JP2001261635A - ポリチオエーテルケトン化合物及びその製造方法 - Google Patents
ポリチオエーテルケトン化合物及びその製造方法Info
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Abstract
規なポリマーを提供することを目的とする。 【解決手段】一般式(I) 【化1】 〔式中、Arは置換基を有していてもよいアリーレン基
を示す。Rは各々独立してC1〜C6アルキル基、アシ
ルアミノ基、シアノ基、アルキルカルボニルオキシ基、
アリールカルボニルオキシ基、アルコキシ基またはアラ
ルキル基を示す。R’はC1〜C6アルキル基を示す。
nは1〜20,000を示す。mは0〜4を示す。lは0〜3
を示す。〕で表されることを特徴とするポリチオエーテ
ルケトン化合物。
Description
トン化合物及びその製造方法に関する。
K)は、通常全芳香族型の骨格を有し、耐熱性、機械特
性などに優れた(スーパー)エンジニアリングプラスチ
ックの一つとして様々な用途がある。PEEKのポリマ
ー主鎖中にナフタレン基を導入すると、主鎖軸周りの回
転がその剛直性によりクランクシャフト運動に限定さ
れ、Tgが上昇する他、高い平面性がもたらす高次の対
象要素及び長い共役のためさらに耐熱性、機械特性が向
上する。一方で、PEEKは高耐熱性であるがゆえに難
溶性、難成形性である。また、原料モノマーの芳香族ケ
トンとして芳香族フッ素化合物を使用しているケースが
多いことからコストの問題もあり、改善が望まれてい
る。最近、高田らは、ナフタレン環にメチル基を導入し
た2,6-ジメチルナフタレン(DMN)をその構造に有する新
規の原料モノマー(ジハロアレーン)をケトンユニット
として合成し、各種ビフェノールとの重縮合により、ポ
リ(アリーレン−エーテル−ケトン)(PEK)を得た(Reac
t.Funct.Polym., 30[1-3], 149-156(1996); J.Polym.Sc
i., Part A: Polym. Chem., 33[15], 2647-2655 (199
5))。これらのPEKは溶解性、耐熱性、機械特性に優れて
いたが、さらなる改善が望まれている。
特性に優れた新規なポリマーを提供することを目的とす
る。
オエーテルケトン化合物及びその製造方法に関する。 項1. 一般式(I)
アリーレン基を示す。Rは各々独立してC1〜C6アル
キル基、アシルアミノ基、シアノ基、アルキルカルボニ
ルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルコキシ
基またはアラルキル基を示す。R’はC1〜C6アルキ
ル基を示す。nは1〜20,000を示す。mは0〜4を示
す。lは0〜3を示す。〕で表されることを特徴とする
ポリチオエーテルケトン化合物。 項2. 下記式で表されるナフタレン骨格を有するジハ
ロアレーン(2)と芳香族ジチオール化合物(4)または(8)
を塩基の存在下で重縮合することを特徴とするポリチオ
エーテルケトン化合物の製造方法。
アリーレン基を示す。Xはハロゲン原子を示す。R’は
C1〜C6アルキル基を示す。nは1〜20,000を示す。
mは0〜4を示す。lは0〜3を示す。Raは−CO−
NR1R2を示す(R1及びR2は同一または異なって
C1〜C6アルキル基を示す)。〕で表されることを特
徴とするポリチオエーテルケトン化合物の製造方法。
換基としては、C1〜C6アルキル基、アシルアミノ
基、シアノ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリール
カルボニルオキシ基、アルコキシ基、アラルキル基が例
示される。好ましいアリーレン基としては、4,4'-チオ
ジフェノール、4,4-スルホニルジフェノールおよび以下
に示される基があげられる。
しては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの直鎖または分枝
を有するアルキル基が挙げられる。
ノ、ベンゾイルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニル
アミノ、n−ブチリルアミノなどの炭素数1〜8のアシ
ルアミノ基が挙げられる。
チルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−
プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオ
キシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボ
ニルオキシ、sec−ブチルカルボニルオキシ、ter
t−ブチルカルボニルオキシ、ペンチルカルボニルオキ
シ、ヘキシルカルボニルオキシなどの直鎖または分枝を
有するC2〜C7アルキルカルボニルオキシ基が挙げら
れる。
オキシ基、ナフチルカルボニルオキシ基があげられる。
シ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、
イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキ
シ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどの直鎖または
分枝を有する炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ
る。
ル、ベンジル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロ
ピル、4−フェニルブチルなどが挙げられる。
原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
00程度である。
る。
<反応工程式>に従って製造することができる。 <反応工程式>
Raは前記に定義した通りである。〕ナフタレン化合物
(1)を酸クロライドとAlX3の存在下に、溶媒の存在
下または非存在下に反応させて、ジハロアレーン(2)を
得ることができる。溶媒としては、塩化メチレン、クロ
ロホルム、クロロベンゼン、ニトロメタン、ニトロベン
ゼン、ニトロエタン等を用いることができる。ルイス酸
としては、AlCl3,AlBr3,ZnCl2,FeC
l2,FeCl3などが使用できる。反応はナフタレン化
合物(1)1モルに対し酸クロライドを溶媒を使用する場
合には2モル程度、溶媒を使用しない場合には過剰量用
い、ルイス酸(Lewis acid)を2〜4モル程度用い、氷冷
から30℃程度の温度下に1〜24時間程度反応させる
ことにより有利に進行する。
の存在下にジチオ化合物(8)または(4)と反応させて、目
的とする本発明の化合物を得る。溶媒としてはn-メチル
ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、スルホラン、クロロベンゼン、ジオキサン、
クロロホルム、THFなどが使用できる。塩基(Base)と
しては、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属
水酸化物が挙げられる。反応は、ジハロアレーン(2)1
モルに対しジチオ化合物(8)または(4)を1モル程度、塩
基を2〜4モル程度使用し、室温から溶媒の還流する程
度の温度下に2〜10時間程度反応させることにより有
利に進行する。
NBr、C6H5CH2N(C2H5)Cl、15−クラウ
ン−5(塩基としてNaが最も効果的)などの相間移動
触媒が有効である。
複合材として用いることができる。
ミナ、ジルコニア、マイカをはじめとする酸化物系無機
物または炭化ケイ素、窒化ケイ素などの非酸化物系無機
物の微粉などがあげられる。また、用途によってはアル
ミニウム、亜鉛、銅などの金属粉末の添加も可能であ
る。
れば、ケイ砂、石英、の場旧来と、ケイ藻土などのシリ
カ系;合成無定形シリカ;カオリナイト、雲母、滑石、
ウオラストナイト、アスベスト、ケイ酸カルシウム、ケ
イ酸アルミニウムなどのケイ酸塩;ガラス粉末、ガラス
球、中空ガラス球、ガラスフレーク、泡ガラス球などの
ガラス体;窒化ホウ素、炭化ホウ素、窒化アルミニウ
ム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ホウ
化チタン、窒化チタン、炭化チタンなどの非酸化物系無
機物;炭酸カルシウム;酸化亜鉛、アルミナ、マグネシ
ア、酸化チタン、酸化ベリリウムなどの金属酸化物、硫
酸バリウム、二硫化モリブデン、二硫化タングスデン、
フッ化炭素その他無機物;アルミニウム、ブロンズ、
鉛、ステンレススチール、亜鉛などの金属粉末;カーボ
ンブラック、コークス、黒鉛、熱分解炭素、中空カーボ
ン球などのカーボン体、アラミド繊維などが挙げられ
る。
(ウィスカーを含む)、粒状、鱗片状など種々の形状の
ものを単独または2種以上混合して用いることができ
る。
どの難燃助剤;天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖
脂肪酸やその金属塩、酸アミド類、エステル類、パラフ
ィン類などの離型剤;カーボンブラック、二酸化チタン
などの顔料;エステル類、ポリオール、ポリサルファイ
ド、ウレタンプレポリマーなどの可塑剤;カルボキシル
基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体などの液状ゴム;シランカッ
プリング剤やチタン系カップリング剤などの表面改質
剤;シリコーンオイル、シリコーンゴム、各種プラスチ
ック粉末、各種エンジニアリングプラスチック粉末、A
BS樹脂やMBS樹脂の粉末などの低応力化剤などを適
宜添加してもよい。
流動調整剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外
線吸収剤、分散剤などを含み得る。
き、成形物の形状・態様は特に限定されずシート状、フ
ィルム状、ペレット状、塗膜、塊状、粉状であり得る。
を含む材料を基材等にスプレー、バーコート、フローコ
ート、浸漬、キャスティング、粉体塗装等により塗布す
るか、圧縮成形、射出成形、押し出し成形、注型成形、
トランスファー成形、含浸等を行い、加熱処理すること
により成形物を調製し得る。
されるものではなく、金属、セラミックス、ガラス、プ
ラスチック等を用い得る。
では電線被覆、フィルム、チューブ、モノフィラメント
など;射出成形では航空機用コネクター、レードーム、
タービンのブレード、自動車エンジン部品、ベアリング
リテーナー、熱水メーター部品、熱水ポンプなど;圧縮
成形では炭素繊維とのコンポジット;静電塗装では耐熱
水コーティング;回転成形では大型成形品が挙げられ
る。耐薬品性と摺動性を生かしたギヤ、カム、その他液
晶バスケット、シリコンウェハーバスケット、自動車シ
ートアジャスタ、超純水カートリッジ、パイプ、バル
ブ、光学部品、光学フィルム等に利用できる。
エーテルケトンよりも耐熱性及び強度、寸法安定性、屈
折率、耐酸化性、耐薬品性が向上し、溶解性、成形性、
機械特性についても優れている。
するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定される
ものではない。 実施例1
二つ口フラスコに2,6-ジメチルナフタレン(30.0g, 0.19
mol)、クロロホルム(300ml)及び4−クロロベンゾイル
クロリド(58.9ml, 0.46mmol, 2.4eq)を入れ、氷浴中で
攪拌しながら、砕いた塩化アルミニウム(61.5g,0.46mo
l, 2.4eq)を50分かけて徐々に添加した。1時間経過
後室温で10.5時間、リフラックスさせながら5時間
反応させた。室温まで冷却し、反応混合物を冷却した1M
HCl中に注ぎ、よく攪拌した後、有機層を無水MgSO4乾
燥し、エバポレーターで溶媒を留去した。メタノールを
加えて不純物を溶解させ、沈殿を濾別した。濾別した沈
殿をメタノールを加えたアセトンで再結晶し、ジハロア
レーン2bを得た(収量53.8g、収率65%)。 (Iaの合成)2b(0.13g, 0.30mmol)、8a(0.075g,
0.30mmol)及び炭酸カリウム(0.10g, 0.72mmol)を入れた
30mL二つ口フラスコに、脱水、脱気したn-メチルピロリ
ドン(NMP; 1mL)を加えた。反応はアルゴン雰囲気下、15
0℃で8時間行った。反応終了後、室温まで冷却、酢酸
で中和し、反応混合液をメタノール中に滴下してポリマ
ーを沈殿させた。ろ取した沈殿をクロロホルム中で攪拌
して溶解させ、ろ過後、ろ液を濃縮し、メタノール中に
滴下した。ろ別して得られた粉末を熱メタノールで洗
浄、真空乾燥してIaを得た。 1H-NMR(CDCl3, 270MHz)δ 7.66(d, Ar-H, J=8.1, 4H),
7.46-7.15(m, Ar-H, 16H), 2.24(s, CH3, 6H)ppm. 13C-NMR(CDCl3, 270MHz)δ 198.6, 145.6, 136.3, 13
5.8, 134.6, 134.5, 131.8, 131.6, 130.7, 130.2, 12
9.2, 128.6, 127.3, 125.7, 19.6ppm. IR(NaCl) 1664(芳香族C=O)cm−1 実施例2〜16 実施例1と同様にして、表1に示す条件で各ポリマーを
合成した。結果を表2に示す。
の化合物の物性値を以下に示す。 *実施例14のデータ 1H-NMR(CDCl3, 270MHz)δ 7.86-7.26(m, Ar-H, 20H),
2.27(s, CH3, 6H)ppm. 13C-NMR(CDCl3, 270MHz)δ 198.6, 141.8, 141.1, 13
9.8, 136.2, 135.9, 135.5, 131.9, 130.9, 130.8, 13
0.5, 129.4, 128.6, 128.4, 125.8, 19.6ppm. IR(NaCl) 1666(芳香族C=O)cm−1, 1323, 1159(SO2)cm
−1
部を測定)で求めた値である。 ・極限粘度は、濃度0.1g/dL, 30℃で求めた。 試験例1 (1)溶解性 実施例2で得られた化合物Iaの各種有機溶媒(10倍
量)に対する溶解性を試験した。結果を表3に示す。表
3中: ++:溶解性である + :一部溶解する − :不溶性である
度(Td5;℃)及びガラス転移点(Tg;℃)を求めた。結果を
表4に示す。なお、熱分解開始温度(Td5)は熱重量法
(TG)による5%重量減少温度であり、ガラス転移点
(Tg)はDSC曲線の接線交点より算出した値である。
気特性を測定した結果を表5に示す。なお、測定に用い
たフィルムの作製は、次の通りである。
ホルム溶液を作成し、60℃で12時間加熱攪拌した。
室温まで冷却、メンブランフィルター(孔径0.45μm)
でろ過し、シャーレに流した。30℃の恒温槽に24時
間放置してクロロホルムを揮発させた後、40℃で3日
間真空乾燥し、フィルムをシャーレから剥離した。
したフィルムを225℃の恒温槽中に3.5時間(空気
雰囲気下)静置した後、徐冷した。
Claims (2)
- 【請求項1】一般式(I) 【化1】 〔式中、Arは置換基を有していてもよいアリーレン基
を示す。Rは各々独立してC1〜C6アルキル基、アシ
ルアミノ基、シアノ基、アルキルカルボニルオキシ基、
アリールカルボニルオキシ基、アルコキシ基またはアラ
ルキル基を示す。R’はC1〜C6アルキル基を示す。
nは1〜20,000を示す。mは0〜4を示す。lは0〜3
を示す。〕で表されることを特徴とするポリチオエーテ
ルケトン化合物。 - 【請求項2】下記式で表されるナフタレン骨格を有する
ジハロアレーン(2)と芳香族ジチオール化合物(4)または
(8)を塩基の存在下で重縮合することを特徴とするポリ
チオエーテルケトン化合物の製造方法。 【化2】 〔式中、Arは置換基を有していてもよいアリーレン基
を示す。Xはハロゲン原子を示す。R’はC1〜C6ア
ルキル基を示す。nは1〜20,000を示す。mは0〜4を
示す。lは0〜3を示す。Raは−CO−NR1R2を
示す(R1及びR2は同一または異なってC1〜C6ア
ルキル基を示す)。〕で表されることを特徴とするポリ
チオエーテルケトン化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000070831A JP4423487B2 (ja) | 2000-03-14 | 2000-03-14 | ポリチオエーテルケトン化合物及びその製造方法 |
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JP2000070831A JP4423487B2 (ja) | 2000-03-14 | 2000-03-14 | ポリチオエーテルケトン化合物及びその製造方法 |
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JP2001261635A true JP2001261635A (ja) | 2001-09-26 |
JP4423487B2 JP4423487B2 (ja) | 2010-03-03 |
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JP2000070831A Expired - Lifetime JP4423487B2 (ja) | 2000-03-14 | 2000-03-14 | ポリチオエーテルケトン化合物及びその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013199601A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Tokyo Institute Of Technology | ビナフチル骨格を有するポリ(アリーレンチオエーテル) |
-
2000
- 2000-03-14 JP JP2000070831A patent/JP4423487B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013199601A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Tokyo Institute Of Technology | ビナフチル骨格を有するポリ(アリーレンチオエーテル) |
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