JP2001270069A - グラビア彫刻装置 - Google Patents

グラビア彫刻装置

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JP2001270069A
JP2001270069A JP2000089086A JP2000089086A JP2001270069A JP 2001270069 A JP2001270069 A JP 2001270069A JP 2000089086 A JP2000089086 A JP 2000089086A JP 2000089086 A JP2000089086 A JP 2000089086A JP 2001270069 A JP2001270069 A JP 2001270069A
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distance
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JP2000089086A
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Hideaki Ogawa
秀明 小川
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 彫刻ヘッドにおけるシューと彫刻手段との間
隔が大きくても正確な彫刻が行えるグラビア彫刻装置を
提供する。 【解決手段】 制御手段4は、主走査方向の彫刻位置を
検出するためのエンコーダ15と副走査方向の彫刻位置
を検出するためのエンコーダ39とからのパルス信号を
カウントしてシリンダー上の座標を演算するパルスカウ
ンタ基板40と、シリンダーと彫刻ヘッド2との間の距
離を測定する距離センサ36から得た測定データをパル
スカウンタ基板40の演算した座標情報に基づいてメモ
リ41に格納するデジタルシグナルプロセッサ(DS
P)42と、DSP42を介してメモリ41から読み出
した測定データに基づいて彫刻ヘッド2に供給する彫刻
データを補正する補正手段43とを有する。シリンダー
と彫刻ヘッド2との間の距離を測定してメモリ41に格
納するので、彫刻する際には測定データに基づいて彫刻
データを補正することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、画像データに応じて
グラビアシリンダーにグラビア印刷用のセル(小孔)を
彫刻するグラビア彫刻装置に関する。
【0002】
【従来の技術】グラビアシリンダーにグラビア印刷用の
セルを形成する装置の1つとして、ダイヤモンド製のバ
イト(彫刻針)を備えたスタイラスの振動により当該シ
リンダー表面を機械的に彫刻するグラビア彫刻装置があ
る。このグラビア彫刻装置では、回転するシリンダーに
対し前記スタイラスを備えた彫刻ヘッドをシリンダー軸
芯方向に沿って移動させることで前記シリンダー上を走
査して彫刻を行う。(以下、シリンダーの回転方向を主
走査方向、シリンダーの軸線方向を副走査方向という)
【0003】このグラビア彫刻装置では、彫刻針の振動
量に応じて前記セルの大きさ(深さや幅)が可変され
る。そしてグラビア印刷では、前記セルの大きさにより
転写するインキ量が決まり、画像の濃淡を表現すること
ができる。
【0004】一般的なグラビアシリンダーは鉄芯に銅メ
ッキがなされたものであって、当該シリンダー表面には
微妙な湾曲(凹凸)が存在する。そしてシリンダー周面
に湾曲があると、前記スタイラスの振動量が正確であっ
ても、彫刻されるセルの大きさが正確に反映されず、前
記湾曲量に起因して画像濃度に変動が生じてしまうとい
う問題がある。
【0005】従って、従来のグラビア彫刻装置では、前
記彫刻ヘッドとシリンダー表面との間隔を一定に保つた
めにシューと呼ばれる摺接手段が彫刻ヘッドに設けられ
ていた。このシューが備えられた彫刻ヘッドは前記シリ
ンダー表面に対し接離する方向に移動可能に設けられて
おり、またシューが常にシリンダー表面に対し当接する
ようバネなどで付勢されていた。従って、シリンダー周
面に湾曲があっても、前記シューがシリンダー表面上に
沿って摺動することで、シューとシリンダー表面との間
隔、すなわち彫刻ヘッドとシリンダー表面との間隔を一
定に保つことができた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記シューを用いたグ
ラビア彫刻装置では、彫刻ヘッドとシリンダー表面との
間隔を一定に保つことはできるが、まだ次の点で問題が
あった。すなわち、前記シューとスタイラスとは物理的
に同位置には設けることができないので、近接して設け
られても数mm程度の間隔が開く。従って、実際の彫刻
が行われる彫刻針の位置とシューの位置とでシリンダー
表面の凹凸が異なる場合はセルの大きさは変動する。
【0007】例えばシリンダー作成工程では、メッキ処
理の後その周面を砥石などにより研磨する工程がある
が、この場合シリンダー表面には前記砥石の幅に応じて
微妙な凹凸が線状に存在する、いわゆる、研磨ムラがあ
った。このシリンダーの凹凸により従来のグラビア彫刻
装置では画像ムラが生じる可能性がある。特に特願平1
0−158180号に示すように複数の彫刻手段を併設
した場合や、彫刻手段をシリンダー回転方向に沿った縦
方向に駆動する場合には、スタイラスとシューとの間隔
を小さくできないため上記問題は発生しやすい。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、スタイラスとシューとの間隔が大きくて
も画像ムラなどが生じないグラビア彫刻装置を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、シリンダーを支持し主走査方向に回転させるシリン
ダー回転手段と、前記シリンダーに対し彫刻針を振動さ
せてセルを形成する彫刻ヘッドと、前記彫刻ヘッドに設
けられ前記彫刻針に対し先導して前記シリンダーの周面
に摺接する摺接手段と、前記彫刻ヘッドを前記シリンダ
ーに対し接離する方向に移動可能に保持しシリンダーの
軸線方向に沿って副走査移動させる副走査テーブルと、
前記副走査テーブル上において前記彫刻ヘッドをシリン
ダーに向かって付勢する付勢手段とを備えており、前記
主走査および副走査移動にともなって前記彫刻ヘッドが
前記摺接手段の摺接により前記シリンダーの湾曲に応じ
て移動するグラビア彫刻装置において、前記彫刻ヘッド
の主走査位置を検出する主走査位置検出手段と、前記彫
刻ヘッドの副走査位置を検出する副走査位置検出手段
と、前記摺接手段に対し先導するように前記彫刻ヘッド
に設けられ、前記彫刻ヘッドと前記シリンダーとの間の
距離を非接触で測定する測定手段と、前記彫刻ヘッドの
主走査方向位置および副走査方向位置に応じて、前記測
定手段の測定結果を記憶する記憶手段と、前記彫刻針の
位置する座標に対応して予め記憶された測定結果を前記
記憶手段から読み出すとともに、読み出した測定結果に
基づいて前記彫刻針の振動量を補正する補正手段と、を
備える。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記彫刻針、測定手段、ならびに摺接
手段が、主走査方向において同一位置に並設されてお
り、前記彫刻針と摺接手段との副走査方向間の距離A
と、前記測定手段と摺接手段との間の副走査方向間の距
離Bとが略同一である。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記記憶手段は、彫刻ヘッドを副走査
方向にステップ送りするステップ送り量sと前記距離A
とに基づくライン数分のラインバッファメモリを有し、
前記彫刻ヘッドを副走査方向へ移動させるに合わせて、
前記ラインバッファメモリを線順次に繰り返して使用す
るようにした。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は本発明に係るグラビア彫
刻装置のシリンダー軸線方向から見た断面図、図2は同
軸線方向から見た彫刻ヘッドの拡大図、図3は彫刻ヘッ
ドを正面から見た平面図である。また、図4は本実施の
形態に係るグラビア彫刻装置主要部の電気構成を表すブ
ロック図である。
【0013】図1において、グラビア彫刻装置は、グラ
ビアシリンダーCの両端を回転可能に支持するシリンダ
ー支持手段1と、このグラビアシリンダーCに対し彫刻
を行う彫刻ヘッド2と、この彫刻ヘッドを前記シリンダ
ーの軸線方向に沿って移動させる副走査移動手段3と、
これら各部を制御するための制御手段4とからなる。
【0014】シリンダー支持手段1は、グラビアシリン
ダーCを挟持するためシリンダーの両端に形成された貫
通孔に対し嵌装される1対の保持部材11と、この保持
部材11をそれぞれ対向した状態で回転可能に支持する
1対の支持台12と、この支持台12の少なくとも一方
を他方の支持台12に対し接離する方向に移動させる支
持台移動手段13とからなる。
【0015】なお、前記保持部材11の一方は図示しな
い駆動モータによって回転し、他方はこれにともない従
動回転するように構成されていて、グラビアシリンダー
Cを回転駆動させることができる。そして前記グラビア
シリンダーCの回転位置(主走査方向座標)は保持部材
11の回転軸に対し同軸に設けられたエンコーダ15
(図4にのみ図示)により検出される。
【0016】前記支持台移動手段13は、サイズの異な
るグラビアシリンダーCを挟持するために前記一方の支
持台12をシリンダーの軸線方向(図1において紙面に
直交する方向)に移動させるものであって、一方の支持
台12を前記移動方向に案内する2本のガイド部材16
と、この支持台12を直線駆動するためのボールネジ手
段17と、このボールネジ手段17を回転駆動するため
の図示しない駆動モータとからなる。
【0017】彫刻ヘッド2は、図2および図3に示すよ
うに、彫刻ヘッド本体21と、この彫刻ヘッド本体21
に対し設けられた彫刻手段22と、この彫刻手段22に
並列して前記彫刻ヘッド本体21に固設されたシュー2
3とからなる。
【0018】彫刻ヘッド本体21は前記彫刻手段22を
収納する筐体であって、後述するヘッド載置テーブル3
3上において前記グラビアシリンダーCに向かう方向に
回動可能なように設けられている。
【0019】彫刻手段22は、図示しない電磁駆動機構
により振動するスタイラス24を備えており、このスタ
イラスの先端には前記グラビアシリンダーCを彫刻する
ためのバイト(彫刻針)25が設けられている。
【0020】シュー23はグラビアシリンダーCの周面
に当接した状態で摺動可能な耐摩耗性部材からなり、前
記彫刻ヘッド2とシリンダーとの間の距離を一定に保つ
ように、前記彫刻ヘッド本体21から予め定められた量
だけシリンダー側に突出している。なおシュー23の突
出量はマイクロメータ26によって手動調整可能なよう
に構成されている。
【0021】前記副走査移動手段3は、図1に示すよう
に、副走査テーブル31と、この副走査テーブル31を
前記グラビアシリンダーCの軸線方向(副走査方向)に
沿って移動させるテーブル移動手段32とからなる。
【0022】前記副走査テーブル31は前記グラビアシ
リンダーCに対し接離する方向に直線移動するヘッド載
置テーブル33を備え、このヘッド載置テーブル33上
には、図2に示すように、前記彫刻ヘッド2が軸34を
中心として回動可能なように支持されている。そして彫
刻ヘッド2は、ヘッド載置テーブル33に設けられたバ
ネ35によって、常にシュー23がシリンダー表面に当
接するように付勢されている。この構成によりシリンダ
ー表面に湾曲があっても彫刻ヘッドとシリンダーとの間
の間隔をシューによって一定に保つことができる。
【0023】また図3に示すように彫刻ヘッド2には、
当該彫刻ヘッド2とグラビアシリンダーCの表面との間
の距離を測定するための距離センサー36が設けられて
いる。この距離センサー36は、例えば光学式センサー
であって、前記グラビアシリンダーCの表面までの距離
を非接触で検出するものである。
【0024】なお、この実施の形態では、前記距離セン
サー36は前記シュー23および前記バイト25と主走
査方向で同一位置(同一高さ)にあり、シュー23とバ
イト25との間の距離Aとシュー23と距離センサー3
6との間の距離Bとは同一である。
【0025】図1に戻って、テーブル移動手段32は前
記副走査テーブル31を副走査方向に案内する2本のガ
イド部材37と、この副走査テーブル31を直線駆動す
るボールネジ手段38と、このボールネジ手段38を駆
動するための図示しない駆動モータとからなる。なお、
このテーブル移動手段32にもエンコーダ39(図4に
のみ図示)が設けられており、彫刻ヘッド2の副走査位
置(副走査方向座標)を検出することができる。
【0026】制御手段4は、各種入出力手段や信号処理
手段などを備えたマイクロコンピュータを基幹とするシ
ステムであって、グラビア彫刻装置の各部の制御を行う
ものである。一方、この制御手段4には、本発明に係る
構成として、前記エンコーダ15、39からのパルス信
号をカウントしてシリンダーC上の座標を演算するパル
スカウンタ基板40と、前記距離センサ36から得た測
定データを前記パルスカウンタ基板40の演算した座標
情報に基づいて記憶手段としてのメモリ41に格納する
デジタルシグナルプロセッサ(DSP)42と、前記D
SPを介してメモリ41から読み出した測定データに基
づいて彫刻ヘッド2に供給する彫刻信号を補正する補正
手段43とを有する。
【0027】前記パルスカウンタ基板は、彫刻線数やセ
ルフォーメーションにより予め定められた分周値を記憶
し、エンコーダ15、39のパルス信号を分周して彫刻
条件に応じた座標位置を算出するものである。
【0028】前記メモリ41は、主走査座標の幅と同一
のアドレス幅を有するラインメモリを後述する副走査ラ
イン数分備える記憶手段であり、前記DSP42を介し
て入出力が行われる。
【0029】前記DSP42は、前記パルスカウンタ基
板40で算出した座標情報に対応したアドレスに前記距
離センサー36で得た測定データを格納する、または読
み出すものである。
【0030】補正手段43は、制御手段4内の図示しな
い彫刻信号生成手段から得た彫刻信号に対し前記メモリ
41に記憶された測定データによる補正を行うものであ
り、補正された彫刻データは彫刻ヘッド2へ転送され
る。なお、この補正手順の詳細については後述する
【0031】次に図5および図6を用いて本発明の動作
説明を行う。なお図5は彫刻手段22のバイト25、シ
ュー23ならびに距離センサー36の位置の関係を模式
的に示した説明図、図6は本実施の形態における彫刻動
作を表すフローチャートである。
【0032】まず図5を用いて本発明における原理を説
明する。この図5(A)では、図の左から右に向かう方
向がシリンダー表面における副走査方向で、図の上から
下に向かう方向が主走査方向を表わす。そして丸印はシ
リンダー表面におけるバイト25の位置を、同じく四角
印はシュー23の位置を、三角印は距離センサー36の
位置を模式的に表している。
【0033】この実施の形態では、バイト25、シュー
23、距離センサー36は全て主走査方向で同一位置に
あり、バイト25とシュー23との間の距離はシュー2
3と距離センサー36との間の距離と同じである。な
お、説明のため、副走査方向の座標をpとして、各主走
査ラインは副走査方向に向かって線順次にp=1、2、
3・・と符号をつけるものとする。また図を見やすくす
るため各主走査ラインはずらせて描画している。
【0034】この図5(A)では、まずバイト25が主
走査ラインp=1に位置決めされて、主走査方向に彫刻
が行われる。p=1における1主走査ラインの彫刻が完
了すれば、彫刻ヘッド2が副走査方向にステップ量sだ
けステップ送りされ、バイト25が主走査ラインp=2
に位置決めされる。このように、本実施の形態では、副
走査方向にステップ量sだけステップ送りされながら、
順次1主走査ラインずつ彫刻が行われる。
【0035】一方、本実施の形態では、シュー23に先
行して距離センサー36が設けられており、前記彫刻作
業にともなって彫刻ヘッド2とシリンダー表面との間の
距離を距離センサー36により測定する。
【0036】以下の説明では、バイト25がp=1の主
走査ラインにあるときを例とし、この場合はシュー23
はp=5の主走査ライン位置にあり、距離センサー36
はp=9の主走査ライン上にある。
【0037】図5(B)はp=5の主走査ラインにある
シュー23およびp=9の主走査ラインにある距離セン
サー36とシリンダー表面との間の距離を模式的に示し
た図である。図において、シュー23により規定される
彫刻ヘッド2とシリンダー表面との間の既知の距離をL
1、距離センサー36が測定したシリンダーまでの距離
をL2、とすると、シュー23の位置と距離センサー3
6の位置とにおけるシリンダー表面の高低差Lは、L=
L1−L2で求まる。
【0038】本実施の形態では、この高低差Lを測定デ
ータとして前記シュー23の座標位置(p=5の主走査
ライン)でメモリ41に記憶する。なお、当該高低差L
を測定データとして記憶するようにしているが、実際に
測定した距離L2自体を測定データとして記憶するよう
にしてもよい。
【0039】一方、シュー23により規定される彫刻ヘ
ッド2とシリンダー表面との間の距離L1は、前記マイ
クロメータ26の手動設定により決定される。従って予
めマイクロメータ26により設定する値を前記距離L1
として制御手段4内に入力しておく必要があるが、マイ
クロメータ26に代えてシュー23の突出量を可変する
ための微細移動手段を電気的に制御し、当該突出量を自
動的に制御手段4が判別するようにしてもよい。このよ
うな微細移動手段としては、モータ駆動によるネジ手段
やピエゾ駆動手段などが使用できる。
【0040】次に彫刻動作が進み、前記バイト25がp
=5の主走査ラインに位置決めされた場合を例とする。
このときシュー23はp=9の主走査ライン上に位置す
る。すなわち、この時点でのバイト25の位置とシュー
23の位置との関係は、前述のようにシュー23がp=
5の主走査ラインにあり、かつ距離センサー36がp=
9の主走査ラインにある時の位置関係と同一である。従
って、メモリ41からバイト25が位置する座標(p=
5の主走査ライン)に対応するアドレスに記憶された高
低差Lを読み出せば、バイト25とシュー23との間の
高低差が判明する。
【0041】上記のようにバイト25とシュー23との
高低差Lが判明すれば、この値によりバイト25を駆動
する彫刻信号を補正することができる。この補正は、補
正前の彫刻データをR1、補正後の彫刻データをR2と
すると、R2=R1+k・Lとなる。(ただしkは彫刻
条件による補正係数)
【0042】上記の説明では、説明を簡略化するため、
主走査方向の座標についてのみ説明したが、実際には副
走査方向の座標についても考慮する。
【0043】また、理解を容易にするため、上記説明で
はバイト25、シュー23、距離センサー36の副走査
座標位置が一致するように前記ステップ量sを定めてい
るが、実際にはステップ量sは彫刻線数やセルフォーメ
ーションの変更により可変するため、前記バイト25、
シュー23、距離センサー36の座標位置は完全には一
致しない。しかしながら、実際にはバイト25とシュー
23との間の距離(数mm程度)に比較してステップ量s
(100μm程度)は十分に小さいので、座標位置のズレ
は無視できる。
【0044】次に図6のフローチャートを用いて彫刻デ
ータの補正手順について説明する。まずステップS1で
は、彫刻装置の各部や制御用変数などの初期設定が行わ
れる。
【0045】ステップS2では、最初に前記メモリ41
に使用するラインバッファ数Jxを設定する。このライ
ンバッファ数Jxは前記ステップ量sにより決まる。ま
ず前記バイト25とシュー23との間の距離(=シュー
23と距離センサー36との間の距離)をAとすると、
前記距離A間における主走査ライン数Jnは、Jn=i
nt(A/s+1)となる。(ここでint(x)関数
は、xの整数値を求める関数である)
【0046】本実施の形態では、線順次に前記ラインバ
ッファを繰り返し使用するため、当該ラインバッファ数
Jxは前記Jnよりも1本多く設定され、Jx=Jn+
1で示されるライン本数だけメモリ領域が確保される。
以後、Jx本のラインバッファは線順次にj=1〜Jx
の符号を付けて区別する。
【0047】ステップS3では、主走査および副走査が
開始されて、彫刻が開始される主走査ラインの開始位置
よりも予めライン数Jx分だけ先行して彫刻ヘッド2と
シリンダー表面との間の距離の測定が開始される。そし
て得られた測定データ(前記高低差L)が主走査ライン
順次にメモリ41に格納される。
【0048】ステップS4以降からは前記測定と彫刻と
が並行して行われる。まずステップS4では、各データ
の読み込みが行われる。このデータは、前記バイト25
の位置する主走査位置iおよび副走査位置pと、その座
標位置(i,p)での彫刻データRと、その位置での距
離センサー36による測定データLである。
【0049】ステップS5では、前記副走査位置pが彫
刻領域の終端を越えるか、もしくは彫刻データRがなく
なれば、彫刻作業の終了と判断して作業を終了する。
【0050】ステップS6では、副走査位置pが同じか
どうか、すなわち同一主走査ラインの彫刻かどうかを判
断する。同じ場合は次のステップS7へ進み、副走査位
置pが異なればステップS9へ進む。すなわち副走査送
りにより彫刻ヘッド2が異なる主走査ラインへ移動すれ
ば、ステップS9においてラインバッファjを、j=j
+1(ただしjがJxを越える場合はj=1)とする。
【0051】次のステップS7では、メモリ41の予め
定められたラインバッファjに対し主走査方向座標iに
基づいて測定データL3を書き込む。
【0052】そして次のステップS8では、次のライン
バッファj+1(ただしj+1がJxを越える場合はj
=1)に対し、主走査方向座標iの測定データLを読み
込んで彫刻データRを補正する。そして補正した彫刻デ
ータを彫刻ヘッド2に転送する。
【0053】ステップS8が終了すれば、ステップS4
へ戻り順次処理を続行する。
【0054】上記実施の形態であれば、ラインバッファ
j+1から測定データを読み込むことにより、主走査ラ
イン数が予めJn分先行する位置で測定した測定データ
を読み込むことができる。
【0055】[その他の実施の形態] (1)上記実施の形態では、彫刻動作とともにシリンダ
ー表面までの距離を測定してリアルタイムに補正するよ
うにしているが、予めシリンダーの全面に渡って測定を
行っておいてもよい。この場合リアルタイム処理の負荷
が少なくなるため高速な彫刻システムにも採用しやすい
という利点があるが、全ての測定データを記憶するため
のメモリが必要であり、かつ2回走査しなければならな
いという問題がある。
【0056】(2)上記実施の形態では、バイト25、
シュー23、距離センサー36を主走査方向で同一の位
置となるように併設したが、同一直線上であれば各々の
主走査方向の位置が相違してもよい。ただし、この場
合、測定データを読み出すときに、主走査方向の座標位
置を補正してメモリ41から読み出さなければならない
という欠点がある。
【0057】(3)本発明は、特願平10−15818
0号に示すように複数の彫刻ヘッドを併設した場合や、
彫刻手段をピエゾ素子を用いて主走査方向に沿って振動
させる場合にも適用することができる。
【0058】
【発明の効果】本発明におけるグラビア彫刻装置によれ
ば、彫刻ヘッドにおけるシューと彫刻手段との間隔が大
きくても正確な彫刻が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るグラビア彫刻装置の断面を示す
図である。
【図2】同グラビア彫刻装置における彫刻ヘッドの拡大
図である。
【図3】同彫刻ヘッドの正面図である。
【図4】同グラビア彫刻装置の制御機構を示すブロック
図である。
【図5】同彫刻ヘッドにおけるバイトとシューと距離セ
ンサーとの位置関係を説明するための説明図である。
【図6】同グラビア彫刻装置における彫刻データの補正
手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 シリンダー支持手段 2 彫刻ヘッド 3 副走査移動手段 4 制御手段 15 エンコーダ(主走査方向) 22 彫刻手段 23 シュー 25 バイト 31 副走査テーブル 35 バネ 36 距離センサー 39 エンコーダ(副走査方向) 41 メモリ 43 補正手段 A シューとバイトとの間の距離 B シュート距離センサーとの間の距離 C グラビアシリンダー i 主走査方向座標 j メモリ内のラインバッファ数 Jx 最大ラインバッファ数 L 測定データ(シューの位置と距離センサーの位
置とでのシリンダ面の高低差) p 副走査方向座標 R 彫刻データ s ステップ送り量

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダーを支持し主走査方向に回転さ
    せるシリンダー回転手段と、前記シリンダーに対し彫刻
    針を振動させてセルを形成する彫刻ヘッドと、前記彫刻
    ヘッドに設けられ前記彫刻針に対し先導して前記シリン
    ダーの周面に摺接する摺接手段と、前記彫刻ヘッドを前
    記シリンダーに対し接離する方向に移動可能に保持しシ
    リンダーの軸線方向に沿って副走査移動させる副走査テ
    ーブルと、前記副走査テーブル上において前記彫刻ヘッ
    ドをシリンダーに向かって付勢する付勢手段とを備えて
    おり、前記主走査および副走査移動にともなって前記彫
    刻ヘッドが前記摺接手段の摺接により前記シリンダーの
    湾曲に応じて移動するグラビア彫刻装置において、 前記彫刻ヘッドの主走査位置を検出する主走査位置検出
    手段と、 前記彫刻ヘッドの副走査位置を検出する副走査位置検出
    手段と、 前記摺接手段に対し先導するように前記彫刻ヘッドに設
    けられ、前記彫刻ヘッドと前記シリンダーとの間の距離
    を非接触で測定する測定手段と、 前記彫刻ヘッドの主走査方向位置および副走査方向位置
    に応じて、前記測定手段の測定結果を記憶する記憶手段
    と、 前記彫刻針の位置する座標に対応して予め記憶された測
    定結果を前記記憶手段から読み出すとともに、読み出し
    た測定結果に基づいて前記彫刻針の振動量を補正する補
    正手段と、を備えたグラビア彫刻装置。
  2. 【請求項2】 前記彫刻針、測定手段、ならびに摺接手
    段が、主走査方向において同一位置に並設されており、
    前記彫刻針と摺接手段との副走査方向間の距離Aと、前
    記測定手段と摺接手段との間の副走査方向間の距離Bと
    が略同一である請求項1に記載のグラビア彫刻装置。
  3. 【請求項3】 前記記憶手段は、彫刻ヘッドを副走査方
    向にステップ送りするステップ送り量sと前記距離Aと
    に基づくライン数分のラインバッファメモリを有し、前
    記彫刻ヘッドを副走査方向へ移動させるに合わせて、前
    記ラインバッファメモリを線順次に繰り返して使用する
    ようにしたことを特徴とする請求項2に記載のグラビア
    彫刻装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017136719A (ja) * 2016-02-02 2017-08-10 凸版印刷株式会社 印刷版およびその製造方法ならびにこれを用いた印刷物製造方法

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