JP2001275627A - 流動性材料の脱泡・搬送方法及び装置 - Google Patents

流動性材料の脱泡・搬送方法及び装置

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JP2001275627A JP2000096459A JP2000096459A JP2001275627A JP 2001275627 A JP2001275627 A JP 2001275627A JP 2000096459 A JP2000096459 A JP 2000096459A JP 2000096459 A JP2000096459 A JP 2000096459A JP 2001275627 A JP2001275627 A JP 2001275627A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性材料の脱泡・搬送・充填に関する前述
した問題に鑑みてなされたものであって、攪拌の際に噛
んだ気泡を脱泡し、かつ、脱泡した流動性材料を充填装
置に確実に送り出すことができる流動性材料の脱泡・搬
送装置を提供すること、また、攪拌装置とストックタン
クをそれぞれ2台以上有するように構成し、撹幹、脱
泡、ストック、充填の各作業を連続的に効率よく行うこ
とができる流動性材料の脱泡・搬送装置を提供すること 【解決手段】 流動性材料を攪拌するための攪拌装置
と、該攪拌装置の下流側に配置され、攪拌された流動性
材料に含まれる気泡を脱泡する脱泡装置と、該脱泡装置
の下流側に配置され、脱泡された流動性材料を密封的に
ストックし、下流側に配置された充填装置に加圧エアー
供給するストックタンクとを備えたことを特徴とする流
動性材料の脱泡・搬送装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流動性材料の脱泡・搬
送装置、さらに詳しくは、小さい気泡を含みやすい流動
性材料等を脱泡して搬送充填する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カレー、シチュー、ハヤシ等を作るため
に用いる固形ルウは、小麦粉、油脂、調味料、香辛料等
を加熱攪拌釜によって加熱混合して得られた加熱溶融状
のルウを、ポンプを介して充填装置に搬送し、充填装置
から容器に充填し、冷却固化することにより製造されて
いた。加熱溶融状のルウをポンプを介して充填装置に搬
送する際、加熱溶融状のルウがポンプの狭いクリアラン
スで詰りを起こす恐れがあった。また、特に原料中に合
成乳化剤を含まない場合には、詰りを起こしたルウが原
料分離を起こす恐れもあった。この詰りの問題は、ポン
プをなくし、加熱溶融状のルウの搬送経路内に加圧エア
ーを送り込むことによって加熱溶融状のルウを搬送する
ことによって解決できる。
【0003】また、加熱溶融状のルウが前記加熱混合の
際に気泡を噛み、すなわち気泡を含むようになり、この
気泡が冷却固化されるまでの間にルウ表面に浮き出ると
いう泡浮きの問題があった。この気泡噛みあるいは泡浮
きの問題は、加熱混合した後のルウをストレーナーを通
過させて気泡を脱泡することによって解決することがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ルウが
ストレーナーを通過することによって気泡を脱泡させる
工程を採用すると、ルウの気泡噛みすなわち泡浮きは防
止できるが、前記ストレーナーは構造上密閉状態にする
ことができないため、加圧エアーによってルウを充填装
置に搬送できないという問題がある。
【0005】
【発明の目的】本発明は、流動性材料の脱泡・搬送・充
填に関する前述した問題に鑑みてなされたものであっ
て、攪拌の際に噛んだ気泡を脱泡し、かつ、脱泡した流
動性材料を充填装置に確実に送り出すことができる流動
性材料の脱泡・搬送装置を提供することを目的とる。
【0006】本発明はさらに、攪拌装置とストックタン
クをそれぞれ2台以上有するように構成し、撹幹、脱
泡、ストック、充填の各作業を連続的に効率よく行うこ
とができる流動性材料の脱泡・搬送装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明は、流動性材料を攪拌す
るための攪拌装置と、該攪拌装置の下流側に配置され、
攪拌された流動性材料に含まれる気泡を脱泡する脱泡装
置と、該脱泡装置の下流側に配置され、脱泡された流動
性材料を密封的にストックし、下流側に配置された充填
装置に加圧エアー供給するストックタンクとを備えたこ
とを特徴とする流動性材料の脱泡・搬送装置である。実
施形態としては、前記ストックタンクを複数個有し、前
記脱泡装置と前記ストックタンクの間は遮断可能である
ことを特徴とする。また、前記攪拌装置が、クッカーで
あることを特徴とする。
【0008】本発明はまた、流動性材料を攪拌装置によ
って攪拌する工程と、攪拌された流動性材料を脱泡装置
を通過させて該流動性材料に含まれる気泡を脱泡する工
程と、脱泡された流動性材料を、ストックタンク内にス
トックする工程と、前記ストックタンクから下流側に配
置した充填装置に流動性材料を加圧エアー供給する工程
とを有することを特徴とする流動性材料の脱泡・搬送方
法である。実施形態としては、前記脱泡された流動性材
料をストックタンク内にストックする工程が、少なくと
も1個の脱泡装置と複数のストックタンクの間で選択的
に行われることを特徴とする。
【0009】本発明はさらに、流動性材料を加熱調理部
で加熱調理し、次いで、非密閉領域を通過させて、下流
側の次の処理部に送る工程を含む食品の製造方法におい
て、前記非密閉領域と前記処理部との間に複数個のスト
ックタンクを配置し、前記加熱調理部で加熱調理した流
動性材料を、前記非密閉領域を通過させて第1のストッ
クタンク内に移す工程と、前記第1のストックタンク内
に移した流動性材料を、前記非密閉領域に対し遮断した
状態にして前記第1のストックタンクから前記処理部に
加圧エアー供給する工程と、前記加熱調理部で加熱調理
した流動性材料を、前記非密閉領域を通過させて第2の
ストックタンク内に移す工程と、前記第2のストックタ
ンク内に移した流動性材料を、前記非密閉領域に対し遮
断した状態にして前記第2のストックタンクから前記処
理部に加圧エアー供給する工程と、を含むことを特徴と
する食品の製造方法である。
【0010】
【作用】攪拌装置内の流動性材料を脱泡装置を介してス
トックタンク内にストックした後、前記ストックタンク
を前記ストレーナーの領域に対し遮断した状態にして、
ストックタンク内に加圧エアー供給して流動性材料を充
填装置に送り出す。この送り出しの間は、このストック
タンクは脱泡装置の領域に対し遮断した状態であるた
め、流動性材料は脱泡装置を介してこのストックタンク
ヘ送れないが、他の攪拌装置の流動性材料を脱泡装置を
介して他のストックタンクにストックすることが可能で
ある。これを繰り返すことによって撹枠〜脱泡〜ストッ
ク〜充填の各作業を実質上連続的に効率よく行うことが
できる。
【0011】
【発明の効果】本発明の流動性材料の脱泡・搬送方法及
び装置は、攪拌の際に噛んだ気泡を脱泡し、かつ、脱泡
した流動性材料を充填装置に確実に送り出すことができ
る効果を有する。また、攪拌装置とストックタンクをそ
れぞれ2台以上有するように構成し、撹幹、脱泡、スト
ック、充填の各作業を連続的に効率よく行うことができ
る効果を有する。また、加熱用容器等の加熱調理部で加
熱調理した流動性材料を、非密閉領域を通過させて充填
装置等の次の処理部に確実に送り出すことができ、しか
も、加熱調理部から次の処理部に送る作業を実質上連続
的に効率よく行うことができる効果を有する。
【0012】
【実施の形態】以下、本発明の実施形態の流動性材料の
脱泡・搬送装置を図に基づいて説明する。流動性材料で
ある調理材料Mの脱泡・搬送装置1は、図1に示すよう
に、攪拌装置すなわち攪拌機能を有する複数の加熱調理
装置100、加熱調理装置100の下流側に配置された
ストレーナーすなわち脱泡装置200、脱泡装置200
の下流側に配置された複数のストックタンクすなわち冷
却ストッカー300、及び冷却ストッカー300の下流
側に配置された充填装置400からなる。
【0013】加熱調理装置 加熱調理装置100は、図2に示すように、架台110
に支持された半球形の容器112に、回転軸線Aが垂直
線に対し25ないし40°、好ましくは30°傾斜した
回転軸114に内側攪拌羽根116及び外側攪拌羽根1
18が配置されている。容器112は、内面を半球状に
した底部22の外面には蒸気及び35℃の冷却水を選択
的に供給する温度制御パイプ115が取り付けられ、さ
らにドレインパイプ119が連結されたジャケット構造
となっている。
【0014】容器112の上端部は蓋部材120によっ
て開放自在に気密的に閉塞され、蓋部材120には調理
材料投入口122及び回転軸114が取り付けられてい
る。回転軸114の上端には攪拌羽根の駆動源となる反
転変速機能付きのモータ130が取り付けられ、従って
内側攪拌羽根116及び外側攪拌羽根118は同一方向
にも反対方向にも回転駆動され、しかもその回転速度も
任意に選択制御可能である。内側攪拌羽根116の回転
速度は20ないし150rpmの範囲であり、外側攪拌羽
根118の回転速度は10ないし50rpmの範囲であ
る。内側攪拌羽根116及び外側攪拌羽根118の下端
部は、軸支部材132によって回転軸線Aを中心に回転
可能に支持されている。
【0015】内側攪拌羽根116は、回転軸線Aからの
距離が異なるようにアーム134,135によって支持
された攪拌軸136,137を有し、攪拌軸136,1
37には回転軸線Aに関し対称でなく配設された複数の
攪拌棒140が取り付けられている。攪拌棒140は回
転軸線Aに対し直交する方向に延びており、攪拌棒14
0の少なくともあるものは外側攪拌羽根118の近傍ま
で延びた長さを有する。内側攪拌羽根116の回転軸線
Aを含む平面の断面は、図2に示すような矩形に限ら
ず、台形や円形であってもよく、また回転軸線Aを中心
とする楕円形であってもよい。
【0016】外側攪拌羽根118は環状であって、周囲
に容器112の内面に接触して調理材料Mを掻き取る合
成樹脂製の掻取羽根150が取り付けられている。掻取
羽根150は、回転軸線Aの両側の掻取羽根150が容
器112の同一の領域を掻き取ることがないように回転
軸線Aに関し非対称に配置される。外側攪拌羽根118
の回転軸線Aを含む平面の断面は、図2に示すような円
形に限らず、楕円形であってもよい。また、外側攪拌羽
根118には、内側攪拌羽根116近傍まで延びる得る
攪拌棒を取り付けてもよい。
【0017】内側攪拌羽根116には、回転軸線Aの近
くに容器112の下方部に当たる位置に、回転軸線Aか
ら若干ずらして設けられた温度センサー取り付け部材1
70を介して温度センサー172が取り付けられ、攪拌
中の調理材料Mの温度を測定する。蓋部材120にはま
た、容器112から調理材料Mを排出させるための加圧
エア供給パイプ190が連結されている。容器112の
底部には、調理材料Mを排出するための弁受体180、
及び空圧シリンダー182によって制御される弁部材1
84が配置され、弁受体180に供給パイプ186が連
結されている。
【0018】加熱調理装置100の作動は、内側攪拌羽
根116を30rpm及び外側攪拌羽根118を15rpm
で同一方向に回転させながら、前置調理部(図示せず)
で予め小麦粉と油脂とを加熱調理して得た小麦粉ルウ、
粉体、ペースト、油脂を加える。さらに、温度センサー
172によって温度制御しながら温度制御パイプ115
に水蒸気を供給して加熱調理する。続いて、調理材料M
の品温が90℃に達した時点で、内側攪拌羽根116を
外側攪拌118と反対方向に15rpmで回転させなが
ら加熱調理する。これにより、小麦粉等の澱粉質原料と
油脂とを含む調理材料Mにペースト(特に水分を多く含
むもの)を加えた場合に品温上昇に伴って物性が急激に
硬化するという特有の現象に好適に対応し、調理材料M
を高い効率で粉砕し及び攪拌を行うことができる。
【0019】また、所定時間にわたる加熱調理が完了す
ると、ドレインパイプ119を通して、ジャケット内の
蒸気を排出するとともに、温度制御パイプ115を通し
て35℃の冷却水をジャケット内に導入し、調理材料M
を冷却する。冷却に伴って、加熱調理済の調理材料Mが
軟化してきたら内側攪拌羽根116を再び外側攪拌11
8と同一方向に回転させる。これにより、調理材料を攪
拌する際に生じる回転軸114に対する負荷を可及的に
抑え、効率よく攪拌を行うことができる。続いて、エア
ーシリンダー182を作動させて弁受体180から弁部
材184を分離させ、また容器112に加圧エア供給パ
イプ190から加圧エアを供給して、容器112内の加
熱調理済の調理材料Mを脱泡装置200へ供給する。
【0020】脱泡装置 脱泡装置200は、図3に示すように、ストレーナ21
2を備えている。このストレーナ212は、シフタのよ
うな装置であり、上下方向に重なるように配置された3
つのふるい214、216、218と、これらのふるい
214、216、218を振動させる振動手段である振
動装置220とを備えている。ふるい214は、図4に
示すように、略円筒状の金属製の枠214aと、枠の一
端(下端)に取付けらた円形の板部材214cとを有し
ている。
【0021】本実施形態の脱泡装置200では、枠21
4aは、直径約70cm、高さ約15cm、である。
又、板部材214cは、厚さ約1.5mmであり、直径
約2mmの孔214bが一面に形成されている。また、
板部材214cの開口率、即ち、総面積に対する孔21
4bの面積の比率は、20〜50%、特に、30〜40
%であるのが好ましい。尚、他のふるい216、218
も、基本的には、ふるい214と同じ構成を有してい
る。これらのふるい214、216、218は、ボル
ト、ナットなどの締結手段によって、上下方向に重ねら
れた状態で一体的に固定されている。従って、最上段の
ふるい214を通過した溶融ルウ等の調理材料Mは、二
段目のふるい216、最下段のふるい218を順次通過
させられることになる。
【0022】一体的に重ねられたふるい214、21
6、218の頂部には、調理済の調理材料Mを、確実に
最上段のふるい214に導くことができるように、漏斗
状部材222が取付けられる。図3では模式的に示され
ている振動装置220は、公知のシフタ等に使用されて
いるものと同様の振動装置である。即ち、振動装置22
0は、内蔵されたモータなどの回転運動を利用して、重
ねられ一体的に固定された3つのふるい214、21
6、218を一緒に、小刻みに振動させ、各ふるいの板
部材上に供給された溶融カレールウなどの流動性材料
を、効率良く、孔を通過させるように構成されている。
【0023】振動は、図3に矢印Aで示されているよう
な上下方向の往復運動によるものであっても、あるい
は、これに円運動を加えた三次元的な動きによる振動で
あってもよい。脱泡装置200では、ふるい214、2
16、218の下方部分が、ホッパ224の上方開口部
に接続されている。ふるいとホッパ224の間には、一
体的に固定されたふるい214、216、218の振動
を許容しつつ、ふるいの外周とホッパ224の内周との
間に形成された空間から異物がホッパ224内に侵入す
ることを防止する環状の蓋部226が配置されている。
【0024】ホッパ224内には、円錐状の受け部材2
28が配置されている。受け部材228は、金属製の傘
状部材である。受け部材228は、その頂点が、ホッパ
224に連結されているふるいの中心と上下方向に整列
するように、基端がホッパ224の底に取付けられた鉛
直ロッド230の先端に固定されている。
【0025】脱泡装置200では、受け部材228の頂
部の開き角度(α)は、約60度であり、底部の幅即ち
直径(d)は、ふるい214、216、218の直径よ
り若干小さくなるように設定されている。従って、最下
段のふるい218を通過し、矢印Bで示すように、垂直
に滴下してきた溶融カレールウ等の調理材料Mの多く
は、受け部材228の上側の傾斜面228aに、約30
度の角度をなして衝突し、これに沿って流れることにな
る。また、受け部材228の上側の傾斜面228aに衝
突しない溶融カレールウも、円錐面224aに約40度
の角度をなして衝突し、これに沿って流れることとな
る。
【0026】ホッパ224の下部は、下方に向かって先
細りする円錐部分となっており、この円錐部分の内周面
が漏斗状の円錐面224aを形成している。この円錐面
224aは、鉛直線に対して約40度の角度(β)をな
している。また、図2に示されているように、円錐部分
の上端の直径は、受け部材228の底部の直径より大き
く、且つ、円錐部分の上端は、受け部材228の底部よ
り上方に位置している。従って、受け部材228の上側
の傾斜面228aに沿って流れ、この傾斜面の末端か
ら、矢印Cで示すように、垂直に滴下してきた調理材料
Mは、この円錐部分の漏斗状の円錐面224aに、約4
0度の角度をなして衝突し、これに沿って流れる。
【0027】円錐部分の頂部すなわちホッパ224の底
に接続された鉛直ロッド230の基部の周囲には、漏斗
状の円錐面224aに沿って流れ落ちてきた調理材料M
をホッパ224から、次の工程、例えば、ストックタン
ク300へ排出する排出口232が設けられている。ホ
ッパ224の底部には、漏斗状の円錐面224aに沿っ
て流れてきた調理材料Mが略円錐状に溜まる。本実施形
態では、ホッパ224の底に円錐形に溜まった調理材料
Mの表面の直径が、受け部材228の底部の直径(d)
より、必ず、小さくなるように調理材料Mの状態が制御
されている。すなわち、ホッパ224の底では、溜まっ
た調理材料Mの表面の直径が受け部材228の底部の直
径(d)より小さくなる高さ位置までしか、調理材料M
が溜まらないように制御されている。従って、最下段の
ふるい218を通過し、垂直に滴下してくる溶融カレー
ルウは、必ず、傾斜面228aまたは漏斗状の円錐面2
24aに衝突することになり、ホッパ224の底に溜ま
った調理材料Mの液面に直接衝突することはない。
【0028】ホッパ224の底部に溜まる調理材料Mの
表面の高さ位置の制御は、例えば、調理材料Mがホッパ
224の底から流出していく速度に応じて、ストレーナ
220に供給する調理材料Mの供給量、供給速度などを
適当な値に設定しておくことによって達成できる。ある
いは、ホッパ224の底部に調理材料Mの表面の高さ位
置を検出するレベルセンサーを設け、このセンサーの出
力に基づいて、調理材料Mの供給量、供給速度などを調
節することによっても達成できる。
【0029】脱泡装置200の動作は、市販用の個別パ
ッケージへの充填に先立って、加熱調理装置100で調
理された調理材料Mから、気泡を取除くために使用され
る。積み重ねられて一体的された互いに固定されたふる
い214、216、218を、振動装置220によって
振動させながら、加熱調理装置100で作られた調理材
料Mを、最上段のふるい214に供給する。
【0030】調理材料Mは、最上段のふるい214を通
過し、二段目のふるい216、次いで、三段目のふるい
218を順次通過する。そして、ふるい214、21
6、218を通過することにより、調理材料Mに含まれ
ている気泡は破壊され、調理材料Mからは気泡が排除さ
れる。本実施形態のふるいでは、厚さ約1mmの板に、
直径が約2mmの孔が形成されており、これにより気泡
が効率的に排除される。
【0031】最下段のふるい218を通過した調理材料
Mは、円錐状の受け部材228の傾斜面228a上に落
下する。上述したように、受け部材228の底部の幅即
ち直径(d)は、ふるい214、216、218の直径
より若干小さく設定されているので、最下段のふるい2
18からほぼ鉛直方向下方に落下する調理材料Mの多く
は、受け部材228の傾斜面228a上に落下し、この
傾斜面228aと約30度の角度で衝突し、これに沿っ
て流れることになる。
【0032】受け部材228の上側の傾斜面228aに
沿って流れてきた調理材料Mは、この傾斜面228aの
末端から垂直に滴下し、ホッパ224の下部に設けられ
た円錐部分の漏斗状の円錐面224aに、約40度の角
度で衝突し、これに沿って流れ落ちる。また、上記傾斜
面228aに衝突しなかった調理材料Mは、円錐面22
4aに約40度の角度をなして衝突し、これに沿って流
れ落ちる。漏斗状の円錐面224aに沿って流れ落ちて
きた調理材料Mは、ホッパ224の底に溜まり、鉛直ロ
ッド30の基部の周囲に形成された排出口232を通し
て、ホッパ224から排出される。
【0033】冷却ストッカー 冷却ストッカー300は、図5に示すように、釜すなわ
ち容器320と攪拌装置321とを有する。容器320
は、図5及び図6に示すように、内面を半球状にしたジ
ャケット構造であり、底部322の外面には62℃の加
熱水及び7℃の冷却水を選択的に通す温度制御パイプ3
24が取り付けられ、さらにドレインパイプ327が連
結されている。容器320の上方開口部には、蓋部32
8が配置され、蓋部328には調理材料Mを投入するた
めの調理材料投入口325及び容器320から調理材料
を排出させるための加圧エア供給パイプ329が連結さ
れている。
【0034】蓋部328にはさらに、底部322の内面
の半球状の中心Oを通過する傾斜した回転軸330が取
り付けられ、回転軸330はモータ332によって5な
いし40rpm で回転させられる。回転軸330の先端に
は、底部322の内面に沿って円弧状に延びた攪拌羽根
334が取り付けられている。攪拌羽根334の外側す
なわち底部322の内面側に、合成樹脂製の掻き取り羽
根336が断続的に取り付けられている。掻き取り羽根
336R、336Lは左右非対称であり、一方の側の掻
き取り羽根336Rによって掻き取られなった部分を他
方の掻き取り羽根336Lが掻き取るようになってい
る。
【0035】容器320内の攪拌羽根334及び掻き取
り羽根336によって調理材料Mが掻き上げられる領域
すなわち図5における回転軸330の下側の領域には、
パドル型攪拌羽根340が配置されている。パドル型攪
拌羽根340は、パドル用モータ360によって正逆回
転可能な垂直軸362の先端に取り付けられ、図6に示
す第1斜線で示す領域346に配置されることによっ
て、調理材料Mの塊を高い効率で粉砕し及び攪拌を行う
ことができる。パドル型攪拌羽根340は、図7の
(A)、(B)に示すように、外形が全体的に回転軸R
を中心とする対称形外形の平面状矩形であり、内部に調
理材料Mの抵抗を低め攪拌能力を高めるために複数の非
対称形の貫通孔342が設けられている。
【0036】容器320内には、底部内面の半球状の中
心0から若干ずらして回転軸330と干渉しない位置に
温度センサー350を先端部に取り付けた垂直支持棒3
54が挿入されている。垂直支持棒354の先端部に取
り付けられた温度センサー350は、調理材料Mの中心
付近に当たる領域に配置されることによって、温度を高
精度に測定することができる。
【0037】蓋部328にはまた、容器112から調理
材料Mを空気圧力によって排出させるための加圧エア供
給パイプ329が連結されている。容器320の底部に
は、調理材料Mを排出するための弁受体360、及び空
圧シリンダー362によって制御される弁部材364が
配置され、弁受体360に供給パイプ366が連結され
ている。なお、容器320内の掻き取り羽根336によ
って調理材料Mが掻き下げられる領域すなわち図6にお
ける回転軸330の上側の領域に邪魔板を配置して、パ
ドル型攪拌羽根340によって破壊された調理材料Mの
塊を効率的に衝突させて効率よく攪拌するようにするこ
ともできる。この場合、邪魔板は前記垂直支持棒354
に取り付ければよい。
【0038】複数の冷却ストッカー300は、各々上流
側の脱泡装置200から調理材料Mの供給を受けるため
のパイプによって接続されるか、あるいは、搬送装置に
よって移動可能に配置され、待機位置、脱泡装置200
から調理材料Mを供給される受け取り位置、及び調理材
料Mを充填装置400に排出・供給する排出位置の間で
搬送される(図示せず)。後者の場合には、待機位置に
おいては温度制御パイプ324から62℃の保温水が供
給され、受け取り位置においては温度制御パイプ324
から62℃の保温水及び7℃の冷却水が選択的に供給さ
れ、また排出位置においては温度制御パイプ324から
62℃の保温水が供給されるようにするのがよい。
【0039】また、攪拌ストッカー300を脱泡装置2
00の略真下方向に配置することによって、脱泡装置2
00から攪拌ストッカー300へ調理材料Mを供給する
ためのパイプを短くすることができ、しかも重力にした
がって効率よく調理材料Mを供給することができるの
で、調理材料Mがパイプ内に残留することを防止するこ
とができる。
【0040】冷却ストッカー300においては、容器3
20のジャケット構造に温度制御パイプ324から7℃
の冷却水を入れ、温度センサー350によって温度管理
しながら加熱調理済の調理材料を冷却すると同時に、回
転軸330すなわち攪拌羽根334をモータ32によっ
て15rpm で回転させ、パドル用モータ360によって
パドル型攪拌羽根340を100rpmで回転させて調理
材料Mを均一に混合しまた調理材料Mの塊を粉砕しなが
ら62℃まで冷却する。調理材料Mが62℃まで冷却さ
れたら、温度制御パイプ324に7℃の冷却水に換えて
62℃の保温水を供給して、調理材料Mを攪拌しながら
62℃に保持して排出を待ち、排出時に、エアーシリン
ダー362を作動させて弁受体360から弁部材364
を分離させ、また容器320に加圧エア供給パイプ32
9から加圧エアを供給して、容器320内の調理材料M
を排出して充填装置400へ供給する。
【0041】このように、攪拌ストッカー300は、排
出を待つ間に調理材料Mを貯蔵しておくことができる。
また、仮にこの貯蔵中の調理材料Mが分離を生じても攪
拌羽根334及びパドル型攪拌羽根340を回転させる
ことにより均一な混合状態を再現することができる。し
たがって、貯蔵中の調理材料Mの分離を心配する必要が
ないため合成乳化剤を使用しないで焙煎特性を充分に生
かして風味、香りにおいてコクのあるルウ等を製造する
ことができる。更に、第2調理部316では、例えば乳
原料、野菜や果実の液汁等の加熱を避けたい原料を攪拌
装置100に投入せずに非加熱調理材料として投入する
ことができ、原料の新鮮な生の風味を活かしたルウ等を
製造することもできる。
【0042】充填装置 充填装置400は、調理済の調理材料Mを出荷用個別パ
ッケージへの充填のため、公知の充填装置に送られる。
この種の充填装置としては、例えば、特開昭63−22
303号公報に記載されているものがある。
【0043】作動 上述した流動性材料の脱泡・搬送装置1の作動について
説明する。加熱調理装置100Aから脱泡装置200に
調理済の調理材料Mを供給する。脱泡装置200におい
て脱泡された調理材料Mは受け取り位置にある冷却スト
ッカー300Aに供給され、貯蔵される。加熱調理装置
100Aの調理材料Mが無くなると、調理材料Mは次の
加熱調理装置100Bから脱泡装置200に供給され
る。冷却ストッカー300Aの調理材料Mが満杯になる
と、その冷却ストッカー300Aは排出位置へ搬送さ
れ、一方待機位置において待機していた他の冷却ストッ
カー300Bが受け取り位置に搬送されて、脱泡装置2
00から調理材料Mの供給を受ける。排出位置の冷却ス
トッカー300は、ジャケット構造に温度制御パイプ3
24から7℃の冷却水を入れ、温度センサー350によ
って温度管理しながら加熱調理済の調理材料を冷却する
と同時に、調理材料Mを均一し調理材料Mの塊を粉砕し
ながら62℃まで冷却する。調理材料Mの排出は、弁受
体360から弁部材364を分離させ、また容器320
に加圧エア供給パイプ329から加圧エアを供給して、
容器320内の調理材料Mを排出して充填装置400へ
供給する。
【0044】また、上記実施形態では、ストックタンク
は、傾斜した回転軸に取り付けられた攪拌羽根及びパド
ル型攪拌羽根を備えるものであったが、本発明で使用で
きるストックタンクは、上記実施形態のストックタンク
に限定されるものではない。他の形態のストックタンク
の一例として、図8に、ストックタンク500を示す。
図8に示されているように、ストックタンク500は、
容器512を備えている。この容器512の上部には、
上流側の脱泡装置200から調理材料Mの供給を受ける
バルブ514を備えたパイプ515が挿入されており、
このパイプ515の先端は、容器512内の側壁の上部
傍らまで延ばされている。このため、ストックタンク5
00では、パルプ514を開いた状態で、脱泡装置20
0から調理材料Mがパイプ515を通って供給され、こ
の調理材料Mは、容器512内の側壁を伝って容器51
2内の底部に溜まるように構成されている。容器512
の上部にはまた、容器512から調理材料Mを排出させ
るための加圧エア供給パイプ520が連結されている。
【0045】容器512内の底部には、混合翼516が
設けられている。この混合翼516は、容器512の下
方に配置されたモータ518などの駆動機構で、回転さ
せられるように構成されている。この回転により、容器
512内の底部に溜まった調理材料Mは、攪拌され、分
離しないように混合状態を維持される。また、容器51
2の底部には、上述した冷却ストッカー300と同様
に、調理材料Mを排出するための弁受体、及び空圧シリ
ンダーによって制御される弁部材が配置され(図示せ
ず)、弁受体に供給パイプ522が連結されている。ま
た、容器512には、ウォータージャケット(図示せ
ず)が設けられ、内部の温度を調理材料Mの充填に適し
た温度に保つことができるように構成されている。スト
ックタンク500では、調理材料Mの排出は、弁受体か
ら弁部材を分離させ、またパイプ515のバルブ514
を閉じ、容器512内に加圧エア供給パイプ520から
加圧エアを供給して、容器512内の調理材料Mを排出
して充填装置400へ供給する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である流動性材料の脱泡・搬
送装置の構成図である。
【図2】本発明の実施形態の加熱調理装置の断面図であ
る。
【図3】本発明の実施形態の脱泡装置の断面説明図であ
る。
【図4】本発明の実施形態のふるいの斜視図である。
【図5】本発明の実施形態の冷却ストッカーの断面図で
ある。
【図6】本発明の実施形態の冷却ストッカーの水平断面
図である。
【図7】本発明の実施形態の攪拌羽根の正面図である。
【図8】本発明の他の実施形態のストックタンクの断面
図である。
【符号の説明引】
M 調理材料 1 流動性材料の脱泡・搬送装置 100 加熱調理装置 112 容器 114 回転軸 116 内側攪拌羽根 118 外側攪拌羽根 120 蓋部 140 攪拌棒 150 掻取羽根 190 加圧エア供給パイプ 200 脱泡装置 212 ストレーナ 214、216、218 ふるい 224 ホッパ 228 受け部材 232 排出口 300 冷却ストッカー 320 容器 321 攪拌装置 324 温度制御パイプ 328 蓋部 329 加圧エア供給パイプ 400 充填装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森村 晃一 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品株式会社内 Fターム(参考) 4B036 LF03 LP21 LP24 LT01 LT07 LT29 4B048 PE03 PL06 PS01 PS15 PS18 PS20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動性材料を攪拌するための攪拌装置
    と、 該攪拌装置の下流側に配置され、攪拌された流動性材料
    に含まれる気泡を脱泡する脱泡装置と、 該脱泡装置の下流側に配置され、脱泡された流動性材料
    を密封的にストックし、下流側に配置された充填装置に
    加圧エアー供給するストックタンクとを備えたことを特
    徴とする流動性材料の脱泡・搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記ストックタンクを複数個有し、前記
    脱泡装置と前記ストックタンクの間は遮断可能であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の流動性材料の脱泡・搬
    送装置。
  3. 【請求項3】 前記攪拌装置が、クッカーであることを
    特徴とする請求項1に記載の流動性材料の脱泡・搬送装
    置。
  4. 【請求項4】 流動性材料を攪拌装置によって攪拌する
    工程と、 攪拌された流動性材料を脱泡装置を通過させて該流動性
    材料に含まれる気泡を脱泡する工程と、 脱泡された流動性材料を、ストックタンク内にストック
    する工程と、 前記ストックタンクから下流側に配置した充填装置に流
    動性材料を加圧エアー供給する工程とを有することを特
    徴とする流動性材料の脱泡・搬送方法。
  5. 【請求項5】 前記脱泡された流動性材料をストックタ
    ンク内にストックする工程が、少なくとも1個の脱泡装
    置と複数のストックタンクの間で選択的に行われること
    を特徴とする請求項4に記載の流動性材料の脱泡・搬送
    方法。
  6. 【請求項6】 流動性材料を加熱調理部で加熱調理し、
    次いで、非密閉領域を通過させて、下流側の次の処理部
    に送る工程を含む食品の製造方法において、 前記非密閉領域と前記処理部との間に複数個のストック
    タンクを配置し、 前記加熱調理部で加熱調理した流動性材料を、前記非密
    閉領域を通過させて第1のストックタンク内に移す工程
    と、 前記第1のストックタンク内に移した流動性材料を、前
    記非密閉領域に対し遮断した状態にして前記第1のスト
    ックタンクから前記処理部に加圧エアー供給する工程
    と、 前記加熱調理部で加熱調理した流動性材料を、前記非密
    閉領域を通過させて第2のストックタンク内に移す工程
    と、 前記第2のストックタンク内に移した流動性材料を、前
    記非密閉領域に対し遮断した状態にして前記第2のスト
    ックタンクから前記処理部に加圧エアー供給する工程
    と、を含むことを特徴とする食品の製造方法。
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