JP2001261321A - ホスゲンの製造方法およびポリカーボネート樹脂 - Google Patents

ホスゲンの製造方法およびポリカーボネート樹脂

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JP2001261321A JP2000083949A JP2000083949A JP2001261321A JP 2001261321 A JP2001261321 A JP 2001261321A JP 2000083949 A JP2000083949 A JP 2000083949A JP 2000083949 A JP2000083949 A JP 2000083949A JP 2001261321 A JP2001261321 A JP 2001261321A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 四塩化炭素、塩素分子等(特に四塩化炭素)
の含有不純物の少ないホスゲンを効率よく製造する方法
およびポリカーボネート樹脂を提供する。 【解決手段】 ホスゲン化触媒として充填密度0.42
0〜0.455g/ml、比表面積1200〜1300
2/g、細孔容積0.90〜1.00ml/g、粒密
度0.65〜0.80g/ml、平均細孔径1.65〜
1.95nmの活性炭を用いてホスゲンを製造し、次い
で該ホスゲンを蒸留することを特徴とするホスゲンの製
造方法および該ホスゲンと二価フェノールとを反応させ
て得られたポリカーボネート樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホスゲン化触媒と
して特定の活性炭を用いて四塩化炭素含有量の少ないホ
スゲンを製造する方法および該ホスゲンからのポリカー
ボネート樹脂に関する。更に詳しくは、充填密度0.4
20〜0.455g/ml、比表面積1200〜130
0m2/g、細孔容積0.90〜1.00ml/g、粒
密度0.65〜0.80g/ml、平均細孔径1.65
〜1.95nmの活性炭(好ましくは椰子殻活性炭)を
用いてホスゲンを製造し、次いで該ホスゲンを蒸留する
ことを特徴とするホスゲンの製造方法および該ホスゲン
を用いて製造されたポリカーボネート樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】ホスゲンを製造するにおいて、ホスゲン
化触媒として活性炭を用いてホスゲンを製造する方法に
関しては公知であると共に種々の製造方法が提案されて
いる。
【0003】例えば、特公昭55−14044号公報に
おいては一酸化炭素/塩素のモル比を1.000程度で
反応せしめて、四塩化炭素含有量250ppm程度のホ
スゲン製造する方法、特開昭62−297320号公報
において四塩化炭素500ppm含有するホスゲンを蒸
留してホスゲン中の四塩化炭素5ppmにする方法や特
開平10−226724号公報においては塩素分子含有
量500〜1000ppmのホスゲンを製造し、該ホス
ゲンを活性炭吸着する方法によってホスゲン中の塩素分
子を少なくする方法が開示されている。しかし、何れの
方法においても四塩化炭素と塩素分子含有量を各々単独
で低減する方法であって、両者を同時に効率よく低減す
ることは出来なかった。また、蒸留で残った四塩化炭
素、の処理や塩素分子を吸着した活性炭を処理すること
が必須になり経済的にも負担が多く、地球環境への負荷
も大きい。即ち、このような不純物の発生の少ないホス
ゲンの製造方法が望まれている。
【0004】また、WO97/30932号公報には、
特定条件で段階的に加熱した時の加熱減量が少なく、且
つ金属含有量が1000ppm以下の活性炭を用いて、
四塩化炭素の少ないホスゲンの製造方法が開示されてい
る。しかしながら、かかる活性炭は、製造プロセスが複
雑の上、活性炭の純度が高いため、触媒毒に敏感であ
り、触媒としての寿命が短い欠点があった。更に、かか
る公報にはホスゲン中の塩素分子についても、何らの考
慮がなされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題を解決すべく鋭意検討した結果、ホスゲン化触媒とし
て充填密度0.420〜0.455g/ml、比表面積
1200〜1300m2/g、細孔容積0.90〜1.
00ml/g、粒密度0.65〜0.80g/ml、平
均細孔径1.65〜1.95nmの活性炭を用いてホス
ゲンを製造することによって、驚くべきことに、四塩化
炭素、塩素分子等(特に四塩化炭素)の含有量の少ない
ホスゲンが得られることまた、該ホスゲンを用いて製造
したポリカーボネート樹脂が色相が良好であることを究
明し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、四塩化
炭素、塩素分子等(特に四塩化炭素)の含有不純物の少
ないホスゲンを効率よく製造する方法および該ホスゲン
からのポリカーボネート樹脂を提供するものである。
【0007】即ち、本発明の第1の目的は、ホスゲン化
触媒として充填密度0.420〜0.455g/ml、
比表面積1200〜1300m2/g、細孔容積0.9
0〜1.00ml/g、粒密度0.65〜0.80g/
ml、平均細孔径1.65〜1.95nmの活性炭を用
いてホスゲンを製造し、次いで該ホスゲンを蒸留するこ
とを特徴とするホスゲンの製造方法によって達成され
る。第2の目的は、該ホスゲンを用いて製造されたポリ
カーボネート樹脂によって達成される。
【0008】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明のホスゲンの製造に用いるホスゲン化触媒として、充
填密度は0.420〜0.455g/mlであり、0.
425〜0.450g/mlが好ましい。充填密度が
0.420g/ml未満の場合は品質的には特に問題な
いが、設備が極大化すると共に、設備費が増大するので
好ましくない。0.455g/mlを越えると圧力損失
が大きくなり、系内圧力上昇により高圧ガス規制法で生
産量が制限されるので好ましくない。
【0009】ホスゲン化触媒の比表面積は1200〜1
300m2/gである。比表面積は1200m2/g未満
の場合はホスゲン中の四塩化炭素含有量は少なく出来る
が塩素分子含有量が多くなるので好ましくない。また、
1300m2/gを越えると塩素分子含有量は少なく出
来るが四塩化炭素含有量が多くなるので好ましくない。
【0010】ホスゲン化触媒の細孔容積は0.90〜
1.00ml/gである。細孔容積が0.90ml/g
未満の場合はホスゲン中の四塩化炭素含有量は少なく出
来るが塩素分子含有量が多くなるので好ましくない。
1.00ml/gを越えるとホスゲン中の塩素分子含有
量は少なく出来るが四塩化炭素含有量が多くなるので好
ましくない。
【0011】ホスゲン化触媒の粒密度は0.65〜0.
80g/mlである。粒密度は0.65g/ml未満の
場合は、ホスゲン中の塩素分子含有量は少なく出来るが
四塩化炭素含有量が多くなるので好ましくない。0.8
0g/ml越えるとホスゲン中の四塩化炭素含有量は少
なく出来るが塩素分子含有量が多くなるので好ましくな
い。
【0012】ホスゲン化触媒の平均細孔径は1.65〜
1.95nmが好ましい。平均細孔径1.95nmを越
えるとホスゲン中の四塩化炭素含有量は少なく出来るが
塩素分子含有量が多くなるので好ましくない。1.65
nm未満は生産効率上悪くなるので好ましくない。
【0013】ホスゲン化触媒に用いる活性炭は椰子殻が
好ましく、石炭系の活性炭は産地によって品質のバラツ
キがあるので好ましくない。
【0014】尚、本発明に用いる活性炭は十分乾燥行
い、水分を少なくして用いることが好ましく、また、ホ
スゲンの原料である一酸化炭素はCOS、CS2、H2
等の硫黄化合物や水分などの不純物の少ない物を用いる
ことが望ましい。
【0015】本発明のホスゲンの製造方法の一例とし
て、一酸化炭素(以下、COと略称する)と塩素(以
下、Cl2と略称する)とを反応熱を除去するための機
能を有し、且つ、反応塔の周方向に1箇所以上、及び反
応塔の高さ位置の異なる1箇所以上の箇所に塩素導入口
を設けた反応塔で反応させる方法があげられる。この反
応塔の周方向の塩素導入口は1箇所以上であるが1〜1
0箇所が好ましく、2〜5箇所がより好ましい。導入箇
所10箇所以内にすると装置が簡便で経済的に有利であ
る。また、反応塔の高さ位置の異なる塩素導入口は2箇
所以上であるが、3〜10箇所が好ましく、3〜6箇所
がより好ましい。
【0016】また、反応塔は2段以上の多段の反応槽で
行うことが好ましい。この多段の反応槽は2〜10段が
好ましく、2〜6段がより好ましく、3〜4段が最も好
ましい。その4段の例として、反応熱を除去するための
機能を有した装置に活性炭の総比表面積を第4反応槽の
総比表面積に対し20〜40%の活性炭を充填した第1
反応槽、反応熱除去するための機能を有した装置に活性
炭の総比表面積を第4反応槽の総比表面積に対し40〜
60%の活性炭を充填した第2反応槽、反応熱を除去す
るための機能を有した装置に活性炭の総比表面積を第4
反応槽の総比表面積に対し70〜80%の活性炭を充填
した第3反応槽、反応熱を除去するための機能を有した
装置に活性炭のみを充填した第4反応槽を直列に接続し
た構成があげられる。更に塩素分子含有量を低くするた
めには、第4反応槽の後に反応熱を除去するための機能
を有し、金属アンチモンを充填した槽を設けるとよい。
この金属アンチモン充填槽の後に、一般的には−20℃
のブラインを通液したコンデンサーと重量測定装置を付
設した液化ホスゲン貯槽を設ける。これらの装置を直列
に接続し、第1反応槽から、COとのモル比(CO/C
l2のモル比)が1.015以上になるようにCOとC
l2ガスを通気することによって得られる。より四塩化
炭素の生成量を少なくする方法としてはCOとCl2ガ
スの通気量を少なくし、槽内での発熱量を少なくすれば
よい。更に少なくするにはホスゲンを蒸留分離する方法
があるが蒸留分離する方法では塩素分子含有量を下げる
効果は殆どない。また、CO/Cl2のモル比が高い方
が金属アンチモンを少なくして塩素分子含有量を少なく
できるがCO/Cl2のモル比が高過ぎると収率が低下
するので、CO/Cl2のモル比は1.015〜1.0
60の範囲が好ましく、1.020〜1.045の範囲
がより好ましい。
【0017】CO/Cl2のモル比が1.015〜1.
060の範囲であるとホスゲン中の塩素分子含有量が少
なく、ポリカーボネート樹脂の色相が良くなると共に揮
発性ガスの発生が少なくなる。
【0018】ホスゲンの蒸留は、単蒸留ないし蒸留段数
が数段の蒸留装置を用いて行う。例えば、ウイドマー精
留管を用いて蒸留する方法、スルーザーパッキングを充
填した蒸留塔(理論段数数段)を用いて精留する方法等
があげられる。
【0019】本発明の方法で得られたホスゲンは品質に
優れているので、ポリカーボネート樹脂やイソシアネー
ト及び染料等の製造に好適に用いることができ、特にポ
リカーボネート樹脂の製造に極めて好適である。
【0020】かかるポリカーボネート樹脂は通常二価フ
ェノールとホスゲンとを界面重合法で反応させて得られ
たもの、またはホスゲンを原料としたジアリルカーボネ
ートと二価フェノールを用いて溶融重合法で反応させて
得られたものである。特に界面重合法で反応させて得ら
れたポリカーボネート樹脂の製造に、極めて好適であ
る。
【0021】ここで使用される二価フェノールの代表的
な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,
4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−
ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノール
A)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)
フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビ
ス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}
プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒ
ドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−
ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジ
メチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレ
ン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−
ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,
α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプ
ロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
ケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルお
よび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等があ
げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用で
きる。
【0022】なかでもビスフェノールA、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選
ばれた少なくとも1種の二価フェノールより得られる単
独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノ
ールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
とビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベ
ンゼンとの共重合体が好ましく使用される。
【0023】上記二価フェノールとホスゲンを界面重合
法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造する
に当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェ
ノールの酸化防止剤等を使用する。またポリカーボネー
ト樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合し
た分岐ポリカーボネート樹脂にすることもできる。
【0024】二価フェノールとホスゲンとの反応には、
酸結合剤および有機溶媒の存在させる。酸結合剤として
は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用
いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。ま
た、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ
−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブ
チルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級
アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触
媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜
40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpH
は9以上に保つのが好ましい。
【0025】また、かかる重合反応において、通常末端
停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フ
ェノール類を使用することができる。単官能フェノール
類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用
され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単
官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているの
で、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。か
かる単官能フェノール類としては、一般にはフェノール
又は低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式
(1)で表される単官能フェノール類を示すことができ
る。
【0026】
【化1】
【0027】[式中、Aは水素原子、炭素数1〜9の直
鎖又は分岐のアルキル基、或いはフェニル基置換アルキ
ル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数であ
る。]上記単官能フェノール類の具体例としては、例え
ばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−
クミルフェノールおよびイソオクチルフェノール等1ケ
の水酸基を有するフェノール化合物がが挙げられる。
【0028】このようにして界面重合反応によって得ら
れるポリカーボネート溶液は電解物質が無くなるまで有
機相を洗浄し、最終的には有機相から溶媒を除去して、
粒状体、フレーク等の固形物とし、この固形物を乾燥し
てポリカーボネート樹脂が得られるが一般的には乾燥し
た固形物を溶融押出しし、ペレット化した物を成形用に
好ましく供される。
【0029】成形用に供されるポリカーボネート樹脂の
粘度平均分子量は10,000〜100,000程度で
あり、好ましくは11,000〜45,000程度であ
り、光ディスク用のポリカーボネート樹脂の分子量は、
粘度平均分子量で10,000〜22,000が好まし
く、12,000〜20,000がより好ましく、1
3,000〜18,000が特に好ましい。かかる粘度
平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、光学用材
料として十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動
性も良好であり成形歪みが発生せず好ましい。
【0030】シリコンウエハー等の精密機材収納容器に
用いられるポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均
分子量で14,000〜30,000が好ましく、1
4,500〜25,000がより好ましく、15,00
0〜24,000がさらに好ましい。かかる粘度平均分
子量を有する芳香族ポリカーボネート樹脂は、一定の機
械的強度を有し成形時の流動性も良好であり好ましい。
【0031】上記ポリカーボネート樹脂に離型剤、帯電
防止剤、増白剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤
(耐候剤)、抗菌剤等の改質改良剤を適宜添加して用い
ることができる。
【0032】
【実施例】以下実施例にしたがって、本発明を具体的に
説明するが本発明の要旨を越えない限り、これらの実施
例によって限定されるものではない。尚、評価は次に示
す方法で行った。 (1)活性炭の充填密度の測定 JISK−1474記載の方法に従って測定した。 (2)活性炭の比表面積の測定 BET式窒素ガス吸着法で測定した。 (3)活性炭の細孔容積、粒密度、平均細孔径の測定 水銀圧入法で測定した。 (4)ホスゲン中の四塩化炭素の測定 得られたホスゲン1μlを電子捕獲型検出器付きガスク
ロマトグラフ装置(日立製作所製)に注入し測定した。 (5)ホスゲン中の塩素分子含有量の測定 得られたホスゲンを100gサンプリングし、これを気
化させて、NaOH溶液に吸収させて、NaClOとし
て酸化還元滴定し、その絶対量を測定して、ホスゲン中
の塩素含有量とした。
【0033】[比較例1]反応熱を除去する機能を有し
た多管式反応槽のシェル側に10℃の冷水を通水し、チ
ューブ側に充填密度0.400g/ml、比表面積14
00m2/g、細孔容積1.10ml/g、粒密度0.
60g/ml、平均細孔径16.0nmの椰子殻活性炭
50kgを充填した反応槽の後に−25℃のブラインを
通液したコンデンサーと重量測定装置を付設した液化ホ
スゲン貯槽を設け、これらの装置を直列に接続し、反応
槽から、CO/Cl2のモル比1.010になるように
CO10.10m3/HrとCl2ガス10.00m3
Hrを通気して液化ホスゲンを得た。このホスゲン中の
塩素分子15ppm、四塩化炭素含有量135ppmで
あった。得られたホスゲンの評価結果を表1にまとめ
た。
【0034】[比較例2]反応熱を除去する機能を有し
た多管式反応槽のシェル側に10℃の冷水を通水し、チ
ューブ側に充填密度0.480g/ml、比表面積11
00m2/g、細孔容積0.85ml/g、粒密度0.
85g/ml、平均細孔径20.3nmの椰子殻活性炭
50kgを充填した反応槽の後に−25℃のブラインを
通液したコンデンサーと重量測定装置を付設した液化ホ
スゲン貯槽を設け、これらの装置を直列に接続し、反応
槽から、CO/Cl2のモル比1.020になるように
CO10.20m3/HrとCl2ガス10.00m3
Hrを通気して液化ホスゲンを得た。このホスゲン中の
塩素分子8ppm、四塩化炭素含有量70ppmであっ
た。得られたホスゲンの評価結果を表1にまとめた。
【0035】[実施例1]反応熱を除去する機能を有し
た多管式反応槽のシェル側に10℃の冷水を通水し、チ
ューブ側に充填密度0.430g/ml、比表面積13
00m2/g、細孔容積0.98ml/g、粒密度0.
69g/ml、平均細孔径17.0nmの椰子殻活性炭
50kgを充填した反応槽の後に−25℃のブラインを
通液したコンデンサーと重量測定装置を付設した液化ホ
スゲン貯槽を設け、これらの装置を直列に接続し、反応
槽から、CO/Cl2のモル比1.020になるように
CO10.20m3/HrとCl2ガス10.00m3
Hrを通気して液化ホスゲンを得た。このホスゲン中の
塩素分子4ppm、四塩化炭素含有量64ppmであっ
た。この液化ホスゲンを住友重機械工業(株)製スルー
ザーパッキングを充填した蒸留塔(理論段数6)を用い
て還流比0.4、ホスゲンフィード温度31.0℃、塔
頂温度27.0℃の条件で精留した。得られたホスゲン
の評価結果を表1にまとめた。
【0036】次に、かかるホスゲンを用いてポリカーボ
ネート樹脂を製造した。温度計、撹拌機及び還流冷却器
付き反応器にイオン交換水219.4部、48%水酸化
ナトリウム水溶液40.2部を仕込み、これに2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン57.5部お
よびハイドロサルファイト0.12部を溶解した後、塩
化メチレン181部を加え、撹拌下15〜25℃で上記
ホスゲン28.3部を40分要して吹込んだ。ホスゲン
吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液7.2
部およびp−tert−ブチルフェノール2.42部を
加え、撹拌を始め、乳化後トリエチルアミン0.06部
を加え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終
了した。反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して水
洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン
交換水と殆ど同じになったところで、軸受け部に異物取
出口を有する隔離室を設けたニーダーにて塩化メチレン
を蒸発して、粘度平均分子量15,100のポリカーボ
ネート樹脂パウダーを得た。このパウダーを145℃、
6時間乾燥し、トリス(2,4−ジ−tert−ブチル
フェニル)ホスファイトを0.004重量%、ステアリ
ン酸モノグリセリドを0.06重量%加えた。次に、か
かるパウダーをベント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製
KTX−46]によりシリンダー温度240℃、ベント
ガス吸引度−667Paで脱気しながら溶融混練し、ペ
レットを得た。このペレットは、色相が良好であった。
【0037】[実施例2]反応熱を除去する機能を有し
た多管式反応槽のシェル側に10℃の冷水を通水し、チ
ューブ側に充填密度0.450g/ml、比表面積12
00m2/g、細孔容積0.91ml/g、粒密度0.
78g/ml、平均細孔径18.5nmの椰子殻活性炭
50kgを充填した反応槽の後に−25℃のブラインを
通液したコンデンサーと重量測定装置を付設した液化ホ
スゲン貯槽を設け、これらの装置を直列に接続し、反応
槽から、CO/Cl2のモル比1.020になるように
CO10.20m3/HrとCl2ガス10.00m3
Hrを通気して液化ホスゲンを得た。このホスゲン中の
塩素分子5ppm、四塩化炭素含有量61ppmであっ
た。この液化ホスゲンを住友重機械工業(株)製スルー
ザーパッキングを充填した蒸留塔(理論段数6)を用い
て還流比0.4、ホスゲンフィード温度31.0℃、塔
頂温度27.0℃の条件で精留した。得られたホスゲン
の評価結果を表1にまとめた。
【0038】次に、かかるホスゲンを用いてポリカーボ
ネート樹脂を製造した。実施例1のポリカーボネート樹
脂を製造するにおいて、p−tert−ブチルフェノー
ル1.55部に変更した以外は実施例1と同じ方法で行
い、粘度平均分子量23,500のポリカーボネート樹
脂ペレットを得た。得られたペレットは、色相が良好で
あった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明は、四塩化炭素、塩素分子等(特
に四塩化炭素)の含有不純物の少ないホスゲンを効率よ
く製造できるのでポリカーボネート樹脂、イソシアネー
ト、医薬及び染料等広範囲の分野の原料として好適であ
る。特にポリカーボネート樹脂の製造に好適に用いられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G046 HA01 HB02 HB05 HB06 HC15 4G069 AA02 AA12 BA08A BA08B CB25 CB59 DA06 EC05X EC05Y EC07X EC07Y EC13X EC13Y EC21X EC21Y 4J029 AA09 AB01 AC02 AE01 AE04 BB04A BB05A BB10A BB12A BB12B BB12C BB13A BB13B BB15B BC07A BC07B BD08 BD09A BD09B BE05A BE07 BF14A BG08X BH02 DB07 DB10 DB13 FA07 HC01 JC031 JC091 JC231 JC631 JF031 JF041 KE09 KE11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホスゲン化触媒として充填密度0.42
    0〜0.455g/ml、比表面積1200〜1300
    2/g、細孔容積0.90〜1.00ml/g、粒密
    度0.65〜0.80g/ml、平均細孔径1.65〜
    1.95nmの活性炭を用いてホスゲンを製造し、次い
    で該ホスゲンを蒸留することを特徴とするホスゲンの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 活性炭が椰子殻活性炭である請求項1記
    載のホスゲンの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれか1項記載の
    ホスゲンと二価フェノールとを反応させて得られたポリ
    カーボネート樹脂。
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