JP2012122179A - 油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤 - Google Patents

油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤 Download PDF

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Abstract

【課題】既に開示されている文献では水溶液重合であり、濃度の高い製品を製造することは不可能である。またジアリルアミン系単量体とアクリル系単量体の共重合性も十分ではない。従って本発明においては、ジアリルアミン系単量体とアクリル系単量体の共重合性の良い重合体を油中水型エマルジョン重合によって調製する処方を開発し、それをピッチトラブル低減剤として応用することを目的とする。
【解決手段】使用するジアリルアミン系単量体全量と使用する(メタ)アクリル系単量体の5質量%〜15質量%からなる水溶液を、水に非混和性の有機液体と界面活性剤により該有機液体を連続相、該水溶液を分散相とする油中水型エマルジョンを形成させ、重合開始剤により共重合を開始させた後、該油中水型エマルジョン中に、残りの前記(メタ)アクリル系単量体水溶液を連続的あるいは間歇的に添加し共重合することによって達成できる。

【選択図】 なし

Description

本発明は、ジアリルアミン系単量体と(メタ)アクリル系単量体の共重合物からなる油中水型エマルジョンに関するものであり、詳しくは使用するジアリルアミン系単量体全量と使用する(メタ)アクリル系単量体の5質量%〜15質量%からなる水溶液を、水に非混和性の有機液体と界面活性剤により該有機液体を連続相、該水溶液を分散相とする油中水型エマルジョンを形成させ、重合開始剤により共重合を開始させた後、該油中水型エマルジョン中に、残りの前記(メタ)アクリル系単量体水溶液を連続的あるいは間歇的に添加し共重合したことを特徴とする、ジアリルアミン系水性共重合物を含有する油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤に関し、またそれを使用したピッチトラブル低減方法に関する。
製紙用水中には種々の溶存物質あるいは微細な粒子状物質が存在している。これらの物質は、パルプ製造時に由来するものと、古紙製造時に由来するものとがある。すなわちパルプ製造時に由来するものとしては、リグニンスルホネート、リグニン分解生成物、木材抽出物、セルロース誘導体(例えば、ヘミセルロース)などである。また古紙製造時に由来するものとしては、サイジング剤、分散剤、染料、蛍光漂白剤、コーティングバインダー、湿潤剤、珪酸ナトリウムなどである。さらに導入する工業用水などにもフミン酸やカルシウム成分なども混入する。
このうちアニオントラッシュと呼ばれる溶存性あるいは親水性のアニオン性成分、すなわちホワイト顔料、分散剤、改質でんぷん、カルボキシメチルセルロース、リグニンスルホネート、リグニン分解生成物、ヘミセルロースなどは、一般的な低分子量カチオン性水溶性高分子物質により処理することによって歩留率や濾水性はかなりの程度改善される。しかし水に溶解しない疎水的な成分、すなわちは木材抽出物、サイジング剤、あるいはコーティングバインダーなどは、微細なコロイド粒子として製紙原料中に分散している場合は、悪影響は少ない。しかしこれらのコロイドは表面電荷が低く、アニオン性に弱く解離している場合、あるいは解離もしていない場合もあり、基本的に不安定な物質である。したがって温度、シェア、pH、あるいはピッチ障害を抑制するために添加される有機や無機のカチオン性物質などによってコロイドが破壊され粗大化する。その結果、表面が粘着性を帯びているため電荷を調節しただけでは、それらが紙中に抄きこまれた場合、またワイヤー、フェルト、ローラーあるいはドライヤーの各表面に再付着し、一定以上の大きさに成長すると製造中の成紙に付着し、欠点などの障害を引き起こす。またこれら疎水的な成分は、カチオン性水溶性高分子物質により処理し、粒子系を粗大化させてしまうこともある。そうすると上記の障害はより顕著に発生し、カチオン性水溶性高分子物質などの処理剤が逆効果になる場合もあるので注意を要する。
ジアリルアンモニウム塩を含有する水溶性高分子は、ピッチトラブル抑制に有効なものとしてジアリルジメチルアンモニウム塩化物/アクリル酸/(場合によっては、アクリル酸アルキルエステル類)共重合物(特許文献1)、また特許文献2にはジアリルジメチルアンモニウム塩化物とアクリルアミドの共重合物を抄紙系のウェットエンドに添加する方法がそれぞれ開示されている。
ジアリルアミンの塩などのジアリルアミン系単量体は、種々の文献等にも記載されているように、環化反応を起こし、環状構造を有する重合物を与えるものであるが、その分子内にアリル基を有するため、いわゆるアリル型破壊的連鎖移動を起こし、必ずしもその重合活性は高くない。この重合活性の低さは、他の単量体との共重合反応においてより顕著に現れる。例えば非特許文献1にはジアリルアミン誘導体モノマーの一種であるジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとの共重合反応において、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの反応性がアクリルアミドのそれに比して極端に小さいことが記されている。
特許文献3には、ジアリルアミン系単量体中にアクリルアミドを連続的に添加し共重合性を改善する方法が開示されているが、水溶液重合であり、実施例をみると添加時間は2時間から4時間に限られている。またジアリルアミン系単量体中には、重合開始時アクリルアミドなど活性の高い単量体は含有させないで共重合を開始している。さらに特許文献4は、使用するジアリルアミン系単量体全量と使用するアクリルアミドの15質量%〜95質量%からなる水溶液の重合を開始させ、アクリルアミドが20%重合した時点から残りのアクリルアミドを添加し重合を継続、完了する方法が開示されているが、水溶液重合であり、架橋性単量体が必須である。従って油中水型エマルジョン重合に関して
の記載はない。
特開平4−241184号公報 特開2001−262488号公報 特開昭63−225608号公報 特表2008−517101号公報 J.Poly.Sci.Poly.Chem.Ed.,24,29−36(1986)
既に開示されている文献では水溶液重合であり、濃度の高い製品を製造することは不可能であり、またジアリルアミン系単量体とアクリル系単量体の共重合性も十分ではない。従って本発明においては、ジアリルアミン系単量体とアクリル系単量体の共重合性の良い重合体を油中水型エマルジョン重合によって調製する処方を開発し、それをピッチトラブル低減剤として応用することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、以下に記載する発明に達した。すなわち請求項1の発明は、使用するジアリルアミン系単量体全量と使用する(メタ)アクリル系単量体の5質量%〜15質量%からなる水溶液を、水に非混和性の有機液体と界面活性剤により該有機液体を連続相、該水溶液を分散相とする油中水型エマルジョンを形成させ、重合開始剤により共重合を開始させた後、該油中水型エマルジョン中に、残りの前記(メタ)アクリル系単量体水溶液を連続的あるいは間歇的に添加し共重合したことを特徴とする、油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤である。
請求項2の発明は、共重合物中のジアリルアミン系単量体共重合比率が、20〜80モル%であることを特徴とする請求項1に記載の油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤である。
請求項3の発明は、前記ジアリルアミン系単量体が、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドであり、前記(メタ)アクリル系単量体が、アクリルアミドであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤である。
請求項4の発明は、前記油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤の重合が完了した時の単量体濃度として30〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤である。
請求項5の発明は、前記共重合時に連鎖移動剤を使用する単量体総量に対し質量で0.0010〜1.0000%共存させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤である。
請求項6の発明は、使用するジアリルアミン系単量体全量と使用する(メタ)アクリル系単量体の5質量%〜15質量%からなる水溶液を、水に非混和性の有機液体と界面活性剤により該有機液体を連続相、該水溶液を分散相とする油中水型エマルジョンを形成させ、重合開始剤により共重合を開始させた後、該油中水型エマルジョン中に、残りの前記(メタ)アクリル系単量体水溶液を連続的あるいは間歇的に添加し共重合し製造したジアリルアミン系単量体と(メタ)アクリル系単量体の共重合物からなる油中水型エマルジョンあるいはその希釈液を、抄紙前の製紙原料中に添加し、ピッチ障害物を処理することを特徴とするピッチ障害低減方法である。
本発明の特徴の一つは、油中水型エマルジョン重合を行うことである。重合開始時にジアリルアミン系単量体全量と、(メタ)アクリル系単量体の一部を用いて油中水型エマルジョンを調製し、重合を開始させる。その後、残りの(メタ)アクリル系単量体水溶液を供給する。この場合、既に生成しているエマルジョン粒子は、供給された(メタ)アクリル系単量体水溶液を取り込み、正常に共重合を継続していくと考えられる。これはエマルジョン粒子同士が、常に衝突を繰り返し、単量体の交換反応を行い結果として個々のエマルジョン粒子は、ジアリルアミン系単量体と(メタ)アクリル系単量体の組成が同様な比を有していると考えられる。重合が完了した油中水型エマルジョンは、安定な状態で保存できることからも上記のような現象が起きていると推定される。
本発明の油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤は、使用するジアリルアミン系単量体全量と使用する(メタ)アクリル系単量体の5質量%〜15質量%からなる水溶液を、水に非混和性の有機液体と界面活性剤により該有機液体を連続相、該水溶液を分散相とする油中水型エマルジョンを形成させ、重合開始剤により共重合を開始させた後、該油中水型エマルジョン中に、残りの前記(メタ)アクリル系単量体水溶液を連続的あるいは間歇的に添加し共重合したことを特徴とする。本発明の油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤は、使用する(メタ)アクリル系単量体の5質量%〜15質量%を開始時に添加しておくことを特徴とする。油中水型エマルジョンにおいては、段落0035の実施例1を例にとっても分かるように、重合開始時の単量体濃度は約34質量%、重合を完了した時の単量体濃度においては30〜50質量%と水溶液重合あるいは特許文献4の塩水中分散重合の22質量%に較べて相対的に高い。そのため(メタ)アクリル系単量体を開始時、15質量%〜数十質量%など多量に加えると(メタ)アクリル系単量体の反応性が高くなり過ぎ好ましくない。またジアリルアミン系単量体の反応性も低濃度時に較べ相対的に高くなる。従って開始時、使用する(メタ)アクリル系単量体を5質量%〜15質量%添加しておくことは的確なことであると考えられる。
この連続的あるいは間歇的に添加する時間としては、30分〜150分が好ましいが、特に好ましくは60分〜120分であると共重合性が良くピッチ障害の低減効果が高い。重合を開始させる油中水型エマルジョン中の単量体混合物中に使用する(メタ)アクリル系単量体の一部を予め含有させることによりジアリルアミン系単量体の重合性を向上させ、重合中に反応性の高い(メタ)アクリル系単量体を継続的に供給し、消失することを防ぎ順調に両単量体が共重合することを促進する。また重合温度も共重合性に重要な影響を与える。重合温度が30〜40℃など低温領域であると、ジアリルアミン系単量体の重合性が低く共重合が良好に進行しない。また80〜100℃など高温領域では(メタ)アクリル系単量体の重合性が高すぎてやはり共重合が良好に進行しない。従って重合温度は、好ましくは55〜75℃、より好ましくは60〜70℃である。この範囲に設定することでジアリルアミン系単量体の重合性を保持でき共重合に良好な効果を付与することができる。
またこの重合法を採用することにより単量体濃度を高い状態にすることが可能であり、その結果ジアリルアミン系単量体の反応性が相対的に高まり、(メタ)アクリル系単量体との共重合性が向上する。本発明においては、共重合物をピッチ障害物の発生防止に応用するが、この目的に使用する分子量は重量平均分子量で100万〜数百万であり、水溶液の状態では単量体濃度で高々20質量%が限界である。しかし油中水型エマルジョン重合物にすることにより、数百万の分子量の共重合物でも30〜50質量%の製品にすることが可能になる。以上述べたような条件で重合することにより、抄紙前の製紙原料中に添加し、ピッチ障害物を処理した場合、優れた効果を発揮することが判明した。
初めにジアリルアミン系単量体と(メタ)アクリル系単量体の共重合物からなる油中水型エマルジョンに関して以下説明する。ジアリルアミン系単量体を含む水溶液に(メタ)アクリル系単量体を混合する。この場合、使用する全(メタ)アクリル系単量体の5〜15質量%を含有する。5質量%より少ないと(メタ)アクリル系単量体が短時間のうちに消費され、それに伴いジアリルアミン系単量体の重合性も低下してしまい重合反応も停止に近い状態になる。これに対し15質量%より多いと、発明の効果の項目で説明したように油中水型エマルジョンの重合を開始した時点から初期に(メタ)アクリル系単量体とジアリルアミン系単量体との共重合が急速に進行し、大部分のジアリルアミン系単量体が消費して、その後(メタ)アクリル系単量体を供給してもジアリルアミン系単量体との共重合物が生成しない。ジアリルアミン系単量体は、(メタ)アクリル系単量体に較べ重合性は非常に低くいが、共重合によって促進される。しかし共重合比率が20モル%〜60モル%など低中共重合比率のものを重合する場合、一括で単量体を全量仕込んでは重合反応の後期に(メタ)アクリル系単量体が不足する状態になる。(メタ)アクリル系単量体を追加供給し重合する方法は、これを補う処方であるが、この処方だけでは対処できない。そこで開始反応時に一部の(メタ)アクリル系単量体を含有させておき、追加供給処方と併用することにより非常に共重合性の良い重合物を生成させることができる。
さらに重合温度も共重合性に重要な影響を与える。重合温度が30〜40℃など低温領域であると、ジアリルアミン系単量体の重合性が低く共重合が良好に進行しない。また80〜100℃など高温領域では(メタ)アクリル系単量体の重合性が高すぎてやはり共重合が良好に進行しない。従って重合温度は、好ましくは55〜75℃であり、より好ましくは60〜70℃である。本発明の特徴は、上記開始反応時に一部の(メタ)アクリル系単量体を含有させておくこと、残余の(メタ)アクリル系単量体を重合中に供給すること、重合温度を55〜75℃に保持することである。
油中水型エマルジョンの製造方法としては、ジアルルアミン系単量体と及び使用する(メタ)アクリル系単量体の5〜15質量%からなる単量体水溶液を、
水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させた後、重合することにより合成する。油中水型エマルジョンを形成するに有効な高HLB界面活性剤の例としては、非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエ−テル系、ポリオキシエチレンアルコールエ−テル系、ポリオキシエチレンアルキルエステル系等である。具体的には、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレン(4)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(5)ソルビタンモノオレート等である。これら高HLB界面活性剤のHLB値は、HLB11〜20であることが好ましい。添加量としては、油中水型エマルジョン全量に対して0.5〜10質量%であり、好ましくは1〜5質量%である。
また分散媒として使用する炭化水素からなる油状物質の例としては、パラフィン類あるいは灯油、軽油、中油等の鉱油、あるいはこれらと実質的に同じ範囲の沸点や粘度等の特性を有する炭化水素系合成油、あるいはこれらの混合物が挙げられる。含有量としては、油中水型エマルジョン全量に対して20〜50質量%であり、好ましくは20〜30質量%である。
重合条件は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜決めていき、温度としては本発明の場合55〜80℃の範囲で行なう。好ましくは60〜75℃の範囲で行なう。重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちらでも良く、アゾ系、過酸化物系、レドックス系何れでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2、2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2、2’−アゾビス−2−メチルプロピオネート、4、4’−アゾビス−(4−メトキシ−2、4−ジメチル)バレロニトリル等が挙げられる。
水溶性アゾ開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス[2−(5−メチル−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等が挙げられる。又、レドックス系の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等との組み合わせが挙げられる。更に過酸化物の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート等を挙げることができる。
単量体の重合濃度は、油中水型エマルジョンが最終的に完成した時点の濃度で
30〜50質量%の範囲が好ましく、好ましくは30〜50質量%の範囲であり、単量体の組成、重合法、開始剤の選択によって適宜重合の濃度と温度を設定する。また重合開始時の油中水型エマルジョン中の単量体濃度は、好ましくは25〜40質量%の範囲であり、この条件も単量体の組成、重合法、開始剤の選択によって適宜重合の濃度と温度を設定する。重合して得られる油中水型エマルジョンからなるジアリルアミン系単量体と(メタ)アクリル系単量体の共重合物の光散乱法による重量平均分子量は、100万〜1000万の範囲が好ましく、より好ましくは100万〜700万の範囲である。100万より低いと凝結あるいは凝集作用が弱く好ましくはない。また700万より大きいとマイクロピッチを粗大化させるなど逆効果が働く結果、紙質へ悪影響を及ぼし好ましくない。本発明の油中水型エマルジョン重合によるピッチ低減剤は、水溶液重合に較べ高濃度で重合を行うため、分子量は高い水性高分子を重合することができるが、主にピッチ低減剤としての使用であるため重量平均分子量で1000万より高い水性高分子は必要ない。しかし攪拌が容易である結果、重合温度制御性が高く安定して100万〜700万の範囲の水性高分子を重合することができる。さらにジアリルアミン系単量体と(メタ)アクリル系単量体の共重合物中のジアリルアミン系単量体共重合比は、20〜80モル%であることが好ましい。20モル%より低いとピッチ低減効果が十分ではなく、80モル%より高いとイオン性が高すぎてやはりピッチ低減効果が低下する。
一般的に油中水型エマルジョンを水に溶解する場合、溶解性を促進するため高HLB界面活性剤からなる転相剤を使用する。高HLB界面活性剤の例としては、前記と同様な高HLB9〜20のノニオン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレンアルコールエーテル系、ポリオキシエチレンアルキルエステル系等である。
本発明で用いるジアリルアミン系単量体は、ジアリルアミンやジメタアリルアミンで代表される2級アミンの無機又は有機酸塩、ジアリルメチルアミン、ジアリルエチルアミン、ジアリルブチルアミン等で代表される3級アミンの無機又は有機酸塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムブロマイド、ジアリルジエチルアンモニウムクロライド、ジアリルジブチルアンモニウムクロライド、ジアリルメチルエチルアンモニウムクロライド等で代表される4級アンモニウム塩が具体例としてあげられる。このうちジアリルジメチルアンモニウムクロライドは、市販されているほか、ピッチ低減剤の原料としても有用であり、製造後の共重合物の効果も優れているため最も好ましい。
本発明で使用する(メタ)アクリル系単量体は、非イオン性単量体が好ましく、例えばアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリンなどがあげられる。またジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノエチル又はそれらの4級化物、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはp−カルボキシスチレンなどを共重合しても良い。更に架橋性単量体であるエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミドも使用できる。このうちアクリルアミドは、汎用単量体として市販されているほか、ピッチ低減剤の原料としても有用であり、製造後の共重合物の効果も優れているため最も好ましい。
本発明の油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤は、幅広い種々の物性を有する製紙原料に対応させるため、油中水型エマルジョン重合時に架橋性単量体を共存させ、架橋型水性共重合物を重合することもできる。この架橋性単量体は、高分子の分子構造を改質する目的で添加するため構造改質剤とも呼ばれているが、以下のようなものが使用される。N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリアリルアミン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸―1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、N−ビニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアリルアクリルアミド、アクリル酸グリシジル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アクロレイン、グリオキザール、ビニルトリメトキシシランなどがあるが、この場合の架橋剤としては、水溶性ポリビニル化合物がより好ましく、最も好ましいのはN,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミドである。またギ酸ナトリウム、イソプロピルアルコール等の連鎖移動剤を併用することも効果的である。これら架橋性単量体は、使用する単量体総量に対し質量で0.0005〜0.1000%、また好ましくは0.0010〜0.0500%存在させる。また連鎖移動剤は、使用する単量体総量に対し質量で0.0010〜1.0000%、また好ましくは0.0050〜0.5000%存在させる。
紙の欠陥発生の原因物質は、アニオントラッシュ、マイクロピッチおよび濁度成分が現在では考えられている。またピッチ低減剤を製紙工程のウェットエンドのどの場所で添加するとより有効であるが重要な要素である。抄紙系内においてピッチ分が成長するメカニズムは大きく二つに分けられると考えている。一つは、原料チェスト、混合チェスト、マシンチェスト、種箱までのおよそ3〜4%の原料系においてであり、もう一つは、種原料が循環白水で希釈され、インレットとなり、その白水がさらに循環する白水循環系である。原料チェスト、混合チェスト、マシンチェスト、種箱までの約3〜4%の原料濃度の部分においては、アニオントラッシュやマイクロピッチ、濁度成分は、攪拌やエアレーション、pH変化、薬剤添加により集塊化される。
一方白水系における種原料繊維と原因物質との関係は、種原料が微細繊維を多く含む白水で希釈されることにより、種原料の状態よりも長繊維以外の、微細繊維やピッチ分等が多くなり、それらが循環系のためお互いが接触、衝突する時間がより長くなることである。実際の抄紙工程の白水循環系では、原料系でマイクロピッチや濁度成分の繊維への定着や、集塊化が進んでいるため、アニオントラッシュ、マイクロピッチ、濁度成分は少ない場合が多い。そのためインレット・白水等のカチオン要求量やマイクロピッチ、濁度の測定値が多くのケースで低いことである。そしてパルプ繊維に定着せず集塊化が進んだピッチ分は、微細繊維や填料を巻き込んで粗大粘着物になり、欠陥の要因になると想定される。白水循環系での凝結剤に求められることは、集塊化したピッチ分を、粗大粘着物になる前に繊維へ定着させ抄紙工程内から紙として排出し、白水循環系中の集塊化したマイクロピッチや濁度成分の濃度を低下させることである。
上記のような検討を顧慮し本発明においては、製紙工程中の原料チェスト、混合チェスト、マシンチェスト、種箱までのおよそ3〜4%の原料系において本発明のジアリルアミン系単量体と(メタ)アクリル系単量体の共重合物からなる油中水型エマルジョンあるいはその希釈液を、抄紙前の製紙原料中に添加しピッチ障害物を処理することが有効である。また白水が添加され製紙原料が希釈されるファンポンプの手前、スクリーンの入り口および出口から選択される一箇所などで添加することも可能ではある。その添加量は、対製紙原料乾燥固形分当たり0.01〜0.1質量%、好ましくは0.02〜0.05質量%程である。
本発明においては、紙の欠陥発生原因物質と考えられるアニオントラッシュやマイクロピッチ、濁度成分に関しての測定方法は以下のように行う。本発明で使用する水溶性高分子を添加することによりアニオントラッシュの電荷を中和し、マイクロピッチおよび濁度成分をパルプ繊維に定着させ、その結果未定着のマイクロピッチおよび濁度成分が集塊化するのを防ぐことができる。この効果を確認するため以下の測定法を実施する。すなわち製紙原料中のマイクロピッチや濁度成分と、アニオントラッシュの量を確認するためには、原料ろ過液のマイクロピッチをヘマサイトメーターにより、濁度濁度計により、アオントラッシュはカチオン要求量をPCD計によりそれぞれ測定する。また粘着物は、転写板を使用した粘着物測定法によって実施する。
製紙原料に白水を混合し、本発明における水性高分子を添加した後、一定時間攪拌し、その後希釈した製紙原料の粘着物は、転写板を使用した粘着物測定法、マイクロピッチはヘマサイトメーターにより、濁度は濁度計により、アニオントラッシュはカチオン要求量をPCD計によりそれぞれ測定する。後述する実施例における各試験は、以上のような測定によっている。
本発明におけるピッチ低減方法として、本発明の油中水型エマルジョンだけでなく、他の製紙用薬品を併用して添加することができる。即ち、填料、紙力剤、サイズ剤、硫酸バンド、歩留向上剤、濾水性向上剤等と併用して添加することができる。
対象抄造製紙原料としては特に限定はなく、新聞用紙、上質紙、PPC用紙、塗工原紙、微塗工紙、板紙等に適用できる。また個別の製紙原料についても制限はなく、DIP、コートブローク、機械パルプ、雑誌古紙、段ボール古紙、ブロークパルプ等に適用できる。
(実施例)以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
沸攪拌機、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに点190℃ないし230℃のイソパラフィン121.5g、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレート(HLB11)5.0g、ソルビタンモノオレート5.4g、非イオン型高分子界面活性剤(Croda Japan社製 HypermerB246)0.6gを仕込み溶解させた。別に65質量%水溶液ジアリルジメチルアンモニウムクロリド176.2(使用量全量)g、50質量%水溶液アクリルアミド22.7(全使用量の15質量%)g、脱イオン水40.0g、蟻酸ナトリウム0.095gをそれぞれ採取し添加した。油相と水溶液を混合し、ホモジナイザーにて8000rpmで2分30秒間攪拌乳化した。この乳化液を攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに投入した。
得られたエマルジョン単量体溶液の温度を60℃に保ち、窒素置換を20分行なった後、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート(和光純薬製V−601)0.57g(対単量体0.3質量%)を加え、重合反応を開始
させた。続いて、内温を60℃に保ちながら、蟻酸ナトリウム0.285gを添加した使用量の85質量%であるアクリルアミド50%水溶液128.3gを1.5時間かけて反応系内に滴下した。
重合後、生成した油中水型エマルジョンに転相剤としてHLB11.7のポリオキシアルキレンアルキルアルキルエ−テル20.0g(対液4重量%)を添加混合した。重合後のモノマー濃度は30%である。重量平均分子量は動的光散乱法により測定し、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドの反応率は、重合物をアセトン中に投入し、脱水、乾燥後、再溶解し、コロイド滴定法によりカチオン当量値から求めた。これを試料−1とする。同様な操作により条件を変化し試料−2〜試料−14を合成した。
(比較例1)
沸攪拌機、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに点190℃ないし230℃のイソパラフィン121.5g、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレート(HLB11)5.0g、ソルビタンモノオレート5.4g、非イオン型高分子界面活性剤(Croda Japan社製 HypermerB246)0.6gを仕込み溶解させた。別に65質量%ジアリルジメチルアンモニウムクロリド176.2g、50質量%アクリルアミド151.1g(使用量全量)、脱イオン水40.0g、蟻酸ナトリウム0.095gをそれぞれ採取し添加した。油相と水溶液を混合し、ホモジナイザーにて8000rpmで2分30秒間攪拌乳化した。この乳化液を攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに投入した。
得られたエマルジョン単量体溶液の温度を60℃に保ち、窒素置換を20分行なった後、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート(和光純薬製V−601)0.57g(対単量体0.3質量%)を加え、重合反応を開始させた。重合後、生成した油中水型エマルジョンに転相剤としてHLB11.7のポリオキシアルキレンアルキルアルキルエ−テル20.0g(対液4重量%)を添加混合した。重合後のモノマー濃度は38%、DADMAC反応率は91.4%であった。動的光散乱法による重量平均分子量は、369万であった。ジアリルジメチルアンモニウムクロリドの反応率は、重合物をアセトン中に投入し、脱水、乾燥後、再溶解し、コロイド滴定法によりカチオン当量値から求めた。これを比較−1とする。結果を表1に示す。
(比較例2)
沸攪拌機、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに点190℃ないし230℃のイソパラフィン121.5g、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレート(HLB11)5.0g、ソルビタンモノオレート5.4g、非イオン型高分子界面活性剤(Croda Japan社製 HypermerB246)0.6gを仕込み溶解させた。別に65質量%ジアリルジメチルアンモニウムクロリド176.2(使用量全量)g、脱イオン水40.0gをそれぞれ採取し添加した。油相と水溶液を混合し、ホモジナイザーにて8000rpmで2分30秒間攪拌乳化した。この乳化液を攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに投入した。
得られたエマルジョン単量体溶液の温度を60℃に保ち、窒素置換を20分行なった後、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート(和光純薬製V−601)0.57g(対単量体0.3質量%)を加え、重合反応を開始させた。続いて、内温を60℃に保ちながら、蟻酸ナトリウム0.38gを添加した使用量全量のアクリルアミド50%水溶液151.1g(0.80モル)を1.5時間かけて反応系内に滴下した。重合後、生成した油中水型エマルジョンに転相剤としてHLB11.7のポリオキシアルキレンアルキルアルキルエ−テル20.0g(対液4質量%)を添加混合した。これを比較−2とする。同様な操作により条件を変化し比較−3〜比較−4を合成した。結果を表1に示す。
(比較例3)
比較のため水溶液重合法によりジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミド共重合物を合成した。沸攪拌機、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに、
65質量%水溶液ジアリルジメチルアンモニウムクロリド88.1(使用量全量)g、50質量%水溶液アクリルアミド11.4(全使用量の15質量%)g、脱イオン水214.0g、蟻酸ナトリウム0.05gをそれぞれ採取し添加し均一溶液になるよう攪拌した。この時の単量体濃度は、25質量%である。
得られた水溶液の温度を60℃に保ち、窒素置換を20分行なった後、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート(和光純薬製V−601)0.29g(対単量体0.3質量%)を加え、重合反応を開始させた。続いて、内温を60℃に保ちながら、蟻酸ナトリウム0.143gを添加した使用量の85質量%であるアクリルアミド50%水溶液64.2gを1.5時間かけて反応系内に滴下した。重合後のモノマー濃度は23%である。これを比較−5とする。動的光散乱法による重量平均分子量、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドの反応率は、重合物をアセトン中に投入し、脱水、乾燥後、再溶解し、コロイド滴定法によりカチオン当量値から求めた。これらの結果を表1に示す。
表1より結果を考察すると、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド40モル%とアクリルアミド60モル%の共重合物に関して見てみると、この共重合物の理論的なカチオン当量値3.74meq/gに近い3.64〜3.75meq/gが検出されている。これに対し重合時、一括して単量体を仕込んだ比較−1の共重合物のカチオン当量値は、3.20であり、また敷き液中にアクリルアミドを全く添加していない比較−2は3.34meq/g、敷き液中にアクリルアミドを全使用量の2.5質量%を添加した比較−3、敷き液中にアクリルアミドを全使用量の60質量%を添加した比較−4、敷き液中にアクリルアミドを全使用量の15質量%を添加し水溶液重合した比較−5、はそれぞれ3.24、3.38、3.51meq/gと検出され、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドが一部重合していないことが分かる。
(表1)
単量体濃度;重合完了後の単量体濃度(質量%)
製紙工場から採取したコートブローク原料(pH6.7、乾燥固形分3.19質量%)を用い、本発明のピッチ低減方法の試験を行った。背景技術で述べたように製紙原料のカチオン要求量、濁度の値とピッチ発生頻度は比較的高い相関関係にあり、これらの数値が高いとピッチ発生の頻度が高くなる傾向にありピッチの指標となる。前記表1に示す試料−1〜試料−14を0.1質量%になるように水で希釈し、30分間攪拌溶解した。次いで、コートブローク原料100mLをポリビーカーに採取し、試料−1〜試料−14を対製紙原料固形分250ppm添加し60秒攪拌した。その後、ワットマン濾紙No.41により濾過し、濾液のカチオン要求量をBTG社製PCD−03型により、濁度をHACH社製2100P型により測定した。結果を表2に示す。
次にマイクロピッチを測定するため試料−1〜試料−14で処理したコートブローク原料を、Whatman濾紙No.41で濾過し、濾液を厚さ0.2mmのカウンティングチェンバー(ヘマサイトメーター)上に採取し、光学顕微鏡1200倍で観察した。ピントを垂直方向にずらしていきながら静止画を複数枚撮影した。カウンティングチェンバー上の異なる5箇所以上で同様の操作を繰り返した。画像処理ソフト(Media Cybernetics,inc. IMAGE−PRO PLUS Ver.5.0)を用い、顕微鏡画像の静止画を取込み、RGB値のレンジ設定をR値(0−190)、G値(0−130)、B値(0−156)に調整することにより、目的とする粒子を抽出した。その抽出した粒子について、個数を測定した。結果を表2に示す。
同様な操作によって比較例−1〜比較例−5の試料および薬剤無添加の場合に関して試験を行った。結果を表2に示す。
(表2)
表2を見て分かるように、試作−1〜試作−14はカチオン要求量、濁度、マイクロピッチ数などピッチ障害作用に関連する指標は、いずれも比較−1〜比較−5に較べ性能を上回る結果を発現している。これは、試作−1〜試作−14に関してはジアリルアミン系単量体とアクリルアミドの共重合性が向上し、ジアリルアミン系単量体のイオン性とアクリルアミドの非イオン性がバランスしてピッチ成分との親和性が増し、ピッチ障害低減効果が高まった結果と考えられる。

Claims (6)

  1. 使用するジアリルアミン系単量体全量と使用する(メタ)アクリル系単量体の5質量%〜15質量%からなる水溶液を、水に非混和性の有機液体と界面活性剤により該有機液体を連続相、該水溶液を分散相とする油中水型エマルジョンを形成させ、重合開始剤により共重合を開始させた後、該油中水型エマルジョン中に、残りの前記(メタ)アクリル系単量体水溶液を連続的あるいは間歇的に添加し共重合したことを特徴とする、ジアリルアミン系水性共重合物を含有する油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤。
  2. 共重合物中のジアリルアミン系単量体共重合比率が、20〜80モル%であることを特徴とする請求項1に記載の油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤。
  3. 前記ジアリルアミン系単量体が、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドであり、前記(メタ)アクリル系単量体が、アクリルアミドであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤。
  4. 前記油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤の重合が完了した時の単量体濃度として30〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤。
  5. 前記共重合時に連鎖移動剤を使用する単量体総量に対し質量で0.0010〜1.0000%共存させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の油中水型エマルジョンからなるピッチ低減剤。
  6. 使用するジアリルアミン系単量体全量と使用する(メタ)アクリル系単量体の5質量%〜15質量%からなる水溶液を、水に非混和性の有機液体と界面活性剤により該有機液体を連続相、該水溶液を分散相とする油中水型エマルジョンを形成させ、重合開始剤により共重合を開始させた後、該油中水型エマルジョン中に、残りの前記(メタ)アクリル系単量体水溶液を連続的あるいは間歇的に添加し共重合し製造したジアリルアミン系単量体と(メタ)アクリル系単量体の共重合物からなる油中水型エマルジョンあるいはその希釈液を、抄紙前の製紙原料中に添加し、ピッチ障害物を処理することを特徴とするピッチ障害低減方法。

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