JP2004256830A - ターンテーブル式のロールストック装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円錐面の母線に被製版ロールの面長方向が一致するように多数本の被製版ロールをロールパレットに斜めに円周配列に一段又は二段に立て掛けることができかつロールパレットに対して被製版ロールのストック又は取り出しのために任意のロールパレットを所定に位置で停止し得る。
【選択図】図8
Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、夜間に無人で全自動でグラビア印刷用被製版ロールに対して一連のメッキ工程、さらにはセルの形成までができる、グラビア印刷用被製版ロールのメッキ工場及びグラビア製版工場に設備して好適なターンテーブル式のロールストック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来において、直版タイプの被製版ロールのグラビア製版工程は、搬入−クロム剥離−補正研磨・落版研磨−脱脂−水洗−酸洗い−水洗−硫酸銅メッキ−砥石研磨−ネガ型感光膜塗布形成−レーザー露光装置による画像焼付−現像−食刻−レジスト剥離−クロムメッキ−ペーパー研磨−搬出の工程となっている。
又は、搬入−クロム剥離−補正研磨・落版研磨−脱脂−水洗−酸洗い−水洗−硫酸銅メッキ−砥石研磨−アブレーション型感光膜塗布形成−レーザー露光装置による画像焼付(アブレーション)−食刻−レジスト剥離−クロムメッキ−ペーパー研磨−搬出の工程となっている。
さらには、搬入−クロム剥離−補正研磨・落版研磨−脱脂−水洗−酸洗い−水洗−硫酸銅メッキ−砥石研磨−電子彫刻機による彫刻−クロムメッキ−ペーパー研磨−搬出の工程となっている。
【0003】
グラビア製版工程が開示されている技術文献としては、特願平10−193551、特願平10−193552、特開2000−062342、特開2000−062343、特開2000−062344、特開2001−179923、特開2001−179924、特開2001−187440、特開2001−187441、特開2001−191475、特開2001−191476、特開2001−260304、特開2002−127369、特開2002−187249、特開2002−187250、特開2002−200728、特開2002−200729、特開2002−307640、特開2002−307641を挙げることが出来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
夜間に無人で全自動で多数本の被製版ロールを処理するには、全ての被製版ロールが製版室内に一本一本異なる処理内容が入力されてストックされメッキラインに迅速に投入される必要がある。又、メッキが完了した被製版ロールを短いタクトで製版装置に受け渡す必要がある。他方、顧客は安い設備の導入を欲しているので、コンパクトな装置の提供が求められている。
夜間に少なくても30本前後を無人で全自動でメッキ処理、さらにはメッキ・製版処理を希望する顧客があり、又、60本前後を無人で全自動でメッキ処理、さらにはメッキ・製版処理を希望する顧客があり、90本前後を無人で全自動でメッキ処理、さらにはメッキ・製版処理を希望する顧客がある。これらの顧客に全て対応できる工場設備の構築が課題になっている。
【0005】
他方、従来のグラビア版は、硫酸銅メッキ面にセルを形成し、セルが形成された面の全面に耐刷力を担持するクロムメッキを7〜8μm付けていた。このクロムメッキのビッカース硬度が1000前後である。
クロムメッキ液は六価クロムという有害な化合物を含むので、グラビア製版工場における作業環境への悪影響を与える原因になっている。クロムメッキ液の廃液処理は容易でなく、回収業者に高コストで引き取ってもらっていた。クロムメッキ液の廃液処理装置の故障事故等により中水に濃厚なクロム廃液が入り込み、土壌や河川の汚染等の惧れがある。
クロムメッキを行なうことは好ましくなく、世界的に禁止される方向にあり、従って、グラビア製版ラインからクロムメッキ工程、リーユースロールのクロム剥離もしくはクロムメッキを含む落版工程を排除したい。
【0006】
本願発明は、往復旋回形の産業用ロボットのハンドリングエリア内に、多数本の被製版ロールを傾斜して立て掛けてストックできる夜間におけるロール倉庫を簡便に小空間で実現させ、被製版ロールの受け渡しを短いタクトで行える、夜間に処理すべき被製版ロールを夕方に無人にする前にストックして、その際にそれぞれに異なるメッキ工程、メッキ−製版工程を制御装置に入力しておくと、夜間に無人で全自動でメッキラインへの被製版ロールの投入を一本ずつ順番に行って、多数本の被製版ロールをついてそれぞれに異なるメッキ工程、メッキ−製版工程で処理を実行して、メッキ済み又は製版済みのロールを全本数ストックしておくことができ、翌朝には全本数のロールを取り出すことができて稼働率が非常に高い、グラビア印刷用被製版ロールのメッキ工場及びグラビア製版工場に設備して好適なターンテーブル式のロールストック装置を提供することを目的としている。
本願発明は、大きさがさまざまに異なる多数本の被製版ロールを極めて小スペースにストックしておくことができ回転しても外方へ転倒する惧れがないターンテーブル式のロールストック装置を提供することを目的としており、併せて、グラビア印刷用被製版ロールのメッキ工場及びグラビア製版工場における設備コストの大幅な低減と小スペース化と装置全体の高い稼動効率の達成に寄与すること、ストック装置を複数基設置した場合にも産業用ロボットによりストック装置間のロールの移し変え移送を容易に行うことができ、ストック装置のどの位置にストックしたロールでも産業用ロボットが迅速に取り出してメッキラインへの投入位置へ移送することができ、産業用ロボットが関与するあらゆるロールの移送タクト、具体的には、メッキ済みのロール、製版途中のロール及び製版済みのロールをストック装置又はロボットの周辺の装置に移送する移送タクトを短縮できて装置全体の稼動効率が高めることに寄与することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
[請求項1]に記載の発明は、円錐面の母線に被製版ロールの面長方向が一致するように多数本の被製版ロールをロールパレットに斜めに円周配列に一段又は二段に立て掛けることができかつロールパレットに対して被製版ロールのストック又は取り出しのために任意のロールパレットを所定に位置で停止し得る構成であることを特徴とするターンテーブル式のロールストック装置を提供することにある。
[請求項2]に記載の発明は、ロールパレットは、一本の任意の長さかつ任意の外径の被製版ロールを斜めに立て掛けるときの該被製版ロールの下端の傾斜側の左右二点を同じ位置において受承する二つの平面を有する下側受承部材と、該被製版ロールの上端の傾斜側の左右二点を同じ位置において受承する二つの平面を有する上側受承部材とからなり、下側受承部材の下端には、被製版ロールの下端が下側受承部材のロール受承面から滑り離れることがないように被製版ロールの下端面を受承するロール下端面受承板が張り出して設けられ、上側受承部材は水平断面が鈍角で縦長の二面体であり、被製版ロールの長さが短くなると傾斜が大きくなって重心とロール下端との水平方向の距離が大きく変化してターンテーブルの回転時に被製版ロールに遠心力が加わっても垂直に起き上がってさらに外側へ転倒することがないように構成されていることを特徴とする〔請求項1〕に記載のターンテーブル式のロールストック装置を提供することにある。
【0008】
【発明の実施の形態】
[請求項1]及び[請求項2]に記載の発明が含まれた実施の形態のグラビア印刷用被製版ロールのメッキ工場を図1を参照して説明する。
図1に示す設備構成は、クライアントの多様な注文に応じた各種のメッキ工程が必要な製版会社にとって一ラインで全ての注文に対応できる好ましいライン設備を示している。特に、クロムメッキ装置を設備しておらず、替わりに、ニッケル合金メッキ―焼入れ―放熱冷却が行えるライン設備になっている。
この実施の形態のグラビア印刷用被製版ロールのメッキ工場は、ロボット室A内に、メッキ室Bに近い側に、被製版ロールRを両端チャックしてハンドリングできるロボットハンド1aを有する往復旋回自在な産業用ロボット1を備えているとともに、メッキ室Bから離れた側に被製版ロールRを両端チャックしてハンドリングできるロボットハンド2aを有する往復旋回自在な産業用ロボット2を備え、産業用ロボット1のハンドリングエリア内に、三基のターンテーブル式のロールストック装置3A、3B、3Cが設備されており、又、産業用ロボット2のハンドリングエリア内に焼入れ装置28と冷却装置29とペーパー研磨装置13が設備されかつ前記ロールストック装置3Bも産業用ロボット2のハンドリングエリア内に位置されており、又、ロボット室Aには、隣接するメッキ室Bには、天井に設備されたスタッカクレーン4の走行ラインの下側に中継台装置5と研磨装置6と写真廃液塗布装置7と脱脂(乾燥を含む)装置8と下地ニッケルメッキ装置9と二基の硫酸銅メッキ装置10と二基のクロムメッキ代替のニッケル合金メッキ装置11と二基の亜鉛メッキ装置12とクロムメッキ溶解除去装置14とカセット組み込み台装置27が設備されている。被製版ロールの入出は人手作業によりロールストック装置3A、3Bへのストック及び取り出しにより行うことができる。
そして、アウトラインとして、落版のための精密円筒加工ができるNC旋盤15と、ロール計測装置16が備えられている。
メッキ室における被製版ロールRの搬送手段は、スタッカクレーン4と、対向一対のチャック手段を備えたカセット形ロールチャック回転搬送ユニット17の共同作用により行われる。カセット形ロールチャック回転搬送ユニット17は、例えば特開昭55−164095公報に示すように、対向一対のチャック手段で被製版ロールRを両端チャックしかつチャックコーンの外側を密封できてさらに各装置に載置されたときに回転できて必要に応じてチャックコーンを介してメッキ電流を流すことができる構成である。
スタッカクレーン4とカセット形ロールチャック回転搬送ユニット17に換えて、被製版ロールRを両端チャックしてハンドリングできるロボットハンド1aを有する往復旋回自在な走行形の産業用ロボットを備えかつ各装置7〜12、14に被製版ロールを両端チャックして回転できて必要に応じてチャックコーンを介してメッキ電流を流すことができる対向一対のチャック手段を設けた設備としても良い。
中継台装置5と研磨装置6は産業用ロボット1のハンドリングエリア内に設備されている必要があるので、ロボット室Aには、寄って設置されているが、中継台装置5と研磨装置6の並び順は逆であっても良い。さらに、研磨装置6は、三基設備しているターンテーブル式のロールストック装置を一基減らすことで、ロボット室Aに設置しても良い。装置7〜12、14は、いずれの順に並べてもよい。
【0009】
図1に示す設備構成は、以下の多様なメッキ処理がなし得る。ライン全体の制御装置は、ディスプレイから以下の処理を選択できる構成になっている。
(1)直版タイプのリユースロールであって、アウトラインでNC旋盤で精密円筒加工して落版してロール母材(鉄)が露出してしまった被製版ロールについては、脱脂処理して下地ニッケルメッキ(密着力が強い硫酸銅メッキを付けるための下地メッキ)を付けてから硫酸銅メッキを付け、砥石研磨装置で精密円筒加工を行って取り出すことができる。この処理工程は、図2のフローチャートに示す。
(2)直版タイプのリユースロールであって、アウトラインでNC旋盤で精密円筒加工して落版してロール母材(鉄又はアルミニウム)が露出していない被製版ロールについては、脱脂処理して直ぐに硫酸銅メッキを付けるか又は下地ニッケルメッキを付けてから硫酸銅メッキを付け、砥石研磨装置で精密円筒加工を行って取り出すことができる。この処理工程も、図2のフローチャートに示す。
なお、NC旋盤をインラインで設備できるが、NC旋盤で精密円筒加工して落版したときにロール母材(鉄又はアルミニウム)が露出していないか否かをビデオシステム等で検知できるシステムを装置することで自動化できる。
(3)NC旋盤とロール計測装置をアウトラインでも備えていない場合には、直版タイプのリユースロールについて、アウトラインでNC旋盤による精密円筒加工して落版すること不可であるから、砥石研磨により落版・補正研磨し脱脂処理して硫酸銅メッキを付け付け、砥石研磨装置で精密円筒加工を行って取り出すことができる。この処理工程は、図3のフローチャートに示す。
この処理工程を反復すると、被製版ロールがいびつの度合いが大きくなるとともに、NC旋盤による精密円筒加工して落版する場合に比べて処理工程が著しく長くなり、製版コストが高く付くので、好ましくない。従って、NC旋盤とロール計測装置を設備するまでの処理工程と位置付けられる。
(4)バラードメッキタイプのリユースロールであってクライアントの要求により直版タイプのロールの扱いとすることができない場合には、脱脂処理してからロール表面性状を写真廃液を塗布して易剥離性とし、次ぎに硫酸銅メッキ(バラードメッキ)を厚く付けることができる。この処理工程は、図4のフローチャートに示す。
バラードメッキタイプのリユースロールを直版タイプのロールの扱いとすることができない本数は極めて少ない。
(5)硫酸銅メッキの上に亜鉛メッキが例えば30ミクロンの厚さとなるように付けられ電子彫刻機又は炭酸ガスレーザ等の高出力レーザにより彫刻されその後クロムメッキを付けられてなるリユースロールであって、アウトラインでNC旋盤で精密円筒加工して落版して硫酸銅メッキが露出してなる被製版ロールについては、脱脂処理してから硫酸銅メッキし次いで亜鉛メッキを例えば35ミクロンの厚さとなるように付けて砥石研磨装置で5ミクロン削る精密円筒加工を行って取り出すことができる。この処理工程は、図5のフローチャートに示す。
(6)版(セル)を形成した被製版ロールについては、脱脂処理してクロム代替ニッケル合金メッキを付け、ペーパー研磨により砂目を付けることができる。この処理工程は、図6のフローチャートに示す。
(7)再クロムメッキ処理が必要な場合、すなわち、印刷枚数が多くてクロムメッキを付け直したいときは、再クロムメッキ処理が必要な場合、すなわち、印刷枚数が多くてクロムメッキを付け直したいときは、クロムメッキ溶解除去装置14でクロムメッキを溶解してから脱脂処理してクロム代替ニッケル合金メッキを一回だけ付けることができる。この処理工程は、図6のフローチャートに準じる。クロムメッキ溶解除去の工程が脱脂処理の前又は後に入る。クロム代替ニッケル合金メッキを付け直すと二回目は付け直すことができない。(5)の亜鉛メッキロールについては、クロムメッキの溶解と亜鉛メッキの溶解が同時進行するのでクロムメッキ溶解除去してクロム代替ニッケル合金メッキをすることはできない。
(8)ロール母材がアルミニウムでありNC旋盤加工でアルミニウムが露出してしまった場合には上記の設備では硫酸銅メッキを付けられないが、ジンケート法による下地ニッケルメッキが行える前処理設備、又は、アノダール法によるピロ燐酸銅メッキが行える前処理設備をメッキラインに追加すれば適用できる。
【0010】
特に、図1に示すメッキ工場の発明としての特徴は、産業用ロボット1が走行形ではなく、往復旋回形であるという点、産業用ロボット1のハンドリングエリアに、三基のターンテーブル式のロールストック装置3A、3B、3Cと、中継台装置5と研磨装置6が設備されていることであり、その根拠は、以下の点にある。
往復旋回形の産業用ロボット1は、走行形産業用ロボットよりも価格及び設置スペースがそれぞれ約三分の一に抑えられ、そして、ロールを装置から装置に受け渡すタクトを走行形産業用ロボットのタクトよりも大幅に短縮できて稼動効率が上がる利点がある。反面、往復旋回形の産業用ロボットは、ハンドリングエリアが小さいので、ハンドリングエリア内にロールをストックできる本数が少なくなる。そこで、三基のターンテーブル式のロールストック装置3A、3B、3Cが設置されている。一基のターンテーブル式のロールストック装置3Aには、直径200mm×長さ1200mmの標準の大きさの被製版ロールを二段ストック構造のもので例えば20本から40本位ストックできる。
産業用ロボット1と、三基のターンテーブル式のロールストック装置3A、3B、3Cが設備されていなくても、アウトラインに設備されたNC旋盤で精密円筒加工され落版された被製版ロールを、人手により被製版ロールを持ち上げるか又はマニピュレータで被製版ロールを持ち上げて、中継台装置5の上に載置して、制御用コンピュータ(図示しない)においてメッキ処理のメニューを選択すれば、所望のメッキが行われ仕上げ研磨が行われる。しかし、これでは、一本のロールを投入毎に作業者が立ち会わなければならず、特に、夜間に無人で多数本のロールのメッキ処理が行えない。
これに対して、産業用ロボット1と、三基のターンテーブル式のロールストック装置3A、3B、3Cが設備されていると、一基のターンテーブル式のロールストック装置3Aに対して人手により被製版ロールを次々にストックしかつその都度に制御用コンピュータ(図示しない)においてメッキ処理のメニューを選択することができ、そして、ロールストック装置3Aから他の二基のロールストック装置3B,3Cへの移し変えを産業用ロボット1が倉庫管理に準じて行うこと、そして、三基のターンテーブル式のロールストック装置3A、3B、3Cのいずれかにストックされている被製版ロールを産業用ロボット1が中継台装置5の上に載置すること、そして、メッキして仕上げ研磨され中継台装置5の上に載置された被製版ロールを産業用ロボット1が三基のロールストック装置3A、3B、3Cのいずれかに戻すこと、そして、メッキして仕上げ研磨した被製版ロールについてロールストック装置3B,3Cからロールストック装置3Aへの移し変えを産業用ロボット1が行うことの全てを倉庫管理に準じて行うことができ、ロールストック装置3Aにストックされたメッキして仕上げ研磨した被製版ロールについては人手により容易に取り出すことができる。
従って、ロールストック装置3A、3B、3Cにストックできる本数だけ夜間に無人で全自動でメッキ処理・仕上げ研磨が行える。
二基のターンテーブル式のロールストック装置3A、3Bを設備し、研磨装置6をメッキラインから外してロールストック装置3Cを除いた位置に設置することができ、この場合は、メッキラインが短くなるとともに夜間に処理できるロールの本数が少なくなるが、安い設備コストを切望するクライアントに応じられる。ターンテーブル式のロールストック装置3Aを一基のみ設備する場合にはスペースが余るので2倍近い本数をストックできる構成にできる。
ロールストック装置3Aを一基のみ設備する場合にはスペースが余るので、研磨装置6とNC旋盤15をロールストック装置3B、3Cを除いた位置に設置することができ、NC旋盤15をインライン設備とすることができる。しかし、NC旋盤15は、アウトラインとして設備すれば、落版研磨によりロール母材が露出してしまったかどうかを肉眼で確認できて、被製版ロールをロールストック装置3Aにストックして制御用コンピュータ(図示しない)においてメッキ処理のメニューを選択する際に、所望のメッキが行われ仕上げ研磨が行われるシステムとすることがメッキ処理においてエラーを回避できる。
【0011】
続いて、図1中の各装置について簡略に説明する。
産業用ロボット1は、被製版ロールRの両端のチャック孔を避けて端面をチャックして自由な方向にハンドリングできるロボットハンド1aを有し、被製版ロールRをチャックして360度往復旋回できる。ロボットハンド1aは被製版ロールRの両端付近をチャックできれば良い。産業用ロボット2も同一の構成である。往復旋回形の産業用ロボットは、走行形の産業用ロボットに比べてコストが三分の一でありハンドリングのタクトが速い。
【0012】
ターンテーブル式のロールストック装置3A、3B、3Cは、図7、図8に示すように、円錐面の母線に被製版ロールRの面長方向が一致するように多数本の被製版ロールRをロールパレットに斜めに円周配列に二段に立て掛けることができかつロールパレットに対して被製版ロールのストック又は取り出しのために任意のロールパレットを所定の位置で停止し得る図5に示す構造である。
詳述すると、図7に示すように、基盤3aに対してターンテーブル3bが回転可能に設けられ、基盤3aに設けられたサーボモータ3cの回転が減速機3d、スプロケット3e,3fを介してターンテーブル3bに巻き付けられ固定されたエンドレスチェーン3gに伝達されてターンテーブル3bが回転するようになっている。さらに、ターンテーブル3bの周縁部の四箇所の下面がローラー3mで受けられ、該ローラー3mがロールの荷重を担持しているとともに、ターンテーブル3bの周縁部の所要の一箇所が基盤3aに設けられたインデックス係止装置(図示しない)により位置決め固定されるようになっている。
そして、図8に示すように、ターンテーブル3bの上に下段のロールパレット3hと上段のロールパレット3iが設けられている。ロールパレット3h、3iは、一本の任意の長さかつ任意の外径の被製版ロールを斜めに立て掛けるときの該被製版ロールの下端の傾斜側の左右二点を同じ位置において受承する二つの平面を有する下側受承部材3h’、3i’と、該被製版ロールの上端の傾斜側の左右二点を同じ位置において受承する二つの平面を有する上側受承部材3h”、3i”とからなり、下側受承部材3h’、3i’の下端には、被製版ロールRの下端が下側受承部材3h’、3i’のロール受承面から滑り離れることがないように被製版ロールRの下端面を受承するロール下端面受承板3jが張り出して設けられている。下側受承部材3h’は、ターンテーブル3bの上面に固定され、又、下側受承部材3i’と上側受承部材3h”,3i”はターンテーブル3bの上に設けられるフレーム3jに支持される。
特に、被製版ロールの上端を係止する上側受承部材3h”、3i”は水平断面が鈍角で縦長の二面体であり、被製版ロールの長さが短くなると傾斜が大きくなって重心とロール下端(支点)との水平方向の距離が大きく変化してターンテーブル3bの回転時に被製版ロールに遠心力が加わっても垂直に起き上がってさらに外側へ転倒することがないように構成されている。
ターンテーブル3bの周縁部のロールパレットに対応する各位置にアドレスを検出できるように所要数のビットを有するアドレスプレート3nが取付けられ、各アドレスプレートのビットを固定側の所要位置に付設されたセンサ3pが読み取り、コントローラ(図示しない)がセンサが読み取ったアドレスを判別してサーボモータ3cを制御し任意のロールパレットを所定に位置で停止し得る。
従って、ロールパレットに対して被製版ロールのストック又は取り出しのために下段又は上段の任意のロールパレットを所定に位置で停止し得る。
【0013】
スタッカクレーン4はカセット形ロールチャック回転搬送ユニット17を吊り上げて搬送し得る構成である。カセット型ロールチャック装置17は、一対のチャックコーンにより被製版ロールRの両端のチャック孔をチャックし、一対の防水キャップによりチャックコーンの外側を隠蔽して被製版ロールRの両端のチャック孔を防水し、装置フレームの両側の端板が処理装置に載置されたときに駆動側のチャックコーンが処理装置に供えている回転駆動源と接続され被製版ロールRを回転しうるようになっている。カセット形ロールチャック回転搬送ユニット17は、装置フレームの端板がメッキ装置9,10,11,12に載置されたときには一対のチャックコーンの基部が通電ブラシの上に載置されメッキ電流が通電されるようになっている。(特開昭55−164095公報に示す)
【0014】
産業用ロボット1は、被製版ロールRをチャックして中継台装置5の四本の円錐ロールの上に受け渡し、又、四本の円錐ロールの上に載置された被製版ロールRを受け取る。スタッカクレーン4は、カセット形ロールチャック回転搬送ユニット17を吊り上げて中継台装置5の四本の円錐ロールの上に載せられた被製版ロールRの上にセットする。すると、カセット形ロールチャック回転搬送ユニット17が被製版ロールRが両端チャックし、スタッカクレーン4は、カセット形ロールチャック回転搬送ユニット17を吊り上げて装置7〜12、14間を搬送する。
装置5、7〜12、14は、カセット形ロールチャック回転搬送ユニット17の装置フレームの両側の端板を湾部に受け入れて該カセット形ロールチャック回転搬送ユニット17を載置した状態となり、この状態で被製版ロールRに対して着脱、洗浄・乾燥、脱脂処理、硫酸銅メッキ処理、クロムメッキ処理、亜鉛メッキ処理、ペーパー研磨処理、又はクロムメッキ溶解除去処理ができる構成である。
【0015】
研磨装置6は、落版用の粗仕上げ砥石と中仕上げ砥石と上仕上げ砥石と鏡面研磨用砥石の四ヘッド研磨装置の採用が好ましい。研磨装置6は、産業用ロボット1との間で被製版ロールRの授受を行う。
【0016】
クロムメッキ代替のニッケル合金メッキ装置11は、セルが形成されたメッキ面の全面に、従来の耐刷力を担持する硬質クロムメッキに替えて、Ni−P、Ni−W、Ni−Bのいずれか一のクロムメッキ代替のニッケル合金メッキ、又は、これらのいずれか一のクロムメッキ代替のニッケル合金メッキにSiC、Al2O3、TiC、ZrC等の分散微粒子を共析するクロムメッキ代替のニッケル合金メッキを例えば7〜8μm付ける。
このメッキは電解メッキが好ましいが、無電解メッキでも良い。
Ni−P、Ni−W又はNi−Bのクロムメッキ代替のニッケル合金メッキを付けるためのメッキ液はそれぞれ所定のメッキ液(公知)が使用される。
分散微粒子を共析する複合メッキを行なうには、Ni−P、Ni−W又はNi−Bのクロムメッキ代替のニッケル合金メッキを付けるためのメッキ液中に、SiC、Al2O3、TiC、又はZrCの微粉末を分散する。
【0017】
焼入れ装置28は、セルが形成されたメッキ面の全面に従来の硬質クロムメッキに替えてメッキしたクロムメッキ代替のニッケル合金メッキについて、ビッカース硬度が1000以上となるように耐刷力を担持させて従来のクロムメッキと同等の耐刷力を担持させる加熱処理であり、クロムメッキ代替のニッケル合金メッキに対してビッカース硬度が1000以上となるように200〜400℃で加熱する。Ni−P、Ni−W、Ni−B、Ni−P−SiC、Ni−W−SiC、Ni−B−SiCのいずれも、200〜400℃で加熱すると、ビッカース硬度が1000以上となるから、耐刷力を担持する従来のクロムメッキに替わり、クロムメッキと同等の耐刷力を担持し得る。
鋼に対する焼入れでは焼入れ温度に過熱した後に油で急冷するが、クロムメッキ代替のニッケル合金メッキに対する焼入れでは加熱後に急冷しなくても良く加熱後の自然放冷で硬度が増す。
焼入れを行う場合、ロール母材まで200〜400℃に加熱することは後の冷却に時間がかかるので一般的に炉に入れて加熱するのは好ましくなく、理想的には、クロムメッキ代替のニッケル合金メッキの層のみが200〜400℃に加熱されるのが良いが熱伝導があって不可能なので、ロール母材が加熱される温度をできるだけ低く抑えることにするのが好ましい。
このため、焼入れ装置28は、局部(表層部)硬化が行える高周波焼入れ装置を採用することが好ましい。又は、金属を焼き切ることができる高出力レーザーの光径を大きく照射するとクロムメッキ代替のニッケル合金メッキの層のみが200〜400℃に加熱されるレーザー照射式の焼入れ装置としても良い。
【0018】
冷却装置29は、高周波焼入れを行なった被製版ロールについて冷却を行うもので、例えば4,5本の被製版ロールを一本ずつ個別に両端チャックして回転することができ風を切って自然放冷による冷却促進を図る構成である。なお、必要に応じて冷風を当てても良い。
【0019】
ペーパー研磨装置13は、冷却装置29で冷却された被製版ロールについて適用し、両端チャックされ遅速回転される被製版ロールにサンドペーパーをロール面長方向に対して斜めに当ててて小さい往復動を高速で行いニッケル合金メッキの表面に砂目立てを行う。この処理は、ドクターでのインキ掻き取り時の版汚れの発生を防止するためである。
【0020】
NC旋盤15は、図9及び図10に示すように、コンピュータディスプレイから所要寸法を入力すると、複式刃物台に設けられている測定用のプローブが、水平に両端チャックした被製版ロールRに対して自動的に多点計測して削り代を決定して精密円筒加工を行なうようになっている。NC旋盤加工終了時の直径値とクロムメッキ前の仕上げ寸法として要求する直径値との差の半分に精密円筒研磨される研磨代を加えた値が、NC旋盤加工後に版深を確保するメッキの厚みとなるように精密円筒加工を行なう。
【0021】
ロール計測装置16は、被製版ロールの全長、外径、孔径、ロールの一端から他端まで一定ピッチ毎に直径を計測する直径計測を行なう。NC旋盤15がロール計測機能を有しているので、ロール計測装置16はバラードメッキタイプの被製版ロールを対象に計測するためにある。
【0022】
続いて、本願発明が含まれた実施の形態のグラビア製版工場を図11を参照して説明する。
図11に示す設備構成は、感光膜塗布形成―レーザー露光・潜像形成―現像―エッチングによるセルの形成―の工程により製版できる好ましいライン設備を示している。特に、クロムメッキ装置を設備しておらず、替わりに、ニッケル合金メッキ―焼入れ―放熱冷却が行えるライン設備になっている。
この実施の形態のグラビア製版工場は、ロボット室Aには、メッキ室Bに近い側に、被製版ロールRを両端チャックしてハンドリングできるロボットハンド1aを有する往復旋回自在な産業用ロボット1を備えているとともに、メッキ室Bから離れた側に被製版ロールRを両端チャックしてハンドリングできるロボットハンド2aを有する往復旋回自在な産業用ロボット2を備え、産業用ロボット1のハンドリングエリア内に、二基のターンテーブル式のロールストック装置3A、3Dとポジ型又はネガ型の感光膜を塗布する感光膜塗布装置18とレーザ露光装置19と感光膜乾燥促進装置30が設備されており、かつ、産業用ロボット2のハンドリングエリア内にターンテーブル式のロールストック装置3B、と焼入れ装置28と冷却装置29とペーパー研磨装置13が設備され、又、ロボット室Aには、隣接するメッキ室Bには、天井に設備されたスタッカクレーン4の走行ラインの下側に中継台装置5と研磨装置6と写真廃液塗布装置7と脱脂(乾燥を含む)装置8と現像装置20と腐食装置21とレジスト剥離装置22と下地ニッケルメッキ装置9と二基の硫酸銅メッキ装置10と二基のクロムメッキ代替のニッケル合金メッキ装置11とカセット組み込み台装置27が設備されている。
ロールストック装置3A、3Bは二段ストックタイプである。ロールストック装置3Dは一段ストックタイプであり、感光膜塗布装置18の上に設備され、産業用ロボット1と2の両方のハンドリングエリア内にある。
アウトラインとして、落版のための精密円筒加工ができるNC旋盤15と、ロール計測装置16と校正刷り印刷機23が備えられている。
なお、産業用ロボット2と焼入れ装置28と冷却装置29ペーパー研磨装置13をアウトラインとして設備しても良く、又、NC旋盤15とロール計測装置16をインラインとして設備しても良い。
メッキ室における被製版ロールRの搬送手段は、スタッカクレーン4と、カセット形ロールチャック回転搬送ユニット17の共同作用により行われる。
研磨装置6又はNC旋盤15をロボット室Aに設置しても良い。装置7〜11は、いずれの順に並べてもよい。
【0023】
図12は、感光膜塗布装置18を示す。この感光膜塗布装置18は、塗布膜の形成を行なう被製版ロールRを両端チャックして回転するロールチャック回転手段18aと、被製版ロールRに沿って移動する移動台18bと、移動台18bに設けられた昇降テーブル18cに可動ブラケットを介して設けられた拭浄ヘッド18dと昇降テーブル18cに設けられている塗布ヘッド18eを備えてなり、拭浄ヘッド18dと塗布ヘッド18eが被製版ロールRの軸心方向に並び、移動台18bが被製版ロールRの一端に対応する位置から他端に対応する位置まで移動して、拭浄ヘッド18cが回転する被製版ロールRの一端から他端まで拭浄を行ない、塗布ヘッド18eが拭浄ヘッド18dの後を追って感光膜塗布を行ない、感光膜が乾燥するまで被製版ロールRの回転を続行する構成である。塗布ヘッド18eはワイピングクロムTを繰り出して被製版ロールRを拭浄する。塗布ヘッド18eは、必要な塗布に必要な量よりも僅かに多くなるようにパイプの上端から湧き出すようにして被製版ロールにパイプが非接触に近接して感光膜を塗布する。
【0024】
感光膜乾燥促進装置30は、感光膜塗布装置18で感光膜が形成された被製版ロールを産業用ロボット1から受け取り、感光膜の被製版ロールに対する強い密着を促進する処理を行う。
ネガ形の感光剤を被製版ロールに塗布する場合には、感光膜塗布装置18で乾固した状態で良く、感光膜の乾燥促進を図る特別の処理は必要ない。
塗布後に密着力を高めるためにバーニングが必要なタイプのネガ形の感光剤を被製版ロールに塗布する場合には、感光膜乾燥促進装置30は、被製版ロールを両端チャックして遅速回転してヒーターを近接して例えば80℃位に加熱する構成とする。
塗布した後乾固するだけで密着力がかなり高く、バーニングによる密着力の向上の必要はないが、一定の密着力を付加する必要がある非加熱タイプのネガ形の感光剤を被製版ロールに塗布する場合には、感光膜乾燥促進装置30は、被製版ロールを両端チャックして例えば100r.p.mで回転して感光膜中の残留溶剤が2%以下となるように拡散除去して膜の緻密化を図る構成とするだけで良い。
なお、感光膜乾燥促進装置30は、被製版ロールをチャックしてクルクル回す構成であるので、冷却装置29と共通しているから、レイアウトを工夫することで共通使用できる。
【0025】
図11に示す設備構成は、以下の多様な製版処理がなし得る。ライン全体の制御装置は、ディスプレイから以下の処理を選択できる構成になっている。
(1)直版タイプのリユースロールであって、アウトラインでNC旋盤で精密円筒加工して落版してロール母材(鉄)が露出してしまった被製版ロールについては、脱脂処理して下地ニッケルメッキを付けてから硫酸銅メッキを付け、砥石研磨装置で精密円筒加工を行ってから、感光膜塗布し、レーザー露光により潜像を焼き付け、現像し、腐食してセルを形成し、レジスト剥離し、ニッケル合金メッキを付け、焼入れを行い、冷却(放冷)してペーパー研磨により砂目を立てて取り出すことができる。この処理工程は、図13のフローチャートに示す。
(2)直版タイプのリユースロールであって、アウトラインでNC旋盤で精密円筒加工して落版してロール母材(鉄又はアルミニウム)が露出していない被製版ロールについては、脱脂処理して直ぐに硫酸銅メッキを付けるか又は下地ニッケルメッキを付けてから硫酸銅メッキを付け、砥石研磨装置で精密円筒加工を行ってから、感光膜を塗布形成し、レーザー露光により潜像を焼き付け、現像し、腐食してセルを形成し、レジスト剥離し、ニッケル合金メッキを付け、焼入れを行い、冷却(放冷)してペーパー研磨により砂目を立てて取り出すことができる。この処理工程も、図13のフローチャートに示す。
(3)NC旋盤とロール計測装置をアウトラインで備えていない場合には、直版タイプのリユースロールについて、アウトラインでNC旋盤による精密円筒加工して落版すること不可であるから、砥石研磨により落版・補正研磨し脱脂処理して下地ニッケルメッキ(下地メッキ)を付けてから硫酸銅メッキを付け、砥石研磨装置で精密円筒加工を行ってから、感光膜塗布し、レーザー露光により潜像を焼き付け、現像し、腐食してセルを形成し、レジスト剥離し、ニッケル合金メッキを付け、焼入れを行い、冷却(放冷)してペーパー研磨により砂目を立てて取り出すことができる。このフローチャートは示していない。
(4)バラードメッキタイプのリユースの被製版ロールであってクライアントの要求により直版タイプのロールの扱いとすることができない場合には、脱脂処理してからロール表面性状を写真廃液を塗布して易剥離性とし、次ぎに硫酸銅メッキ(バラードメッキ)を厚く付け、砥石研磨装置で精密円筒加工を行ってから、感光膜塗布し、レーザー露光により画像を焼き付け、現像し、腐食してセルを形成し、レジスト剥離し、ニッケル合金メッキを付け、焼入れを行い、冷却(放冷)してペーパー研磨により砂目を付けて取り出すことができる。
【0026】
本願発明に係るターンテーブル式のロールストック装置は、図1に示したグラビア印刷用被製版ロールのメッキ工場や図11に示したグラビア製版工場に設備することに限定されるものではない。
【0027】
【発明の効果】
以上説明してきたように、〔請求項1〕及び〔請求項2〕に記載のターンテーブル式のロールストック装置は、往復旋回形の産業用ロボットのハンドリングエリア内に、多数本の被製版ロールを傾斜して立て掛けてストックできる夜間におけるロール倉庫を簡便に小空間で実現させ、被製版ロールの受け渡しを短いタクトで行える、夜間に処理すべき被製版ロールを夕方に無人にする前にストックして、その際にそれぞれに異なるメッキ工程、メッキ−製版工程を制御装置に入力しておくと、夜間に無人で全自動でメッキラインへの被製版ロールの投入を一本ずつ順番に行って、多数本の被製版ロールをついてそれぞれに異なるメッキ工程、メッキ−製版工程で処理を実行して、メッキ済み又は製版済みのロールを全本数ストックしておくことができ、翌朝には全本数のロールを取り出すことができて稼働率が非常に高い、グラビア印刷用被製版ロールのメッキ工場及びグラビア製版工場に設備して好適なターンテーブル式のロールストック装置を提供することを目的としている。
〔請求項1〕及び〔請求項2〕に記載のターンテーブル式のロールストック装置は、大きさがさまざまに異なる多数本の被製版ロールを極めて小スペースにストックしておくことができ回転しても外方へ転倒する惧れがないターンテーブル式のロールストック装置を提供することができて、併せて、グラビア印刷用被製版ロールのメッキ工場及びグラビア製版工場における設備コストの大幅な低減と小スペース化と装置全体の高い稼動効率の達成に寄与することができ、又、ストック装置を複数基設置した場合にも産業用ロボットによりストック装置間のロールの移し変え移送を容易に行うことができ、ストック装置のどの位置にストックしたロールでも産業用ロボットが迅速に取り出してメッキラインへの投入位置へ移送することができ、産業用ロボットが関与するあらゆるロールの移送タクト、具体的には、メッキ済みのロール、製版途中のロール及び製版済みのロールをストック装置又はロボットの周辺の装置に移送する移送タクトを短縮できて装置全体の稼動効率が高めることに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】[請求項1]及び[請求項2]に記載の発明が含まれた実施の形態のグラビア印刷用被製版ロールのメッキ工場の概略平面図
【図2】図1に示すメッキ工場で実施できるメッキ工程のフローチャート。
【図3】図1に示すメッキ工場で実施できる別のメッキ工程のフローチャート。
【図4】図1に示すメッキ工場で実施できる別のメッキ工程のフローチャート。
【図5】図1に示すメッキ工場で実施できる別のメッキ工程のフローチャート。
【図6】図1に示すメッキ工場で実施できる別のメッキ工程のフローチャート。
【図7】図1に示すメッキ工場の要部のロールストック装置の概略平面図。
【図8】図1に示すメッキ工場の要部のロールストック装置の概略縦断面図。
【図9】NC旋盤の精密円筒加工を行なうための入力値や計測値及び削り代等の計算値を表すディスプレイ表示画面
【図10】NC旋盤の精密円筒加工を行なうための入力値や計測値及び削り代等の計算値の関係をロール断面に表した図
【図11】本願発明が含まれた実施の形態のグラビア製版工場の概略平面図。
【図12】図11に示すグラビア製版工場に設備される感光膜塗布装置の概略正面図。
【図13】図11に示すグラビア製版工場で実施できるメッキ・製版工程のフローチャート。
【符号の説明】
A・・・ロボット室、B・・・メッキ室、R・・・被製版ロール、1・・・産業用ロボット、1a・・・ロボットハンド、2・・・産業用ロボット、2a・・・ロボットハンド、3A、3B、3C・・・ロールストック装置、3a・・・基盤、3b・・・ターンテーブル、3c・・・サーボモータ、3d・・・減速機、3e,3f・・・スプロケット、3g・・・エンドレスチェーン、3m・・・ローラー、3h,3i・・・ストック用ロールパレット、3h’、3i’・・・ストック用ロールパレットの下側受承部材、3h”、3i”・・・ストック用ロールパレットの上側受承部材、3j・・・ロール下端面受承板、3n・・・アドレスプレート、3p・・・センサ、4・・・スタッカクレーン、5・・・中継台装置、6・・・研磨装置、7・・・写真廃液塗布装置、8・・・脱脂装置、9・・・下地ニッケルメッキ装置、10・・・硫酸銅メッキ装置、11・・・亜鉛メッキ装置、12・・・ペーパー研磨装置、13・・・ペーパー研磨装置、14・・・クロムメッキ溶解除去装置、15・・・NC旋盤、16・・・ロール計測装置、17・・・カセット形ロールチャック回転搬送ユニット、18・・・感光膜塗布装置、19・・・レーザ露光装置、20・・・現像装置、21・・・腐食装置、22・・・レジスト剥離装置、23・・・校正刷り印刷機、27・・・カセット組み込み台装置、28・・・焼入れ装置、29・・・冷却装置、30・・・感光膜乾燥促進装置、
Claims (2)
- 円錐面の母線に被製版ロールの面長方向が一致するように多数本の被製版ロールをロールパレットに斜めに円周配列に一段又は二段に立て掛けることができかつロールパレットに対して被製版ロールのストック又は取り出しのために任意のロールパレットを所定に位置で停止し得る構成であることを特徴とするターンテーブル式のロールストック装置。
- ロールパレットは、一本の任意の長さかつ任意の外径の被製版ロールを斜めに立て掛けるときの該被製版ロールの下端の傾斜側の左右二点を同じ位置において受承する二つの平面を有する下側受承部材と、該被製版ロールの上端の傾斜側の左右二点を同じ位置において受承する二つの平面を有する上側受承部材とからなり、下側受承部材の下端には、被製版ロールの下端が下側受承部材のロール受承面から滑り離れることがないように被製版ロールの下端面を受承するロール下端面受承板が張り出して設けられ、上側受承部材は水平断面が鈍角で縦長の二面体であり、被製版ロールの長さが短くなると傾斜が大きくなって重心とロール下端との水平方向の距離が大きく変化してターンテーブルの回転時に被製版ロールに遠心力が加わっても垂直に起き上がってさらに外側へ転倒することがないように構成されていることを特徴とする〔請求項1〕に記載のターンテーブル式のロールストック装置。
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