JP2001260803A - 乗員保護装置の起動装置 - Google Patents

乗員保護装置の起動装置

Info

Publication number
JP2001260803A
JP2001260803A JP2000073563A JP2000073563A JP2001260803A JP 2001260803 A JP2001260803 A JP 2001260803A JP 2000073563 A JP2000073563 A JP 2000073563A JP 2000073563 A JP2000073563 A JP 2000073563A JP 2001260803 A JP2001260803 A JP 2001260803A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disconnection
filament
vehicle
occupant protection
protection device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000073563A
Other languages
English (en)
Inventor
Seigo Tanaka
誠吾 田中
Akio Yamashita
紀生 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Ten Ltd
Original Assignee
Denso Ten Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Ten Ltd filed Critical Denso Ten Ltd
Priority to JP2000073563A priority Critical patent/JP2001260803A/ja
Publication of JP2001260803A publication Critical patent/JP2001260803A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗員保護装置を車両の衝撃時に起動するよう
にした起動装置において、車両への衝突を、各種車両に
既に設置されているヘッドランプやテールランプ等の衝
撃によるフィラメントの断線を検出する断線検出手段を
用いて、車両の衝撃時に、簡易かつ正確に乗員保護装置
を起動制御でき、コスト低減を図った起動装置を実現す
ることを課題とする。 【解決手段】 車両10に加わる衝撃度を検出する衝撃
度検出手段と、車両10の前部に配設されたヘッドラン
プ11又は後部に配設されたテールランプ12のフィラ
メントの断線状態を検出する断線検出手段と、衝撃度検
出手段により検出された衝撃度、及び断線検出手段で検
出されたフィラメントの断線状態に応じて乗員保護装置
の起動を制御する起動制御手段と、を含むことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両が衝突した際
に車両内の乗員を保護するエアバッグ装置やシートベル
トプリテンショナー装置、ヘッドレスト装置装置等の乗
員保護装置に係わり、特に、この乗員保護装置が車両の
衝撃時に起動するようにした乗員保護装置の起動制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】乗員保護装置の起動を制御する装置とし
て、エアバッグを展開するエアバッグ装置やシートベル
トを引き込んで乗員を拘束するシートベルトプリテンシ
ョナー装置におけるスクイブの点火を制御する装置など
がある。通常、このエアバッグ装置では、車両に加わる
衝撃を加速度センサによって減速度を検出し、その検出
された減速度を基にして演算値を求め、その演算値を予
め設定された閾値と大小比較して、その比較結果に基い
てスクイブの点火制御を行っている。この加速度センサ
は車両内のフロアトンネル上に取り付けられている。そ
して、上記閾値はエアバッグ装置を起動するに及ばない
程度の衝撃が車両に加わった際に、加速度センサによっ
て検出される減速度を基にして得られる演算値のうち、
最大の値よりも大きな値に設定されている。また、これ
以外に、特開平10ー152014号公報に公開された
乗員保護装置の起動制御装置に示すように、サテライト
センサを車両の前部に取付設置し、このサテライトセン
サにより車両にある基準所定値以上の衝撃が加わると、
前述の閾値を小さくし、この閾値と前述の減速度とを比
較して、その比較結果に基いてスクイブの点火制御を行
うものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなサテライト
センサを採用すると、サテライトセンサで検出された減
速度信号をDSP(ディジタル・シグナル・プロセッ
サ)を用いてフーリエ変換し、特定周波数成分の特徴を
検出する等の処置が必要となり、また処理能力の高いコ
ンピュータを使用する必要があるため、コストアップに
なる問題がある。またボンネットがない1ボックスカー
系列の車両には設置できないため、実用性が低いという
問題がある。
【0004】本発明は、このような問題を解決するもの
で、車両への衝突を検出する手段として、各種車両に既
に設置されているヘッドランプやテールランプ等の衝撃
によるフィラメントの断線を検出する断線検出手段を用
いて、乗員保護装置が車両の衝撃時に、簡易かつ正確に
起動制御でき、コスト低減を図った乗員保護装置の起動
制御装置を実現することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、車両に搭載され、乗員を保護する乗員保
護装置を車両の衝撃時に起動するようにした乗員保護装
置の起動装置において、前記車両内の所定位置に配設さ
れ、該車両に加わる衝撃度を検出する衝撃度検出手段
と、前記車両の前部左右に配設されているヘッドランプ
又は後部左右に配設されているテールランプのフィラメ
ントの断線状態を検出する断線検出手段と、前記衝撃度
検出手段により検出された衝撃度、及び前記断線検出手
段で検出された前記フィラメントの断線状態に応じて前
記乗員保護装置の起動を制御する起動制御手段と、を含
むことを特徴とするものである。
【0006】また、前記断線検出手段は、前記車両の前
部左右に配設されているヘッドランプのフィラメントの
断線状態を検出するものであって、前記起動制御手段
は、前記衝撃度検出手段で検出された衝撃度が所定の閾
値を超えると前記乗員保護装置を起動するものであっ
て、且つ前記断線検出手段により前記フィラメントが断
線されたことが検出されると前記閾値を低下させるもの
であることを特徴とするものである。
【0007】また、前記断線検出手段は、前記車両の前
部左右に配設されている左右のヘッドランプにおける左
側のフィラメント及び右側のフィラメントの断線状態を
それぞれ検出するものであって、前記起動制御手段は、
前記衝撃度検出手段で検出された衝撃度が所定の閾値を
超えると前記乗員保護装置を起動するものであって、且
つ前記断線検出手段により左側のフィラメント、又は右
側のフィラメントのいずれか一方が断線されたことが検
出されたときに前記閾値を低下させるものであることを
特徴とするものである。
【0008】また、前記断線検出手段は、前記車両の前
部左右に配設されている左右のヘッドランプの断線状態
を検出するものであって、前記起動制御手段は、前記断
線検出手段により前記フィラメントが断線されたことが
検出されたときに限り、前記衝撃度検出手段で検出され
た衝撃度が所定の閾値を超えると前記乗員保護装置を起
動するものであることを特徴とするものである。
【0009】また、前記断線検出手段は、前記車両の後
部左右に配設されているテールランプのフィラメントの
断線状態を検出するものであって、前記起動制御手段
は、前記衝撃度検出手段で検出された衝撃度が所定の閾
値を超えると前記乗員保護装置を起動するものであっ
て、且つ前記断線検出手段により前記テールランプのフ
ィラメントが断線されたことが検出されたときには前記
閾値を高くする又は前記衝撃度を消去するものであるこ
とを特徴とするものである。
【0010】また、前記起動制御手段は、前記断線検出
手段により前記フィラメントの断線が検出された後、所
定時間以内に前記衝撃度が前記低下された閾値を超えな
かったときには、該閾値を元の閾値に戻すことを特徴と
するものである。
【0011】また、車両の走行を開始可能にさせるイグ
ニッションスイッチを備え、 前記イグニッションスイ
ッチの操作後、車両の走行が開始するまでの時間に相当
する所定時間以内に前記断線検出手段により前記フィラ
メントの断線が検出されると、前記閾値を低下させずそ
のまま保持することを特徴とするものである。
【0012】また、前記車両の乗員保護装置は、エアバ
ッグを作動させるエアバッグ装置またはシートベルトを
作動させるシートベルトプリテンショナー装置であるこ
とを特徴とするものである。
【0013】また、前記車両の乗員保護装置は、ヘッド
レスト装置を作動させるヘッドレスト装置装置であっ
て、前記断線検出手段は、前記車両の後部左右に配設さ
れているテールランプのフィラメントの断線状態を検出
するものであって、前記起動制御手段は、前記衝撃度検
出手段で検出された衝撃度が所定の閾値を超えると前記
乗員保護装置を起動するものであって、且つ前記断線検
出手段により前記フィラメントが断線されたことが検出
されると前記閾値を低下させるものであることを特徴と
するものである。
【0014】また、前記車両の乗員保護装置は、ヘッド
レスト装置を作動させるヘッドレスト装置装置であっ
て、前記断線検出手段は、前記車両の後部左右に配設さ
れている左右のテールランプにおける左側のフィラメン
ト及び右側のフィラメントの断線状態をそれぞれ検出す
るものであって、前記起動制御手段は、前記衝撃度検出
手段で検出された衝撃度が所定の閾値を超えると前記乗
員保護装置を起動するものであって、且つ前記断線検出
手段により左側のフィラメント、又は右側のフィラメン
トのいずれか一方が断線されたことが検出されたときに
前記閾値を低下させるものであることを特徴とするもの
である。
【0015】また、バッテリと、前記バッテリと前記ヘ
ッドランプのフィラメント又はテールランプのフィラメ
ントとの間に介在されたヘッドランプスイッチ又はテー
ルランプスイッチと、前記ヘッドランプスイッチ又はテ
ールランプスイッチをバイパスするための抵抗とが設け
られ、前記断線検出手段は、前記ヘッドランプのフィラ
メント又は前記テールランプスのフィラメントに係る電
位を検出して該ヘッドランプのフィラメント又は前記テ
ールランプのフィラメントの断線を検出するものである
ことを特徴とするものである。
【0016】また、前記断線検出手段は、前記テールラ
ンプのフィラメントに代えて前記車両のリアガラスの熱
線を検出するものであることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態に係る
乗員保護装置の起動装置について、図面を参照して説明
する。
【0018】図1は本発明の実施の形態に係る乗員保護
装置の起動装置に用いられる検知センサの車両への配置
全般図で、(a)は上面図、(b)は側面図、図2は本
発明の第1の実施の形態に係る乗員保護装置の起動装置
の構成を示すブロック図である。尚、図中の構成部品は
本発明に係る主要な部材を主に示している。
【0019】本発明の第1の実施の形態に係る乗員保護
装置の起動装置1は、乗員保護装置の一種であるエアバ
ッグ38の起動を制御する装置であって、図2に示すよ
うに、主として、車両10の衝撃時にエアバッグ38の
起動を制御する制御回路部30と、車両10の前部10
bの左右に設置されたヘッドランプ11の断線を検出す
る断線検出器29と、車両10への衝撃度を検出するフ
ロアセンサ13と、エアバッグ38を起動する駆動回路
37を備えている。ヘッドランプ11は、図1に示すよ
うに、車両10の前部10bの左右に既に設置されてい
るもので、その内部に通電によって発光させるためのフ
ィラメントを備え、本来のフィラメント通電による点灯
機能の他、車両10の衝突、主に正面衝突、又は斜め正
面からの衝突による衝撃でフィラメントが断線し、断線
検出器29を通じて衝撃を検出する機能を有している。
また、フロアセンサ13は、図1に示すように、車両1
0のフロアトンネル上10aに設置し、車両10に加わ
る衝撃度を検出するための加速度センサであって、車両
10に対して前後方向に加わる減速度を随時測定して、
その測定値を信号として出力するものである。
【0020】制御回路部30は、中央制御装置(CP
U)31、リード・オンリ・メモリ(ROM)34、ラ
ンダム・アクセス・メモリ(RAM)35、及び入出力
回路(I/O回路)36などを備えている。CPU31
は、ROM34に記憶されたプログラムなどに従って起
動制御の各種処理動作を行うものである。RAM35
は、フロアセンサ13及び断線検出器29等からの信号
により得られたデータや、それに基いてCPU31が演
算した結果などを格納しておくためのメモリである。ま
た、I/O回路36は、フロアセンサ13及び断線検出
器29等から信号を入力したり、駆動回路37に起動信
号を出力したりするための回路である。
【0021】図3は断線検出器29の回路図である。
【0022】断線検出器29は、図3に示すように、車
両前部の左側にあるヘッドランプ11用フィラメント1
1L、車両前部の右側にあるヘッドランプ11用フィラ
メント11Rの配線接続部A1から接続線を取り出し、
断線検出器29に接続して、ヘッドランプ11への衝撃
による破損でフィラメントの接続線が断線した状態を検
出するものである。即ち、従来よりある断線検出IC5
7を流用して、ヘッドランプ11のフィラメント11
L,11Rまたはテールランプ12のフィラメント12
L,12Rの断線時に発生する特有の電位を反転器5
3、55を介して断線検出器29へ出力するようにして
いる。尚、56はフィラメント断線時に点灯する警告
灯、51はイグニッションスイッチ、52はヘッドラン
プスイッチ、54はテールランプスイッチである。この
ようにして取り込んだ電位に基き、断線検出器29はヘ
ッドランプ11のフィラメント11L,11Rが断線し
た時は、これを示すディジタルデータをフィラメント1
1L,11Rの断線の形態に対応して出力し、またテー
ルランプ12のフィラメント12L,12Rが断線した
時は、これを示すディジタルデータをフィラメント12
L,12Rの断線の形態に対応して出力する。尚、12
Lは車両後部の左側にあるテールランプ12のフィラメ
ント、12Rは車両後部の右側にあるテールランプ12
のフィラメントである。また、リアガラス25の熱線2
5aが断線した時もこれに対応するディジタルデータを
出力する。
【0023】さらに、この断線検出器29には、図3に
示すように、ヘッドランプスイッチ51やテールランプ
スイッチ54部に対し、スイッチがOFFしてもヘッド
ランプ11やテールランプ12が点灯しない電流を流す
程度の抵抗値を有する抵抗15、16を用いてバイパス
し、走行時には常時、フィラメント部に電流を流してお
き、ヘッドランプスイッチ52やテールランプスイッチ
54のON/OFFにかかわらず断線の検出ができるよ
うにしている。
【0024】また、CPU31は、起動制御部32と閾
値変化パターン変更部33とを備え、起動制御部32は
前述したプログラムなどに従って、フロアセンサ13の
検出結果を基にして得られる値と所定の閾値とを比較
し、その比較結果に基いてエアバッグ38の起動を制御
する機能を有し、閾値変化パターン変更部33はヘッド
ランプ11の衝撃によるフィラメントの断線が断線検出
器29により検出された場合に、上記閾値の変化パター
ンを別の変化パターンに変更する機能を有している。ま
た、駆動回路37は、制御回路部30からの起動信号を
受け、エアバッグ38内のスクイブ39を通電点火させ
る回路である。
【0025】尚、制御回路部30と、フロアセンサ13
と、駆動回路37は、ECU(電子制御装置)20に収
納されて、図1に示すように、車両10内のフロアトン
ネル上10aに設置され、配線材21、22により、各
センサと接続されている。
【0026】次に、車両が衝突する際における断線検出
器29、フロアセンサ13及び制御回路部30の動作に
ついて、図4を参照して説明する。図4は本発明の第1
の実施の形態に係る乗員保護装置の起動装置を起動する
フローチャート図である。
【0027】ステップF11に示すように、車両の衝突
に対する乗員保護装置の起動制御は、500μsルーチ
ンの間隔に立ち上がるようにしている。
【0028】ステップF12において、フロアセンサ1
3により測定された車両10に対して前後方向に加わる
減速度GをI/O回路36を介して起動制御部32に取
り込み、この減速度Gを起動制御部32の演算部32a
によって積分処理する。この積分処理された演算値f
(G)は、以下に述べるように、断線検出器29を通じ
て検知されるフロント断線(ステップF13)の状態と
対応した、閾値と比較されることになる。即ち、この閾
値はヘッドランプ11への衝撃によるフィラメント11
L,11Rの断線が断線検出器29を通じて検出される
か否かにより、それぞれ異なった閾値として設定される
ことになる。
【0029】ステップF13ではヘッドランプ11への
衝撃によるフィラメント11L,11Rの接続線が断線
したか否かを、断線検出器29により出力されるディジ
タルデータの内容に基いて判断し、NO、即ちフィラメ
ント11L,11Rが正常のの場合には、ステップF1
4に進み、YES、即ち車両10の衝突状態が、主に正
面衝突、又は斜め正面からの衝突による衝撃でフィラメ
ント11L,11Rの両方が断線した場合には、ステッ
プF15に進む。
【0030】ステップF14では演算値f(G)と閾値
Th1とを比較する。この場合の閾値Th1には、例え
ば従来の判別に用いられる閾値に相当するレベルの値T
h1(図5に示す)を設定している。この比較により、
演算値f(G)が閾値Th1を超えていれば、次のステ
ップF16に進み、エアバッグ38を展開する。この
時、起動制御部32の起動判定部32bは、図2に示す
駆動回路37に対して、I/O回路36を介して起動信
号Aを出力する。そして、演算値f(G)が閾値Th1
を超えていなければ、ステップF17に進み、処理を終
了する。
【0031】ステップF15では演算値f(G)と閾値
Th2とを比較する。この場合の閾値には、閾値Th1
よりも低レベルの値Th2(図5に示す)を設定してい
る。この比較により、演算値f(G)が低レベルの閾値
Th2を超えていれば、次のステップF16に進み、エ
アバッグ38を展開する。この時、起動制御部32の起
動判定部32bは、図2に示す駆動回路37に対して、
I/O回路36を介して起動信号Aを出力する。そし
て、演算値f(G)が低レベルの閾値Th2を超えてい
なければ、ステップF17に進み、処理を終了する。
【0032】ステップF16では起動制御部32の起動
判定部32bから、駆動回路37に対して、I/O回路
36を介して起動信号Aが出力されると、駆動回路37
はエアバッグ38を起動すべく、スクイブ39に通電
し、スクイブ39でガス発生剤(図示せず)を展開し、
エアバッグ38を展開させる。
【0033】次に、演算値f(G)と閾値Tの時間的変
化の特性を示す一例を、図5を参照して説明する。図5
は乗員保護装置の起動装置に用いられる閾値の時間的変
化の一例を示す図で、(a)は減速度Gの一例を示す
図、(b)は演算値f(G)とフロント断線時における
閾値Tの変化の一例を示す特性図である。
【0034】図5に示すように、閾値Tには、通常、正
面方向から車両に加わった衝撃がエアバッグ38を起動
する必要のある所定閾値Th1を設定しているが、ヘッ
ドランプ11への衝撃によるフィラメント11L,11
Rの断線があった場合には、所定閾値Th1を低いレベ
ルの閾値Th2に変更設定し、衝突を検知し易くしてい
る。従って、閾値変更パターン変更部33は、図5に示
すような値を閾値Tとして起動制御部32の起動判定部
32bに与える。尚、図5において、断線検出器29を
通じて検出されたフィラメント11L,11Rの断線
が、時間t1においてON信号として、閾値変更パター
ン変更部33に入力されたものとする。これにより、ま
ず、断線検出器29を通じてフィラメント11L,11
Rの断線がON信号として入力される時間t1までは、
閾値Tとして所定値Th1を起動制御部32の起動判定
部32bに与え、次に、ON信号が入力された時間t1
では、閾値Tをそれまでの値Th1からその値よりも低
いレベルの値Th2に変更する。
【0035】これにより、本乗員保護装置の起動装置で
は、車両への衝突を検出する手段として、各種車両に既
に設置されているヘッドランプ等の衝撃によるフィラメ
ントの断線を検出する断線検出手段を用いているので、
コストの低減を図ることができ、しかも断線検出手段に
より、断線していない場合は閾値を高く設定し、正面衝
突が起きても起動装置を起動するに及ばない程度の衝撃
しか車両に加わらない場合や車両が悪路走行をしている
場合には、誤って乗員保護装置が起動しないように誤起
動を防止し、断線すると閾値を低く設定して、衝突を検
知し易くしているので、乗員保護装置の起動装置が簡易
かつ正確に起動制御でき、コスト低減を図ることができ
る。
【0036】さらに、本乗員保護装置の起動装置に設け
られた断線検出器29には、ヘッドランプスイッチ52
やテールランプスイッチ54部に、抵抗15、16をバ
イパスしているので、ランプのON/OFFにかかわら
ず断線の検出ができ、高抵抗の付加によりランプの点灯
や消費電力を抑えることができるので、正確な起動制御
とコスト低減が図れる。
【0037】次に、本発明の第2の実施の形態に係る乗
員保護装置の起動装置について、図面を参照して説明す
る。
【0038】図6は本発明の第2の実施の形態に係る乗
員保護装置の起動装置を起動するフローチャート図であ
る。
【0039】本発明の第2の実施の形態に係る乗員保護
装置の起動装置は、図6に示すように、第1の実施の形
態に係るものに対し、断線検出手段において、車両10
の前部10bの左右に配設されているヘッドランプ11
(図1に示す)の内、一方が衝撃によりフィラメント
(11L又は11R)の断線が検出された場合と、左右
両方共に衝撃によりフィラメント(11L及び11R)
の断線が検出された場合とに対応して、閾値変更手段に
おける閾値の変化パターンを、一方のフィラメント断線
時には閾値を低いレベルの閾値の変化パターンに、左右
両方共のフィラメント断線時には閾値を所定値のままの
変化パターンに、それぞれ相違した変化パターンになる
ように変更している。そして、この相違した閾値が、起
動制御部32の演算部32a(図2に示す)で積分処理
した演算値f(G)と比較されて、乗員保護装置の起動
装置の起動制御を行なうようにしている。従って、本発
明の第2の実施の形態に係る乗員保護装置の起動装置の
構成等は、第1の実施の形態に係るものと同一なので、
その説明を省略し、乗員保護装置の起動装置を起動する
フローチャートについてのみ説明する。
【0040】ステップF21に示すように、車両の衝突
に対する乗員保護装置の起動制御は、500μsルーチ
ンの間隔に立ち上がるようにしている。
【0041】ステップF22において、フロアセンサ1
3により測定された車両10に対して前後方向に加わる
減速度GをI/O回路36を介して起動制御部32に取
り込み、この減速度Gを起動制御部32の演算部32a
によって積分処理する。
【0042】ステップF23では左右のヘッドランプ1
1の内の右のヘッドランプ11への衝撃によるフィラメ
ント11Rの接続線が断線したか否かを、断線検出器2
9により出力されるディジタルデータの内容に基いて判
断し、NO、即ち右のフィラメント11Rが正常の場合
には、ステップF24に進み、YES、即ち車両10の
衝突状態が、主に正面衝突、又は右斜め正面からの衝突
による衝撃で右のフィラメント11Rが断線した場合に
は、ステップF26に進む。
【0043】ステップF24では,ステップF23によ
る右ヘッドランプ11の衝突によるフィラメント11R
の断線が無いことを検出した後、左のヘッドランプ11
への衝撃によるフィラメント11Lの接続線が断線した
か否かを、断線検出器29により出力されるディジタル
データの内容に基いて判断し、YES、即ち車両10の
衝突状態が、主に左斜め正面からの衝突による衝撃で左
のフィラメント11Lが断線した場合には、ステップF
25に進み、NO、即ち左のフィラメント11Rも正常
の場合には、ステップF30に進み、処理を終了する。
【0044】ステップF25では,演算値f(G)と閾
値Th2とを比較する。この場合の閾値には、左斜め正
面からの衝突による左右フィラメントの内の一方の左フ
ィラメント11Lの断線なので、衝突の検出をし易くす
るため、閾値Th1よりも低レベルの値Th2(図5に
示す)を設定している。この比較により、演算値f
(G)が低レベルの閾値Th2を超えていれば、次のス
テップF29に進み、エアバッグ38を展開する。そし
て、演算値f(G)が低レベルの閾値Th2を超えてい
なければ、ステップF30に進み、処理を終了する。
【0045】ステップF26では,ステップF23によ
る右ヘッドランプ11の衝突によるフィラメント11R
の断線があったことを検出した後、左のヘッドランプ1
1への衝撃によるフィラメント11Lの接続線が断線し
たか否かを、断線検出器29により出力されるディジタ
ルデータの内容に基いて判断し、YES、即ち車両10
の衝突状態が、主に正面衝突による衝撃で左右共のフィ
ラメント11L、11Rが断線した場合には、ステップ
F27に進み、NO、即ち右のフィラメント11Rが断
線し、左のフィラメント11Lは正常の場合には、ステ
ップF28に進む。
【0046】ステップF27では,演算値f(G)と閾
値Th1とを比較する。この場合の閾値Th1には、左
右共のフィラメント11L、11Rが断線した正面衝突
による衝撃で、衝撃度も大きく衝突の検出が容易なこと
もあり、例えば従来の判別に用いられる所定閾値に相当
するレベルの値Th1(図5に示す)を設定している。
この比較により、演算値f(G)が閾値Th1を超えて
いれば、次のステップF29に進み、エアバッグ38を
展開する。そして、演算値f(G)が閾値Th1を超え
ていなければ、ステップF30に進み、処理を終了す
る。
【0047】ステップF28では,演算値f(G)と閾
値Th2とを比較する。この場合の閾値には、右斜め正
面からの衝突による左右フィラメントの内の一方の右フ
ィラメント11Rの断線なので、衝突の検出をし易くす
るため、閾値Th1よりも低レベルの値Th2(図5に
示す)を設定している。この比較により、演算値f
(G)が低レベルの閾値Th2を超えていれば、次のス
テップF29に進み、エアバッグ38を展開する。そし
て、演算値f(G)が低レベルの閾値Th2を超えてい
なければ、ステップF30に進み、処理を終了する。
【0048】ステップF29では起動制御部32の起動
判定部32bから、駆動回路37に対して、I/O回路
36を介して起動信号Aが出力されると、駆動回路37
はエアバッグ38を起動すべく、スクイブ39に通電
し、スクイブ39でガス発生剤(図示せず)を展開し、
エアバッグ38を展開させる。
【0049】次に、演算値f(G)と閾値Tの時間的変
化の特性を示す一例については、第1 の実施の形態に係
るものと同じように、閾値Tを所定閾値Th1と低レベ
ルの閾値Th2とに区分したものなので、その説明を省
略する。その特性は、図5による。
【0050】これにより、本乗員保護装置の起動装置で
は、第1の実施の形態に係るものに対し、さらに車両へ
の衝突を検出する手段として、車両10の前部10bの
左右に配設されているヘッドランプ11の内、一方が衝
撃によりフィラメントの断線が検出された場合と、左右
両方共に衝撃によりフィラメントの断線が検出された場
合とに対応して、閾値変更手段における閾値の変化パタ
ーンを、一方のフィラメントの断線時には閾値を低いレ
ベルの閾値の変化パターンに、左右両方共のフィラメン
トの断線時には閾値を所定値のままの変化パターンに、
それぞれ相違した変化パターンに変更し、それぞれの閾
値をフロアセンサ13による測定値Gの演算値f(G)
と比較して起動装置の起動を制御しているので、車両1
0の衝突状態が、正面衝突によるものか、左右の斜め正
面からの衝突によるものか等の切り分けによる衝突方向
の特定ができると共に、衝撃が検出し難い形態には閾値
のレベルを下げて、起動制御し易くしているので、乗員
保護装置の起動装置が、より簡易かつ正確に起動制御で
き、コスト低減を図ることができる。
【0051】次に、本発明の第3の実施の形態に係る乗
員保護装置の起動装置について、図面を参照して説明す
る。
【0052】図7は本発明の第3の実施の形態に係る乗
員保護装置の起動装置を起動するフローチャート図であ
る。
【0053】本発明の第3の実施の形態に係る乗員保護
装置の起動装置は、図7に示すように、第1の実施の形
態に係るものに対し、フロアセンサ13による測定値G
を積分処理した演算値f(G)が所定の閾値を超えて、
衝突と判定しても、断線検出手段において、車両10の
前部10bに配設されている左右のヘッドランプ11
(図1に示す)の少なくとも一方に衝撃によりフィラメ
ントの断線が検出されない場合には、乗員保護装置の起
動装置が起動しないようにして、起動装置の誤起動を防
止したものである。即ち、悪路走行中における高い衝撃
度を検出しても、正面方向からの衝突によるフィラメン
トの断線が検出されない限り、乗員保護装置の起動装置
が起動しないようにしたものである。従って、本発明の
第3の実施の形態に係る乗員保護装置の起動装置の構成
等は、第1の実施の形態に係るものと同一なので、その
説明を省略し、乗員保護装置の起動装置を起動するフロ
ーチャートについてのみ説明する。
【0054】ステップF31に示すように、車両の衝突
に対する乗員保護装置の起動制御は、500μsルーチ
ンの間隔に立ち上がるようにしている。
【0055】ステップF32において、フロアセンサ1
3により測定された車両10に対して前後方向に加わる
減速度GをI/O回路36を介して起動制御部32に取
り込み、この減速度Gを起動制御部32の演算部32a
によって積分処理する。この積分処理された演算値f
(G)は、次のステップF33に進み、演算値f(G)
と所定の閾値Th1と比較される。
【0056】ステップF33では,演算値f(G)と閾
値Th1とを比較する。この場合の閾値Th1には、例
えば従来の判別に用いられる所定閾値に相当するレベル
の値Th1(図5に示す)を設定している。この比較に
より、演算値f(G)が閾値Th1を超えていれば、次
のステップF34に進み、左右ヘッドランプ11の一方
でも、そのフィラメントの接続線が断線したかどうかの
状態と対比され、演算値f(G)が所定の閾値Th1を
超えていなければ、ステップF36に進み、処理を終了
する。
【0057】ステップF34では左右のヘッドランプ1
1の衝撃によるフィラメント11L,11Rの接続線の
どちらか一方でも断線したか否かを、断線検出器29に
より出力されるディジタルデータの内容に基いて判断
し、YES、即ち車両10の衝突状態が、主に正面衝
突、又は斜め正面からの衝突による衝撃で左右のフィラ
メント11L,11Rのどちらか一方でも断線した場合
には、ステップF35に進み、エアバッグ38を展開
(F35)する。また、NO、即ち左右のフィラメント
11L,11Rがいずれも正常の場合には、ステップF
36に進み、処理を終了する。
【0058】ステップF35では、第1の実施の形態に
係るものと同様にエアバッグ38を展開させる。
【0059】これにより、本乗員保護装置の起動装置で
は、第1の実施の形態に係るものに対し、車両10の衝
突等による衝撃(例えば、車両10の衝突状態が、主に
正面衝突による衝撃、又は斜め正面方向からの衝突によ
る場合)の演算値f(G)が所定の閾値Th1を超えて
いても、車両の衝突による衝撃で、左右のヘッドランプ
11の一方でも、そのフィラメントの接続線が断線した
かどうかを、断線検出器29を通じて検出し、その結果
と対比して、断線していなければ、乗員保護装置の起動
装置を起動させないようにしている(即ち、閾値Th1
を超える高い衝撃度は正面方向からの衝突ではなく、悪
路走行中等における衝撃と判断される)ため、乗員保護
装置の起動装置が、より安全かつ正確に起動制御でき、
コスト低減を図ることができる。
【0060】次に、本発明の第4の実施の形態に係る乗
員保護装置の起動装置について、図面を参照して説明す
る。
【0061】図8は本発明の第4の実施の形態に係る乗
員保護装置の起動装置を起動するフローチャート図であ
る。
【0062】本発明の第4の実施の形態に係る乗員保護
装置の起動装置は、図8に示すように、第1の実施の形
態に係るもの(例えば、車両10の衝突状態が、主に正
面衝突による衝撃、又は斜め正面方向からの衝突による
ヘッドランプ11のフィラメント11L,11Rの断線
状態を検出して、乗員保護装置の起動装置を起動する判
断をしているもの)に対し、車両10の衝突状態が、後
面方向からの衝突によるテールランプ12のフィラメン
ト12L,12R、又はリアガラス25の熱線25a
(図1に示す)の断線状態を検出するもので、この後面
方向からの衝突による断線等では、エアバッグ38によ
る乗員保護装置の起動装置は起動させないようにしたも
のである。従って、本発明の第4の実施の形態に係る乗
員保護装置の起動装置の構成等は、第1の実施の形態に
係るものに対し、ヘッドランプ11のフィラメント11
L,11Rをテールランプ12のフィラメント12L,
12R、又はリアガラス25の熱線25aに置き換えた
ものなので、その説明を省略し、乗員保護装置の起動装
置を起動制御するフローチャートとテールランプ12の
フィラメント12L,12R、及びリアガラス25の熱
線25aについてのみ説明する。
【0063】本発明の第4の実施の形態に係る乗員保護
装置の起動装置1は、乗員保護装置の一種であるエアバ
ッグ38の起動を制御する装置であって、図2に示すよ
うに、主として、車両10の衝撃時にエアバッグ38の
起動を制御する制御回路部30と、車両10の後部10
cの左右と、中央部にそれぞれ、既に設置されたテール
ランプ12のフィラメント12L,12R及びリアガラ
ス25の熱線25aの断線を検出する断線検出器29
と、車両10への衝撃度を検出するフロアセンサ13
と、エアバッグ38を起動する駆動回路37を備えてい
る。テールランプ12のフィラメント12L,12R及
びリアガラス25の熱線25a(第1の実施の形態に係
るヘッドランプ11に置き換わるもの)は、図1に示す
ように、それぞれ車両10の後部10cの左右と、中央
部に既に設置されたもので、車両10の衝突、主に後面
衝突、又は斜め後面からの衝突による衝撃でフィラメン
ト12L,12R及び熱線25aの断線した状態を、断
線検出器29を通じて検出するために用いられている。
【0064】乗員保護装置の起動装置を起動制御するフ
ローチャートについて、図8を参照して説明する。
【0065】ステップF41に示すように、車両の衝突
に対する乗員保護装置の起動制御は、500μsルーチ
ンの間隔に立ち上がるようにしている。
【0066】ステップF42において、フロアセンサ1
3により測定された車両10に対して前後方向に加わる
減速度GをI/O回路36を介して起動制御部32に取
り込み、この減速度Gを起動制御部32の演算部32a
によって積分処理する。この積分処理された演算値f
(G)は、以下に述べるように、断線検出器29を通じ
て検知されるリア断線(ステップF43)の状態と対比
されて、閾値と比較されることになる。即ち、この閾値
はテールランプ12への衝撃によるフィラメント12
L,12Rの断線、又はリアガラス25の熱線25aの
断線が断線検出器29を通じて検出されるか否かによ
り、それぞれ異なった閾値として設定されることにな
る。
【0067】ステップF43ではテールランプ12への
衝撃によるフィラメント12L,12Rの接続線、又は
リアガラス25の熱線25aが断線したか否かを、断線
検出器29により出力されるディジタルデータの内容に
基いて判断し、NO、即ちフィラメント12L,12R
及び熱線25aが正常の場合には、ステップF44に進
み、YES、即ち車両10の衝突状態が、主に後面衝
突、又は斜め後面からの衝突による衝撃でフィラメント
12L,12Rの少なくとも一方のフィラメント(12
L又は12R)又は熱線25aが断線した場合には、ス
テップF45に進む。
【0068】ステップF44では演算値f(G)と閾値
Th1とを比較する。この場合の閾値Th1には、例え
ば従来の判別に用いられる閾値に相当するレベルの値T
h1(図5に示す)を設定している。この比較により、
演算値f(G)が閾値Th1を超えていれば、次のステ
ップF46に進み、エアバッグ38を展開する。そし
て、演算値f(G)が閾値Th1を超えていなければ、
ステップF47に進み、処理を終了する。
【0069】ステップF45では、ステップF43によ
りフィラメント12L,12Rの少なくとも一方のフィ
ラメント(12L又は12R)又は熱線25aが断線し
た場合に、車両10の衝突状態が、主に後面衝突による
衝撃、又は斜め後面方向からの衝突と判断し、測定値G
の積分による演算値f(G)をクリア(ステップF4
5)にして衝突がなかったものとするか、又はステップ
F44において閾値を正面方向からの衝突で設定した所
定の閾値Th1よりも大きく設定し、ステップF47に
進み、処理を終了する。
【0070】ステップF46では、第1の実施の形態に
係るものと同様にエアバッグ38を展開させる。
【0071】これにより、本乗員保護装置の起動装置で
は、第1 の実施の形態に係るものに対し、車両10の衝
突による衝撃の測定値Gを積分した演算値f(G)と、
車両10の衝突、主に後面衝突、又は斜め後面からの衝
突による衝撃で、テールランプ12のフィラメント12
L,12R又はリアガラス25の熱線25a(それぞれ
車両10の後部10cの左右と、中央部に既に設置され
ている)の断線状態を、断線検出器29を通じて検出し
た結果とを対比して、断線していれば、この衝突状態が
後面からの衝突と判断して、演算値f(G)をクリアす
ると共に、乗員保護装置の起動装置を起動させないよう
にしているため、後面からの衝突に対し、乗員保護装置
の起動装置が起動しないように誤起動を防止し、正確に
起動制御でき、コスト低減を図ることができる。
【0072】次に、本発明の第5の実施の形態に係る乗
員保護装置の起動装置について、図面を参照して説明す
る。
【0073】図9は本発明の第5の実施の形態に係る乗
員保護装置の起動装置を起動するフローチャート図であ
る。
【0074】本発明の第5の実施の形態に係る乗員保護
装置の起動装置は、図9に示すように、第1の実施の形
態に係るものに対し、車両10の前部10bの左右に配
設されているヘッドランプ11が衝撃によりフィラメン
ト11L,11Rの断線が断線検出器29を通じて検出
されているにもかかわらず、減速度Gの演算値f(G)
が閾値Th2を超えない場合は、フィラメント11L,
11Rが衝撃ではなく劣化等の通常断線であると判断し
て、断線により一旦低いレベルに下げられた閾値Th2
を通常の所定閾値Th1に戻し、初期の起動制御ルーチ
ンにしたものである。従って、本発明の第5の実施の形
態に係る乗員保護装置の起動装置の構成等は、第1の実
施の形態に係るものに対し同一なので、その説明を省略
し、乗員保護装置の起動装置を起動制御するフローチャ
ートについてのみ説明する。
【0075】ステップF51に示すように、車両の衝突
に対する乗員保護装置の起動制御は、500μsルーチ
ンの間隔に立ち上がるようにしている。
【0076】ステップF52において、フロアセンサ1
3により測定された車両10に対して前後方向に加わる
減速度GをI/O回路36を介して起動制御部32に取
り込み、この減速度Gを起動制御部32の演算部32a
によって積分処理する。この積分処理された演算値f
(G)は、以下に述べるように、断線検出器29を通じ
て検知されるフロント断線(ステップF53)の状態に
対比した、閾値と比較されることになる。即ち、この閾
値はヘッドランプ11への衝撃によるフィラメント11
L,11Rの断線が断線検出器29を通じて検出される
か否かにより、それぞれ異なった閾値として設定される
ことになる。
【0077】ステップF53ではヘッドランプ11への
衝撃によるフィラメント11L,又はフィラメント11
Rの接続線が断線したか否かを、断線検出器29により
出力されるディジタルデータの内容に基いて判断し、N
O、即ちフィラメント11L,11Rが正常のの場合に
は、ステップF55に進み、YES、即ち車両10の衝
突状態が、主に正面衝突、又は斜め正面からの衝突によ
る衝撃でフィラメント11L,11Rが断線した場合に
は、ステップF54に進み、フラグの状態に基きフィラ
メント11L、又はフィラメント11Rが断線して所定
時間経過したにもかかわらず、演算値f(G)が閾値T
h2を超えなかったかどうかが判断される。
【0078】ステップF54では、ステップF53によ
りフィラメント11L、又はフィラメント11Rが断線
してから、所定時間経過した後の演算値f(G)と閾値
Th2とを比較判断し、フラグが「1」、即ち演算値f
(G)が閾値Th2を超えなかった場合(YESの場
合)には、ステップF55に進み、フラグが「0」、即
ちまだ所定時間内の場合(NOの場合)には、ステップ
F56に進み、経過時間がカウントされる。
【0079】ステップF55では、ステップF54によ
りフラグが「1」、即ちフィラメント11L,又はフィ
ラメント11Rが断線してから、所定時間経過したにも
かかわらず、演算値f(G)が閾値Th2を超えなかっ
た(フロアセンサ11による衝突が検出されなかった)
時に、閾値Th2を所定の閾値Th1に戻して、この閾
値Th1と演算値f(G)とが比較される。この比較に
より、演算値f(G)が閾値Th1を超えた場合には、
ステップF60に進み、エアバッグ38を展開する。そ
して、演算値f(G)が閾値Th1を超えなかった場合
には、ステップF61に進み、処理を終了する。
【0080】ステップF57では、ステップF54によ
りフラグが「0」、即ちフィラメント11L,又はフィ
ラメント11Rが断線してから、まだ所定時間内にある
場合に、経過時間をカウントすると共に、演算値f
(G)と閾値Th2とを比較する。この場合の閾値に
は、まだ所定時間内であるので、閾値Th1よりも低レ
ベルの値Th2(図5に示す)を設定している。この比
較により、演算値f(G)が閾値Th2を超えれば、次
のステップF60に進み、エアバッグ38を展開する。
そして、演算値f(G)が閾値Th2を超えていなけれ
ば、ステップF58に進み、経過時間と所定時間tとを
比較する。
【0081】ステップF58では、経過時間と所定時間
tとを比較して、経過時間がまだ所定時間tを超えてい
なければ、ステップF61に進み、処理を終了する。経
過時間が所定時間tを超えていれば、ステップF59に
進む。
【0082】ステップF59では、フィラメント11
L,又はフィラメント11Rが断線してから、所定時間
t経過しているにもかかわらず、演算値f(G)が閾値
Th2を超えないと判断してフラグを「1」に設定し、
次のステップF61に進み、処理を終了する。
【0083】これにより、本乗員保護装置の起動装置で
は、第1 の実施の形態に係るものに対し、車両10の前
部10bの左右に配設されているヘッドランプ11の衝
撃によるフィラメント11L,又はフィラメント11R
の断線が、断線検出器29を通じて検出されているにも
かかわらず、所定時間経過しても減速度Gの演算値f
(G)が閾値Th2を超えない場合は、フィラメント1
1L,又はフィラメント11Rが衝撃ではなく劣化等の
通常断線であると判断して、断線により一旦低いレベル
に下げられた閾値Th2を通常の所定閾値Th1に戻
し、初期の起動制御ルーチンにしているため、単なるラ
ンプ切れ等による断線があってから、悪路等によって比
較的小さな衝撃があったとしても乗員保護装置の起動装
置が起動しないように誤起動を防止し、衝突に対する正
確な起動制御ができ、コスト低減を図ることができる。
【0084】次に、本発明の第6の実施の形態に係る乗
員保護装置の起動装置について、図面を参照して説明す
る。
【0085】図10は本発明の第6の実施の形態に係る
乗員保護装置の起動装置を起動するフローチャート図で
ある。
【0086】本発明の第6の実施の形態に係る乗員保護
装置の起動装置は、図10に示すように、第1の実施の
形態に係るものに対し、断線検出手段において、イグニ
ッションスイッチ51の操作(IGON)後、車両を走
行させるまでの所定時間内にヘッドランプ11やテール
ランプ12及びリアガラス25の熱線25aの断線が検
知されたら、劣化等による通常のランプ断線として、そ
れぞれの一旦低いレベルに下げられた閾値を通常の所定
閾値に戻し、初期の起動制御ルーチンにしたものであ
る。従って、本発明の第6の実施の形態に係る乗員保護
装置の起動装置の構成等は、第1の実施の形態に係るも
のに対し同一なので、その説明を省略し、乗員保護装置
の起動装置を起動制御するフローチャートについてのみ
説明する。
【0087】ステップF62に示されるように、車両を
走行させる前に、イグニッションスイッチの操作(IG
ON)が行われると本処理が開始する。
【0088】ステップF63において、IGON後の経
過時間と秒単位の所定時間(IG操作後、車両の走行が
開始されるまでの時間、例えば3秒程度)とを比較す
る。この比較で、NOの場合(即ち、まだ経過時間が所
定時間内にある場合),ステップF64に進み、ヘッド
ランプ11やテールランプ12又はリアガラス25の熱
線25aの断線状態を検知する。そして、YESの場合
(即ち、経過時間が所定時間を超えた場合)、ステップ
F66に進む。
【0089】ステップF64では、IGON後の所定時
間内におけるヘッドランプ11やテールランプ12又は
リアガラス25の熱線25aの断線状態を検知する。こ
の検知で、断線していない場合には、ステップF63に
進み、フローが繰り返される。そして、IGON後の所
定時間内において、断線があった場合には、ステップF
65に進む。
【0090】ステップF65では、IGON後の所定時
間内に断線があった場合に、断線が劣化等による通常の
ランプ断線と判断し、閾値を通常の所定閾値Th1に保
持し、次のステップF66に進む。即ち、図4に示すス
テップF11、又は図6に示すステップF21、又は図
9に示すステップF51、における車両の衝突に対する
乗員保護装置の起動制御を、500μsルーチンの間隔
に立ち上げるステップのフローに進む。
【0091】従って、図4、図6、図9において、断線
があっても閾値は、Th2にはならず、Th1に書き換
えられたままになる。尚、図9を適用する場合はフラグ
を1に保持しても良い。
【0092】これにより、本乗員保護装置の起動装置で
は、第1 の実施の形態に係るものに対し、IGON後、
秒単位の所定時間内において、ヘッドランプ11やテー
ルランプ12又はリアガラス25の熱線25a等の断線
が検知されたら、通常のランプ断線と判断して、それぞ
れの一旦低いレベルに下げられた閾値を通常の所定閾値
に戻し、初期の起動制御ルーチンにしているため、単な
るランプ切れ等による断線に対し、軽微な衝撃があった
としても乗員保護装置の起動装置が起動しないように誤
起動を防止し、衝突に対する正確な起動制御ができ、コ
スト低減を図ることができる。
【0093】次に、本発明の第7の実施の形態に係る乗
員保護装置の起動装置について、図面を参照して説明す
る。尚、本発明の第7の実施の形態に係る構成で、第1
の実施の形態に係るものと同一なものは、その説明を省
略する。
【0094】図11は本発明の第7の実施の形態に係る
乗員保護装置の起動装置の構成を示すブロック図であ
る。
【0095】本発明の第7の実施の形態に係る乗員保護
装置の起動装置は、図11に示すように、第1の実施の
形態に係るものに対し、乗員保護装置として、正面方向
からの衝突に対して乗員を保護するエアバッグ38を設
ける以外に、さらにヘッドレスト装置装置42が設けら
れ、車両の後面方向からの衝突に対して乗員を保護する
ようにしたものである。この後面方向からの衝突を検出
する手段には、第4と第6の実施の形態に係るものと同
様に、車両10への衝撃度を検出するフロアセンサ13
の減速度と、テールランプ12のフィラメント12L,
12Rやリアガラス25の熱線25aの衝突による断線
検出器29を通じて検出される断線によるものが用いら
れている。
【0096】断線検出器29は、図11に示すように、
テールランプ12用フィラメント12L,12Rの配線
接続部A2やリアガラス25の熱線25aから接続線を
取り出し、断線検出器29に接続して、テールランプ1
2やリアガラス25の熱線25aへの衝撃により、フィ
ラメントの接続線やリアガラス25の熱線25aの接続
線が、それぞれ断線したかどうかを検出するものであ
る。
【0097】また、CPU31は、第1の実施の形態に
係るものと同様に、起動制御部32と閾値変化パターン
変更部33とを備え、ヘッドレスト装置装置42の起動
を制御する機能を有したものである。ヘッドレスト装置
装置42は後面衝突時の乗員の頸部傷害を軽減するため
に設けられた乗員胴体に対する頭部の相対移動を制限す
る装置で、駆動回路41からの起動信号により制御され
るものである。
【0098】次に、車両が後面方向から衝突を受ける場
合における断線検出器29、フロアセンサ13及び制御
回路部30の動作について、図12を参照して説明す
る。図12は本発明の第7の実施の形態に係る乗員保護
装置の起動装置を起動するフローチャート図である。
【0099】ステップF71に示すように、車両の衝突
に対する乗員保護装置(ヘッドレスト装置装置42)の
起動制御は、500μsルーチンの間隔に立ち上がるよ
うにしている。
【0100】ステップF72において、フロアセンサ1
3により測定された車両10に対して前後方向に加わる
減速度GをI/O回路36を介して起動制御部32に取
り込み、この減速度Gを起動制御部32の演算部32a
によって積分処理する。この積分処理された演算値f
(G)は、以下に述べるように、断線検出器29を通じ
て検知されるリア断線(ステップF73)の状態と対比
されて、閾値と比較されることになる。即ち、この閾値
は衝撃によりテールランプ12のフィラメント12L,
12Rやリアガラス25の熱線25aの断線が断線検出
器29を通じて検出されるか否かにより、それぞれ異な
った閾値として設定されることになる。
【0101】ステップF73では、衝撃によりテールラ
ンプ12のフィラメント12L,12Rやリアガラス2
5の熱線25aが断線したか否かを、断線検出器29に
より出力されるディジタルデータの内容に基いて判断
し、YESの場合、即ち車両10の衝突状態が、主に後
面衝突、又は斜め後面からの衝突による衝撃でフィラメ
ント11L,11Rが断線した場合には、ステップF7
4に進む。
【0102】ステップF74では、演算値f(G)と閾
値Th4とを比較する。この場合の閾値Th4には、後
面からの衝突に対し、乗員を保護する必要がある通常の
所定閾値Th3よりも絶対値で小さいレベルの値Th4
(図13に示す)を設定している。この比較により、演
算値f(G)が閾値Th4を絶対値として超えていれ
ば、次のステップF75に進み、ヘッドレスト装置42
を展開する。この時、起動制御部32の起動判定部32
bは、図11に示す駆動回路41に対して、I/O回路
36を介して起動信号Aを出力する。そして、演算値f
(G)が閾値Th4を超えていなければ、ステップF7
6に進み、処理を終了する。
【0103】ステップF75では、起動制御部32の起
動判定部32bから、駆動回路41に対して、I/O回
路36を介して起動信号Aが出力されると、駆動回路4
1はヘッドレスト装置42を起動展開(図示せず)させ
る。尚、ステップF73でリア断線していない場合はス
テップF77に進み、演算値f(G)と通常の閾値Th
3と比較して、演算値f(G)がTh3を超えている場
合はステップF75に進み、ヘッドレスト装置42を展
開する。
【0104】次に、演算値f(G)と閾値Tの時間的変
化の特性を示す一例を、図13を参照して説明する。図
13は車両への後面方向からの衝撃に対する演算値f
(G)とリア断線時における閾値の時間的変化の一例を
示す特性図である。
【0105】図13において、縦軸は起動制御部32の
演算部において算出された演算値f(G)であり、横軸
は時間tである。尚、後面方向からの衝撃Gは、マイナ
スの値として測定されるので、そのレベルは絶対値とし
て比較する。
【0106】図13に示すように、閾値Tには、通常、
後面方向から車両に加わった衝撃がヘッドレスト装置4
2を起動する必要のある所定閾値Th3を設定している
が、衝撃によりテールランプ12のフィラメント12
L,12Rやリアガラス25の熱線25aに断線があっ
た場合には、所定閾値Th3を絶対値で低いレベルの閾
値Th4に変更設定し、衝突を検知し易くしている。従
って、閾値変更パターン変更部33は、図13に示すよ
うな値を閾値Tとして起動制御部32の起動判定部32
bに与える。そして、閾値Th4は、左右フィラメント
12L,12Rの両方共の断線や熱線25の断線が、時
間t1において、断線検出器29を通じて検出され場合
に設定された閾値であり、この閾値Th4は、閾値変更
パターン変更部33に入力される。これにより、まず、
断線検出器29を通じて左右両方共のフィラメント12
L,12Rや熱線25の断線がON信号として入力され
る時間t1までは、閾値Tとして所定値Th3を起動制
御部32の起動判定部32bに与え、次に、時間t1に
おけるON信号が入力され、閾値Tをそれまでの値Th
3からその値よりも絶対値で低いレベルの値Th4に変
更する。これにより、斜め後面からの衝突に対しては、
閾値をより低くしているので、衝突の検出がし易くなっ
ている。
【0107】これにより、本乗員保護装置の起動装置で
は、乗員保護装置としてエアバッグ38以外に、さらに
ヘッドレスト装置42を設け、後面方向からの衝突に対
し、テールランプ12のフィラメント12L,12Rや
リアガラス25の熱線25の断線を検知すると、閾値を
絶対的に小さくして、f(G)を検出し易いようにし、
後面方向からの斜め衝突等の比較的小さいマイナス側の
f(G)があったとしても確実にヘッドレスト装置42
を起動し、より安全で正確に乗員保護装置の起動装置を
起動制御できる。
【0108】次に、本発明の第8の実施の形態に係る乗
員保護装置の起動装置について、図14を参照して説明
する。
【0109】図14は本発明の第8の実施の形態に係る
乗員保護装置の起動装置を起動するフローチャート図で
ある。
【0110】本発明の第8の実施の形態に係る乗員保護
装置の起動装置は、図14に示すように、第7の実施の
形態に係るものに対し、断線検出手段において、車両1
0の後部10cの左右に配設されているテールランプ1
2(図1に示す)の内、一方が衝撃によりフィラメント
(12L又は12R)の断線が検出された場合と、左右
両方共に衝撃によりフィラメント(12L及び12R)
の断線が検出された場合とに対応して、閾値変更手段に
おける閾値の変化パターンを、一方のフィラメント断線
時には閾値を絶対値で低いレベルの値の変化パターン
に、左右両方共のフィラメント断線時には閾値を通常の
所定値の変化パターンに、それぞれ相違した変化パター
ンになるように変更したものである。そして、この相違
した閾値が、起動制御部32の演算部32a(図11に
示す)で積分処理した演算値f(G)と比較されて、乗
員保護装置の起動装置の起動制御を行なうようにしてい
る。
【0111】従って、本発明の第8の実施の形態に係る
乗員保護装置の起動装置の構成等は、第7の実施の形態
に係るものと同一なので、その説明を省略し、乗員保護
装置の起動装置を起動するフローチャートについてのみ
説明する。
【0112】ステップF81に示すように、車両の衝突
に対する乗員保護装置の起動制御は、500μsルーチ
ンの間隔に立ち上がるようにしている。
【0113】ステップF82において、フロアセンサ1
3により測定された車両10に対して前後方向に加わる
減速度GをI/O回路36を介して起動制御部32に取
り込み、この減速度Gを起動制御部32の演算部32a
によって積分処理する。この積分処理された演算値f
(G)は、次のステップF83に進み、右リア断線(ス
テップF83)の状態と照合される。
【0114】ステップF83では左右のテールランプ1
2の内の右のテールランプヘッドランプ12への衝撃に
よるフィラメント12Rの接続線が断線したか否かを、
断線検出器29により出力されるディジタルデータの内
容に基いて判断し、NO、即ち右のフィラメント12R
が正常の場合には、ステップF84に進み、YES、即
ち車両10の衝突状態が、主に後面衝突、又は右斜め後
面からの衝突による衝撃で右のフィラメント12Rが断
線した場合には、ステップF86に進む。
【0115】ステップF84では,ステップF83によ
る右テールランプ12の衝突によるフィラメント12R
の断線が無いことを検出した後、左のテールランプ12
への衝撃によるフィラメント12Lの接続線が断線した
か否かを、断線検出器29により出力されるディジタル
データの内容に基いて判断し、YES、即ち車両10の
衝突状態が、主に左斜め後面からの衝突による衝撃で左
のフィラメント12Lが断線した場合には、ステップF
85に進み、NO、即ち左のフィラメント12Rも正常
の場合には、ステップF90に進み、処理を終了する。
【0116】ステップF85では,演算値f(G)と閾
値Th4とを比較する。この場合の閾値には、左斜め後
面からの衝突による左右フィラメントの内の一方の左フ
ィラメント12Lの断線なので、衝突の検出をし易くす
るため、閾値Th3(後面衝突による左右フィラメント
の両方共に断線した場合の設定値)よりも絶対値で低い
レベルでの値Th4(図13に示す)を設定している。
この比較により、演算値f(G)がこの低レベルの閾値
Th4を超えていれば、次のステップF89に進み、ヘ
ッドレスト装置42を展開する。そして、演算値f
(G)が低レベルの閾値Th4を超えていなければ、ス
テップF90に進み、処理を終了する。
【0117】ステップF86では,ステップF83によ
る右テールランプ12の衝突によるフィラメント12R
の断線があったことを検出した後、左のテールランプ1
2への衝撃によるフィラメント12Lの接続線が断線し
たか否かを、断線検出器29により出力されるディジタ
ルデータの内容に基いて判断し、YES、即ち車両10
の衝突状態が、主に後面衝突による衝撃で左右共のフィ
ラメント12L、12Rが断線した場合には、ステップ
F87に進み、NO、即ち右のフィラメント12Rが断
線し、左のフィラメント12Lが正常の場合には、ステ
ップF88に進む。
【0118】ステップF87では,演算値f(G)と閾
値Th3とを比較する。この場合の閾値Th3には、左
右共のフィラメント12L、12Rが断線した後面衝突
による衝撃で、後面方向からの衝撃度では比較的大きく
衝突の検出が容易なこともあるので、通常のレベルの閾
値を設定している。この比較により、演算値f(G)が
閾値Th3を超えていれば、次のステップF89に進
み、ヘッドレスト装置42を展開する。そして、演算値
f(G)が閾値Th3を超えていなければ、ステップF
90に進み、処理を終了する。
【0119】ステップF88では,演算値f(G)と閾
値Th4とを比較する。この場合の閾値には、右斜め後
面からの衝突による左右フィラメントの内の一方の右フ
ィラメント12Rの断線なので、衝突の検出をし易くす
るため、閾値Th3よりも絶対値で低レベルの値Th4
(図13に示す)を設定している。この比較により、演
算値f(G)が低レベルの閾値Th4を超えていれば、
次のステップF89に進み、ヘッドレスト装置42を展
開する。そして、演算値f(G)が低レベルの閾値Th
4を超えていなければ、ステップF90に進み、処理を
終了する。
【0120】ステップF89では起動制御部32の起動
判定部32bから、駆動回路37に対して、I/O回路
36を介して起動信号Aが出力されると、駆動回路41
はヘッドレスト装置42を起動展開させる。
【0121】次に、演算値f(G)と閾値Tの時間的変
化の特性を示す一例については、第7の実施の形態に係
るもので、図13により説明しているので、その説明を
省略する。
【0122】これにより、本乗員保護装置の起動装置で
は、第7の実施の形態に係るものに対し、さらに車両へ
の衝突を検出する手段として、車両10の後部10cの
左右に配設されているテールランプ12の内、一方が衝
撃によりフィラメントの断線が検出された場合と、左右
両方共に衝撃によりフィラメントの断線が検出された場
合とに対応して、閾値変更手段における閾値の変化パタ
ーンを、一方のフィラメントの断線時には閾値を絶対値
で低いレベルの閾値の変化パターンに、左右両方共のフ
ィラメントの断線時には閾値を通常レベル値の変化パタ
ーンに、それぞれ相違した変化パターンに変更し、それ
ぞれの閾値をフロアセンサ13による測定値Gの演算値
f(G)と比較して起動装置の起動を制御しているの
で、車両10の衝突状態が、後面衝突によるものか、左
右の斜め後面からの衝突によるものか等の切り分けによ
る衝突方向の特定ができると共に、衝撃が検出し難い形
態には閾値のレベルを下げて、起動制御し易くしている
ので、乗員保護装置の起動装置が、より簡易かつ正確に
起動制御でき、コスト低減を図ることができる。
【0123】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、本
乗員保護装置の起動装置では、車両への衝突を検出する
手段として、各種車両に既に設置されているヘッドラン
プやテールランプ等の衝撃によるフィラメントの断線を
検出する断線検出手段を用いているので、コストの低減
を図ることができ、しかも断線検出手段により、断線し
ていない場合は閾値を高く設定し、正面衝突が起きても
起動装置を起動するに及ばない程度の衝撃しか車両に加
わらない場合や車両が悪路走行をしている場合には、誤
って乗員保護装置が起動しないように誤起動を防止し、
断線すると閾値を低く設定して、衝突を検知し易くして
いるので、乗員保護装置の起動装置が簡易かつ正確に起
動制御でき、コスト低減を図ることができる。しかも、
乗員保護装置としてエアバッグ装置以外に、さらにヘッ
ドレスト装置装置を設け、後面方向からの衝突に対し、
各種車両に既に設置されているテールランプやリアガラ
スの熱線の断線によるリア断線を検知手段としているの
で、後面方向からの衝突があった場合には、リア断線の
検知により、誤ってエアバッグ装置を起動しないように
誤起動を防止すると共に、ヘッドレスト装置装置を起動
し、より安全で正確に乗員を保護でき、よりコスト低減
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る乗員保護装置の起動
装置に用いられる検知センサの車両への配置全般図であ
る。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る乗員保護装置
の起動装置の構成を示すブロック図である。
【図3】断線検出器29の回路図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る乗員保護装置
の起動装置を起動するフローチャート図である。
【図5】乗員保護装置の起動装置に用いられる閾値の時
間的変化の一例を示す特性図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る乗員保護装置
の起動装置を起動するフローチャート図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る乗員保護装置
の起動装置を起動するフローチャート図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る乗員保護装置
の起動装置を起動するフローチャート図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る乗員保護装置
の起動装置を起動するフローチャート図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態に係る乗員保護装
置の起動装置を起動するフローチャート図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態に係る乗員保護装
置の起動装置の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第7の実施の形態に係る乗員保護装
置の起動装置を起動するフローチャート図である。
【図13】車両への後面方向からの衝撃に対する演算値
f(G)とリア断線時における閾値の時間的変化の一例
を示す特性図である。
【図14】本発明の第8の実施の形態に係る乗員保護装
置の起動装置を起動するフローチャート図である。
【符号の説明】
1・・・乗員保護装置の起動装置 10・・・車両 11・・・ヘッドランプ 12・・・テールランプ 13・・・フロアセンサ 15、16・・・抵抗 20・・・ECU(電子制御装置) 21、22・・・配線材 25・・・リアガラスの熱線 29・・・断線検出器 30・・・制御回路部 31・・・CPU 32・・・起動制御部 33・・・閾値変化パターン変更部 34・・・ROM 35・・・RAM 36・・・I/O回路 37・・・駆動回路 38・・・エアバッグ装置 39・・・スクイブ 41・・・駆動回路 42・・・ヘッドレスト装置 51・・・イグニッションスイッチ 52・・・ヘッドランプスイッチ 53、55・・・反転器 56・・・警告灯 57・・・断線検出IC

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載され、乗員を保護する乗員保
    護装置を車両の衝撃時に起動するようにした乗員保護装
    置の起動装置において、 前記車両内の所定位置に配設され、該車両に加わる衝撃
    度を検出する衝撃度検出手段と、 前記車両の前部左右に配設されているヘッドランプ又は
    後部左右に配設されているテールランプのフィラメント
    の断線状態を検出する断線検出手段と、 前記衝撃度検出手段により検出された衝撃度、及び前記
    断線検出手段で検出された前記フィラメントの断線状態
    に応じて前記乗員保護装置の起動を制御する起動制御手
    段と、 を含むことを特徴とする乗員保護装置の起動装置。
  2. 【請求項2】 前記断線検出手段は、前記車両の前部左
    右に配設されているヘッドランプのフィラメントの断線
    状態を検出するものであって、 前記起動制御手段は、前記衝撃度検出手段で検出された
    衝撃度が所定の閾値を超えると前記乗員保護装置を起動
    するものであって、且つ前記断線検出手段により前記フ
    ィラメントが断線されたことが検出されると前記閾値を
    低下させるものであることを特徴とする請求項1記載の
    乗員保護装置の起動装置。
  3. 【請求項3】 前記断線検出手段は、前記車両の前部左
    右に配設されている左右のヘッドランプにおける左側の
    フィラメント及び右側のフィラメントの断線状態をそれ
    ぞれ検出するものであって、 前記起動制御手段は、前記衝撃度検出手段で検出された
    衝撃度が所定の閾値を超えると前記乗員保護装置を起動
    するものであって、且つ前記断線検出手段により左側の
    フィラメント、又は右側のフィラメントのいずれか一方
    が断線されたことが検出されたときに前記閾値を低下さ
    せるものであることを特徴とする請求項1記載の乗員保
    護装置の起動装置。
  4. 【請求項4】 前記断線検出手段は、前記車両の前部左
    右に配設されている左右のヘッドランプの断線状態を検
    出するものであって、 前記起動制御手段は、前記断線検出手段により前記フィ
    ラメントが断線されたことが検出されたときに限り、前
    記衝撃度検出手段で検出された衝撃度が所定の閾値を超
    えると前記乗員保護装置を起動するものであることを特
    徴とする請求項1記載の乗員保護装置の起動装置。
  5. 【請求項5】 前記断線検出手段は、前記車両の後部左
    右に配設されているテールランプのフィラメントの断線
    状態を検出するものであって、 前記起動制御手段は、前記衝撃度検出手段で検出された
    衝撃度が所定の閾値を超えると前記乗員保護装置を起動
    するものであって、且つ前記断線検出手段により前記テ
    ールランプのフィラメントが断線されたことが検出され
    たときには前記閾値を高くする又は前記衝撃度を消去す
    るものであることを特徴とする請求項1記載の乗員保護
    装置の起動装置。
  6. 【請求項6】 前記起動制御手段は、前記断線検出手段
    により前記フィラメントの断線が検出された後、所定時
    間以内に前記衝撃度が前記低下された閾値を超えなかっ
    たときには、該閾値を元の閾値に戻すことを特徴とする
    請求項2、請求項3記載の乗員保護装置の起動装置。
  7. 【請求項7】 車両の走行を開始可能にさせるイグニッ
    ションスイッチを備え、 前記イグニッションスイッチ
    の操作後、車両の走行が開始するまでの時間に相当する
    所定時間以内に前記断線検出手段により前記フィラメン
    トの断線が検出されると、前記閾値を低下させずそのま
    ま保持することを特徴とする請求項2、請求項3記載の
    乗員保護装置の起動装置。
  8. 【請求項8】 前記車両の乗員保護装置は、エアバッグ
    を作動させるエアバッグ装置またはシートベルトを作動
    させるシートベルトプリテンショナー装置であることを
    特徴とする請求項1乃至請求項7記載の乗員保護装置の
    起動装置。
  9. 【請求項9】 前記車両の乗員保護装置は、ヘッドレス
    ト装置を作動させるヘッドレスト装置装置であって、 前記断線検出手段は、前記車両の後部左右に配設されて
    いるテールランプのフィラメントの断線状態を検出する
    ものであって、 前記起動制御手段は、前記衝撃度検出手段で検出された
    衝撃度が所定の閾値を超えると前記乗員保護装置を起動
    するものであって、且つ前記断線検出手段により前記フ
    ィラメントが断線されたことが検出されると前記閾値を
    低下させるものであることを特徴とする請求項1記載の
    乗員保護装置の起動装置。
  10. 【請求項10】 前記車両の乗員保護装置は、ヘッドレ
    スト装置を作動させるヘッドレスト装置装置であって、 前記断線検出手段は、前記車両の後部左右に配設されて
    いる左右のテールランプにおける左側のフィラメント及
    び右側のフィラメントの断線状態をそれぞれ検出するも
    のであって、 前記起動制御手段は、前記衝撃度検出手段で検出された
    衝撃度が所定の閾値を超えると前記乗員保護装置を起動
    するものであって、且つ前記断線検出手段により左側の
    フィラメント、又は右側のフィラメントのいずれか一方
    が断線されたことが検出されたときに前記閾値を低下さ
    せるものであることを特徴とする請求項1記載の乗員保
    護装置の起動装置。
  11. 【請求項11】 バッテリと、 前記バッテリと前記ヘッドランプのフィラメント又はテ
    ールランプのフィラメントとの間に介在されたヘッドラ
    ンプスイッチ又はテールランプスイッチと、 前記ヘッドランプスイッチ又はテールランプスイッチを
    バイパスするための抵抗とが設けられ、 前記断線検出手段は、前記ヘッドランプのフィラメント
    又は前記テールランプスのフィラメントに係る電位を検
    出して該ヘッドランプのフィラメント又は前記テールラ
    ンプのフィラメントの断線を検出するものであることを
    特徴とする請求項1乃至請求項9記載の乗員保護装置の
    起動装置。
  12. 【請求項12】 前記断線検出手段は、前記テールラン
    プのフィラメントに代えて前記車両のリアガラスの熱線
    を検出するものであることを特徴とする請求項1又は請
    求項5又は請求項9記載の乗員保護装置の起動装置。
JP2000073563A 2000-03-16 2000-03-16 乗員保護装置の起動装置 Withdrawn JP2001260803A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000073563A JP2001260803A (ja) 2000-03-16 2000-03-16 乗員保護装置の起動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000073563A JP2001260803A (ja) 2000-03-16 2000-03-16 乗員保護装置の起動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001260803A true JP2001260803A (ja) 2001-09-26

Family

ID=18591791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000073563A Withdrawn JP2001260803A (ja) 2000-03-16 2000-03-16 乗員保護装置の起動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001260803A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007118797A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Toyota Motor Corp 衝突判定システム
JP2015101329A (ja) * 2013-11-26 2015-06-04 現代自動車株式会社 自動車用の側面エアバッグ展開システム及び方法
JP2015143056A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 株式会社デンソー 車両用乗員保護装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007118797A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Toyota Motor Corp 衝突判定システム
JP4586705B2 (ja) * 2005-10-28 2010-11-24 トヨタ自動車株式会社 衝突判定システム
JP2015101329A (ja) * 2013-11-26 2015-06-04 現代自動車株式会社 自動車用の側面エアバッグ展開システム及び方法
JP2015143056A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 株式会社デンソー 車両用乗員保護装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0548849B1 (en) Collision sensing system for side air bag system
KR100343270B1 (ko) 차량 내에서 동승자를 보호하기 위한 장치
JP3085026B2 (ja) 車両用エアバッグ装置の作動制御装置
KR20000052673A (ko) 탑승자 감지 및 충돌 거동 시스템
JPH10152014A (ja) 乗員保護装置の起動制御装置
JPH1081198A (ja) 車両の搭乗者を保護する装置を起動する装置
JP2877145B2 (ja) 乗員保護装置の制御装置
JP3473449B2 (ja) 車両用乗員保護システム及びその判定装置
JP2001018744A (ja) 車両用側突エアバッグ装置の起動制御システム
JP2001260803A (ja) 乗員保護装置の起動装置
JP3567796B2 (ja) 車両用乗員保護システム
JP5119045B2 (ja) 乗員保護装置、乗員保護方法
KR20030012360A (ko) 자동차 측면 에어백 시스템 및 그 제어방법
JPH08108820A (ja) エアーバック起動装置
JP3452012B2 (ja) 乗員保護装置の起動制御装置
KR0171717B1 (ko) 자동차 에어백 시스템
JP3924873B2 (ja) 車両用エアバッグ制御装置
JP7362200B2 (ja) 乗員保護装置
JP3452013B2 (ja) 乗員保護装置の起動制御装置
KR0155093B1 (ko) 자동차의 에어백시스템
JP2592189Y2 (ja) エアバッグシステムにおける警告装置
JPH11124004A (ja) 乗員保護装置
JP2001287618A (ja) 衝突保護装置
KR100199572B1 (ko) 에어백 전개 시스템
KR100260186B1 (ko) 후부 충돌 방지 장치 및 그 제어 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070605