JP2001266890A - 非水電解液二次電池及びその製造法 - Google Patents

非水電解液二次電池及びその製造法

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JP2001266890A
JP2001266890A JP2000073821A JP2000073821A JP2001266890A JP 2001266890 A JP2001266890 A JP 2001266890A JP 2000073821 A JP2000073821 A JP 2000073821A JP 2000073821 A JP2000073821 A JP 2000073821A JP 2001266890 A JP2001266890 A JP 2001266890A
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battery
electrode plate
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mixture layer
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JP2000073821A
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Tomoko Kono
智子 河野
Sukeyuki Murai
祐之 村井
Toyoji Sugimoto
豊次 杉本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極板、負極板の作成に2種の異なる作用を
持つ結着剤を用いることにより非水電解液二次電池の高
負荷放電特性とサイクル特性を向上させる。 【解決手段】 正極板もしくは負極板のいずれか、もし
くは双方に極板合剤層に対して、膜強度を保持する結着
剤と電解液保持能力を有する結着剤を合わせて1〜8重
量%有し、注液後の電池を45〜100℃の範囲で加熱
することで、より良好な高負荷放電特性とサイクル特性
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池とその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の各種電気、電子機器の小型、軽量
化に伴い、その駆動電源としての二次電池にも小型、軽
量化が望まれている。特に高エネルギー密度を有してい
るリチウム二次電池は、小型携帯機器用の電源として有
望視されている。これら小型機器は比較的消費電流が大
きいものが多いため、電池は高負荷に耐えられることが
求められている。
【0003】高負荷放電特性が良好な電池を提供するた
めに、特開平4−249860号公報に記載されている
ように電池構成材料である極板を薄膜大面積化した構造
が実用化されている。このような薄い電極を作製するた
めに材料粉末を溶剤に分散させた合剤ペーストを集電体
である金属箔に塗布する方法が用いられている。特開平
4−249860号公報や特開平9−2598090号
公報では集電体への活物質の接着性や可塑性を向上する
ために結着剤として主にポリフッ化ビニリデンやフッ素
系ポリマーが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、結着剤の機
能が接着性のみの場合、極板には電解液保機能がないた
め、高負荷放電時に活物質界面付近のLiイオンの拡散
が悪くなり、十分な容量が確保できない、といった問題
が生じる。
【0005】また、特開平11−67274号公報で
は、サイクル特性の向上を目的として、結着剤に膜強度
を有するポリマー鎖と電解液保持機能を有するポリマー
鎖を併せ持つコポリマーを用いた電池を提案している。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかしながら、このコポ
リマーは、膜強度を有するポリマーと電解液保持機能を
有するポリマーが同一分子内で隣接しているため、充放
電サイクルを重ねる毎に電解液保持機能を有するポリマ
ーが膨潤し、それに伴い膜強度を有するポリマーの接着
強度が弱くなり、十分なサイクル寿命特性が得られなか
った。
【0007】本発明はこのような課題を解決するもので
あり、極板に添加する結着剤の改良により電池の高負荷
放電特性、サイクル寿命特性の向上を目的とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の非水電解液二次電池は、
リチウムを可逆的に吸蔵、放出可能な材料を主構成材料
とし、結着剤を含む合剤層を備えた正、負極板に、電解
液を保持させて構成した電池であって、前記結着剤は合
剤層強度を保持する結着剤と電解液保持能力を有する結
着剤の2種類からなり、前記両結着剤は異種分子からな
るとともに両結着剤を合わせて合剤中で1〜8重量%添
加するものである。
【0009】また、上記構成の電池を45〜100℃の
範囲で30分以上加熱することにより、電解液保持能力
を有する結着剤の電解液保持量を安定化させることがで
きる。
【0010】正極に用いられるリチウムを吸蔵、放出可
能な材料としては、特に限定されないが、例えば、コバ
ルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム
(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn
24、LiMnO2)、鉄酸リチウム(LiFeO2)や
それらの遷移金属(Co、Ni、Mn、Fe)の一部を
他の遷移金属、錫(Sn)、アルミニウム(Al)等で
置換したもの、酸化バナジウム(V25)、二酸化マン
ガン(MnO2)、酸化モリブデン(MoO2、Mo
3)等の遷移金属酸化物や硫化チタン(TiS2)、硫
化モリブデン(MoS2、MoS3)、硫化鉄(Fe
2)などの遷移金属硫化物やポリアニリン、ポリピロ
ール、ポリチオフェン等のポリマー類等が用いられる。
【0011】負極に用いられるリチウムを吸蔵、放出可
能な材料としては、特に限定されないが、例えば、アル
カリ金属や、リチウムイオンやナトリウムイオンを用い
そのホスト材として、非晶質炭素材、2000℃以上の
温度で焼成した人造黒鉛、天然黒鉛などの炭素材料やア
ルカリ金属と合金化するアルミニウム(Al)、鉛(P
b)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、シリコン(S
i)などの金属やアルカリ金属格子間挿入型の立方晶系
の金属間化合物(AlSb、Mg2Si、NiSi2)や
リチウム窒素化合物(Li(3-x)xN(M:遷移金
属))等が用いられる。
【0012】上記セパレータは、特に限定されないが、
融点以上の高温で樹脂が溶解して細孔を塞ぐ、いわゆる
シャットダウン機構を有しているポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどの炭化水素系ポリオレフィン樹脂の多孔膜
が望ましい。また、本発明は、いわゆるゲル電解質と呼
ばれる含電解液性の高分子ポリマー電解質電池にも適用
できる。
【0013】上記膜強度を保持する結着剤は特に限定さ
れないが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビ
ニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレンのい
ずれか1種以上であることが望ましい。
【0014】上記電解液保持能力を有する結着剤は特に
限定されないが、ポリエチレングリコール、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリ
ル酸エステル、ポリアクリロニトリル、フッ化ビニリデ
ン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素ゴ
ムのいずれか1種以上であることが望ましい。
【0015】また、電解液保持能力を有する結着剤に十
分に電解液を保持させるため、注液後、45〜100℃
の範囲で加熱することが望ましい。45℃未満の温度で
は、電解液保持能力を有する結着剤に十分に電解液を保
持することができない。また、炭化水素系ポリオレフィ
ンセパレータの融点が110℃〜150℃の範囲にある
ため、注液後の電池を100℃より高い温度で加熱する
のは望ましくない。
【0016】この際の加熱時間は、30分以上が望まし
い。好ましくは30分〜24時間、より好ましくは1時
間〜12時間である。
【0017】
【実施例】以下、本発明の具体例を説明する。
【0018】図1に本発明の円筒型電池の断面図を示
す。図において、1は耐有機電解液性のステンレス鋼板
を加工した電池ケース、2は安全弁を設けた封口板、3
は絶縁パッキングを示す。4は極板群であり、5の正極
及び6の負極を7のセパレータを介して複数回渦巻状に
巻回されてケース1内に収納されている。そして上記正
極からは正極リード5aが引き出されて封口板2に接続
され、負極からは負極リード6aが引き出されて電池ケ
ース1の底部に接続されている。8は絶縁リングで極板
群4の上下部にそれぞれ設けられている。
【0019】(実施例1)正極は、LiCoO2の粉末
100重量部に対してアセチレンブラック3重量部を混
合し、ポリフッ化ビニリデン3重量部とポリエチレンオ
キサイド4重量部を溶解したN−メチルピロリドン溶液
を結着剤として加え、混練してペースト状にした。次に
このペーストを厚さ0.020mmのアルミニウム箔の
両面に塗着し、乾燥後、圧延して、厚さ0.18mmの
正極板5とした。
【0020】負極は人造黒鉛粉末100重量部にポリフ
ッ化ビニリデン2重量部とポリエチレンオキサイド2重
量部を溶解したN-メチルピロリドン溶液を結着剤とし
て加え、混練してペースト状にした。このペーストを厚
さ0.02mmの銅箔の両面に塗着し、乾燥後圧延して
厚さ0.19mmの負極板6とした。
【0021】そして正極板5にはアルミニウム製、負極
板6にはニッケル製のリードをそれぞれ取り付け、厚さ
0.025mmのポリエチレン製多孔質フィルムを介し
て渦巻状に巻回し、直径18.0mm、高さ65.0m
mの電池ケースに収納した。
【0022】電解液にはエチレンカーボネートとエチル
メチルカーボネートとを20:80の体積比で混合した
溶媒に電解液として1モル/lの六フッ化リン酸リチウ
ムを溶解したものを注液した。そして電池を封口し60
℃で1時間加熱した。以上のように設計容量1600m
Ahの電池を作製した。このようにして作製した電池を
実施例1とした。
【0023】(実施例2)負極に添加する結着剤を、ポ
リフッ化ビニリデン0.5重量部とポリエチレンオキサ
イド0.5重量部とした以外は、実施例1と同様の電池
を作製し、これを実施例2とした。
【0024】(実施例3)負極に添加する結着剤を、ポ
リフッ化ビニリデン3重量部とポリエチレンオキサイド
5重量部とした以外は、実施例1と同様の電池を作製
し、これを実施例3とした。
【0025】(実施例4)正極に添加する結着剤を、ポ
リフッ化ビニリデン0.5重量部とポリエチレンオキサ
イド0.5重量部とした以外は、実施例1と同様の電池
を作製し、これを実施例4とした。
【0026】(実施例5)正極に添加する結着剤を、ポ
リフッ化ビニリデン3重量部とポリエチレンオキサイド
5重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で電池を
作製し、これを実施例5とした。
【0027】(実施例6)実施例1と同様の方法で作製
した電池を、封口後に45℃で1時間加熱して充放電試
験を行った。これを実施例6とした。
【0028】(実施例7)実施例1と同様の方法で作製
した電池を、封口後に100℃で0.5時間加熱して充
放電試験を行った。これを実施例7とした。
【0029】(実施例8)実施例1と同様の方法で作製
した電池を、加熱することなく充放電試験を行った。こ
れを実施例8とした。
【0030】(実施例9)実施例1と同様の方法で作製
した電池を40℃で1時間加熱して充放電試験を行っ
た。これを実施例9とした。
【0031】(実施例10)実施例1と同様の方法で作
製した電池を60℃で0.45時間加熱した。これを実
施例10とした。
【0032】(比較例1)正、負極を以下の手順で作製
した。
【0033】正極は、LiCoO2の粉末100重量部
に対してアセチレンブラック3重量部を混合し、ポリフ
ッ化ビニリデン0.4重量部とポリエチレンオキサイド
0.4重量部を溶解したN−メチルピロリドン溶液を結
着剤として加え、混練してペースト状にして、このペー
ストを厚さ0.020mmのアルミニウム箔の両面に塗
着し、乾燥後、圧延して、厚さ0.18mmの正極板と
した。
【0034】負極は、まず、人造黒鉛粉末100重量部
にポリフッ化ビニリデン0.4重量部とポリエチレンオ
キサイド0.4重量部を溶解したN−メチルピロリドン
溶液を結着剤として加え、混練してペースト状にした。
このペーストを厚さ0.02mmの銅箔の両面に塗着
し、乾燥後圧延して厚さ0.19mmの負極板とした。
【0035】これを用いて実施例1と同様の方法で電池
を作製しようと試みたが、ポリエチレン製多孔質フィル
ムのセパレータを介して渦巻状に巻回する際に正極板、
負極板共に合剤層が剥がれ落ち、電池での評価は不可能
であった。これを比較例1とした。
【0036】(比較例2)正極用結着剤をポリフッ化ビ
ニリデン3重量部とポリエチレンオキサイド6重量部と
し、負極用結着剤をポリフッ化ビニリデン3重量部とポ
リエチレンオキサイド6重量部とした以外は、比較例1
と同様の電池を作製し、これを比較例2とした。
【0037】(比較例3)正極用結着剤をポリフッ化ビ
ニリデン7重量部とし、負極用結着剤をポリフッ化ビニ
リデン4重量部とした以外は、比較例1と同様の電池を
作製し、これを比較例3とした。
【0038】(比較例4)正極用結着剤をポリエチレン
オキサイド7重量部とし、負極用結着剤をポリエチレン
オキサイド4重量部とした以外は、比較例1と同様の電
池を作製し、これを比較例4とした。
【0039】上記の各電池について以下の条件で充放電
試験を行った。
【0040】充電は4.2Vで2時間の定電流−定電圧
充電を行った。電池電圧が4.2Vに達するまでは11
20mAの定電流充電を行い、その後、電流値が減衰し
て一定の制限抵抗を設定し、4.2Vを負荷した状態で
合計2時間充電する。放電は1600mAの定電流放電
で行い、放電終止電圧を3.0Vとした。このような充
放電を20℃の環境下で行った。
【0041】サイクル試験においては、5サイクル目の
放電容量を初期容量とし、初期容量に対する500サイ
クル目の放電容量の比を500サイクルでの容量維持率
とする。また、3サイクル目の放電のみ3200mAの
定電流放電で行い、放電終止電圧を3.0Vとしたとき
の容量を高負荷放電容量とした。
【0042】これらの結果を(表1)に示す。
【0043】
【表1】
【0044】実施例1〜5より、極板合剤中の合剤層強
度を保持する結着剤と電解液保持能力を有する結着剤の
総量が1〜8重量%の範囲では高負荷放電容量、500
サイクルでの容量維持率共にほぼ同じであることがわか
る。
【0045】実施例1〜7と実施例8〜10より、注液
後の電池を加熱しない、もしくは45℃未満で加熱す
る、もしくは30分未満の時間で加熱した場合、高負荷
放電容量が小さくなっていることがわかる。これは、4
5℃未満の温度、もしくは30分未満の時間で加熱して
も極板合剤中の電解液保持能力を有する結着剤に十分に
電解液が保持されないため、活物質界面付近のLiイオ
ンの拡散が悪くなるからと考えられる。
【0046】比較例1では、電池が作製できなかった
が、これは、極板中の総結着剤量が少なかったために合
剤層が集電体金属であるアルミニウム箔や銅箔に十分に
接着できなかったためと考えられる。
【0047】また、実施例1〜3と比較例2から、極板
合剤中の電解液保持能力を有する結着剤と合剤層強度を
保持する結着剤の総量が8%より多いと、初期放電容量
が小さくなり、高負荷放電容量も小さくなることがわか
る。初期放電容量が小さくなるのは、極板合剤中の結着
剤総量が増加するに従い、合剤中のリチウムを吸蔵、放
出する主材料の量が減少するためである。また、高負荷
放電容量が小さくなるのは、余剰の結着剤が前記主材料
の表面を被覆するため充放電時のLiイオンの拡散を妨
げるからであると考えられる。
【0048】また、実施例1と比較例3より、極板合剤
中の結着剤として合剤層強度を保持する機能を有する結
着剤のみを用いて電池を作成すると、高負荷放電容量が
小さくなることがわかる。これは、極板が電解液保持機
能を持たないため、活物質界面付近のLiイオンの拡散
が悪くなるからと考えられる。
【0049】実施例1と比較例4より、極板合剤中の結
着剤として電解液保持能力を有する結着剤のみを用いて
電池を作成すると、500サイクルでの容量維持率が低
くなることがわかる。これは、電解液保持能力を有する
結着剤のみでは合剤層強度を維持できないため、充放電
サイクルを重ねる毎に膨潤し、合剤層が集電体金属であ
るアルミニウム箔や銅箔から部分的に遊離し、集電効率
が低下していくからと考えられる。
【0050】以上のことから、正極板もしくは負極板の
いずれか、もしくは両極板の合剤層に対して、合剤層強
度を保持する結着剤と電解液保持能力を有する結着剤を
合わせて1〜8重量%含有させることで、高負荷放電と
サイクル特性の優れた非水電解液二次電池を提供でき
る。また、注液後の電池を45〜100℃の範囲で30
分以上加熱することで、より良好な高負荷放電特性が得
られることがわかる。
【0051】なお、本発明は実施例に限定されるもので
はなく、上記実施例では正極にコバルト酸リチウム(L
iCoO2)を用いたが、他の正極活物質、例えば、ニ
ッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウ
ム(LiMn24、LiMnO2)、鉄酸リチウム(L
iFeO2)やそれらの遷移金属(Co、Ni、Mn、
Fe)の一部を他の遷移金属、錫(Sn)、アルミニウ
ム(Al)等で置換したもの、酸化バナジウム(V
25)、二酸化マンガン(MnO2)、酸化モリブデン
(MoO2、MoO3)等の遷移金属酸化物や硫化チタン
(TiS2)、硫化モリブデン(MoS2、MoS3)、
硫化鉄(FeS2)などの遷移金属硫化物やポリアニリ
ン、ポリピロール、ポリチオフェン等のポリマー類等で
も同様の効果が得られる。
【0052】上記実施例において、負極に人造黒鉛を用
いたが、他の負極材料、例えば、アルカリ金属や、リチ
ウムイオンやナトリウムイオンを用いそのホスト材とし
て、非晶質炭素材、2000℃以上の温度で焼成した人
造黒鉛、天然黒鉛などの炭素材料やアルカリ金属と合金
化するアルミニウム(Al)、鉛(Pb)、錫(S
n)、ビスマス(Bi)、シリコン(Si)などの金属
やアルカリ金属格子間挿入型の立方晶系の金属間化合物
(AlSb、Mg2Si、NiSi2)やリチウム窒素化
合物(Li(3-x)xN(M:遷移金属))等でも同様の
効果が得られる。
【0053】また、上記実施例において、セパレータと
してポリエチレン製多孔質フィルムを用いたが、他に
も、例えば、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体や
ポリプロピレンなどの炭化水素系ポリオレフィン樹脂、
いわゆるゲル電解質と呼ばれる含電解液性の高分子ポリ
マー電解質等でも同様の効果が得られる。
【0054】上記実施例において、合剤層強度を保持す
る結着剤としてポリフッ化ビニリデンを用いたが、他の
合剤層強度を保持する結着剤、例えばポリテトラフルオ
ロエチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレンな
どいずれか1種以上であっても、同様の効果が得られ
る。
【0055】上記実施例において、電解液保持能力を有
する結着剤としてポリエチレンオキサイドを用いたが、
他にも例えば、ポリエチレングリコール、ポリアクリル
酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロ
ニトリル、フッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体などのフッ素ゴムのいずれか1種以上であっ
ても同様の効果が得られる。
【0056】また、上記実施例において電解質として六
フッ化リン酸リチウムを使用したが、他のリチウム含有
塩、例えば過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウ
ム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、六フッ化
ヒ酸リチウム、リチウムイミド塩、また、テトラアルキ
ルアンモニウム塩なども同様の効果が得られた。また、
上記実施例において非水溶媒としてエチレンカーボネー
トとメチルエチルカーボネートの混合溶媒を用いたが、
一般に非水電解液で用いられている他の有機溶媒、例え
ばプロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビ
ニレンカーボネート等の環状炭酸エステルや、ジメチル
カーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状炭酸エス
テル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−
バレロラクトン等のラクトン類又はその誘導体、テトラ
ヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のフラ
ン類又はその誘導体、1,2−ジメトキシエタン、1,
2−ジエトキシエタン等のエーテル類、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド
類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のア
ルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メ
チル、プロピオン酸エチル等のエステル類、リン酸類ま
たはリン酸エステル類、ジメチルスルホキシド、スルホ
ランまたはその誘導体、ジオキソランまたはその誘導
体、等を一種又は二種以上混合したものや、これらに低
温放電特性や高率放電特性を改良する目的、電解液を難
燃性又は不燃性にする目的、高温での保存特性を向上す
る目的、サイクル特性を向上する目的、その他電池の安
全性や信頼性を向上する目的等で他の化合物を添加した
ものでも同様の効果が得られる。
【0057】また、上記実施例では注液、封口後に電池
を加熱したが、封口後、充放電を数サイクル繰り返した
後に電池を加熱しても同様の効果が得られる。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明は、正極板もしくは
負極板のいずれか、もしくは両極板の合剤層に対して、
合剤層強度を保持する結着剤と電解液保持能力を有する
結着剤を合わせて1〜8重量%含有させることで、高負
荷放電とサイクル特性の優れた非水電解液二次電池を提
供できる。また、注液後の電池を45〜100℃の範囲
で加熱することで、より良好な高負荷放電特性が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒型電池の断面図
【符号の説明】
1 電池ケース 2 封口板 3 絶縁パッキング 4 極板群 5 正極板 5a 正極リード 6 負極板 6a 負極リード 7 セパレータ 8 絶縁リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 豊次 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ05 AK02 AK03 AK05 AK16 AL01 AL06 AL07 AL11 AL12 AM02 AM03 AM04 AM05 AM06 AM07 BJ02 BJ14 CJ02 CJ13 CJ28 DJ08 EJ12 EJ14 HJ00 HJ01 HJ14 5H050 AA02 AA07 BA17 CA05 CA08 CA09 CA11 CA21 CA22 CB01 CB08 CB11 CB12 DA11 EA23 EA24 EA28 GA02 GA27 HA01 HA14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムを可逆的に吸蔵、放出可能な材
    料を主構成材料とし、結着剤を含む合剤層を備えた正、
    負極板に、電解液を保持させて構成した電池であって、
    前記結着剤として合剤層強度を保持する結着剤と電解液
    保持能力を有する結着剤を用い、前記両結着剤は異種分
    子からなるとともに両結着剤を合わせて合剤中で1〜8
    重量%添加する非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 リチウムを可逆的に吸蔵、放出可能な材
    料を主構成材料とし、結着剤を含む合剤層を備えた正、
    負極板に、電解液を保持させて構成する非水電解液二次
    電池の製造法であって、前記結着剤として合剤層強度を
    保持する結着剤と電解液保持能力を有する結着剤を用
    い、前記両結着剤は異種分子からなるとともに両結着剤
    を合わせて合剤中で1〜8重量%添加し、電解液注液後
    の電池を45〜100℃の範囲で30分以上加熱する非
    水電解液二次電池の製造法。
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