JP2017136719A - 印刷版およびその製造方法ならびにこれを用いた印刷物製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】湿式エッチング法を用いた版では溝幅を15μm以下にしようとすると溝深さまたは高さが5μm以下になってしまい、溝内に充填出来るインキ量が少ないため、自然乾燥起因にてインキが溝内に固着してしまい、インキがブランケットに十分に転写されず所望の印刷が出来ない。【解決手段】印刷版は、母材の表面に複数の溝が形成されており、溝のそれぞれの長手方向に直交する断面における溝幅が15μm以下であり、溝のそれぞれの深さまたは高さが5μm以上からなる溝の形状を有することを特徴とする。【選択図】図2
Description
本発明は、印刷版およびその製造方法に関する。またこの印刷版を用いた印刷物製造方法に関するものである。
ドクターブレードによって凹部にインキが充填された印刷版から、ブランケットにインキを転移させ、このインキを基材上に転写するグラビアオフセット印刷法が周知である。
例えば特許文献1には、配線構造を有するタッチパネル用導電性部材の製造方法において、パターン化された配線構造を印刷する方法として、グラビアオフセット印刷法を用いることが開示されている。
しかし、特許文献1のようにエッチング法で製作した凹版である印刷版を用いる方法では、版の溝形状が前記溝の長手方向に直交する断面における溝幅を15μm以下に形成しようとすると、エッチング法の性質上、溝の深さまたは高さが5μm以下になってしまい、前記溝内に充填出来るインキ量が少ないため、自然乾燥起因にてインキが前記溝内に固着してしまい、インキがブランケットに十分に転写されず所望の印刷が出来ない課題があるため、ブランケットに転写出来る深さまたは高さまで前記溝を加工しなければならない。課題は、インキが溝内に固着しない印刷版を提供することである。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本発明の請求項1に係る発明は、印刷版であって、母材の表面に複数の溝が形成されており、前記溝のそれぞれの長手方向に直交する断面における溝幅が15μm以下であり、前記溝のそれぞれの深さまたは高さが5μm以上からなる溝の形状を有することを特徴とする印刷版である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記母材の表面層は銅またはニッケルからなるメッキ層であって、前記メッキ層は単層であることを特徴とする請求項1に記載の印刷版である。
本発明の請求項3に係る発明は、印刷版の表面に形成された溝部が切削刃による切削によって形成される請求項1〜2のいずれか1項に記載の印刷版の製造方法である。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1〜2のいずれか1項に記載の印刷版を用いて、
インキを前記印刷版に塗布する工程と、前記印刷版に塗布した前記インキをブランケットに転写する工程と、前記ブランケットに転写した前記インキを被印刷体に転写する工程と、を備える印刷物の製造方法である。
インキを前記印刷版に塗布する工程と、前記印刷版に塗布した前記インキをブランケットに転写する工程と、前記ブランケットに転写した前記インキを被印刷体に転写する工程と、を備える印刷物の製造方法である。
本発明によれば、前記溝のそれぞれの長手方向に直交する断面における溝幅が15μm
以下であっても、前記溝それぞれの深さまたは高さが5μm以上となることで、前記溝内に充填出来るインキ量が増える事により、自然乾燥を防ぎ、前記インキが前記溝内に固着することを抑止する事が可能となる事から、インキがブランケットに転写され所望の印刷物が提供出来る。
以下であっても、前記溝それぞれの深さまたは高さが5μm以上となることで、前記溝内に充填出来るインキ量が増える事により、自然乾燥を防ぎ、前記インキが前記溝内に固着することを抑止する事が可能となる事から、インキがブランケットに転写され所望の印刷物が提供出来る。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(印刷版)
図1は本実施形態における印刷版3を示す平面図である。また図2は本実施形態における印刷版を示す図1のE−E矢視断面図である。印刷版母材33に例えば溝81a、81b、81cが形成されている。溝のそれぞれの長手方向に直交する断面における溝幅が15μm以下であり、前記溝のそれぞれの深さまたは高さが5μm以上からなる溝の形状を有する。
(印刷版)
図1は本実施形態における印刷版3を示す平面図である。また図2は本実施形態における印刷版を示す図1のE−E矢視断面図である。印刷版母材33に例えば溝81a、81b、81cが形成されている。溝のそれぞれの長手方向に直交する断面における溝幅が15μm以下であり、前記溝のそれぞれの深さまたは高さが5μm以上からなる溝の形状を有する。
印刷版母材33の表面層は銅またはニッケルからなるメッキ層であって、前記メッキ層は単層であることを特徴とする印刷版である。
(印刷版の形成)
本実施形態における印刷版3は、印刷版母材20に対する切削加工により形成される。
(印刷版の形成)
本実施形態における印刷版3は、印刷版母材20に対する切削加工により形成される。
図6において、印刷版母材20は、例えばアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)からなるシリンダー21の表面に、内側から順に、銅めっき層22、剥離層23及び銅バラード層24を積層して形成してなる。上記は一例であって、この限りではなく、切削性に優れているニッケル(Ni)からなるメッキ層も好適である。
図7において、印刷版母材20は軸Cを軸として回転させられ、その銅バラード層24或いは、ニッケル(Ni)からなるメッキ層に向けて径方向に切削刃30(図8参照)を作用させて切削を行わせることで、互いに平行な複数の凹部25が形成される。切削の深さは、例えば10μmとすることができる。凹部25は印刷版母材20の周方向に延在していても良く、また、螺旋方向に延在していても良い。切削による凹部25の形成(切り込み移動)と、印刷版母材20と切削刃30との軸Cに沿った相対移動(送り移動)とを交互に行うことで、凹部を周方向に延在させることができる。また、切り込み移動と送り移動とを同時かつ連続的に行うことで、凹部を螺旋方向に延在させることができる。軸Cに向かう切削刃の切り込み深さを無段階又は複数段階で変化させることで、凹部25の幅
を変化させることも可能である。
を変化させることも可能である。
本実施形態では、凹部25の形成は、図8に示すような切削刃30を用いて行われる。本実施形態で使用した切削刃30は全てダイヤモンドからなる切削刃30を選定したが、例えば合金などダイヤモンドに限ったことではない。前記ダイヤモンドチップの先端形状は種々あり、その一例として切削刃30の先端形状の上面概略図を図8A−B−Cに示す。切削とは、切削刃30を印刷版母材20に押し当てて所望の形状を形成する加工法であるため、切削で形成した凹部25の断面形状は切削で使用した切削刃30の逆形状が得られる。
本実施形態では図8Aに示す三角形状、図8Bに示す四角形状、図8Cに示す非球面、或は、球面形状からなる切削刃30を用いて検証した。いずれも前記溝のそれぞれの長手方向に直交する断面における溝幅を10μm、前記溝のそれぞれの深さまたは高さを10μmとなる凹部25を形成する。具体的には図8Aに示す三角形状の切削刃30の頂部角度41は約53度、図8Bに示す四角形状の印刷版母材33側からみた谷部となる切削刃幅42は約9.5μmとし、図8Cに示す非球面、或は、球面形状は所望の形状になるように演算した、3種異なる切削刃30を選定した。
これら切削刃30を逐次交換することによって図8のような断面形状からなる3種の凹部25を得る。まず切削刃30によって第1の切削を行うことで、溝32aを形成し、次に、印刷版母材20と切削刃30とを、凹部32aの幅方向に沿って、溝32aの切り込み幅よりも大きい距離だけ相対移動(送り移動)させ、次に切削刃30によって印刷版母材20を再び切削することによって、溝32bを形成する。そして、この切込み移動と送り移動とをもう1度繰り返すことにより、溝32cを形成する。
続いて、切削工程の後、酸化防止や印刷を行うための耐磨耗性を高めるために、銅バラード層24の表面の全体に、クロムめっき層(不図示)を形成する事が一般的である。そして、剥離層23から銅バラード層24を剥離することにより、図9に示されるような平板の印刷版34が得られる。
本実施例では円筒状の印刷版20を用いバラード層24を剥離することにより平版を得たが、例えば平板状の金型を印刷版として製作してもよい。
(本発明に係わる印刷版を用いた印刷方法)
図3から図5において、印刷装置1の構成外略図と、インキ6の転写されるプロセスを示す。
(本発明に係わる印刷版を用いた印刷方法)
図3から図5において、印刷装置1の構成外略図と、インキ6の転写されるプロセスを示す。
印刷装置1は、ブランケット2と、印刷版3とを備えている。ブランケット2は、回転可能なブランケット胴4の表面に固定されており、基材である被印刷体5にインキ6を転写可能に配置されている。印刷版3は、印刷版固定用定盤9の上面に固定され、ブランケット2の印刷面にインキ6を転写可能な位置に配置されている。ブランケット胴4は回転可能に台車7に支持されており、台車7は架台8上を移動可能に架台8に支持されている。被印刷体5は、基材固定用定盤10の上面に固定されている。
ブランケット2は、その表面でパターン上のインキの授受を行うことにより転写印刷を行う。ブランケット2の表面すなわち印刷面はゴム層からなる。このゴム層として用いられるゴム材料としては、ブランケットとして公知の各種の材料を用いることができる。これらのゴム材料は、インキ及びインキに用いられる溶剤の種類に対応して選択され、溶剤吸収性のあるものが好適である。
ゴム層単独でブランケット2とすることも可能であるが、ゴム層はベース基材の上に設
けてもよい。なお、ゴム材料からなるゴム層は、ベース基材上でゴム材料を硬化させることも、フィルム上のゴム材料をベース基材と貼りあわせることも可能である。ベース基材としては、印刷時にブランケット胴4に取り付けられることから可撓性のあるフィルム又は金属薄板であれば種類は問わないが、コスト及び寸法安定性からポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系フィルム、あるいはポリイミドフィルム(PI)が好適である。また、ベース基材とシリコーンゴム層の間には、必要に応じてプライマー層や接着層が設けられる。また、ベース基材の下には必要に応じてクッション層が設けられる。クッション層としてはスポンジ状の材料を用いることができる。ブランケット2は、その幅方向の両端部を不図示の取付器具によって巻き締めることによって、略円筒形のブランケット胴4に固定される。
けてもよい。なお、ゴム材料からなるゴム層は、ベース基材上でゴム材料を硬化させることも、フィルム上のゴム材料をベース基材と貼りあわせることも可能である。ベース基材としては、印刷時にブランケット胴4に取り付けられることから可撓性のあるフィルム又は金属薄板であれば種類は問わないが、コスト及び寸法安定性からポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系フィルム、あるいはポリイミドフィルム(PI)が好適である。また、ベース基材とシリコーンゴム層の間には、必要に応じてプライマー層や接着層が設けられる。また、ベース基材の下には必要に応じてクッション層が設けられる。クッション層としてはスポンジ状の材料を用いることができる。ブランケット2は、その幅方向の両端部を不図示の取付器具によって巻き締めることによって、略円筒形のブランケット胴4に固定される。
インキ6は、例えば、熱硬化性かつ光焼成型の導電性インキを用いることができる。導電性インキは、例えばAu、Pt、Ag、Cu、Ni、Cr、Rh、Pd、Zn、Co、Mo、Ru、W、Os、Ir、Fe、Mn、Ge、Sn、Ga、In等の金属微粒子、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)などの導電性金属酸化物微粒子、あるいは金属ナノワイヤを含むものが好適である。本実施形態では、これらをインキ6のフィラーとして用いることが可能である。金属微粒子を含む導電性インキとしては、例えば銀ナノ粒子を有機溶媒に分散させてなる導電性銀ナノインクを用いることができる。
作成するパターンが透明電極層である場合には、ドーピング等で導電率を向上させた導電性ポリマー、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリプロピロール、導電性ポリチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体など)を含むインキを用いることができる。
上記導電性銀ナノインクでは、インキ中の溶剤はドデカン、テトラデカンである。インキ中の溶剤は任意のものを用いることができる。例えば、速乾性インクでは常温で乾燥する沸点の低い溶剤(MEK、エタノール、アセトンなど)、水性インクでは水(精製水)、オイル系インクでは常温で蒸発しないオイル(脂肪族炭化水素、グリコールエーテル、高級アルコールなど)を用いることが可能である。溶剤の種類に応じて、その吸収性を有するブランケット2の材料を選択することができる。
他にもインキ6として用いる樹脂材料は、透明樹脂や、色付きの樹脂、あるいは、不透明な樹脂を用いても良い。すなわち、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)等の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の等の汎用プラスチックを用いることが可能である。ここで、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、環状オレフィン・コポリマー(COC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、シクロオレフィンポリマー(COP)、メタクリル酸スチレン共重合体(MS)、アクリロニトリルスチレン共重合体(AS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)等などの熱可塑性樹脂を用いることが可能である。
また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂やメラミン樹脂、エポキシ樹脂等の当該分野でよく知られている熱硬化性樹脂を用いることが可能である。
本実施形態における被印刷体5は、基材固定用定盤10の上面に固定されている。被印
刷体5は、例えば、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板、あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)などからなるプラスチック板、プラスチックフィルムが用いられる。また、電子基板に使われているガラス繊維とエポキシ系樹脂からなるシート(プリプレグ)を用いることができ、紙、不織布を用いても良い。
刷体5は、例えば、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板、あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)などからなるプラスチック板、プラスチックフィルムが用いられる。また、電子基板に使われているガラス繊維とエポキシ系樹脂からなるシート(プリプレグ)を用いることができ、紙、不織布を用いても良い。
また、印刷装置1は、印刷装置1の各部を制御するために、制御部11を備える。ブランケット胴4、台車7、印刷版固定用定盤9、基材固定用定盤10のための送り機構は、制御部11に電気的に接続されている。制御部11は周知のコンピュータであって、データバスによって相互接続されたCPU、ROM、RAM、入出力ポート、記憶装置、表示装置及び入出力装置等を含むものである。制御部11はオペレータの操作入力、各種センサ類からの入力、及びROMに格納された制御プログラムに従って、不図示のドクターブレードを用いた印刷版3へのインキ充填、ブランケット胴4の送り回転及び移動、台車7の移動、印刷版固定用定盤9、基材固定用定盤10のための送り機構の動作、並びに被印刷体5上のインキに対する熱硬化、光焼成などの動作及びブランケット2に対する乾燥の動作を連繋して制御することが可能に構成されている。
次に、以上のとおり構成された印刷装置1を用いた印刷方法について説明する。初期状態及び前印刷工程の終了状態においては、図3に示されるように台車7は図中右側に停車した状態である。
印刷版3は、例えばインキ溜めにおいてインキに浸され、不図示のドクターブレードにより、印刷版3の凹部にインキを導き、印刷版3の表面から溢れ出た余分なインキを取り去ることで、インキが充填される。ドクターブレードによりインキを取り出す速度は、例えば、150mm/sである。
次に、図4に示すように、台車7の方向51への移動およびブランケット胴4の図中矢印A方向の回転により、印刷版3に充填されたインキ6に連続的に接触することによって、ブランケット2の印刷面にはインキ6が転写される。ブランケット2への転写速度は、例えば、50mm/sで行うことができる。インキ6が溶剤を含む場合、ブランケット2の印刷面が、インキ6内の溶剤を吸収可能な吸収性を有するため、ブランケット2の印刷面に形成されたインキ6の濡れ広がりが抑制される。その後、台車7の方向52への移動により、インキ6が転写されたブランケット2は、被印刷体5の設置位置まで移動される。
図5に示すように、台車7の方向52への移動およびブランケット胴4の方向60の回転により、ブランケット2上に形成されたインキは、被印刷体5の印刷面に転写される。ブランケット2の印刷面の回転速度は、台車7の移動速度と略一致させられており、これによってインキ6が被印刷体5に押し付けられて転写される。被印刷物5への転写速度は、例えば、200mm/sで行うことができる。転写されずにブランケット2の印刷面に残ったインキ6の部分は、例えば、不図示のクリーニングローラーで除去される。なお、本実施形態では転写の際に台車7を移動させたが、ブランケット胴4と印刷版固定用定盤9との相対位置、ブランケット胴4と基材固定用定盤10との相対位置の変化を実現できる限り、印刷版固定用定盤9、基材固定用定盤10を移動させても良く、台車7、印刷版固定用定盤9、および基材固定用定盤10の3つをそれぞれ移動させても良い。
その後、被印刷体5上に転写されたインキ6は硬化される。この硬化は、例えば、焼成、加熱、自然乾燥、紫外線硬化、冷却(熱可塑性材料を含む導電性インキを用いる場合)など、使用する導電性インキの種類及び成分に応じた各種の手段によって実行することができる。加熱による場合には、例えば、赤外線ヒータを用いることができる。このようにして、印刷物が得られる。尚、ブランケット2の膨潤量が所定の基準値に達すると、印刷待機時にブランケット2に吸収された溶剤が乾燥させられる機能を印刷装置に備えても良い。
ブランケット2の印刷面の材質、使用するインキの種類及びインキ内の溶剤の種類は、上記印刷装置1におけるもの以外の各種のものを選択することができる。
ブランケット2は、円筒形のブランケット胴4に固定して使用したが、使用の際のブランケットの形状は円筒形以外の曲面や平面であっても良い。被印刷体5はシート状のほか樹脂成形品などのように、印刷面が曲面であるものであっても良い。
本実施形態に係る印刷版34を用いた印刷装置1によって転写されたインキを、硬化及び/又は焼成することによって、図11に示されるように被印刷体5上にインキ層35が形成された印刷物40が得られる。なお図11は被印刷体5の印刷面に垂直な断面における断面形状を示す。図示のとおり、転写及び乾燥後のインキ層35の断面形状は、切削刃30の断面形状に対応して逆形状になっており、所望の形状が転写されていることがわかる。
本発明は実施形態に示された態様のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
例えば、上記実施形態では、平板の印刷版を用いて転写を行っていたが、これに限られず、円筒状の印刷版を直接用いて転写を行ってもよい。
上記実施形態は単位凹部25を単一の切削刃30で切削したが、単位凹部25を複数の切削刃30によって切削を行っても良い。
上記実施形態では、ブランケットを介して被印刷体にインキを転写していたが、印刷版から直接被印刷体にインキを転写してもよい。
上記実施形態では、インキの印刷パターンが被印刷体の上に形成されていることとしたが、当該印刷パターンが被印刷体の上に形成された後に、被印刷体が除去されて、印刷パターンのみによりその形状を保持する態様としてもよい。
また、上記実施形態において、インキに付与された導電性は、例えば印刷層に通電することによる真贋判定や、電気回路部材としての利用など、各種の用途に利用することができる。
1・・・印刷装置
2・・・ブランケット
4・・・ブランケット胴
3・・・印刷版
5・・・被印刷体
6・・・インキ
7・・・台車
8・・・架台
9・・・印刷版固定用定盤
10・・・基材固定用定盤
11・・・制御部
22・・・銅めっき層
23・・・剥離層
24・・・バラード層
25・・・凹部
30・・・切削刃
32・・・凹部
32a、32b、32c・・・溝
33・・・印刷版母材
34・・・印刷版
35・・・インキ層
40・・・印刷物
41・・・切削刃頂部角度
42・・・切削刃幅
51・・・方向
52・・・方向
60・・・方向
81a、81b、81c・・・溝
2・・・ブランケット
4・・・ブランケット胴
3・・・印刷版
5・・・被印刷体
6・・・インキ
7・・・台車
8・・・架台
9・・・印刷版固定用定盤
10・・・基材固定用定盤
11・・・制御部
22・・・銅めっき層
23・・・剥離層
24・・・バラード層
25・・・凹部
30・・・切削刃
32・・・凹部
32a、32b、32c・・・溝
33・・・印刷版母材
34・・・印刷版
35・・・インキ層
40・・・印刷物
41・・・切削刃頂部角度
42・・・切削刃幅
51・・・方向
52・・・方向
60・・・方向
81a、81b、81c・・・溝
Claims (4)
- 母材の表面に複数の溝が形成されており、前記溝のそれぞれの長手方向に直交する断面における溝幅が15μm以下であり、前記溝のそれぞれの深さまたは高さが5μm以上からなる溝の形状を有することを特徴とする印刷版。
- 前記母材の表面層は銅またはニッケルからなるメッキ層であって、前記メッキ層は単層であることを特徴とする請求項1に記載の印刷版。
- 印刷版の表面に形成された溝部が切削刃による切削によって形成されることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の印刷版の製造方法。
- 請求項1〜2のいずれか1項に記載の印刷版を用いて、
インキを前記印刷版に塗布する工程と、
前記印刷版に塗布した前記インキをブランケットに転写する工程と、
前記ブランケットに転写した前記インキを被印刷体に転写する工程と、
を備えることを特徴とする印刷物の製造方法。
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