JP2001261929A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び積層板 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び積層板Info
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- JP2001261929A JP2001261929A JP2000069737A JP2000069737A JP2001261929A JP 2001261929 A JP2001261929 A JP 2001261929A JP 2000069737 A JP2000069737 A JP 2000069737A JP 2000069737 A JP2000069737 A JP 2000069737A JP 2001261929 A JP2001261929 A JP 2001261929A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の積層板に比べ、低誘電率であって、且
つ、誘電正接が小さい積層板を製造可能な変成フェノー
ル生成物とエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成
物、このエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、及び
このプリプレグを用いた積層板を提供する。 【解決手段】 数平均分子量が10000〜30000
のポリフェニレンエーテル樹脂とフェノール性化合物を
ラジカル反応開始剤の存在下で再分配反応させて得た変
性フェノール生成物と、エポキシ樹脂と、このエポキシ
樹脂の硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物に、さ
らに、四フッ化エチレン樹脂を含有しているエポキシ樹
脂組成物。このエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレ
グ、及びこのプリプレグを用いた積層板。
つ、誘電正接が小さい積層板を製造可能な変成フェノー
ル生成物とエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成
物、このエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、及び
このプリプレグを用いた積層板を提供する。 【解決手段】 数平均分子量が10000〜30000
のポリフェニレンエーテル樹脂とフェノール性化合物を
ラジカル反応開始剤の存在下で再分配反応させて得た変
性フェノール生成物と、エポキシ樹脂と、このエポキシ
樹脂の硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物に、さ
らに、四フッ化エチレン樹脂を含有しているエポキシ樹
脂組成物。このエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレ
グ、及びこのプリプレグを用いた積層板。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂組成
物、このエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ及びこ
のプリプレグを用いた積層板に関し、例えば高周波領域
で使用されるプリント配線板の製造に用いられる積層板
及びプリプレグ並びにこのプリプレグの製造に用いられ
るエポキシ樹脂組成物に関する。
物、このエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ及びこ
のプリプレグを用いた積層板に関し、例えば高周波領域
で使用されるプリント配線板の製造に用いられる積層板
及びプリプレグ並びにこのプリプレグの製造に用いられ
るエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】衛星通信などに用いられるXバンド(8
〜12GHz)領域、いわゆる超高周波領域で使用する
プリント配線板の製造に用いられる積層板には、広い高
周波領域、広い温度範囲及び広い湿度範囲で、誘電率及
び誘電正接がいずれも一定で、且つ、好ましくは誘電正
接が小さいことが望まれており、このような用途に、エ
ポキシ樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂(以下、P
PEと記す。)を含有するエポキシ樹脂組成物を用いた
積層板が使用されている。
〜12GHz)領域、いわゆる超高周波領域で使用する
プリント配線板の製造に用いられる積層板には、広い高
周波領域、広い温度範囲及び広い湿度範囲で、誘電率及
び誘電正接がいずれも一定で、且つ、好ましくは誘電正
接が小さいことが望まれており、このような用途に、エ
ポキシ樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂(以下、P
PEと記す。)を含有するエポキシ樹脂組成物を用いた
積層板が使用されている。
【0003】従来、このエポキシ樹脂及びPPEを含有
するエポキシ樹脂組成物を用いた積層板としては、エポ
キシ樹脂とPPEを単に配合したエポキシ樹脂組成物を
用いた、エポキシ樹脂とPPEの硬化物が化学的に独立
して存在する積層板や、エポキシ樹脂のエポキシ基とP
PEの末端水酸基とを反応させることにより、PPEと
エポキシ樹脂が架橋した硬化物よりなる積層板が検討さ
れている。
するエポキシ樹脂組成物を用いた積層板としては、エポ
キシ樹脂とPPEを単に配合したエポキシ樹脂組成物を
用いた、エポキシ樹脂とPPEの硬化物が化学的に独立
して存在する積層板や、エポキシ樹脂のエポキシ基とP
PEの末端水酸基とを反応させることにより、PPEと
エポキシ樹脂が架橋した硬化物よりなる積層板が検討さ
れている。
【0004】これらのうち前者の積層板は、アルカリや
クロロホルムに浸漬して耐アルカリ性試験や耐溶剤性試
験を行うと、エポキシ樹脂とPPEの結合が不十分なた
めに層間剥離が発生する場合があるという問題があり、
また、後者の積層板は、用いたPPEが高分子量の場
合、PPEの末端フェノール性水酸基とエポキシ樹脂の
エポキシ基との反応性が低く、硬化物中に架橋構造に関
与しない未反応のPPEが多量存在するため、層間接着
強度が低いという問題や、前者の積層板と同様に耐溶剤
性試験を行うと、前者の積層板と比較すると優れるが、
依然として層間剥離が発生する場合があるという問題が
あった。
クロロホルムに浸漬して耐アルカリ性試験や耐溶剤性試
験を行うと、エポキシ樹脂とPPEの結合が不十分なた
めに層間剥離が発生する場合があるという問題があり、
また、後者の積層板は、用いたPPEが高分子量の場
合、PPEの末端フェノール性水酸基とエポキシ樹脂の
エポキシ基との反応性が低く、硬化物中に架橋構造に関
与しない未反応のPPEが多量存在するため、層間接着
強度が低いという問題や、前者の積層板と同様に耐溶剤
性試験を行うと、前者の積層板と比較すると優れるが、
依然として層間剥離が発生する場合があるという問題が
あった。
【0005】そのため、高分子量のPPEとフェノール
性化合物を、過酸化物等のラジカル反応開始剤存在下で
反応させることにより、用いたPPEの数平均分子量よ
り低分子量の、PPEで変成した変成フェノール生成物
を製造し、その変成フェノール生成物とエポキシ樹脂を
配合したエポキシ樹脂組成物を用いて、耐溶剤性が優れ
た積層板を製造することが検討されている。この積層板
の場合、変成フェノール生成物のフェノール性水酸基と
エポキシ樹脂のエポキシ基との反応により、PPEが硬
化物中の架橋構造に取り込まれるため、耐溶剤性が優れ
ると考えられている。
性化合物を、過酸化物等のラジカル反応開始剤存在下で
反応させることにより、用いたPPEの数平均分子量よ
り低分子量の、PPEで変成した変成フェノール生成物
を製造し、その変成フェノール生成物とエポキシ樹脂を
配合したエポキシ樹脂組成物を用いて、耐溶剤性が優れ
た積層板を製造することが検討されている。この積層板
の場合、変成フェノール生成物のフェノール性水酸基と
エポキシ樹脂のエポキシ基との反応により、PPEが硬
化物中の架橋構造に取り込まれるため、耐溶剤性が優れ
ると考えられている。
【0006】しかし、この変成フェノール生成物とエポ
キシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物を用いて得られ
る積層板について、より低誘電率であって、且つ、誘電
正接が小さいことがコンピュータ等の用途において望ま
れているが、従来の変成フェノール生成物とエポキシ樹
脂を含有するエポキシ樹脂組成物を用いたのでは、低誘
電率化、誘電正接の低減に限界があり、この問題に対す
る解決策が望まれている。
キシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物を用いて得られ
る積層板について、より低誘電率であって、且つ、誘電
正接が小さいことがコンピュータ等の用途において望ま
れているが、従来の変成フェノール生成物とエポキシ樹
脂を含有するエポキシ樹脂組成物を用いたのでは、低誘
電率化、誘電正接の低減に限界があり、この問題に対す
る解決策が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来
の変成フェノール生成物とエポキシ樹脂を含有するエポ
キシ樹脂組成物を用いた積層板に比べ、低誘電率であっ
て、且つ、誘電正接が小さい積層板を製造可能な変成フ
ェノール生成物とエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂
組成物、このエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、
及びこのプリプレグを用いた積層板を提供することにあ
る。
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来
の変成フェノール生成物とエポキシ樹脂を含有するエポ
キシ樹脂組成物を用いた積層板に比べ、低誘電率であっ
て、且つ、誘電正接が小さい積層板を製造可能な変成フ
ェノール生成物とエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂
組成物、このエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、
及びこのプリプレグを用いた積層板を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明のエ
ポキシ樹脂組成物は、数平均分子量が10000〜30
000のポリフェニレンエーテル樹脂とフェノール性化
合物をラジカル反応開始剤の存在下で再分配反応させて
得た変性フェノール生成物と、エポキシ樹脂と、このエ
ポキシ樹脂の硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物
であって、さらに、四フッ化エチレン樹脂を含有してい
ることを特徴としている。
ポキシ樹脂組成物は、数平均分子量が10000〜30
000のポリフェニレンエーテル樹脂とフェノール性化
合物をラジカル反応開始剤の存在下で再分配反応させて
得た変性フェノール生成物と、エポキシ樹脂と、このエ
ポキシ樹脂の硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物
であって、さらに、四フッ化エチレン樹脂を含有してい
ることを特徴としている。
【0009】請求項2に係る発明のエポキシ樹脂組成物
は、変性フェノール生成物の数平均分子量が1000〜
3000であることを特徴とする請求項1記載のエポキ
シ樹脂組成物である。
は、変性フェノール生成物の数平均分子量が1000〜
3000であることを特徴とする請求項1記載のエポキ
シ樹脂組成物である。
【0010】請求項3に係る発明のエポキシ樹脂組成物
は、四フッ化エチレン樹脂の含有割合が、変性フェノー
ル生成物と、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂の硬化
剤の合計量100重量部に対し、1〜90重量部である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエポキシ
樹脂組成物である。
は、四フッ化エチレン樹脂の含有割合が、変性フェノー
ル生成物と、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂の硬化
剤の合計量100重量部に対し、1〜90重量部である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエポキシ
樹脂組成物である。
【0011】請求項4に係る発明のエポキシ樹脂組成物
は、ポリフェニレンエーテル樹脂とフェノール性化合物
をラジカル開始剤の存在下で再分配反応させて変性フェ
ノール生成物とする際に使用するフェノール性化合物
が、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するフ
ェノール性化合物であることを特徴とする請求項1〜請
求項3の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物である。
は、ポリフェニレンエーテル樹脂とフェノール性化合物
をラジカル開始剤の存在下で再分配反応させて変性フェ
ノール生成物とする際に使用するフェノール性化合物
が、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するフ
ェノール性化合物であることを特徴とする請求項1〜請
求項3の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物である。
【0012】請求項5に係る発明のプリプレグは、請求
項1〜請求項4の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物
を、基材に含浸・乾燥してなるプリプレグである。
項1〜請求項4の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物
を、基材に含浸・乾燥してなるプリプレグである。
【0013】請求項6に係る発明の積層板は、請求項5
に記載のプリプレグに金属箔を重ね、加熱・加圧してな
る積層板である。
に記載のプリプレグに金属箔を重ね、加熱・加圧してな
る積層板である。
【0014】請求項1から請求項4に係る発明のエポキ
シ樹脂組成物では、四フッ化エチレン樹脂を含有してい
るので、この組成物を用いると低誘電率であって、且
つ、誘電正接が小さい積層板の製造が可能となる。ま
た、請求項5に係る発明のプリプレグは請求項1〜請求
項4の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物を使用するの
で、このプリプレグを用いると低誘電率であって、且
つ、誘電正接が小さい積層板の製造が可能となる。ま
た、請求項6に係る積層板は、請求項5に記載のプリプ
レグを用いるので、低誘電率であって、且つ、誘電正接
が小さい積層板となる。
シ樹脂組成物では、四フッ化エチレン樹脂を含有してい
るので、この組成物を用いると低誘電率であって、且
つ、誘電正接が小さい積層板の製造が可能となる。ま
た、請求項5に係る発明のプリプレグは請求項1〜請求
項4の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物を使用するの
で、このプリプレグを用いると低誘電率であって、且
つ、誘電正接が小さい積層板の製造が可能となる。ま
た、請求項6に係る積層板は、請求項5に記載のプリプ
レグを用いるので、低誘電率であって、且つ、誘電正接
が小さい積層板となる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係るエポキシ樹脂組成物
は、数平均分子量が10000〜30000のPPEと
フェノール性化合物をラジカル反応開始剤の存在下で再
分配反応させて得た変性フェノール生成物と、エポキシ
樹脂と、このエポキシ樹脂の硬化剤と、四フッ化エチレ
ン樹脂とを少なくとも含有している。変性フェノール生
成物の製造に用いられるPPEは、別名ポリフェニレン
オキサイド樹脂とも呼ばれ、その一例としては、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサド)が
挙げられる。
は、数平均分子量が10000〜30000のPPEと
フェノール性化合物をラジカル反応開始剤の存在下で再
分配反応させて得た変性フェノール生成物と、エポキシ
樹脂と、このエポキシ樹脂の硬化剤と、四フッ化エチレ
ン樹脂とを少なくとも含有している。変性フェノール生
成物の製造に用いられるPPEは、別名ポリフェニレン
オキサイド樹脂とも呼ばれ、その一例としては、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサド)が
挙げられる。
【0016】変成フェノール生成物の製造に用いられる
フェノール性化合物としては、例えば、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾ
ールノボラック等が挙げられる。なお、フェノール性水
酸基を分子内に2個以上有するフェノール類を用いると
好ましい。このフェノール類のフェノール性水酸基数の
上限は特に限定するものではないが、分子内に30個以
下のものが一般に用いられる。なお、フェノール性化合
物の量は、PPE100重量部に対して1〜20重量部
が適量である。
フェノール性化合物としては、例えば、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾ
ールノボラック等が挙げられる。なお、フェノール性水
酸基を分子内に2個以上有するフェノール類を用いると
好ましい。このフェノール類のフェノール性水酸基数の
上限は特に限定するものではないが、分子内に30個以
下のものが一般に用いられる。なお、フェノール性化合
物の量は、PPE100重量部に対して1〜20重量部
が適量である。
【0017】変成フェノール生成物の製造に用いられる
ラジカル反応開始剤としては、過酸化ベンゾイル、ジク
ミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、
ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-
ジ-t-ブチルパーオキシへキシン-3、2,5-ジメチル
-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン、α,α’-
ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼ
ンなどの過酸化物があげられる。また過酸化物ではない
が、市販のラジカル反応開始剤である日本油脂株式会社
製の商品名「ビスクミル」(1分半減温度330℃)を
使用することもできる。なお、過酸化ベンゾイルを用い
ると、反応性が優れ好ましい。なお、ラジカル反応開始
剤の量は、PPE100重量部に対して1〜20重量部
が適量である。
ラジカル反応開始剤としては、過酸化ベンゾイル、ジク
ミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、
ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-
ジ-t-ブチルパーオキシへキシン-3、2,5-ジメチル
-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン、α,α’-
ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼ
ンなどの過酸化物があげられる。また過酸化物ではない
が、市販のラジカル反応開始剤である日本油脂株式会社
製の商品名「ビスクミル」(1分半減温度330℃)を
使用することもできる。なお、過酸化ベンゾイルを用い
ると、反応性が優れ好ましい。なお、ラジカル反応開始
剤の量は、PPE100重量部に対して1〜20重量部
が適量である。
【0018】そして変成フェノール生成物を製造する場
合には、有機溶媒中で、上記のPPEとフェノール性化
合物をラジカル反応開始剤の存在下で再分配反応させ
て、用いたPPEの数平均分子量より低分子量の変成フ
ェノール生成物を製造する。再分配反応の条件として
は、例えば、上記のPPEとフェノール性化合物とラジ
カル反応開始剤を撹拌しながら、80〜120℃で10
〜100分程度加熱して行う。なお、用いる有機溶媒と
しては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化
水素系溶媒が挙げられる。
合には、有機溶媒中で、上記のPPEとフェノール性化
合物をラジカル反応開始剤の存在下で再分配反応させ
て、用いたPPEの数平均分子量より低分子量の変成フ
ェノール生成物を製造する。再分配反応の条件として
は、例えば、上記のPPEとフェノール性化合物とラジ
カル反応開始剤を撹拌しながら、80〜120℃で10
〜100分程度加熱して行う。なお、用いる有機溶媒と
しては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化
水素系溶媒が挙げられる。
【0019】ラジカル反応開始剤の存在下で数平均分子
量が10000〜30000のPPEとフェノール性化
合物を反応させると、先ずPPEがラジカル化されると
考えられ、直鎖が切断される再分配反応が進行してPP
Eが低分子量化し、この低分子量化したPPEでフェノ
ール性化合物が変成される。
量が10000〜30000のPPEとフェノール性化
合物を反応させると、先ずPPEがラジカル化されると
考えられ、直鎖が切断される再分配反応が進行してPP
Eが低分子量化し、この低分子量化したPPEでフェノ
ール性化合物が変成される。
【0020】そして得られる変成フェノール生成物の構
造は、低分子化したPPEの一方又は両方の末端部にフ
ェノール性化合物が結合して、PPEの一方又は両末端
にフェノール性水酸基を有する構造となると考えられ
る。そのため、この末端のフェノール性水酸基がエポキ
シ樹脂のエポキシ基と反応し、PPEとエポキシ樹脂が
強固に架橋すると考えられる。
造は、低分子化したPPEの一方又は両方の末端部にフ
ェノール性化合物が結合して、PPEの一方又は両末端
にフェノール性水酸基を有する構造となると考えられ
る。そのため、この末端のフェノール性水酸基がエポキ
シ樹脂のエポキシ基と反応し、PPEとエポキシ樹脂が
強固に架橋すると考えられる。
【0021】なお、再分配反応して得られる変成フェノ
ール生成物の数平均分子量は、用いたPPEの数平均分
子量の5〜70%の数平均分子量であることが好まし
い。70%を越える場合、エポキシ樹脂組成物の粘度が
高くなって、基材に含浸するときの含浸性が低下し、得
られるプリプレグの樹脂付着量がばらついたり、プリプ
レグの取り扱い時に樹脂が剥がれて樹脂付着量がばらつ
き、電気特性のばらつきが発生する場合がある。また、
5%未満の場合、得られる積層板の機械的強度や耐熱性
が低下する場合がある。変成フェノール生成物の数平均
分子量が1000〜3000の場合、得られるエポキシ
樹脂組成物を基材に含浸するときの含浸性が特に優れ好
ましい。また、得ようとする変成フェノール生成物の数
平均分子量の調整は、ラジカル反応開始剤の量を増やす
と数平均分子量が低下する傾向があるため、ラジカル反
応開始剤の量で調整すると調整しやすく好ましい。
ール生成物の数平均分子量は、用いたPPEの数平均分
子量の5〜70%の数平均分子量であることが好まし
い。70%を越える場合、エポキシ樹脂組成物の粘度が
高くなって、基材に含浸するときの含浸性が低下し、得
られるプリプレグの樹脂付着量がばらついたり、プリプ
レグの取り扱い時に樹脂が剥がれて樹脂付着量がばらつ
き、電気特性のばらつきが発生する場合がある。また、
5%未満の場合、得られる積層板の機械的強度や耐熱性
が低下する場合がある。変成フェノール生成物の数平均
分子量が1000〜3000の場合、得られるエポキシ
樹脂組成物を基材に含浸するときの含浸性が特に優れ好
ましい。また、得ようとする変成フェノール生成物の数
平均分子量の調整は、ラジカル反応開始剤の量を増やす
と数平均分子量が低下する傾向があるため、ラジカル反
応開始剤の量で調整すると調整しやすく好ましい。
【0022】エポキシ樹脂組成物に含有するエポキシ樹
脂は、分子内にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹
脂であればよく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
S型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環
式エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、及びこれ
らの樹脂をハロゲン化したエポキシ樹脂、トリフェニル
メタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルグリシジルエー
テルエタン(4官能性エポキシ樹脂)、各種のノボラッ
ク型エポキシ樹脂等が挙げられ、2種類以上を併用して
もよい。なお、分子内にエポキシ基を1個有するエポキ
シ樹脂を併用することもできる。
脂は、分子内にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹
脂であればよく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
S型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環
式エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、及びこれ
らの樹脂をハロゲン化したエポキシ樹脂、トリフェニル
メタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルグリシジルエー
テルエタン(4官能性エポキシ樹脂)、各種のノボラッ
ク型エポキシ樹脂等が挙げられ、2種類以上を併用して
もよい。なお、分子内にエポキシ基を1個有するエポキ
シ樹脂を併用することもできる。
【0023】エポキシ樹脂組成物に含有するエポキシ樹
脂の硬化剤としては、例えばジシアンジアミド、脂肪族
ポリアミド等のアミド系硬化剤や、ジアミノジフェニル
メタン、メタフェニレンジアミン、アンモニア、トリエ
チルアミン、ジエチルアミン等のアミン系硬化剤や、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラ
ック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、p-キシレン-ノ
ボラック樹脂等のフェノール系硬化剤や、酸無水物類等
が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。
脂の硬化剤としては、例えばジシアンジアミド、脂肪族
ポリアミド等のアミド系硬化剤や、ジアミノジフェニル
メタン、メタフェニレンジアミン、アンモニア、トリエ
チルアミン、ジエチルアミン等のアミン系硬化剤や、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラ
ック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、p-キシレン-ノ
ボラック樹脂等のフェノール系硬化剤や、酸無水物類等
が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。
【0024】なお、エポキシ樹脂組成物には硬化反応を
促進するために、硬化促進剤の添加が現実的である。含
有することができる硬化促進剤としては、例えば、2-
メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾー
ル、2-フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、
1,8-ジアザ-ビシクロ[5.4.0]ウンデセン-
7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン等
の三級アミン類、トリブチルホスフィン、トリフェニル
ホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホス
ホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフ
ィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン
塩等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。
促進するために、硬化促進剤の添加が現実的である。含
有することができる硬化促進剤としては、例えば、2-
メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾー
ル、2-フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、
1,8-ジアザ-ビシクロ[5.4.0]ウンデセン-
7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン等
の三級アミン類、トリブチルホスフィン、トリフェニル
ホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホス
ホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフ
ィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン
塩等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。
【0025】本発明のエポキシ樹脂組成物には、四フッ
化エチレン樹脂を必須成分として含有していて、この四
フッ化エチレン樹脂を含有させることで、低誘電率であ
って、且つ、誘電正接が小さい積層板の製造が可能とな
る。含有させる四フッ化エチレン樹脂は、平均粒子径が
微細なもの(平均粒径で10μm以下)が安定した性能
の積層板が得られる点で好ましい。そして、四フッ化エ
チレン樹脂の含有割合は、変性フェノール生成物と、エ
ポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂の硬化剤の合計量10
0重量部に対し、1〜90重量部であることが望まし
い。1重量部未満では添加効果が乏しく、90重量部を
越えるとエポキシ樹脂組成物中への均一な分散が困難と
なるからである。なお、本発明において四フッ化エチレ
ン樹脂の含有割合を算出する場合、硬化促進剤を使用し
ているときは、硬化促進剤をエポキシ樹脂の硬化剤の1
種とみなして、硬化剤量中に合算するようにして計算し
ている。
化エチレン樹脂を必須成分として含有していて、この四
フッ化エチレン樹脂を含有させることで、低誘電率であ
って、且つ、誘電正接が小さい積層板の製造が可能とな
る。含有させる四フッ化エチレン樹脂は、平均粒子径が
微細なもの(平均粒径で10μm以下)が安定した性能
の積層板が得られる点で好ましい。そして、四フッ化エ
チレン樹脂の含有割合は、変性フェノール生成物と、エ
ポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂の硬化剤の合計量10
0重量部に対し、1〜90重量部であることが望まし
い。1重量部未満では添加効果が乏しく、90重量部を
越えるとエポキシ樹脂組成物中への均一な分散が困難と
なるからである。なお、本発明において四フッ化エチレ
ン樹脂の含有割合を算出する場合、硬化促進剤を使用し
ているときは、硬化促進剤をエポキシ樹脂の硬化剤の1
種とみなして、硬化剤量中に合算するようにして計算し
ている。
【0026】本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に
応じて無機充填材や、溶剤等を含有することができる。
含有することができる無機充填材としては、シリカ粉
体、ガラス繊維、タルク等が挙げられ、2種類以上を併
用してもよい。また、含有することができる溶剤として
は、トルエン、キシレン、ベンゼン、ケトン、アルコー
ル類等の有機系溶媒が挙げられる。
応じて無機充填材や、溶剤等を含有することができる。
含有することができる無機充填材としては、シリカ粉
体、ガラス繊維、タルク等が挙げられ、2種類以上を併
用してもよい。また、含有することができる溶剤として
は、トルエン、キシレン、ベンゼン、ケトン、アルコー
ル類等の有機系溶媒が挙げられる。
【0027】上記のようにして得られたエポキシ樹脂組
成物を、基材に含浸乾燥して本発明のプリプレグは製造
する。エポキシ樹脂組成物を、基材に含浸乾燥する方法
としては特に限定するものではなく、例えばエポキシ樹
脂組成物中に基材を浸漬して含浸させた後、加熱して溶
剤の除去や、エポキシ樹脂組成物を半硬化させてプリプ
レグを製造する。基材に含浸する樹脂量は特に限定しな
いが、乾燥後の樹脂含有量が、プリプレグの重量に対し
て30〜70重量%となるように含浸すると、特に電気
特性が優れた積層板が得られ好ましい。
成物を、基材に含浸乾燥して本発明のプリプレグは製造
する。エポキシ樹脂組成物を、基材に含浸乾燥する方法
としては特に限定するものではなく、例えばエポキシ樹
脂組成物中に基材を浸漬して含浸させた後、加熱して溶
剤の除去や、エポキシ樹脂組成物を半硬化させてプリプ
レグを製造する。基材に含浸する樹脂量は特に限定しな
いが、乾燥後の樹脂含有量が、プリプレグの重量に対し
て30〜70重量%となるように含浸すると、特に電気
特性が優れた積層板が得られ好ましい。
【0028】なお、含浸時にエポキシ樹脂組成物を25
〜35℃に保つと、基材への含浸性を安定させることが
でき、積層板の特性を良好にすることができる。また、
エポキシ樹脂組成物を含浸後、乾燥するに当たっては、
80〜180℃の温度が好ましい。この乾燥が不十分で
あると、プリプレグ表面部分のみの乾燥に止まり、溶剤
が内部に残留する為にプリプレグの表面と内部との間で
樹脂の濃度差に起因する歪が生じ、プリプレグ表面に微
細なクラックが発生する場合がある。また、過度の乾燥
を行うと、プリプレグ表面では乾燥過程で急激な粘度変
化が起こるためにプリプレグ表面に筋むらや樹脂垂れが
発生し、金属箔とプリプレグとの密着性にばらつきが生
じ、その結果金属箔の引き剥がし強さや誘電特性等にば
らつきが発生する場合がある。
〜35℃に保つと、基材への含浸性を安定させることが
でき、積層板の特性を良好にすることができる。また、
エポキシ樹脂組成物を含浸後、乾燥するに当たっては、
80〜180℃の温度が好ましい。この乾燥が不十分で
あると、プリプレグ表面部分のみの乾燥に止まり、溶剤
が内部に残留する為にプリプレグの表面と内部との間で
樹脂の濃度差に起因する歪が生じ、プリプレグ表面に微
細なクラックが発生する場合がある。また、過度の乾燥
を行うと、プリプレグ表面では乾燥過程で急激な粘度変
化が起こるためにプリプレグ表面に筋むらや樹脂垂れが
発生し、金属箔とプリプレグとの密着性にばらつきが生
じ、その結果金属箔の引き剥がし強さや誘電特性等にば
らつきが発生する場合がある。
【0029】エポキシ樹脂組成物を含浸する基材として
は、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロ
ス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織
布、パルプ紙、リンター紙等が挙げられる。なお、ガラ
スクロスを用いると、機械強度が優れた積層板が得られ
好ましい。なお、基材の厚みとしては0.04〜0.3
mmのものが一般的に使用される。
は、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロ
ス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織
布、パルプ紙、リンター紙等が挙げられる。なお、ガラ
スクロスを用いると、機械強度が優れた積層板が得られ
好ましい。なお、基材の厚みとしては0.04〜0.3
mmのものが一般的に使用される。
【0030】上記のようにして得られたプリプレグの所
定枚数と金属箔を重ねて被圧体とし、この被圧体を加熱
・加圧して積層板を製造する。金属箔としては、銅箔、
アルミニウム箔等が使用され、厚みとしては、0.01
2〜0.070mm程度のものが一般的に使用される。
なお、銅箔を用いると、電気特性が優れた積層板が得ら
れ好ましい。
定枚数と金属箔を重ねて被圧体とし、この被圧体を加熱
・加圧して積層板を製造する。金属箔としては、銅箔、
アルミニウム箔等が使用され、厚みとしては、0.01
2〜0.070mm程度のものが一般的に使用される。
なお、銅箔を用いると、電気特性が優れた積層板が得ら
れ好ましい。
【0031】PPEで変成した変成フェノール生成物と
エポキシ樹脂とエポキシ樹脂の硬化剤の架橋反応は、主
としてエポキシ樹脂の硬化剤の反応温度に依存するた
め、エポキシ樹脂の硬化剤の種類に応じて加熱温度、加
熱時間を選ぶとよい。また加圧は、得られる積層板中に
気泡が残留しない程度の圧力に適宜調整して加圧する。
なお一般には、温度150〜300℃、圧力1〜6MP
a、時間10〜120分程度の条件で加熱・加圧する。
エポキシ樹脂とエポキシ樹脂の硬化剤の架橋反応は、主
としてエポキシ樹脂の硬化剤の反応温度に依存するた
め、エポキシ樹脂の硬化剤の種類に応じて加熱温度、加
熱時間を選ぶとよい。また加圧は、得られる積層板中に
気泡が残留しない程度の圧力に適宜調整して加圧する。
なお一般には、温度150〜300℃、圧力1〜6MP
a、時間10〜120分程度の条件で加熱・加圧する。
【0032】このようにして得られた積層板は、エポキ
シ樹脂、PPE及び四フッ化エチレン樹脂の特性が損な
われないため、誘電特性等の高周波特性や、はんだ耐熱
性、接着強度等が優れる積層板となる。特に、四フッ化
エチレン樹脂を含有しているので、低誘電率であって、
且つ、誘電正接が小さい積層板となる。
シ樹脂、PPE及び四フッ化エチレン樹脂の特性が損な
われないため、誘電特性等の高周波特性や、はんだ耐熱
性、接着強度等が優れる積層板となる。特に、四フッ化
エチレン樹脂を含有しているので、低誘電率であって、
且つ、誘電正接が小さい積層板となる。
【0033】なお、本発明のエポキシ樹脂組成物の使用
形態は、基材に含浸乾燥してプリプレグを製造する形態
に限るものではなく、たとえばキャスティング法により
基材を含まないシートを作成し、このシートをプリプレ
グに代用することもできる。このキャステング法による
方法は、例えばポリエステルフィルム、ポリイミドフィ
ルムなどの、エポキシ樹脂組成物が含有する溶媒に不溶
のシートに、エポキシ樹脂組成物を5〜700μmの厚
みに塗布し、乾燥した後シートを剥離して製造したり、
エポキシ樹脂組成物を熱溶融して押出成形により製造す
る。シートに塗布して製造する方法の場合、押出成形の
方法と比較すると比較的低温でより容易にシー卜を作る
ことができ好ましい。なお、エポキシ樹脂組成物を塗布
するシートは、離型剤で表面処理したシートを用いると
剥離が容易になるため生産性が優れ好ましい。
形態は、基材に含浸乾燥してプリプレグを製造する形態
に限るものではなく、たとえばキャスティング法により
基材を含まないシートを作成し、このシートをプリプレ
グに代用することもできる。このキャステング法による
方法は、例えばポリエステルフィルム、ポリイミドフィ
ルムなどの、エポキシ樹脂組成物が含有する溶媒に不溶
のシートに、エポキシ樹脂組成物を5〜700μmの厚
みに塗布し、乾燥した後シートを剥離して製造したり、
エポキシ樹脂組成物を熱溶融して押出成形により製造す
る。シートに塗布して製造する方法の場合、押出成形の
方法と比較すると比較的低温でより容易にシー卜を作る
ことができ好ましい。なお、エポキシ樹脂組成物を塗布
するシートは、離型剤で表面処理したシートを用いると
剥離が容易になるため生産性が優れ好ましい。
【0034】
【実施例】(変成フェノール生成物の合成)数平均分子
量20000のPPE[日本G.E.プラスチック株式
会社製、品番640-111]を100重量部、フェノ
ール性化合物としてビスフェノールAを6重量部、反応
開始剤として過酸化ベンゾイルを6重量部、溶剤として
トルエンを100重量部の割合で配合し、90℃で60
分間攪拌しながら再分配反応させて、液状の変成フェノ
ール生成物を得た。この変成フェノール生成物をゲル浸
透クロマトグラフ[カラム構成:東ソー株式会社製、S
uperHM-M(1本)+SuperHM-H(1
本)]にて分子量分布を測定し、数平均分子量を求めた
ところ2300であった。
量20000のPPE[日本G.E.プラスチック株式
会社製、品番640-111]を100重量部、フェノ
ール性化合物としてビスフェノールAを6重量部、反応
開始剤として過酸化ベンゾイルを6重量部、溶剤として
トルエンを100重量部の割合で配合し、90℃で60
分間攪拌しながら再分配反応させて、液状の変成フェノ
ール生成物を得た。この変成フェノール生成物をゲル浸
透クロマトグラフ[カラム構成:東ソー株式会社製、S
uperHM-M(1本)+SuperHM-H(1
本)]にて分子量分布を測定し、数平均分子量を求めた
ところ2300であった。
【0035】(実施例1〜4、比較例1)上記で得た液
状の変成フェノール生成物と、下記4種類のエポキシ樹
脂と、エポキシ樹脂の硬化剤としてジアミノジフェニル
メタンと、硬化促進剤として2-エチル-4-メチルイミ
ダゾールと、四フッ化エチレン樹脂と、溶剤としてトル
エンとを表1に示す割合(単位:重量部)でセパラブル
フラスコに入れ、室温で30分間攪拌して空冷を行い2
5℃のエポキシ樹脂組成物を得た。なお、四フッ化エチ
レン樹脂は、平均粒子径が0.2μmの四フッ化エチレ
ン樹脂を溶剤(ケトン)に分散しているダイキン工業株
式会社社製の商品名「ルブロンLD−100E」を使用
した。また、表1中の、変成フェノール生成物の配合重
量及び四フッ化エチレン樹脂の配合量は固形分としての
重量を表す。
状の変成フェノール生成物と、下記4種類のエポキシ樹
脂と、エポキシ樹脂の硬化剤としてジアミノジフェニル
メタンと、硬化促進剤として2-エチル-4-メチルイミ
ダゾールと、四フッ化エチレン樹脂と、溶剤としてトル
エンとを表1に示す割合(単位:重量部)でセパラブル
フラスコに入れ、室温で30分間攪拌して空冷を行い2
5℃のエポキシ樹脂組成物を得た。なお、四フッ化エチ
レン樹脂は、平均粒子径が0.2μmの四フッ化エチレ
ン樹脂を溶剤(ケトン)に分散しているダイキン工業株
式会社社製の商品名「ルブロンLD−100E」を使用
した。また、表1中の、変成フェノール生成物の配合重
量及び四フッ化エチレン樹脂の配合量は固形分としての
重量を表す。
【0036】用いたエポキシ樹脂としては、エポキシ樹
脂Aとして、大日本インキ化学工業株式会社製の商品名
「エピクロン153」を使用し、エポキシ樹脂Bとし
て、油化シェルエポキシ株式会社製の商品名「エピコー
ト1031」を使用し、エポキシ樹脂Cとして、日本化
薬株式会社製の商品名「EPPN501H」を使用
し、、エポキシ樹脂Dとして、日本化薬株式会社製の商
品名「BREN」を表1に示す配合割合(重量部)で使
用した。
脂Aとして、大日本インキ化学工業株式会社製の商品名
「エピクロン153」を使用し、エポキシ樹脂Bとし
て、油化シェルエポキシ株式会社製の商品名「エピコー
ト1031」を使用し、エポキシ樹脂Cとして、日本化
薬株式会社製の商品名「EPPN501H」を使用
し、、エポキシ樹脂Dとして、日本化薬株式会社製の商
品名「BREN」を表1に示す配合割合(重量部)で使
用した。
【0037】
【表1】
【0038】次いで、得られたエポキシ樹脂組成物を室
温で24時間保管した後、厚み0.1mmのガラスクロ
ス[旭シュエーベル株式会社製の商品名「2116
L」]に含浸し、160℃で4分間乾燥して樹脂含有率
52重量%のプリプレグを得た。
温で24時間保管した後、厚み0.1mmのガラスクロ
ス[旭シュエーベル株式会社製の商品名「2116
L」]に含浸し、160℃で4分間乾燥して樹脂含有率
52重量%のプリプレグを得た。
【0039】得られたプリプレグの両面に18μmの銅
箔[日鉱グールドフォイル株式会社製の商品名「JT
C」]を配置して被圧体とし、温度190℃、圧力3M
Paの条件で100分加熱・加圧して両面に銅箔が接着
された積層板を得た。
箔[日鉱グールドフォイル株式会社製の商品名「JT
C」]を配置して被圧体とし、温度190℃、圧力3M
Paの条件で100分加熱・加圧して両面に銅箔が接着
された積層板を得た。
【0040】(評価、結果)得られた積層板の、誘電
率、誘電正接、オーブン耐熱性について評価し、その結
果を表1に示した。誘電率及び誘電正接の測定は、MI
L規格に基づき測定し、オーブン耐熱性は試験片(大き
さ50mm×50mm)を260℃のオーブン中で1時
間処理した後、取り出し、その外観を目視で観察して、
フクレ等の異常がなければ合格と判定した。
率、誘電正接、オーブン耐熱性について評価し、その結
果を表1に示した。誘電率及び誘電正接の測定は、MI
L規格に基づき測定し、オーブン耐熱性は試験片(大き
さ50mm×50mm)を260℃のオーブン中で1時
間処理した後、取り出し、その外観を目視で観察して、
フクレ等の異常がなければ合格と判定した。
【0041】表1に示した結果で明らかなように本発明
の実施例1〜4は比較例1に比べて、低誘電率であっ
て、且つ、誘電正接が小さい積層板となっていて、ま
た、耐熱性の低下もなかった。
の実施例1〜4は比較例1に比べて、低誘電率であっ
て、且つ、誘電正接が小さい積層板となっていて、ま
た、耐熱性の低下もなかった。
【0042】
【発明の効果】請求項1から請求項4に係る発明のエポ
キシ樹脂組成物を用いると、耐熱性を低下することなし
に、低誘電率であって、且つ、誘電正接が小さい積層板
が得られる。
キシ樹脂組成物を用いると、耐熱性を低下することなし
に、低誘電率であって、且つ、誘電正接が小さい積層板
が得られる。
【0043】請求項5に係る発明のプリプレグを用いる
と、耐熱性を低下することなしに、低誘電率であって、
且つ、誘電正接が小さい積層板が得られる。
と、耐熱性を低下することなしに、低誘電率であって、
且つ、誘電正接が小さい積層板が得られる。
【0044】請求項6に係る発明の積層板は、耐熱性に
優れ、低誘電率であって、且つ、誘電正接が小さい積層
板となる。
優れ、低誘電率であって、且つ、誘電正接が小さい積層
板となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 27:18) C08L 27:18) (72)発明者 石田 武弘 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA02 AA07 AB05 AB06 AB09 AB28 AB29 AB31 AD23 AD26 AD27 AD28 AD29 AD42 AE01 AG03 AH04 AH21 AH31 AJ04 AK05 AL09 AL12 4J002 BD153 CC042 CC052 CD021 CD031 CD051 CD061 CD111 CD121 CD131 CH072 CL032 EJ036 EN026 EN037 EN076 EN077 ER026 EU117 EU137 EW137 EW177 EY017 FD146 FD157 4J005 AA26 BD03 4J036 AA01 AD01 AD07 AD09 AF01 AF06 AF08 AF10 DB06 DB15 DC02 DC41 FB07 FB08 FB12 JA08
Claims (6)
- 【請求項1】 数平均分子量が10000〜30000
のポリフェニレンエーテル樹脂とフェノール性化合物を
ラジカル反応開始剤の存在下で再分配反応させて得た変
性フェノール生成物と、エポキシ樹脂と、このエポキシ
樹脂の硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物であっ
て、さらに、四フッ化エチレン樹脂を含有していること
を特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 変性フェノール生成物の数平均分子量が
1000〜3000であることを特徴とする請求項1記
載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 四フッ化エチレン樹脂の含有割合が、変
性フェノール生成物と、エポキシ樹脂と、このエポキシ
樹脂の硬化剤の合計量100重量部に対し、1〜90重
量部であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載
のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 ポリフェニレンエーテル樹脂とフェノー
ル性化合物をラジカル開始剤の存在下で再分配反応させ
て変性フェノール生成物とする際に使用するフェノール
性化合物が、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を
有するフェノール性化合物であることを特徴とする請求
項1〜請求項3の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜請求項4の何れかに記載のエ
ポキシ樹脂組成物を、基材に含浸・乾燥してなるプリプ
レグ。 - 【請求項6】 請求項5に記載のプリプレグに金属箔を
重ね、加熱・加圧してなる積層板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000069737A JP2001261929A (ja) | 2000-03-14 | 2000-03-14 | エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び積層板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000069737A JP2001261929A (ja) | 2000-03-14 | 2000-03-14 | エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び積層板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001261929A true JP2001261929A (ja) | 2001-09-26 |
Family
ID=18588564
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000069737A Pending JP2001261929A (ja) | 2000-03-14 | 2000-03-14 | エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び積層板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001261929A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009138074A (ja) * | 2007-12-05 | 2009-06-25 | Hitachi Chem Co Ltd | 樹脂組成物、それを用いたプリプレグ、および積層板 |
WO2016076167A1 (ja) * | 2014-11-11 | 2016-05-19 | ナミックス株式会社 | 樹脂組成物、それを用いた絶縁フィルムおよび半導体装置 |
JP2016141701A (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-08 | 三菱鉛筆株式会社 | ポリテトラフルオロエチレン含有エポキシ樹脂組成物 |
CN105837839A (zh) * | 2015-01-30 | 2016-08-10 | 三菱铅笔株式会社 | 聚四氟乙烯的油性溶剂系分散体以及含聚四氟乙烯的环氧树脂组合物和其固化物 |
-
2000
- 2000-03-14 JP JP2000069737A patent/JP2001261929A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009138074A (ja) * | 2007-12-05 | 2009-06-25 | Hitachi Chem Co Ltd | 樹脂組成物、それを用いたプリプレグ、および積層板 |
WO2016076167A1 (ja) * | 2014-11-11 | 2016-05-19 | ナミックス株式会社 | 樹脂組成物、それを用いた絶縁フィルムおよび半導体装置 |
JP2016141701A (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-08 | 三菱鉛筆株式会社 | ポリテトラフルオロエチレン含有エポキシ樹脂組成物 |
CN105837839A (zh) * | 2015-01-30 | 2016-08-10 | 三菱铅笔株式会社 | 聚四氟乙烯的油性溶剂系分散体以及含聚四氟乙烯的环氧树脂组合物和其固化物 |
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