JP2001261849A - 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 - Google Patents
熱可塑性エラストマー組成物の製造方法Info
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Abstract
相がハロゲン含有イソモノオレフィン−パラアルキルス
チレンである熱可塑性エラストマー組成物の製造方法で
あって、配合剤の定量供給性、混練性、機械的物性に優
れる熱可塑性エラストマー組成物の製造方法の提供。 【解決手段】熱可塑性ポリアミド樹脂、ハロゲン含有イ
ソモノオレフィン−パラアルキルスチレン、および、架
橋剤を含有する配合剤を、2軸混練押出機の搬送ゾーン
に供給すること、および、混練ゾーンの温度における、
ハロゲン含有イソモノオレフィン−パラアルキルスチレ
ンと、架橋剤を含有する配合剤との混合物のムーニース
コーチタイムT30が、混練時間TC の25〜70%であ
ることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物の製造
方法。
Description
ポリアミド樹脂であり、分散相がハロゲン含有イソモノ
オレフィン−パラアルキルスチレンである熱可塑性エラ
ストマー組成物の製造方法に関する。
イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン、および加
硫剤を混練機で混練して、熱可塑性エラストマー組成物
を製造する方法は、米国特許第5,244,961号、
特開平11−199713号公報等により公知である。
分散相がハロゲン含有イソモノオレフィン−パラアルキ
ルスチレンである熱可塑性エラストマー組成物を、2軸
混練押出機で製造する方法において、樹脂、ゴム、架橋
剤を混合する方法としては、以下の方法が考えられる; 最初に樹脂とゴムを同じ投入口から2軸混練押出機
に投入し溶融混練し、その後、混練の途中に別の投入口
から架橋剤等の配合剤を投入する方法(以下、方法と
記す) 樹脂、ゴム、架橋剤等の配合剤を同時に2軸混練押
出機に投入する方法(以下、方法と記す)とが考えら
れる。
れ、この混練機からの熱気により、架橋剤等の配合剤が
投入口で飛散し、混練機の投入口近くのシリンダ部に付
着するという問題があり、定量性に欠けることから、熱
可塑性エラストマー組成物の物性が不安定になる。ま
た、混練機の途中から配合剤を添加するには、混練機に
開口部を設ける必要があるが、この部分で混練が均一に
行われず、ゲル粒が発生し、これにより製造された熱可
塑性エラストマー組成物の物性が低下する等の問題が生
じる。
ゴムが十分に混練されず、ゴムが樹脂に包まれないうち
に架橋が進むと、熱可塑性、流動性が得られず、混練機
のスクリューに過度に負荷がかかり混練できなくなった
り、ゴムの分散不良により、製造された熱可塑性エラス
トマー組成物の物性が低下するという問題を生じる。一
方、架橋が遅すぎれば、ゴムの架橋度が低くなるため、
製造された熱可塑性エラストマー組成物の物性が低下す
る。
相が熱可塑性ポリアミド樹脂であり、分散相がハロゲン
含有イソモノオレフィン−パラアルキルスチレンである
熱可塑性エラストマー組成物を2軸混練押出機で製造す
るにあたり、配合剤、特に架橋剤の定量供給性が高く、
製造時の混練性、および、得られる熱可塑性エラストマ
ー組成物の機械的物性が優れる熱可塑性エラストマー組
成物の製造方法を提供することである。
軸混練押出機を用いて、連続相が熱可塑性ポリアミド樹
脂であり、分散相がハロゲン含有イソモノオレフィン−
パラアルキルスチレンである熱可塑性エラストマー組成
物を製造する方法において、2軸混練押出機のシリンダ
部中、供給された熱可塑性ポリアミド樹脂が、溶融せず
に搬送される部分を搬送ゾーンとし、熱可塑性ポリアミ
ド樹脂が溶融混練されている部分を混練ゾーンとし、熱
可塑性ポリアミド樹脂、ハロゲン含有イソモノオレフィ
ン−パラアルキルスチレン、および、架橋剤を含有する
配合剤を、2軸混練押出機の搬送ゾーンに供給するこ
と、および、混練ゾーンの温度における、ハロゲン含有
イソモノオレフィン−パラアルキルスチレンと、架橋剤
を含有する配合剤との混合物のムーニースコーチタイム
T30が、熱可塑性ポリアミド樹脂、ハロゲン含有イソモ
ノオレフィン−パラアルキルスチレン、および架橋剤を
含有する配合剤が、2軸混練押出機に供給されてから吐
出されるまでの時間TC の25〜70%であることを特
徴とする熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提供
する。
ハロゲン含有イソモノオレフィン−パラアルキルスチレ
ン、および、架橋剤を含有する配合剤、これら全てを2
軸混練押出機に投入してから、吐出されるまでの時間を
いい、具体的には、熱可塑性ポリアミド樹脂、ハロゲン
含有イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン、架橋
剤を含有する配合剤を2軸混練押出機にて混練し、得ら
れる組成物の状態が安定してから色樹脂数粒を組成物に
投入し、この投入した時点から、吐出される組成物の色
が、部分的に変わり始める時点でなく、全体が完全に変
わった時点までを計測することで求めることが出来る。
以下、TC を混練時間TC とも記す。
する。本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
(以下、本発明の製造方法という)は、本発明にかかる
熱可塑性エラストマー組成物の製造のために配合される
原材料、すなわち、熱可塑性ポリアミド樹脂、ハロゲン
含有イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン、およ
び、架橋剤を含有する配合剤をすべて、2軸混練押出機
の搬送ゾーンに供給する。
のシリンダ部の中で、スクリューにより混合される熱可
塑性ポリアミド樹脂が、まだ溶融していない部分をさ
す。換言すれば、シリンダ部において、熱可塑性ポリア
ミド樹脂を投入する投入口から、熱可塑性ポリアミド樹
脂が溶融し始める部分の前までを占める空間である。熱
可塑性ポリアミド樹脂は、溶融していないために溶融混
練されず、スクリューの押出し方向に搬送されているだ
けである。搬送ゾーンでは、熱可塑性ポリアミド樹脂や
ハロゲン含有イソモノオレフィン−パラアルキルスチレ
ンの、混練による自己発熱がまだ起こっていない。搬送
ゾーンでの温度は低温である。シリンダ部の加熱温度、
熱可塑性ポリアミド樹脂の量、スクリューの回転速度等
の混練条件により、シリンダ部内で、熱可塑性ポリアミ
ド樹脂の溶融が始まる部分は変動するので、搬送ゾーン
とは、各混練条件に従って決定される空間である。
の製造のために配合される原材料すべてを、シリンダ部
の温度が上昇していない搬送ゾーンに供給することによ
り、架橋剤やその他の粉体状の配合剤が、シリンダ部か
らの熱気により、投入口の壁面や、投入口近くのシリン
ダ部に飛散するということを回避することが出来、配合
剤の定量供給性が高くなる。ひいては、本発明の製造方
法により得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械的
物性が優れたものとなる。
ーンに供給することが重要である。架橋剤を搬送ゾーン
に供給するとは、架橋剤を、2軸混練押出機に熱可塑性
ポリアミド樹脂が供給されてから、熱可塑性ポリアミド
樹脂の溶融が起こる前まで、すなわち、熱可塑性ポリア
ミド樹脂が融点に達する前までに配合するということで
ある。つまり、本発明の製造方法では、架橋剤を、熱可
塑性ポリアミド樹脂とハロゲン含有イソモノオレフィン
−パラアルキルスチレンとが溶融混練され始める前に配
合し混合する。また、架橋剤以外の配合剤も、搬送ゾー
ンに投入する。熱可塑性ポリアミド樹脂とハロゲン含有
イソモノオレフィン−パラアルキルスチレンとの溶融混
練が始まる前に、予め、熱可塑性ポリアミド樹脂とハロ
ゲン含有イソモノオレフィン−パラアルキルスチレンと
混合し、ついで混練する。
は、2軸混練押出機のシリンダ部の中で、熱可塑性ポリ
アミド樹脂が溶融し、熱可塑性ポリアミド樹脂、ハロゲ
ン含有イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン、お
よび、架橋剤を含有する配合剤が溶融混練されている部
分をさす。この混練ゾーンで、連続相を形成する熱可塑
性ポリアミド樹脂中に、ハロゲン含有イソモノオレフィ
ン−パラアルキルスチレンを分散させ、混練しながら架
橋剤により動的に架橋を行い、熱可塑性エラストマー組
成物を製造する。
アミド樹脂、ハロゲン含有イソモノオレフィン−パラア
ルキルスチレン、架橋剤を含有する配合剤を、2軸混練
押出機へ供給するタイミングとしては、熱可塑性ポリア
ミド樹脂、ハロゲン含有イソモノオレフィン−パラアル
キルスチレン、架橋剤を含む配合剤を、一括して同じ投
入口から供給してもよいし、搬送ゾーンに投入口を複数
個設け、スクリューの押出し方向に向かって1番手前の
投入口から熱可塑性ポリアミド樹脂を供給し、他の投入
口から、ハロゲン含有イソモノオレフィン−パラアルキ
ルスチレン、架橋剤を含む配合剤を、一緒にあるいは別
々に供給してもよい。ハロゲン含有イソモノオレフィン
−パラアルキルスチレン、架橋剤、架橋剤以外の配合剤
を、それぞれ複数回にわけて異なる投入口から供給して
もよい。搬送ゾーン内であれば、ハロゲン含有イソモノ
オレフィン−パラアルキルスチレン、架橋剤を含む配合
剤を供給する投入の回数は特に限定しない。
ミド樹脂、ハロゲン含有イソモノオレフィン−パラアル
キルスチレン、架橋剤を含む配合剤を、一括して同じ投
入口から供給する方法が好ましい。熱可塑性ポリアミド
樹脂の混練による自己発熱がまだ全く起こっておらず、
2軸混練押出機のシリンダ内の温度が上昇していないの
で、架橋剤やその他の配合剤が投入口の壁面や、投入口
近くのシリンダ部に飛散することがなく、配合剤の定量
供給性が極めて高くなる。さらに、一括して同時に投入
すれば、予め搬送ゾーンの位置を確認する必要がなく、
架橋剤を投入するタイミングを図る必要がないので、簡
便である。
練ゾーンの温度のことである)における、ハロゲン含有
イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン、および、
架橋剤を含む配合剤の混合物のムーニースコーチタイム
T30が、混練時間TC の25〜70%、好ましくは35
〜55%となる条件で架橋する。ムーニースコーチタイ
ムT30が、TC の25〜70%の範囲の値をとるように
するには、ハロゲン含有イソモノオレフィン−パラアル
キルスチレンに配合する架橋剤の種類、量の調整、およ
び、搬送ゾーン、混練ゾーンの各ゾーンの長さおよび温
度(特に混練時間、混練温度)を調節する。
ルキルスチレンと、架橋剤を含む配合剤との混合物のム
ーニースコーチタイムT30は、レオメータにより測定す
ることができる。ムーニー粘度は、JIS K 630
0に記載のムーニー粘度試験に準拠して測定される値で
ある。ムーニー値の最低値から5ポイント上昇時点t 5
および35ポイント上昇時点t35を測定し、t35−t5
からムーニースコーチタイムT30[分]を求める。
オレフィン−パラアルキルスチレンと、架橋剤を含む配
合剤との混合物のムーニースコーチタイムT30が上記範
囲となるように選定して、熱可塑性ポリアミド樹脂と共
に、2軸混練押出機にて混練すると、熱可塑性ポリアミ
ド樹脂とハロゲン含有イソモノオレフィン−パラアルキ
ルスチレンが十分に混練され、ハロゲン含有イソモノオ
レフィン−パラアルキルスチレンが熱可塑性ポリアミド
樹脂に包まれてから架橋が十分に進むので、混練時には
熱可塑性、流動性が維持され、2軸混練押出機のスクリ
ューに負荷がかからず混練性に優れる。また、得られる
エラストマーの架橋も十分に行われ、機械的物性(破断
強度、破断伸び等)に優れる熱可塑性エラストマー組成
物が得られる。
練押出機の混練ゾーンの温度(混練温度)に設定する。
混練ゾーンの温度は、180〜270℃が好ましく、2
20〜250℃がより好ましい。この温度範囲である
と、熱可塑性ポリアミド樹脂が十分に溶融され、ハロゲ
ン含有イソモノオレフィン−パラアルキルスチレンや配
合剤とよく混練され、ハロゲン含有イソモノオレフィン
−パラアルキルスチレンが熱可塑性ポリアミド樹脂に包
まれることが出来るからである。
く、2分〜4分がより好ましい。T C がこの範囲であれ
ば、熱可塑性ポリアミド樹脂とハロゲン含有イソモノオ
レフィン−パラアルキルスチレンとを十分に混練するこ
とができ、動的架橋を十分に行えるからである。混練時
のせん断速度は、250〜7500sec-1であるのが
好ましく、500〜2500sec-1であるのがより好
ましい。
s per hundred parts of rubber のことであり、ゴム1
00重量部あたりの配合量(重量部)を示す)に対し、
加硫剤、例えば酸化亜鉛0.05phr、加硫助剤、例
えばステアリン酸亜鉛0.2phr、ステアリン酸0.
1phrを配合し、混練温度を250℃とすると、T 30
が1.83分となる。一方、同じ組成で混練温度を22
0℃と変えると、T30が2.41分と変化する。TC を
3分とした場合、T30が2.41分では、TC の80%
となり、TC の25〜70%の範囲外となる。その結
果、得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度
(破断強度、破断伸び)が不十分となる。
剤を増量したり、加硫剤としてチウラム系架橋剤、変性
フェノール樹脂等を配合すると、T30が短縮される。T
30が短縮され、TC の25%未満となるようにすると、
混練時に、混練機のスクリューにかかる負荷が大きくな
りすぎて、混練できなくなる。得られる熱可塑性エラス
トマー組成物には、粒ができ、焼けカスがつくなどの外
観不良が起きる。
を製造するのに用いられる熱可塑性ポリアミド樹脂とし
ては、例えば、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン6
(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N
46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N1
2)、ナイロン610(N610)、ナイロン612
(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/6
6)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66
/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン
6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP
共重合体、ナイロン66/PPS共重合体)、及びそれ
らのN−アルコキシアルキル化物、例えば6−ナイロン
のメトキシメチル化物、6−610−ナイロンのメトキ
シメチル化物、612−ナイロンのメトキシメチル化物
等を挙げることが出来る。これらは単独又は2種以上の
混合物として用いることができる。これらの中でも、ナ
イロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン11
(N11)が、空気透過性、耐熱性、屈曲疲労性のバラ
ンスがよいことから好ましい。
を利用することが出来、例えば、東レ社製アミランCM
6001(N6/66)、アトケム社製リルサンBES
NO TL(N11)等が挙げられる。
を製造するのに用いられるハロゲン含有イソモノオレフ
ィン−パラアルキルスチレンに含有されるイソモノオレ
フィンモノマーとしては、炭素数4〜7のイソモノオレ
フィンが好ましい。具体的には、イソブチレン、イソプ
レン等が挙げられる。
ルキルスチレンに含有されるパラアルキルスチレンとし
ては、パラメチルスチレン等が挙げられる。ハロゲン含
有イソモノオレフィン−パラアルキルスチレンに含有さ
れるパラアルキルスチレン部分は、少なくとも0.5重
量%であるのが好ましい。より詳しくは、0.5〜20
重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましく、2
〜20重量%が特に好ましい。
ルキルスチレンに含有されるハロゲン原子の含有量は、
0超からおよそ7.5重量%以下が好ましく、およそ
0.1〜およそ7.5重量%がより好ましい。ハロゲン
としては、臭素、塩素、が挙げられ、おのおの単独で、
もしくは2種混合して、ハロゲン含有イソモノオレフィ
ン−パラアルキルスチレンに含有されていてもよい。こ
れらの中でも、臭素が好ましい。ハロゲンは主に共有結
合によりパラアルキル基に結合している。
ルキルスチレンの数平均分子量(Mn)は、少なくとも
約25000であるのが好ましく、少なくとも3000
0であるのがより好ましく、少なくとも約100,00
0であるのが特に好ましい。ハロゲン含有イソモノオレ
フィン−パラアルキルスチレンの重量平均分子量(M
w)の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)
は、約6未満が好ましく、約4未満がより好ましく、約
2.5未満がさらに好ましく、約2未満が特に好まし
い。
ルキルスチレンとしては、市販品を利用することが出
来、例えば、Exxon社製Exxpro89−4等が
上げられる。
ソモノオレフィン−パラアルキルスチレンとを混合する
場合の組成比は、特に限定はせず、適宜決めればよい
が、好ましい範囲は重量比(熱可塑性ポリアミド樹脂)
/(ハロゲン含有イソモノオレフィン−パラアルキルス
チレン)で、10/90〜90/10が好ましく、10
/80〜85/15がより好ましい。
に配合される架橋剤としては、一般的なゴム加硫剤(架
橋剤)を用いることができる。具体的には、イオウ系加
硫剤としては粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオ
ウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジ
サルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等が
例示される。また、有機過酸化物系の架橋剤としては、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキ
サイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
(パーオキシルベンゾエート)等が例示される。フェノ
ール樹脂系の架橋剤としては、アルキルフェノール樹脂
の臭素化物や、塩化スズ、クロロブレン等のハロゲンド
ナーとアルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系
等が例示される。その他として、亜鉛華、酸化マグネシ
ウム、リサージ、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾ
イルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノ
ン、ポリ−p−ジニトロソベンゼン、メチレンジアニリ
ンが例示される。これらの架橋剤の種類と量は、上述し
たようにT30がTC の25〜70%となるように選定さ
れる。
には、必要に応じて、加硫促進剤を配合してもよい。加
硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニア系、グアニ
ジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム
系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般的な加硫促進
剤を用いることができる。具体的には、アルデヒド・ア
ンモニア系加硫促進剤としては、ヘキサメチレンテトラ
ミン等が;グアジニン系加硫促進剤としては、ジフェニ
ルグアジニン等が;チアゾール系加硫促進剤としては、
ジベンゾチアジルジサルファイド(DM)等が;スルフ
ェンアミド系加硫促進剤としては、シクロヘキシルベン
ゾチアジルスルフェンアマイド(CBS)等が;チウラ
ム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジサル
ファイド(TMTD)等が;ジチオ酸塩系加硫促進剤と
しては、Zn−ジメチルジチオカーバメート等が;チオ
ウレア系加硫促進剤としては、エチレンチオウレア、ジ
エチルチオウレア等が;例示される。また、加硫促進助
剤としては、一般的なゴム用助剤を併せて用いることが
でき、例えば、亜鉛華、ステアリン酸やオレイン酸およ
びこれらのZn塩等を用いることができる。これらの架
橋促進剤の配合量は、上記架橋剤とともに、T30がTC
の25〜70%となるように選定される。
ソモノオレフィン−パラアルキルスチレンとの相溶性を
改良し、得られる熱可塑性エラストマー組成物のフィル
ム成型加工性、耐熱性向上のため、また、コストダウン
のために、熱可塑性エラストマー組成物中に他のポリマ
ーを添加することもできる。このようなポリマーとし
て、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン
(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、ポ
リカーボネート(PC)、熱可塑性ポリアミド樹脂とエ
チレン−エチルアクリレートの共重合体のマレイン酸変
性物等が挙げられる。
には、本発明の目的を損なわない範囲で、一般的にゴム
に配合される充填剤(炭酸カルシウム、酸化チタン、ア
ルミナ等)、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の
補強剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤、顔料、染料、老化
防止剤等を配合することもできる。
エラストマー組成物は、熱可塑性ポリアミド樹脂の連続
相中に、ハロゲン含有イソモノオレフィン−パラアルキ
ルスチレンが分散相として分散した構造をとる。このよ
うにして得られた上記組成物は、ハロゲン含有イソモノ
オレフィン−パラアルキルスチレンの架橋度が、70%
以上100%未満が好ましい。架橋度が上記範囲であれ
ば、機械的強度(破断強度、破断伸び等)が優れるから
である。ここで、架橋度とは、上記組成物における、ハ
ロゲン含有イソモノオレフィン−パラアルキルスチレン
全重量に対する架橋されているハロゲン含有イソモノオ
レフィン−パラアルキルスチレンの重量の百分率をい
う。架橋度は、熱可塑性エラストマー組成物を溶媒に溶
かし、多段階にわたるソクスレー抽出を行い、未架橋の
ハロゲン含有イソモノオレフィン−パラアルキルスチレ
ンを抽出し、その重量を測定することから算出出来る。
合剤を2軸混練押出機に供給時、配合剤がシリンダ部か
らの熱気により飛散し、投入口のシリンダ部に付着する
といったことを防止することができ、配合剤を定量的に
シリンダ部に供給することができ、このため得られる熱
可塑性エラストマー組成物は破断強度、破断伸び等の機
械的物性が非常に安定しており、優れている。また、混
練時の混練性に優れている。本発明の製造方法により得
られる熱可塑性エラストマー組成物は、シート状に成形
加工した場合のシート外観も、配合材料のダマやゲル粒
等がなく良好である。
ストマー組成物の製造方法についてさらに具体的に説明
する。 (実施例1〜3、比較例1〜13) <T30の測定>第1表に示す組成で、イソプレン・パラ
メチルスチレン(以下、原料エラストマーという)と、
架橋剤を含む配合剤(エラストマー4のみ架橋剤を含ま
ない)を、ゴム用バンバリミキサーに投入して混練し、
得られたエラストマー組成物について、レオメータを用
いて架橋反応の間ムーニー粘度を測定し、ムーニースコ
ーチタイムT30を算出した。
N社製、Exxpro89-4 TT:トリメチルチウラムジサルファイド、三新化学工
業社製、サンセラーTT DM:ジベンゾチアジルジサルファイド、大内新興工業
社製、ノクセラーDM TRA:ジペンタメチレンチウラムテトラサルファイ
ド、三新化学工業社製、サンセラーTRA−C 臭素化アルキルフェノール樹脂:田岡化学工業社製、タ
ッキロール250−I 亜鉛華:ZnO、正同化学社製、亜鉛華3号 ステアリン酸亜鉛:正同化学社製、ステアリン酸亜鉛 ステアリン酸:日本油脂、ビーズステアリン酸
料エラストマーを、密閉式のゴム用バンバリミキサーに
投入して混練し、次いで、ゴム用ロールを用いて厚さ
2.5mmのゴムシート状に成形した。このシートをゴ
ム用ペレタイザーでペレット化し、エラストマーペレッ
トを作製した。できたエラストマーペレットと、樹脂ペ
レット(6,66ナイロン、PA11、無水マレイン酸
エチレン・エチルアクリレートの3種)と、架橋剤等の
配合剤を、2軸混練押出機(TEX44、JSW社製)
に投入し、溶融混練を行った。原料ゴムと配合剤の配合
量は第1表に示すとおりである。樹脂の配合量は、第2
表に示す。
合剤を配合するタイミングが異なる、2種類の混練方法
を行った。 混練方法1:エラストマーペレット、樹脂ペレット、架
橋剤等の配合剤を2軸混練押出機の搬送ゾーンに投入し
た(実施例1〜3、比較例1〜5) 混練方法2:エラストマーペレット、樹脂ペレットが溶
融した後、混練ゾーンに設けてある投入口より架橋剤等
の配合剤を投入した(比較例6〜13)
分で、せん断速度1200sec-1であった。架橋は2
軸混練押出機内で動的に行われた。得られた各熱可塑性
エラストマー組成物を、2軸混練押出機より連続してス
トランド状に押出し、水冷後カッターで切断することに
よりペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
得られたペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を用
いて、ソクスレー抽出を行い、架橋度を算出した。物性
試験用のシートを得るため、作製した熱可塑性エラスト
マー組成物のペレットをシーティングダイを付けた単軸
押出機に投入し、シート状に加工した。得られたシート
状の熱可塑性エラストマー組成物について、物性試験と
共に、シート外観について目視で評価した。
の方法に準拠して、引張試験を行い、破断強度[MP
a]、破断伸び[%]を測定した。 <シート外観>押出されたシートに粒があるもの、目や
に等がついているものを×、どちらもないものを○と記
載した。なお、ダイスから出てきたシートについている
いわゆる目やにと呼ばれる焼けカスは、樹脂、エラスト
マー、配合剤の配合量が好ましくなかったことにより発
生する。
返し行い、未架橋のゴムを抽出し、その量から、架橋さ
れているエラストマーの重量を算出し、架橋度を算出し
た。なお、抽出用溶媒はn−ヘキサンを使用した。結果
を第2表に示す。
CM6001 PA11:11ナイロン、アトケム社製、リルサンBE
ST O TL マレイン酸変性EEA:無水マレイン酸エチレン・エチ
ルアクリレート、三井・デュポンポリケミカル社製、A
R201
たエラストマー1〜3、5〜6を用いた以外は、実施例
1と同様にしてムーニースコーチタイムT30を算出し
た。 <熱可塑性エラストマー組成物の製造>混練温度を22
0℃とした以外は、実施例1と同様に混練方法1を行い
(実施例4〜6、比較例14〜15)、あるいは、比較
例6と同様に混練方法2を行い(比較例16〜20)、
熱可塑性エラストマー組成物を製造し、物性試験、シー
ト外観、架橋度を測定し、評価した。結果を第3表、第
4表に示す。
製造方法によれば、2軸混練押出機における材料の流動
性が非常に高く、混練性に優れている。また、得られる
熱可塑性エラストマー組成物の物性が安定しており、機
械的物性に優れている。
Claims (1)
- 【請求項1】2軸混練押出機を用いて、連続相が熱可塑
性ポリアミド樹脂であり、分散相がハロゲン含有イソモ
ノオレフィン−パラアルキルスチレンである熱可塑性エ
ラストマー組成物を製造する方法において、 2軸混練押出機のシリンダ部中、供給された熱可塑性ポ
リアミド樹脂が、溶融せずに搬送される部分を搬送ゾー
ンとし、 熱可塑性ポリアミド樹脂が溶融混練されている部分を混
練ゾーンとし、 熱可塑性ポリアミド樹脂、ハロゲン含有イソモノオレフ
ィン−パラアルキルスチレン、および、架橋剤を含有す
る配合剤を、2軸混練押出機の搬送ゾーンに供給するこ
と、および、 混練ゾーンの温度における、ハロゲン含有イソモノオレ
フィン−パラアルキルスチレンと、架橋剤を含有する配
合剤との混合物のムーニースコーチタイムT30が、熱可
塑性ポリアミド樹脂、ハロゲン含有イソモノオレフィン
−パラアルキルスチレン、および架橋剤を含有する配合
剤が、2軸混練押出機に供給されてから吐出されるまで
の時間TC の25〜70%であることを特徴とする熱可
塑性エラストマー組成物の製造方法。
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JP2005213326A (ja) * | 2004-01-28 | 2005-08-11 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 熱可塑性エラストマー組成物 |
JP2009298986A (ja) * | 2008-06-17 | 2009-12-24 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | エラストマー組成物の製造方法及びそれを用いた空気入りタイヤ |
JP2013532765A (ja) * | 2010-08-05 | 2013-08-19 | エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド | 熱可塑性弾性組成物 |
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- 2000-03-22 JP JP2000079811A patent/JP4215372B2/ja not_active Expired - Fee Related
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