JP2001262347A - 被膜構造体 - Google Patents

被膜構造体

Info

Publication number
JP2001262347A
JP2001262347A JP2000073484A JP2000073484A JP2001262347A JP 2001262347 A JP2001262347 A JP 2001262347A JP 2000073484 A JP2000073484 A JP 2000073484A JP 2000073484 A JP2000073484 A JP 2000073484A JP 2001262347 A JP2001262347 A JP 2001262347A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
silicon
layer
carbide film
composite material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000073484A
Other languages
English (en)
Inventor
Naotaka Kato
尚孝 加藤
Hirotake Yamada
裕丈 山田
Hiromichi Kobayashi
小林  廣道
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2000073484A priority Critical patent/JP2001262347A/ja
Publication of JP2001262347A publication Critical patent/JP2001262347A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】炭化珪素膜を有する被膜構造体において、緻密
質であって高い耐蝕性を有するという、化学的気相成長
法によって生成した炭化珪素膜の特性を生かしつつ、そ
の加工性を改善する。 【課題手段】被膜構造体は、基体、基体の表面の少なく
とも一部を被覆する化学的気相成長法によって育成され
た炭化珪素膜、および炭化珪素膜の表面を被覆する厚さ
1−50μmの化学的気相成長法によって育成された珪
素金属層を備える。珪素金属層の代わりに、珪素金属−
炭化珪素複合材料層を形成できる。珪素金属層あるいは
珪素金属−炭化珪素複合材料層を形成した後に、これら
を窒化処理等して改質できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い緻密性、耐蝕
性を有しており、かつ加工が容易な被膜構造体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】黒鉛等の基材の表面に、化学的気相成長
法によって炭化珪素膜を製造する方法は、例えば特開平
10−256108号公報に記載されている。こうした
炭化珪素膜は、緻密質であって、高い耐蝕性を示す傾向
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、Si−S
iC複合材料の表面の所定領域内に、炭化珪素膜を化学
的気相成長法によって形成することを試みていた。複合
材料の表面に炭化珪素膜を形成するためには、通常、四
塩化珪素等の珪素源ガスと、メタン等の炭化水素ガス
と、炭化水素ガスの分解反応を抑制するための水素ガス
とを流す。そして珪素源ガスと炭化水素ガスとをSi−
SiC複合材料上で反応させ、炭化珪素膜を生成させ
る。こうして得られた炭化珪素膜は、緻密質であり、高
い耐蝕性、耐摩耗性を示す。また、原料ガスの純度を向
上させることによって、コンタミネーションを発生させ
ない高純度の炭化珪素膜が得られる。従って、こうした
炭化珪素膜は、半導体製造装置用途に特に適していた。
【0004】しかし、こうして得られた炭化珪素膜は、
緻密質であって、かつ高い硬度を有していることから、
加工しにくい。即ち、切削加工、研削加工、更にラッピ
ングなどの精密研磨加工の際に摩耗量が小さく、このた
め加工に時間がかかる。
【0005】本発明の課題は、炭化珪素膜を有する被膜
構造体において、緻密質であって高い耐蝕性を有すると
いう、化学的気相成長法によって生成した炭化珪素膜の
特性を生かしつつ、その加工性を改善することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基体と、この
基体の表面の少なくとも一部を被覆する化学的気相成長
法によって育成された炭化珪素膜と、この炭化珪素膜の
表面を被覆する厚さ1−50μmの化学的気相成長法に
よって育成された珪素金属層とを備えていることを特徴
とする、被膜構造体に係るものである。
【0007】また、本発明は、基体と、この基体の表面
の少なくとも一部を被覆する化学的気相成長法によって
育成された炭化珪素膜と、この炭化珪素膜の表面を被覆
する厚さ1−50μmの化学的気相成長法によって育成
された珪素金属−炭化珪素複合材料層とを備えているこ
とを特徴とする、被膜構造体に係るものである。
【0008】本発明者は、化学的気相成長法によって炭
化珪素膜を生成させるプロセスにおいて、更に炭化珪素
膜の上に珪素金属層、あるいは珪素金属−炭化珪素複合
材料層を生成させることを想到し、製造した。こうして
得られた被膜構造体の表面は、研削加工、切削加工の際
に比摩耗量が大きく、加工速度が速いことが分かった。
しかも、こうして得られた被膜は、全体として炭化珪素
膜の高い緻密性と耐蝕性とを保持していることを見出
し、本発明に到達した。
【0009】珪素金属層、珪素金属−炭化珪素複合材料
層の厚さを1μm以上とすることによって、前記した加
工性の改善効果が得られる。この観点から、前記層の厚
さを10μm以上とすることが更に好ましい。
【0010】珪素金属層、珪素金属−炭化珪素複合材料
層の厚さを50μm以下とすることによって、前記層が
炭化珪素膜から剥離するのを防止できる。前記層と炭化
珪素膜との間の密着性を一層向上させるという観点か
ら、前記層の厚さを30μm以下とすることが一層好ま
しい。
【0011】被膜構造体の加工性を改善するという観点
からは、珪素金属−炭化珪素複合材料層において、珪素
金属の割合は50mol%以上とすることが好ましく、
80mol%以上とすることが一層好ましい。また、珪
素金属の割合が100mol%に至ると、珪素金属−炭
化珪素複合材料ではなく、珪素金属単独となるが、この
場合にも前述のように本発明の目的を達成できる。従っ
て、珪素金属−炭化珪素複合材料における珪素金属の割
合の上限は特になく、珪素金属の割合が100mol%
に至るまで(炭化珪素が存在しなくなるまで)、珪素金
属−炭化珪素複合材料における珪素金属の割合を増加さ
せて良い。
【0012】また、本発明者は、前記した珪素金属層、
あるいは珪素金属−炭化珪素複合材料層を形成した後
で、これらの層を窒化処理、あるいは酸化処理すること
を想到した。この結果、炭化珪素膜の上に容易に改質層
が得られることが分かった。
【0013】即ち、珪素金属層を窒化処理することで窒
化珪素からなる改質層が得られ、珪素金属−炭化珪素複
合材料層を窒化処理することで、窒化珪素と炭化珪素と
の複合材料からなる改質層が得られた。これらの改質層
を生成させた場合には、ハロゲン系腐食性ガスに対する
被膜構造体の耐蝕性が一層改善される。
【0014】ハロゲン系腐食性ガスとしては、例えばH
Cl、Cl2 、SiCl 4 、BCl3 、F2 、ClF
3 、NF3 、SF6 、CF4 、CHF3 、C38、C2
6 が挙げられる。
【0015】また、珪素金属層を酸化処理することで酸
化珪素からなる改質層が得られ、珪素金属−炭化珪素複
合材料層を酸化処理することで、酸化珪素と炭化珪素と
の複合材料からなる改質層が得られた。これらの改質層
を生成させた場合には、高温の酸化性雰囲気中、および
前述のハロゲン系腐食性ガス雰囲気あるいはそのプラズ
マ中で高い耐蝕性を有する被膜構造体が得られる。
【0016】しかも、これらの各改質層は、加工が容易
である点に注目するべきである。即ち、被膜構造体の表
面に窒化珪素層、酸化珪素層などを形成することは可能
であろうが、窒化珪素、酸化珪素はやはり加工が困難で
ある。一方、本発明の場合には、化学的気相成長法によ
っていったん珪素金属層を形成した後で、珪素金属層を
加工し、その後で珪素金属層を窒化処理または酸化処理
する。従って、窒化珪素、酸化珪素からなる改質層を容
易に形成できる。これは、窒化珪素と炭化珪素との複合
材料からなる改質層の場合、酸化珪素と炭化珪素との複
合材料からなる改質層の場合にも同様である。
【0017】好ましくは、改質層の厚さが5μm以上で
あり、更に好ましくは30μm以上である。このように
改質層の厚さを大きくすることで、前述した各耐蝕性を
一層向上させることができる。
【0018】従来も、炭化珪素膜の表面を窒化処理、酸
化処理によって改質することは知られている。しかし、
化学的気相成長法によって炭化珪素膜を生成させた場合
には、炭化珪素膜の緻密性が非常に高く、このために改
質が難しい。例えばこうした炭化珪素膜を高温の窒素雰
囲気中で窒化処理した場合にも、表面から高々数μm程
度しか改質することができない。この一方、本発明にお
ける珪素金属層、あるいは珪素金属と炭化珪素との複合
材料層は、高温での窒素雰囲気あるいは酸素雰囲気中で
容易に5μm以上の深さ、最大50μmの深さまで改質
することができた。
【0019】被膜構造体の珪素金属と炭化珪素との複合
材料層を改質する場合には、珪素金属の割合が高いほど
改質が容易である。従って、この観点からは、珪素金属
の割合が50mol%以上であることが好ましく、80
mol%以上であることが更に好ましい。
【0020】基体の材質は限定されないが、以下のもの
が特に好ましい。 (1)Si−SiC複合材料 炭化珪素と金属シリコンとの混合焼結体。金属シリコン
は炭化珪素の空洞内に含浸されている。 (2)炭化珪素を主成分とする焼結体。例えば、(a)
炭化珪素の組成比率が90%以上であり、かつ相対密度
が90%以上である焼結体。(b)炭化珪素の組成比率
が90%以上であり、かつ相対密度が56%〜90%で
ある多孔質焼結体。 (3)窒化珪素、窒化アルミニウム等の絶縁性セラミッ
クス。
【0021】好ましくは、炭化珪素膜は、高純度で理論
密度と同じ完全緻密体であり、特に好ましくは、炭化珪
素膜の純度が99.9999%以上である。
【0022】化学的気相成長法によって、本発明の炭化
珪素膜を生成させる場合には、好ましい条件は以下のと
おりである。
【0023】炉内に基体を設置する。成膜温度におい
て、炉内にしばらく水素を流し続けた後に、水素と炭素
源化合物とをしばらく流し、次いで炭素源化合物を停止
して水素と珪素源化合物とを炉内に短時間導入する。次
いで、水素と珪素源化合物と炭素源化合物とを炉内に導
入し、炭化珪素膜を形成する。珪素源化合物としては、
SiCl4 、SiHCl3 、SiCl22 、SiH4
を使用でき、炭素源化合物としてはCH4 、C26
38 を使用できる。成膜温度は、装置にもよるが低
くする方が良く、例えば1200−1280℃とするこ
とができる。
【0024】炭化珪素膜を生成させた後、珪素金属層あ
るいは珪素金属−炭化珪素複合材料層を生成させる際に
は、いったん炭化珪素膜付きの基体を化学的気相成長装
置から排出し、別の化学的気相成長装置内に収容するこ
ともできる。しかし、炭化珪素膜と、珪素金属層あるい
は珪素金属−炭化珪素複合材料層との密着性を向上さ
せ、炭化珪素膜の利点を最大限引き出すためには、両者
の成膜プロセスを同じ化学的気相成長装置内で連続して
行うことが好ましい。
【0025】珪素金属層を生成させるには、成膜温度に
おいて、炉内に水素と珪素源化合物とを導入する。成膜
温度は、1180−1260℃とすることが好ましい。
【0026】珪素金属−炭化珪素複合材料層を生成させ
る場合には、成膜温度において、炉内に水素と珪素源化
合物と炭素源化合物とを導入する。この際、珪素源化合
物の割合を炭素源化合物に対して増大させることで、複
合材料中の珪素金属の割合を増大させることができる。
成膜温度は、1180−1260℃とすることが好まし
い。
【0027】前記窒化処理の際には、改質前の被膜構造
体を600−1400℃で窒素雰囲気中に静置すること
が好ましく、1000−1400℃で窒素雰囲気中に静
置することが更に好ましい。前記酸化処理の際には、改
質前の被膜構造体を500−1400℃で酸素雰囲気中
に静置することが好ましく、1000−1400℃で酸
素雰囲気中に静置することが更に好ましい。
【0028】本発明によって製造される被膜構造体は、
各種の製品に対して適用することができる。こうした製
品として、ガスタービン用の燃焼器、静翼、動翼、熱交
換器、燃焼ガス通路部品を例示できる。また、電磁波透
過体にも適用できる。これには、電磁波透過窓、高周波
電極装置、高周波プラズマを発生させるためのチュー
ブ、高周波プラズマを発生させるためのドームを例示で
きる。また、本発明によって製造されるバルク体は、半
導体ウエハーを設置するためのサセプターの基材として
使用できる。こうしたサセプターとしては、セラミック
静電チャック、セラミックスヒーター、高周波電極装置
を例示することができる。この他、ダミーウエハー、シ
ャドーリング、半導体ウエハーを支持するためのリフト
ピン、シャワー板等の各半導体製造用装置用の基材とし
て、使用することができる。
【0029】
【実施例】(炭化珪素膜および珪素金属層の生成)化学
的気相成長法によって、Si−SiC複合材料からなる
平板形状の基体の表面に、炭化珪素膜と珪素金属層とを
連続的に生成させた。具体的には、基体の寸法は、共に
100mm×200mm×10mmとした。Si−Si
C複合材料を製造する際には、60重量%の炭化珪素粗
粒と、30重量%の炭化珪素微粒と、10重量%の炭素
粉末とを混合して成形体を得、この成形体の上に、金属
珪素を主成分とする別の成形体を載せ、2100℃で熱
処理することによって、珪素金属を溶融させつつ、粉末
焼結させた。
【0030】基体を化学的気相成長炉内に収容し、設置
した。炉内を真空引きし、アルゴンガスによって置換し
た。室温から成膜温度(1280℃)まで昇温する間
は、キャリアガスとしてアルゴンを供給した。次いで、
成膜温度に到達した時点で、最初に水素を10分間−1
時間単独で流し、次いで水素とメタンとを1−10分間
流した。次いで、メタンを停止し、水素と四塩化珪素と
を5−10分間流した。次いで、水素と四塩化珪素とメ
タンとを10時間流すことによって、膜厚1.5mmの
炭化珪素膜を形成した。
【0031】次いで、メタンを停止し、炉内温度を12
00℃に低下させ、アルゴン、水素および四塩化珪素を
流すことによって、珪素金属層を生成させた。この成膜
時間を調節することによって、珪素金属層の厚さを、1
4μm、20μm、42μm、60μmに調節した。こ
の際の圧力は100Torrとし、四塩化珪素の流量は
200cc/分とした。
【0032】この結果、珪素金属層の厚さを14μm、
20μm、42μmとした場合には、良好な膜が生成し
た。珪素金属層の厚さを60μmとした場合には、珪素
金属層と炭化珪素膜との間に微細な剥離が生成してい
た。
【0033】(炭化珪素膜および珪素金属−炭化珪素複
合材料層の生成)前述したのと同様にして炭化珪素膜お
よび複合材料層を生成させた。ただし、炭化珪素膜を生
成させた後に、炉内温度を1200℃に低下させ、メタ
ン、アルゴン、水素および四塩化珪素を流すことによっ
て、複合材料層を生成させた。この際のメタンと四塩化
珪素との割合を調節することによって、複合材料中の珪
素金属の割合を調節した。また、成膜時間を調節するこ
とによって、複合材料層の厚さを5−50μmに調節し
た。複合材料中の珪素金属の割合は、80mol%ある
いは50mol%とした。
【0034】(加工性)前述した各被膜構造体の試料に
ついて、加工性の指標として比摩耗量を測定した。具体
的には、ボールオンディスク法を採用し、試験前の質量
と試験後の質量とを測定し、この差から比摩耗量を算出
した。試験条件は、以下のとおりである。試験結果を表
1に示す。
【0035】円板試験片の寸法:直径φ250mm 球形試験片の寸法:直径30mm 球形試験片の材質:化学的気相成長法によって生成した
炭化珪素(ボールオンディスク法においては、通常は、
円板試験片と球形試験片とは同一の材料を使用するが、
本実施例では比較のために、球形試験片の材質をCVD
−SiCに統一した) 荷重P:10N しゅう動速度:しゅう動円の直径φ=200mm×π×
回転速度9.6rpm=6m/分=0.1m/秒 しゅう動距離L:しゅう動速度0.1m/秒×2000
0秒=2000m 比摩耗量:Ws=(W1 −W2 )/PLρ なお、表1において、「E−3」は「×10-3」の略号
であり、「E−4」は「×10-4」の略称である。
【0036】
【表1】
【0037】以上の結果から分かるように、炭化珪素膜
単独の場合よりも、炭化珪素膜上に珪素金属層あるいは
珪素金属−炭化珪素複合材料層を設けた場合の方が比摩
耗量が大きく、従って容易に加工できる。
【0038】(ハロゲン系腐食性ガスに対する耐蝕性)
次いで、前述した表1に示した3種類の各被膜構造体
[基体/炭化珪素膜/珪素金属層、基体/炭化珪素膜/
複合材料(珪素金属80mol%)、および基体/炭化
珪素膜)について、それぞれ三フッ化塩素ガスに対する
耐蝕性を試験した。具体的には、各被膜構造体につい
て、寸法10mm×10mm×1mmの試験片を準備し
た。次いで、ClF3 ガスおよびN2 ガスを、それぞれ
75sccmおよび100sccmの流量で流して混合
ガスとし、混合ガスの圧力を0.1Torrとした。各
試験片を460℃に加熱し、前記混合ガス中に5時間保
持し、被膜の単位面積当たりの重量減少量を測定した。
この結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】この結果から分かるように、本発明の被膜
構造体は、比較例の被膜構造体に対して同等の耐蝕性を
示した。
【0041】(窒化処理による改質層の生成)次に、表
1に示した2種類の各被膜構造体[基体/炭化珪素膜/
珪素金属層、基体/炭化珪素膜/複合材料(珪素金属8
0mol%)]について、表面層を窒化処理した。具体
的には、寸法10mm×10mm×1mmの試験片を、
1400℃で窒素雰囲気中に10時間保持した。この
後、前述の耐蝕性試験を行い、被膜の単位面積当たりの
重量減少量を測定した。この結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】(酸化処理による改質層の生成)次に、表
1に示した2種類の各被膜構造体[基体/炭化珪素膜/
珪素金属層(厚さ42μm)、基体/炭化珪素膜/複合
材料(珪素金属80mol%)]について、表面層を酸
化処理した。具体的には、寸法10mm×10mm×1
mmの試験片を、1400℃で酸素雰囲気中に10時間
保持した。この後、前述の耐蝕性試験を行い、被膜の単
位面積当たりの重量減少量を測定した。この結果を表4
に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、炭
化珪素膜を有する被膜構造体において、緻密質であって
高い耐蝕性を有するという、化学的気相成長法によって
生成した炭化珪素膜の特性を生かしつつ、その加工性を
改善することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 廣道 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 4K030 AA03 AA06 AA09 AA17 BA29 BA37 BB13 CA05 JA01 LA11 5F004 AA16 BB22 BB29

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体と、この基体の表面の少なくとも一部
    を被覆する化学的気相成長法によって育成された炭化珪
    素膜と、この炭化珪素膜の表面を被覆する厚さ1−50
    μmの化学的気相成長法によって育成された珪素金属層
    とを備えていることを特徴とする、被膜構造体。
  2. 【請求項2】基体と、この基体の表面の少なくとも一部
    を被覆する化学的気相成長法によって育成された炭化珪
    素膜と、この炭化珪素膜の表面を被覆する厚さ1−50
    μmの化学的気相成長法によって育成された珪素金属−
    炭化珪素複合材料層とを備えていることを特徴とする、
    被膜構造体。
  3. 【請求項3】前記珪素金属−炭化珪素複合材料層におけ
    る珪素金属の割合が50mol%以上であることを特徴
    とする、請求項2記載の被膜構造体。
  4. 【請求項4】基体と、この基体の表面の少なくとも一部
    を被覆する化学的気相成長法によって育成された炭化珪
    素膜と、この炭化珪素膜の表面を被覆する厚さ1−50
    μmの改質層とを備えており、この改質層が、化学的気
    相成長法によって育成された珪素金属層の窒化処理また
    は酸化処理によって生成していることを特徴とする、被
    膜構造体。
  5. 【請求項5】前記改質層の厚さが5μm以上であること
    を特徴とする、請求項4記載の被膜構造体。
  6. 【請求項6】基体と、この基体の表面の少なくとも一部
    を被覆する化学的気相成長法によって育成された炭化珪
    素膜と、この炭化珪素膜の表面を被覆する厚さ1−50
    μmの改質層とを備えており、この改質層が、化学的気
    相成長法によって育成された珪素金属−炭化珪素複合材
    料層の窒化処理または酸化処理によって生成しているこ
    とを特徴とする、被膜構造体。
  7. 【請求項7】前記改質層の厚さが5μm以上であること
    を特徴とする、請求項6記載の被膜構造体。
  8. 【請求項8】前記珪素金属−炭化珪素複合材料層におけ
    る珪素金属の割合が50mol%以上であることを特徴
    とする、請求項6または7記載の被膜構造体。
JP2000073484A 2000-03-16 2000-03-16 被膜構造体 Pending JP2001262347A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000073484A JP2001262347A (ja) 2000-03-16 2000-03-16 被膜構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000073484A JP2001262347A (ja) 2000-03-16 2000-03-16 被膜構造体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001262347A true JP2001262347A (ja) 2001-09-26

Family

ID=18591721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000073484A Pending JP2001262347A (ja) 2000-03-16 2000-03-16 被膜構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001262347A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115259161A (zh) * 2022-08-10 2022-11-01 航天特种材料及工艺技术研究所 一种套环状碳化硅纳米纤维气凝胶材料及其制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115259161A (zh) * 2022-08-10 2022-11-01 航天特种材料及工艺技术研究所 一种套环状碳化硅纳米纤维气凝胶材料及其制备方法
CN115259161B (zh) * 2022-08-10 2023-05-05 航天特种材料及工艺技术研究所 一种套环状碳化硅纳米纤维气凝胶材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI654159B (zh) 減小曝露於含鹵素電漿下之表面腐蝕速率的方法與設備
KR100953707B1 (ko) 반도체 프로세싱 부품 및 이를 사용하는 반도체 제조방법
US20130174980A1 (en) High strength bonding and coating mixture and method
US11401599B2 (en) Erosion resistant metal silicate coatings
JP3930920B2 (ja) 粒子発生の低い耐プラズマ弗素アルミナセラミック材料及び製造方法
JPH11214365A (ja) 半導体素子製造装置用部材
KR101628689B1 (ko) 플라즈마 처리 장치용 탄화규소 부품 및 이의 제조방법
JP3618048B2 (ja) 半導体製造装置用部材
US20020179192A1 (en) Method of producing anti-corrosion member and anti-corrosion member
JP4166386B2 (ja) 耐蝕性部材およびその製造方法
US7179505B2 (en) Manufacturing method of MoSi2-SiC nanocomposite coating
JP2001262347A (ja) 被膜構造体
JP3784180B2 (ja) 耐食性部材
JP4028274B2 (ja) 耐食性材料
JP2000327459A (ja) 低圧CVD用SiC治具及びその製造法
JP4032178B2 (ja) 窒化珪素溶射膜の製造方法
JPH11278944A (ja) 窒化珪素質耐食性部材及びその製造方法
JPH0692761A (ja) CVD−SiCコートSi含浸SiC製品およびその製造方法
WO2023008439A1 (ja) 半導体製造装置用の部材およびそのような部材を製造する方法
Parretta et al. Influence of substrate and process parameters on the properties of CVD-SiC
JP3739507B2 (ja) 熱処理用治具の製造方法
JP2000026166A (ja) 高純度窒化珪素質耐食性部材及びその製造方法
JP2622609B2 (ja) 半導体製造用sic質セラミックス製品
JPH09328382A (ja) 半導体製造装置用の窒化アルミニウム基材及びその製造方法
JP2528928B2 (ja) 炭化けい素−窒化けい素複合膜の製造方法