JP2001269952A - 複合管状物及びその製造方法 - Google Patents

複合管状物及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001269952A
JP2001269952A JP2000087769A JP2000087769A JP2001269952A JP 2001269952 A JP2001269952 A JP 2001269952A JP 2000087769 A JP2000087769 A JP 2000087769A JP 2000087769 A JP2000087769 A JP 2000087769A JP 2001269952 A JP2001269952 A JP 2001269952A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin layer
heat
inorganic powder
resistant resin
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000087769A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Ishizaki
哲 石崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2000087769A priority Critical patent/JP2001269952A/ja
Publication of JP2001269952A publication Critical patent/JP2001269952A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度をある程度維持しつつ、厚み方向
の熱伝導性と離型性樹脂層の耐久性を向上させることが
できる複合管状物及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 樹脂固形分100重量部に対して熱伝導
性無機粉末を10〜60重量部含有する管状の耐熱性樹
脂層と、外表面に形成された離型性樹脂層とを有する複
合管状物において、前記熱伝導性無機粉末が、光透過式
遠心沈降法による面積基準の測定値として、(a)平均
粒径3μm以下であり、かつ(b)粒径10μm以上の
粒子群を5〜40%含むものであり、前記耐熱性樹脂層
の表面粗さ(Ra)が3μm以下であることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザー
プリンタ、ファクシミリ等の電子写真画像を形成する画
像形成装置の定着ベルト等に用いられる複合管状物及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の画像形成装置にお
ける画像定着方法として、熱ローラ定着方式があるが、
この方法では定着作業毎に加熱ローラの表面温度がトナ
ーの融解温度に達するまで待たねばならず効率が悪く、
これを回避するために使用する時間帯に常時電源を入れ
ておく方法では、消費電力が極めて多くなり経済的に好
ましくない。
【0003】そこで、待ち時間短縮と省電力のために、
ベルト定着方式が開発された。このベルト定着方式の一
例としてサーフ方式と呼ばれる方式がある。これは図1
に示すように、シームレス状の定着ベルト1を2本のロ
ール2とセラミックヒータ3に懸架し、これと対向させ
て加圧ロール4を配置し、未定着トナー像5が仮着され
た被記録材6を定着ベルト1と加圧ロール4の間に送紙
し、セラミックヒータ3の発熱により定着ベルト1を介
して未定着トナー像5を融解させて定着画像7を形成す
るというものである。この方式は従来の熱ローラ方式と
比較して、熱源にセラミックヒータを用い、薄い定着ベ
ルトを用いるため、必要なときに速やかに未定着トナー
像を加熱することが可能であるという利点がある。
【0004】一方、近年のプリンタに対する小型化の要
求に対し、定着ベルトの蛇行制御システムを除く方式が
開発された。この方式は図2に示すように、ステー8に
シームレス状の定着ベルト1を外嵌し、ステー2に組み
入れられたヒータ3と対向させて加圧ロール4を配置
し、未定着トナー像5が仮着された被記録材6を定着ベ
ルト2と加圧ロール4の間に送紙し、ヒータ3の発熱に
より定着ベルト1を介して未定着トナー像5を融解させ
て定着画像7を形成するというものである。この方式で
は、図1の方式よりも厚い定着ベルトを用いて、熱伝導
性粉末を充填することで定着ベルトの熱伝導率を上げ、
かつ蛇行制御をステー端部にある制御板(図示せず)で
行うことにより、被記録材への速やかな熱の伝達と定着
装置の小型化を両立させている。
【0005】このようなベルト定着方式に用いる定着ベ
ルトとしては、耐熱性や機械的強度に優れたベースフィ
ルムに熱伝導性無機粉末を含有してなる管状の耐熱性樹
脂層の外面に、フッ素樹脂を被覆して離型性樹脂層を形
成した複合管状物等が知られている。その際、熱伝導性
無機粉末としては、機械的強度を一定以上に維持するた
めに、平均粒径が0.1〜3.0μmの比較的微細な熱
伝導性無機粉末を、樹脂100重量部に対して5〜50
重量部程度の含有量で使用している(特開平7−186
162号公報、特開平10−207268号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの検討によると、熱伝導性無機粉末があまり微細で
あると、大きな粒子によるフィルム内部熱伝導が期待で
きず、微細粒子の2次凝集による熱伝導が支配的となる
ため、同一含有量の場合に熱伝導率が低下することが判
明した。これを回避するために、微細な無機粉末を多量
に充填させる方法もあるが、その場合には実用的な機械
的強度を有する管状物が得られ難くなる。
【0007】一方、大きな粒子を含む熱伝導性無機粉末
を使用して複合管状物を製造する場合、特開平7−18
6162号公報及び特開平10−207268号公報に
記載の製法では、円筒金型の外周面に塗布した樹脂塗膜
を加熱して溶媒の除去・イミド転化反応を行い硬化させ
るので、金型に接していない樹脂塗膜の外表面から溶媒
の乾燥等が生じるため、粒径の大きな粒子によって樹脂
層の外表面に凹凸が生じる。このような外表面の凹凸に
よって、離型性樹脂層に局所的な応力が集中し易く、磨
耗等による早期劣化の原因となると共に、実際に定着動
作を行う場合に、高画質の画像が得られ難くくなる。
【0008】そこで、本発明の目的は、機械的強度をあ
る程度維持しつつ、厚み方向の熱伝導性と離型性樹脂層
の耐久性を向上させることができる複合管状物及びその
製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記知見
に基づいて、熱伝導性無機粉末の粒度分布等について鋭
意研究したところ、微細な熱伝導性粉末中に一定の割合
で粒径の大きな粒子が含まれるよう両者をバランスよく
配合しつつ、外表面に凹凸を生じさせにくい製法で製造
することにより、上記目的が達成できることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の複合管状物は、樹脂固形分
100重量部に対して熱伝導性無機粉末を10〜60重
量部含有する管状の耐熱性樹脂層と、外表面に形成され
た離型性樹脂層とを有する複合管状物において、前記熱
伝導性無機粉末が、光透過式遠心沈降法による面積基準
の測定値として、(a)平均粒径3μm以下であり、か
つ(b)粒径10μm以上の粒子群を5〜40%含むも
のであり、前記耐熱性樹脂層の表面粗さ(Ra)が3μ
m以下であることを特徴とする。
【0011】一方、本発明の製造方法は、熱伝導性無機
粉末を含有する熱硬化性樹脂溶液を管状金型の内面に均
一に塗布し、その管状金型と接触した状態で塗布した熱
硬化性樹脂溶液を少なくとも自身が支持できるまで溶媒
除去及び/又は硬化させた後、脱型した管状の耐熱性樹
脂層の外周面に離型性樹脂層を形成する工程を有する複
合管状物の製造方法であって、前記熱伝導性無機粉末
が、光透過式遠心沈降法による面積基準の測定値とし
て、(a)平均粒径3μm以下であり、かつ(b)粒径
10μm以上の粒子群を5〜40%含むものである。
【0012】[作用効果]本発明の複合管状物による
と、実施例の結果が示すように、機械的強度をある程度
維持しつつ、厚み方向の熱伝導性と離型性樹脂層の耐久
性を向上させることができる。その理由の詳細は明らか
ではないが、熱伝導性無機粉末が粒径10μm以上の粒
子群を5%以上含むことにより、比較的大きい粒子によ
る内部熱伝導が起こり易くなり、更に平均粒径が3μm
以下のため多く含まれる微小粒子の凝集との相乗効果に
より、トータルの熱伝導性が向上すると考えられる。ま
た、比較的大きい粒子を含有しても、その量が適正であ
るため、機械的強度を低下させにくく、また表面粗さ
(Ra)が3μm以下であるため、離型性樹脂層に局所
的な応力が集中しにくくなる。
【0013】一方、本発明の製造方法は、上記と同様の
粒度を有する熱伝導性無機粉末を含有する熱硬化性樹脂
溶液を用いて、管状金型に内接した状態で塗布した熱硬
化性樹脂溶液を溶媒除去・硬化させるため、得られる耐
熱性樹脂層の外周面が平滑となるので、上記のように機
械的強度をある程度維持しつつ、厚み方向の熱伝導性と
離型性樹脂層の耐久性を向上させることができる複合管
状物を製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の複合管状物の耐熱性樹脂層は、定
着温度で形状を保持できる耐熱性樹脂で構成され、例え
ばポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイドポ
リエーテルスルフォン等が使用できる。なかでも機械特
性、耐熱性、屈曲性に優れたポリイミドが好ましく、特
に芳香族系ポリイミドが好適に用いられる。この場合、
使用する芳香族カルボン酸二無水物やジアミンの種類、
モル比等を調節することにより、適度な剛性、可撓性を
有する管状物を得ることができる。なお、ポリイミド
は、例えば、酸成分であるテトラカルボン酸二無水物
と、アミン成分であるジアミンの略等モルを適当な溶媒
に溶解して反応させポリアミド酸溶液を作製し、溶媒を
除去後に更に高温で重合(イミド転化)させることで得
ることができる。
【0015】耐熱性樹脂層は、樹脂固形分100重量部
に対して熱伝導性無機粉末を10〜60重量部含有し、
好ましくは20〜50重量部含有する。含有量が少な過
ぎると定着に必要な熱伝導度が得られ難く、一方含有量
が多過ぎると定着ベルトが脆くなりやすいため好ましく
ない。
【0016】熱伝導性無機粉末としては、アルミナ、窒
化珪素、窒化硼素、窒化アルミ、炭化珪素等が挙げられ
るが、一次粒子の形状が鱗片状、偏平状又は棒状(針
状、紡錘状を含む)であるものが好ましい。なかでも、
粒子自身の熱伝導性や一次粒子の形状等の点から、六方
晶系の窒化硼素が特に好ましい。
【0017】本発明では、この熱伝導性無機粉末が、光
透過式遠心沈降法による面積基準の測定値として、
(a)平均粒径3μm以下であり、かつ(b)粒径10
μm以上の粒子群を5〜40%含むものであり、前記耐
熱性樹脂層の表面粗さ(Ra)が3μm以下であること
を特徴とする。熱伝導性無機粉末の平均粒径が3μmを
超えると、管状物が脆くなり、長期間使用した場合特に
蛇行制御を行う管状物端部が早く劣化する恐れがあり、
劣化が進行すると対向する加圧ロールによる管状物の駆
動に支障をきたし、また画像や定着性低下の原因となり
得る。
【0018】また、熱伝導性無機粉末が粒径10μm以
上の粒子群の割合が低過ぎると、比較的大きい粒子によ
るフィルム内部熱伝導が不十分になるため、厚み方向の
熱伝導率の向上は望めない。逆に粒径10μm以上の粒
子群の割合が高すぎると、フィルムに応力がかかった場
合、応力集中が起こりやすくなるため好ましくない。か
かる観点より、粒径10μm以上の粒子群を5〜30%
含むものが更に好ましい。なお「粒径10μm以上の粒
子群」でいうところの粒径は、一次粒子の粒子径でも、
一次粒子が凝集した結果生じた二次粒子であってもよ
い。
【0019】耐熱性樹脂層への熱伝導性無機粉末の配合
は、例えば耐熱性樹脂としてポリイミドを用いる場合、
ポリアミド酸を調整する際に、その溶液にプラネタリミ
キサーやビーズミル等で混合分散する、あるいは溶媒中
に超音波等の方法で無機粉末を分散させた後重合反応を
行う等適宜な方法にて行うことができる。本発明におい
ては、耐熱性樹脂層に配合され得るシリコーン又はフッ
素系の各種有機化合物、カップリング剤等の添加物を、
本発明の効果を損わない範囲で適宜添加することができ
る。
【0020】本発明の製造方法は、以上のような熱伝導
性無機粉末を含有する熱硬化性樹脂溶液を管状金型の内
面に均一に塗布し、その管状金型と接触した状態で塗布
した熱硬化性樹脂溶液を少なくとも自身が支持できるま
で溶媒除去及び/又は硬化させた後、脱型した管状の耐
熱性樹脂層の外周面に離型性樹脂層を形成する工程を有
する。
【0021】その際、熱硬化性樹脂溶液としては、前記
の耐熱性樹脂に対応するモノマー成分、オリゴマー成
分、重合中間体、触媒等が適当な溶媒に溶解した溶液
が、公知の熱硬化性樹脂フィルムの形成方法に準じて適
宜使用される。樹脂溶液の塗布は、管状金型の内周面に
弾丸状等のピグを走行させて塗布する方法や、スプレー
塗布方式、遠心塗布方式などで行うことができる。ま
た、溶媒除去及び/又は硬化のための加熱は、熱風加
熱、赤外線加熱、電磁誘導加熱等により行うことができ
る。
【0022】また、溶液中の樹脂濃度、溶媒除去や硬化
の条件等も、使用する熱硬化性樹脂溶液に応じて適宜決
定される。例えばポリイミド樹脂溶液を使用する場合、
予めテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機極性
溶媒中(モノマー濃度5〜30重量%)で好ましくは5
〜50℃で0.5〜10時間反応させてポリアミド酸溶
液(熱硬化性樹脂溶液)を作製し、これを塗布した後、
80℃以上の温度に加熱して溶媒除去を行い、更に30
0〜450℃で硬化(イミド転化)させればよい。イミ
ド転化反応の完結は、離型性樹脂層を形成する際の加熱
時に行うことも可能である。
【0023】上記のように管状金型の内表面を制御して
平滑にすることで、耐熱性樹脂層の外表面の表面粗さ
(Ra)を3μm以下、より好ましくは2μm以下の平
滑面とすることができる。また、外表面を平滑化する上
で、熱硬化性樹脂溶液を塗布した後に、塗膜中の気泡を
除く脱泡工程を更に行うのが好ましい。なお、従来技術
のように外表面に空気が接触した状態で樹脂を加熱、溶
媒除去及び/又は硬化した場合、耐熱性樹脂の溶媒除去
の段階で耐熱性樹脂層の厚みが固形分濃度に応じ10〜
90%収縮するため、耐熱性樹脂層中の凝集粒子に起因
する凹凸が発生しやすい。
【0024】本発明の複合管状物の耐熱性樹脂層の厚み
は、その使用目的等に応じて適宜決定されるが、実際に
定着装置に用いられる際に適当な強度や可撓性及び熱伝
導性を有していればよく、10〜200μm、好ましく
は20〜150μm、特に30〜130μmの厚さが好
ましい。
【0025】本発明の複合管状物は、上記耐熱性樹脂層
の外表面に離型性樹脂層を形成することで構成される。
ここで使用される離型性樹脂としては、定着温度で形状
を保持でき、かつトナーに対する離型性を有するもので
あり、例えばシリコーンゴム、フッ素ゴムなどの耐熱性
エラストマーやポリテトラフルオロエチレン樹脂、パー
フルオロアルコキシフッ素樹脂、テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂等のフッ素樹脂等を
使用できる。離型性樹脂層の形成は、脱型した管状の耐
熱性樹脂層の外周面に対し、原料粒子又はその分散液等
を静電法、スプレー法、ディッピング法等で塗布した
後、加熱して硬化、焼成等すればよい。また、離型性樹
脂層と耐熱性樹脂層の層間接着性の改善等を目的として
プライマー処理等を行ってもよい。
【0026】離型性樹脂層の厚みは、使用目的に応じて
決定され、例えば弾力性を要する場合、耐熱性エラスト
マーが用いられ、この時の離型層の厚さは20〜500
μm、好ましくは40〜400μm、特に50〜300
μmの厚さが好ましい。またフッ素樹脂を用いる場合、
離型層の厚さは3〜70μm、好ましくは4〜50μ
m、特に5〜30μmの厚さが好ましい。
【0027】本発明の複合管状物は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター等の画像形成装置の定着ベルト等とし
て使用できるが、ベルト定着法を採用する定着部であれ
ば何れの方式でも使用可能である。例えば、ロール間に
定着ベルトを張設する方式、管状の定着ベルトを適当な
ステー等で支持させる方式などに使用可能である。ま
た、その機械特性、熱伝導性、離型性等を利用して、樹
脂シートのラミネータ、シート状物の加熱装置などに使
用することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。なお、実施例における評価方
法は次の通りである。
【0029】[粒度分布及び平均粒径]超遠心式自動粒
度分布測定装置(HORIBA社製、CAPA−70
0)を用いて光透過式遠心沈降法により測定した。
【0030】[表面粗さ(Ra)]JIS B−060
1(1994)に準じ、複合管状物の耐熱性樹脂層の外
表面を測定した。
【0031】[熱伝導率]非定常法の熱線法(京都電子
工業製:KemthrmQTM−D3)で測定した。
【0032】[引裂強度]JIS K 7128−3に
基づき、試験速度200mm/分で測定し、得られた結
果より計算により引裂強度を算出した。
【0033】[定着画像]1分間に15枚排出する図2
に示す方式のベルト式定着装置に、実施例等にて作製し
た複合管状物を組み込み、複写試験を行った。
【0034】[実施例1]N−メチル−2−ピロリドン
(NMP)に723g中に、ポリイミド樹脂固形分10
0重量部に対し、30重量部となるよう熱伝導性無機粉
末として41gの窒化硼素(三井化学社製、平均粒径
0.94μm、粒径4μm以下の粒子が78.8%、粒
径10μm以上の粒子が21.2%)を分散、混合し
た。この分散液に3,3’,4,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物112gとp−フェニレンジアミ
ン41gを溶解(固形分濃度20wt%)し、窒素雰囲
気中において室温で攪拌しながら反応させて、3000
ポアズのポリアミド酸溶液を得た。内径40mmの円筒
状金型の内面に上記ポリアミド酸溶液を塗布後、弾丸状
走行体を自重により落下させた後、塗膜中の気泡を除く
脱泡を行い均一な塗膜面を得た。次いで該金型を150
℃から段階的に370℃まで加熱して溶媒除去、閉環水
の除去、イミド転化の完結反応を行い、厚み50μmの
耐熱性樹脂層からなる管状物を得た。この管状物を金型
から取り出し金属パイプに差し替え、外表面にプライマ
ー処理を行った後、離型性樹脂としてパーフルオロアル
コキシフッ素樹脂の水分散体をスプレーコートし、次い
で管状物をパイプにさしたまま370℃まで加熱し、離
型性樹脂層が12μmの複合管状物(総厚63μm)を
得た。
【0035】この複合管状物の熱伝導率は2.46W/
m・Kであり、耐熱性樹脂層の外表面の表面粗さ(R
a)は0.35μmであり、引裂強度は320N/mm
であった。この複合管状物を実際の定着装置に組み込
み、複写試験を行ったところ3週間経過後も離型性表面
磨耗等は見られず、定着画像も鮮明であった。
【0036】[実施例2]実施例1で使用した窒化硼素
から10μm以上の粒子群を分級により除去したもの
と、実施例1で使用した窒化硼素とを混合して、平均粒
径0.82μm、粒径4μm以下の粒子が89.5%、
粒径10μm以上の粒子が10.5%の窒化硼素を得
た。この窒化硼素を実施例1と同重量部入れてポリアミ
ド酸溶液を作製する以外は、実施例1と同様に円筒状金
型内面に塗布し耐熱性樹脂管状物の加熱硬化、次いで離
型性樹脂層の形成を行った。
【0037】この複合管状物の熱伝導率は2.32W/
m・Kであり、耐熱性樹脂層の外表面の表面粗さ(R
a)は0.27μmであり、引裂強度は360N/mm
であった。この複合管状物を実際の定着装置に組み込
み、複写試験を行ったところ3週間経過後も離型性表面
に磨耗等は見られず、定着画像も鮮明であった。
【0038】[実施例3]実施例1において、異なる窒
化硼素(昭和電工社製、平均粒径1.13μm、粒径4
μm以下の粒子が60.5%、粒径10μm以上の粒子
が28.5%)を実施例1と同重量部入れてポリアミド
酸溶液を作製する以外は、実施例1と同様に円筒状金型
内面に塗布し耐熱性樹脂管状物の加熱硬化、次いで離型
性樹脂層の形成を行った。
【0039】この複合管状物の熱伝導率は2.53W/
m・Kであり、耐熱性樹脂層の外表面の表面粗さ(R
a)は1.08μmであり、引裂強度は290N/mm
であった。この複合管状物を実際の定着装置に組み込
み、複写試験を行ったところ3週間経過後も離型性表面
に磨耗等は見られず、定着画像も鮮明であった。
【0040】[比較例1]実施例1で用いたポリアミド
酸溶液を用い、外径40mmの円筒状金型の外面に塗布
し、外金型を通した後、塗膜中の気泡を除いた。次いで
以下実施例1と同様に加熱、離型性樹脂層の形成、加熱
硬化を行い、耐熱性樹脂層の厚み50μm、離型性樹脂
層の厚み12μmの複合管状物(総厚64μm)を得
た。この複合管状物の熱伝導率を測定したところ2.4
0W/m・Kであり、耐熱性樹脂層の表面粗さ(Ra)
は3.12μmであり、引裂強度は310N/mmであ
った。この複合管状物を実際の定着装置に組み込み、複
写試験を行ったところ2週間経過後も離型性表面に紙と
の接触ストレスによると思われる磨耗痕が発生し、この
磨耗痕に起因すると思われる画像の鮮度が実施例1と比
較して低下していた。
【0041】[比較例2]実施例1で使用した窒化硼素
から10μm以上の粒子群を分級により除去して、全て
4μm未満の粒子となるように実施例1と同重量部入れ
てポリアミド酸溶液を作製した。この溶液を用い、実施
例1と同様に円筒状金型内面に塗布し耐熱性樹脂管状物
の加熱硬化、次いで離型性樹脂層の形成を行った。この
複合管状物の熱伝導率を測定したところ1.86W/m
・Kであり、上記実施例1及び比較例1に対して低下し
ていた。また、耐熱性樹脂層の表面粗さ(Ra)は0.
21μmであり、引裂強度は360N/mmであった。
この複合管状物を実際の定着装置に組み込み、複写試験
を行ったところ3週間経過後も離型性表面に磨耗は見ら
れなかったが、定着性が不十分であり画像の鮮明性が3
週間通して実施例1と比較して劣っていた。
【0042】[比較例3]実施例1において、異なる窒
化硼素(電気化学工業社製、平均粒径6.89μm、粒
径4μm以下の粒子が35.4%、粒径10μm以上の
粒子が52.2%)を実施例1と同重量部入れてポリア
ミド酸溶液を作製する以外は、実施例1と同様に円筒状
金型内面に塗布し耐熱性樹脂管状物の加熱硬化、次いで
離型性樹脂層の形成を行った。この複合管状物の熱伝導
率を測定したところ2.63W/m・Kであり、上記実
施例1に対して優れていたが、耐熱性樹脂層の表面粗さ
(Ra)は1.54μmであり、引裂強度は220N/
mmであった。この複合管状物を実際の定着装置に組み
込み、複写試験を行ったところ3週間経過後も離型性表
面に磨耗は見られなかったが、定着性が不十分であり画
像の鮮明性が3週間通して実施例1と比較して劣ってい
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルト定着方式の一例(サーフ方式)を示す概
略構成図
【図2】ベルト定着方式の他の例を示す概略構成図
【符号の説明】
1 定着ベルト 2 ロール 3 ヒータ 4 加圧ロール 5 未定着トナー像 6 被記録材 7 定着画像 8 ステー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29C 41/42 B29C 41/42 B29K 101:10 B29K 101:10 101:12 101:12 103:04 103:04 B29L 9:00 B29L 9:00 23:00 23:00 Fターム(参考) 2H033 AA23 BA11 BE03 4F202 AA36 AA40 AB16 AG03 AG08 AG16 CA03 CB01 CB16 CB22 CB27 CD04 CN01 4F205 AA36 AA40 AB16 AG03 AG08 AG16 GA05 GA06 GB01 GC04 GE06 GE11 GE21 GF03 GF24 GF25 GN22 GN29 GW06 4J002 CH091 CL001 CM041 CN011 CN031 DE146 DF016 DJ006 DK006 FA016 FA116 GQ00 GS00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂固形分100重量部に対して熱伝導
    性無機粉末を10〜60重量部含有する管状の耐熱性樹
    脂層と、外表面に形成された離型性樹脂層とを有する複
    合管状物において、 前記熱伝導性無機粉末が、光透過式遠心沈降法による面
    積基準の測定値として、(a)平均粒径3μm以下であ
    り、かつ(b)粒径10μm以上の粒子群を5〜40%
    含むものであり、前記耐熱性樹脂層の表面粗さ(Ra)
    が3μm以下であることを特徴とする複合管状物。
  2. 【請求項2】 熱伝導性無機粉末を含有する熱硬化性樹
    脂溶液を管状金型の内面に均一に塗布し、その管状金型
    と接触した状態で塗布した熱硬化性樹脂溶液を少なくと
    も自身が支持できるまで溶媒除去及び/又は硬化させた
    後、脱型した管状の耐熱性樹脂層の外周面に離型性樹脂
    層を形成する工程を有する複合管状物の製造方法であっ
    て、 前記熱伝導性無機粉末が、光透過式遠心沈降法による面
    積基準の測定値として、(a)平均粒径3μm以下であ
    り、かつ(b)粒径10μm以上の粒子群を5〜40%
    含むものである複合管状物の製造方法。
JP2000087769A 2000-03-28 2000-03-28 複合管状物及びその製造方法 Pending JP2001269952A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000087769A JP2001269952A (ja) 2000-03-28 2000-03-28 複合管状物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000087769A JP2001269952A (ja) 2000-03-28 2000-03-28 複合管状物及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001269952A true JP2001269952A (ja) 2001-10-02

Family

ID=18603729

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000087769A Pending JP2001269952A (ja) 2000-03-28 2000-03-28 複合管状物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001269952A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100394325C (zh) * 2003-09-03 2008-06-11 日东电工株式会社 复合管
JP2008268469A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Canon Inc 定着装置及びこの定着装置に用いられる定着回転体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100394325C (zh) * 2003-09-03 2008-06-11 日东电工株式会社 复合管
JP2008268469A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Canon Inc 定着装置及びこの定着装置に用いられる定着回転体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5491031B2 (ja) ポリイミドチューブ、その製造方法、ポリイミドワニスの製造方法、及び定着ベルト
JP4680979B2 (ja) ポリイミドチューブ、その製造方法、及び定着ベルト
JP4708089B2 (ja) カラー画像用定着ベルト
WO2006088189A1 (ja) 管状物体及びその製造方法
JP5097937B2 (ja) 複合管状物およびその製造方法
JP3240435B2 (ja) 熱伝導性ポリイミド系フィルム、その製造方法及びその使用
JP2006256323A (ja) 管状物体及びその製造方法
JP2006259248A (ja) 転写定着ベルト
JP2001249559A (ja) 画像定着装置及び画像定着用エンドレスフィルム
JP2009045577A (ja) フッ素樹被膜形成方法及びその被膜形成物
JP2001269952A (ja) 複合管状物及びその製造方法
JPH07186162A (ja) シームレス樹脂フィルム及びその製造方法
JP2011209578A (ja) 管状体およびその製造方法
JP2001040102A (ja) 管状物
JP4849359B2 (ja) 多層ポリイミド管状物及びその製造方法並びに樹脂管状物の製造装置
US11579551B2 (en) Belt comprising coating layer comprising inorganic-organic nanocomposite materials, and fusing apparatus and gloss-enhancing apparatus comprising the same
JP5101137B2 (ja) ポリイミドベルト及びその製造方法
JP2004279458A (ja) 定着ベルト
JP3352134B2 (ja) 定着用ベルト
JP2001215821A (ja) 定着ベルト及びその製造方法
JP2001341143A (ja) 複合管状物及びその製造方法
JP2005017720A (ja) 熱伝導性シームレスベルト
WO2017047746A1 (ja) 画像形成装置用転写部材
JP4849356B2 (ja) 複合定着ベルトの製造方法
JP2003177630A (ja) 転写定着ベルト

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061221