JP2001270786A - 人造大理石 - Google Patents

人造大理石

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JP2001270786A
JP2001270786A JP2000088882A JP2000088882A JP2001270786A JP 2001270786 A JP2001270786 A JP 2001270786A JP 2000088882 A JP2000088882 A JP 2000088882A JP 2000088882 A JP2000088882 A JP 2000088882A JP 2001270786 A JP2001270786 A JP 2001270786A
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Japan
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resin
artificial marble
water
repellent
filler
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JP2000088882A
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English (en)
Inventor
Kiyomi Tagawa
清美 田川
Shinji Yamaguchi
信次 山口
Masahiko Suzuki
雅彦 鈴木
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Aftertreatments Of Artificial And Natural Stones (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人造大理石の防汚性能を高めて、汚れ洗浄の
ための清掃の手間を低減し、長期に亘って清潔に保つこ
とを可能とする人造大理石を提供する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂からなる樹脂成分と充填材
とを含有する樹脂組成物を成形硬化させて得られる人造
大理石に、撥水性の樹脂を含浸させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具の部材や建材
として用いられる人造大理石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂に充填材、補強材、内部
離型剤、硬化剤等の添加物を配合した樹脂組成物を所望
の形状を有する注型金型に注入し、加熱硬化させること
によって人造大理石を形成することが知られていた。
【0003】このような人造大理石を製造するための原
料となる樹脂としては、従来からポリエステル系、アク
リル系、ビニルエステル系などが用いられてきた。
【0004】これらを活用した人造大理石の成形品は、
洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボー
ル等に利用されている。
【0005】通常、 人造大理石製品がトイレ、浴室、
キッチン廻り等の水廻りと呼ばれる分野で活用される場
合、それぞれの部位での汚れ、あるいは洗剤での汚染
性、食品、油、化粧品等による汚れが付着して、汚れが
「なかなか清掃してもとれにくい」あるいは「清掃して
もとれない」という状況が発生していた。このような汚
れの除去にあたっては、研磨剤の入った洗浄剤等で強力
に取り除くこともしばしば行われているが、このような
場合は貴重な商品の表面を傷つけたり、またカビとり剤
等の強力な洗浄剤を使用する場合は、その発生する化学
物質のため健康被害の不安があった。
【0006】そのため、「汚れがつきにくい」、「汚れ
がとれやすい」という防汚性の高い人造大理石が切望さ
れていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、人造大理石の防汚性能を高め
て、汚れ洗浄のための清掃の手間を低減し、長期に亘っ
て清潔に保つことを可能とする人造大理石を提供するこ
とを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
人造大理石は、熱硬化性樹脂からなる樹脂成分と充填材
とを含有する樹脂組成物を成形硬化させて得られる人造
大理石に撥水性の樹脂を含浸させて成ることを特徴とす
るものである。
【0009】また請求項2に記載の発明は、請求項1の
構成に加えて、撥水性の樹脂として、シリコーン系樹脂
を用いて成ることを特徴とするものである。
【0010】また請求項3に記載の発明は、請求項1の
構成に加えて、撥水性の樹脂として、フッ素系樹脂を用
いて成ることを特徴とするものである。
【0011】また請求項4に記載の発明は、請求項1乃
至3のいずれかの構成に加えて、熱硬化性樹脂として、
ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂
のうちの、少なくとも一種のものを用いて成ることを特
徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0013】人造大理石の製造に用いられる樹脂組成物
は、樹脂成分、充填材、補強材、内部離型剤、硬化剤等
を含有する。
【0014】樹脂成分は、熱硬化性樹脂に必要に応じて
架橋剤が配合されたものであり、熱硬化性樹脂として
は、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル
樹脂のうちのいずれか一種を用い、あるいは二種以上を
併用することができる。
【0015】ビニルエステル樹脂としてはビスフェノー
ル型ビニルエステル樹脂又はノボラック型ビニルエステ
ル樹脂のうちの、いずれか一方又は双方を用いることが
できる。
【0016】ここで、ビスフェノール型ビニルエステル
樹脂とは、ビスフェノール型エポキシ樹脂と酸との付加
反応物であり、またノボラック型エポキシ樹脂はノボラ
ック型エポキシ樹脂と酸との付加反応物であって、いず
れも両末端のみに反応性付加反応物を有する。
【0017】ビスフェノール型ビニルエステル樹脂を得
るためのビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビス
フェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノー
ルS型、ビスフェノールF型等の各種のものを用いるこ
とができる。
【0018】またエポキシ樹脂に付加させる酸としては
通常、不飽和一塩基酸を使用するものであり、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、
ヒドロキシエチルメタクリレート・マレート、ヒドロキ
シエチルアクリレート・マレート、ヒドロキシプロピル
メタクリレート・マレート、ヒドロキシプロピルアクリ
レート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレート等
を用いることができる。
【0019】また通常、ビニルエステル樹脂には、架橋
剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合
されているが、特にこのような形態に限定されるもので
はない。
【0020】アクリル樹脂としては、通常、メチルメタ
アクリレートモノマー、多官能のアクリルモノマー、あ
るいはこれらのプレポリマー、あるいはこれらのポリマ
ーのうち、二種以上のものを含有する通常アクリルシロ
ップ樹脂と称される熱硬化型のものを用いることができ
るが、特にこのような形態に限定されるものではない。
【0021】またポリエステル樹脂としては、無水マレ
イン酸のような不飽和二塩基酸及び無水フタル酸のよう
な飽和二塩基酸とグリコール類とを縮合反応させて合成
され、分子内に不飽和結合とエステル結合とを有する熱
硬化型のものを用いることができる。また通常、このポ
リエステル樹脂としては、架橋剤としてスチレンモノマ
ー、アクリルモノマー等が配合されている不飽和ポリエ
ステル樹脂と称されるものが用いられるが、特にこのよ
うな形態に限定されるものではない。
【0022】また熱硬化性樹脂として、ビニルエステル
樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂のうちの二種以
上の混合型とする場合は、それぞれの樹脂の有する特
性、充填材との相互作用などにより、目的とする製品の
物性等に適合した適宜の割合で配合されるものであり、
その配合比は特に限定されるものではない。
【0023】硬化剤としては、1,1,3,3−テトラ
メチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサエートや、
t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等
を用いることができる。この硬化剤の配合割合は、例え
ば熱硬化性樹脂としてビニルエステル樹脂を用いている
場合は、熱硬化性樹脂及び必要に応じて配合される架橋
剤からなる樹脂成分の総量100質量部に対して、0.
5〜5質量部とすることが好ましい。
【0024】また、充填材としてはシリカ、炭酸カルシ
ウム、水酸化アルミニウム、ガラスパウダー、クレー等
を用いることができ、これらを一種のみ用い、あるいは
二種以上を併用することができる。
【0025】このような充填材の配合量は、熱硬化性樹
脂及び必要に応じて配合される架橋剤からなる樹脂成分
の総量100質量部に対して、180〜300質量部と
することが好ましい。配合量がこの範囲に満たないと、
得られる人造大理石の耐衝撃強度は向上することができ
るが、充分な耐熱性が得られないおそれがあり、またこ
の範囲を超えると充分な耐熱性は得られるものの、耐衝
撃強度を充分に向上することができなくなるおそれがあ
る。
【0026】また、充填材全体の平均粒径が、50μm
以下のものを用いることが好ましく、この場合、人造大
理石の靱性を向上して耐衝撃強度を効果的に向上するこ
とができる。一方、充填材全体の平均粒径が小さすぎる
と、樹脂組成物中における充填材の分散性が低下して充
填材の凝集が生じるおそれがあるため、充填材の平均粒
径の下限は3μmとすることが好ましい。
【0027】また充填材の表面に予めシランカップリン
グ剤処理を施しておくと、樹脂組成物中において充填材
と樹脂成分との密着性を向上することができ、更に充填
材の分散性も向上することができて、得られる人造大理
石の耐衝撃強度を更に向上することができるものであ
る。シランカップリング剤としては、γ−(メタクリロ
イルオキシプロピル)トリメトキシシラン等を用いるこ
とができる。
【0028】また、樹脂組成物には必要に応じて、紫外
線吸収剤、減粘剤、離型剤、ガラス繊維、着色剤等を配
合することもできる。
【0029】減粘剤としては例えばBKY製の品番「W
996」を、離型剤としては例えば中京油脂製の商品名
「セパール」を、ガラス繊維としては例えば日本板硝子
製の品番「RES03X−BM」を用いることができ
る。
【0030】また紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾ
ール系、トリアジン系、ベンゾエート系、サリレート
系、シアノアクリレート系、シュウ酸アニリド系、ベン
ゾフェノン系等のものを使用することができる。
【0031】樹脂組成物は、樹脂成分に充填材を配合
し、更に硬化剤及びその他の各種の添加剤を所定の割合
で配合し、攪拌機等により撹拌混合することによって調
製される。
【0032】樹脂組成物から人造大理石を製造するにあ
たっては、まず樹脂組成物を4.0〜66.5hPa
(3〜50Torr)の減圧下で5〜30分間攪拌する
ことにより脱泡する。このようにして脱泡された樹脂組
成物を、減圧状態から開圧し、所定の金型内へ注入し
て、この金型を50〜110℃の温度で30〜120分
間加熱することにより、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の
重合反応を進行させて、硬化成形を行う。
【0033】そして、このようにして製造される人造大
理石に、更に撥水性の樹脂を含浸させるものである。
【0034】撥水性の樹脂としては、特にシリコーン系
の撥水性樹脂や、フッ素系の撥水性樹脂を用いることが
できる。
【0035】シリコーン系の撥水性樹脂としては、スト
レート型のシリコーンオイル、変性型のシリコーンオイ
ル、あるいは通常用いられるコーティング型シリコーン
樹脂を用いることができる。
【0036】ストレート型のシリコーンオイルとは、メ
チル基、フェニル基、水素原子基を置換基として有して
いるもので、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニ
ルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーン
オイル等を挙げることができ、また種々の分子量のもの
が存在するが、本発明においてはその種類は特に限定さ
れない。
【0037】変性シリコーンオイルは、反応性シリコー
ンオイルと非反応性シリコーンオイルとに分類されるも
のであるが、更に導入される有機官能基の種類あるいは
有機官能基の位置や数によって、更に細かく分類され
る。
【0038】例えば、反応性シリコーンオイルとして
は、アミノ変成、エポキシ変成、メチルスチリル変成、
アルキル変成、高級脂肪酸エステル変成、アルキル/ア
ラルキル変成、アルキル/ポリエーテル変成等の種々の
ものがある。本発明ではいずれの変成シリコーンオイル
であっても用いることができ、特にその種類は限定され
ない。
【0039】また、フッ素系の撥水性樹脂としては、通
常用いられるフッ素樹脂塗料や、フッ素樹脂そのもの、
あるいはシリコーン含有フッ素樹脂や各種の変成を含む
フッ素樹脂の微粉末を溶剤に分散させたデスパージョン
と呼ばれるようなものなど、種々のものがある。本発明
ではいずれのフッ素系の撥水性樹脂であっても用いるこ
とができ、特にその種類は限定されない。
【0040】人造大理石にこれらの撥水性樹脂を含浸さ
せる方法としては、通常は人造大理石の成形品を撥水性
樹脂の中に一定時間浸漬する方法を用いることができ
る。
【0041】また、含浸のための浸漬時間を短縮すると
共に均一に撥水性樹脂を含浸させるために、人造大理石
に成形品を一定時間、減圧雰囲気下の系に放置した後、
この系に撥水性樹脂を導入して、人造大理石を撥水性樹
脂に浸漬することができる。この場合、減圧されること
により人造大理石内の空気が抜け出し、この空気と置換
するかたちで撥水性樹脂が人造大理石に含浸することと
なって、人造大理石への撥水性樹脂の含浸効率が向上す
ると共に、内部の空気に阻害されることなく人造大理石
に撥水性樹脂が含浸されることとなって、均一に撥水性
樹脂が含浸されるものである。
【0042】また、更に人造大理石への撥水性樹脂の含
浸量を向上させるためには、上記のようにして人造大理
石に成形品を一定時間、減圧雰囲気下の系に放置した
後、この系に撥水性樹脂を導入して、人造大理石を撥水
性樹脂に浸漬し、更にこの系を加圧雰囲気とするもので
ある。この場合、加圧雰囲気としたときに、人造大理石
に撥水性樹脂が更に含浸されることとなり、人造大理石
における撥水性樹脂の含浸量が向上するものである。
【0043】そして、上記のように撥水性樹脂が含浸さ
れた人造大理石を、撥水性樹脂中から取り出すものであ
る。この後、用いた撥水性樹脂の種類によっては、この
人造大理石を常温で放置し、あるいは加熱することによ
って、含浸した撥水性樹脂を硬化させることが好まし
い。すなわち、反応型の撥水性樹脂を用い、この撥水性
樹脂を人造大理石に含浸させた後に、人造大理石を常温
で放置し、又は加熱することにより反応させて硬化させ
て、撥水性樹脂を人造大理石中に固定化させると、人造
大理石の防汚特性を更に向上することができるものであ
る。
【0044】このようにして形成される人造大理石は、
汚れの起点となる部分が全て撥水性樹脂で覆い尽くさ
れ、汚れ物質の付着量が大きく低減する。そのため、防
汚性能が向上すると共に、汚れの洗浄のための清掃の手
間も低減し、人造大理石を長期に亘って清潔に保つこと
ができるものである。
【0045】その結果、人造大理石を種々の分野に活用
した場合に、食品、油、化粧品等の汚染物質が付着しに
くく、またこのような汚染物質が付着したとしても、水
洗いや洗剤による洗浄にて容易に汚染物質が除去される
ものであり、従って、このような人造大理石は、特にト
イレ、浴室、キッチン廻り等の水廻りと呼ばれる分野に
広く活用することができるものである。
【0046】このような人造大理石の成形品は、洗面カ
ウンター、キッチンカウンター、浴槽洗面ボール等への
商品化が容易となるものである。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0048】(実施例1)樹脂成分としては、ビニルエ
ステル樹脂(武田薬品工業株式会社製;商品名「プロミ
ネートP−311」)を用いた。
【0049】充填材としては、水酸化アルミニウム(住
友化学工業株式会社製;品番「CW−308B」)を、
樹脂成分100質量部に対し、200質量部用いた。
【0050】硬化剤としては、1,1,3,3−テトラ
メチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
(日本油脂株式会社製;商品名「パーキュアWO」)を
適量用いた。
【0051】これらの各成分を配合し、攪拌機により撹
拌混合して樹脂組成物を調製した。
【0052】この樹脂組成物を、26.7hPa(20
Torr)の減圧下で、30分間真空脱泡処理した。更
にこの樹脂組成物を、厚み10mmの平板が成形できる
キャビティを備える金型内に注入し、金型温度90℃で
70分間加熱して、平板状の人造大理石を成形した。
【0053】この人造大理石を、耐圧容器(減圧缶)内
に配置し、減圧缶内を6.7hPa(5Torr)以下
の減圧雰囲気として60分間経過した後、減圧缶内に反
応性のシリル基を分子内に有する変成シリコーン樹脂
(信越化学工業株式会社製;品番「KPN3504」)
を供給し、人造大理石をこの変成シリコーン樹脂に浸漬
させた。この状態で30分間放置した後、減圧缶内から
人造大理石を取り出した。
【0054】(実施例2)樹脂成分として、アクリルシ
ロップ樹脂(日本フェロー株式会社製;商品名「AC−
02」)を用いた。
【0055】充填材としては、シリカ(龍森株式会社
製;品番「CRYSTALITE 2105−30」)
を、樹脂成分100質量部に対して190質量部用い
た。
【0056】硬化剤としては、化薬アクゾ株式会社製の
商品名「パーカドックス16」を適量用いた。
【0057】これらの各成分を配合し、攪拌機により撹
拌混合して樹脂組成物を調製した。
【0058】この樹脂組成物を、26.7hPaの減圧
下で、30分間真空脱泡処理した。更にこの樹脂組成物
を、厚み12mmの平板が成形できるキャビティを備え
る金型内に注入し、金型温度90℃で60分間加熱し
て、平板状の人造大理石を成形した。
【0059】この人造大理石を、耐圧容器(減圧缶)内
に配置し、減圧缶内を6.7hPa(5Torr)以下
の減圧雰囲気として70分間経過した後、減圧缶内に反
応性のシリル基を分子内に有する変成シリコーン樹脂
(信越化学工業株式会社製;品番「KBM7803」)
を供給し、人造大理石をこの変成シリコーン樹脂に浸漬
させた。この状態で60分間放置した後、減圧缶内から
人造大理石を取り出した。
【0060】(実施例3)樹脂成分として、ポリエステ
ル樹脂(武田薬品工業株式会社製;商品名「ポリマール
5450」)を用いた。
【0061】充填材としては、水酸化アルミニウム(昭
和電工株式会社製;品番「H−310」)を、樹脂成分
100質量部に対して210質量部用いた。
【0062】硬化剤としては、t−ヘキシルパーオキシ
2−エチルヘキサノエート(日本油脂株式会社製;商品
名「パーキュアHO」)を、適量用いた。
【0063】これらの各成分を配合し、攪拌機により撹
拌混合して樹脂組成物を調製した。
【0064】この樹脂組成物を、26.7hPaの減圧
下で、40分間真空脱泡処理した。更にこの樹脂組成物
を、厚み13mmの平板が成形できるキャビティを備え
る金型内に注入し、金型温度90℃で50分間加熱し
て、平板状の人造大理石を成形した。
【0065】この人造大理石を、耐圧容器(減圧缶)内
に配置し、減圧缶内を6.7hPa(5Torr)以下
の減圧雰囲気として50分間経過した後、減圧缶内に脱
メタノール硬化型メチル系シリコーン樹脂(信越化学工
業株式会社製;品番「X−40−9740」)を供給
し、人造大理石をこの脱メタノール硬化型メチル系シリ
コーン樹脂に浸漬させた。この状態で100分間放置し
た後、減圧缶内から人造大理石を取り出した。
【0066】更にこの人造大理石を乾燥機内で、50℃
の雰囲気下で5時間放置した後、乾燥機内から取り出し
た。
【0067】(実施例4)樹脂成分として、ビニルエス
テル樹脂(昭和高分子株式会社製;商品名「リポキシR
−804」)50質量部と、ポリエステル樹脂(武田薬
品工業株式会社製;商品名「ポリマール5250」)5
0質量部とを混合したものを用いた。
【0068】充填材としては、水酸化アルミニウム(昭
和電工株式会社製;品番「H−320」)を、樹脂成分
100質量部に対して210質量部用いた。
【0069】硬化剤としては、t−ヘキシルパーオキシ
2−エチルヘキサノエート(日本油脂株式会社製;商品
名「パーキュアHO」)を適量用いた。
【0070】これらの各成分を配合し、攪拌機により撹
拌混合して樹脂組成物を調製した。
【0071】この樹脂組成物を、26.7hPaの減圧
下で、40分間真空脱泡処理した。更にこの樹脂組成物
を、厚み9mmの平板が成形できるキャビティを備える
金型内に注入し、金型温度90℃で60分間加熱して、
平板状の人造大理石を成形した。
【0072】この人造大理石を、耐圧容器(減圧缶)内
に配置し、減圧缶内を6.7hPa(5Torr)以下
の減圧雰囲気として100分間経過した後、減圧缶内に
非反応性のフッ素変成シリコーン樹脂(GE東芝シリコ
ーン株式会社製;品番「XS66−B0187」)を供
給し、人造大理石をこの非反応性のフッ素変成シリコー
ン樹脂に浸漬させた。この状態で50分間放置した後、
減圧缶内から人造大理石を取り出した。
【0073】(実施例5)樹脂成分として、ビニルエス
テル樹脂(昭和高分子株式会社製;商品名「リポキシR
−806」)70質量部と、アクリルシロップ樹脂(三
井化学株式会社製;商品名「XE924−1」)10質
量部と、ポリエステル樹脂(武田薬品工業株式会社製;
商品名「ポリマール5250」)20質量部とを混合し
たものを用いた。
【0074】充填材としては、水酸化アルミニウム(昭
和電工株式会社製;品番「H−320」)90質量部に
対してとガラスフィラー(日本フリット株式会社製;品
番「CF002−100」)10質量部を混合したもの
を、樹脂成分100質量部に対して200質量部用い
た。
【0075】硬化剤としては、1,1,3,3−テトラ
メチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
(日本油脂株式会社製;商品名「パーキュアWO」)を
適量用いた。
【0076】これらの各成分を配合し、攪拌機により撹
拌混合して樹脂組成物を調製した。
【0077】この樹脂組成物を、26.7hPaの減圧
下で、30分間真空脱泡処理した。更にこの樹脂組成物
を、厚み10mmの平板が成形できるキャビティを備え
る金型内に注入し、金型温度90℃で50分間加熱し
て、平板状の人造大理石を成形した。
【0078】この人造大理石を、耐圧容器(減圧缶)内
に配置し、減圧缶内を6.7hPa(5Torr)以下
の減圧雰囲気として80分間経過した後、減圧缶内に高
耐候性水性塗料用フッ素樹脂エマルジョン(ダイキン工
業株式会社製;品番「ゼッフルSE310」)を供給
し、人造大理石をこの高耐候性水性塗料用フッ素樹脂エ
マルジョンに浸漬させた。この状態で50分間放置した
後、減圧缶内から人造大理石を取り出した。
【0079】更にこの人造大理石を乾燥機内で、60℃
の雰囲気下で6時間放置した後、乾燥機内から取り出し
た。
【0080】(比較例1〜5)人造大理石を成形後、各
実施例のような撥水性樹脂への浸漬処理を行わなかった
以外は、それぞれ各実施例のようにして人造大理石を形
成した。
【0081】(評価試験)各実施例及び比較例にて得ら
れた人造大理石の表面に、汚染物質として「カレー」と
「青インク」とを塗布した後、この状態で一日間放置し
た。その後、人造大理石を水道水のみで水洗いし(試験
A)、あるいは中性洗剤を用いて洗浄した(試験B)。
洗浄後の人造大理石を目視にて観察し、下記評価基準に
て汚染物質の残り具合を評価した。
【0082】5:汚染物質が完全に除去されている 4:汚染物質がごく僅かに残存している 3:汚染物質が残存してやや目立つ 2:汚染物質が残存して目立つ 1:汚染物質が殆ど除去されていない 以上の結果を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る人
造大理石は、熱硬化性樹脂からなる樹脂成分と充填材と
を含有する樹脂組成物を成形硬化させて得られる人造大
理石に撥水性の樹脂を含浸させるため、汚れの起点とな
る部分が全て撥水性樹脂で覆い尽くされ、汚れ物質の付
着量が大きく低減し、防汚性能が向上すると共に、汚れ
の洗浄のための清掃の手間も低減し、人造大理石を長期
に亘って清潔に保つことができるものである。従って、
人造大理石を種々の分野に活用した場合に、食品、油、
化粧品等の汚染物質が付着しにくく、またこのような汚
染物質が付着したとしても、水洗いや洗剤による洗浄に
て容易に汚染物質が除去されるものであり、このような
人造大理石は、特にトイレ、浴室、キッチン廻り等の水
廻りと呼ばれる分野に広く活用することができるもので
ある。
【0085】また請求項2に記載の発明は、請求項1の
構成に加えて、撥水性の樹脂として、シリコーン系樹脂
を用いるため、人造大理石に更に優れた防汚性能を付与
することができるものである。
【0086】また請求項3に記載の発明は、請求項1の
構成に加えて、撥水性の樹脂として、フッ素系樹脂を用
いるため、人造大理石に更に優れた防汚性能を付与する
ことができるものである。
【0087】また請求項4に記載の発明は、請求項1乃
至3のいずれかの構成に加えて、熱硬化性樹脂として、
ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂
のうちの、少なくとも一種のものを用いるため、それぞ
れの樹脂の有する特性に応じて配合割合を調整すること
により、目的とする製品に適した物性を有する人造大理
石を得ることができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 C08L 33/04 C08L 33/04 63/00 63/00 C 67/00 67/00 101/00 101/00 // C04B 111:54 C04B 111:54 (72)発明者 鈴木 雅彦 福岡県北九州市若松区大字安瀬1番地の18 北九州松下電工株式会社内 Fターム(参考) 4F006 AA22 AA34 AA35 AA55 AB19 AB39 BA11 CA00 DA00 4G028 CA02 CB01 CB08 CD01 4J002 BD122 BG031 BG041 BG051 BG061 CD201 CF221 CP032 CP042 CP052 CP092 CP122 CP182 DE146 DE236 DJ016 DJ036 DL006 FD010 FD016 FD050 FD140 FD160 GL02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂からなる樹脂成分と充填材
    とを含有する樹脂組成物を成形硬化させて得られる人造
    大理石に撥水性の樹脂を含浸させて成ることを特徴とす
    る人造大理石。
  2. 【請求項2】 撥水性の樹脂として、シリコーン系樹脂
    を用いて成ることを特徴とする請求項1に記載の人造大
    理石。
  3. 【請求項3】 撥水性の樹脂として、フッ素系樹脂を用
    いて成ることを特徴とする請求項1に記載の人造大理
    石。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹
    脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂のうちの、少なく
    とも一種のものを用いて成ることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載の人造大理石。
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