JP2001271893A - 歯車装置 - Google Patents

歯車装置

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JP2001271893A
JP2001271893A JP2000073089A JP2000073089A JP2001271893A JP 2001271893 A JP2001271893 A JP 2001271893A JP 2000073089 A JP2000073089 A JP 2000073089A JP 2000073089 A JP2000073089 A JP 2000073089A JP 2001271893 A JP2001271893 A JP 2001271893A
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Kenichi Ushigoe
健一 牛越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯車機構の小型化を図るために各歯車の歯型
を小さなモジュールに設定しても、動作や組立に支障を
来たすことのない遊星歯車機構の構成を実現し、これに
よって従来よりも小型化可能であり、しかも、十分な減
速比を備えた歯車装置を提供する。 【解決手段】 太陽歯車12bの歯数をe=9、3つの
遊星歯車の第1歯車部13aの歯数をそれぞれz1=1
5、第2歯車部13bの歯数をz2=18、固定内歯車
の歯数をI1=42、可動内歯車の歯数をI2=51とし
ている。このとき、上記式(1)に従って得られる減速
比は481である。上記のすべての歯車の歯数e、
1、z2、I1、I2が全て3の倍数であり、z1とz2
差、I1とI2の差もまた3の倍数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は歯車装置に係り、特
に、小型の減速機として構成する場合に好適な遊星歯車
機構を有する歯車装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、遊星歯車機構を用いた減速装置
は、小型で大きな減速比を得ることができることから、
各種機械装置における駆動機構の一部として多く用いら
れている。このような減速装置の一例としては、特開平
2−31047号公報に記載された小型減速機がある。
この小型減速機は、太陽歯車と、この太陽歯車に噛合す
る遊星歯車と、この遊星歯車の第1歯車部に噛合する固
定内歯車と、固定内歯車と同軸に取付けられ、遊星歯車
の第2歯車部に噛合する可動内歯車とから構成されたも
のである。この場合、固定内歯車に噛合する第1歯車部
と可動歯車部に噛合する第2歯車部とは同軸且つ軸線方
向に隣接して設けられ、この公報においては相互に同じ
歯数になるように形成されている。ただし、遊星歯車の
第1歯車部と第2歯車部とは一般には異なる歯数に形成
される。
【0003】このような遊星歯車機構を用いた歯車装置
においては、機構の大型化を招くことなく減速比を大き
くとることができる。例えば、上記の機構において、太
陽歯車の歯数をe、遊星歯車の第1歯車部の歯数を
1、第2歯車部の歯数をz2、固定内歯車の歯数を
1、可動内歯車の歯数をI2とした場合、太陽歯車を入
力部として構成し、可動内歯車を出力部として構成した
ときの減速比は、 r={1+(I1/e)}/{1−(z2/z1)・(I1/I2)}・・・(1) で表される。
【0004】ここで、上記の特開平2−31047号公
報に記載されているように、z1=z2とし、太陽歯車の
歯数e=6、固定内歯車の歯数I1=60、可動歯車の
歯数I2=61とすると、固定内歯車と可動内歯車との
歯数差は1であり、減速比は671となる。また、他の
歯数を同一とし、可動内歯車の歯数I2=62とする
と、上記歯数差は2であり、減速比は341となり、さ
らに、他の歯数を同一とし、可動内歯車の歯数I2=6
3とすると、上記歯数差は3であり、減速比は231、
そして、可動内歯車の歯数I2=64とすると、上記歯
数差は4であり、減速比は176となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような遊星歯車の第1歯車部の歯数z1と第2歯車部z2
とが等しい遊星歯車機構を用いた歯車装置においては、
固定内歯車の歯数と可動内歯車の歯数との差が1である
場合には、太陽歯車と、固定内歯車及び可動内歯車との
間に組み込み可能な遊星歯車の数はn=1となるため、
太陽歯車と遊星歯車とが常時1箇所(一つの歯同士)で
のみ噛み合うこととなるから、歯に加わるトルクが過大
となり、歯車への負担が大きくなるので、耐久性に支障
が出たり、歯の強度を高める必要があるために歯車の小
型化が困難になったりするという問題点があり、特に小
型化した場合は実用化が困難である。また、固定内歯車
と可動内歯車との歯数差が2〜4の場合には、それぞれ
組み込み可能な遊星歯車の数nも2〜4となるが、上記
歯数差が増加するに従って減速比は低下してしまう。具
体的には、遊星車を3個使用して、固定内歯車と可動内
歯車の歯数差を3とし、得られる減速比231(前頁に
示した値)くらいが計算上の限界である。更に実際実用
化するときにはモジュールが小さくなることによる歯形
形状ばらつきを考慮して、安全性をとり、その約半分の
100前後の減速比である場合が多い。よって、遊星歯
車機構を用いた歯車装置の減速比は通常100前後であ
る場合が多く、歯型を小さなモジュールで構成して無理
をしても200未満の減速比しか得られない。
【0006】一方、遊星歯車のz1=z2という条件を解
除すれば、遊星歯車の数nは固定内歯車と可動内歯車と
の歯数差には必ずしも依存しなくなるので、上記式
(1)によれば無限に大きな減速比が得られるかのよう
に思える。しかし、実際に小型の歯車機構を構成するに
は、サイズに応じて要求される歯型のモジュールが実際
に形成可能であること、動作時における当該モジュール
の歯型に必要な強度(剛性)が確保できること、歯車機
構が小さくなることによってバックラッシュが少なくな
るために歯車機構を組み立てる際の歯車間の位相合わせ
が可能であることの3つの条件が揃わなければならな
い。
【0007】そこで本発明は上記問題点を解決するもの
であり、その課題は、歯車機構の小型化を図るために各
歯車の歯型を小さなモジュールに設定しても、動作や組
立に支障を来たすことのない遊星歯車機構の構成を実現
し、これによって従来よりも小型化可能であり、しか
も、十分な減速比を備えた歯車装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の歯車装置は、歯数eを有する太陽歯車と、該
太陽歯車に噛合する歯数z1を有する第1歯車部及び歯
数z2を有する第2歯車部を備えたn(nは2以上の自
然数)個の遊星歯車と、該遊星歯車の前記第1歯車部に
噛合する歯数I1を有する固定内歯車と、前記遊星歯車
の前記第2歯車部に噛合する歯数I2を有する可動内歯
車とを有し、前記歯数e、z1、z2、I1、I2は全てn
の倍数であることを特徴とする。
【0009】この発明によれば、太陽歯車、遊星歯車の
第1歯車部及び第2歯車部、固定内歯車、可動内歯車の
歯数e、z1、z2、I1、I2が全て遊星歯車の数n(n
は2以上の自然数)の倍数となっていることにより、各
歯車において常に円周方向にn等分した等分点位置にお
ける歯型の位相が相互に一致することとなるので、装置
が小型化しても(歯型のモジュールが小さくなって
も)、太陽歯車と固定内歯車との間にn個の遊星歯車の
第1歯車部を軸線周りに等間隔に同じ噛合状態で組み込
むことができ、n個の遊星歯車の第2歯車部が可動内歯
車に対して同一状態に噛合した組立状態を確実に実現す
ることが可能になるとともに、遊星歯車機構における高
いバランス状態を実現できるので、小型化しても耐久性
が高く、しかも、確実且つ容易に組立作業を行うことが
できる歯車装置を構成できる。また、各歯車の歯数をn
の倍数にするという制約があるだけであり、遊星歯車の
第1歯車部の歯数と第2歯車部の歯数とを一致させる必
要がないので、歯数の組み合わせをより自由に設定する
ことができ、容易に高い減速比を得ることができる。さ
らに、遊星歯車は2以上であるので、単一の遊星歯車を
用いる場合に比べて歯車への負担が低減される。
【0010】本発明において、nは2又は3であること
が好ましい。遊星歯車の個数が2又は3であることによ
り、遊星歯車を軸支するキャリア(或いはホルダ)にお
ける、太陽歯車の軸線方向に伸びる支柱部の断面積を確
保することができるので、歯車装置を小型化した場合で
も、キャリアの剛性低下を抑制することができ、遊星歯
車の回転軸の支持を確実に行うことが可能になる。
【0011】本発明において、前記太陽歯車を入力と
し、前記可動内歯車を出力とした場合の減速比が200
以上の場合にも問題が生じない。この発明によれば、従
来の前述に示すように減速比を300以上とするか、通
常、遊星歯車の数が少なくして、或いは、歯車を組立可
能に構成することが困難になることが多いが、本発明の
構造を有する歯車装置では、このような場合でも遊星歯
車の数を減らさずに、しかも、確実に歯車機構を組立可
能に構成できる。特に、本発明の構造では、上記のよう
な高い減速比を得るとともに、装置の小型化のために時
計サイズの小さなモジュール(例えば少なくとも一つの
歯車のモジュールが0.1mm以下)の歯型を有する歯
車を用いる場合でも、充分実用的な耐久性及びバランス
を備えた歯車装置を構成できる。特に、上記減速比は4
00以上であっても実用に耐えうるものが提供できる。
【0012】本発明において、前記太陽歯車、前記遊星
歯車、前記固定内歯車及び前記可動内歯車の歯型のうち
少なくとも一つの歯車の組み合わせのモジュールが0.
1mm以下の時でも実現し易くするものである。通常、
モジュールが0.1mm以下であると、歯車の噛合状態
に余裕が少なくなるので、複数の遊星歯車と、太陽歯
車、固定内歯車或いは可動内歯車との噛合状態の位相が
合致していないと、歯車の組み込みが不可能になる場合
があるが、本発明によれば、常に複数の遊星歯車につい
て噛合状態が同一位相となるので、少なくとも一つの歯
型のモジュールが0.1mm以下の場合であっても、確
実且つ容易に歯車の組立作業を行うことができる。
【0013】本発明において、前記固定内歯車は装置の
ハウジングの内面に一体に形成されていることが好まし
い。固定内歯車をハウジングの内面に一体に形成するこ
とにより、部品点数を削減することができるとともに、
歯車装置全体の更なる小型化を図ることができる。
【0014】本発明において、前記遊星歯車は前記第1
歯車部の基準ピッチ円直径よりも第2歯車部の基準ピッ
チ円直径が小さいことが好ましい。この発明によれば、
第2歯車部の基準ピッチ円直径が第1歯車部よりも小さ
いことにより、第2歯車部に噛合する可動内歯車の基準
ピッチ円直径をより小さく形成することができるので、
可動内歯車がハウジングの内側に配置されている場合に
は特に、また、ハウジングの内面に固定内歯車が一体に
形成されている場合にはなおさら、歯車装置をより小型
化することが可能になる。
【0015】なお、上記各発明の歯車装置は、モータ等
の電動機その他の駆動源と一体化されて、駆動装置とし
て構成されていることが好ましい。本発明のように小型
化可能で高い減速比を実現可能な歯車機構は、携帯用
(電子)機器に組み込まれる小型の駆動装置としてきわ
めて有効である。例えば、携帯用薬液供給装置や携帯電
話のバイブレータ等として用いられることが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
に係る歯車装置の実施形態について詳細に説明する。図
1は本実施形態の内部構造を示す縦断面図である。射出
成形等によって成形された筒状のハウジング10の一端
(図示右端)の開口部には小型モータ11が嵌入され、
この小型モータ11の胴部は接着剤溜め10aに接着剤
を流し込むことによってハウジング10に対して接着固
定される。小型モータ10の出力軸11aは入力部材1
2の中心穴12aに嵌合している。入力部材12もまた
射出成形等の樹脂成形体等で構成されている。入力部材
12の端部には太陽歯車12bが一体に形成されてい
る。
【0017】太陽歯車12bは遊星歯車13に噛合して
いる。遊星歯車13は、太陽歯車12bに噛合する第1
歯車部13aと、この第1歯車部13aに同軸に形成さ
れた第2歯車部13bと、第1歯車部13a側の端部に
設けられた被軸支部13cと、第2歯車部13b側の端
部に設けられた被軸支部13dとを有する。第1歯車部
13aは、上記ハウジング10の内周面に形成された固
定内歯車10bに噛合している。また、第2歯車部13
bは、固定内歯車10bに隣接し、同軸に配置された出
力部材14の可動内歯車14aに噛合している。ここで
詳細になるが、歯車部13aと歯車部13bは同一歯数
の場合は組み立てが比較的簡単であるが、異なった歯数
の場合は、固定内歯車10bの位相と可動内歯車14a
双方の位相と、異なる歯数を持つ遊星車の位相を合わせ
て組み立てができるようにしないと組み立てができなく
なるので、後で述べるような諸条件が必要になってく
る。
【0018】一方、被軸支部13cはホルダ15のリン
グ状に形成された環状部15aに軸支されている。具体
的には環状部15aに形成された嵌合孔に凸状の被軸支
部13cが回転自在に嵌合している。ホルダ15は樹脂
成形材等からなり、環状の環状部15aと、この環状部
15aから太陽歯車12bの軸線方向に伸びる支柱部1
5b(遊星歯車13の回転をさまたげないよう配置され
る。)と、支柱部15bの先端に形成された被嵌合部1
5cとを備えている。また、被軸支部13dはホルダ1
5の被嵌合部15cが嵌合されたホルダ押え16に軸支
されている。具体的には、凸状の被軸支部13dがホル
ダ押え16に形成された嵌合孔に回転自在に嵌合してい
る。
【0019】ホルダ15とホルダ押え16とは、被嵌合
部15cとホルダ押え16との間の嵌合によって一体化
されており、ホルダ15の環状部15aの外周面はハウ
ジング10の内周面に摺接し、ホルダ押え16に形成さ
れた軸支部(図示の場合には丸孔)16aが出力部材1
4の支軸部14bに軸支されている。
【0020】出力部材14は、可動内歯車14aの設け
られた部分がハウジング10内に収容され、ハウジング
10の内周面によって回転自在に案内されているととも
に、ハウジング10に嵌合された端ケース17の中心孔
によって回転自在に軸支されている。また、出力部材1
4の出力歯車14cは、端ケース17から軸線方向へ外
側に突き出るように配置されている。
【0021】この実施形態を軸線方向に見た場合の各歯
車の噛み合い状態を重ねて示すものが図2である。本実
施形態では、太陽歯車12bの歯数をe=9、3つの遊
星歯車の第1歯車部13aの歯数をそれぞれz1=1
5、第2歯車部13bの歯数をz2=18、固定内歯車
の歯数をI1=42、可動内歯車の歯数をI2=51とし
ている。このとき、上記式(1)に従って得られる減速
比は481である。本実施形態の場合、上記のすべての
歯車の歯数e、z1、z2、I1、I2が全て3の倍数であ
り、z1とz2の差、I1とI2の差もまた3の倍数であ
る。この場合、z1=z2、或いは、I1=I2であっても
構わない。本実施形態における歯数の他の例を示すと、
e=6、z1=12、z2=15、I1=39、I2=48
(減速比480)となる。
【0022】上記のように各歯車が3の倍数の歯数を有
しているのには以下の理由がある。まず、太陽歯車12
bと固定内歯車10bとの間に3つの遊星歯車13の第
1歯車部13aを周回方向に均等に(すなわち120度
間隔で)組み込む場合、太陽歯車の歯形状及び固定内歯
車の歯形状を共に3回対象(120度ごとに同じ歯型の
位相が現れる回転対象性)とし、さらに遊星歯車の歯形
状もまた3回対象とすることによって、3つの遊星歯車
を同期した噛み合い状態で確実に組み込むことができ
る。すなわち、図2に示す線分L1,L2,L3にそれ
ぞれ交差する太陽歯車と遊星歯車、及び、遊星歯車と固
定内歯車との噛合部位は、3つの遊星歯車について相互
に同一位相(噛合状態が同じ状態、つまり、例えば、一
つの遊星歯車の歯先と固定内歯車の歯底とが噛合してい
る状態では、他の2つの遊星歯車と固定内歯車との噛合
部位においても遊星歯車の歯先と固定内歯車の歯底とが
噛合し、同様に、1つの遊星歯車の歯底と太陽歯車の歯
先とが噛合している状態では、他の2つの遊星歯車と太
陽歯車との噛合部位においても遊星歯車の歯底と太陽歯
車の歯先とが噛合していること)となっていれば、確実
に太陽歯車、遊星歯車の第1歯車部、及び、固定内歯車
の組み込みが可能になる。このためには、3つの遊星歯
車に噛合する太陽歯車及び固定内歯車の歯型は回転方向
に3回対象(すなわち歯数が3の倍数)である必要があ
り、また、遊星歯車の第1歯車部についても、図示のL
1,L6,L9と、L5,L2,L8と、L4,L7,
L3と交差する歯型部分がそれぞれ同一位相の歯型形状
となっていなければならないことから、遊星歯車の第1
歯車部についても歯型が回転方向に3回対象(すなわち
歯数が3の倍数)になっている必要がある。
【0023】さらに、上記のようにして太陽歯車12
b、第1歯車部13a及び固定内歯車10bを相互に組
み込んだ状態で、可動内歯車14aを3つの遊星歯車1
3の第2歯車部13bの全てに組み込むには、第1歯車
部と同軸に形成された第2歯車部及びこの第2歯車部に
噛合する可動内歯車の歯型を共に3回対象(すなわち歯
数が3の倍数)に形成する必要がある。このようにすれ
ば、3つの遊星歯車のいずれもが噛合部に対して同じ位
置関係にて組み込むことができるので、如何なる場合で
も確実に歯車の組み込み作業が可能となる。なお、この
場合に、第1歯車部と第2歯車部との歯形状が同数、同
位相に形成されている必要はない。
【0024】本実施形態では上記のように減速比は約4
80となり、従来のものよりも大きな減速比を実現でき
る。特に、上述の従来例において3つの遊星歯車を備え
た前記具体例に記載した減速比に対して比較すると、倍
以上の減速比を得ることができる。また、固定内歯車の
歯数(42枚)と可動内歯車の歯数(51枚)のいずれ
もが、従来の固定内歯車の歯数(60枚)及び可動内歯
車の歯数(61〜64枚)よりも歯数が少なくなってい
る。したがって、同じモジュールの歯車を用いたとする
と、より全体の外径が小さい歯車を提供することができ
る。
【0025】本実施形態の遊星歯車13はいずれも第1
歯車部13aよりも第2歯車部13bの方が基準ピッチ
円の直径が小さくなるように形成され、この結果、可動
内歯車14aの基準ピッチ円径も小さくなるので、出力
部材14の剛性を低下させることなく外径を小さく形成
することが可能になり、出力部材14を収容するハウジ
ング10の外径も小さくすることができるから、歯車装
置全体をより小型化することができる。
【0026】次に、上記実施形態と基本的に同一の構造
を有する他の実施形態について説明する。この実施形態
では、2つの遊星歯車を2つとして太陽歯車の周囲に1
80度間隔で配置する。この場合、太陽歯車の歯数e、
遊星歯車の歯数z1,z2、固定内歯車の歯数I1、可動
内歯車の歯数I2の全てを2の倍数とする。例えば、e
=12、z1=14、z2=12、I1=40、I2=34
とすると、上記式(1)に従って求めた減速比は51
5.7となる。この実施形態では、2つの遊星歯車の第
1歯車部及び第2歯車部は、先の実施形態と同様に、太
陽歯車若しくは固定内歯車又は可動内歯車に対して相互
に同一位相にて噛合し、同じ理由によって如何なる状態
でも確実に歯車の組み込みが可能となる。
【0027】上記のいずれの実施形態においても、太陽
歯車、遊星歯車の第1歯車部及び第2歯車部、固定内歯
車、可動内歯車のいずれも遊星歯車の数の倍数に設定し
ている。このようにすれば、基本的には上述の各実施形
態と同様の効果を得ることができる。例えば、遊星歯車
を4つ配置した場合には全ての歯車の歯数を4の倍数に
設定すればよい。ただし、歯車装置を小型化していく
と、遊星歯車の間に十分なスペースが得られなくなり、
上記のホルダ及びホルダ押えからなるキャリア体におけ
る軸線方向に伸びる支柱部の断面積が小さくなるので、
キャリア体の剛性が確保しにくくなり、また、キャリア
の剛性を高めるために高剛性の高価な素材によってキャ
リア体を構成する必要が生ずる。したがって、遊星歯車
の数としては2個或いは3個であることが好ましい。
【0028】上記の各実施形態では、各歯車の歯数が遊
星歯車の数の倍数である点の制約はあるものの、上記の
特開平2−31047号公報に記載されているように遊
星歯車の歯数をz1=z2とする必要がないので、各歯車
の歯数の組み合わせの自由度が増大し、より広い範囲で
歯車の設計を行うことができ、減速比も自由に設定する
ことができる。特に、高い減速比が要求される場合で
も、機構の大型化を招くことなく対応することができ
る。
【0029】上記の各実施形態において説明した歯車装
置は、図1に示すように電動機と一体の駆動源として構
成することができる。また、固定内歯車をハウジングと
一体に構成することが部品点数を低減するために好まし
い。
【0030】上記各実施形態の歯車装置は、上記のモー
タ等の電動機その他の駆動源と一体化されて、駆動装置
として構成されていることが好ましい。通常、駆動源が
小さくなると駆動トルクは駆動源の小型化の度合い以上
に低下する。このため、小型の駆動源を用いる場合に
は、駆動源の出力を高速化するとともにこの出力を高い
減速比で減速して所要のトルクを確保する必要がある。
この場合、歯車装置には、小型で且つ高い減速比を得る
ことのできるものが要求される。上記実施形態のように
小型化可能で高い減速比を実現可能な歯車機構は、携帯
用(電子)機器に組み込まれる小型の駆動装置としてき
わめて有効である。例えば、携帯用薬液供給装置におけ
るロータリー型等の薬液吐出ポンプの駆動装置として用
いられることが望ましい。
【0031】尚、本発明の歯車装置は、上述の図示例に
のみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であ
る。
【0032】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
組立状態を確実に実現することが可能になるとともに、
遊星歯車機構における高いバランス状態を実現できるの
で、小型化しても耐久性が高く、しかも、確実且つ容易
に組立作業を行うことができる歯車装置を構成できる。
また、各歯車の歯数をnの倍数にするという制約がある
だけであり、遊星歯車の第1歯車部の歯数と第2歯車部
の歯数とを一致させる必要がないので、歯数の組み合わ
せをより自由に設定することができ、容易に高い減速比
を得ることができる。さらに、遊星歯車は2以上である
ので、単一の遊星歯車を用いる場合に比べて歯車への負
担が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯車装置の実施形態の構造を示す
縦断面図である。
【図2】同実施形態における各歯車の形状を重ねて示す
透視図である。
【符号の説明】 10 ハウジング 10b 固定内歯車 11 モータ 12 入力部材 12b 太陽歯車 13 遊星歯車 13a 第1歯車部 13b 第2歯車部 13c,13d 被軸支部 14 出力部材 14a 可動内歯車 15 ホルダ 16 ホルダ押え 17 端ケース

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯数eを有する太陽歯車と、該太陽歯車
    に噛合する歯数z1を有する第1歯車部及び歯数z2を有
    する第2歯車部を備えたn(nは2以上の自然数)個の
    遊星歯車と、該遊星歯車の前記第1歯車部に噛合する歯
    数I1を有する固定内歯車と、前記遊星歯車の前記第2
    歯車部に噛合する歯数I2を有する可動内歯車とを有
    し、前記歯数e、z1、z2、I1、I2は全てnの倍数で
    あることを特徴とする歯車装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、nは2又は3である
    ことを特徴とする歯車装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記太
    陽歯車を入力とし、前記可動内歯車を出力とした場合の
    減速比が200以上であることを特徴とする歯車装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    おいて、前記太陽歯車、前記遊星歯車、前記固定内歯車
    及び前記可動内歯車の歯型のモジュールが0.1mm以
    下であることを特徴とする歯車装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    おいて、前記固定内歯車は装置のハウジングの内面に一
    体に形成されていることを特徴とする歯車装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に
    おいて、前記遊星歯車は前記第1歯車部の基準ピッチ円
    直径よりも第2歯車部の基準ピッチ円直径が小さいこと
    を特徴とする歯車装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    おいて、前記太陽歯車、前記遊星歯車、前記固定内歯車
    及び前記可動内歯車の歯型の少なくともひとつの歯車モ
    ジュールが0.1mm以下であることを特徴とする歯車
    装置。
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