JP2001263441A - ベルト式無段変速機 - Google Patents

ベルト式無段変速機

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JP2001263441A
JP2001263441A JP2000075055A JP2000075055A JP2001263441A JP 2001263441 A JP2001263441 A JP 2001263441A JP 2000075055 A JP2000075055 A JP 2000075055A JP 2000075055 A JP2000075055 A JP 2000075055A JP 2001263441 A JP2001263441 A JP 2001263441A
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cam
pulley
transmission
driven
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JP2000075055A
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Hirobumi Miyata
博文 宮田
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速プーリからなる駆動及び従動プーリ間に
ベルトを巻き掛けて、各プーリの可動シーブを固定シー
ブに接離させて変速するベルト式無段変速機Aの効率を
高め、変速機Aを小トルクエンジンと組み合せて高速走
行型の車両に搭載可能とするとともに、変速機Aのコン
パクト化を図る。 【解決手段】 駆動及び従動プーリ4,9の固定シーブ
5,10及び可動シーブ6,11を互いに同じ向きにな
るように配置し、その各可動シーブ6,11をそれぞれ
連動機構45により連動するカム機構22,32により
駆動するようにし、両プーリ4,9に巻き掛けるベルト
を、側面の角度が互いに異なる偏角ベルト14とする。
スリップにより摩耗し易くてその摩耗により変速機Aの
速比が不安定になり易い特性を有する偏角ベルト14を
使用しても、その偏角ベルト14のスリップによる摩耗
自体を生じ難くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベルト式無段変速
機に関し、特に、Vベルトの左右側面の角度が互いに異
なる偏角ベルトを用いたものに関する技術分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、Vベルトの一種として、ベル
ト側面の双方の傾斜角度が互いに異なる偏角ベルトは知
られており(例えば特開昭47―13360号や特開昭
62―204032号の各公報参照)、この偏角ベルト
をベルト式無段変速機に用いる技術も従来から公知であ
る(例えば米国特許第3365967号、第36009
61号、第3623377号、第3628389号、第
3811331号、第4016771号参照)。
【0003】また、上記ベルト式無段変速機の一例とし
て、互いに平行に配置された1対の回転軸の各々に、該
回転軸に対して回転一体にかつ摺動不能に固定された固
定シーブと、回転軸に固定シーブとの間にV字状のベル
ト溝を形成するように対向配置されて回転一体にかつ摺
動可能に支持された可動シーブとからなる変速プーリ
を、それらの可動シーブの固定シーブに対向する方向が
両回転軸で互いに異なるように設けるとともに、これら
両変速プーリのベルト溝間にVベルト(両側面の傾斜角
度が互いに同じ通常のもの)を巻き掛け、各変速プーリ
における可動シーブの背面側にそれぞれカム機構を設け
て、その両カム機構の回動カム同士をリンクにより連結
し、各変速プーリにおける可動シーブを軸方向に移動さ
せて両変速プーリを連係して互いに逆方向に開閉するこ
とによって、Vベルトに対する有効半径を可変として回
転軸間の速比を変えるようにしたものも知られている
(例えば特開平3―79845号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に、通常のVベルトを用いるとともに、両変速プーリの
可動シーブ背面側にカム機構を設けて、それらの回動カ
ムにより両可動シーブを互いに連動させるタイプのベル
ト式無段変速機においては、例えば農業機械等、高い走
行速度が要求されない車両に装備する場合には問題はな
いが、例えばゴルフカートやバイク等、要求される走行
速度が高くなると、以下に説明する問題が生じる。
【0005】すなわち、上記のように車両の走行速度が
高い場合、変速機における変速幅(速比の範囲)を大き
くする必要があるが、それに伴ってベルト幅の大きいV
ベルトを要する。しかし、Vベルトのアスペクト比(ベ
ルト幅及び厚さの関係)を略一定とする関係から、その
ベルト幅の増大に応じてベルト厚さも増大することとな
り、ベルトが曲がり難くなって曲げロスが増大し、変速
機の効率が低下する。そして、本来の出力トルクが小さ
い小トルクエンジンでは、上記ベルトの曲げロスにより
エンジンの出力トルクが大きく消費されるようになり、
変速機を小トルクエンジンと組み合せて高速走行型の車
両に搭載するのが困難となる。
【0006】また、上記ベルト式変速機の変速幅の増大
により、その変速プーリにおける可動シーブの移動距離
も増大するので、変速機をコンパクト化するのに限度が
ある。
【0007】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主たる目的は、上記ベルト式無段変速機の
構造を改良することで、この無段変速機の効率を高め、
変速機を小トルクエンジンと組み合せて高速走行型の車
両に搭載可能とするとともに、変速機のコンパクト化を
図ることができるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的の達成のた
め、この発明では、両変速プーリのカム機構の回動カム
により両可動シーブを互いに連動させるタイプのベルト
式無段変速機に用いられるベルトを、従来のような通常
一般のVベルトではなくて偏角ベルトを用いるようにし
た。
【0009】具体的には、請求項1の発明では、互いに
平行に配置された駆動及び従動回転軸と、これら両回転
軸にそれぞれ固定シーブ及び可動シーブが互いに同じ向
きになるように配置支持された変速プーリからなる駆動
及び従動プーリと、これら両プーリ間に巻き掛けられ、
側面の角度が互いに異なる偏角ベルトと、上記各プーリ
の可動シーブ背面側に配設され、その可動シーブに相対
回転可能に連結された回動カム及び該回動カムにカム接
触する固定カムを有し、回動カム又は固定カムの一方
に、所定の傾斜角度で傾斜する変速カム面が形成されて
いる一方、他方には上記変速カム面に接触する接触部が
設けられていて、回動及び固定カムの相対回動により、
可動シーブを相対向する固定シーブに対し接離させて各
プーリのベルト巻付け径を変化させる駆動側及び従動側
カム機構と、上記両プーリのベルト巻付け径が互いに逆
方向に変化するように両カム機構を連動させて両プーリ
間のプーリ比を変化させる連動機構と、上記両プーリ間
のベルトスパンのうちの緩み側スパンを、該緩み側スパ
ンにプーリ間のプーリ比に対応して発生する張力よりも
大きい張力となるようにテンションプーリにより押圧す
るテンション機構とを備え、両プーリの可動シーブに対
しベルトが回転軸の軸方向へ上記連動機構及びカム機構
を介して押圧し合って、その両押圧力間の差の操作力に
より駆動及び従動回転軸間の回転が変速されるように構
成する。
【0010】上記の構成により、駆動側又は従動側カム
機構の一方を作動させ、その回動及び固定カムの相対回
転により変速用カム面上を接触部が移動して、駆動又は
従動プーリの一方の可動シーブを軸方向に移動させる
と、それに伴い連動機構を介して他方のカム機構も作動
して、その回動及び固定カムの相対回転によりカム面上
を接触部が移動し、他方のプーリの可動シーブが上記一
方のプーリにおける可動シーブの固定シーブに対する接
離動作とは逆の動作でもって移動し、この両可動シーブ
の逆方向の移動によって両プーリ間のプーリ比が変更さ
れる。例えば駆動側及び従動側カム機構における各カム
の変速カム面上で接触部を低速側に移動させることで、
駆動プーリでは可動シーブが固定シーブから離隔し、か
つ従動プーリでは可動シーブが固定シーブに接近して、
変速機は駆動回転軸の回転を減速して従動回転軸に伝達
する低速状態となる。逆に各カムの変速カム面上で接触
部を高速側に移動させることで、変速機が駆動回転軸の
回転を増速して従動回転軸に伝達する高速状態となる。
【0011】このとき、上記各カム機構は、各プーリの
固定及び可動シーブが軸方向に対し互いに同じ側に位置
するように配置されて、その各可動シーブを背面側から
それぞれ相対する固定シーブに対し接離させるものであ
り、この両カム機構が連動機構により連係されているた
め、両プーリへのベルトからの押圧力は互いに相殺し合
い、その残りが変速操作力となる。
【0012】すなわち、一般に、ベルトに作用する初張
力は、駆動プーリに入力される回転トルクにより張り側
及び緩み側張力に分れ、この両張力の差により駆動プー
リから従動プーリに動力伝達が行われるが、各プーリに
おいてベルトを押圧する力は、プーリが回転しない静的
状態、或いは回転していても伝動負荷の小さい軽負荷状
態では略同じとなる。これに対し、伝動負荷が大きくな
ると、ベルトにおける張力分布の変化により、駆動プー
リ側のベルト押圧力が常に従動プーリ側のベルト押圧力
よりも大きくなり、両押圧力に差が生じる。そして、こ
の発明では、各プーリの可動シーブの背面側にカム機構
が配置され、これらはいずれも回動及び固定カム間の相
対回転により可動シーブを軸方向に移動させるものであ
るため、両プーリに発生するベルト押圧力は互いに相殺
され、両押圧力の差よりも大きな外力を与えることで、
変速操作することができる。従って、このように変速操
作力は、両プーリに発生するベルト押圧力の差を越えた
操作力でよいので、軽負荷時には勿論のこと高負荷時で
あっても変速操作力を大幅に軽減することができる。
【0013】しかも、そのとき、一方のプーリに発生す
るベルト押圧力を他方のプーリでのベルト押圧力として
伝達するのを、各プーリの可動シーブ背面側に配置した
カム機構で行っているので、各プーリのベルト押圧力を
効率よく該カム機構の両カムを相対回転させるためのト
ルクに転換でき、また、その間の動力伝達経路が短くて
摺動抵抗が極めて小さくなり、変速操作力をより一層軽
減することができる。
【0014】また、上記ベルトは、側面の角度が互いに
異なる偏角ベルトであるので、側面の角度が互いに同じ
である通常のVベルトに比べ、同じ変速幅で変速する場
合にベルト幅が狭くて済み、その分、ベルトの厚さを薄
くして曲げロスを低減することができる。このため、無
段変速機の効率を高めることができ、変速機を小トルク
エンジンと組み合せて高速走行型の車両に搭載すること
ができる。
【0015】また、ベルト式変速機の変速幅を増大させ
ても、変速プーリにおける可動シーブの移動距離も小さ
くでき、変速機のコンパクト化を図ることができる。
【0016】さらに、上記のように、駆動及び従動プー
リの各々にカム機構が設けられ、これらのカム機構が連
動機構により連結され、ベルト張力はテンション機構に
より付与されているので、伝動トルクが急激に変化する
衝撃トルクが入力されてもベルトがプーリに対しスリッ
プし難くなる。このため、一般に、上記偏角ベルトはス
リップにより摩耗し易く、その摩耗により変速機の速比
が変化して不安定になり易い特性を有しているが、その
ような特性の偏角ベルトを使用しているにも拘わらず、
偏角ベルトのスリップによる摩耗そのものが生じ難くな
り、変速機における速比の長期間に亘る安定化や、ベル
ト及び変速機の耐久性の向上及び高寿命化を図ることが
できる。
【0017】請求項2の発明では、上記駆動側及び従動
側カム機構の各固定カムは、変速機ケーシングに一体的
に設けられている構造とする。このことで、例えばその
固定カムを回転軸上等にベアリングを介して追従回転不
能に支持する構造と比較して、その支持用ベアリングを
不要とすることができ、その分、ベアリング数を下げて
ベアリングによる機械ロスを低減でき、変速機の変速効
率の向上を図ることができる。
【0018】請求項3の発明では、上記偏角ベルトの可
動シーブ側側面が回転軸と直交する平面となす角度を、
固定シーブ側側面の角度よりも大きくする。また、請求
項4の発明では、上記偏角ベルトの可動シーブ側側面が
回転軸と直交する平面となす角度を13°とし、固定シ
ーブ側側面が回転軸と直交する平面となす角度を3°と
する。こうすると、本発明の効果が有効に発揮される最
適な偏角ベルトが得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図1及び図2は本
発明の実施形態1に係るベルト式無段変速機Aを示し、
この変速機Aは、ゴルフカートやバイク等の車両におい
て車載エンジンの動力を駆動車輪(いずれも図示せず)
に伝達するための動力伝達経路に配設されている。
【0020】図1及び図2において、1は上記車載エン
ジンに駆動連結された駆動回転軸、2は駆動車輪に駆動
連結された従動回転軸で、これら両回転軸1,2は互い
に平行に配置されて図外の変速機ケーシングに回転可能
に支持されている。
【0021】上記駆動回転軸1上には変速プーリからな
る駆動プーリ4が配置されている。この駆動プーリ4
は、駆動回転軸1上に回転一体にかつ摺動不能に円筒状
のボス部5aにて結合されたフランジ状の固定シーブ5
と、この固定シーブ5のボス部5a(駆動回転軸1)上
に固定シーブ5に対向するようにボス部6aにて摺動可
能にかつ相対回転可能に支持されたフランジ状の可動シ
ーブ6とからなり、これら両シーブ5,6間にベルト溝
7が形成されている。
【0022】一方、従動回転軸2には上記駆動プーリ4
と同径の変速プーリからなる従動プーリ9が設けられて
いる。この従動プーリ9は、駆動プーリ4と同様の構成
であり、従動回転軸2上に回転可能にかつ摺動不能に円
筒状ボス部10aにて支持されたフランジ状の固定シー
ブ10と、この固定シーブ10のボス部10a(従動回
転軸2)上に、固定シーブ10に対し上記駆動プーリ4
における固定シーブ5に対する可動シーブ6の対向方向
と同じ方向でもって対向するようにボス部11aにて摺
動可能にかつ相対回転可能に結合されたフランジ状の可
動シーブ11とからなり、これら両シーブ10,11間
にベルト溝12が形成されている。
【0023】さらに、上記駆動プーリ4のベルト溝7と
従動プーリ9のベルト溝12との間に偏角ベルト14が
巻き掛けられている。すなわち、図3に示すように、上
記偏角ベルト14の両側面14a,14bのうちの可動
シーブ側側面14aが回転軸1,2と直交する平面とな
す傾斜角度θ1は、固定シーブ側側面14bがなす傾斜
角度θ2よりも大きく(θ1>θ2)、例えば前者の可
動シーブ側側面14aの傾斜角度θ1はθ1=13°
に、また後者の固定シーブ側側面14bの傾斜角度θ2
はθ2=3°にそれぞれ設定されている。
【0024】また、このような偏角ベルト14の両側面
14a,14bの傾斜角度θ1,θ2に対応して、各プ
ーリ4,9のベルト溝7,12における可動シーブ6,
11側及び固定シーブ5,10側の各側面の傾斜角度も
設定され、その可動シーブ6,11側の傾斜角度は上記
ベルト14の可動シーブ側側面14aの傾斜角度θ1=
13°に、また固定シーブ5,10側の傾斜角度は固定
シーブ側側面14bの傾斜角度θ2=3°にそれぞれ設
定されている。
【0025】そして、両プーリ4,9の各可動シーブ
6,11をそれぞれ固定シーブ5,10に対して接離さ
せて各プーリ4,9のベルト巻付け径を変更し、例えば
駆動プーリ4の可動シーブ6を固定シーブ5に接近さ
せ、かつ従動プーリ9の可動シーブ11を固定シーブ1
0から離隔させたときには、駆動プーリ4のベルト巻付
け径を従動プーリ9よりも大きくすることにより、駆動
回転軸1の回転を従動回転軸2(詳しくは従動プーリ
9)に増速して伝達する高速状態とする。一方、逆に、
駆動プーリ4の可動シーブ6を固定シーブ5から離隔さ
せ、かつ従動プーリ9の可動シーブ11を固定シーブ1
0に接近させたときには、駆動プーリ4のベルト巻付け
径を小にし、従動プーリ9のベルト巻付け径を大きくす
ることにより、駆動回転軸1の回転を減速して従動回転
軸2(従動プーリ9)に伝える低速状態とするようにな
されている。
【0026】また、上記駆動及び従動プーリ4,9間に
張られた偏角ベルト14の1対のスパンのうちの緩み側
スパン15をその外面から内方に押圧してベルト14に
張力を与えることでベルト押圧力を発生するテンション
機構17が設けられている。このテンション機構17
は、例えば変速機ケーシングに従動回転軸2と同心に設
けた支持部(図示せず)に基端部が揺動可能に支持され
たテンションアーム18を有し、このテンションアーム
18の先端部には駆動及び従動回転軸1,2と平行に後
方に延びるテンション軸19が一体に固定され、このテ
ンション軸19の先端部は各プーリ4,9におけるベル
ト溝7,12に対応して位置し、この先端部には、偏角
ベルト14の緩み側スパン15を外面から押圧可能なテ
ンションプーリ20が回転自在に支持されている。この
テンションプーリ20の位置は、変速に伴う偏角ベルト
14の軸方向の移動に拘らず、常にテンションプーリ2
0がベルト14外面の一部に接触してそれを押圧可能な
位置に設定されている。
【0027】上記テンションアーム18は、図外のテン
ションスプリングのばね力により図2で反時計回り方向
に回動付勢されており、このテンションアーム18の回
動付勢によりテンションプーリ20に偏角ベルト14の
緩み側スパン15外面を押圧させる。そして、上記テン
ションスプリングによるテンションアーム18の回動付
勢力は、テンションプーリ20がベルト14の緩み側ス
パン15を該緩み側スパン15に発生するベルト14の
最大張力よりも大きいベルト張力となるように押圧する
大きさに設定されており、このベルト張力によりベルト
押圧力を発生させるようにしている。
【0028】上記駆動回転軸1上には駆動プーリ4にお
ける可動シーブ6の背面側(図1では左側)に、該可動
シーブ6を固定シーブ5に対して接離させるための駆動
側カム機構22が設けられている。このカム機構22は
回動カム23を備え、該回動カム23は、可動シーブ6
のボス部6a上にベアリング24を介して駆動回転軸1
回りに相対回転可能にかつ軸方向に移動一体に外嵌合支
持されている。回動カム23の駆動プーリ4と反対側端
面には、上記ベアリング24よりも半径方向外側でかつ
円周方向に等角度間隔(180°間隔)をあけた上下位
置にそれぞれ所定角度で傾斜した1対の変速カム面2
5,25が形成されている。また、回動カム23の外周
には上記両変速カム面25,25を通る線に沿って延び
る回動レバー26(図2参照。図1では説明のために従
動回転軸2と反対側に延びるように記載している)が回
動一体に突設されている。
【0029】また、上記可動シーブ6のボス部6aにお
いて回動カム23の背面側(図1で左側)に位置する部
分にはリング状の固定カム27がベアリング28を介し
て相対回転可能に支持されている。この固定カム27の
外周部には回動カム23の各変速カム面25と対応した
位置に、該各カム面25とカム接触する接触部としての
1対のローラ29,29が配置され、この各ローラ29
は固定カム27の外周面に半径方向に延びる支持軸30
を介して回転可能に支持されている。
【0030】一方、従動回転軸2上には、従動プーリ9
における可動シーブ11の背面側(図1で左側)に、該
可動シーブ11を固定シーブ10に対して接離させるた
めの従動側カム機構32が設けられている。この従動側
カム機構32は、上記駆動側カム機構22と同様の構成
で、可動シーブ11のボス部11a上にベアリング34
を介して従動回転軸2回りに相対回転可能にかつ軸方向
に移動一体に外嵌合支持された回動カム33を有する。
この回動カム33において従動プーリ9と反対側端面で
ベアリング34よりも半径方向外側には円周方向に等角
度間隔をあけた位置に上記駆動側カム機構22の変速カ
ム面25と異なる方向に同じ角度で傾斜する変速カム面
35,35が形成されている。また、この回動カム33
の外周には、上記両変速カム面35,35を通る線に沿
った方向、つまり上記駆動側カム機構22の回動レバー
26と同じ方向に延びる回動レバー36(図1では説明
のために駆動回転軸1側に延びるように記載している)
が回動一体に突設されている。
【0031】また、上記可動シーブ11のボス部11a
において回動カム33の背面側(図1で左側)に位置す
る部分にはリング状の固定カム37がベアリング38を
介して相対回転可能に支持され、この固定カム37の外
周部には回動カム33の各変速カム面35と対応した位
置に、該各カム面35とカム接触する接触部としての1
対のローラ39,39が固定カム37の外周面に半径方
向に延びる支持軸40,40を介して回転可能に支持さ
れた状態で配置されている。
【0032】そして、上記駆動側及び従動側カム機構2
2,32における回動カム23,33外周の回動レバー
26,36の先端部同士は互いに連係して回動するよう
にリンク42により連結されている。すなわち、このリ
ンク42は略細長い直線状の棒材からなり、その両端部
がそれぞれ回動レバー26,36の先端部に回転軸1,
2と平行に延びるリンクピン43,44により揺動可能
にピン結合されている。そして、上記回動レバー26,
36、リンクピン43,44及びリンク42により連動
機構45が構成されており、この連動機構45により、
各カム機構22,32における回動カム23,33を互
いに連係して可動シーブ6,11のボス部6a,11a
回りに回動させ、その各変速カム面25,35上でそれ
ぞれ固定カム27,37のローラ29,39を転動させ
ることにより、各プーリ4,9の可動シーブ6,11を
軸方向に移動させて固定シーブ5,10に対し互いに相
反して接離させ、そのベルト溝7,12の有効半径つま
り各プーリ4,9でのベルト巻付け径を可変とし、両プ
ーリ4,9間のプーリ比つまり変速機Aの速比を変化さ
せるようにしている。
【0033】上記従動プーリ9の固定シーブ10におい
て可動シーブ11と反対側(図1で右側)の側面には、
従動回転軸2と同心状に突出するリング部47と、この
リング部47の内周面から半径方向内側に向かう円板状
ディスク部48とが一体に形成され、このディスク部4
8の両側にはそれぞれ互いに対応して配置したリング状
のクラッチパッド49,49が回転一体に接着されてい
る。
【0034】また、従動回転軸2は従動プーリ9の固定
シーブ10よりも可動シーブ11と反対側に突出し、そ
の突出部分には上記固定シーブ10側のクラッチパッド
49,49に対応する外周部を有する伝動ディスク51
がボス部51aにて回転一体にかつ軸方向に摺動可能に
支持され、この伝動ディスク51と従動プーリ9の固定
シーブ10との間には、伝動ディスク51を固定シーブ
10から離隔する方向に付勢するスプリング52が縮装
されている。
【0035】さらに、伝動ディスク51のボス部51a
において従動プーリ9と反対側端部の外周にはリング状
の従動カム53がベアリング54により従動回転軸2に
対し追従回転不能に支持され、この従動カム53の外周
にはブレーキカム受け55のボス部55aが軸方向に摺
動可能に外嵌合されている。このブレーキカム受け55
は、ボス部55aと、該ボス部55aからその直径方向
両側に延びる1対のプレート部55a,55aとからな
るもので、その一方のプレート部55aの先端部にて変
速機ケーシングに回転不能に回り止め固定されている。
また、各プレート部55aの中間部にはそれぞれ上記伝
動ディスク51に当接可能なブレーキパッド56が接着
固定されている。
【0036】また、上記従動回転軸2の突出部分の先端
部(伝動ディスク51に対し従動プーリ9と反対側端
部)上の外周には、上記従動カム53とカム接触するリ
ング状の駆動カム57がベアリング58により従動回転
軸2に対し追従回転不能に支持され、この駆動カム57
の外周にはブレーキカムアーム59が一体に突設され、
このブレーキカムアーム59は上記連動機構45のリン
ク42にロッド(図示せず)を介して連結されている。
そして、ブレーキカムアーム59を回動させて停止位
置、低速位置及び高速位置に切り換えることで、従動回
転軸2と従動プーリ9との動力伝達の断続及び速比の切
換えを行い、ブレーキカムアーム59を停止位置に位置
付けたときには、伝動ディスク51をスプリング52の
付勢力により従動プーリ9の固定シーブ10のディスク
部48のクラッチパッド49,49から離隔させてブレ
ーキカム受け55の各プレート部55aのブレーキパッ
ド56に押し付けることにより、伝動ディスク51と従
動プーリ9との間の動力伝達を遮断して伝動ディスク5
1及び従動回転軸2を停止状態に保持する。一方、ブレ
ーキカムアーム59を低速位置に位置付けたときには、
駆動カム57の従動回転軸2回りの回動により従動カム
53及びベアリング54を介して伝動ディスク51をス
プリング52の付勢力に抗して押圧して固定シーブ10
側に移動させ、この伝動ディスク51をブレーキカム受
け55の各プレート部55aのブレーキパッド56から
離隔させて固定シーブ10のディスク部48のクラッチ
パッド49,49に押し付けることにより、伝動ディス
ク51と従動プーリ9との間を動力伝達可能の接続状態
として伝動ディスク51及び従動回転軸2を回転状態に
する。そして、このブレーキカムアーム59の低速位置
から高速位置への回動操作により連動機構45のリンク
42を介して回動レバー26,36を連係して回動させ
て、両プーリ4,9間のプーリ比(変速機Aの速比)を
増速側に変化させるようにしている。
【0037】次に、上記実施形態の無段変速機Aの作動
について説明する。車載エンジンの出力軸が変速機Aの
駆動回転軸1に駆動連結され、この変速機Aの従動回転
軸2が駆動車輪に連結されているので、エンジンの回転
動力は変速機Aで変速された後に駆動車輪に伝達され
る。そして、ブレーキカムアーム59を回動操作するこ
とで、変速機Aの速比が変更され、又は変速機Aの両プ
ーリ4,9間の動力伝達が遮断されたクラッチオフ状態
に切り換えられる。
【0038】具体的には、クラッチオフ状態にして車両
を停止させるときには、ブレーキカムアーム59が停止
位置に位置付けられる。この状態では、駆動プーリ4の
可動シーブ6が固定シーブ5から離隔し、かつ従動プー
リ9の可動シーブ11が固定シーブ10に接近してい
て、駆動プーリ4のベルト巻付け径が最小に、また従動
プーリ9のベルト巻付け径が最大にそれぞれなってお
り、駆動回転軸1の回転が減速されて従動回転軸2上の
従動プーリ9に伝達される。
【0039】また、スプリング52の付勢力により伝動
ディスク51が従動プーリ9の固定シーブ10のディス
ク部48のクラッチパッド49,49から離隔してブレ
ーキカム受け55の各プレート部55aのブレーキパッ
ド56に押し付けられ、このことにより伝動ディスク5
1が停止保持され、この伝動ディスク51と一体回転す
る従動回転軸2と従動プーリ9との間の動力伝達が遮断
される。このため、その従動プーリ9が回転していても
従動回転軸2は停止状態に保持され、車両が走行しな
い。
【0040】このようなクラッチオフ状態から車両を走
行させるときには、上記ブレーキカムアーム59が回動
して低速位置に位置付けられる。このブレーキカムアー
ム59の回動に伴い、駆動カム57が従動回転軸2回り
に回動して、この駆動カム57により伝動ディスク51
が従動カム53及びベアリング54を介してスプリング
52の付勢力に抗して固定シーブ10側に移動し、この
伝動ディスク51は上記ブレーキカム受け55の各プレ
ート部55aのブレーキパッド56から離隔して固定シ
ーブ10のディスク部48のクラッチパッド49,49
に押し付けられる。このことにより、伝動ディスク51
が回転可能となるとともに、従動プーリ9と従動回転軸
2とが従動プーリ9のディスク部48、クラッチパッド
49,49及び伝動ディスク51を介して接続された状
態となり、従動回転軸2が従動プーリ9と共に一体的に
回転して車両が走行する。そのとき、駆動プーリ4のベ
ルト巻付け径が最小で、従動プーリ9のベルト巻付け径
が最大てあるので、駆動回転軸1の回転が減速されて従
動回転軸2に伝達され、車両は低い速度で走行する。
【0041】そして、この車両の低速走行状態からその
走行速度を上げるときには、エンジン回転数を上昇させ
るとともに、上記ブレーキカムアーム59が低速位置か
ら高速位置へ向けて回動操作される。このブレーキカム
アーム59には連動機構45のリンク42がロッドによ
り連結されているので、上記ブレーキカムアーム59の
低速位置から高速位置への回動によりリンク42を介し
て駆動側及び従動側カム機構22,32の各回動レバー
26,36が連係して回動し、このことで両プーリ4,
9間のプーリ比(変速機Aの速比)が増速側に無段階に
変化して、車両の走行速度が上昇する。
【0042】尚、テンション機構17のテンションアー
ム18がテンションスプリングにより図1で反時計回り
方向に回動付勢され、その先端のテンションプーリ20
がベルト14の緩み側スパン15外面を押圧し、この押
圧によりベルト14に張力が付与される。このとき、こ
の張力は緩み側スパン15に発生する最大張力よりも大
きいため、このベルト張力によりベルト14のプーリ
4,9に対するくさび効果が生じてベルト押圧力が発生
し、この押圧力により両プーリ4,9間でベルト14を
介して動力が伝達される。
【0043】したがって、この実施形態では、駆動及び
従動プーリ4,9における固定シーブ5,10及び可動
シーブ6,11が軸方向に対し互いに同じ側に配置さ
れ、その各可動シーブ6,11を背面側からそれぞれ固
定シーブ5,10に対し接離させるカム機構22,32
が設けられ、この両カム機構22,32が連動機構45
により連係されているため、両プーリ4,9へのベルト
14からの押圧力は互いに相殺し合い、その残りが変速
操作力となる。このように変速操作力は、両プーリ4,
9に発生するベルト押圧力の差を越えた操作力でよいの
で、軽負荷時には勿論のこと高負荷時であっても変速操
作力を大幅に軽減することができる。
【0044】しかも、そのとき、一方のプーリ4(又は
9)に発生するベルト押圧力を他方のプーリ9(又は
4)でのベルト押圧力として伝達するのをカム機構2
2,32で行うので、各プーリ4,9のベルト押圧力
を、カム機構22,32の回動カム23,33及び固定
カム27,37を相対回転させるためのトルクに効率よ
く転換でき、また、その間の動力伝達経路が短くて摺動
抵抗が極めて小さくなり、変速操作力をより一層軽減す
ることができる。
【0045】また、各プーリ4,9における可動シーブ
6,11のボス部6a,11a上に各カム機構22,3
2の回動カム23,33がベアリング24,34を介し
て支持され、これら両回動カム23,33外周の回動レ
バー26,36同士が1本のリンク42で連結されてい
るので、上記の変速切換時に、固定カム27,37のロ
ーラ29,39から回動カム23,33における変速カ
ム面25,35に力が該カム面25,35と直角方向に
作用し、この力の駆動及び従動回転軸1,2に直交方向
の直角分力が回転軸1,2の軸心とリンク42への連結
点とを結ぶ線と直角に作用したとき、回動カム23,3
3はリンク42との連結によって移動不能に拘束されて
いるため、上記直角分力により、駆動及び従動回転軸
1,2の軸心とリンク42への連結点とを結ぶ線に対し
プーリ比の変化に拘らず直角で上記直角分力と逆向きで
ありかつ回動カム23,33をリンク42への連結点を
中心として回動させるようなカム回転反力が生じ、この
カム回転反力は、回動カム23,33が支持されている
可動シーブ6,11のボス部6a,11aに対し、プー
リ4,9のベルト14が巻き掛けられている範囲の中央
位置(リンク42への連結点と90°位相がずれた位
置)及びボス部6a,11aの中心を通る平面上におい
て、ボス部6a,11aの直径方向に対向する両側の一
方から、ボス部6a,11aを駆動及び従動回転軸1,
2の中心に向けて押圧するように作用する。つまり、こ
のボス部6a,11aに対するカム回転反力は、ボス部
6a,11aと固定シーブ5,10のボス部5a,10
aとの摺動部分におけるクリアランスで、可動シーブ
6,11がベルト14から押圧力を受けたときに可動シ
ーブ6,11を固定シーブ5,10のボス部5a,10
aに対し傾倒させる方向に働くモーメントとは逆方向で
かつボス部6a,11aを固定シーブ5,10のボス部
5a,10aと平行にするモーメントが生じるように作
用し、このモーメントにより元のモーメントが相殺され
て小さくなり、可動シーブ6,11のボス部6a,11
a内周の、固定シーブ5,10のボス部5a,10a外
周に対する面圧分布が軸心方向に分散し、ボス部6a,
11aの摺動抵抗が小さくなる。この摺動抵抗が小さく
なった分だけ、ベルト発生押圧力の回動カム23,33
による固定点に与える荷重(つまり取出押圧力)が大き
くなり、換言すれば、ベルト発生押圧力が大きな抵抗な
く回動カム23,33に取出押圧力として伝達されるこ
ととなる。そして、プーリ比を変化させるときには、ベ
ルト発生押圧力と取出押圧力との差が変速操作に必要な
荷重(操作力)であるので、取出押圧力が大きい分だ
け、逆に操作力が小さくて済むこととになる。その結
果、上記変速プーリ機構17における両プーリ4,9間
のベルト14の押圧力バランスにより変速操作力をさら
に低減することができる。
【0046】また、この実施形態では、上記駆動及び従
動プーリ4,9に偏角ベルト14が巻き掛けられている
ので、側面の角度が互いに同じである通常のVベルトを
用いるのと比べ、同じ変速幅で変速する場合にベルト幅
が狭くて済み、その分、ベルト14の厚さを薄くして曲
げロスを低減することができる。このため、無段変速機
Aの効率を高めることができ、その変速機Aを小トルク
エンジンと組み合せて高速走行型の車両に搭載すること
ができる。
【0047】また、ベルト式変速機Aの変速幅を増大さ
せても、プーリ4,9における可動シーブ6,11の移
動距離も小さくてよいので、変速機Aのコンパクト化を
図ることができる。
【0048】しかも、上記のように、駆動及び従動プー
リ4,9の各々にカム機構22,32が設けられ、これ
らのカム機構22,32が連動機構45により連結さ
れ、偏角ベルト14のベルト張力はテンション機構17
により確保されるので、伝動トルクが急激に変化する衝
撃トルクが入力されてもベルト14はスリップし難くな
る。つまり、たとえ偏角ベルト14が、スリップにより
摩耗し易くて変速機Aの速比の不安定化を招き易い特性
を有するものであっても、その偏角ベルト14のスリッ
プによる摩耗自体を生じ難くすることができ、変速機A
における速比の長期間に亘る安定化や、ベルト14及び
変速機Aの耐久性の向上及び高寿命化を図ることができ
る。
【0049】尚、上記偏角ベルト14の使用により変速
機Aの変速に伴うミスアラインメントが生じるが、その
最大値は許容範囲(例えば0.2°)にすればよい。ま
た、上記実施形態では、偏角ベルト14の可動シーブ側
側面14aが回転軸1,2と直交する平面となす傾斜角
度θ1をθ1=13°として、固定シーブ側側面の傾斜
角度θ2(=3°)よりも大きくしているが、本発明は
これに限定されず、例えば各プーリ4,9の固定シーブ
5,10及び可動シーブ6,11の角度を逆にし、偏角
ベルト14の可動シーブ側側面14aが回転軸1,2と
直交する平面となす傾斜角度θ1を固定シーブ側側面1
4bの傾斜角度θ2よりも小さくするようにしてもよ
い。
【0050】(実施形態2)図4は本発明の実施形態2
を示し(尚、図1〜図3と同じ部分については同じ符号
を付してその詳細な説明は省略する)、固定カム27,
37の構造を変えたものである。
【0051】すなわち、この実施形態では、駆動側カム
機構22の固定カム27は、上記実施形態1のように固
定シーブ5のボス部5a(駆動回転軸1)上にベアリン
グ28を介して支持されておらず、変速機ケーシングC
に一体的に突設されている。また、この固定カム27に
はローラ29ではなくて回動カム23の変速カム面25
が直接接触する接触部60が設けられている(尚、固定
カム27にローラ29を支持するようにしてもよい)。
そして、図示しないが、従動側カム機構32も上記駆動
側カム機構22と同様の構造であり、その固定カムが変
速機ケーシングに一体的に突設されている。その他の構
成は上記実施形態1と同様である。
【0052】したがって、この実施形態においても上記
実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。特
に、この実施形態2では、駆動側及び従動側カム機構2
2,32の各固定カム27,37が変速機ケーシングC
に一体的に設けられているので、上記実施形態1のよう
に、固定カム27,37が駆動及び従動回転軸1,2
(固定シーブ5,10のボス部5a,10a)上にベア
リング28,38を介して支持されている構造と比べ、
その支持用のベアリング28,38を不要とすることが
でき、その分、変速機Aにおけるベアリング数を下げて
ベアリングによる機械ロスを低減でき、変速機Aの変速
効率の向上を図ることができる利点がある。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜4の発
明によると、ベルト式無段変速機における変速プーリか
らなる駆動及び従動プーリの固定シーブ及び可動シーブ
を互いに同じ向きになるように配置し、その各可動シー
ブをそれぞれ連動機構により連動するカム機構により駆
動するようにし、両プーリに巻き掛けるベルトを、側面
の角度が互いに異なる偏角ベルトとしたことにより、側
面の角度が互いに同じである通常のVベルトを使用する
のに比べ、ベルトの幅及び厚さを薄くして曲げロスを低
減でき、無段変速機の効率を高めて、変速機と小トルク
エンジンとの組合せにより高速走行型の車両への搭載を
実現することができるとともに、ベルト式変速機の変速
プーリにおける可動シーブの移動距離を小さくして変速
機のコンパクト化を図ることができる。また、偏角ベル
トのスリップによる摩耗を生じ難くして、変速機におけ
る速比の長期間に亘る安定化や、ベルト及び変速機の耐
久性の向上及び高寿命化を図ることができる。
【0054】特に、請求項2の発明によれば、駆動側及
び従動側カム機構の各固定カムを、変速機ケーシングに
一体的に設けたことにより、変速機におけるベアリング
数を下げてベアリングによる機械ロスを低減でき、変速
機の変速効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るベルト式無段変速機
の全体構成を示す断面図である。
【図2】ベルト式無段変速機の全体構成を概略的に示す
側面図である。
【図3】偏角ベルトの拡大断面図である。
【図4】本発明の実施形態2に係るベルト式無段変速機
の駆動側部分を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
A ベルト式無段変速機 C 変速機ケーシング 1 駆動回転軸 2 従動回転軸 4 駆動プーリ 5 固定シーブ 6 可動シーブ 6a ボス部 9 従動プーリ 10 固定シーブ 11 可動シーブ 11a ボス部 14 偏角ベルト 14a 可動シーブ側側面 14b 固定シーブ側側面 θ1,θ2 ベルト側面の傾斜角度 17 テンション機構 22 駆動側カム機構 23 回動カム 24 ベアリング 25 変速カム面 26 回動レバー 27 固定カム 28 ベアリング 29 ローラ(接触部) 32 従動側カム機構 33 回動カム 34 ベアリング 35 変速カム面 36 回動レバー 37 固定カム 38 ベアリング 39 ローラ(接触部) 42 リンク 45 連動機構 60 接触部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに平行に配置された駆動及び従動回
    転軸と、 上記両回転軸にそれぞれ固定シーブ及び可動シーブが互
    いに同じ向きになるように配置支持された変速プーリか
    らなる駆動及び従動プーリと、 上記両プーリ間に巻き掛けられ、側面の角度が互いに異
    なる偏角ベルトと、 上記各プーリの可動シーブ背面側に配設され、該可動シ
    ーブに相対回転可能に連結された回動カム及び該回動カ
    ムにカム接触する固定カムを有し、回動カム又は固定カ
    ムの一方に、所定の傾斜角度で傾斜する変速カム面が形
    成されている一方、他方には上記変速カム面に接触する
    接触部が設けられていて、回動及び固定カムの相対回動
    により、可動シーブを相対向する固定シーブに対し接離
    させて各プーリのベルト巻付け径を変化させる駆動側及
    び従動側カム機構と、 上記両プーリのベルト巻付け径が互いに逆方向に変化す
    るように両カム機構を連動させて両プーリ間のプーリ比
    を変化させる連動機構と、 上記両プーリ間のベルトスパンのうちの緩み側スパン
    を、該緩み側スパンにプーリ間のプーリ比に対応して発
    生する張力よりも大きい張力となるようにテンションプ
    ーリにより押圧するテンション機構とを備えてなり、 両プーリの可動シーブに対しベルトが回転軸の軸方向へ
    上記連動機構及びカム機構を介して押圧し合って、その
    両押圧力間の差の操作力により駆動及び従動回転軸間の
    回転が変速されるように構成されていることを特徴とす
    るベルト式無段変速機。
  2. 【請求項2】 請求項1のベルト式無段変速機におい
    て、 駆動側及び従動側カム機構の各固定カムは、変速機ケー
    シングに一体的に設けられていることを特徴とするベル
    ト式無段変速機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のベルト式無段変速機に
    おいて、 偏角ベルトの可動シーブ側側面が回転軸と直交する平面
    となす角度は、固定シーブ側側面の角度よりも大きいこ
    とを特徴とするベルト式無段変速機。
  4. 【請求項4】 請求項3のベルト式無段変速機におい
    て、 偏角ベルトの可動シーブ側側面が回転軸と直交する平面
    となす角度は13°である一方、固定シーブ側側面が回
    転軸と直交する平面となす角度は3°であることを特徴
    とするベルト式無段変速機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113417982A (zh) * 2021-06-15 2021-09-21 冀满喜 一种多皮带传动自动离合电机齿轮拨叉控制无级变速箱

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