧シート3は全体として強靱で引
き裂きにくくなり、その結果、1枚状のままでベース板
2から引き剥がすことを確実に行える。なお、接着剤4
は、化粧シート3の容易に引き剥がしできるように、そ
の接着強度(粘着強度)を設定しておく。
【0033】図3のように化粧シート3を二層構造にす
る場合、別々に製造した素材シート(フィルム)を加熱
ローラ等によって加熱下で圧着したり、接着剤を使用し
て接着したりしても良いし、或いは、共押し出し法によ
って一体に積層した状態に製造しても良い。
【0034】(2).天板の別例(図4〜図6) 図4〜図6では天板1の構造の例を示している。図4に
示す例では、木材や合板のような木質系素材から成るベ
ース板2の外周に合成樹脂製のエッジ6を固着し、この
エッジ6を巻き込むようにして化粧シート3を張ってい
る。化粧シート3の端縁3bは、不用意にめくれるのを
防ぐため、ベース板2とエッジ6の接合箇所に形成した
溝7に挿入されている。
【0035】図5に示す例も、木質系ベース板2にエッ
ジ6を固着し、このエッジ6を巻くようにして化粧シー
ト3を張ったものであるが、この例では、エッジ6に、
その長手方向に延びる中空穴8と、中空穴8に連通した
状態で外側に開口する通気穴9とを設けている。
【0036】この図5の例では、化粧シート3(正確に
は素材シート)を加熱軟化させた状態でベース板2に向
けて真空吸引することにより、化粧シート3をベース板
2に張る(接着する)において、中空穴8及び空気穴9
を介して化粧シート3を真空吸引することにより、化粧
シート3の周縁部をエッジ6に密着させている。
【0037】図6に示す実施形態では、ベース板2をス
チールのような金属板製として、その外周面に合成樹脂
製等のエッジ6を固着し、更に、ベース板2とエッジ6
とに通気穴9を空けている。
【0038】この図6の実施形態でも、素材シートを加
熱軟化させた真空成形することによってベース板2に接
着するにおいて、通気穴9から化粧シート3(素材シー
ト)を真空吸引することにより、化粧シート3をエッジ
6に密着させている。化粧シート3(素材シート)の余
長部分は刃物10でカットされる。符号11は素材シー
トの周縁部を押さえるクランパーである。
【0039】これら図4〜図6のように化粧シート3の
周縁部でエッジ6(又はベース板2の周縁部)を巻き込
んでいる場合は、化粧シート3は必ずしも接着剤でベー
ス板2に接着する必要はない。また、各実施形態におい
て接着剤4を使用する場合、背着剤5はベタ塗りする必
要はなく、散点状等に塗布しても良い。
【0040】更に、素材シートをベース板2の方向に真
空吸引することに加えて(又はこれに代えて)、素材シ
ートを外側から圧空することによってベース板2に重ね
合わせても良い(素材シートをベース板2に張る具体的
な手段は、本願出願人の先願に係る特開平11−912
57号に記載されている)。
【0041】図4〜図6の場合、化粧シート3は簡略化
して単層に表示しているが、積層構造でも良いことは言
うまでもない。
【0042】(3).その他 本発明は更に様々の形態・態様に具体化できる。
【0043】例えば、化粧シートは単層又は2層には限
らず、3層以上であっても良い。また、積層構造にする
場合は、異質の素材で構成することも可能である。ま
た、塗装方法としてはUV塗装には限らず、UV塗装と
同じ程度の性質で塗装膜を形成できる方法であれば、他
の方法・塗料を採用できる。
【0044】また、本発明の適用範囲は家具用天板には
限らず、家具の側板のような板部材や建物のドア又は壁
板、或いは陳列棚の棚板など、様々の板部材(板製品及
び板状の部材を含む)に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アイオノマー樹脂の構造式の一部を示す図であ
る。
【図2】化粧シートを単層構造にした実施形態の断面図
である。
【図3】化粧シートを二層構造にした実施形態の断面図
である。
【図4】天板の構造の一例を示す図である。
【図5】他の構造の天板の部分断面図である。
【図6】更に他の構造の天板の部分断面図である。
【図7】家具用天板の平面図である。
【図8】図8は図7のVIII−VIII視断面図である。
【符号の簡単な説明】
1 板部材の一例としての家具用天板 2 ベース板 3 化粧シート 3a 表層(上層) 3b 裏層(下層) 5 塗装膜 6 エッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B053 PA00 PB01 PB03 PB05 PC03 4F100 AB01E AH08A AK01B AK01C AK01D AK03A AK03C AK70A AP00E AR00A BA04 BA05 BA07 BA10A BA10E CC00D GB08 GB81 HB00A JB14D JK09 JM02D

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表層が、金属架橋構造のオレフ
    ィン系アイオノマー樹脂(又はこれと同じ物性を有する
    樹脂)から成っていることを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】少なくとも表層が、金属架橋構造のように
    イオン極性を有する合成樹脂からなっていることを特徴
    とする化粧シート。
  3. 【請求項3】複数の樹脂層で積層されており、そのうち
    少なくとも表層が請求項1又は請求項2の構成になって
    いることを特徴とする化粧シート。
  4. 【請求項4】オレフィン系樹脂からなる表層と、同じく
    オレフィン系樹脂から成る裏層との二層に積層されてお
    り、前記表層が金属架橋構造のアイオノマー樹脂である
    ことを特徴とする請求項3に記載した化粧シート。
  5. 【請求項5】表面に、UV樹脂系塗料のような塗料で塗
    装膜を施していることを特徴とする請求項1〜請求項4
    のうちのいずれかに記載した化粧シート。
  6. 【請求項6】木質系や金属系等のベース板に、請求項5
    に記載した化粧シートを表面に張っており、化粧シート
    の周縁部がベース板の周縁部を包むように曲げ加工され
    ていることを特徴とする家具用等の板部材。
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