JPH05301882A - 水溶性リン脂質の粉末化方法 - Google Patents

水溶性リン脂質の粉末化方法

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JPH05301882A
JPH05301882A JP4127996A JP12799692A JPH05301882A JP H05301882 A JPH05301882 A JP H05301882A JP 4127996 A JP4127996 A JP 4127996A JP 12799692 A JP12799692 A JP 12799692A JP H05301882 A JPH05301882 A JP H05301882A
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JP
Japan
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water
weight
phospholipid
soluble
alcohol
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JP4127996A
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English (en)
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Nobuyuki Tsubaki
信之 椿
Mitsuhiro Nishida
光広 西田
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】水溶性リン脂質を炭素数1〜4のアルコールと
非極性溶媒を用いて、共沸脱水して水分量を3重量%以
下としたのち、炭素数1〜4のアルコールと非極性溶媒
を特定の重量比で用いて晶析する。 【効果】簡単な操作で水溶性リン脂質の粉末が高収率で
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶性リン脂質の粉末
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧品や医薬品等の用途に好適な高純度
のグリセロリン脂質は、脂肪酸無水物や脂肪酸クロリド
等のアシル化剤を用いて水溶性リン脂質の1位と2位を
アシル化して得られる。しかし、これらのアシル化は通
常非極性溶媒中で行うので、アシル化率を向上させるに
は非極性溶媒に不溶である水溶性リン脂質を粉末状にし
て用いることが必要である。
【0003】水溶性リン脂質を粉末化する方法として次
の方法が考案されている。 (a)グリセロホスファチジルコリン−塩化カドミウム複
合体とする方法。(H.Brockerhoff,M.Yorkowski,Canadia
n Journal of Biochemistry,Vol.43,P1777,1965年) (b)グリセロホスファチジルコリンを金属酸化物、高級
脂肪酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩、
無機中性塩等に担持させる方法。(特開平1−1311
90号公報) (c)グリセロホスファチジルコリンをシリカゲルに担持
させる方法。(特開平2−101086号公報)
【0004】いずれの方法も担体を用いて粉末としてい
るが、この担体が有毒である、あるいはアシル化したの
ちの担体の除去が困難であるなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来技
術の問題点を改善し、化粧品や医薬品等の原料に好適な
水溶性リン脂質の粉末を簡単な操作で製造できる粉末化
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の
(1)、(2)の工程からなることを特徴とする水溶性
リン脂質の粉末化方法である。 (1)水溶性リン脂質を炭素数1〜4のアルコールに溶
解し、このアルコールと相溶する非極性溶媒を加えて、
共沸脱水を行なって、水溶性リン脂質の水分量を3重量
%以下にする工程。 (2)(1)の工程より得られた水溶性リン脂質を1〜5
重量倍の炭素数1〜4のアルコールに溶解し、水溶性リ
ン脂質の10〜30重量倍の非極性溶媒を加えて、0〜
30℃の温度で晶析させて、粉末状の水溶性リン脂質を
得る工程。
【0007】本発明の原料として用いる水溶性リン脂質
は、D−マンニトールを出発原料とする化学合成法、天
然リン脂質を化学薬品で加水分解する方法、天然リン脂
質をホスホリパーゼで加水分解する方法などの常法によ
り合成したもので良いが、純度90%以上の水溶性リン
脂質が好ましい。水溶性リン脂質の例としては、グリセ
ロホスファチジルコリン、グリセロホスファチジルエタ
ノールアミン、グリセロホスファチジルセリン、グリセ
ロホスファチジルイノシトール、グリセロホスファチジ
ルグリセロール等の水溶性リン脂質が挙げられる。
【0008】本発明の(1)の工程は、水溶性リン脂質を
炭素数1〜4のアルコールに溶解し、このアルコールと
相溶する非極性溶媒を加えて、共沸脱水を行なって、水
溶性リン脂質の水分量を3重量%以下にする工程であ
る。炭素数1〜4のアルコールとしては、メタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノ
ール等が挙げられる。非極性溶媒は、炭素数1〜4のア
ルコールと相溶するものであれば良く、クロロホルム、
ジクロルメタン、四塩化炭素が好ましい。
【0009】炭素数1〜4のアルコールの使用量は水溶
性リン脂質の1〜5重量倍、非極性溶媒は炭素数1〜4
のアルコールの5〜10重量倍が好ましい。この範囲外
でも実施は可能だが、共沸脱水に長時間を要し、あるい
は生産効率が低くなる。
【0010】共沸脱水は、エバポレーター等を使用して
繰り返し行なっても良いが、四ツ口フラスコ等を使用し
て、20〜60℃、減圧の条件で、溶剤を留去して行な
うのが好ましい。この場合、留出してくる溶剤量に見合
った量の炭素数1〜4のアルコールと非極性溶媒を追加
して連続的に行なうのが効率的である。
【0011】水溶性リン脂質の水分量は3重量%以下で
ある。3重量%を超えると粉末化するのが困難である。
【0012】(2)の工程は、(1)の工程より得られた水溶
性リン脂質を1〜5重量倍の炭素数1〜4のアルコール
に溶解し、水溶性リン脂質の10〜30重量倍の非極性
溶媒を加えて、0〜30℃の温度で晶析させて、粉末状
の水溶性リン脂質を得る工程である。
【0013】炭素数1〜4のアルコールおよび非極性溶
媒は、(1)の工程と同じものを用いることができる。炭
素数1〜4のアルコールの使用量は水溶性リン脂質の1
〜5重量倍であり、これより少ないと水溶性リン脂質の
溶解が困難であり、多いと収率が低くなる。非極性溶媒
の使用量は水溶性リン脂質の10〜30重量倍であり、
これより少ないと収率が低くなり、多いと生産効率が低
くなる。
【0014】晶析した水溶性リン脂質は、瀘過して真空
乾燥機を用いて溶媒を留去することにより粉末として得
られるが、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行なうの
が好ましい。
【0015】
【発明の効果】本発明により、水溶性リン脂質粉末を簡
単にしかも高収率で得ることができる。得られた水溶性
リン脂質粉末は、担体を用いてないので、化粧品や医薬
品等への原料として好適である。また、本発明の水溶性
リン脂質の粉末化方法により、未反応の各種リン脂質、
リゾリン脂質、脂肪酸等の非水溶性物質が除去されると
いう精製効果もある。
【0016】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明する。尚、リン脂質の純度測定は薄層クロマ
トグラフィ−(以下、TLCという)で行なった。TL
CはKieselgel 60(Merck & Co.Inc.)を用い、5重量
%の試料2マイクロリツトルをスポットし、クロロホルム:メタ
ノ−ル:蒸留水:28%アンモニア水=65:25:
4:0.3(容量比)で展開し、硫酸銅(無水)10g
とリン酸(85%)8ミリリツトルを蒸留水で100ミリリツトルと
したものを噴霧後加熱する方法により行なった。
【0017】実施例1 卵黄レシチンをトリブチルアンモニウムヒドロキシドで
加水分解し、純度95重量%のグリセロホスファチジル
コリンを得た。水分量は8.2重量%であった。このグ
リセロホスファチジルコリン10gを300ミリリツトルの四
ツ口フラスコに取り、30gのメタノールに溶解し、ク
ロロホルムを150g加えて、40℃、減圧で攪拌しな
がら溶媒の留去を行ない、留出量に相当する溶媒(メタ
ノール/クロロホルム=1/5(重量比))を追加しなが
ら共沸脱水を行なった。溶媒を完全に留去したのち、水
分量をカールフィッシャー法で測定したところ1.2重
量%であった。
【0018】このグリセロホスファチジルコリンを30
gのメタノールに溶解したのち、150gのクロロホルム
を加えて、5℃に冷却し、同温度に2時間保った。析出
した粉末を窒素ガス雰囲気下で瀘過し、40℃、減圧の
条件で溶媒を留去して、グリセロホスファチジルコリン
の粉末を9.1g得た。収率91重量%、純度99重量
%であった。
【0019】実施例2 大豆水添レシチンをホスホリパーゼA1とホスホリパー
ゼA2を用いて加水分解し、純度92重量%のグリセロ
ホスファチジルコリンを得た。水分量は6.6重量%で
あった。このグリセロホスファチジルコリン10gを2
0gのエタノールに溶解し、ジクロルメタンを200g加
えて、エバポレーターを用いて、40℃で溶媒を留去す
ることを3回繰り返した。水分量は0.8重量%であっ
た。
【0020】このグリセロホスファチジルコリンを20
gのエタノールに溶解したのち、200gのジクロルメタ
ンを加えて、以下実施例1と同様にしてグリセロホスフ
ァチジルコリンの粉末8.8gを得た。収率88重量
%、純度97重量%であった。
【0021】実施例3 牛の脳より抽出したホスファチジルセリンをトリブチル
アンモニウムヒドロキシドで加水分解し、純度94重量
%のグリセロホスファチジルセリンを得た。水分量は1
1.3重量%であった。このグリセロホスファチジルセ
リン1g、3gのプロパノール、20gの四塩化炭素で5
0ミリリツトルの四ツ口フラスコを用いて実施例1と同様に共
沸脱水した。水分量は2.1重量%であった。
【0022】このグリセロホスファチジルセリンを3g
のプロパノール、20gの四塩化炭素を用いた以外は実
施例1と同様にして、グリセロホスファチジルセリンの
粉末9.0g得た。収率90重量%、純度98重量%で
あった。
【0023】実施例4 卵黄リン脂質より抽出したホスファチジルエタノールア
ミンをトリブチルアンモニウムヒドロキシドで加水分解
し、純度91重量%のグリセロホスファチジルエタノー
ルアミンを得た。水分量は7.8重量%であった。この
グリセロホスファチジルエタノールアミン1gを3gのメ
タノールに溶解し、15gのクロロホルムを加えて、実
施例3と同様に共沸脱水をした。水分量は1.2重量%
であった。
【0024】3gのメタノール、15gのクロロホルムを
用いて実施例3と同様にして、グリセロホスファチジル
エタノールアミンの粉末8.9gを得た。収率89重量
%純度99重量%であった。
【0025】比較例1 実施例1と同じグリセロホスファチジルコリン10g
(水分量8.2重量%)を30gのメタノールに溶解
し、200gのクロロホルムを加えて、5℃に冷却し、
同温度に4時間保ったが、グリセロホスファチジルコリ
ンの粉末は得られなかった。水分量が3重量%を超えて
いるので、粉末化ができない。
【0026】比較例2 実施例1と同じグリセロホスファチジルコリン10g
(水分量8.2重量%)を100gの水に溶解し、凍結
乾燥を10時間行なったが、ペースト状のグリセロホス
ファチジルコリンが得られ、グリセロホスファチジルコ
リン粉末は得られなかった。凍結乾燥では粉末化ができ
ない。
【0027】比較例3 実施例1と同様にして共沸脱水したグリセロホスファチ
ジルコリンを100gのメタノールに溶解し、200gの
クロロホルムを加えて、5℃に冷却したが4時間後でも
析出物はなかった。炭素数1〜4のアルコールの使用量
が本発明の範囲を超えているので、粉末が得られない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(1)、(2)の工程からなること
    を特徴とする水溶性リン脂質の粉末化方法。 (1)水溶性リン脂質を炭素数1〜4のアルコールに溶
    解し、このアルコールと相溶する非極性溶媒を加えて、
    共沸脱水を行なって、水溶性リン脂質の水分量を3重量
    %以下にする工程。 (2)(1)の工程より得られた水溶性リン脂質を1〜5
    重量倍の炭素数1〜4のアルコールに溶解し、水溶性リ
    ン脂質の10〜30重量倍の非極性溶媒を加えて、0〜
    30℃の温度で晶析させて、粉末状の水溶性リン脂質を
    得る工程。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004031196A1 (ja) * 2002-10-02 2004-04-15 Nippon Soda Co., Ltd. 有機化合物の製造方法

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