JP2001270104A - 液滴射出デバイス - Google Patents

液滴射出デバイス

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JP2001270104A
JP2001270104A JP2000085248A JP2000085248A JP2001270104A JP 2001270104 A JP2001270104 A JP 2001270104A JP 2000085248 A JP2000085248 A JP 2000085248A JP 2000085248 A JP2000085248 A JP 2000085248A JP 2001270104 A JP2001270104 A JP 2001270104A
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nozzle
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permanent magnet
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JP2000085248A
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Osamu Tajima
修 田島
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Victor Company of Japan Ltd
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/15Moving nozzle or nozzle plate

Abstract

(57)【要約】 【課題】 設計自由度を有し、生産性に優れ、かつ信頼
性に優れたアクチェータを備えた液滴射出デバイスを提
供する。 【解決手段】 液滴射出デバイス1において、ノズル2
0を有するノズルプレート2と、ノズルプレート2を電
磁力により振動させ、ノズル20から液滴60を射出さ
せるノズル駆動回路4とを備える。ノズルプレート2に
は、それ自体が可動部となるように、可撓性並びに透磁
性を備えている。ノズル駆動回路4は、少なくとも永久
磁石41と、ノズルプレート2と永久磁石41との間に
配設され、かつ永久磁石41の磁力を制御する電磁コイ
ル体40と、電磁コイル体40のコイル40Bに電流を
供給する電流供給部43と、電流の供給を制御する制御
部44とを備えて構築されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液滴射出デバイス
に関し、特にプリンタ、ファクシミリ等の印刷装置を構
築する液滴射出デバイスに関する。特に本発明は、液体
より液滴を形成し、この液滴をノズルから射出させる液
滴射出デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ等の印刷装置を
構築する液滴射出デバイスに採用されている代表的イン
クジェット方式は、インクの微小液滴を射出させるノズ
ルと、このノズルからインクを射出させるためのアクチ
ェータとを備えている。このアクチェータとしては、ピ
エゾセラミック、又はインク溶媒を沸騰膨張させ射出力
を得る発熱素子が使用されている。前者はピエゾ方式、
後者はバブルジェット(登録商標)方式と呼ばれてい
る。これらの方式の共通点は、アクチェータによりイン
クチャンバ容積を縮小して圧力を高め、微小なノズルか
らインクを瞬時に射出することにより微小なインク滴を
生成していることである。
【0003】ところが、この種の方式は、インクチャン
バ内の圧力を高めてノズルからインクを射出させてお
り、インク供給路への圧力の逃げを抑えるために、イン
ク供給路を細く長くさらに屈曲させてインクの流動抵抗
を高く設定している。このため、ノズルからのインクの
射出後、インクチャンバ内の負圧によりインクを供給す
ることができるように、インクの流動性を高くする必要
がある。しかしながら、粘度の高い顔料インク、油性イ
ンク等を高いレートで射出させる液滴射出デバイスを実
現することは困難である。
【0004】そこで、液滴射出デバイスにおいては、高
流動性の水性インクが多用されている。ところが、水性
インクの使用は以下の様々な問題点を生じる。第1に、
水性インクの耐水性や耐侯性が不足しており、普通紙に
おいては水性インクの滲み、フェザーリング、裏面浸出
等が発生する。第2に、粘性の低い水性インクを使用し
ても水性インク中に存在する微小な泡により、前述のよ
うに長く細くさらに屈曲させてインクの流動抵抗を高く
設定したインク供給路はその機能を失ってしまう。第3
に、インク供給路が一度詰まると修復することは極めて
困難である。第4に、インク供給路、インクチャンバは
複雑な構造で高価である。そして、第5に、ノズル、イ
ンクチャンバ、ピエゾセラミック又は発熱素子、屈曲し
た細く長いインク供給路(暗渠)が多層の錯綜した構造
で構成されており、超精密加工を要する複雑な構造なの
で、長尺で多連ノズル構造を有する液滴射出デバイスの
実現が困難であり、廉価な高速印字プリンタを実現する
ことが難しかった。
【0005】上記技術的課題を解決することが可能な液
体吐出装置(LIQUID PROJECTION APPARATUS)が、国際
公開番号WO99/55140号公報に開示されてい
る。この液体吐出装置は、ノズルプレートにピエゾセラ
ミックを固着して、このピエゾセラミックでノズルプレ
ートを屈曲させることで、液体を加圧することなく、ノ
ズル口から液滴を射出させるという特徴を備えており、
このような特徴から液体に生ずる速度水頭(動圧)によ
って液滴の形成並びに射出を行うことができるものと推
察することができる。
【0006】一般的に、一定数の流線で構成される流管
内においては、次式<1>で表されるベルヌーイの定理
が成り立つ。
【0007】 p+ρv /2+ρgh=一定 … <1> p:流体圧力 ρ:流体密度 v:流体速度 g:重力加速度 h:流管高さ 静止状態から速度vm/secで駆動されるノズルプレ
ート上の液体に生ずる流体圧力pは上記式<1>の第2
項の速度水頭(速度落差)に相当しており、この流体圧力
pがノズルの液面に印加されるようになっている。従っ
て、上記液体吐出装置においては、インク液滴の射出の
ためのインクチャンバの内圧印加、インク供給路からの
圧力抜けの抑止構造(例えば、細く長くさらに屈曲させ
て流動抵抗を高めたインク供給路)、液滴吐出後のイン
クチャンバ内へのインク吸入工程等が不要になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本件発明者は、上記国
際公開公報に開示された発明に鑑み、高レート、高効率
及び高密度の液滴射出を可能とし、さらに生産性並びに
信頼性に優れた液滴射出デバイスを開発すべく、公知技
術ではないが、以下のような基礎研究を実施した。すな
わち、ステンレス板にポリイミドシートをコーティング
したノズルプレート又はポリイミドシートのノズルプレ
ートを準備し、ピエゾセラミックのバイモルフ若しくは
モノモルフをトランスジューサとして使用し、4kHz
〜10kHzの制御周波数により100kHz付近の共
振周波数の駆動周波数をノズルプレートに与え、ノズル
プレートの振動状態を測定し、その考察を行った。
【0009】(1)共振周波数で励振するとノズルプレ
ートの振幅は高倍率になるが、大振幅に達するまでの振
動サイクルを要すことから、高速化には制限が生じる。
ここでの基礎研究においては、ピエゾセラミックを使用
したトランスジューサの駆動周波数と制御周波数との周
波数差を1桁〜2桁程度相違させている。トランスジュ
ーサの共振周波数付近において振動させる振幅を大きく
することにより液滴射出限界を越えて液滴射出を行って
おり、トランスジューサの振動回数を稼ぐためには、又
は振動の収まる時間を確保するためには、低い制御周波
数が必要であると考えられる。共振周波数が高くなるの
は、可動部が厚くしかも硬いピエゾセラミックが強固に
接着された高剛性構造を備えているためである。
【0010】(2)多連ノズル(マルチノズル)構造を
有する液滴射出デバイスにおいては、トランスジュー
サ、ノズルプレート、接着部の寸法、質量等のそれぞれ
の微小な誤差により、共振周波数、共振倍率等に大きな
ばらつきが発生する。このような共振周波数等のばらつ
きは印刷の斑の原因になり、高品質の印刷出力を得るこ
とができない。さらに、大量生産における液滴射出デバ
イス間のばらつきも大きくなり、液滴射出デバイス毎に
印刷出力に斑が発生する。
【0011】(3)また、ノズル径、液体粘性及び表面
エネルギーによる液滴生成周期とメニスカス共振周波数
とに駆動周波数が近づくと液滴射出能率は上昇するが、
この液滴射出能率もノズル間、液滴射出デバイス間のば
らつきの要因となる。
【0012】(4)さらに、駆動周波数は液体の特性に
よっても制限を受け、過度に高い共振周波数を用するこ
とができない。アクチェータ(トランスジューサ及びノ
ズルプレートの組立体)の出力に対して液体の動圧を発
生させるノズルプレートの速度は共振周波数の増大とと
もに小さくなる。従って、必要以上の高周波数で励振さ
せることは高速化には不利である。
【0013】(5)ピエゾセラミックとノズルプレート
との接着体は極めて剛性が高いので100kHzレベル
の高い共振周波数を持っている。図11に示すように、
剛性が増大し、共振周波数が1桁上がれば共振点以下の
周波数で速度は1桁下がる。図11はバネ定数kを変え
て共振周波数を変えた複数のデータが示されている。共
振周波数が変化しても共振ピークは変化しない。共振倍
率比の上昇が基本的速度(共振倍率1の場合)の低下を補
っている。共振倍率が高いとき共振峰は高く鋭いが、こ
の対数軸上の鋭さ、狭さが各ノズルの共振周波数のばら
つきによる射出特性のばらつきの発生を増大させること
を示している。
【0014】(6)アクチェータの可動部の質量を変え
て共振周波数を変えることも可能である。しかし、質量
を増加し共振周波数を下げると共振倍率が高くなり、質
量を減少させて共振周波数を上げると速度倍率は低くな
るので、もともと必要な出力設計をしたアクチェータに
は適用することができない。
【0015】(7)本発明者が行った基礎研究において
は、共振周波数を約100kHzに下げ(それでも共振
周波数はかなり高い)、振幅を上げるために長さ9m
m、幅1mmの細長い梁状のノズルプレートの試作が試
みられた。このノズルプレートを使用し、12dots
/mmの多連ノズル構造の液滴射出デバイスを試作して
みると、ノズルプレートの全体の長さ(9mm×12)
は108mmにも達する。これでは廉価な汎用プリンタ
には到底適用することができない。上記国際公開公報に
は液体吐出装置の小型化の工夫も開示されてはいるが、
この開示内容のいずれも実用的な水準まで改善できる手
段とはならない。
【0016】このようにピエゾセラミックをトランスジ
ューサとする速度水頭(動圧)型液体射出デバイスにおい
ては、実用上の種々の課題を抱えており、実用化が非常
に難しかった。
【0017】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものである。従って、本発明の目的は、設計自由度を
有し、生産性に優れ、かつ信頼性に優れたアクチェータ
を備えた液滴射出デバイスを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の特徴は、液滴を射出させるノズルを有し、
可撓性及び透磁性を有するノズルプレートと、ノズルプ
レートを電磁力により振動させ、ノズルから液滴を射出
させるノズル駆動手段と、を少なくとも備えた液滴射出
デバイスとしたことである。
【0019】ここで、「可撓性」とは、少なくとも液滴
を射出させるために必要な板厚方向に撓むことができる
性質という意味で使用され、ノズルプレートはノズルを
備えるとともに液滴の射出に必要な振動板としての機能
を備えている。「透磁性」とは、液滴を射出させるべく
ノズルプレートを電磁力により撓ませる(又は振動させ
る)ために、電磁石により吸引又は反発する性質という
意味で使用される。従って、ノズルプレートは少なくと
も強磁性金属板を主体として構成することが好ましい。
さらに、「ノズル駆動手段」は、ノズルプレートに対向
して配設された永久磁石と、ノズルプレートと永久磁石
との間に配設され電磁力を制御する電磁コイルと、電磁
コイルに電流を供給する電流供給部と、電流の供給を制
御する制御部とを少なくとも備えて構築されることが好
ましい。すなわち、本発明に係る液滴射出デバイスは、
ノズルプレートを可動部とする電磁型アクチェータを備
えている。可動部としてのノズルプレートの質量、ばね
定数等が小さい程、一定の入力エネルギに対して大きい
速度を得ることができる。
【0020】本発明に係る液滴射出デバイスにおいて
は、ノズルプレートに可撓性並びに透磁性を備えたこと
により、ノズルプレート自体を液滴を射出させるための
可動部とすることができ、さらにノズルプレート自体の
軽量化を実現することができる。従って、共振周波数、
共振倍率を低く設定することが容易に行え、液滴形成限
界速度に見合う最適な駆動周波数において不安定な共振
点を避け、かつその共振点の近傍で高い速度を発生させ
ることができるアクチェータを実現することができる。
さらに、低い周波数に共振点を持つアクチェータにおい
ては、液滴吐出可能速度を維持する時間を長く確保する
(速度振幅を大きくする)ことができるので、この速度
維持時間を最適に制御することにより、1回の液体吐出
量の制御を行うことができる。すなわち、設計自由度の
高い電磁型アクチェータを備えた液滴射出デバイスを実
現することができる。
【0021】さらに、ノズルプレート自体を可動部とし
たことにより、従来例で説明したようなピエゾセラミッ
クとノズルプレートとの間に強大な繰り返し剪断応力や
引張り応力に耐える強力な接着層を設ける必要がなくな
る。従って、生産性に優れ、信頼性の高いアクチェータ
を備えた液滴射出デバイスを実現することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0023】[液滴射出デバイスの構造]図1及び図2
に示すように、本発明の実施の形態に係る液滴射出デバ
イス1は、液滴60を射出させるノズル20を有し、可
撓性及び透磁性を有するノズルプレート2と、ノズルプ
レート2を磁力により振動させ、ノズルから液滴を射出
させるノズル駆動機構4とを少なくとも備えて構成され
ている。ノズル駆動機構4は本発明に係る「ノズル駆動
手段」の一具体例に対応するものである。ノズル機構4
は、ノズルプレート2に対向し離間配設された永久磁石
41と、ノズルプレート2と永久磁石41との間にスペ
ーサ層3を介在させて配設され、かつノズルプレート2
に形成されたノズル20と中心位置を合わせてコイル4
0Bを配設することにより永久磁石41の磁力を制御す
る電磁コイル体40と、電磁コイル体40のコイル40
Bに電流を供給する電流供給部43と、電磁コイル体4
0のコイル40Bへの電流の供給を制御する制御部44
とを少なくとも備えて構成されている。
【0024】ノズルプレート2には、本発明の実施の形
態において、高透磁性金属、具体的にはパーマロイ、セ
ンダスト、アモルファス高透磁率材料等で形成した板状
部材を実用的に使用することができる。ノズルプレート
2の外面(図1中及び図2中、下側表面)には液体を撥
くように例えば弗化シリコン膜等の薄膜がコーティング
されており、液体6はノズル20においてメニスカスを
形成することができるが、ノズルプレート2の外面に液
体が浸出拡散されることは無い。
【0025】ノズル20は、ノズルプレート2の所定箇
所に所定ピッチで規則的に配列された貫通孔で構成され
ている。ここで、「所定箇所」とは、例えば600dp
iの高品質のプリンタの場合、画素1ドットに対応する
位置にノズル20が配設されるという意味である。「所
定ピッチ」とは、1平方インチメートル内に600do
tsのノズル20が配列できる間隔という意味である。
ノズル20の直径は好ましくは最小液滴球径のほぼ1.
7倍に設定されている。
【0026】永久磁石41は、図1中及び図2中、下側
をS極、上側をN極とする平板形状で構成されており、
この永久磁石41にはノズル20に対応する位置におい
て複数の液体供給経路となる貫通孔41Aが配設されて
いる。永久磁石41は、ノズルプレート2内面上にスペ
ーサ層3、電磁コイル体40のそれぞれを介在して配設
されている。永久磁石41上にはさらにバックプレート
42が配設されている。
【0027】図3に示すように、スペーサ層3は、板状
の非磁性体、例えばアルミニウム、銅若しくはそれらの
合金等の非磁性金属材料、又はポリアセタール、ポリカ
ーボネイト、ポリアミド、ポリイミド等の樹脂材料を用
いて形成されている。このスペーサ層3にはノズル20
に対応する領域に多数の円形孔3Aが配設されている。
電磁コイル体40は、中央に貫通孔40Aを有するコイ
ル40Bを所定ピッチで多数埋め込んだ板状の形態で構
成されているか、又はプリント配線基板上にコイル40
Bを所定ピッチで多数プリントした形態で構成されてい
る。図1及び図2に示すバックプレート42は、ノズル
プレート2と同様に高透磁性金属で形成されており、ノ
ズルプレート2とは異なり硬質性を備えるためにノズル
プレート2よりも厚い板厚で形成されている。バックプ
レート42にはノズル20に対応する領域に貫通孔42
Aが配設されている。
【0028】スペーサ層3の円形孔3A、電磁コイル体
40の貫通孔40A、永久磁石41の貫通孔41A、バ
ックプレート42の貫通孔42Aのそれぞれとノズル2
0の中心位置は一致させてある。これらの円形孔3A、
貫通孔40A、41A、貫通孔42Aのそれぞれは液体
供給経路を形成するようになっている。スペーサ層3の
円形孔3Aの内径と電磁コイル体40のコイル40Bの
外径とは等しく設定されており、スペーサ層3に貼り付
けられたノズルプレート2を撓ませることができる空間
3Bを生成している。
【0029】バックプレート42上の周縁においてはチ
ャンバケース7が配設されており、このチャンバケース
7の内部空間内にインク等の液体6が充填されている。
この液体6は、上記円形孔3A、貫通孔40A、41A
及び貫通孔42Aで形成される液体供給経路を通してノ
ズル20に供給されるようになっている。符号6Sは液
体6の液面である。チャンバケース7は例えばステンレ
ス鋼等の金属材料で形成されており、このチャンバケー
ス7はバックプレート42に例えば溶接等の取付手段に
より取り付けられている。
【0030】ここで、液体6がノズル20から漏出する
限界落差hは次式<2>で表すことができる。
【0031】h=2σ/rρg … <2> σ:液体表面張力 r:ノズル半径 ρ:流体密度 g:重力加速度 例えば、液体6にシリコンオイル(液体表面張力σは
0.02N/m、流体密度ρは1000kg/m)を
使用し、ノズル半径rを15μmとする場合、上記式<
2>から限界落差hはほぼ270mmになり、10mm
程度の液面6Sに対しては充分な余裕がある。
【0032】電磁コイル体40の貫通孔40Aの内径を
例えば0.5mmとした場合、この貫通孔40の内径で
保持される液体6の限界落差hは僅か8μmであるから
液体6は液体供給経路を構築する各部材が撥液性であろ
うとも重力でスペーサ層32より形成された空間3B内
に流入させることができる。
【0033】このように液体6が自重で流入する空間3
Bの内部は圧力を蓄積しないものであり、また液体6の
供給に加圧力若しくは吸引圧力は不必要である。つま
り、従来の加圧型インクジェット方式の半密閉型チャン
バに対して、本発明の実施の形態に係る液滴射出デバイ
ス1は開放型チャンバを使用している。さらに、液体6
は自重で流下するので、液体6内に泡が含まれていて
も、この泡は自然に抜くことができる。
【0034】[液滴射出デバイスの組立]上記説明にお
いて理解されるように、本発明の実施の形態に係る液滴
射出デバイス1は、スペーサ層3、複数のコイル40B
を有する電磁コイル体40、永久磁石41、バックプレ
ート42の各板状部材を積層し、さらにスペーサ層3に
同様に板状部材であるノズルプレート2を取り付けるこ
とにより、容易に組み立てることができる。すなわち、
液滴射出デバイス1は複数の板状部材を積層したアクチ
ェータにより形成されている。
【0035】さらに、液滴射出デバイス1においては、
永久磁石41の吸引力によりバックプレート42、ノズ
ルプレート2のそれぞれが吸着されるので、組み立ては
容易に行うことができる。電磁コイル体40の基板とス
ペーサ層3とは、非磁性体で形成されているので永久磁
石41に吸着されないが、ノズルプレート2の吸着力で
押さえ付けられるので、接着による相互の固定を容易に
行うことができる。
【0036】さらに、電磁コイル体40のコイル40B
で発生させる電磁力よりも永久磁石41の吸引力を大き
くして、この永久磁石41の吸引力により、常にノズル
プレート2を吸引する方向に働くように設定されてお
り、電磁コイル体40とスペーサ層3との間の接着を剥
離する力は皆無であり、電磁コイル体40とスペーサ層
3との間の接着寿命は永久的である。
【0037】バックプレート42上にはチャンバケース
7が最後に接合されることで、液滴射出デバイス1を完
成させることができる。
【0038】[液滴射出デバイスの動作]次に、上記本
発明の実施の形態に係る液滴射出デバイス1の動作を説
明する。
【0039】液滴射出デバイス1の永久磁石41により
発生した磁力線41Mは、図1に示すように、ノズルプ
レート2、バックプレート42の双方に達するループを
描く。ここで、ノズル20側から見て時計回り方向の電
流iを電磁コイル体40のコイル40Bに流すと、コイ
ル40Bには同図1に示すような磁力線40Mを発生さ
せることができる。この場合、永久磁石41により発生
した磁力線41Mとコイル40Bにより発生した磁力線
40Mとは方向が逆向きになるので、双方の磁束は互い
に打ち消し合う。永久磁石41により発生する磁束Φ
及びコイル体40Bにより発生する磁束Φによるノズ
ルプレート2の吸引力は、次式<3>に示すように比例
する。
【0040】Φ=(Φ … <3> ここで、永久磁石41により発生する磁束Φはコイル
40Bにより発生する磁束Φよりも遥かに大きく、Φ
≒0として無視することができるので、上記式<3
>は次式<4>のように書き換えることができる。
【0041】Φ=Φ +2ΦΦ … <4> コイル40Bにより発生するの磁束Φの起磁力はコイ
ル電流iとコイル巻き数Nとの積に比例するので、磁束
Φの二乗は次式<5>に表されるようにコイル電流iに
よって制御することができる。
【0042】 Φ=Φ +2ΦiN/R … <5> R:コイル磁束に対する磁気回路抵抗 従って、コイル電流iが0のとき(i=0)、ノズルプ
レート2は、図1に符号21を付けて一点鎖線で示すよ
うに、永久磁石41の変動しない磁束Φ(磁力線41
M)によって吸引され、空間3Bの内側に撓ませられた
状態にある。コイル体40Bのコイル電流iによる磁束
Φが永久磁石41により発生する磁束Φと逆方向の
ときは、ノズルプレート2の吸引力は減少し、図1に符
号22を付けて破線で示すように、ノズルプレート2の
撓みは減少した状態にある。
【0043】図示していないが、コイル40Bにより発
生する磁束Φが永久磁石41により発生する磁束Φ
と同一方向になるように、コイル40Bにコイル電流i
を流すと、磁束Φ は増加し、ノズルプレート2の撓
みは符号21で示す一点鎖線よりもさらに空間3B内部
に向かって大きくなる。
【0044】以上説明したように、液滴射出デバイス1
においては、コイル40Bに流すコイル電流iの大きさ
と方向とを制御することにより、ノズルプレート2に印
加される磁力(吸引力)を制御することができ、ノズル
プレート2の撓みを制御することができる。
【0045】スペーサ層3を透磁性体とした場合、永久
磁石41により発生する磁力線41M及びコイル40B
により発生する磁力線40Mは磁気抵抗の低いスペーサ
層3を通過するので、液滴射出デバイス1のアクチェー
タとしての能率は上昇させることができるが、逆にイン
ダクタンスの増大により高周波数特性は低下してしま
う。従って、この点においてスペーサ層3は非磁性体と
することが好ましい。
【0046】[ノズルプレートの変形例]本発明の実施
の形態に係る液滴射出デバイス1においては、アクチェ
ータとしての可動部は可撓性を有するノズルプレート2
としているので、このノズルプレート2は薄く、撓みや
すく、質量も小さく形成することができる。図4に示す
ように、ノズルプレート2おいてノズル20の周囲の円
形可動面に多数のスリット23を配設することにより、
ノズルプレート2の特にノズル20の領域は桁違いに撓
みやすくすることができる。これは、良く知られている
ように、周辺固定の円板の撓みと両端固定梁の撓みの公
式により理解することができる。スリット23の幅寸法
はノズル20の内径寸法の数分の1程度に設定すること
により、スリット23からの液体漏出落差hは数倍にな
り、ノズル20から液滴を射出する場合においても上記
式<2>から理解できるようにスリット23からの液体
6の流出を防止することができる。なお、ノズル20の
内径寸法は例えば30μmを実用的に使用することがで
きる。スリット23は、ノズルプレート2の製作過程に
おいて、ノズル20と同一のエッチング工程2より、又
は同一の機械的打ち抜き工程により製作されることが、
生産性を向上させる上で好ましい。
【0047】[液滴射出原理]先の従来技術で説明した
上記図11から明らかなように、ノズルプレート2を撓
みやすくするとき、質量は変わらないので、共振周波数
ω0は低下し、共振周波数ω0の近傍の速度振幅は増大す
る。図1に示すように、ノズルプレート2が同図2中矢
印A方向に駆動される(撓みを生じる)と、このノズル
プレート2の撓みが生じた領域に接する液体6も撓み分
と同体積の液体6が駆動(流動)され、ノズル20から
液滴60が射出される。ノズル20のメニスカスにおい
てはノズルプレート2の速度vm/sと同じ速度を得る
ことができるので、上記式<1>の流管高さhの変化を
無視すると、次式<6>のように動圧pを求めることが
できる。
【0048】p=ρv/2 … <6> 上記式<6>で表される動圧pによって、図5(B)及
び図5(C)に示すように、ノズル20のメニスカスが
表面エネルギに抗して膨らみ6’を生成する。この突出
した膨らみ6’が所定の高さとなったときノズルプレー
ト2の速度vを落とせば膨らみ6’への液体6の供給は
止まり、膨らみ6’は、慣性力を持っているのでその慣
性力で切断され、液滴60となって射出される。図5
(A)にはノズル20を通過する流体6の流速が示され
ている。
【0049】図6(A)にノズルプレート2の2つの実
用例の数値データを示す。同図6(A)において、ノズ
ルプレート形式の「スリット有り」とは上記図4に示す
スリット23を配設したノズルプレート2であり、「ス
リット無し」とはスリット23を配設していないノズル
プレート2である。
【0050】ノズルプレート2にスリット23を配設し
た場合には、ノズルプレート2の剛性は下がり、共振点
速度v、速度圧力pvがともに大きくなり、液滴形成に
必要な圧力アクチェータの限界射出駆動力Fは2.79
mNと小さくすることができる。さらに、スリット23
を配設したノズルプレート2においては、共振周波数共
振周波数ω0を約7.23kHzと低く設定することがで
きる。さらに、例えばノズルプレート2の厚さをより薄
くすることにより、この薄さに比例して共振周波数ω0
をより低く設定することができる。ノズルプレート2の
可動部半径a(図1参照。)においては、この可動部半
径aの二乗に反比例して共振周波数ω0を下げることが
できる。このようにバネ定数kを下げて共振周波数
ω0、共振倍率vを低く設定することは容易に行うこと
ができるので、液滴60の形成限界速度に見合う最適な
駆動周波数において不安定な共振点を抑えかつその共振
点の近傍で高い速度を発生するアクチェータ、すなわち
液滴射出デバイス1を実現することができる。なお、上
記のように剛性を下げたノズルプレート2において、図
5(B)乃至図5(D)に示すように、その外面上にポ
リイミド樹脂膜等のプラスチックシート25を例えばラ
ミネートによりコーティングすることにより、より一層
アクチェータとしての減衰定数を上昇させることがで
き、共振ピークを容易に押さえることができる。
【0051】図1、図5(A)及び図5(B)に示す矢
印A方向のノズルプレート2の撓みにより液滴60の射
出動作を行った後、電磁コイル体40のコイル40Bに
コイル電流iを流して磁力線40Mを発生させ、永久磁
石41により発生した磁力線41Mを打ち消す磁束を発
生させることにより、ノズルプレート2の撓みが急速に
戻され、ノズルプレート2のノズル20の近傍の内面上
に接する液体60は負圧になるので、ノズル20のメニ
スカス面は図5(D)に示すように凹面になる。このメ
ニスカス面の凹面は矢印B方向の歪みエネルギを蓄えて
いるので、このメニスカス面が凹面から平面に戻るタイ
ミングにおいて図1に符号21を付け一点鎖線で示すよ
うにノズルプレート2を吸引すれば液滴射出効率を上げ
ることができる。ノズルプレート2の矢印B方向への戻
りはノズルプレート2の撓みエネルギの開放であるか
ら、1滴の液滴60の射出時間は共振周波数ω0の1周
期にほぼ等しくなる。
【0052】[液滴射出デバイスのアクチェータ多連構
造]以上説明した本発明の実施の形態に係る液滴射出デ
バイス1において、アクチェータ多連構造を実現する場
合を説明する。
【0053】図7に示すように、液滴射出デバイス1の
電磁コイル体40は、この層数に限定されるものではな
いが、4層の電磁コイル層401〜404を順次積層し
て構築されている。これらの電磁コイル層401〜40
4は、いずれも、例えばプリント配線基板で構成されて
いる。すなわち、電磁コイル層401は、絶縁基板41
0と、絶縁基板410上の入力端子411と、絶縁基板
410上のコイル配線412と、絶縁基板410の表面
から裏面に通じる接続孔配線(スルーホール配線)41
3と、絶縁基板410の裏面上の出力端子414とを備
えて構成されている。同様に、電磁コイル層402は、
絶縁基板420と、絶縁基板420上の入力端子421
と、絶縁基板420上のコイル配線422と、絶縁基板
420の表面から裏面に通じる接続孔配線423と、絶
縁基板420の裏面上の出力端子424とを備えて構成
されている。電磁コイル層403は、絶縁基板430
と、絶縁基板430上の入力端子431と、絶縁基板4
30上のコイル配線432と、絶縁基板430の表面か
ら裏面に通じる接続孔配線433と、絶縁基板430の
裏面上の出力端子434とを備えて構成されている。電
磁コイル層404は、絶縁基板440と、絶縁基板44
0上の入力端子441と、絶縁基板440上のコイル配
線442と、絶縁基板440の表面から裏面に通じる接
続孔配線443と、絶縁基板440の裏面上の出力端子
444とを備えて構成されている。
【0054】最上層の電磁コイル層401の出力端子4
14と上から2段目の電磁コイル層402の入力端子4
21との間は相互に電気的に接続されている。2段目の
電磁コイル層402の出力端子424と上から3段目の
電磁コイル層403の入力端子431との間は相互に電
気的に接続されている。そして、3段目の電磁コイル層
403の出力端子434と最下層の電磁コイル層404
の入力端子441との間は相互に電気的に接続されてい
る。すなわち、奇数段目の電磁コイル層と偶数段目の電
磁コイル層との間の接続は外側で行われ、偶数段目の電
磁コイルと奇数段目の電磁コイル層との間の接続は内側
で行われている。
【0055】最上層の電磁コイル層401の入力端子4
11にコイル電流iが供給されると、各層のコイル配線
412、422、432、442のそれぞれには反時計
回りにコイル電流iが流れる。絶縁基板410、42
0、430、440のそれぞれの厚さを例えば数10μ
mに設定し、コイル配線412、422、432、44
2のそれぞれの厚さを数10μmとして周回パターンと
し、このような電磁コイル層401〜404を積層化す
ることにより、数ボルトの低電圧駆動するのに好適なイ
ンピーダンス巻き数の電磁コイル体40を製作すること
ができる。
【0056】図8に示すように、電磁コイル体40の最
上層の電磁コイル層401の入力端子411には、行方
向に延在しかつ列方向に所定間隔で配列された信号線S
L1〜SL3のそれぞれが電気的に接続され、最下層の
電磁コイル層404の出力端子444には、列方向に延
在しかつ行方向に所定間隔で配列されたアクセス線AL
1〜AL3のそれぞれが電気的に接続されている。図示
しないが、信号線SL1〜SL3のそれぞれに駆動トラ
ンジスタを配設し、アクセス線AL1〜AL3のそれぞ
れにスイッチングトランジスタを配設することにより、
2次元的に配列された電磁コイル層をランダムアクセス
することができる、2次元配列のアクチェータを備えた
液滴射出デバイス1を実現することができる。このよう
な液滴射出デバイス1においては、信号線SL1〜SL
3に短く高いパルス信号を印加し、ノズルプレート2に
1回の射出動作を行わせることができる。ノズルプレー
ト2は機械的時定数に応じて1つのパルス信号に対して
1往復するようになっているが、パルス信号を短く設定
することにより、次段ラインへのアクセス速度を高速化
することができる。1周期のラインのアクセスが終了す
るまでに最初のラインのノズルプレート2が無信号位置
まで復帰していればよいので、1ラインヘッドと同じ高
速駆動を実現することができる。例えば60ラインを1
周期τn秒で印字する場合、1ライン当たりの信号印加
時間はτn/60秒と短くすることができる。なお、こ
の例は多階調印字ではなく2値の印字である。
【0057】図6(B)に2次元配列のアクチェータの
2つの実用例の数値データを示す。同図6(B)におい
て、「スリット有り」、「スリット無し」とは、図6
(A)で説明した通り、ノズルプレート2のスリット2
3の有無である。
【0058】ライン周回時間はアクチェータの共振周期
と等しくすることができるので、スリット23を有する
場合でも共振周波数は7.23kHzと低く周期は比較
的長くなるが、高速印字を実現することができる。全て
のラインのアクセスタイミングを共振半周期として遅く
(30倍、充分な階調が得られる速度。)しても、印字
時間は52秒であり、かなりの高速印字を行うことがで
きる。
【0059】図9は減衰係数ζが0.5のアクチェータ
への入力パルス信号幅に対するノズルプレート2の出力
速度をシミュレーションした線図、図10は減衰係数ζ
が0.2のアクチェータへの入力パルス信号幅に対する
ノズルプレート2の出力速度をシミュレーションした線
図である。電磁コイル体40による電磁力の印加は0で
立ち上がり、共振周波数ωnの周期τnに対して2%、
8%、12%持続するステップ波形である。 v(t)は
持続するステップ入力に対する速度出力である。出力速
度の大きさはパルス持続時間に比例しており4分の1周
期を超えると小さくなることを理解することができる。
但し、0.5周期までは出力速度の面積が増加してゆく
(なお、0.5周期に近づくと変化は鈍くなる。)。出
力速度が所定値に達して液滴60の押し出しが始まれば
射出される液滴60の体積はこの面積に対応する。この
ようにして1回のノズルプレート2の運動で所望の体積
の液滴60を射出することができる。このように液滴6
0の体積の制御はほぼ4分の1周期の範囲で行うのが好
ましい。この減衰係数ζを0.5とすることで1周期後
の振動はほぼ収まっている。上記したようにラインアク
セスタイミングを0.5周期とする余裕は充分である。
図10は減衰係数ζを0.2とした場合である。この減
衰係数ζは図11のばね定数k=0.1の場合(減衰係
数ζ=0.16)よりも大きいが第2サイクルまで大き
な速度振幅を残している。このような状態では単サイク
ルで確実な量の射出制御を行うことができない。図9に
示すような高い減衰係数ζを0.5を有するアクチェー
タが有用である。このアクチェータの周波数特性が図1
1のばね定数k=0.01に相当する。
【0060】以上説明したように、ばね定数kを低くし
て、共振周波数ωnを下げ、減衰係数ζを上げパルス信
号幅を制御した1つの射出パルス信号を供給し、射出さ
れる液滴60の大きさを制御することにより、射出レー
トを高くすることができる。
【0061】[液滴射出デバイスの効果]以上説明した
ように、本発明の実施の形態に係る液滴射出デバイス1
においては、ノズル20を有し、可撓性及び透磁性を有
するノズルプレート2と、ノズル駆動機構4とを備え、
ノズルプレート2の内面に液体6を接触保持させ、ノズ
ルプレート2を内面側に駆動し(撓ませ)、液体6内に
速度圧力を発生させ、ノズル20より液体6を押し出し
液滴60を射出させるようにしたので、以下の効果を得
ることができる。
【0062】(1)可撓性の大きいノズルプレート2に
おいて、望ましい最適な周波数に共振点の設定を容易に
行うことができる。望ましい周波数は、射出レート、必
要射出圧力、最小、最大液滴重量を主なパラメータとし
てそれらの均衡により決定することができる。
【0063】(2)ノズルプレート2の駆動に低い共振
周波数を設定することができるので、大きな速度が得ら
れ、液滴射出圧力も大きくでき、射出効率を向上するこ
とができる。
【0064】(3) 共振倍率は低く設定することがで
きるので、共振点及び共振点近傍の振幅を安定させるこ
とができ、マルチノズルアクチェータを容易に実現する
ことができる。
【0065】(4)可動部としてのノズルプレート2が
駆動用電線の無い単一の金属性可撓板で構成され、しか
も大きな繰り返し応力が加わる接着部が無いので、信頼
性が高く長寿命化を図ることができる。
【0066】(5)可動部としてのノズルプレート2
は、可撓性を持たせるために薄く形成され、結果的に軽
量化されているので、加速度、速度出力効率を高めるこ
とができる。
【0067】(6)二次元配置アクチェータは、配線基
板、具体的には汎用性の高い多層プリント配線基板で実
現することができるので、生産性を向上することができ
る。
【0068】(7)ノズルプレート2の可撓部分(撓む
部分)の占める面積は大きくないので、超微細な二次元
配列のアクチェータを実現することができる。
【0069】(8)ノズルプレート2に配設された複数
のノズル20の相互間はスペーサ層3で区分されている
ので、ノズル20間のクロストークを減少させることが
できる。
【0070】(その他の実施の形態)本発明は上記複数
の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をな
す論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解
すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実
施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0071】例えば、上記実施の形態に係る液滴射出デ
バイス1において、電磁コイル体40の電磁コイル層の
層数を4層としたが、本発明は、4層未満又は5層以上
の電磁コイル層で電磁コイル体40を構築してもよい。
【0072】このように、本発明はここでは記載してい
ない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従っ
て、本発明の技術的範囲は上記の妥当な特許請求の範囲
に係る発明特定事項によってのみ定められるものであ
る。
【0073】
【発明の効果】本発明は、設計自由度を有し、生産性に
優れ、かつ信頼性に優れたアクチェータを備えた液滴射
出デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る液滴射出デバイスの
要部の拡大断面構造図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る液滴射出デバイスの
断面構造図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る液滴射出デバイスの
要部の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の変形例に係る液滴射出デ
バイスのノズルプレートの要部の平面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る液滴射出デバイスの
液滴射出原理を説明するための図であり、(A)はノズ
ルと液体流速との関係を示す図、(B)、(C)及び
(D)は液滴射出動作を段階的に示す図である。
【図6】(A)は本発明の実施の形態に係る液滴射出デ
バイスにおいてノズルプレートの実用例の数値データを
示す図、(B)は本発明の実施の形態に係る液滴射出デ
バイスにおいて2次元配列のアクチェータの実用例の数
値データを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る液滴射出デバイスの
アクチェータ多連構造を実現する電磁コイルの概念斜視
図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る液滴射出デバイスの
アクチェータ多連構造を実現する電磁コイルの平面図で
ある。
【図9】本発明の実施の形態に係る液滴射出デバイスに
おいて、減衰係数ζを0.5とした場合の入力パルス信
号幅と速度出力との関係を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る液滴射出デバイス
において、減衰係数ζを0.2とした場合の入力パルス
信号幅と速度出力との関係を示す図である。
【図11】液滴射出デバイスのアクチェータの共振周波
数と速度倍率比との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 液滴射出デバイス 2 ノズルプレート 20 ノズル 23 スリット 3 スペーサ層 4 ノズル駆動機構(ノズル駆動手段) 40 電磁コイル体 40B コイル 41 永久磁石 42 バックプレート 43 電流供給部 44 制御部 401〜404 電磁コイル層 6 液体 60 液滴 7 チャンバケース SL1〜SL3 センス線 AL1〜AL3 アクセス線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液滴を射出させるノズルを有し、可撓性
    及び透磁性を有するノズルプレートと、 前記ノズルプレートを電磁力により振動させ、前記ノズ
    ルから液滴を射出させるノズル駆動手段と、 を少なくとも備えたことを特徴とする液滴射出デバイ
    ス。
  2. 【請求項2】 前記ノズルプレートは少なくとも強磁性
    金属板を含み、前記ノズル駆動手段は、 前記ノズルプレートに対向して配設された永久磁石と、 前記ノズルプレートと永久磁石との間に配設され、前記
    永久磁石の磁力を制御する電磁コイルと、 前記電磁コイルに電流を供給する電流供給部と、 前記電流の供給を制御する制御部とを少なくとも備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の液滴射出デバイス。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1424199A1 (en) * 2002-11-29 2004-06-02 Sony Corporation Liquid drop discharger, test chip processor, printer device, method of discharging liquid drop and printing method, method of processing test chip, method of producing organic electroluminescent panel, method of forming conductive pattern, and method of producing field emission display
WO2008044071A1 (en) * 2006-10-12 2008-04-17 The Technology Partnership Plc Liquid projection apparatus
JP2010134300A (ja) * 2008-12-06 2010-06-17 Ricoh Co Ltd トナーの製造方法、トナーの製造装置及びトナー
JP2018094740A (ja) * 2016-12-09 2018-06-21 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 記録ヘッド及びそれを備えたヘッドクリーニング機構並びにインクジェット記録装置

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