JP2001261688A - ホスファチジルエタノールアミン誘導体の製造方法 - Google Patents

ホスファチジルエタノールアミン誘導体の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホスファチジルエタノールアミン誘導体を高
純度で得ることができ、工業的スケールで容易に製造し
うる方法を提供する。 【解決手段】 活性水素を持たない有機溶媒を用いてホ
スファチジルエタノールアミンとジカルボン酸無水物を
反応させた後、pH3.5〜7.5の緩衝液と混合し、
分層した後、有機溶媒層より有機溶媒を除去することを
特徴とするホスファチジルエタノールアミン誘導体の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホスファチジルエ
タノールアミン誘導体を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】リン脂質およびその誘導体は、水溶液に
分散すると、リポソームと呼ばれる脂質二重層膜から成
る閉鎖小胞体を形成する。この性質を利用し、医学、薬
学および生化学の分野においては薬剤、酵素、遺伝子等
をリポソーム内部に封入した運搬体等への展開が計られ
ている。このような目的で利用されるリン脂質には、高
純度が要求される。高純度のリン脂質を製造するには、
溶剤分別、カラム分画などの方法がとられている。溶剤
分別を用いたリン脂質の製造方法としては、例えば特開
平9−77782号公報に記載の方法が知られている。
この方法はイカの皮から溶媒抽出した抽出物をヘキサン
に溶解し、アセトンを添加してリン脂質を不溶物として
沈殿、回収することにより得る方法である。また、特開
平5−132490号公報にはリン脂質画分をクロロホ
ルム・メタノール混液あるいはこれに水を加えた混液で
抽出した後、アセトンで沈殿させ沈殿物をこれらの混液
に再溶解させる操作を繰り返すことによって精製する方
法が示されている。しかしながら、これらの溶剤分別を
用いた方法では収率が悪く、また高純度のものが得られ
ない。
【0003】カラム分画を用いたリン脂質の製造方法と
しては、例えば特開平4−69390号公報に記載の方
法が知られている。この方法は構造の異なるリン脂質を
液体クロマトグラフィーにより分離するに際し、アミン
を予め通液することにより前処理を行う脂質の分離方法
である。また、特開平5−97872号公報には混合リ
ン脂質を、水または酢酸水溶液を含む、アルコールと非
極性溶媒の混合溶媒に溶解し、高速液体クロマトグラフ
ィーに供して、リン脂質を分離・精製する方法が示され
ている。しかしながら、これらの方法ではカラムクロマ
トグラフィーが必要とされ、カラムクロマトグラフィー
を使用して精製を行うと純度が低く、また収率も低く、
工業的に極めて不利である。従来、ホスファチジルエタ
ノールアミン誘導体の製造方法としては、例えば特表平
7−501316号公報に記載の方法が知られている。
この方法はホスファチジルエタノールアミンにジカルボ
ン酸無水物を塩基性触媒下、室温で反応させたものを、
シリカゲルクロマトグラフィーにより精製する方法であ
る。しかしながら、この方法では、シリカゲルカラムか
らの溶出時にホスファチジルエタノールアミン誘導体が
分解し、純度の低下および収率の低下が起こるなどの欠
点があり、工業的には極めて不利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の観点か
らなされたもので、ホスファチジルエタノールアミン誘
導体を高純度で得ることができ、工業的スケールで容易
に製造しうる方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に鑑み簡易な操作で目的とするホスファチジルエタノ
ールアミン誘導体を97%以上の高純度で製造し得る方
法を開発すべく鋭意研究を重ねるうち、有機溶媒に溶解
しているホスファチジルエタノールアミンとジカルボン
酸無水物との反応物に緩衝液を接触させ、緩衝液中に塩
基性触媒を除去することにより純度97%以上のホスフ
ァチジルエタノールアミン誘導体が90%以上の収率で
得られるという事実を見出した。本発明はかかる知見に
基づき完成されたものである。すなわち本発明は、活性
水素を持たない有機溶媒を用いてホスファチジルエタノ
ールアミンとジカルボン酸無水物を反応させた後、pH
3.5〜7.5の緩衝液と混合し、分層した後、有機溶
媒層より有機溶媒を除去することを特徴とする式(1)
で示されるホスファチジルエタノールアミン誘導体の製
造方法である。
【0006】
【化2】
【0007】(式中R1およびR2は脂肪族アシル基、M1
およびM2は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属またはアンモニウム、nは1〜14の整数を示す)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるR1およびR2
で示されるホスファチジルエタノールアミンのアシル基
は炭素数12〜22の飽和または不飽和アシル基であ
り、例えばラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、
ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステア
リン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ヘンエイコサン
酸、ベヘン酸等の直鎖飽和カルボン酸、2−ラウロレイ
ン酸、リンデル酸、トウハク酸、5−ラウロレイン酸、
11−ラウロレイン酸、ツズ酸、5−ミリストレイン
酸、ミリストレイン酸、2−パルミトレイン酸、7−パ
ルミトレイン酸、cis−9−パルミトレイン酸、tr
ans−9−パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、ペト
ロセエライジン酸、オレイン酸、エライジン酸、バセニ
ン酸、ゴンドイン酸、trans−ゴンドイン酸、エル
シン酸、ブラシン酸、リノール酸、リノエライジン酸、
α−エレオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、リ
ノレン酸、リノレンエライジン酸、プソイドエレオステ
アリン酸、α−パリナリン酸、β−パリナリン酸、アラ
キドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸
等の直鎖不飽和カルボン酸由来のアシル基が挙げられ、
好ましくはオレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ミリスチン酸である。
【0009】また、ホスファチジルエタノールアミンと
して、天然由来の大豆ホスファチジルエタノールアミン
または卵黄ホスファチジルエタノールアミン等も使用す
ることができる。これらのホスファチジルエタノールア
ミンは、純度90%以上、好ましくは97%以上のもの
がよい。
【0010】また、本発明で用いられるジカルボン酸無
水物は、炭素数3〜16のものが好ましく、具体的には
マロン酸無水物、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、
アジピン酸無水物、ピメリン酸無水物、オクタンジオン
酸、セバシン酸無水物、ドデカン二酸無水物、トリデカ
ン二酸無水物、テトラデカン二酸無水物、ヘキサデカン
二酸無水物等が挙げられ、好ましくはグルタル酸無水
物、コハク酸無水物、アジピン酸無水物、セバシン酸無
水物である。使用するジカルボン酸無水物は市販品を用
いてもよいし、ジシクロヘキシルカルボキシイミドなど
の縮合剤を用いてジカルボン酸から合成してもよい。ジ
カルボン酸無水物の添加量はホスファチジルエタノール
アミンに対し、1〜3当量、好ましくは1〜1.8当量
とするのが良い。1当量未満では、純度および収率が低
下する。3当量を超過しても反応率および反応速度はほ
とんど変わらず、経済性が悪くなる。
【0011】本発明の方法を実施するに際しては、まず
活性水素を持たない有機溶媒にホスファチジルエタノー
ルアミンおよびジカルボン酸無水物を触媒存在下で混合
する。用いられる有機溶媒としては、例えばクロロホル
ム、ジクロルメタン等のハロゲン溶媒、ヘキサン、ペン
タン等の炭化水素溶媒、ベンゼン、キシレン等の芳香族
溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエ
チルエーテル等のエーテル溶媒などが挙げられ、それら
を単独で用いてもよいし、2種以上で組み合わせて用い
てもよい。有機溶媒の使用量は、ホスファチジルエタノ
ールアミンの5〜100重量倍が好ましい。5重量倍未
満では溶液の粘度が高くなり、100重量倍を越えると
生産効率が悪くなる可能性がある。
【0012】縮合反応に使用する触媒としては塩基性触
媒が用いられ、例えば、N,N−ジメチル−4−アミノ
−ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノ−2−メチ
ルピリジン、4−ピロリジノピロリジン等のピリジン誘
導体、およびトリエチルアミン、トリブチルアミン等の
第3アミン等が使用できるが、この中でトリエチルアミ
ンおよびトリブチルアミンの使用が好ましい。触媒の添
加量は原料に対し0.01〜20当量、好ましくは0.
1〜2当量が良い。0.01当量未満では反応率が低く
なり、20当量を超えても、反応率が高くならず、経済
性が悪くなる。反応は0〜40℃程度、好ましくは0〜
10℃の範囲で行うことができる。0℃未満では、反応
速度が低下し、40℃を超えると、ホスファチジルエタ
ノールアミン誘導体の熱分解が起こるので好ましくな
い。
【0013】反応後、このようにして得られた反応液に
緩衝液を添加して攪拌し、分層させる。本発明で使用す
る緩衝液のpHは3.5〜7.5が好ましい。pH3.
5未満または7.5を超えると、ホスファチジルエタノ
ールアミン誘導体の分解が起こるので好ましくない。ま
た、本発明で使用する緩衝液中の金属塩としては、アル
カリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムを含有
するものであればよく、具体的にはカリウム、ナトリウ
ム、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウム、そ
の塩化物、水酸化物あるいはリン酸塩、酢酸塩およびそ
の他の有機酸塩、硫酸塩、硝酸塩などいかなる形態の塩
でも構わない。本発明で使用する緩衝液で使用する水は
金属イオンを含まない蒸留水が好ましい。
【0014】本発明で使用する緩衝液中の塩含量はホス
ファチジルエタノールアミンの0.3〜3倍モルが好ま
しい。0.3倍モル未満または3倍モルを越えると分層
状態が悪くなり、有機溶媒層への抽出効率が悪くなるた
め、純度が低下し、収率が低下する。このようにして緩
衝液と混合し、分層した後、得られた有機溶媒層より有
機溶媒を除去する。本発明で使用する有機溶媒の除去方
法としては、エバポレーターを用いても、凍結乾燥およ
び真空乾燥などの方法を単独で用いてもよいし、組み合
わせて用いてもよい。このようにしてホスファチジルエ
タノールアミン誘導体を得る。
【0015】
【発明の効果】本発明の方法によれば純度97%以上の
ホスファチジルエタノールアミン誘導体を収率90%以
上で製造し得る。しかもその際の精製においてシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーなどの煩雑な操作が不要な
ため、工業的に極めて有利な方法である。本発明により
得られるリン脂質誘導体は、高純度であるので、特に医
薬品分野での利用に適している。
【0016】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を更に詳しく説
明する。なお、リン脂質の組成分析、純度測定は薄層ク
ロマトグラフィー(以下、TLCという)で行った。T
LCはKieselgel 60(Merck & C
o. Inc.)を用い、5重量%の試料2マイクロリ
ットルをスポットし、クロロホルム:メタノール:蒸留
水=65:25:4(容量比)で展開し、無水硫酸銅1
0gと85%リン酸8ミリリットルを蒸留水で100ミ
リリットルとしたものを噴霧後加熱する方法により行っ
た。
【0017】実施例1 1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−
O−(N−グルタリル)−エタノールアミンナトリウム
塩;DOPE−グルタル酸ナトリウムの調製 ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOP
E、純度99.5%)10g、トリエチルアミン1.6
g(DOPEに対して1.2当量)、クロロホルム20
0ミリリットル(DOPEの30重量倍)に溶解し、グ
ルタル酸無水物2.2g(DOPEに対して1.5当
量)を加え、窒素雰囲気下、4℃で1時間反応したの
ち、0.5M酢酸ナトリウム/酢酸緩衝液(pH=6)
72ミリリットル(酢酸ナトリウムはDOPEの2.7
倍モル、0.5Mは0.5mol/lを示す)を加え、
分液ロートに移し、1時間静置した。静置後、下層を分
取し、0.5M酢酸ナトリウム/酢酸緩衝液(pH=
6)72ミリリットル(酢酸ナトリウムはDOPEの
2.7倍モル)を加え、攪拌後、分液ロートに移し、1
時間静置した。静置後、下層を分取した。エバポレータ
ーで溶媒留去し、注射用水に分散して、凍結乾燥し、乾
燥物11.6gを得た。得られた乾燥物をTLCで分析
したところ、純度99.7%、収率97.8%であっ
た。
【0018】実施例2 1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホ
−O−(N−スクシニル)−エタノールアミンナトリウ
ム塩;DPPE−コハク酸ナトリウムの調製 ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DP
PE、純度99.3%)9.3g、トリエチルアミン
1.5g(DPPEに対して1.1当量)、クロロホル
ム186ミリリットル(DPPEの30重量倍)に溶解
し、コハク酸無水物1.9g(DPPEに対して1.4
当量)を加え、窒素雰囲気下、4℃で1時間反応したの
ち、0.5M酢酸ナトリウム/酢酸緩衝液(pH=5)
67ミリリットルを加え、分液ロートに移し、1時間静
置した。静置後、下層を分取し、0.5M酢酸ナトリウ
ム/酢酸緩衝液(pH=5)67ミリリットル(酢酸ナ
トリウムはDPPEの1倍モル)を加え、攪拌後、分液
ロートに移し、1時間静置した。静置後、下層を分取し
た。エバポレーターで溶媒留去し、注射用水に分散し
て、凍結乾燥し、乾燥物10.5gを得た。得られた乾
燥物をTLCで分析したところ、純度99.5%、収率
97.3%であった。
【0019】実施例3 1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホ
−O−(N−アジピニル)−エタノールアミンナトリウ
ム塩;DSPE−アジピン酸ナトリウムの調製 ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DS
PE、純度99.3%)10.1g、トリエチルアミン
1.6g(DSPEに対して1.2当量)、クロロホル
ム201ミリリットル(DSPEの30重量倍)に溶解
し、アジピン酸無水物2.5g(DSPEに対して1.
4当量)を加え、窒素雰囲気下、4℃で1時間反応した
のち、0.5M酢酸ナトリウム/酢酸緩衝液(pH=
4)72ミリリットル(酢酸ナトリウムはDSPEの
0.4倍モル)を加え、分液ロートに移し、1時間静置
した。静置後、下層を分取し、0.5M酢酸ナトリウム
/酢酸緩衝液(pH=4)72ミリリットル(酢酸ナト
リウムはDSPEの0.4倍モル)を加え、攪拌後、分
液ロートに移し、1時間静置した。静置後、下層を分取
した。エバポレーターで溶媒留去し、注射用水に分散し
て、凍結乾燥し、乾燥物11.7gを得た。得られた乾
燥物をTLCで分析したところ、純度99.3%、収率
96.5%であった。
【0020】実施例4 1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホ
−O−(N−セバシニル)−エタノールアミンナトリウ
ム塩;DMPE−セバシン酸ナトリウムの調製 ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン(DM
PE、純度99.2%)8.5g、トリエチルアミン
1.4g(DMPEに対して1倍モル)、クロロホルム
171ミリリットル(DMPEの30重量倍)に溶解
し、セバシン酸無水物3.5g(DMPEに対して1.
4当量)を加え、窒素雰囲気下、4℃で1時間反応した
のち、0.5M酢酸ナトリウム/酢酸緩衝液(pH=
7)62ミリリットル(酢酸ナトリウムはDMPEの
2.9倍モル)を加え、分液ロートに移し、1時間静置
した。静置後、下層を分取し、0.5M酢酸ナトリウム
/酢酸緩衝液(pH=7)62ミリリットル(酢酸ナト
リウムはDMPEの2.9倍モル)を加え、攪拌後、分
液ロートに移し、1時間静置した。静置後、下層を分取
した。エバポレーターで溶媒留去し、注射用水に分散し
て、凍結乾燥し、乾燥物10.7gを得た。得られた乾
燥物をTLCで分析したところ、純度99.4%、収率
95.1%であった。
【0021】比較例1 1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホ
−O−(N−スクシニル)−エタノールアミン;DPP
E−コハク酸の調製 ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DP
PE、純度99.3%)346mg、コハク酸無水物1
00mg(DPPEの2当量)、トリエチルアミン0.
1ミリリットル(DPPEに対して1.4当量)をクロ
ロホルム10ミリリットル(DPPEの433重量倍)
に溶解し、窒素雰囲気下、室温で16時間、窒素雰囲気
下で攪拌した。攪拌後、エバポレーターで5ミリリット
ルになるまで溶媒留去した。これをクロロホルムで平衡
化したシリカゲル60カラム(2.5cm×45cm)
上に流し、クロロホルム500ミリリットル、クロロホ
ルム:メタノール(85:15)500ミリリットルで
溶出し、乾燥物203mgを得た。得られた乾燥物をT
LCで分析したところ、純度79.6%、収率49.9
%であった。
【0022】比較例2 1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホ
−O−(N−スクシニル)−エタノールアミン;DSP
E−コハク酸の調製 ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DS
PE、純度99.3%)100mg、コハク酸無水物1
5mg(DSPEに対して1.2当量)、ピリジン10
マイクロリットルをクロロホルム5ミリリットル(DS
PEの75重量倍)に溶解し、窒素雰囲気下、室温で終
夜、窒素雰囲気下で攪拌した。攪拌後、冷アセトンで沈
殿させ、乾燥物98mgを得た。得られた乾燥物をTL
Cで分析したところ、純度80.2%、収率84.3%
であった。
【0023】比較例3 1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−
O−(N−スクシニル)−エタノールアミンナトリウム
塩;DOPE−コハク酸ナトリウムの調製 ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOP
E、純度99.5%)200.6mg、コハク酸無水物
54mg(DOPEに対して2当量)をピリジン10ミ
リリットルに溶解し、窒素雰囲気下、55℃で2時間、
窒素雰囲気下で攪拌した。攪拌後、エバポレーターで溶
媒留去し、残留物をクロロホルム−メタノール−0.5
8%塩化ナトリウム水溶液(1:2:0.8、容量比)
の混合物に懸濁した。クロロホルム−0.58%塩化ナ
トリウム水溶液(1:1、容量比)の混合物を添加後、
生成物を分配により抽出した。下の層をクロロホルム−
メタノール−0.58%塩化ナトリウム水溶液(3:4
8:47、容量比)の混合物で3回洗浄した。エバポレ
ーターで溶媒留去し、乾燥物184mgを得た。得られ
た乾燥物をTLCで分析したところ、純度82.5%、
収率78.8%であった。
【0024】比較例4 1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−
O−(N−アジピニル)−エタノールアミン;DOPE
−アジピン酸の調製 ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOP
E、純度99.5%)744mg、アジピン酸175m
g(DOPEに対して1.3当量)、ジシクロヘキシル
カルボジイミド268mgを酢酸エチル10ミリリット
ルに溶解し、窒素雰囲気下、45℃で4時間、窒素雰囲
気下で攪拌した。攪拌後、エバポレーターで溶媒留去
し、メタノールに再溶解した。DEAE−Sephad
exを詰めたカラムに、この溶液を吸着させ、0.5M
酢酸アンモニウムメタノール溶液で溶出し、乾燥物62
5mgを得た。得られた乾燥物をTLCで分析したとこ
ろ、純度82.4%、収率69.9%であった。
【0025】比較例1および4でカラムを用いてホスフ
ァチジルエタノールアミン誘導体の精製を行ったが、実
施例1〜4と比べて純度、収率ともに悪かった。比較例
2ではアセトンを用いて溶剤分別による精製を行った
が、実施例1〜4と比べて純度、収率ともに悪かった。
比較例3では塩化ナトリウムを含む混合溶媒による精製
を行ったが、実施例1〜4と比べて純度、収率ともに悪
かった。以上の結果より、活性水素をもたない有機溶媒
中でホスファチジルエタノールアミンとジカルボン酸無
水物を反応させた後、pH3.5〜7.5の緩衝液と混
合し、分層させた後、有機溶媒を除去することによっ
て、95%以上の収率で純度99%以上のホスファチジ
ルエタノールアミン誘導体を製造できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性水素を持たない有機溶媒を用いてホス
    ファチジルエタノールアミンとジカルボン酸無水物を反
    応させた後、pH3.5〜7.5の緩衝液と混合し、分
    層した後、有機溶媒層より有機溶媒を除去することを特
    徴とする式(1)で示されるホスファチジルエタノール
    アミン誘導体の製造方法。 【化1】 (式中R1およびR2は脂肪族アシル基、M1およびM2
    水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアン
    モニウム、nは1〜14の整数を示す)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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