JP2001262486A - 紙の汚れを防止する方法 - Google Patents
紙の汚れを防止する方法Info
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Abstract
成紙のピッチトラブルを防止する方法を提供する。 【解決手段】 シ−ト形成に先だって、新聞及び/また
はチラシ古紙を主体とする製紙原料に、ジアリルアミン
系単量体の(共)重合体及び/または(メタ)アクリル
系四級アンモニウム塩基を含有する単量体の(共)重合
体、好ましくは塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン
性高分子からなる分散剤共存下で、分散重合法により製
造された粒系100mμ以下の高分子微粒子の分散液か
らなる(共)重合体を添加し、処理した後、抄紙するこ
とにより目的を達成できる。
Description
関し、詳しくはチラシ古紙を主体とする製紙原料に由来
するピッチトラブルを特定の高分子を用いることにより
防止する方法に関する。
不溶性でしかも粘着性を有する物質である。このピッチ
には、木材由来と製紙加工工程で用いられるラテックス
その他由来のものがある。木材由来は、油脂、脂肪酸、
テルペン類、ステロイド類、天然樹脂やガム類などが含
まれており、パルプ化された後もこれらが残留してい
る。後の製紙工程においてこれら粘着性物質が遊離し、
コロイド状になって分散しているが、強いせん断力、急
激なpH変化、硫酸バンドの添加等により、このコロイ
ド状態が破壊されて、凝集、粗大化し、いわゆるピッチ
となる。一方、紙加工物質由来のピッチは、コ−ト紙製
造工程におけるコ−トブロ−クなどのラテックスがウェ
ットエンドでリサイクルされるうちにコロイド状態がや
はり破壊されて、同じコ−トブロ−ク中の炭酸カルシウ
ムといっしょに凝集し、粗大化し、抄紙後成紙上に白色
のピッチデポジットを形成しトラブルの発生となる。コ
−ト原紙を生産する工場では、コ−トブロ−ク中の炭酸
カルシウムが成紙中灰分の大部分を構成する場合やコ−
トブロ−クが填料の唯一の供給源となるところもある。
コ−トブロ−ク中の灰分は、通常の内添填料よりもその
適用が難しい。つまり填料歩留率が低くなる。というの
は一般にコ−ト用グレ−ドの顔料粒子径は、内添用粒子
径よりも小さいからである。そのために原料歩留率が低
下すると、抄紙系内を循環する白水の濃度を上昇させ填
料汚れを引き起こす。また、定着しないサイズ剤は、抄
紙工程において加水分解し、汚れ(ピッチトラブル)の
原因となる。
ラブル抑制のためジメチルジアリルアンモニウム塩化物
/アクリル酸/(場合によっては、アクリル酸アルキル
エステル類)共重合物を抄紙系のウェットエンドに添加
する方法が開示されている。また、パルプ製造の漂白工
程アルカリ抽出において、原料木材に由来するパルプ中
のピッチを除去する方法として、水溶性の不飽和カルボ
ン酸と疎水性単量体との共重合体を、漂白後のパルプス
ラリ−が次ぎのアルカリ抽出塔に入る前に添加すること
を開示している(特開平11−256490)。さらに
木材あるいは古紙由来の種々のピッチに起因するトラブ
ル防止方法として、ポリスチレンスルホン酸(塩)やポ
リイソプレンスルホン酸(塩)を、ピッチが付着し易い
個所へのシャワ−水中に溶解し、専用のシャワ−や噴射
ノズル、あるいは水ドクタ−などで供給することが記載
されている(特開平11−189987)。その他、カ
チオン性高分子を使用する例としては,ピッチ物質一般
のトラブル防止法として、ビニルイミダゾリン系高分子
を製紙機械洗浄水中に溶解して添加する方法が特開平1
1−930911に記載されている。
チラシ古紙を主体とする製紙原料に由来する汚れ防止法
に関しては、まだ決定的に硬化ある対策案は提案されて
いない。本発明の課題は、新聞やチラシ古紙由来のピッ
チに起因する汚れを防止するための処理法を開発するこ
とである。
詳細な検討を行った結果、特定のカチオン性水溶性高分
子により原料パルプを処理することにより紙の汚れを防
止できることがわかり本発明に到達した。すなわち本発
明の請求項1の発明は、シ−ト形成に先だって、新聞及
び/またはチラシ古紙を主体とする原料中に下記一般式
(1)及び/または一般式(2)で表わされる繰り返し
単位を含むカチオン性水溶性高分子を添加、処理した
後、抄紙することを特徴とする紙の汚れを防止する方法
である。
基、ベンジル基Yは陰イオン
又はアルコキシレン基、R5は水素またはメチル基、R
6、R7、R8はメチル基、エチル基、ベンジル基、Y
は陰イオン
高分子が、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高
分子からなる分散剤共存下で、分散重合法により製造さ
れた粒系100mμ以下の高分子微粒子の分散液からな
ることを特徴とする請求項1に記載の紙の汚れを防止す
る方法である。
高分子が、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物の
(共)重合体及び/または(メタ)アクリロイルオキシ
エチルトリメチルアンモニウム塩化物の(共)重合体で
あることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の紙の
汚れを防止する方法である。
高分子が、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物10〜
100モル%、アクリルアミド0〜90モル%含有する
共重合体及び/または(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルトリメチルアンモニウム塩化物10〜100モル%、
アクリルアミド0〜90モル%含有する共重合体である
ことを特徴とする請求項1〜3に記載の紙の汚れを防止
する方法である。
高分子の分子量が5万以上、500万以下であることを
特徴とする請求項1〜4に記載の紙の汚れを防止する方
法である。
イオン当量が、1.5〜15meq/gであることを特
徴とする請求項1に記載の紙の汚れを防止する方法であ
る。
る無機塩類が、多価アニオン塩であることを特徴とする
請求項1に記載の紙の汚れを防止する方法である。
シ古紙を主体とする原料の乾燥重量に対し、一般式
(1)及び/または一般式(2)で表わされる繰り返し
単位を含むカチオン性水溶性高分子を0.01〜0.2
重量%添加することを特徴とする請求項1〜4に記載の
紙の汚れを防止する方法である。
よび/または(2)で表わされる繰り返し単位を有する
カチオン性水溶性高分子は、以下のようなものである。
一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有するカチオ
ン性水溶性高分子は、単量体としてジアリルジメチルア
ンモニウム塩化物あるいはジアリルメチルベンジルアン
モニウム塩化物などを(共)重合して合成する。また、
一般式(2)で表わされ繰り返し単位を有するカチオン
性水溶性高分子は、単量体として(メタ)アクリロイル
オキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)
アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチル
アンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロ
ピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロ
イルアミノ[2−(ジメチル)エチル]トリメチルアン
モニウム塩化物などを(共)重合して合成することがで
きる。また共重合体を合成する場合の非イオン性単量体
として、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルア
ミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリド
ン、アクリロニトリル、N−ビニルホルムアミド、N−
ビニルアセトアミド、酢酸ビニルなどがあげられるが、
最も好ましい非イオン性単量体はアクリルアミドであ
る。
体を(共)重合する際は、公知の重合法が適用できる。
例えば、水溶液重合法、油中水型エマルジョン重合法、
油中水型分散重合法、塩水溶液中分散重合法などによっ
て得た種々の製品形態である水溶液、油中水型エマルジ
ョン、粉末あるいは塩水溶液中分散液である。また、最
も好ましい製品形態としては、塩水溶液中分散重合品で
ある。
からなる水溶性重合体は、特開昭62−15251号公
報などによって製造することができる。この方法は、カ
チオン性単量体あるいはカチオン性単量体と非イオン性
単量体を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高
分子からなる分散剤共存下で、攪拌しながら製造された
粒系100mμ以下の高分子微粒子の分散液からなるも
である。イオン性高分子からなる分散剤は、ジメチルジ
アリルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキ
シエチルトリメチルアンモニウム塩化物の単独重合体や
非イオン性単量体との共重合体を使用する。塩水溶液を
構成する無機塩類は、多価アニオン塩類が、より好まし
く、硫酸塩又は燐酸塩が適当であり、具体的には、硫酸
アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫
酸アルミニウム、燐酸水素アンモニウム、燐酸水素ナト
リウム、燐酸水素カリウム等を例示することができ、こ
れらの塩を濃度15%以上の水溶液として用いることが
好ましい。
を重合する場合は、重合方法にかかわらず、単量体水溶
液をpH2〜7に調整後、窒素気流中で溶液の脱酸素を
行った後、ラジカル重合開始剤を加え重合を開始させ
る。開始剤はペルオクソニ硫酸アンモニウムと亜硫酸水
素ナトリウムの組み合わせのようなレドックス系、過酸
化水素やラウリルペルオキサイドのような過酸化物、溶
剤可溶なアゾビスイソブチロニトリル、水溶性の2、2
−アゾビスアミジノプロパンニ塩化水素化物や2、2−
アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダジリン−2−
イル)プロパン]ニ塩化水素化物のようなアゾ化合物な
ど単量体と重合方法、ある緒は重合条件によって適宜使
いわける。
有するカチオン性水溶性高分子を合成する場合、普通、
単量体としてジアリルジメチルアンモニウム塩化物を用
いるが、ジアリルジメチルアンモニウム塩化物は重合速
度が非常に遅く、非イオン性アクリル系単量体と共重合
する際には注意を要する。たとえば、アクリルアミドと
共重合する場合、使用するジアリルジメチルアンモニウ
ム塩化物を重合系に仕込んでおき、重合速度の速いアク
リルアミドは連続的あるいは分割して供給していき、高
分子鎖中になるべく均一に分布するような重合操作を行
うことが重要である。
単位を有するカチオン性水溶性高分子を合成する場合体
は、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアン
モニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒド
ロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メ
タ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウ
ム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノ[2−(ジメチ
ル)エチル]トリメチルアンモニウム塩化物などを
(共)重合して合成することができる。これらの単量体
は重合性に優れていて、アクリルアミドなどとも良好な
共重合性を有しているので、一般的な共重合操作を行う
ことで合成することができる。
で表わされる繰り返し単位の構成比率としては、10モ
ル%〜100モル%、好ましくは20モル%〜100モ
ル%である。10モル%未満では、ピッチトラブルの原
因となる水不溶性成分への吸着が弱く、水不溶性成分の
凝集を防ぎ、水中へ分散させる機能が低下する。またカ
チオン性水溶性高分子中の一般式(2)で表わされる繰
り返し単位の構成比率としては、10モル%〜100モ
ル%であり、好ましくは20モル%〜100モル%であ
る。10モル%未満では、前記と同様な理由で効果が低
下する。またこれらカチオン性水溶性高分子の分子量と
しては、5万〜500万であり、好ましくは10万〜5
00万である。
の製紙原料への添加量としては、製紙原料のカチオン要
求量により異なるが、対乾燥製紙原料当たり高分子純分
として、凡そ100〜2000ppmであり、好ましく
は200〜1000ppm、最も好ましくは200〜7
00ppmである。カチオン性水溶性高分子の添加量
は、ミュ−テック社製のPCD−03型などを使用して
製紙原料のカチオン要求量を測定し決定していく。例え
ば使用製紙原料中に本発明の高分子を添加、攪拌処理し
た後、ワットマン製濾紙NO.41によって原料を濾過
し、濾液のカチオン要求量と濁度を測定していく。濁度
が最も低下したところが適性添加量の目安と推定される
が、製紙現場へ適用してみなければ正確には判定できな
い。
は、分子内に四級アンモニウム塩基を有する重合体がよ
り好ましい。この理由としてピッチなどの汚れ成分に対
する吸着力が強く、ピッチ成分が凝集して成紙への欠点
などの発生を防止する効果が高いものと推定される。ま
た、カチオン性水溶性高分子のより好ましい製品形態と
して、塩水溶液中分散重合品が上げられる。この理由と
しては、塩水溶液中分散重合品を水に溶解した場合、水
溶液品、粉末品あるいは油中水型エマルジョン重合品に
較べ水溶液粘度が低く、製紙原料への分散成が良好で、
その結果吸着も効率的であり、他の重合品に較べても効
果が上がる。
れる混合チェストよりも、最も汚れの原因となる原料パ
ルプに直接添加したほうが顕著な効果を発現する。従っ
て、本発明で定義する「製紙原料」とは、最終的に抄紙
する前の配合された紙料ではなく、配合前の個別製紙原
料を意味する。そのため添加場所の例としては、処理を
目的とする原料パルプチェスト配管出口などが上げられ
る。
て、ワイヤ−上の歩留率も同時に向上する。すなわち、
汚れ防止処理対象となるチラシ古紙中には、ピッチある
いはアニオン性物質が含有している。そのため、本発明
のカチオン性水溶性高分子添加前には、カチオン性の歩
留剤は添加してもアニオン性物質やピッチに消費されて
しまい、歩留剤の効果を発揮できない。その結果、ワイ
ヤ−上での歩留が低いのが従来の状況であった。しか
し、本発明の処方によりピッチ物質表面のゼ−タ電位が
一定程度中和され、また原料中のアニオン成分も中和さ
れているので、歩留率が改善される方向へと処理されて
いる。
さらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない
限り、以下の実施例に制約されるものではない。
管、ペリスタポンプ(SMP−21型、東京理化器械
製)に接続した単量体供給管およびコンデンサ−を備え
た500mLの4ツ口フラスコ内にジメチルジアリルア
ンモニウム塩化物(商品名DADMAC、65重量%
品,ダイソ−製、以下DDと略記)18.6g、アクリ
ルアミド(商品名、アクリルアマイド、50重量%品、
日東化学製)30重量%を20g、イオン交換水107
g、連鎖移動剤として2−プロパノ−ルを0.18g
(対全単量体当たり0.3%)、重合開始剤として2、
2−アゾビスアミジノプロパンニ塩化水素化物の0.7
%水溶液を5g(対全単量体当たり0.25%)をそれ
ぞれ仕込んだ。原料混合物を攪拌しながら、温度を42
℃に保ち窒素を流入させ30分間重合を進行させた後、
アクリルアミドの30重量%水溶液140gを毎分0.
58gで4時間かけフラスコ内に供給した。供給終了後
のDDとアクリルアミドのモル比は10:90である。
供給終了後、8時間で重合開始剤溶液を5g追加した。
重合開始から12時間後、保温を中止し重合を停止し
た。その後、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電
子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定
し、コロイド滴定法によって重合物のカチオン当量値
(meq/g)を測定した。この重合体を試作1とす
る。また同様な操作でDD20、30、80の各モル%
の重合物を合成した(それぞれ試作2〜4とする。)ま
たDD100モル%品については30重量%水溶液を2
85g調整し、前記と同量の2−プロパノ−ルを添加
し、開始剤は重合開始時および8時間後に添加した。ま
た重合温度、重合時間は同様の条件を用いて合成した。
この重合体を試作5とする。各重合物の物性は表1に示
す。
クリロイルオキエチルトリメチルアンモニウム塩化物/
アクリルアミド共重合体およびメタクロイルオキエチル
トリメチルアンモニウム塩化物/アクリルアミド共重合
体を合成した。各単量体の20重量%水溶液300gを
調製し、pHを硫酸により5.0に調節後、42℃で3
0分間窒素置換の後、開始剤として2、2−アゾビスア
ミジノプロパンニ塩化水素化物の2%水溶液を3g(対
単量体当たり0.1重量%)添加し重合を開始させた。
15時間42℃に保温した後、加熱を停止し重合を終了
させた。以上の重合体を試作6〜8と試作9〜11とす
る。合成例−1と同様に分子量とカチオン当量値を測定
した。結果は表1に示す。
管、ペリスタポンプ(SMP−21型、東京理化器械
製)に接続した単量体供給管およびコンデンサ−を備え
た500mLの4ツ口フラスコ内にジメチルジアリルア
ンモニウム塩化物(以下DDと略記)(商品名DADM
AC、65重量%品,ダイソ−製)31.1g、アクリ
ルアミド17.8g(商品名:アクリルアマイド、日東
化学製、50%品)、イオン交換水107.2g、硫酸
アンモニウム64.0g、硫酸ナトリウム5.8g、分
散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモ
ニウム塩化物単独重合体7.3g(20重量%液、粘度
8530mPa・s)をそれぞれしこみ反応器内の温度
を42℃に保ち、30分間窒素置換をした後、開始剤と
して2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミ
ダゾリン−2−イル)プロパン〕ニ塩化水素化物の10
%水溶液0.35g(対単量体0.116%)を添加し
重合を開始させた。別に前記アクリルアミド142.1
g、イオン交換水27.5g、硫酸アンモニウム73.
3g、硫酸ナトリウム6.7g、分散剤17.8gを混
合した溶液267.2gを調製した。開始後、1.5時
間この溶液53.4gを添加した。その後1.5時間間
隔でそれぞれ106.8g、80.1gおよび26.7
gを添加していった。全単量体供給後のDDとアクリル
アミドとのモル比は10:90である。また開始後4.
5時間で開始剤溶液0.35gを追加した。開始後20
時間で反応を停止させた。重合後、コロイド滴定法によ
りカチオン当量を、分散液の粘度と重量平均分子量を測
定した。この重合体を試作12とする。同様の方法によ
りDDとアクリルアミドとのモル比30:70を合成し
た(試作13)。結果を表1に示す。
器、窒素導入管を備えた五つ口セパラブルフラスコに、
アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド(以下DMQと略記)単独重合物の15%水溶液
を16.7g、イオン交換水139g、硫酸アンモニウ
ム112.5g、50%水溶液アクリルアミド(以下A
AMと略記)175.1g、及び80%水溶液アクリロ
イルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド3
3.1gを仕込み、窒素置換後、2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)塩酸塩の1%水溶液1.9g
を加え、内温35℃にて10時間重合を行った。得られ
た分散液中のポリマー粒径は10μm以下であり、分散
液の粘度は500cpであった。また、しこみ単量体モ
ル組成はDMQ:AAM=10:90である(試作1
4)。結果を表1に示す。
よって、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルア
ンモニウムクロライド:DMQ:AA=10:20:7
0(モル%)を合成した(試作15)。結果を表1に示
す。
−2と同様な方法で、比較品としてジメチルジアリルア
ンモニウム塩化物/アクリルアミド重合物=5/95
(比較−1)を合成した。合成後、同様に分子量とカチ
オン当量値を測定した。結果は表2に示す。
でアクリロイルオキエチルトリメチルアンモニウム塩化
物/アクリルアミド共重合体5/95(モル比)(比較
−2)およびメタクロイルオキエチルトリメチルアンモ
ニウム塩化物/アクリルアミド共重合体5/95(モル
比)(比較−3)、三級アミンのアクリル系単量体であ
るジメチルアミノエチルアクリレ−ト単独重合物(比較
−4)、及び前記単量体/アクリルアミド共重合物=3
0/70(比較−5)、ジメチルアミノエチルメタクリ
レ−ト単独重合物(比較−6)、及び前記単量体/アク
リルアミド共重合物=30/70(比較−7)をそれぞ
れ合成した。結果は表2に示す。
7.08、濁度1175FAU、全ss2.36%、灰
分0.14%、カチオン要求量0.052meq/L、
ゼ−タポテンシャル−14mV)100mL採取し、攪
拌機にセットし表1の試作品1〜13をそれぞれ対ss
分、500ppm添加し500回転/分で60秒間攪拌
する。その後、ワットマン製NO.41(90mm)の
ろ紙にて全量濾過し、濾液のカチオン要求量をミュ−テ
ック社製、PCD−03型により、また濁度をHAC
H、DR2000P型濁度計にて測定した。結果を表3
に示す。
用い、実施例1〜15と同様に試験を行った。結果を表
3に示す。
ン性水溶性高分子を製紙向上の現場へ適用した試験を行
った実施した製紙現場は、中性抄紙による中質紙の製造
であり原料パルプとしては、チラシ古紙の他に化学パル
プ(BKP)、機械パルプ(MP)が混合チェストにお
いて一定割合で配合され、マシンチェストに移送され
後、両性ポリアクリルアミド系紙力増強剤が対乾燥パル
プ当たり0.1重量%(以下同様)、硫酸バンド0.4
重量%、填料としてカオリン5重量%、エマルジョン型
ロジンサイズ剤0.15重量%、又サイズ剤の定着剤と
してアクリルカチオン系高分子が配合後の製紙原料に対
し0.01重量%添加されている。この後、白水により
製紙原料が希釈され、スクリ−ン出口において歩留向上
剤としてカチオン性高分子が0.01重量%添加されマ
シンにより抄紙される。今回、汚れ防止剤の添加場所と
してチラシ古紙の原料チェスト出口配管を選択し、対乾
燥古紙当たり400ppm添加した。本発明のカチオン
性水溶性高分子添加前には、10万メ−トル当たり40
0〜500個あった欠点(汚れ)が、添加後には10個
以下になったことがわかった。
Claims (8)
- 【請求項1】 シ−ト形成に先だって、新聞及び/また
はチラシ古紙を主体とする原料中に下記一般式(1)及
び/または一般式(2)で表わされる繰り返し単位を含
むカチオン性水溶性高分子を添加、処理した後、抄紙す
ることを特徴とする紙の汚れを防止する方法。 【化1】 繰り返し単位(1) R1、R2は水素またはメチル基、R3、R4はメチル
基、エチル基、ベンジル基、Xは陰イオン 【化2】 繰り返し単位(2) Aは酸素原子又はNH、BはC2〜C3のアルキレン基
又はアルコキシレン基、R5は水素またはメチル基、R
6、R7、R8はメチル基、エチル基、ベンジル基、Y
は陰イオン - 【請求項2】 前記カチオン性水溶性高分子が、塩水溶
液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子からなる分散
剤共存下で、分散重合法により製造された粒系100m
μ以下の高分子微粒子の分散液からなることを特徴とす
る請求項1に記載の紙の汚れを防止する方法。 - 【請求項3】 前記カチオン性水溶性高分子が、ジメチ
ルジアリルアンモニウム塩化物の(共)重合体及び/ま
たは(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアン
モニウム塩化物の(共)重合体であることを特徴とする
請求項1あるいは2に記載の紙の汚れを防止する方法。 - 【請求項4】 前記カチオン性水溶性高分子が、ジメチ
ルジアリルアンモニウム塩化物10〜100モル%、ア
クリルアミド0〜90モル%含有する共重合体及び/ま
たは(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアン
モニウム塩化物10〜100モル%、アクリルアミド0
〜90モル%含有する共重合体であることを特徴とする
請求項1〜3に記載の紙の汚れを防止する方法。 - 【請求項5】 前記カチオン性水溶性高分子の分子量が
5万以上、500万以下であることを特徴とする請求項
1〜4に記載の紙の汚れを防止する方法。 - 【請求項6】 前記イオン性高分子のイオン当量が、
1.5〜15meq/gであることを特徴とする請求項
1に記載の紙の汚れを防止する方法。 - 【請求項7】 前記塩水溶液を構成する無機塩類が、多
価アニオン塩であることを特徴とする請求項1に記載の
紙の汚れを防止する方法。 - 【請求項8】 新聞及び/またはチラシ古紙を主体とす
る原料の乾燥重量に対し、一般式(1)及び/または一
般式(2)で表わされる繰り返し単位を含むカチオン性
水溶性高分子を0.01〜0.2重量%添加することを
特徴とする請求項1〜4に記載の紙の汚れを防止する方
法。
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