JP2001270780A - 半導体製造用治具 - Google Patents

半導体製造用治具

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JP2001270780A JP2000086697A JP2000086697A JP2001270780A JP 2001270780 A JP2001270780 A JP 2001270780A JP 2000086697 A JP2000086697 A JP 2000086697A JP 2000086697 A JP2000086697 A JP 2000086697A JP 2001270780 A JP2001270780 A JP 2001270780A
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Tokuji Mishima
篤司 三島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体製造プロセスで用いられる治具自体がシ
リコンウェハにとっての汚染源とならず、耐熱性と機械
的強度とを併せ持ったものとする。 【手段】焼結助剤を添加することなく炭化珪素粉末を常
圧焼結して、平均曲げ強度が29.4MPa〜157M
Paの多孔質炭化珪素焼結体11を得る。この多孔質焼
結体の開放気孔内にはいかなる物質も充填しない。この
焼結体11に乾式切削を施してシリコンウェハを保持す
るための凹部又は段差部12を形成することにより、治
具を完成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造プロセ
スにおいてシリコン主体の中間製品を加熱下で保持する
ためにこれと直接接触する半導体製造用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体の製造プロセスには、単結晶シリ
コンのインゴッドから切り出したウェハの表面に酸化膜
を形成したり、ドーパント元素のドーピングやイオン注
入を行う工程があり、そのためにウェハを高温拡散炉等
の処理装置内で保持するための治具が用いられている。
汎用的な治具の一例としては、図1に示すような舟型の
治具(俗にボートと呼ばれる)がある。舟型治具の両側
腕部には多数の切欠きが設けられ、この切欠きに差し込
むことでウェハが垂直に保持される。このような治具
は、最初は石英(二酸化珪素結晶)から作られたが、半
導体製造用の高温炉で用いるには耐熱性が低く高温時の
機械的強度が不十分という難点があるので、長時間の使
用には適さず、半ば消耗品的な扱いをせざるを得ない。
このため、治具の構成材料としては、炭化珪素焼結体に
移行する傾向にある。但し、一般には金属シリコンを含
浸した材料であり、耐熱性が必ずしも十分とはいえず、
コスト面で高価になる他、後述するような問題がある。
【0003】半導体製造プロセスにおける耐熱性と高温
時の機械的強度とを同時に満足させるという観点から
は、気孔率の小さい緻密な炭化珪素焼結体を用いること
が好ましい。しかしながら、現在の焼結技術の限界とし
て、緻密な炭化珪素焼結体を得るためには、ホウ素やア
ルミニウム等の焼結助剤を焼成前の成形体中に配合して
おく必要があり、焼結後においてもこれらの焼結助剤が
焼結体中に残留してしまう。このため、かかる製法で得
られた緻密な炭化珪素焼結体で治具を構成した場合に、
高温条件下で使用中に、ホウ素やアルミニウム等の元素
が治具からウェハに不純物として拡散又は転移してしま
い、それらがウェハの電子物性や性状に悪影響を及ぼす
という問題があった。又、炭化珪素焼結体が緻密なほ
ど、後加工で所望の形状を付与することが難しいという
現実がある。このような事情から、緻密な炭化珪素焼結
体を治具の構成材料として用いることは行われていな
い。
【0004】そこで次善の策として考え出されたのが、
比較的気孔率の大きい多孔質の炭化珪素焼結体に金属シ
リコンを含浸させて事後的に気孔を塞いだ複合材料の使
用である(例えば特公平7−36381号公報参照)。
今日では多孔質炭化珪素焼結体については、シリカ(二
酸化珪素)と炭素とを直接反応させつつ不要な炭素成分
等を焼失させて気孔を確保する反応焼結の手法が確立し
ている。この方法によれば、焼結助剤等の転移性不純物
源となり得るものを用いることなくピュアな多孔質炭化
珪素焼結体を製造することができる。そして、多孔質焼
結体を得た後に、その機械的強度を補う意味で焼結体の
気孔内に金属シリコンを含浸させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、金属シリコ
ン含浸の炭化珪素焼結材料にも、次のような弱点があっ
た。即ち、治具を構成する複合材料の一部は金属シリコ
ンそのものであり、これは当該治具によって保持される
側のウェハと同じ材料である。このため、高温処理の際
に、治具側のシリコンとウェハのシリコンとの化学的同
質性(又は親和性)のために両者が一種の接着状態に陥
り易い。すなわち、使用する温度や雰囲気によっては、
ウェハが治具に接着してしまう等の問題が生ずる。その
場合、熱処理後にウェハを治具から取り外すことが困難
となり、無理に引き剥がすとウェハに傷を付け又は亀裂
を生じさせる虞がある。
【0006】このような問題を解決するために、前記金
属シリコン含浸の炭化珪素焼結材料の最表面に、高純度
で緻密な炭化珪素被膜をCVD等の手法によって事後形
成するという対策も試みられている。つまり炭化珪素被
膜を、焼結体内のシリコンとウェハのシリコンとの間の
化学的絶縁膜として機能させるわけである。しかし、こ
のようなコーティングも現実的な解決策とはなっていな
い。というのも、CVDコーティングによって治具の製
造コストが増大してしまうし、より本質的な問題とし
て、焼結炭化珪素結晶と含浸シリコンとの熱膨張率の差
から、高温処理時に膨張したシリコンが炭化珪素被膜を
押し上げて剥離させるという現象も確認されている。こ
のため、炭化珪素被膜付きの治具も、必ずしも満足のい
く解決策とはなり得ていない。
【0007】本発明の目的は、半導体製造プロセスで用
いられる治具自体がシリコン主体の中間製品の汚染源と
なることがなく、耐熱性と十分な機械的強度とを併せ持
った半導体製造用治具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体製造プ
ロセスにおいてシリコン主体の中間製品を加熱下で保持
するためにこれと直接接触する半導体製造用治具であっ
て、平均曲げ強度が、29.4MPa(=約3kgf/
mm)〜157MPa(=約16kgf/mm)の
多孔質炭化珪素焼結体で構成されると共に、少なくとも
前記中間製品に直接接触する部位の開放気孔内には、加
熱下でシリコンとの化学的親和性を有するいかなる物質
も充填又は注入されていないことを特徴とするものであ
る。より好ましくは、半導体製造プロセスにおいてシリ
コン主体の中間製品を加熱下で保持するためにこれと直
接接触する半導体製造用治具であって、平均曲げ強度が
29.4MPa〜157MPaの多孔質炭化珪素焼結体
で構成されると共に、前記中間製品に直接接触する部位
のみならず当該治具を構成する多孔質炭化珪素焼結体全
体の開放気孔内には、いかなる物質も充填又は注入され
ていないことを特徴とするものである。
【0009】本発明の半導体製造用治具は、多孔質炭化
珪素焼結体で構成されることが必要である。これによ
り、治具全体が多孔質であることでそれ自体の熱容量が
小さくなり、治具及びそれに保持された中間製品を収容
する処理装置内の均熱化が迅速に図られる。また、治具
自体がある程度のガス透過性を有することで、当該治具
と直接接触する中間製品の表面にもガスを到達させ、酸
化皮膜形成等の処理を施すことが可能となる。
【0010】多孔質炭化珪素焼結体の平均曲げ強度は、
29.4MPa〜157MPaの範囲に設定される必要
がある。平均曲げ強度が29.4MPa未満になると、
機械的強度が明らかに不足し、治具の主要な用途である
シリコンウェハの保持に利用できないおそれがある。他
方、中間製品の保持強度という観点からは平均曲げ強度
は大きいほどよいが、曲げ強度の増大に背反して焼結後
の機械的加工(切断、切削、研磨等の後加工)のし易さ
が低下する傾向にある。機械的後加工の容易性と保持強
度との両立を図る観点から、平均曲げ強度の上限を15
7MPa程度(より好ましくは100MPa程度)にと
どめることが好ましい。
【0011】多孔質炭化珪素焼結体の各部のうち、少な
くともシリコン主体の中間製品に直接接触する部位の開
放気孔内には、加熱下でシリコンとの化学的親和性を有
するいかなる物質も充填又は注入されていないことが必
要である。炭化珪素の焼結結晶は極めて安定であり、か
なりの高温条件下でも純粋シリコンと融合するというよ
うな化学的親和性を示さない。加えて、シリコン主体の
中間製品に直接接触する部位の開放気孔内には、シリコ
ンと親和するいかなる物質も充填又は注入されていない
ため、シリコン主体の中間製品の保持に当該治具を用い
ても、治具から中間製品に汚染物質の転移は生じない。
なお、前記中間製品に直接接触する部位のみならず当該
治具を構成する多孔質炭化珪素焼結体全体の開放気孔内
には、いかなる物質も充填又は注入されていないこと
は、所期の目的を安全且つ確実に達成する上で最も好ま
しい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下では、本発明に従う半導体製
造用治具の更に好ましい実施の形態、その製造方法およ
び具体的実施例について詳細に説明する。
【0013】前記半導体製造用治具において、多孔質炭
化珪素焼結体を構成する炭化珪素結晶に混入している金
属不純物の混入量が5ppm以下であること、より好ま
しくは1ppm以下であることは望ましい。特に、金属
不純物として問題になる元素は、ナトリウム(Na),
カリウム(K),ホウ素(B),アルミニウム(A
l),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(N
i)等である。ナトリウム(Na)及びカリウム(K)
については最大5ppm程度の混入は許容されるが、ホ
ウ素(B),アルミニウム(Al),鉄(Fe),コバ
ルト(Co)及びニッケル(Ni)については、1pp
m以下、より好ましくは分析機器の検出限度未満(事実
上の未検出)であることが望ましい。このような金属不
純物の混入量が少ないほど、治具による中間製品の汚染
が効果的に回避される。
【0014】多孔質炭化珪素焼結体を構成する炭化珪素
結晶の平均粒径は、2〜150μmの範囲にあることが
好ましい。平均粒径が2μm未満であると、焼結体が緻
密化して前記多孔質のメリットを享受できなくなる。他
方、平均粒径が150μmを超えると、焼結体内の結晶
粒と結晶粒との結合箇所が相対的に少なくなり、前記下
限値(平均曲げ強度29.4MPa)以上の機械的強度
を実現することが困難になる。
【0015】前記多孔質炭化珪素焼結体の気孔径は、
0.5〜100μmの範囲にあることが好ましい。気孔
径が0.5μm未満であると、焼結体が緻密化して前記
多孔質のメリットを享受できなくなる。他方、気孔径が
100μmを超えると、焼結体内の結晶粒と結晶粒との
結合箇所が相対的に少なくなり、前記下限値(平均曲げ
強度29.4MPa)以上の機械的強度を実現すること
が困難になる。
【0016】前記多孔質炭化珪素焼結体の気孔率は、2
5〜60容積%の範囲にあることが好ましい。気孔率が
25容積%未満であると、前記多孔質のメリットを享受
できなくなる。他方、気孔率が60容積%を超えると、
前記下限値(平均曲げ強度29.4MPa)以上の機械
的強度を実現することが困難になる。
【0017】(半導体製造用治具の製造方法)本発明の
半導体製造用治具を構成する多孔質炭化珪素焼結体は、
前記シリコン主体の中間製品に対する転移性不純物源と
なり得る焼結助剤を用いずに焼結されている。これによ
り、焼結助剤が中間製品を汚染するという虞が払拭され
る。
【0018】半導体製造用治具の製造方法(具体的製造
手順)は、 1.炭化珪素粉末を含む成型用原料を準備する準備工
程、 2.前記成型用原料からブロック状の生成形体を成形す
る成形工程、 3.前記生成形体を焼成する焼結工程、および、 4.焼結体に後加工を施して所望形状の治具とする付形
工程からなる。
【0019】まず、原料となる炭化珪素粉末としては平
均粒径が0.1μm〜70μmの範囲(好ましくは平均
粒径が5μm前後)のものを用いた。この範囲よりも粒
径の大きなものを用いると、所望の曲げ強度の焼結体が
得にくくなる。
【0020】焼結体の強度を向上させるには、焼成前の
生成形体をある程度緻密にしておくことが好ましく、そ
のためには、加圧成形法又は鋳込み成形法により成形す
ることが好ましい。加圧成形法による場合は、炭化珪素
粉末を分散媒液中で解膠剤とともに均一分散させた後、
噴霧乾燥あるいは凍結乾燥して造粒した炭化珪素を使用
することが有利である。他方、鋳込み成形法による場合
は、炭化珪素粉末を分散媒液中で解膠剤とともに均一分
散させた懸濁液を使用することが有利である。というの
も、炭化珪素粉末は凝集性が強く通常は個々の粒子が多
数密接して集合した二次粒子を形成し易い。かかる凝集
二次粒子をそのまま原料として焼結に使用すると、密度
分布や結晶粒にムラができ強度の低い焼結体になってし
まう。これに対し、炭化珪素粉末を分散媒液中で解膠剤
とともに均一分散させたものを原料とした成形体によれ
ば、微細で均一な焼結体を得ることができ、結果として
高強度の多孔質炭化珪素焼結体を得ることができる。
【0021】分散媒液としては種々のものが使用できる
が、水やアルコールでよい。特に凍結乾燥する場合に
は、融点が−5〜15℃の範囲内のものが有利であり、
なかでもベンゼン、シクロヘキサン又は水を使用するこ
とが有利である。炭化珪素粉末の分散媒液への分散手段
としては、強い剪断力を付与できるもの、例えば各種の
ミルや高速ミキサーが用いられる。
【0022】前記解膠剤としては、分散媒液が水の場合
には、例えばシュウ酸アンモニウム、アンモニア水等の
無機解膠剤、ジエチルアミン、モノエチルアミン、ピリ
ジン、エチルアミン、水酸化四メチルアンモニウム、モ
ノエタノールアミン、ポリビニルアルコール等の有機解
膠剤が有効である。分散媒液が有機質の場合には、例え
ば脂肪酸アミン塩、芳香族アミン塩、複素環アミン塩、
ポリアルキレンポリアミン誘導体等の陽イオン界面活性
剤、エステル型、エステルエーテル型、エーテル型、含
窒素型等の非イオン界面活性剤が有効である。
【0023】なお、成型用原料を調整する際には、分散
媒液中に解膠剤の他に粘結剤を配合することが好まし
い。特に加圧成形法による場合には、粘結剤を配合して
おくことにより生成形体の強度が向上し、生成形体が取
り扱いやすくなる。粘結剤としては、焼成時に完全に焼
失する有機樹脂バインダーが好ましく、有機樹脂バイン
ダーとしては例えば、アクリル系又はメタクリル系の合
成樹脂があげられる。粘結剤は任意的成分であり配合し
ない選択もあり得る。
【0024】加圧成形法による場合は、炭化珪素粉末お
よび解膠剤(又は解膠剤と粘結剤)を分散媒液に分散し
て得たスラリーを噴霧乾燥あるいは凍結乾燥することに
より、造粒したものが用いられる。加圧成形は常法に則
って行われる。加圧成形後で焼成前に、予備的な乾燥を
行ってもよい。
【0025】生成形体は炭化珪素を酸化せしめることの
ない非酸化性雰囲気中(例えばアルゴンや窒素等の不活
性ガス雰囲気中又は真空中)で焼成される。焼結温度は
1600〜2300℃の範囲とすることが好ましい。焼
結温度が1600℃未満であると、結晶の粒と粒とを結
合するネックを十分に発達させることが困難で所望強度
の焼結体を得ることが難しい。他方、焼結温度が230
0℃を超えると、一旦成長してできたネックの一部が逆
に細く衰退していく傾向があり、強度向上につながらな
い。
【0026】このようにして得られた多孔質炭化珪素焼
結体に対し後加工を施して所望の形状が付与される。付
形のための後加工として、湿式又は乾式の切断、切削、
研磨等が必要に応じて施される。これにより、シリコン
主体の中間製品(例えばシリコンウェハ)と直接接触す
る部位として、凹部、凸部又は段差部等が形成され、当
該焼結体は、シリコン主体の中間製品を加熱下で保持す
るためにこれと直接接触する半導体製造用治具となる。
【0027】(実施例)出発原料として、平均粒径が5
μmの炭化珪素粉末(β型結晶を約30重量%含有)を
準備した。この原料粉末にはシリカ等の不純物はほとん
ど含まれていない。前記炭化珪素粉末100重量部に対
し、粘結剤としてのポリメタクリル酸メチル(pMM
A)6重量部、解膠剤としてのポリビニルアルコール1
重量部および分散媒液としての水80重量部を配合し、
ボールミル中で12時間混練して均一な原料スラリーを
調整した。この原料スラリーをスプレードライヤを用い
て噴霧乾燥して顆粒状に造粒した。この顆粒状乾燥原料
の不純物濃度を原子吸光分析装置を用い定量分析したと
ころ、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)はそれぞ
れ3ppm未満、ホウ素(B),アルミニウム(A
l),鉄(Fe),コバルト(Co)およびニッケル
(Ni)はN.D.(検出限度以下で未検出)であっ
た。
【0028】この顆粒状乾燥原料をプレス機の型枠に充
填し、4.9MPa(メガパスカル)の圧力で加圧し
て、図2に示すような略直方体状の生成形体10を形成
した。焼成に入る前にこの生成形体を温風式乾燥機に入
れ、大気圧下60℃で240分間乾燥し、残存水分を完
全に除去した。温風乾燥後、生成形体を焼成炉に移し、
1気圧のアルゴンガス雰囲気中で常圧焼結した。毎時3
00℃の昇温速度で2000℃まで昇温し、この200
0℃で240分間保持した。その後徐々に冷却し、生成
形体のときよりも若干収縮した略直方体形状の炭化珪素
焼結体を得た。得られた焼結体は、密度が1.6g/c
、開放気孔率が49容量%の多孔質体であり、その
曲げ強度は、約31MPaであった。
【0029】常温近くにまで冷えた略直方体状の多孔質
炭化珪素焼結体11に対し、乾式切削加工を施して、図
3に示すような複数の凹部ないし段差部12を有する治
具を作った。つまり、前記凹部ないし段差部12は焼結
体の一部を削り取ることで現出したものであり、これら
の部位がシリコンウェハ等の中間製品に接触してこれを
保持する部位となる。乾式切削加工後、水等で洗浄およ
び乾燥して製品としての完成をみた。この治具は図3に
示すように複数を一組として用いられ、いくつかの治具
が対をなしてシリコンウェハの端部を支え、該ウェハを
水平に保持する。なお、この実施例の手順で製造した治
具を、シリコンウェハの表面酸化のための熱処理に使用
したが、熱処理後にウェハを治具から取り外す作業に特
段の支障は生じず、又、ウェハの電子物性も特に損なわ
れることはなかった。
【0030】(別例)なお、前記実施例において、粘結
剤はあえて使用しなくてもよい。生成形体のプレス成形
後における温風乾燥工程は割愛されてもよい。又、単純
形状の多孔質炭化珪素焼結体に対する付形のための加工
方法は、乾式切削に限定されず、湿式切削や研磨加工で
あってもよい。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の半導体製造
用治具によれば、耐熱性と十分な機械的強度とを併せ持
ち、しかも当該治具自体が半導体製造プロセスにおいて
シリコン主体の中間製品の汚染源となることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体製造用治具の一例を示す斜視図。
【図2】焼成前の生成形体を示す斜視図。
【図3】一対の半導体製造用治具を示す斜視図。
【符号の説明】
10…生成形体、11…多孔質炭化珪素焼結体、12…
凹部又は段差部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体製造プロセスにおいてシリコン主
    体の中間製品を加熱下で保持するためにこれと直接接触
    する半導体製造用治具であって、 平均曲げ強度が29.4MPa〜157MPaの多孔質
    炭化珪素焼結体で構成されると共に、少なくとも前記中
    間製品に直接接触する部位の開放気孔内には、加熱下で
    シリコンとの化学的親和性を有するいかなる物質も充填
    又は注入されていないことを特徴とする半導体製造用治
    具。
  2. 【請求項2】 半導体製造プロセスにおいてシリコン主
    体の中間製品を加熱下で保持するためにこれと直接接触
    する半導体製造用治具であって、 平均曲げ強度が29.4MPa〜157MPaの多孔質
    炭化珪素焼結体で構成されると共に、前記中間製品に直
    接接触する部位のみならず当該治具を構成する多孔質炭
    化珪素焼結体全体の開放気孔内には、いかなる物質も充
    填又は注入されていないことを特徴とする半導体製造用
    治具。
  3. 【請求項3】 前記多孔質炭化珪素焼結体を構成する炭
    化珪素結晶に混入している金属不純物の混入量が5pp
    m以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    半導体製造用治具。
  4. 【請求項4】 前記多孔質炭化珪素焼結体は、前記中間
    製品に対する転移性不純物源となり得る焼結助剤を用い
    ずに焼結されていることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか一項に記載の半導体製造用治具。
  5. 【請求項5】 前記多孔質炭化珪素焼結体は、炭化珪素
    粉末の成形体を常圧焼結して得られたものであることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体
    製造用治具。
  6. 【請求項6】 前記シリコン主体の中間製品はシリコン
    ウェハであり、当該治具には、シリコンウェハと直接接
    触する部位としての凹部、凸部又は段差部が形成されて
    いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記
    載の半導体製造用治具。
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