JP2001272537A - 位相差フィルム及びその製造方法 - Google Patents

位相差フィルム及びその製造方法

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JP2001272537A JP2000084761A JP2000084761A JP2001272537A JP 2001272537 A JP2001272537 A JP 2001272537A JP 2000084761 A JP2000084761 A JP 2000084761A JP 2000084761 A JP2000084761 A JP 2000084761A JP 2001272537 A JP2001272537 A JP 2001272537A
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Masanori Koshioka
雅則 越岡
Haruhiko Maki
春彦 牧
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 大型の液晶表示装置などに用い得る光学的性
能を具備し、多数の分取が可能でコスト的に有利であ
る、広い幅でかつ長尺の位相差フィルムを提供すること
を目的とする。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルムを延伸し形成され
る位相差フィルムであって、フィルム全面にわたってレ
ターデーションのバラツキを10nm以下のフィルム幅
700mm以上、長さ100m以上の位相差フィルムを
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は長尺位相差フィルム
及びその製造方法に関し、特に大型の液晶表示装置等に
位相差補償フィルムとして用いられる位相差フィルム及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、位相差フィルムは、テレビのブラ
ウン管に対する防眩材料としての使用や、液晶表示素子
の着色防止、コントラスト向上のための材料として利用
がなされてきた。近年、この位相差フィルムの軽量・薄
型の特徴が評価されて、大型液晶表示装置の開発が積極
的に進められ、これに用いる広幅の位相差フィルムに対
する需要がますます高まっている。また、生産性の面か
らも広い幅の位相差フィルムが期待されている。
【0003】一方では、液晶セルの補償状態をディスプ
レー面内で均一に維持するため、厳格な均一性が要求さ
れる。しかしながら、従来の技術で広い幅の位相差フィ
ルムを製造しようとすると、延伸前フィルムの物性、延
伸条件等々のバラツキが大きくなって、色補償が不安定
であったり、局所的にコントラストむらが発生する等の
問題があった。このため、製造ロット間はもとより製造
ロット内でも品質が安定せず、実用できる広幅の長尺位
相差フィルムは得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】位相差フィルムの重要
な光学特性の1つとして、レターデーションがある。レ
ターデーションとは、複屈折率とフィルム厚さの積で表
されるが。レターデーションは、位相差フィルムを組み
込んだ液晶表示素子の補償に大きく関連する。位相差フ
ィルムのレターデーションのズレが生じ、このズレが一
定範囲を超えると、液晶表示素子の十分な補償ができな
くなる問題がある。特に幅が広く長尺の位相差フィルム
は多数の分取が可能でコスト的に有利であるため強く要
望されているが、フィルム全面にわたってレターデーシ
ョンのバラツキを小さくすることは難しい。目標のレタ
ーデーション値からのズレが大きくなると、液晶表示素
子の大きさに合わせて切り出される位相差フィルム1枚
の中でも、部分的に光学特性が異なることになり均一な
画面表示ができないという問題や、切り出された位相差
フィルム間で光学特性が異なるという問題等が顕著にな
る。そこで本発明者は、大型の液晶表示装置等に用いる
ことのできる優れた特性を十分に備え、かつ多数の分取
が可能でコスト的に有利である幅の広い長尺位相差フィ
ルム及びその製造方法について鋭意検討した結果、本発
明に至ったのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る長尺位相差
フィルムとそれを分取して得られる位相差フィルムのシ
ートの要旨とするところは、幅700mm以上、長さ1
00m以上の熱可塑性樹脂からなる延伸フィルムであっ
て、幅方向を任意の1点に固定し長さ方向に走査して得
られるレターデーションの最大値と最小値の差が4nm
以下であることにある。
【0006】また、本発明に係る位相差フィルムとそれ
を分取して得られる位相差フィルムのシートの他の要旨
とするところは、幅700mm以上、長さ100m以上
の熱可塑性樹脂からなる延伸フィルムであって、幅方向
に走査して得られるレターデーションの最大値と最小値
の差がフィルム全長にわたり6nm以下であることにあ
る。
【0007】さらに、本発明に係る位相差フィルムとそ
れを分取して得られる位相差フィルムのシートの他の要
旨とするところは、幅700mm以上、長さ100m以
上の熱可塑性樹脂からなる延伸フィルムであって、フィ
ルム全長及びフィルム全幅にわたる面内のレターデーシ
ョンの最大値と最小値の差が10nm以下であることに
ある。
【0008】本発明に係る位相差フィルムの製造方法の
要旨とするところは、幅700mm以上、長さ100m
以上の熱可塑性樹脂からなる延伸フィルムの製造方法で
あって、ライン中の測定システムにより得られるレター
デーションをもとに、生産中に延伸条件またはアニール
条件の少なくとも一方を調整することを特徴とする。
【0009】また、本発明に係る位相差フィルムの製造
方法の他の要旨とするところは、前記測定システムが、
生産ライン中の延伸フィルムの走行方向に働く張力の幅
方向分布における最大値と最小値の差を10kg/m以
下に調整する張力調整装置と、ライン中にある該フィル
ムのレターデーションを測定する少なくとも一つの装置
とを含むレターデーションの測定システムであって、該
フィルムのレターデーションを測定する少なくとも一つ
の装置が、フィルムの幅方向のレターデーションプロフ
ァイルを測定する機構を備える測定装置であることを特
徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る位相差フィル
ムの実施の形態について詳しく説明する。本発明に係る
位相差フィルムは、例えば、熱可塑性樹脂を材料とし
て、フィルム形状に形成後、延伸工程、及びアニール工
程を経て製造される。
【0011】本発明に用いることのできる熱可塑性樹脂
としては、光透過性、耐熱性、光学的な均質性、液晶セ
ルとの光学的な適合性、加工性等の観点から種々選択さ
れるが、これらの特性に適合するものであれば限定され
ない。例示すると、ポリカーボネート系樹脂、セルロー
ス系樹脂、ポリアリレート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、
アクリルニトリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリフェニ
レンオキサイド系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹
脂等を用い得る。さらに、液晶性高分子も適用し得る。
これらのうち、ポリカーボネート系樹脂は、高い固有複
屈折率を有すると共に延伸性に優れた材料であり、本発
明に特に適応し得る。
【0012】上記熱可塑性樹脂フィルムの製膜方法は特
に限定されず、溶融押し出し法やカレンダー法等も用い
得るが、溶液流延法が好ましく用いることができる。
【0013】一般に、製膜工程で変形応力を受けると、
分子の配向が進んでフィルムの複屈折率は増大する。複
屈折率の増大に伴い複屈折率のバラツキも増大するた
め、延伸前のフィルムは可能な限り低い複屈折率を有す
ることが好ましい。この観点より、溶液流延法は粘度の
低い状態で比較的小さな応力で製膜し得るため、他の製
膜方法に比較して複屈折率の小さいフィルムを製膜する
ことが可能となる。
【0014】また、上記製膜された熱可塑性樹脂フィル
ムの延伸工程においては、延伸方法は、当業者公知の種
々の方法が適用され得るが、例えば、テンターによる横
一軸延伸法、カレンダーによる圧延延伸法、速度の異な
るロール間で延伸する縦一軸延伸法等が例示される。こ
れらのうち、ロール間で延伸する縦一軸延伸法は、簡便
な設備を使用し、かつ生産性の良好な延伸が可能である
ため好ましく用い得る。
【0015】一般に、延伸して得られる位相差フィルム
の光学特性に対する均斉度は、延伸前フィルムの均斉度
と、延伸条件の均一性に左右され、これらは相乗的に影
響する。たとえば、製膜工程で温度むら等によって生じ
た延伸前フィルムの配向ムラや厚さムラは、延伸工程で
レターデーションのバラツキとして現れる。更に、延伸
時の温度、張力等のむらは新たなレターデーションのバ
ラツキを生じさせ、形成される位相差フィルムの光学特
性の不均一性を増大させることになる。
【0016】このような理由から、均一な光学特性を持
つ位相差フィルムを得るためには、製膜工程及び延伸工
程について温度、張力等の諸条件を常に均一に保って生
産する必要がある。しかしながら、フィルム幅が700
mm以上で、かつ長さが100m以上の位相差フィルム
を連続して生産する上において、全工程を常に均一条件
に保つことは、工業的に極めて困難である。
【0017】特にレターデーションについては、位相差
フィルムを組み込んだ液晶表示素子の補償を十分に行う
ために、±1%程度のバラツキに抑えることが求められ
る。このため、フィルム幅が700mm以上で、かつ長
さが100m以上の位相差フィルムにおいて、フィルム
全長及びフィルム全幅にわたって面内のレターデーショ
ンの最大値と最小値の差が10nm以下である位相差フ
ィルムを生産するには、生産ライン中にあるフィルムの
レターデーション値を測定しながら、この最大値と最小
値の差が10nm以下となるように、延伸条件を逐次調
整するか延伸炉内或いは延伸炉外に設置したアニールゾ
ーンの温度分布を逐次調整することが好ましい。
【0018】本発明に係る延伸条件及びアニール条件の
調整について説明する。延伸条件及びアニール条件の調
整は、フィルムの長さ方向のレターデーションのバラツ
キを小さくすることと、フィルムの幅方向のレターデー
ションのバラツキを小さくすることの双方について実施
する。
【0019】フィルムの長さ方向のレターデーションの
バラツキを小さくするためには、生産ライン中にあるフ
ィルムの、幅方向の任意の1点におけるレターデーショ
ン値を常時測定しながら、このバラツキの最大値と最小
値の差が4nm以下となるように延伸条件或いはアニー
ル条件を調整する。調整する条件として、延伸倍率、炉
内平均温度、アニール平均温度等が上げられる。炉内平
均温度及びアニール平均温度の調整は、温度分布を一定
に保ったままでの温度昇降が難しいことや、炉内全体の
温度を昇降する必要があることから、温度変化に時間が
かかり、レターデーションに対する応答が遅くなること
から、延伸倍率の調整が好ましく用いられる。延伸倍率
の調整は自動であっても手動であっても限定されるもの
ではない。手動の調整は、オペレーターが常時工程を監
視する必要があることや、調整方法に個人差が生じるお
それがあることから、自動での調整が好ましい。自動で
調整を行うためには、生産ライン中にあるフィルムのレ
ターデーション値を測定しながら、例えば、レターデー
ションが目標より高い場合には延伸倍率を小さくするよ
うに制御する。制御には、ON/OFF制御、PI制御
等汎用的な方式を用いることができるがこれらに限定さ
れるものではない。
【0020】フィルムの幅方向のレターデーションのバ
ラツキを小さくするためには、生産ライン中にあるフィ
ルムの、幅方向のレターデーション値を精度良く測定し
ながら、このバラツキの最大値と最小値の差が6nm以
下となるように延伸条件或いはアニール条件を調整す
る。調整する条件として、炉内温度分布、炉内張力分
布、アニール温度分布等が上げられる。炉内温度分布、
或いはアニール温度分布の調整は、風量バランス、設定
温度の変更、或いは熱風発生装置の配置等によって行う
ことが出来る。炉内張力分布の調整は、例えば延伸炉の
出入り口に配置されているロールの平行度の変更により
行うことが出来る。これらの条件を、レターデーション
のバラツキに対応して調整する手段としては、自動であ
っても手動であっても限定されない。
【0021】本発明に係る生産ライン中にあるフィルム
のレターデーション値を測定する方法について説明す
る。延伸、あるいはアニール条件の調整によりレターデ
ーションのバラツキを小さくするためには、生産ライン
中にある位相差フィルムのレターデーション値を常時精
度良く測定することが望まれる。ところが、生産ライン
中にあるフィルムには張力がかかっているため、測定さ
れるレターデーション値は、真値とされる無負荷状態の
位相差フィルムの持つレターデーション値とは相違す
る。特に幅の広いフィルムでは、フィルムのたるみの影
響によりこの相違が顕著に現れる。「たるみ」とは、フ
ィルムを低張力で保持した場合に、フィルムのある部分
が保持面より下がる現象で、フィルムの長さが幅方向で
異なるために生じる。このようなたるみを持った位相差
フィルムを生産ライン中で搬送させる場合、位相差フィ
ルムの幅方向に働く張力は、たるみの大きさやその形状
に対応して変動する。具体的には、たるみの大きい部分
では、相対的にフィルムの長さが長いため、フィルムが
ピンと張った状態にならないので張力は小さくなり、逆
にたるみの小さい部分の張力は大きくなる。相対的に長
さの長い部分がたるみ、長さの差が大きいほどたるみも
大きくなる。
【0022】このように、位相差フィルムに働く張力
は、フィルムのたるみにより幅方向で一定にはならず、
かつ、たるみの形状が変化することにより張力の分布も
変化する。このような理由のため、生産工程においてオ
ンラインでレターデーションを測定しても、実際のフィ
ルムが有するレターデーションの値との相違が生じる。
このため、生産ライン中にあるレターデーション測定部
の周辺に張力を調整し均一化するステップを設けること
により解決できる。具体的には、生産ライン中にあるフ
ィルムの幅方向のレターデーション値を測定する部分
と、その周辺に配置された張力調整機能付きロールから
なる。精度の高いレターデーション測定値を得るために
は、生産ライン中の延伸フィルムの走行方向に働く張力
の幅方向分布における最大値と最小値の差を張力調整機
能付きロールにより10kg/m以下好ましくは4kg
/m以下に調整する。図1と図2に本発明の製造方法に
好ましく適用され得る張力調整機能付きロールを用いた
レターデーションの測定システムの一例を示すが、これ
は本発明の一実施態様を示した図であり、精度の高い測
定システムであれば、これに限定されるものではない。
【0023】上記のようにして得られた本発明にかかる
位相差フィルムは、液晶表示素子着色防止や高コントラ
スト化、視野角改善の目的に適合した位相差フィルムで
あり、さらにフィルム幅が700mm以上、好ましくは
1000mm以上でかつフィルム長さが100m以上、
好ましくは500m以上とし得る。従って、装置の大型
化に対応する位相差フィルムを得ることが可能であり、
またフィルムの切り出し効率を上げられることより、コ
ストを低減させ得る。その他、本発明はその趣旨を逸脱
しない範囲内で、張力を均一に調整するための装置、レ
ターデーション測定方法、測定される位相差フィルムの
原料、製膜方法、延伸方法、位相差フィルムの特性等に
つき、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正変形を
加えた形態で実施し得るものである。
【0024】
【実施例】本発明の実施例を、以下に詳しく説明する
が、これらに限定されるものではない。
【0025】(実施例1)溶媒として塩化メチレンを用
いて、ポリカーボネート(帝人化成社製、品番パンライ
トC−1400)の15%溶液を調合し、溶液流延法に
より幅1300mm、長さ500mのフィルムを製膜し
た。厚さ及び複屈折率のバラツキを小さくするために、
製膜にあたっては、乾燥温度、風の流れ、張力分布に特
に留意した。結果、平均厚さ66μm、幅方向の厚さバ
ラツキ1.5μm、平均レターデーション12nm、レ
ターデーションのバラツキ3nmのフィルムを得た。本
フィルムの端部を切り落とし、幅を1200mmとし
て、縦一軸延伸を行って幅1000mm、長さ600m
の位相差フィルムを得た。延伸にあたっては、生産ライ
ン中にあるフィルムの幅方向の中央部におけるレターデ
ーションを測定するための定点測定用オンライン複屈折
計(王子計測機器社製、KOBRA−21ISK)と、
その近傍に生産ライン中のフィルムの張力を調整するた
めの張力調整機能付きロールとしてマルチテンションロ
ール(王子工営社製、セグメント長100mm、セグメ
ント数12個)を配置し、オンライン複屈折計より得ら
れるレターデーション値が400nm±2nmの範囲と
なるよう延伸倍率を自動調整した。
【0026】得られた位相差フィルムの幅方向の中央部
におけるレターデーションを長さ方向に20cm間隔で
測定した結果を図3に示す。この結果より、フィルム全
長にわたってフィルム幅方向の中央部におけるレターデ
ーションの最大値と最小値の差が4nm以下であること
がわかる。
【0027】(実施例2)第1の実施例に加えて、定点
測定用オンライン複屈折計の隣に生産ライン中にあるフ
ィルムの幅方向のレターデーションプロファイルを測定
するためのスキャン型オンライン複屈折計(王子計測機
器社製、KOBRA−31IS)を設置し、スキャン型
オンライン位相差計から得られる各スキャン毎のレター
デーションプロファイルの最大値と最小値の差が6nm
以下となるよう、延伸炉の入口に配置したガイドロール
の平行度を自動調整して、幅1000mm、長さ600
mの位相差フィルムを得た。
【0028】得られた位相差フィルムについて、長さ方
向200m毎に、フィルムの幅方向のレターデーション
を測定した結果を図4に示す。この結果より、フィルム
全面にわたってレターデーションの最大値と最小値の差
が10nm以下であることがわかる。
【0029】(比較例1)延伸倍率及び延伸炉の入口に
配置したガイドロールの平行度の自動調整を行わなかっ
たこと以外は、第2の実施例と同様にして幅1000m
m、長さ600mの位相差フィルムを製造した。
【0030】得られた位相差フィルムの幅方向の中央部
におけるレターデーションを長さ方向に20cm間隔で
測定した結果を図5に、長さ方向200m毎に、フィル
ムの幅方向のレターデーションを測定した結果を図6に
示す。この結果より、フィルム全面におけるレターデー
ションの最大値と最小値の差は10nm以上であること
がわかる。
【0031】
【発明の効果】本発明に係る位相差フィルムによれば、
フィルム全面におけるレターデーションのバラツキが1
0nm以下であるので、大型の液晶表示素子であって
も、画面全面にわたって十分な色補償と高いコントラス
トを確保することができ、均一な画面表示が可能とな
る。また、面内で多数の切り出しを行って用いても、い
ずれの表示も同等の色合いとコントラストとなる効果が
得られる。
【0032】また、本発明に係る位相差フィルムの製造
方法によれば、幅700mm以上、長さ100m以上の
フィルムであっても、面内のレターデーションのバラツ
キを10nm以下に抑えることができるので、液晶表示
素子等の大型の光学デバイスに用いられたり、面内で幾
つも分取できてコスト的に有利な、位相差フィルムを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるレターデーション測定システム
の1実施例の側面模式図である。
【図2】本発明にかかるレターデーション測定システム
のレターデーション値測定装置の1実施例である。
【図3】実施例1で得られた位相差フィルムについて、
その幅方向のの中央部におけるレターデーションを長さ
方向に20cm間隔で測定した結果を示すグラフであ
る。
【図4】実施例1で得られた位相差フィルムについて、
長さ方向200m毎に、フィルムの幅方向のレターデー
ションを測定した結果を示すグラフである。
【図5】比較例1で得られた位相差フィルムについて、
その幅方向のの中央部におけるレターデーションを長さ
方向に20cm間隔で測定した結果を示すグラフであ
る。
【図6】比較例1で得られた位相差フィルムについて、
長さ方向200m毎に、フィルムの幅方向のレターデー
ションを測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10;本発明にかかるレターデーション測定システムの
1実施例 12;張力調整装置 14;レターデーション値測定装置 16;レール 18;ガイドロール 20、30;樹脂フィルム 22;C型アーム 24;測定部 26;位相差計の受光部 28;位相差計の投光部 32;テンション調整機能付きロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 69:00 C08L 69:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 幅700mm以上、長さ100m以上の
    熱可塑性樹脂からなる延伸フィルムであって、幅方向を
    任意の1点に固定し長さ方向に走査して得られるレター
    デーションの最大値と最小値の差が4nm以下であるこ
    とを特徴とする長尺位相差フィルム。
  2. 【請求項2】 幅700mm以上、長さ100m以上の
    熱可塑性樹脂からなる延伸フィルムであって、幅方向に
    走査して得られるレターデーションの最大値と最小値の
    差がフィルム全長にわたり6nm以下であることを特徴
    とする長尺位相差フィルム。
  3. 【請求項3】 幅700mm以上、長さ100m以上の
    熱可塑性樹脂からなる延伸フィルムであって、フィルム
    全長及びフィルム全幅にわたる面内のレターデーション
    の最大値と最小値の差が10nm以下であることを特徴
    とする長尺位相差フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3に記載の長尺位相
    差フィルムを分取して得られる位相差フィルムのシー
    ト。
  5. 【請求項5】 幅700mm以上、長さ100m以上の
    熱可塑性樹脂からなる延伸フィルムの製造方法であっ
    て、ライン中の測定システムにより得られるレターデー
    ションをもとに、生産中に延伸条件またはアニール条件
    の少なくとも一方を調整することを特徴とする長尺位相
    差フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 測定システムが、生産ライン中の延伸フ
    ィルムの走行方向に働く張力の幅方向分布における最大
    値と最小値の差を10kg/m以下に調整する張力調整
    装置と、ライン中にある該フィルムのレターデーション
    を測定する少なくとも一つの装置とを含むレターデーシ
    ョンの測定システムであって、該フィルムのレターデー
    ションを測定する少なくとも一つの装置が、フィルムの
    幅方向のレターデーションプロファイルを測定する機構
    を備える測定装置であることを特徴とする請求項5に記
    載する長尺位相差フィルムの製造方法。
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