JP2001259509A - 水滴滑落性に優れた膜形成用表面処理材および表面処理膜の形成方法 - Google Patents

水滴滑落性に優れた膜形成用表面処理材および表面処理膜の形成方法

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JP2001259509A
JP2001259509A JP2000072412A JP2000072412A JP2001259509A JP 2001259509 A JP2001259509 A JP 2001259509A JP 2000072412 A JP2000072412 A JP 2000072412A JP 2000072412 A JP2000072412 A JP 2000072412A JP 2001259509 A JP2001259509 A JP 2001259509A
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Satoko Sugawara
原 聡 子 菅
Tetsuro Tayu
湯 哲 朗 田
Yasuaki Kai
斐 康 朗 甲
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた水滴滑落性を備え、耐久性にも優れた
膜形成用表面処理材およびこのような表面処理膜の形成
方法を提供する。 【解決手段】 第1層として、2種類のイソシアネート
シラン、すなわちテトライソシアネートシランと、1な
いし3個のアルキル基がSiに結合しているイソシアネ
ートシランとを用いてシリカ膜を形成し、このシリカ膜
上に末端に加水分解性官能基を備えたシリコーン化合物
やその加水分解物を含む塗布液を塗布して第2層を形成
し、水滴滑落性および耐久性耐に優れた表面処理膜を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスなどの基材
表面に水滴滑落性被膜を形成するための表面処理技術に
係わり、例えば車両用,船舶用,航空機用のウインドウ
ガラスやミラーなどに水滴滑落性に優れた膜を形成する
ための表面処理材、およびこのような表面処理膜の形成
方法に関するものである。
【0002】なお、本発明において、水滴滑落性とは、
表面に付着した水滴が表面の傾きによって受ける重力や
風による抗力によって移動する性能を言い、水滴の移動
速度が大きいほど、また、より小さな水滴が移動可能で
あるほど、水滴滑落性が優れていることになる。
【0003】
【従来の技術】各種材料の表面に付着した水滴の除去を
目的として、基材表面の撥水性を高めるための試みが盛
んに行われており、その代表例として、撥水ガラスなど
の開発を挙げることができる。
【0004】基材の撥水性を高めるため、接触角を高く
誘導する化合物としてフルオロアルキル基含有化合物や
ジメチルシロキサンなどの化合物に代表される疎水性化
合物を基材表面に塗布する試みがなされている。例え
ば、特開昭58−122979号、特開昭58−129
082号、特開昭58−142958号、特開昭58−
147483号、特開昭58−172242号、特開昭
58−172244号、特開昭58−172245号、
特開昭58−172246号、特開昭58−19084
0号、および特開昭58−223634号公報には、ガ
ラスなどの素材上に、ポリフルオロアルキル基を含有す
る有機けい素化合物による処理を施すことにより高い撥
水性を付与された各種の処理基板が提案されている。
【0005】また、特開平6−16455号、特開平6
−340451号、特開平7−138046号、特開平
7−138047号、特開平7−138050号、特開
平7−267684号、および特開平8−40748号
公報には、撥水性を向上させるため、ゾルゲル法などを
用いて基材表面に微細な凹凸構造を設ける試みが行われ
ている。
【0006】特開平10−180937号公報において
は、ガラスの上にテトライソシアネートシランを用いて
SiO2 膜を形成し、その上に撥水処理を施すことによ
って高い撥水性を得るようにしている。また、テトライ
ソシアネートシランに撥水性を有する非反応性基を含む
Si化合物を添加したものを下地のコーティング液とす
ることによって、撥水性能と耐久性を改善するようにし
ている。
【0007】一方、ジメチルシロキサンなどの化合物を
基板に塗布すると、優れた水滴滑落性が得られるもの
の、単に塗布しただけでは基材表面に対する結合力が弱
く、撥水性および水滴滑落性を長期にわたって良好に維
持することが困難であったが、例えば特開平11−61
109号、特開平11−116809号、特開平9−4
0910号、特開平8−209118号公報などには、
ジメチルシロキサンの化合物に加水分解性の官能基を付
加し、基材表面との結合性を持たせ、これによって耐久
性向上を図る試みが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
公報に記載された従来技術のうち、特開昭58−122
979号や特開昭58−129082号公報などに記載
されたフルオロアルキル基含有有機化合物による処理で
は、ふっ素原子の導入によって表面エネルギーが小さく
なり、表面の水滴接触角が大きくなって撥水性は向上す
るものの、その水滴は滑落しにくく、水滴サイズが微小
な場合や、基材表面の傾き角度が小さい場合、また風力
が弱い場合には、多くの水滴が残ってしまうという問題
があった。これは、水滴とフルオロアルキル基含有有機
化合物の間に相互作用が強く働くことによるものと考え
られている。
【0009】また、特開平6−16455号や特開平6
−340451号公報などに記載された表面に微細な凹
凸構造を設けたものにおいては、撥水性は向上しても、
水滴滑落性、すなわち基材表面における水滴の移動のし
易さについては大きな変化が認められず、むしろ微細表
面構造の影響によって水滴滑落性が劣化することがあり
得るという問題があった。
【0010】特開平10−180937号公報に記載さ
れたテトライソシアネートシランを用いてSiO2 膜を
形成したものにおいては、主にふっ素によって撥水性能
を発現しているため、微小水滴の滑落性は必ずしも良く
なく、水滴の除去性(移動性)については改良されてい
ない。
【0011】さらに、特開平11−61109号や特開
平11−116809号公報などに記載されたように、
加水分解性の官能基を付加することによって、ジメチル
シロキサンの結合性を向上させると、加水分解性官能基
が付加されていないジメチルシロキサン化合物ほどの水
滴滑落性が得られなかったり、基板との反応性が低かっ
たりして、思ったように耐久性を向上することができな
いという問題があった。
【0012】このように、撥水性の向上は、必ずしも水
滴滑落性の向上とは一致せず、上記した従来技術では、
ふっ素化合物を利用して基材の撥水性を高め、付着水滴
の接触角を高くしていたので、水滴滑落性が悪く、水滴
除去性能はすべての状況で良いとは必ずしも言えなかっ
た。また、ジメチルシロキサン化合物による処理膜につ
いても、水滴滑落性と耐久性の両立という点においては
不十分なものであり、このような問題点の解消が課題と
なっていた。
【0013】
【発明の目的】本発明は、材料表面に付着した水滴の除
去を目的とする従来の表面処理技術における上記課題に
着目してなされたものであって、従来の技術では到達し
得なかった優れた水滴滑落性を実現することができ、し
かも耐久性にも優れた膜を形成するための表面処理材
と、このような表面処理膜の形成方法を提供することを
目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
の達成に向けて鋭意検討を重ねた結果、水滴滑落膜を2
層構造とし、第1層の塗布液を2種類のイソシアネート
シランの混合組成とし、第2層におけるシリコーン化合
物の第1層表面への導入量を増加させると共に、該シリ
コーン化合物として特定の構造・組成をとることによっ
て、水滴滑落性を大きく向上させることができることを
見出だすに至った。
【0015】本発明はこのような知見に基づくものであ
って、本発明の請求項1に係わる水滴滑落性に優れた膜
形成用表面処理材は、基材表面への第1層を構成しかつ
Si(NCO)4 とRSi(NCO)4-a(RはCH
3 またはC25 、aは1〜3)の2成分を、これらS
i(NCO)4 とRSi(NCO)4-aの重量比が9
9.8:0.2〜92.0:8.0となる量で含むとと
もに希釈溶媒を含有する塗布液と、前記第1層の上で第
2層を構成しかつ末端に加水分解性基を持つシリコーン
化合物および/または該シリコーン化合物の加水分解物
と希釈溶媒を含む塗布液とをそなえた構成とし、膜形成
用表面処理材におけるこのような構成を前述した従来の
課題を解決するための手段としたことを特徴としてい
る。
【0016】本発明の請求項2に係わる膜形成用表面処
理材においては、第1層の塗布液に含まれているSi
(NCO)4 とRSi(NCO)4-aの重量比を9
9.5:0.5〜97.0:3.0の範囲とすることが
でき、請求項3に係わる膜形成用表面処理材において
は、第2層の塗布液に含まれているシリコーン化合物と
して、(−Si(CH32 −O)−で表されるジメ
チルシロキサン基を有し、当該ジメチルシロキサン部分
の分子量が1000以上のものを用いることができ、ま
た、請求項4に係わる膜形成用表面処理材においては、
同じくシリコーン化合物として、同一分子内にフルオロ
アルキル基を含むものを用いることができ、さらに請求
項5に係わる膜形成用表面処理材においては、末端の加
水分解性基がアルコキシシリル基であるシリコーン化合
物を用いることができる。
【0017】また、請求項6に係わる膜形成用表面処理
材においては、第2層の塗布液として、上記に加えて、
さらに末端に加水分解性基を持つフルオロアルキルシラ
ン化合物および/または該フルオロアルキルシラン化合
物の加水分解物を含んだものを用いることができ、この
フルオロアルキルシラン化合物としては、請求項7に記
載しているように、その末端の加水分解性基がアルコキ
シシリル基であるものを用いることができる。
【0018】さらに、本発明の請求項8に係わる膜形成
用表面処理材においては、第2層の塗布液として、Si
2 前駆体が、塗布液中の全固形分に対してSiO2
算で0.1〜5重量%含まれているものを使用すること
ができ、請求項9に係わる膜形成用表面処理材において
は、第1層の膜厚が乾燥状態で20〜100nmである
構成とし、請求項10に係わる膜形成用表面処理材にお
いては、基材がガラスである構成としたことを特徴とし
ている。
【0019】本発明の請求項11に係わる水滴滑落性に
優れた表面処理膜の形成方法は、基材表面に、Si(N
CO)4 とRSi(NCO)4-a(RはCH3 または
25 、aは1〜3)の2成分と希釈溶媒を含有し、
これらSi(NCO)4 とRaSi(NCO)4-aの重
量比が99.8:0.2〜92.0:8.0の範囲であ
る塗布液を第1層として塗布したのち常温で乾燥し、さ
らに当該第1層の上に、末端に加水分解性基を持つシリ
コーン化合物および/または該シリコーン化合物の加水
分解物と希釈溶媒を含有する塗布液を第2層として塗布
したのち乾燥する構成としたことを特徴としており、表
面処理膜の形成方法におけるこのような構成を前述した
従来の課題を解決するための手段としている。
【0020】本発明の請求項12に係わる表面処理膜の
形成方法においては、第1層の塗布液に含まれているS
i(NCO)4 とRSi(NCO)4-aの重量比を9
9.5:0.5〜97.0:3.0の範囲とすることが
できる。
【0021】本発明に係わる水滴滑落性に優れた表面処
理膜の形成方法材において、第2層の塗布液に含まれて
いるシリコーン化合物としては、請求項13に記載して
いるように、(−Si(CH32 −O)−で表され
るジメチルシロキサン基を有し、当該ジメチルシロキサ
ン部分の分子量が1000以上のものを用いることがで
き、また、請求項14に記載しているように、同一分子
内にフルオロアルキル基を含むものを用いることがで
き、さらに請求項15に記載しているように、末端の加
水分解性基がアルコキシシリル基であるものを用いるこ
とができる。
【0022】また、第2層の塗布液としては、請求項1
6に記載しているように、上記に加えて、さらに末端に
加水分解性基を持つフルオロアルキルシラン化合物およ
び/または該フルオロアルキルシラン化合物の加水分解
物を含んだものを用いることができ、このフルオロアル
キルシラン化合物としては、請求項17に記載している
ように、その末端の加水分解性基がアルコキシシリル基
であるものを用いることができる。
【0023】さらに、本発明に係わる水滴滑落性に優れ
た表面処理材の製造方法において、第2層の塗布液とし
ては、請求項18に記載しているように、SiO2 前駆
体が、塗布液中の全固形分に対してSiO2 換算で0.
1〜5重量%含まれているものを使用することができ、
第1層の膜厚としては、請求項19に記載しているよう
に、乾燥状態で20〜100nmとなるように塗布する
ことが望ましく、基材としては、請求項20に記載して
いるように、ガラスを用いることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明において、水滴滑落性に優
れた表面処理膜は、例えば、ガラスのような基材の表面
に、まず第1層を塗布して乾燥し、次いで、その上に第
2層を塗布し、乾燥することによって形成される。第1
層は、ベース膜として第2層を基材表面に強固に結合す
るために形成され、第2層は水滴滑落性に優れた処理膜
となる。
【0025】第1層の塗布液は、2種類のイソシアネー
トシラン、つまりSi(NCO)4とRSi(NC
O)4-a(RはCH3 またはC25 、aは1〜3)の
2成分を希釈溶媒に加え、攪拌することによって得られ
る。希釈溶媒としては、上記したSi(NCO)4 およ
びRSi(NCO)4-aの2成分を溶解できるもので
あれば何でも用いることができ、例えば酢酸エチルや酢
酸ブチルなどを挙げることができる。
【0026】イソシアネートシランは、基材表面に塗布
されると、室温で空気中の水分によって加水分解を起
し、乾燥後はシリカ(SiO2 )の膜となる。この表面
には多くのSi−OH基が存在し、基材がガラスの場合
にはこのシリカ膜がシロキサン結合によってガラスと強
固に結合する。
【0027】第2層を構成する末端に加水分解性基を持
つシリコーン化合物やその加水分解物は、形成されたシ
リカ膜上のSi−OH基と結合して基材表面に固定され
る。基材がガラスの場合にはその表面にもSi−OH基
が存在するが、イソシアネートシランを用いて形成され
たSiO2 膜表面にはより多くのSi−OH基が存在す
るため、上記シリコーン化合物はより多くのサイトで反
応することが可能となる。そしてシリコーンの導入量が
増えるため、水滴滑落性能や耐久性能に優れた膜とな
る。
【0028】上記シリカ膜を形成するイソシアネートシ
ランとしては、緻密な膜を形成し表面に多くのSi−O
H基を作るために、通常Si(NCO)4 (テトライソ
シアネートシラン)が用いられる。しかし本発明におい
ては、このSi(NCO)4と、RSi(NCO)
4-a(RはCH3 またはC25 、aは1〜3)の混合
組成とすることによって、これまで得られなかった高い
水滴滑落性と耐久性が実現した。第1層塗膜中のイソシ
アネートシランの組成比は、Si(NCO)4 とR
i(NCO)4-aの重量比を99.8:0.2〜92.
0:8.0の範囲とすることが必要となる。すなわち、
Si(NCO)4-aが0.2重量%よりも少ない
と、上記のような性能向上の効果が得られず、また、
8.0重量%よりも多くなると、逆に性能が劣化する。
なお、これらSi(NCO)4 とRSi(NCO)
4-aのさらに効果的な組成範囲は、99.5:0.5:
〜97.0:3.0の範囲である。
【0029】RaSi(NCO)4-aの添加による性能
改善の機構については、必ずしも明確ではないが、この
添加によって第1層表面が超微細凹凸形状となること
や、未反応部分であるRが表面に露出することによって
水滴滑落性能に何らかの影響を及ぼしているものと考え
られている。
【0030】第1層の塗布方法としては、一般に用いら
れている塗布手段、例えば浸漬引き上げ法(ディッピン
グ法),スプレー法,フローコート法,スピンコート
法,ロールコート法、さらにはブレードコーターやバー
コーターなどを用いた方法を適宜採用することができ
る。塗布された第1層の塗膜は、室温程度の温度条件の
もとで乾燥し、そのまま放置することによって、空気中
の水分で加水分解が進み、SiO2 膜が得られる。
【0031】このようにして形成されたSiO2 膜の厚
さとしては、20nm以上、100nm以下であること
が望ましい。すなわち、SiO2 膜の厚さが20nm未
満では連続した塗膜が形成され難く、十分なSi−OH
基の数が得られず、目的としている第2層との強固な結
合を達成することができず、逆に膜厚が100nmを超
えた場合には膜の透明性が損なわれると共に、処理層の
強度も低下する傾向があるため好ましくない。
【0032】そして、上記のように塗布され、乾燥され
た第1層の上に、末端に加水分解性基を持つシリコーン
化合物やその加水分解物と、希釈溶媒からなる第2の塗
布液を塗布し、第2層を形成する。
【0033】シリコーン化合物としては、(−Si(C
32 −O)−で表されるシリコーン部分の分子量
が小さ過ぎると十分な水滴滑落性が得られなくなる傾向
があることから、当該部分の分子量が1000以上であ
ることが望ましい。また、シリコーン化合物の加水分解
性基が側鎖部分に導入された構造では、水滴滑落性が悪
くなるので、末端に導入されていることが必要である。
この原因は解明されていないが、基板に固定される位置
によってシリコーンの配置が異なることや、シリコーン
の主鎖の運動性が異なることなどが理由と考えられる。
【0034】シリコーン化合物の加水分解性基として
は、アルコキシシリル基,クロロシリル基,アシロキシ
シリル基およびイソシアネートシリル基からなる群から
適宜選択して用いることができ、特に、反応の安定性が
良く、取り扱いやすいことからアルコキシシリル基の使
用が望ましい。
【0035】このようなシリコーン化合物としては、C
3 −(Si(CH32 −O)−Si(CH32
OCH3 (n>8),CH3 −(Si(CH32
O)−SiCH3 (OCH32 (n>8),CH3
−(Si(CH32 −O)−Si(OCH3 3
(n>8),CH3 −(Si(CH32 −O)−S
i(OC253 (n>8),CH3 −(Si(CH
32 −O)−Si(CH32 (OCH33 OC
2 CH(OH)CH2 NH(CH23 Si(OCH
33 (n>8),(CH3 −(Si(CH32
O)−Si(CH32 (CH23 OCH2 CH
(OH)CH2 N(CH23 Si(OCH 33
(n>8),CH3 −(Si(CH3 2 −O)−S
i(CH32 (CH22 SiCH3 Cl2 (n>
8),CH3 −(Si(CH32 −O)−SiCl
3 (n>8),CH3 −(Si(CH32 −O)
Si(OCOCH33 (n>8),CH3 −(Si
(CH32 −O)−Si(NCO) 3 (n>8),
CH3 −(Si(CH32 −O)−Si(CH3
2 (CH 23 O(CH23 OCONHSi(NC
O)3 (n>8)のようなものを例示することができ
る。
【0036】また、上記シリコーン化合物は、Rf−
(CH22 −(Si(CH32 −O)−Si(C
32 (CH23 OCH2 CH(OH)CH2 NH
Si(OCH33 (n>8,Rf:フルオロアルキル
基)や、(Rf−(CH22−(Si(CH32
O)−Si(CH32 (CH2 3 OCH2 CH
(OH)CH2 2 N(CH23 Si(OCH33
(n>8)のように、同一分子内にフルオロアルキル基
を含むものであってもよい。(−Si(CH32
O)−に対するフルオロアルキル基の比率が大きすぎ
ると水滴の滑落性能が低下する傾向が認められる一方、
処理表面に(−Si(CH3 2 −O)−とフルオロ
アルキル基が適度に分散された状態になっていると、シ
リコーンの単一系よりも優れた水滴滑落性能が得られ
る。(−Si(CH32 −O)−に対するフルオロ
アルキル基の比率としては、重量比で50%以下が望ま
しい。
【0037】フルオロアルキル基は、別の化合物として
塗布液に混合し処理表面に導入することもできる。この
ようなフルオロアルキル基を含む化合物としては、末端
に加水分解性基を持つフルオロアルキルシランなどが挙
げられる。この場合の添加量は、シリコーン化合物とフ
ルオロアルキルシランの合計を100重量%とした場
合、フルオロアルキルシランの比率が50重量%以下で
あることが望ましい。フルオロアルキルシラン化合物の
加水分解性基としては、アルコキシシリル基,クロロシ
リル基,アシロキシシリル基およびイソシアネートシリ
ル基からなる群から適宜選択して用いることができ、特
に、アルコキシシリル基が反応の安定性が良く取り扱い
やすいことから望ましい。
【0038】このようなフルオロアルキルシラン化合物
としては、CF3 CH2 CH2 Si(OCH33 [商
品名:TSL8262 東芝シリコーン(株)製],C
3CH2 CH2 SiCl3 [商品名:TSL8261
東芝シリコーン(株)製],CF3 (CF25 CH2
CH2 SiCl3 [商品名:TSL8256 東芝シ
リコーン(株)製],CF3 (CF25 CH2 CH2
Si(OCH33 [商品名:TSL8257 東芝シ
リコーン(株)製],CF3 (CF27 CH 2 CH2
SiCl3 [商品名:TSL8232 東芝シリコーン
(株)製],CF3 (CF27 CH2 CH2 Si(O
CH33 [商品名:TSL8233東芝シリコーン
(株)製],CF3 (CF27 CH2 CH2 SiCH
3 Cl2[商品名:TSL8229 東芝シリコーン
(株)製],CF3 (CF25 CH2 CH2 SiCH
3 (OCH32 [商品名:TSL8231 東芝シリ
コーン(株)製]などを例示することができる。
【0039】上記のような第2層塗布液に含まれる化合
物の加水分解を促進するために、希釈溶媒中に水と酸を
加えることも効果的である。この場合の酸としては、無
機酸、有機酸のいずれにも限定することなく使用する溶
媒に応じて選択することができる。また、さらに加水分
解を促進するために、還流を行ってもよい。
【0040】このとき、シリコーン分子は、強酸あるい
は強アルカリの存在下においてシキロサン結合の分解反
応を生じることから、酸の添加量としては、分解反応を
抑制するため、官能基の十分な加水分解性を確保するこ
とができる範囲内で、できるだけ低い濃度で使用するこ
とが望ましい。
【0041】さらに、第2層用塗布液に、微量のSiO
2 前駆体を添加すると、水滴滑落性の耐久性が向上す
る。この理由としては、SiO2 前駆体には多くの官能
基が存在し、基材表面とも、シリコーン化合物の官能基
とも反応可能なために、シリコーン化合物の基材表面へ
の導入量を増加させ、より強固に結合するためと考えら
れる。SiO2 前駆体の添加量としては、シリコーン化
合物の固形分に対して、SiO2 換算で0.1〜5重量
%の範囲とすることが好ましい。すなわち0.1重量%
に満たない場合には添加による効果が現れず、5重量%
を超えて添加した場合には、水滴滑落性能が大きく低下
する。なお、特に、0.5〜2重量%の範囲において、
優れた効果が得られる。
【0042】このようなSiO2 前駆体としては、例え
ばアルキルシラン化合物やこれを原料として合成したも
の、さらには市販されている各種のシリカゾルを用いる
ことができる。市販品の商品名としては、例えばスーパ
ーセラ(大八化学工業所製),セラミカ(日板研究所
製),HAS(コルコート社製),アトロンSiN−5
00(日本曹達(株)製),リクソンコートCGD−D
1−0600(チッソ(株)製),コルコートP(日本
コルコート社製),コルコート6P(日本コルコート社
製)などが挙げられる。
【0043】第2層の塗布液に用いる希釈溶媒として
は、上記シリコーン化合物やフルオロアルキルシラン化
合物が溶解するものであれば用いることができる。例え
ば、メタノール,エタノール,プロピルアルコール,イ
ソプロピルアルコール,ブタノールなどのアルコール
類、アセトン,メチルエチルケトンなどのケトン類、エ
ーテル類、クロロホルム、ペンタン,ヘキサン,シクロ
ヘキサンなどの脂肪族,芳香族,脂環式炭化水素などの
一般的な溶媒を挙げることができ、これらを単独で、あ
るいは混合して使用することができる。また、ベンゼ
ン,トルエン,キシレンといった無極性溶媒も極性溶媒
と任意の割合で混合して利用することができる。これら
のうち、溶解性、塗布後の蒸発速度などの観点から、特
に望ましいものとして、エタノール,プロピルアルコー
ル,イソプロピルアルコール,ブタノールなどのアルコ
ール類が挙げられる。
【0044】第2層塗膜の第1層表面への塗布方法とし
ては、一般に用いられている塗布手段を用いることがで
き、例えば浸漬引き上げ法(ディッピング法),スプレ
ー法,フローコート法,スピンコート法,ロールコート
法、さらにはブレードコーターやバーコーターなどを用
いた方法を適宜採用できる。また、簡便には、綿布に塗
布液を含ませて塗り拡げる方法を用いることもできる。
【0045】第2層を塗布・乾燥した後、室温から組成
物の分解温度以下の温度範囲で処理し、これによって第
1層表面に存在するSi−OH基と、第2層中のシリコ
ーン化合物やフルオロアルキルシラン末端の加水分解性
基やその加水分解物との間にシロキサン(Si−O−S
i)結合が形成され、第1層と第2層の間に強固な結合
が達成される。
【0046】以上の処理によって、水滴滑落性に優れた
表面処理膜が完成されるが、第2層が過剰に塗布されて
いる場合は、溶剤によって過剰分を拭き取ることができ
る。拭き取り用の溶剤としては、第2層塗布液の希釈液
として使用したものの中から、第1層に結合させたシリ
コーン化合物までも溶解することのない適度な溶解性を
備えたものを選ぶことが望ましい。
【0047】本発明に用いる基材としては、無機ガラ
ス,プラスチック,金属,樹脂など挙げることができる
が、特に、無機ガラスが好適であり、建造物や乗り物用
の窓ガラスやミラーなどに用いることができる。
【0048】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わる水滴滑落性に
優れた膜形成用表面処理材は、2種類のイソシアネート
シラン、すなわちSi(NCO)4 とRaSi(NC
O)4-a(RはCH3 またはC2 5 、aは1〜3)と
希釈溶媒を含み、Si(NCO) 4 とRSi(NC
O)4-aの重量比が99.8:0.2〜92.0:8.
0である第1層塗布液と、末端に加水分解性基を持つシ
リコーン化合物やその加水分解物と希釈溶媒を含む第2
層塗布液からなるものであるから、例えばガラスなどの
基材上に、表面水滴滑落性能および耐久性能共に優れた
表面処理膜を得ることができるという極めて優れた効果
をもたらすものである。
【0049】本発明の請求項2に係わる膜形成用表面処
理材においては、第1層塗布液中に含まれる前記2種類
のイソシアネートシランの重量比を99.5:0.5〜
97.0:3.0の範囲とにしているので、Si(NC
O)4 にRSi(NCO) 4-aを併用する効果を最大
限のものとして、水滴滑落性および耐久性を確実に向上
させることができ、請求項3に係わる膜形成用表面処理
材においては、第2層塗布液に含まれるシリコーン化合
物の(−Si(CH32 −O)−で表されるシリコ
ーン部分の分子量が1000以上であるから、表面処理
膜の水滴滑落性能をより向上させることができ、請求項
4に係わる膜形成用表面処理材においては、第2層塗布
液中のシリコーン化合物が同一分子内にフルオロアルキ
ル基を含んでいるので、シリコーン部分とフルオロアル
キル部分が適度に分散し、シリコーン単一系よりも優れ
た水滴滑落性能を得ることができ、請求項5に係わる膜
形成用表面処理材においては、第2層塗布液中のシリコ
ーン化合物末端の加水分解性基がアルコキシシリル基で
あるから、加水分解反応の安定性を向上させることがで
き、水滴滑落性および耐久性に優れた表面処理膜をより
確実に得ることができ、本発明の請求項6に係わる膜形
成用表面処理材においては、第2層塗布液として、上記
シリコーン化合物やその加水分解物に加えて、末端に加
水分解性基を持つフルオロアルキルシラン化合物やその
化合物の加水分解物を含んだものを使用するようにして
いるので、請求項4に係わる表面処理材と同様に、シリ
コーン単一系よりも優れた水滴滑落性能を得ることがで
き、さらに請求項7に係わる膜形成用表面処理材におい
ては、上記フルオロアルキルシラン化合物の加水分解性
基がアルコキシシリル基であるから、請求項5に係わる
表面処理材と同様に、加水分解反応の安定性を向上させ
ることができるという優れた効果がもたらされる。
【0050】また、本発明の請求項8に係わる膜形成用
表面処理材においては、第2層の塗布液中に、塗布液中
の全固形分に対してSiO2 換算で0.1〜5重量%の
SiO2 前駆体が含まれているので、水滴滑落性の耐久
性をさらに向上させることができ、請求項9に係わる膜
形成用表面処理材においては、第1層の膜厚が乾燥状態
で20〜100nmであるから、透明性を損なうことな
く、第2層との強固な結合状態を得ることができ、請求
項10に係わる膜形成用表面処理材においては、基材が
ガラスであるから、その表面に強固に密着させることが
でき、建造物,車両,船舶,航空機などの窓ガラスやミ
ラーなどに広く適用することができるという優れた効果
が得られる。
【0051】本発明の請求項11に係わる水滴滑落性に
優れた表面処理膜の形成方法においては、イソシアネー
トシランとしてSi(NCO)4 とRSi(NCO)
4-a(RはCH3 またはC25 、aは1〜3)の2種
類を含み、これらの重量比が99.8:0.2〜92.
0:8.0の範囲である第1層塗布液を塗布して乾燥し
たのち、この上に、末端に加水分解性基を持つシリコー
ン化合物やその加水分解物を含む第2層塗布液を塗布し
て乾燥するようにしているので、シリコーンの導入量が
増し、水滴滑落性能および耐久性能に優れた表面処理材
を得ることができるという極めて優れた効果がもたらさ
れる。
【0052】本発明の請求項12に係わる表面処理膜の
形成方法においては、第1層塗布液中に含まれる2種類
のイソシアネートシランの重量比を99.5:0.5〜
97.0:3.0の範囲とにしているので、RSi
(NCO)4-aの併用効果を最大限に発揮させて、水滴
滑落性および耐久性の向上を確実なものとすることがで
きる。
【0053】本発明の請求項13に係わる表面処理膜の
形成方法においては、第2層塗布液に含まれるシリコー
ン化合物におけるジメチルシロキサン部分の分子量が1
000以上であるから、当該表面処理膜の水滴滑落性能
をより向上させることができ、請求項14に係わる表面
処理膜の形成方法においては、第2層塗布液中のシリコ
ーン化合物が同一分子内にフルオロアルキル基を含んで
いるので、シリコーン部分とフルオロアルキル部分が適
度に分散することによって、シリコーン単一系の塗布液
を用いた場合よりも優れた水滴滑落性能が得られ、請求
項15に係わる表面処理膜の形成方法においては、第2
層塗布液中のシリコーン化合物末端の加水分解性基がア
ルコキシシリル基であるから、加水分解反応の安定性を
向上させることができる。
【0054】また、本発明の請求項16に係わる表面処
理膜の形成方法においては、第2層塗布液として、上記
シリコーン化合物やその加水分解物に加えて、末端に加
水分解性基を持つフルオロアルキルシラン化合物やその
化合物の加水分解物を含んだものを使用するようにして
いるので、請求項14に係わる形成方法と同様に、シリ
コーン単一系よりも優れた水滴滑落性能を得ることがで
き、請求項17に係わる表面処理膜の形成方法において
は、上記フルオロアルキルシラン化合物の加水分解性基
がアルコキシシリル基であるから、請求項15に係わる
形成方法と同様に、加水分解反応の安定性を向上させる
ことができるという効果がもたらされる。
【0055】さらに、本発明の請求項18に係わる表面
処理膜の形成方法においては、第2層の塗布液中に、塗
布液中の全固形分に対してSiO2 換算で0.1〜5重
量%のSiO2 前駆体が含まれているので、水滴滑落性
の耐久性をさらに向上させることができ、請求項19に
係わる表面処理膜の形成方法においては、第1層をその
膜厚が乾燥状態で20〜100nmとなるように塗布す
るようにしているので、透明性を損なうことなく、第2
層との強固な結合状態を得ることができ、請求項20に
係わる表面処理膜の形成方法材においては、被処理基材
としてガラスを用いるようにしているので、例えば建造
物,車両,船舶,航空機などの窓ガラスやミラーなどに
広く適用することができる。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて、さらに具
体的に説明する。なお、本発明はこれら実施例のみに限
定されるものではない。
【0057】各実施例においては、得られた表面処理膜
の表面特性を水滴滑落性および撥水性について評価し、
以下に詳述する試験方法に基づいて、水滴滑落性は水滴
滑落速度および実車走行試験により、撥水性は水滴接触
角を測定することによってそれぞれ評価した。
【0058】[試験方法] 1.水滴接触角:測定装置として、協和界面科学(株)
製全自動接触角計(CA−X型)、あるいは同社製接触
角計(CA−D型)を使用し、表面処理膜を形成した試
験片上に滴下した水滴の接触角を液滴法により測定し
た。 2.水滴滑落速度:試験片を水平面に対して30°傾け
て固定し、5〜30μLの水滴を滴下し、該水滴が4c
mの距離を移動するのに要する時間を測定し、この結果
に基づいて移動速度を算出し、水滴滑落速度とした。 3.実車走行試験:試験片を自動車のウインドシールド
の前面に貼り付け、雨天走行したときの走行速度と試験
片に付着した雨滴の転がり状況の関係を調べ、時速30
kmで雨滴が移動する場合を◎、時速40kmで雨滴が
移動する場合を○、時速60kmで雨滴が移動する場合
を△、時速60kmでも雨滴が移動しない場合を×で評
価した。 4.耐久試験:水を含ませた綿布を用いて、手作業によ
って力を加えながら試験片の表面を都合50回払拭した
のち、上記方法に基づいて水滴接触角および水滴滑落速
度を測定した。なお、綿布は10回の払拭ごとに新しい
ものに交換した。
【0059】実施例1 酢酸ブチル49gに、0.99gのSi(NCO)
4 と、0.01gのCH3Si(NCO)3 を添加した
のち、室温にてマグネチックスターラーで5分間攪拌す
ることによって、第1層用の塗布液を準備した。
【0060】一方、ジメチルシロキサン部分の分子量が
約4600であって、末端にエポキシ基を有する分子量
5000のシリコーン化合物(商品名:FM−0521
チッソ(株)製)と、アミノ基を有するシランカップ
ラー(構造式:NH2 CH2CH2 CH2 Si(OCH3
3 商品名:KBM903 信越化学工業(株)
製)とを反応させて、末端に加水分解可能な官能基であ
るトリメトキシシリル基を備えたシリコーン化合物を得
た。次に、得られたシリコーン化合物をシリコーンの固
形分濃度が2重量%となるようにイソプロパノールに溶
解し、これに濃硝酸(比重1.38)を水で200倍
(重量比)に希釈した硝酸水溶液を添加して硝酸濃度が
0.0048重量%となるようにした。そして、この混
合液を50℃に加温した状態で1時間攪拌し、得られた
溶液に、SiO2 前駆体としてリクソンコートCGS−
D1−0600(チッソ(株)製)をSiO2 換算でシ
リコーン化合物の1重量%となるように添加し、第2層
用の塗布液とした。
【0061】基板としては、100mm×100mmの
ソーダライムガラスを用い、ガラス用アルカリ洗浄液中
に1時間以上浸漬した後、水で洗浄して乾燥させた。
【0062】このように準備したガラス上に、第1層塗
布液(2mL)をスピンコーティング法により、回転速
度200rpm,回転時間50秒の条件で塗布したの
ち、室内で2時間そのまま放置し、SiO2 膜を形成さ
せた。
【0063】次いで、上記SiO2 膜(第1層)の上
に、第2層塗布液を0.5mL滴下し、綿布により前面
に塗り拡げるようにして塗布した。その後、そのまま室
温に5時間放置し、第1層と第2層の間の反応を進ませ
た。このようにして得られた処理膜には、第2層に塗り
むらが認められたが、アセトンとイソプロピルアルコー
ルの1:1の混合溶液で過剰の薬剤を拭き取ることによ
って透明な処理膜となった。処理膜の断面をSEM(走
査型電子顕微鏡)で観察したところ、第1層の厚さは約
60nmであったが、第2層は観察できるレベルの厚み
を持っていなかった。
【0064】このようにして得られた表面処理膜の形成
直後および耐久試験後の水滴滑落性および撥水性は、表
2に示すとおりで、処理膜は水滴滑落性に優れ、自動車
のウインドシールドに挿着した場合にも、通常の走行速
度で雨滴が除去できる程度の性能を示すと共に、耐久試
験後においても性能に劣化は認められなかった。
【0065】実施例2 第1層用の塗布液の準備に際して、Si(NCO)4
0.998g、CH3Si(NCO)3 を0.002g
としたことを除いて、実施例1と同様の手順によって同
一ガラス基板上に表面処理膜を形成した。
【0066】処理膜の断面をSEMで観察した結果、第
1層の厚さは、実施例1と同様に、約60nmであり、
第2層は観察できるレベルではなかった。
【0067】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りで、実施例1に係わる表面処理材とほぼ同様の表面特
性を備えていることが確認された。
【0068】実施例3 Si(NCO)4 を0.92g、CH3 Si(NCO)
3 を0.08gとして第1層用の塗布液を準備したこと
以外は、実施例1と同様の手順によって表面処理膜を形
成した。
【0069】処理膜の断面をSEMで観察した結果、同
様に、第1層の厚さは約60nmであり、第2層は観察
できるレベルではなかった。
【0070】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りで、処理膜は良好な水滴滑落性を備え、実車走行試験
においては、速めの通常走行程度の車速で雨滴が除去で
きる性能を示し、耐久試験後においても性能の劣化は認
められなかった。
【0071】実施例4 第1層用の塗布液の準備に際して、Si(NCO)4
0.995g、CH3Si(NCO)3 を0.005g
としたことを除いて、実施例1と同様の手順によって表
面処理膜を形成した。このようにして得られた処理膜の
SEM観察の結果では、同様に、第1層の厚さは約60
nmであり、第2層は観察できるレベルではなかった。
【0072】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りで、得られた処理膜は極めて優れた水滴滑落性を有
し、実車走行試験においても低速走行でも雨滴が除去で
きる優れた性能を示し、耐久試験後においても性能の劣
化は認められなかった。
【0073】実施例5 Si(NCO)4 を0.98g、CH3 Si(NCO)
3 を0.02gとして第1層用の塗布液を準備したこと
を除いて、実施例1と同様の手順によって表面処理膜を
形成した。得られた処理膜のSEM観察結果によれば、
同様に、第1層の厚さは約60nmであり、第2層は観
察できるレベルの厚みを持っていなかった。
【0074】また、当該表面処理膜の形成直後および耐
久試験後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示
すとおりで、処理膜は極めて優れた水滴滑落性を有し、
実施例4に係わる表面処理材とほぼ同様の表面特性を備
えていることが確認され、耐久試験後においても性能の
劣化は認められなかった。
【0075】実施例6 酢酸ブチル49gに、0.98gのSi(NCO)
4 と、0.02gのC2 5 Si(NCO)3 をそれぞ
れ添加したのち、室温にてマグネチックスターラーで5
分間攪拌することによって、第1層用の塗布液を準備し
た。
【0076】一方、第2層用の塗布液としては、シリコ
ーン化合物としてCH3 −(Si(CH32 −O)25
−Si(OCH33 (ジメチルシロキサン部分の分子
量約1850)を用い、シリコーンの固形分濃度が2重
量%となるようにイソプロピルアルコールに溶解し、こ
れに濃硝酸(比重1.38)を水で200倍(重量比)
に希釈した硝酸水溶液を添加して硝酸濃度が0.004
8重量%となるようにした。そして、この混合液を50
℃に加温した状態で1時間攪拌し、得られた溶液に、S
iO2 前駆体としてリクソンコートCGS−D1−06
00(チッソ(株)製)をSiO換算でシリコーン化
合物の1重量%となるように添加した。
【0077】これ以外は、実施例1と同様の手順によっ
て前記ガラス基板上に表面処理膜を形成した。得られた
処理膜のSEM観察によれば、第1層の厚さは約60n
mであり、第2層は観察できるレベルではなかった。
【0078】このようにして形成された表面処理膜の形
成直後および耐久試験後の水滴滑落性および撥水性は、
表2に併せて示すとおりで、処理膜は良好な水滴滑落性
を備え、実車走行試験においては、速めの通常走行程度
の車速で雨滴が除去できる性能を示し、耐久試験後にお
いても性能の劣化は認められなかった。
【0079】実施例7 酢酸ブチル49gに、0.98gのSi(NCO)4
と、0.02gの(C252 Si(NCO)2 をそ
れぞれ添加したのち、室温にてマグネチックスターラー
で5分間攪拌することによって、第1層用の塗布液を準
備した。
【0080】これ以外は、実施例6と同様の手順によっ
て表面処理膜を形成した。得られた処理膜のSEM観察
結果によれば、同様に第1層の厚さは約60nmであ
り、第2層は観察できるレベルにはなかった。
【0081】このようにして得られた表面処理膜の形成
直後および耐久試験後の水滴滑落性および撥水性は、表
2に併せて示すとおりで、処理膜は良好な水滴滑落性を
備え、実施例6に係わる表面処理膜とほぼ同様の表面特
性を備えていることが確認され、耐久試験後においても
性能の劣化は認められなかった。
【0082】実施例8 酢酸ブチル49gに、0.998gのSi(NCO)4
と、0.002gの(C253 Si(NCO)をそ
れぞれ添加し、室温にてマグネチックスターラーで5分
間攪拌することによって、第1層用の塗布液を得た。
【0083】これ以外は、実施例6と同様の手順によっ
て表面処理膜を形成した。得られた処理膜のSEM観察
結果によれば、同様に第1層の厚さは約60nmであ
り、第2層は観察できるレベルにはなかった。
【0084】このようにして形成された表面処理膜の形
成直後および耐久試験後の水滴滑落性および撥水性は、
表2に併せて示すとおりで、処理膜は良好な水滴滑落性
を備え、実施例6に係わる表面処理膜とほぼ同様の表面
特性を備え、耐久試験後においても性能の劣化は認めら
れなかった。
【0085】実施例9 実施例5と同様に、酢酸ブチル49gに、0.98gの
Si(NCO)4 と、0.02gのCH3 Si(NC
O)3 をそれぞれ添加したのち、室温にてマグネチック
スターラーで5分間攪拌することによって、第1層用の
塗布液を準備した。
【0086】一方、第2層用の塗布液としては、シリコ
ーン化合物としてCH3 −(Si(CH32 −O)20
−Si(OCH33 (ジメチルシロキサン部分の分子
量約1500)を用い、シリコーンの固形分濃度が2重
量%となるようにイソプロピルアルコールに溶解し、こ
れに濃硝酸(比重1.38)を水で200倍(重量比)
に希釈した硝酸水溶液を添加して硝酸濃度が0.004
8重量%となるようにした。そして、この混合液を50
℃に加温した状態で1時間攪拌し、得られた溶液に、S
iO2 前駆体としてリクソンコートCGS−D1−06
00(チッソ(株)製)をSiO2 換算でシリコーン化
合物の1重量%となるように添加した。これ以外は、上
記実施例と同様の手順によって表面処理膜を形成した。
得られた処理膜のSEM観察によれば、第1層の厚さは
約60nmであり、第2層は観察できるレベルではなか
った。
【0087】形成された表面処理膜の形成直後および耐
久試験後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示
すとおりで、処理膜は良好な水滴滑落性を備え、実車走
行試験においては、速めの通常走行程度の車速で雨滴が
除去できる性能を示し、耐久試験後においても性能の劣
化は認められなかった。
【0088】実施例10 第1層用として、実施例5と同様の塗布液を準備した。
【0089】一方、ジメチルシロキサン部分の分子量が
約9600であって、末端にエポキシ基を有する分子量
9918のシリコーン化合物(商品名:FM−0525
チッソ(株)製)と、アミノ基を有するシランカップ
ラー(構造式:NH2 CH2CH2 CH2 Si(OCH3
3 商品名:KBM903 信越化学工業(株)
製)とを反応させて、末端に加水分解可能な官能基であ
るトリメトキシシリル基を備えたシリコーン化合物を得
た。次に、得られたシリコーン化合物をシリコーンの固
形分濃度が2重量%となるようにイソプロパノールに溶
解し、これに濃硝酸(比重1.38)を水で200倍
(重量比)に希釈した硝酸水溶液を添加して硝酸濃度が
0.0048重量%となるようにした。そして、この混
合液を50℃に加温した状態で1時間攪拌し、得られた
溶液に、SiO2 前駆体としてリクソンコートCGS−
D1−0600(チッソ(株)製)をSiO2 換算でシ
リコーン化合物の1重量%となるように添加し、第2層
用の塗布液を準備した。
【0090】これ以外は、上記実施例と同様の手順によ
って表面処理膜を形成し、得られた処理膜をSEM観察
したところ、第1層の厚さは同様に約60nmであり、
第2層の厚さは測定できるレベルにはなかった。
【0091】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りで、得られた処理膜は極めて優れた水滴滑落性を示
し、実車走行試験においては、低速走行でも雨滴が除去
できる程度の優れた性能を備えていることが確認され、
耐久試験後も性能の劣化は認められなかった。
【0092】実施例11 第1層用として、実施例5と同様の塗布液を準備した。
【0093】一方、ジメチルシロキサン部分の分子量が
約600であって、末端にエポキシ基を有する分子量8
71のシリコーン化合物(商品名:FM−0525 チ
ッソ(株)製)と、上記のシランカップラー(商品名:
KBM903 信越化学工業(株)製)とを反応させ
て、末端に加水分解可能な官能基であるトリメトキシシ
リル基を備えたシリコーン化合物を得た。そして、同様
にイソプロパノールに溶解すると共に、硝酸濃度が0.
0048重量%となるように硝酸水溶液を添加し、加温
および攪拌ののち、得られた溶液に、同様のSiO2
駆体を同様に添加し、第2層用の塗布液を得た。
【0094】これ以外は、上記実施例と同様の手順によ
って表面処理膜を形成し、得られた処理膜をSEM観察
したところ、第1層の厚さは同様に約60nmであり、
第2層の厚さは測定できるレベルにはなかった。
【0095】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りで、処理膜は良好な水滴滑落性を備え、実車走行試験
においては、速めの通常走行程度の車速で雨滴が除去で
きる性能を示し、耐久試験後においても性能の劣化は認
められなかった。
【0096】実施例12 実施例5と同様の塗布液を第1層用として準備した。
【0097】一方、ジメチルシロキサン部分の分子量が
約3700であって、末端にエポキシ基を有し、他端に
フルオロアルキル基として−C817を有する分子量4
440のシリコーン化合物(商品名:XP−1044
チッソ(株)製)と、アミノ基を有する上記シランカッ
プラー(商品名:KBM903 信越化学工業(株)
製)とを反応させて、末端に加水分解可能な官能基であ
るトリメトキシシリル基を備えたシリコーン化合物を得
た。そして、同様にイソプロパノールに溶解すると共
に、硝酸濃度が0.0048重量%となるように硝酸水
溶液を添加し、加温および攪拌ののち、得られた溶液
に、同様のSiO2 前駆体を同様に添加し、第2層用の
塗布液とした。
【0098】これ以外は、上記実施例と同様の手順によ
って表面処理膜を形成し、得られた処理膜をSEM観察
したところ、同様に第1層の厚さは約60nmであり、
第2層の厚さは測定できるレベルにはなかった。
【0099】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りであって、得られた処理膜は極めて優れた水滴滑落性
を示し、低速走行でも雨滴が除去できる程度の優れた性
能を有し、耐久試験後の性能劣化も認められなかった。
【0100】実施例13 実施例5と同様の塗布液を第1層用として準備した。
【0101】一方、シリコーン化合物としてC817
(Si(CH32 −O)25−Si(OCH33 (ジ
メチルシロキサン部分の分子量約1850)を用い、こ
のシリコーン化合物を上記実施例と同様にイソプロピル
アルコールに溶解すると共に、硝酸濃度が0.0048
重量%となるように硝酸水溶液を添加し、加温および攪
拌ののち、得られた溶液に、同様のSiO2 前駆体を同
様に添加し、第2層用の塗布液とした。
【0102】これ以外は、上記実施例と同様の手順によ
って表面処理膜を形成した。得られた処理膜のSEM観
察によれば、第1層の厚さは同様に約60nmであり、
第2層の厚さは測定できる厚さレベルにはなかった。
【0103】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りであって、処理膜は水滴滑落性に優れ、実車走行試験
においては、通常の走行速度で雨滴が除去できる程度の
性能を示すと共に、耐久試験後においても性能の劣化は
認められなかった。
【0104】実施例14 実施例5と同様の塗布液を第1層用として準備する一
方、シリコーン化合物としてC817−(Si(CH
32 −O)20−Si(OCH33 (ジメチルシロキ
サン部分の分子量約1500)を用い、このシリコーン
化合物を上記実施例と同様にイソプロピルアルコールに
溶解すると共に、硝酸水溶液を同様に添加し、加温およ
び攪拌ののち、得られた溶液に、同様のSiO2 前駆体
を同様に添加することによって、第2層用の塗布液を得
た。
【0105】これ以外は、上記実施例と同様の手順によ
って表面処理膜を形成し、得られた処理膜をSEM観察
したところ、第1層の厚さは同様に約60nmであり、
第2層の厚さは測定できるレベルにはなかった。
【0106】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りで、処理膜は水滴滑落性に優れ、上記実施例13と同
等の水滴滑落性および耐久性を示すことが確認された。
【0107】実施例15 実施例5と同様の塗布液を第1層用として準備した。
【0108】そして、シリコーン化合物として、C8
17−(Si(CH32 −O)130−Si(OCH33
(ジメチルシロキサン部分の分子量約9600)を用
い、このシリコーン化合物を上記実施例と同様にイソプ
ロピルアルコールに溶解すると共に、硝酸水溶液を同様
に添加し、加温および攪拌ののち、得られた溶液に、同
様のSiO2 前駆体を同様に添加することによって、第
2層用の塗布液を得た。
【0109】これ以外は、上記実施例と同様の手順によ
って表面処理膜を形成し、得られた処理膜をSEM観察
した結果、同様に第1層の厚さは約60nmであり、第
2層の厚さは測定できるレベルにはなかった。
【0110】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りであって、得られた処理膜は極めて優れた水滴滑落性
を示し、低速走行でも雨滴が除去できる程度の優れた性
能が確認され、耐久試験後においても性能劣化は認めら
れなかった。
【0111】実施例16 実施例5と同様の塗布液を第1層用として準備する一
方、シリコーン化合物としてC817−(Si(CH
32 −O)10−Si(OCH33 (ジメチルシロキ
サン部分の分子量約740)を用い、このシリコーン化
合物を上記実施例と同様にイソプロピルアルコールに溶
解すると共に、硝酸水溶液を同様に添加し、加温および
攪拌ののち、得られた溶液に、同様のSiO2 前駆体を
同様に添加することによって、第2層用の塗布液を得
た。
【0112】これ以外は、上記実施例と同様の手順によ
って表面処理膜を形成し、得られた処理膜をSEM観察
したところ、第1層の厚さは同様に約60nmであり、
第2層の厚さは測定できるレベルにはなかった。
【0113】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りで、処理膜は良好な水滴滑落性を備え、実車走行試験
においては、速めの通常走行程度の車速で雨滴が除去で
きる性能を示し、耐久試験後においても性能の劣化は認
められなかった。
【0114】実施例17 実施例5と同様の塗布液を第1層用として準備した。
【0115】第2層用の塗布液としては、実施例1で用
いたジメチルシロキサン部分の分子量が約4600のシ
リコーン化合物(商品名:FM−0521 チッソ
(株)製)と、アミノ基を有するシランカップラー(商
品名:KBM903 信越化学工業(株)製)とを反応
させて得たトリメトキシシリル基を備えたシリコーン化
合物と、フルオロアルキルシラン化合物としてC817
(CH22 Si(OCH 33 (商品名:TSL82
33 GE東芝シリコーン(株)製)を用い、これらを
前記シリコーン化合物とフルオロアルキルシラン化合物
の重量比率が80:20であって、これら化合物の固形
分濃度の合計が2重量%となるようにイソプロピルアル
コールに溶解したのち、室温で2時間攪拌し、さらにS
iO2 前駆体としてリクソンコートCGS−D1−06
00(チッソ(株)製)をSiO2 換算でシリコーン化
合物の1重量%となるように添加することによって準備
した。
【0116】そして、これ以外は上記実施例と同様の手
順によって表面処理膜を形成した。得られた処理膜をS
EM観察し、第1層の厚さは同様に約60nmであり、
第2層の厚さは測定できるレベルにはないことを確認し
た。
【0117】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りで、得られた処理膜は極めて優れた水滴滑落性を示
し、低速走行でも雨滴が除去できる程度の優れた性能が
得られ、耐久試験後においても性能劣化は認められなか
った。
【0118】実施例18 実施例5と同様の塗布液を第1層用として準備すると共
に、第2層用の塗布液として、実施例17と同様に、前
記シリコーン化合物(商品名:FM−0521)と、シ
ランカップラー(商品名:KBM903)とを反応させ
たシリコーン化合物と、前記フルオロアルキルシラン化
合物(商品名:TSL8233)を用い、これら化合物
をその重量比が60:40であって、固形分濃度の合計
が2重量%となるようにイソプロピルアルコールに溶解
すると共に、室温で2時間攪拌したのち、SiO2 前駆
体としてのリクソンコートCGS−D1−0600(チ
ッソ(株)製)を同様に添加したものを準備した。
【0119】そして、これ以外は上記実施例と同様の手
順に基づいて表面処理膜を形成した。得られた処理膜
は、SEM観察の結果、第1層の厚さは同様に約60n
mであり、第2層の厚さは測定できるレベルにはないこ
とが確認された。
【0120】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りで、得られた処理膜は極めて優れた水滴滑落性を示
し、低速走行でも雨滴が除去できる程度の優れた性能が
得られ、耐久試験後においても性能劣化は認められなか
った。
【0121】実施例19 第2層用の塗布液の調整に際して、前記シリコーン化合
物(商品名:FM−0521)と、シランカップラー
(商品名:KBM903)とを反応させたシリコーン化
合物と、前記フルオロアルキルシラン化合物(商品名:
TSL8233)の重量比を40:60としたことを除
いて、上記実施例17および18と同様の手順によって
表面処理膜を形成した。
【0122】得られた処理膜は、SEM観察の結果、同
様に第1層の厚さが約60nmであり、第2層の厚さは
測定できるレベルにはないことが判明した。
【0123】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りで、得られた処理膜は水滴滑落性に優れ、実車走行試
験において、通常の走行速度で雨滴が除去できる程度の
性能を示すと共に、耐久試験後においても性能の劣化は
認められなかった。
【0124】実施例20 第1層用として、実施例5と同様の塗布液を使用すると
共に、第2層用の塗布液としては、SiO2 前駆体を添
加することなく、実施例1で使用したシリコーン化合物
(商品名:FM−0521)と、シランカップラー(商
品名:KBM903)とを反応させて得たシリコーン化
合物を用いた塗布液を使用し、これ以外は、上記実施例
1ないし5と同様の手順によって表面処理膜を形成し
た。得られた処理膜の断面をSEMで観察した結果、第
1層の厚さは、同様に約60nmであり、第2層はSE
Mで観察できるレベルにはなかった。
【0125】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表1に併せて示すとお
りであって、得られた処理膜は極めて優れた水滴滑落性
を示し、低速走行時にも雨滴が除去できる程度であっ
た。また、耐久試験後においては、性能の若干の劣化が
認められるものの、比較的良好な水滴滑落性を備えてい
ることが確認された。
【0126】実施例21 第1層用としては実施例5と同様の塗布液を使用すると
共に、第2層用の塗布液として、実施例1と同様に、シ
リコーン化合物(商品名:FM−0521)と、シラン
カップラー(商品名:KBM903)とを反応させて得
たシリコーン化合物を用い、これにSiO2 前駆体とし
てのリクソンコートCGS−D1−0600(チッソ
(株)製)をSiO2 換算でシリコーン化合物の0.1
重量%となるように添加した塗布液を使用し、これ以外
は上記実施例1ないし5と同様の手順によって表面処理
膜を形成した。得られた処理膜における第1層の厚さ
は、SEM観察の結果、約60nmであり、第2層はS
EMによる測定レベルにはないことが判明した。
【0127】この表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りであって、表面に形成された処理膜は極めて優れた水
滴滑落性を示し、実車走行試験においては低速走行時に
も雨滴が除去される程度の性能が得られた。また、耐久
試験後においては、若干の性能劣化が認められるもの
の、十分な水滴滑落性を備えていることが確認された。
【0128】実施例22 第2層用の塗布液に添加するSiO2 前駆体として、リ
クソンコートCGS−D1−0600(チッソ(株)
製)をSiO2 換算でシリコーン化合物の0.5重量%
となるように添加したこと以外は、上記実施例21と同
様の手順によって表面処理膜を形成した。得られた処理
膜の断面をSEMで観察した結果、第1層の厚さは、同
様に約60nmであり、第2層はSEMで観察できるレ
ベルにはなかった。
【0129】また、この表面処理膜の形成直後および耐
久試験後の水滴滑落性および撥水性は、表1に併せて示
すとおりであって、表面に形成された処理膜は極めて優
れた水滴滑落性を示した。耐久試験後においては、若干
の性能劣化が認められるものの、十分な水滴滑落性を備
えていることが確認された。
【0130】実施例23 第2層用の塗布液に添加するSiO2 前駆体として、リ
クソンコートCGS−D1−0600(チッソ(株)
製)をSiO2 換算でシリコーン化合物の3重量%とな
るように添加したこと以外は、上記実施例21と同様の
手順によって表面処理膜を形成した。得られた処理膜の
断面をSEMで観察した結果、第1層の厚さは、同様に
約60nmであり、第2層はSEMで観察できるレベル
の厚さはなかった。
【0131】この表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りであって、表面に形成された処理膜は極めて優れた水
滴滑落性を示した。また、耐久試験後においても性能劣
化は認められなかった。
【0132】実施例24 第2層用の塗布液に添加するSiO2 前駆体として、リ
クソンコートCGS−D1−0600(チッソ(株)
製)をSiO2 換算でシリコーン化合物の5重量%とな
るように添加したことを除いて、上記実施例21と同様
の手順によって表面処理膜を形成した。得られた処理膜
の断面をSEMで観察した結果、第1層の厚さは、同様
に約60nmであり、第2層についてはSEMで観察で
きるレベルの厚さはなかった。
【0133】この表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りであって、表面に形成された処理膜は水滴滑落性に優
れ、実車走行試験においては、通常の走行速度で雨滴が
除去できる程度の性能を示すと共に、耐久試験後におい
ても性能の劣化は認められなかった。
【0134】実施例25 第2層用の塗布液に添加するSiO2 前駆体として、リ
クソンコートCGS−D1−0600(チッソ(株)
製)をSiO2 換算でシリコーン化合物の8重量%とな
るように添加したこと以外は、上記実施例21と同様の
手順によって表面処理膜を形成した。得られた処理膜の
断面をSEMで観察した結果、第1層の厚さは、同様に
約60nmであり、第2層はSEMで観察できるレベル
にはなかった。
【0135】この表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りであって、処理膜は良好な水滴滑落性を備え、実車走
行試験においては、速めの通常走行程度の車速で雨滴が
除去できる性能を示し、耐久試験後においても性能の劣
化は認められなかった。
【0136】実施例26 第1層の塗装に際して、実施例5と同様の塗布液を使用
し、スピンコーティング法に替えて、塗布液を綿布に含
ませて塗り拡げたのち風乾する方法を採用したこと以外
は、実施例1ないし5と同様の手順によって表面処理膜
を形成した。
【0137】得られた処理膜の断面をSEM観察したと
ころ、第1層の厚さは約15nmであり、第2層はSE
Mにより観察できるレベルの厚さを備えていなかった。
【0138】この表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りであって、処理膜は良好な水滴滑落性を備え、実車走
行試験においては、速めの通常走行程度の車速で雨滴が
除去できる性能を示し、耐久試験後においても性能の劣
化は認められなかった。
【0139】実施例27 第1層の塗装液の固形分濃度を1重量%(酢酸ブチル4
9.5gに、0.49gのSi(NCO)4 と、0.0
1gのCH3 Si(NCO)3 を添加)となるようにし
たことを除いて、実施例5と同様の方法によって表面処
理膜を形成した。処理膜の断面をSEM観察したとこ
ろ、第1層の厚さは約30nm、第2層はSEMにより
観察できるレベルの厚さを備えていなかった。
【0140】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りであって、処理膜は良好な水滴滑落性を備え、実車走
行試験において、速めの通常走行程度の車速で雨滴が除
去できる性能を示し、耐久試験後においても性能の劣化
は認められなかった。
【0141】実施例28 第1層の塗装に際して、回転速度100rpmで50秒
間スピンコートしたこと以外は、実施例5と同様の方法
によって前記ガラス基材上に表面処理膜を形成した。
【0142】得られた処理膜の断面をSEM観察したと
ころ、第1層の厚さは約80nmであり、第2層はSE
Mにより観察できるレベルの厚さを備えていなかった。
【0143】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りであって、表面に形成された処理膜は極めて優れた水
滴滑落性を示し、耐久試験後においても性能劣化は認め
られなかった。
【0144】実施例29 第1層の塗装に際して、最初のスピンコートを行って風
乾した後に、再度同じ条件でスピンコートを行う2度塗
りとしたこと以外は、実施例5と同様の方法によって表
面処理膜を形成した。得られた処理膜は、その透過光を
見た時にややヘイズが感じられるものであった。また、
その断面のSEM観察の結果、第1層の厚さは約120
nmであり、第2層はSEMにより観察できるレベルの
厚さを備えていないことが判明した。
【0145】この表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りであって、表面に形成された処理膜は極めて優れた水
滴滑落性を有し、実車走行試験においては低速走行時に
も雨滴が除去される程度の優れた性能を示した。また、
耐久試験後においても性能の劣化は認められなかった。
【0146】比較例1 第1層の塗布を行うことなく、実施例1において第2層
用として用いた塗布液を前記ソーダライムガラス基板上
に直接塗布し、これ以外は実施例1と同様の条件のもと
に表面処理膜を形成した。
【0147】このようにして得られた表面処理膜の水滴
滑落性および撥水性は、表1に併せて示すとおりであっ
て、形成された処理膜は水滴接触角は高いものの、水滴
滑落性に劣り、自動車のウインドシールドに装着した場
合もかなりの高速走行をしないと付着した雨滴を除去す
ることはできなかった。
【0148】比較例2 第1層用の塗布液の準備に際して、CH3 Si(NC
O)3 を添加することなく、酢酸ブチル49gに、Si
(NCO)4 のみを1g添加して第1層用の塗布液を得
た。これ以外は実施例1と同様の条件で表面処理膜を形
成した。
【0149】処理膜の断面をSEMで観察した結果、第
1層の厚さは、実施例1と同様に、約60nmであり、
第2層は観察できるレベルの厚さではなかった。
【0150】当該表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りで、若干の水滴滑落性は認められるものの十分ではな
く、自動車のウインドシールドに装着した場合も、比較
例1と同様に、かなりの高速走行をしないと付着した雨
滴を除去することはできなかった。
【0151】比較例3 酢酸ブチル49gに、0.9gのSi(NCO)4 と、
0.1gのCH3 Si(NCO)3 を添加し、マグネチ
ックスターラーにより室温で5分間攪拌することによっ
て第1層用の塗布液を調整した。
【0152】このような塗布液を用いて第1層を形成し
たこと以外は、実施例1と同様の条件で表面処理膜を形
成した。得られた処理膜の断面をSEMで観察したとこ
ろ、第1層の厚さは、同様に約60nmであり、第2層
は観察できるレベルの厚さではなかった。
【0153】当該表面処理膜の水滴滑落性および撥水性
は、表2に併せて示すとおりで、基材表面に形成された
処理膜は、水滴滑落性が劣り、実車走行試験においても
かなりの高速走行をしない限り付着した雨滴は除去され
なかった。
【0154】比較例4 実施例5と同様の塗布液を用いて第1層を形成したの
ち、第2層用の塗布液として、シリコーン化合物を添加
することなく、フルオロアルキルシラン化合物であるC
817(CH22 Si(OCH33 (商品名:TS
L8233)の単独組成とした塗布液を調整した。
【0155】このような塗布液を用いて第2層を形成し
たこと以外は、上記実施例と同様の手順によって表面処
理膜を形成した。得られた処理膜をSEM観察したとこ
ろ、第1層の厚さは同様に約60nmであり、第2層の
厚さは測定できるレベルにはなかった。
【0156】当該表面処理膜の水滴滑落性および撥水性
は、表2に併せて示すとおりで、処理膜は水滴接触角は
非常に高かったが、水滴滑落性が極めて悪く、実車走行
試験においても相当な高速走行でない限り、付着した雨
滴を除去することはできなかった。
【0157】比較例5 実施例5と同様の塗布液を用いて、同様の条件で第1層
を形成したのち、その上に、市販の雨滴除去剤(商品
名:SUPER rainX (株)錦之堂販売)を記
載の塗布方法に従って塗布した。
【0158】このようにして得られた処理膜の断面をS
EMで観察したところ、第1層の厚さは約60nm、第
2層の厚さは測定できるレベルにはないことが判明し
た。
【0159】この表面処理膜の形成直後および耐久試験
後の水滴滑落性および撥水性は、表2に併せて示すとお
りであって、処理膜の水滴滑落性は比較的良好であり、
実車走行試験において、速めの車速で雨滴が除去できる
程度の性能を示したが、耐久試験後の水滴滑落性が著し
く劣化することが確認された。
【0160】
【表1】
【0161】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 302 B05D 7/24 302Y C03C 17/34 C03C 17/34 A C09D 5/00 C09D 5/00 Z 183/04 183/04 183/08 183/08 (72)発明者 甲 斐 康 朗 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE03 CA36 CA39 DA06 DB13 DC08 DC13 EB02 EB43 4G059 AA01 AC22 FA05 FA22 FB05 GA01 GA04 GA11 4J038 DL031 DL071 DL081 KA06 NA07 PB07 PC03

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面への第1層を構成しかつSi
    (NCO)4 とRSi(NCO)4-a(RはCH3
    たはC25 、aは1〜3)の2成分を、これらSi
    (NCO)4 とRSi(NCO)4-aの重量比が9
    9.8:0.2〜92.0:8.0となる量で含むとと
    もに希釈溶媒を含有する塗布液と、前記第1層の上で第
    2層を構成しかつ末端に加水分解性基を持つシリコーン
    化合物および/または該シリコーン化合物の加水分解物
    と希釈溶媒を含む塗布液とをそなえたことを特徴とする
    水滴滑落性に優れた膜形成用表面処理材。
  2. 【請求項2】 第1層の塗布液に含まれているSi(N
    CO)4 とRSi(NCO)4-aの重量比が99.
    5:0.5〜97.0:3.0の範囲であることを特徴
    とする請求項1記載の水滴滑落性に優れた膜形成用表面
    処理材。
  3. 【請求項3】 第2層の塗布液に含まれているシリコー
    ン化合物が(−Si(CH32 −O)−で表される
    ジメチルシロキサン基を有し、当該ジメチルシロキサン
    部分の分子量が1000以上であることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の水滴滑落性に優れた膜形成
    用表面処理材。
  4. 【請求項4】 第2層の塗布液に含まれているシリコー
    ン化合物が同一分子内にフルオロアルキル基を含むこと
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の水滴滑落性に優れた膜形成用表面処理材。
  5. 【請求項5】 第2層の塗布液に含まれているシリコー
    ン化合物の末端の加水分解性基がアルコキシシリル基で
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれ
    かに記載の水滴滑落性に優れた膜形成用表面処理材。
  6. 【請求項6】 第2層の塗布液が、末端に加水分解性基
    を持つフルオロアルキルシラン化合物および/または該
    フルオロアルキルシラン化合物の加水分解物をさらに含
    んでいることを特徴とする請求項1ないし請求項5のい
    ずれかに記載の水滴滑落性に優れた膜形成用表面処理
    材。
  7. 【請求項7】 第2層の塗布液に含まれているフルオロ
    アルキルシラン化合物の末端の加水分解性基がアルコキ
    シシリル基であることを特徴とする請求項6記載の水滴
    滑落性に優れた膜形成用表面処理材。
  8. 【請求項8】 第2層の塗布液に、SiO2 前駆体が、
    塗布液中の全固形分に対してSiO2 換算で0.1〜5
    重量%含まれていることを特徴とする請求項1ないし請
    求項7のいずれかに記載の水滴滑落性に優れた膜形成用
    表面処理材。
  9. 【請求項9】 第1層の膜厚が乾燥状態で20〜100
    nmであることを特徴とする請求項1ないし請求項8の
    いずれかに記載の水滴滑落性に優れた膜形成用表面処理
    材。
  10. 【請求項10】 基材がガラスであることを特徴とする
    請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の水滴滑落性
    に優れた膜形成用表面処理材。
  11. 【請求項11】 基材表面に、Si(NCO)4 とR
    Si(NCO)4-a(RはCH3 またはC25 、aは
    1〜3)の2成分と希釈溶媒を含有し、これらSi(N
    CO)4 とRSi(NCO)4-aの重量比が99.
    8:0.2〜92.0:8.0の範囲である塗布液を第
    1層として塗布したのち常温で乾燥し、さらに当該第1
    層の上に、末端に加水分解性基を持つシリコーン化合物
    および/または該シリコーン化合物の加水分解物と希釈
    溶媒を含有する塗布液を第2層として塗布したのち乾燥
    することを特徴とする水滴滑落性に優れた表面処理膜の
    形成方法。
  12. 【請求項12】 第1層の塗布液に含まれているSi
    (NCO)4 とRSi(NCO)4-aの重量比が9
    9.5:0.5〜97.0:3.0の範囲であることを
    特徴とする請求項11記載の水滴滑落性に優れた表面処
    理膜の形成方法。
  13. 【請求項13】 第2層の塗布液に含まれているシリコ
    ーン化合物が(−Si(CH32 −O)−で表され
    るジメチルシロキサン基を有し、当該ジメチルシロキサ
    ン部分の分子量が1000以上であることを特徴とする
    請求項11または請求項12記載の水滴滑落性に優れた
    表面処理膜の形成方法。
  14. 【請求項14】 第2層の塗布液に含まれているシリコ
    ーン化合物が同一分子内にフルオロアルキル基を含むこ
    とを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれか
    に記載の水滴滑落性に優れた表面処理膜の形成方法。
  15. 【請求項15】 第2層の塗布液に含まれているシリコ
    ーン化合物の末端の加水分解性基がアルコキシシリル基
    であることを特徴とする請求項11ないし請求項14の
    いずれかに記載の水滴滑落性に優れた表面処理膜の形成
    方法。
  16. 【請求項16】 第2層の塗布液が、末端に加水分解性
    基を持つフルオロアルキルシラン化合物および/または
    該フルオロアルキルシラン化合物の加水分解物をさらに
    含んでいることを特徴とする請求項11ないし請求項1
    5のいずれかに記載の水滴滑落性に優れた表面処理膜の
    形成方法。
  17. 【請求項17】 第2層の塗布液に含まれているフルオ
    ロアルキルシラン化合物の末端の加水分解性基がアルコ
    キシシリル基であることを特徴とする請求項16記載の
    水滴滑落性に優れた表面処理膜の形成方法。
  18. 【請求項18】 第2層の塗布液に、SiO2 前駆体
    が、塗布液中の全固形分に対してSiO2 換算で0.1
    〜5重量%含まれていることを特徴とする請求項11な
    いし請求項17のいずれかに記載の水滴滑落性に優れた
    表面処理膜の形成方法。
  19. 【請求項19】 第1層の膜厚が乾燥状態で20〜10
    0nmとなるように塗布することを特徴とする請求項1
    1ないし請求項18のいずれかに記載の水滴滑落性に優
    れた表面処理膜の形成方法。
  20. 【請求項20】 基材がガラスであることを特徴とする
    請求項11ないし請求項19のいずれかに記載の水滴滑
    落性に優れた表面処理膜の形成方法。
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