JP2000219875A - 撥水膜被覆物品を製造する方法、撥水膜被覆物品および撥水膜被覆用液組成物 - Google Patents

撥水膜被覆物品を製造する方法、撥水膜被覆物品および撥水膜被覆用液組成物

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JP2000219875A
JP2000219875A JP11024463A JP2446399A JP2000219875A JP 2000219875 A JP2000219875 A JP 2000219875A JP 11024463 A JP11024463 A JP 11024463A JP 2446399 A JP2446399 A JP 2446399A JP 2000219875 A JP2000219875 A JP 2000219875A
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Hiroaki Yamamoto
博章 山本
Kazutaka Kamiya
和孝 神谷
Toyoyuki Teranishi
豊幸 寺西
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布作業後に拭き上げを要せず、耐久性に優
れた撥水性物品を優れた生産性で提供すること。 【解決手段】 フルオロアルキル基含有シラン化合物、
および酸を、炭素数が4以下の鎖式飽和1価アルコール
溶媒に溶解したコーティング液を基材に塗布、乾燥する
撥水膜被覆物品を製造する方法において、前記コーティ
ング液は (A)フルオロアルキル基含有シラン化合物(シリカ換
算) 0.00005〜0.005重量%、(B)酸 0.001〜3規定、
(C)水 0〜20重量%、および(D)前記アルコール残部、
からなり、前記塗布および乾燥は、一様なウエット厚み
の塗布膜を前記基材上に形成させ、ついで前記塗布膜お
よび基材をそのまま静置して乾燥することにより行うこ
とを特徴とする撥水膜被覆物品を製造する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガラス、セラミック
ス、プラスチック或いは金属等の基材表面に撥水膜を被
覆した物品を製造する方法、撥水膜被覆物品および撥水
膜被覆用液組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス板その他の基材の表面に撥水性被
膜を形成させるための撥水処理剤として、フルオロアル
キルシラン系化合物を含有する撥水処理剤が知られてい
る。例えば、特開平5−311156号公報には、フル
オロアルキルシランを1.0〜10重量%、酸触媒を
0.01〜5重量%、水を0.01〜40重量%含有す
るアルコール溶液からなる撥水処理剤が開示されてい
る。
【0003】また、特開平10−219235号公報に
は、フルオロアルキルシラン、水、親水性有機溶媒と、
該親水性有機溶媒よりも高い沸点を有する化合物とを含
有する撥水処理剤が開示されている。
【0004】そして、特開平9−104861号公報に
は第1液としてフルオロアルキルシランを含有する撥水
処理液にて処理した後、第2液として低級アルコール−
水溶液で仕上げ処理を行う2液タイプの撥水処理剤が開
示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−31115
6号公報に開示される方法にあっては、また撥水処理剤
を塗布する工程において、処理基板に余剰な撥水成分が
残留し、それが白濁の原因になり、また初期撥水性能が
低下する原因となるため、塗布膜の乾燥後にその表面
を、溶媒を染み込ませた布で拭いてその残留物を除去す
る表面処理工程(以降、「拭き上げ工程」という)が必
要である。このような「拭き上げ工程」はコスト高の原
因にもなる。
【0006】特開平10−219235号公報や特開平
9−104861号公報に開示される方法にあっては、
余剰な撥水成分を除去する拭き上げ工程は容易になって
いるが、その工程を省略できるものではない。
【0007】本発明は、上記課題を解決し、かつ高い耐
久性能を有する撥水性物品を、拭き上げ工程を必要とせ
ずに、優れた生産性で製造することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、フル
オロアルキル基含有シラン化合物および酸を、炭素数が
4以下の鎖式飽和1価アルコール溶媒に溶解したコーテ
ィング液を基材に塗布、乾燥する撥水膜被覆物品を製造
する方法において、前記コーティング液は (A)フルオロアルキル基含有シラン化合物 (シリカ換算) 0.00005〜0.005重量%、 (B)酸 0.001〜3規定、 (C)水 0〜20重量%、および (D)前記アルコール 残部 からなり、前記塗布および乾燥は、コーティング液の表
面張力を利用して一様なウエット厚みの塗布膜を前記基
材上に形成させ、ついで前記塗布膜および基材をそのま
ま静置して乾燥することにより行うことを特徴とする撥
水膜被覆物品を製造する方法である。
【0009】本発明におけるフルオロアルキル基含有の
シラン化合物としては、フルオロアルキル基を含有し、
かつ、アルコキシル基、アシロキシ基、または塩素基を
含有するシラン化合物を好ましく使用することができ、
例えば下記化学式(1)で示される化合物を挙げること
ができる。これらの中から、単独でまたは複数の物質を
組み合わせて使用することができる。
【化1】 CF−(CF−R−SiX3−p ・・(1)
【0010】(ここで、nは0から12の整数、好まし
くは3から12の整数、Rは炭素原子数2〜10の二価
の有機基(例えばメチレン基、エチレン基)、またはケ
イ素原子および酸素原子を含む基、XはHまたは炭素原
子数1〜4の一価炭化水素基(例えばアルキル基、シク
ロアルキル基、アリル基)もしくはこれらの誘導体から
選ばれる置換基、または水素、pは0、1または2、Y
は炭素原子数が1〜4のアルコキシル基、アシロキシ
基、又はハロゲン原子)
【0011】上記化学式(1)の化合物の例としては、
次のものを挙げることができる。
【化2】C13CHCHSi(OCH
【化3】C15CHCHSi(OCH
【化4】C17CHCHSi(OCH
【化5】C19CHCHSi(OCH
【化6】C1021CHCHSi(OCH
【化7】C13CHCHSiCl
【化8】C15CHCHSiCl
【化9】C17CHCHSiCl
【化10】C19CHCHSiCl
【化11】C1021CHCHSiCl
【化12】
【化13】C17CHCHSi(OC
【化14】C17CHCHSi(OCOC
【化15】
【0012】これらの中では、C17CHCH
Si(OCH (ヘプタデカフルオロデシルトリ
メトキシシラン )および C17CHCHSi
(CH)(OCH、C17CHCH
iCl (ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラ
ン)および C17CHCHSi(CH)C
が特に好ましい。
【0013】本発明における酸触媒の種類としては、常
温の乾燥で揮発して膜中に残らないという観点から、塩
酸、フッ酸、硝酸、酢酸等の揮発性の酸が好ましく、な
かでも、高い揮発性を有し、取り扱う際にも比較的安全
な塩酸が特に好ましい。
【0014】また、溶媒としては、酸が溶解しやすいア
ルコール系溶媒、特にメタノール、エタノール、1−プ
ロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、i−
ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノールような炭
素数が4以下の鎖式飽和1価アルコールが、常温におけ
る蒸発速度が大きいので用いられる。
【0015】本発明において、上記コーティング液中の
酸触媒の濃度を0.001〜3規定に保つことにより、
コーティング液のpHが0〜3となり、特にpHが約2
のときに、アルコキシル基の加水分解反応、および脱水
縮合反応が塗布前のコーティング液中で起こりにくくな
り、コーティング液が塗布された直後に急激にこれらの
反応が進行する。コーティング液中の酸の好ましい濃度
は0.010〜1規定である。
【0016】触媒として添加する酸は、水分含有量の
0.3倍以上の高い濃度を有することが、上記コーティ
ング液中の酸の濃度を維持するために好ましい。すなわ
ち、水溶液の状態の塩酸を使用するときは、23.1%
以上の濃度を有する高濃度の酸、例えば約6.3規定以
上の塩酸水溶液であることが好ましい。またエタノール
に溶解した状態の酸を触媒として添加するときには、エ
タノール溶液が例えば0.5重量%の水分を含有してい
るとすれば、エタノール溶液中の塩酸の濃度は0.15
重量%(塩酸では0.04規定)以上であることが好ま
しい。
【0017】コーティング液中のフルオロアルキル基含
有シラン化合物の濃度は低すぎると撥水性が低下し、高
すぎると余剰の成分が表面に残るため、塗布後の透明性
を低下させる。また塗布法としてフローコート法を用い
る場合には、濃度が高すぎると、溶媒の乾燥中にコーテ
ィング液がはじかれて均一塗布ができないことがある。
コーティング液中のフルオロアルキル基含有シラン化合
物の好ましい濃度範囲は、シリカに換算して、0.00
005〜0.005重量%、好ましくは0.0005〜
0.005重量%である。さらに好ましくは0.001
〜0.003重量%である。
【0018】コーティング液中に多量の水が存在する
と、塗布前のコーティング液中で、フルオロアルキル基
含有シラン化合物の加水分解反応が促進され、かつ脱水
縮合反応が起こりやすくなって、基材表面と撥水膜との
間の結合が弱められ、またコーティング液塗布後の乾燥
の際に膜厚のムラが生じ易くなる。なお、この膜厚のム
ラは、コーティング液の塗布膜中に含まれるアルコール
および水のうち、アルコールは先に揮発するが、アルコ
ールに比べて揮発性の低い水が塗布膜の乾燥中に残りや
すく、形成された撥水膜の上で水がはじかれて水滴とし
て膜上に偏在するために生じると推定される。従って、
コーティング溶液中の水の濃度はできるだけ小さい方が
好ましく、具体的には、コーティング液中の水の濃度は
0〜20重量%であることが好ましく、0〜10重量%
であることがさらに好ましく、0〜5重量%であること
が最も好ましい。このようにコーティング溶液中の水の
濃度を維持することにより、上記のコーティング液のp
H維持およびコーティング液中のフルオロアルキル基含
有シラン化合物またはその加水分解物の濃度維持と相俟
って、アルコキシル基の加水分解反応、およびこの脱水
縮合反応が塗布前のコーティング液中で起こりにくくな
るので好ましい。コーティング液中の水の濃度がゼロで
あっても、基材に塗布された後の塗布膜には空気中の水
分が吸収されるので加水分解反応が阻害されることはな
い。溶媒のアルコール中には元々若干の水が含まれ、ま
た、酸は水溶液の形で添加することが多いので、コーテ
ィング液中の水の濃度は通常は0.1重量%以上とな
る。
【0019】上記コーティング液が基材に塗布される
と、塗布されて膜状となった液の比表面積が増大するの
で、膜中の溶媒が急速に蒸発して、フルオロアルキル基
含有シラン化合物およびその加水分解物の塗膜中濃度が
急に高くなり、それまで抑制されていた加水分解反応お
よび脱水縮合反応が急激に起こってシロキサン結合(・・
Si−O−Si・・)が塗布膜内で多数生成され、その結
果、基材表面と撥水膜との間の結合が強固な膜が形成さ
れる。このように、本発明においては、基材に塗布され
たウエットな膜中に、撥水性を示すのに必要でかつ充分
な量のフルオロアルキルシラン化合物が含有されている
ので、処理した基材が余剰な撥水成分のために白く濁る
こともなく、余剰な撥水成分を除去する工程も不要とな
る。また成膜時の反応性が高く、室温で反応して、非常
に強固な膜が形成される。
【0020】更に、本発明では、一様なウエット厚みの
塗布膜を前記基材上に形成させ、ついで前記塗布膜およ
び基材をそのまま静置して乾燥するので、塗布膜表面は
平滑であり、また成膜時に自然に撥水基を配向させるた
め、従来のように後から化学吸着や「塗り込み法」等で
撥水処理するよりも配向性の良い撥水層を形成すること
ができると考えられる。従って本発明によれば、撥水被
膜表面の撥水基密度が高く、撥水基の配向性も優れ、更
に表面の平滑性の効果が合わさって、優れた耐候性、耐
擦傷性が得られる。そして拭き上げを要することなく、
透明度が高く、曇価で表して1.0%以下、特に0.5
%以下の透明度を有する撥水膜が得られる。
【0021】本発明において、コーティング液は、アル
コール溶媒にフルオロアルキル基含有シラン化合物を添
加し、10秒〜60分間攪拌し、ついでこれに酸触媒を
添加し、10秒〜60分間攪拌することにより調製され
る。このコーティング液の寿命は比較的に長いが、比較
的酸触媒量が少ない場合や水分量が多い場合は、塗布前
のコーティング液中で加水分解、縮重合反応が進み過ぎ
るおそれがあるので、調製後2時間以内に塗布した方が
好ましい。上記調製されたコーティング液を基板表面に
塗布した後、室温で10秒〜10分間乾燥して溶媒を蒸
散させることにより撥水性物品が得られる。
【0022】また、本発明では、成膜時に自然に撥水基
を配向させるため、コーティング液の塗布方法として
は、コーティング液を基材に塗布後、コーティング液の
表面張力を利用して一様なウエット厚みの塗布膜を形成
させた後、乾燥する方法を用いる。コーティング液を塗
布して、溶媒が揮発、乾燥してしまう前にコーティング
液が表面張力により平滑化され、一様なウエット厚みの
塗布膜が形成されることが必要である。例えば塗布方法
としてはディップコーティング、フローコーティング、
カーテンコーティング、スピンコーティング、スプレー
コーティング、バーコーティング、ロールコーティン
グ、刷毛塗りコーティングなどが挙げられるが、フルオ
ロアルキルシラン化合物を効率よく塗布するためには、
フローコーティングが好ましい。
【0023】フローコーティングは、流出ノズル孔から
コーティング液を流すように基材へかけて塗布し、余剰
のコーティング液を塗布面から自然に落として、静置し
て乾燥させる塗布方法である。基材を保持する角度は塗
布面と水平面のなす角を傾斜角と規定すると、傾斜角は
0度から90度までのいずれでもよいが、塗布膜の平滑
性が良くなるので、60度以上が好ましい。
【0024】また、上記いずれの塗布方法においても、
「静置」とは、塗布されたウエットな塗布膜がコーティ
ング液の表面張力を利用して一様な厚みになるように
し、その状態で乾燥させることであり、例えば、搬送速
度6m/分程度であれば基材を搬送させながらであって
も実質的に静置していることとなる。
【0025】コーティング液を染み込ませた布で拭く、
いわゆる「塗り込み法」は、一様なウエット厚みの塗布
膜を形成させることができないので、好ましくない。し
かし、例えば、コーティング液を染み込ませた布を使っ
ても、多量の塗布液を基材に塗布して、ウエットな塗布
膜が表面表力により一様な膜を形成するようにして乾燥
すれば適用可能である。
【0026】前記コーティング液および前記基材への塗
布ウエット厚みは、フルオロアルキル基含有シラン化合
物が、前記塗布のウエット膜中に、シリカ換算で、塗布
基材の単位表面積(m)あたり、0.3〜3.0mg/
含有するように調整されることが好ましい。0.
3mg/m未満では撥水性が低下し易く、3.0m
g/mを超えるとフルオロアルキル基含有シラン化合
物の加水分解・縮合物の余剰の成分が表面に残るため、
塗布後の透明性が低下しやすくなる。また前記基材への
塗布ウエット厚みは、塗布方法によって異なるが、上記
と同様の理由で、前記コーティング液のフルオロアルキ
ル基含有シラン化合物(シリカ換算)含有量をP重量%
として、(0.03/P)μm〜(0.3/P)μmで
あることが好ましい。塗布ウエット厚みは上記の範囲の
中で通常は10〜1000μmの範囲とすることが好ま
しい。
【0027】本発明では、前記撥水処理液を基材表面に
塗布し、その塗布したウエットな膜および基材を、その
まま静置した状態で、室温または150℃以下の温度で
乾燥する。フローコート法は基材の表面に撥水膜と基材
表面との結合強度を更に高くする目的で、この乾燥の後
に、または乾燥せずに、その乾燥温度よりも高く300
℃以下の温度で焼成することも可能である。
【0028】本発明における基材としては、ガラス、セ
ラミックス、プラスチック或いは金属等の、透明または
不透明の板状体、棒状体その他の種々の形状のものが挙
げられる。これらの中で、透明性が特に要求される、自
動車の窓ガラス、サイドミラー、およびショーウィンド
ウのような建築用ガラス板などの基材が好ましく用いら
れる。基材の表面に親水性基が少ない場合には、その表
面を予め酸素を含むプラズマまたはコロナ雰囲気で処理
して親水性化したり、あるいは、基材表面を酸素を含む
雰囲気中で200〜300nm付近の波長の紫外線を照
射して、親水性化処理を行った後に、表面処理を行うこ
とが好ましい。
【0029】また本発明においては、さらなる耐久性改
善のため、基材表面に下地層として金属酸化物層を形成
しておいてから撥水膜を形成させても良い。下地層の形
成方法としては、例えば、ゾルゲル法を用いてシリカを
主成分とする金属酸化物層を形成したり、スパッタ法や
CVD法によりシリカや、シリカ−アルミナ、シリカ−
チタニア、シリカ−ジルコニア等の金属酸化物層を形成
したり、また液相成膜法と呼ばれる飽和ケイフッ化水素
酸の溶液にアンモニアなどを添加してシリカ層を析出さ
せる方法を用いたものなどが挙げられる。また、下地層
の表面形状については、平滑、凸形状、凹凸形状、多孔
質等、どのような形状でも構わない。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。各実施例および比較例で次のような材料を使用し
た。 エタノール;含有水分量0.35重量%。 ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン;(CF
(CF(CH Si(OCH (信越
シリコーン製)。 ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン;(CF
(CF(CHSiCl、信越シリコー
ン製)。 濃塩酸;35重量%、関東化学製。 ガラス基板:3mm×150mm×150mmの寸法の
ソーダ石灰珪酸塩ガラス組成のフロートガラス板。 ポリジメチルシロキサン:粘度50cs、東レ・ダウコー
ニング・シリコーン製、「SH200」
【0031】[実施例1]エタノール 100gにヘプ
タデカフルオロデシルトリメトキシシラン 0.02g
を添加し、30分間攪拌し、次いで濃塩酸 2gを撹拌
しながら添加し、撥水被覆用溶液を得た。撥水被覆用溶
液の組成を表1に示す。そしてこの被覆用溶液は、シリ
カ換算で0.0021重量%のヘプタデカフルオロデシ
ルトリメトキシシラン、0.19規定の塩酸濃度、1.
6重量%の水分濃度を有しており、約0.72のpHを
有していた。なお上記水分は濃塩酸、エタノールから由
来するものである。洗浄したガラス基板を傾斜角90度
(基板面が鉛直)に保持し、基板の表面上に、この撥水
被覆用溶液を、湿度30%、室温下でフローコート法に
て塗布した。塗布直後の膜厚(ウエット膜厚)は約45
μmであり、膜中には膜1m あたり、ヘプタデカフ
ルオロデシルトリメトキシシランがシリカ換算で、約
0.9mg/m が含まれていた。この膜を室温で約
1分乾燥させて、透明な撥水性ガラス板を得た。
【0032】得られた撥水性ガラス板について、水の接
触角を接触角計(CA−DT、協和界面科学(株)製)
を用いて、2mgの重量の水滴による静的接触角として
測定した。この接触角の値が大きいほど、静的な撥水性
が優れていることを表している。また、得られた撥水性
ガラス板について、水滴が撥水性ガラス板の表面を転が
る性能を臨界傾斜角として評価した。これは、水平に配
置した撥水性ガラス板表面に直径5mmの水滴を置き、
撥水性ガラス板を徐々に傾斜させて、その表面に置かれ
た水滴が転がり始めるときのガラス板の傾斜角度(臨界
傾斜角)を測定した。臨界傾斜角が小さい程、動的な撥
水性が優れており、例えば走行中の自動車のフロントガ
ラス窓に付着した雨滴が飛散しやすくなって運転者の視
界が妨げられないことを表している。また塗布後の撥水
性ガラスの透明性は積分球式光線透過率測定装置(スガ
試験機(株)製、HGM−2DP)を用いて曇価(ヘイ
ズ率)を測定し評価した。
【0033】得られた撥水性ガラスの水の接触角は10
7度であり、曇価は0.3%であり、臨界傾斜角は14
度であった。
【0034】[実施例2]実施例1の撥水被覆用溶液の
調合でヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランの
使用量0.02gに代えて0.005gとした以外は、
実施例1と同様にして撥水被覆用溶液を調合した。撥水
被覆用溶液の組成を表1に示す。
【0035】洗浄したガラス基板の表面上に、湿度30
%、室温で上記撥水被膜用溶液をスプレー法にて塗布
し、約200μmのウエット厚みの塗膜を得、室温で約
3分乾燥させ、透明な撥水性ガラスを得た。得られた撥
水性ガラスの水の接触角はそれぞれ107度、曇価は
0.3%であった。なお、塗布直後の膜中には膜1m
あたり、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン
がシリカ換算で、1.1mg/m が含まれていた。
【0036】[実施例3]エタノール 100gにヘプ
タデカフルオロデシルトリメトキシシラン 0.04g
を添加し、30分間攪拌し、次いで濃塩酸 5.0gを
撹拌しながら添加し、撥水被覆用溶液を得た。洗浄した
ガラス基板を、湿度30%、室温下で、上記撥水被覆用
溶液の浴に浸漬させ、120cm/分の速度で引き上げ
て、室温で約1分乾燥させて撥水性ガラス板を得た。撥
水被覆用溶液の組成を表1に示す。
【0037】得られた撥水性ガラスの水の接触角は10
7度、曇価は0.3%であった。なお、塗布直後の膜厚
(ウエット膜厚)は約20μmであり、膜中には膜1m
あたり、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラ
ンがシリカ換算で、約1.0mg/m が含まれてい
た。
【0038】[実施例4]実施例1の撥水被覆用溶液の
調合において、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシ
シラン 0.02gを添加する代わりに、ヘプタデカフ
ルオロデシルトリクロロシラン 0.02gを添加した
以外は、実施例1と同様にして撥水性ガラス板を得た。
撥水被覆用溶液の組成を表1に示す。得られた撥水性ガ
ラスの水の接触角は108度、曇価は0.2%であっ
た。なお、塗布直後の膜厚(ウエット膜厚)は約45μ
mであり、膜中には膜1m あたり、ヘプタデカフル
オロデシルトリメトキシシランがシリカ換算で、1.0
mg/m が含まれていた。
【0039】[実施例5]実施例1の撥水被覆用溶液の
調合において、濃塩酸2gを添加する代わりに、1規定
の塩酸を2g添加した以外は、実施例1と同様にして撥
水性ガラス板を得た。撥水被覆用溶液の組成を表1に示
す。得られた撥水性ガラスの水の接触角は107度、曇
価は0.2%であった。なお、塗布直後の膜厚(ウエッ
ト膜厚)は約45μmであり、膜中には膜1m あた
り、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランがシ
リカ換算で、0.9mg/m が含まれていた。
【0040】[実施例6]エタノール100gにテトラ
クロロシラン(信越シリコーン製)を0.5gを攪拌し
ながら添加し30分攪拌し続けて下地処理用溶液を得
た。次に「ソルミックスAP7」(エタノール 85重
量%、i−プロパノール 5重量%、n−プロパノール
10重量%からなる混合液。日本化成品社製) 100
gにヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン
0.02gを添加し、30分間攪拌し、次いで濃塩酸
2gを撹拌しながら添加し、撥水被覆用溶液を得た。
【0041】洗浄したガラス基板を傾斜角90度(基板
面が鉛直)に保持し、基板の表面上に、湿度30%、室
温で下地処理用溶液をフローコート法にて塗布し、室温
で約1分乾燥させた後、直ちに撥水被覆用溶液をフロー
コート法(ガラス板傾斜角90度)にて塗布し、室温で
約1分乾燥させ、透明な撥水性ガラスを得た。得られた
撥水性ガラスの水の接触角は108度、曇価は0.2%
であった。また、実施例1の撥水性ガラス板では、臨界
傾斜角は14度を示したのに対し、本実施例の撥水性ガ
ラスでは臨界傾斜角は10度を示し、平滑な下地層があ
ることで臨界傾斜角が低くなり、動的な撥水性に優れる
ことが示された。なお、塗布直後の膜厚(ウエット膜
厚)は約45μmであり、膜中には膜1m あたり、
ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランがシリカ
換算で、約0.9mg/m が含まれていた。
【0042】[実施例7]エタノール 98.6gに、
テトラエトキシシラン(信越シリコーン製)0.4g、
濃塩酸 1gを撹拌しながら添加し30分攪拌し続け
て、下地処理用溶液を得た。実施例6の下地処理用溶液
の代わりに、この下地処理用溶液を用いた以外は実施例
6と同様の方法にて撥水性ガラスを得た。得られた撥水
性ガラスの水の接触角は108度、曇価は0.2%であ
った。また臨界傾斜角は10度を示し、実施例6と同様
に動的撥水性能が優れていることが示された。
【0043】[実施例8]2−プロパノール(片山化学
製)72.99gにテトラエトキシシラン(信越シリコ
ーン製)8.02g、1N塩酸(関東化学製)0.42
g、および、水1.69g添加し、50℃で3時間攪拌
後、室温でさらに1日攪拌して加水分解させた。この加
水分解した液に、粒子直径50nmのコロイダルシリカ
(「スノーテックスOUP」、日産化学製、固形分15
重量%)16.88g添加し、室温で5時間攪拌した。
これに2−プロパノールを添加して、固形分3重量%の
凹凸形状下地処理用溶液を得た。
【0044】洗浄したガラス基板の表面上に、下地処理
用溶液を湿度25%、室温下でフローコート法(ガラス
基板傾斜角90度)にて塗布し、室温で約1分乾燥させ
た後、直ちに実施例6で調製したものと同一の撥水被覆
用溶液をフローコート法(ガラス板傾斜角90度)にて
塗布し、室温で約1分乾燥させ、透明な撥水性ガラスを
得た。得られた撥水性ガラスの水の接触角は113度で
あり、実施例7の値よりも高い接触角を示した。そして
この撥水性ガラスの曇価は0.2%であった。
【0045】[実施例9]エタノール 100gにヘプ
タデカフルオロデシルトリメトキシシラン 0.001
gを添加し、30分間攪拌し、次いで濃塩酸 2gを撹
拌しながら添加し、撥水被覆用溶液を得た。
【0046】洗浄したガラス基板の表面上に、湿度30
%、室温下で撥水被膜用溶液をスプレー法にて塗布し、
約1000μmのウエット厚みの塗膜を得、室温で約3
分乾燥させ、透明な撥水性ガラスを得た。得られた撥水
性ガラスの水の接触角は108度、曇価は0.2%であ
った。なお、塗布直後の膜中には膜1m あたり、ヘ
プタデカフルオロデシルトリメトキシシランがシリカ換
算で、1.1mg/m が含まれていた。
【0047】[実施例10]エタノール 100gにヘ
プタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 0.02
gを添加し、30分間攪拌し、次いで1規定塩酸 0.
5g、水10gを撹拌しながら添加し、撥水被覆用溶液
を得た。撥水被覆用溶液の組成を表1に示す。そしてこ
の被覆用溶液は、シリカ換算で0.0021重量%のヘ
プタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、0.00
5規定の塩酸濃度、11.2重量%の水分濃度を有して
おり、約2.3のpHを有していた。この撥水被覆用溶
液を洗浄したガラス基板の表面上に、湿度30%、室温
下でフローコート法(ガラス基板傾斜角90度)にて塗
布した。塗布直後の膜厚(ウエット膜厚)は約45μm
であり、膜中には膜1m あたり、ヘプタデカフルオ
ロデシルトリメトキシシランがシリカ換算で、約0.9
mg/m が含まれていた。この膜を室温で約1分乾
燥させて、透明な撥水性ガラス板を得た。この撥水性ガ
ラス板の水の接触角は106度、曇価は0.3%であっ
た。
【0048】[実施例11]エタノール 100gにヘ
プタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 0.02
gを添加し、30分間攪拌し、次いで硝酸(70%)
1g、水0.4gを撹拌しながら添加し、撥水被覆用溶
液を得た。撥水被覆用溶液の組成を表1に示す。そして
この被覆用溶液は、シリカ換算で0.0021重量%の
ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、0.1
8規定の塩酸濃度、0.95重量%の水分濃度を有して
おり、約0.75のpHを有していた。この撥水被覆用
溶液を洗浄したガラス基板の表面上に、湿度30%、室
温下でフローコート法(ガラス基板傾斜角90度)にて
塗布した。塗布直後の膜厚(ウエット膜厚)は約45μ
mであり、膜中には膜1m あたり、ヘプタデカフル
オロデシルトリメトキシシランがシリカ換算で、約0.
9mg/m が含まれていた。この膜を室温で約1分
乾燥させて、透明な撥水性ガラス板を得た。この撥水性
ガラス板の水の接触角は107度、曇価は0.3%であ
った。
【0049】[比較例1]エタノール100gにヘプタ
デカフルオロデシルトリメトキシシラン 1gを溶解し
た後、濃塩酸0.2g、水0.2gを混合した溶液を添
加し、30分攪拌して撥水被覆用溶液を得た。撥水被覆
用溶液の組成を表1に示す。そしてこの被覆用溶液は、
シリカ換算で0.1重量%のヘプタデカフルオロデシル
トリメトキシシランを有している。洗浄したガラス基板
の表面上に、湿度30%、室温下でこの撥水被覆用溶液
を綿布に2gつけて、円を描くように約30秒間塗り込
み、撥水性ガラス板を得た。このガラス板の曇価(ヘイ
ズ率)は6.4%と高い値を示し、透明性が悪かった。
エチルアルコールを染み込ませた布でこのガラス板の表
面を拭き取ることにより、曇価を0.3%まで減少させ
て透明性を良くすることができ、このガラス板の水の接
触角は107度であったが、拭き取りの作業にはかなり
の工数を要した。
【0050】[比較例2]トリクロロトリフロロエタン
(デュポン製、「フレオンTF」)49.4gと、ヘキ
サデカン49.4gを混合攪拌後、ヘプタデカフルオロ
デシルトリクロロシラン 1.2gを湿度30%RHの
下で30分攪拌し、撥水被覆用溶液を得た。洗浄したガ
ラス基板の表面上に、湿度30%、室温下でこの撥水被
覆用溶液を綿布に2gつけて、円を描くように約30秒
間塗り込み、撥水性ガラス板を得た。このガラス板の曇
価(ヘイズ率)は6.8%と高い値を示し、透明性が悪
かった。エチルアルコールを染み込ませた布でこのガラ
ス板の表面を拭き取ることにより、曇価を0.4%まで
減少させて透明性を良くすることができ、このガラス板
の水の接触角は107度であったが、拭き取りの作業に
かなりの工数を要した。なお、ヘプタデカフルオロデシ
ルトリクロロシラン の使用量を1.2gに代えて0.
012gにした以外は上記と同じ条件で得た撥水性ガラ
ス板については、曇価(ヘイズ率)5.9%を示した。
【0051】[比較例3]エタノール100gにヘプタ
デカフルオロデシルトリメトキシシラン 0.1gを溶
解した後、濃塩酸1.0g、水3.0gを混合した溶液
を添加し、30分攪拌して撥水被覆用溶液を得た。撥水
被覆用溶液の組成を表1に示す。そしてこの被覆用溶液
は、シリカ換算で0.01重量%のヘプタデカフルオロ
デシルトリメトキシシランを有している。洗浄したガラ
ス基板の表面上に、湿度30%、室温でスプレー法にて
塗布し、約50μmのウエット厚みの塗膜を得て、室温
で1分間乾燥させて、撥水性ガラス板を得た。このガラ
ス板の曇価(ヘイズ率)は3.5%と高い値を示し、透
明性が悪かった。エチルアルコールを染み込ませた布で
このガラス板の表面を拭き取ることにより、曇価を0.
2%まで減少させて透明性を良くすることができ、この
ガラス板の水の接触角は108度であったが、拭き取り
の作業にはかなりの工数を要した。
【0052】[比較例4]エタノール92.5gにヘプ
タデカフルオロデシルトリメトキシシラン 0.5g、
およびポリジメチルシロキサン 3.0gを溶解した
後、濃塩酸1.0g、水3.0gを混合した溶液を添加
し、30分攪拌して撥水被覆用溶液を得た。撥水被覆用
溶液の組成を表1に示す。洗浄したガラス基板の表面上
に、湿度30%、室温でスプレー法にて塗布し約45μ
mのウエット厚みの塗膜を得て、室温で1分間乾燥させ
て、撥水性ガラス板を得た。このガラス板の曇価(ヘイ
ズ率)は4.0%と高い値を示し、透明性が悪かった。
エチルアルコールを染み込ませた布でこのガラス板の表
面を拭き取ることにより、曇価を0.3%まで減少させ
て透明性を良くすることができ、このガラス板の水の接
触角は107度であったが、拭き取りの作業にはかなり
の工数を要した。
【0053】[比較例5]比較例4で調合した撥水被覆
用溶液を洗浄したガラス基板の表面上に、湿度30%、
室温下でこの撥水被覆用溶液を綿布に2gつけて、円を
描くように約30秒間塗り込み、撥水性ガラス板を得
た。このガラス板の曇価(ヘイズ率)は6.2%と高い
値を示し、透明性が悪かった。エチルアルコールを染み
込ませた布でこのガラス板の表面を拭き取ることによ
り、曇価を0.3%まで減少させて透明性を良くするこ
とができ、このガラス板の水の接触角は108度であっ
たが、拭き取りの作業にはかなりの工数を要した。
【0054】[比較例6]エタノール92.5gにヘプ
タデカフルオロデシルトリメトキシシラン 0.05
g、およびポリジメチルシロキサン 3.0gを溶解し
た後、濃塩酸1.0g、水3.0gを混合した溶液を添
加し、30分攪拌して撥水被覆用溶液を得た。撥水被覆
用溶液の組成を表1に示す。洗浄したガラス基板の表面
上に、湿度30%、室温下でフローコート(ガラス基板
傾斜角90度)にて塗布し、室温で1分間乾燥させて、
撥水性ガラス板を得た。このガラス板の曇価(ヘイズ
率)は3.6%と高い値を示し、透明性が悪かった。エ
チルアルコールを染み込ませた布でこのガラス板の表面
を拭き取ることにより、曇価を0.2%まで減少させて
透明性を良くすることができ、このガラス板の水の接触
角は108度であったが、拭き取りの作業にはかなりの
工数を要した。
【0055】
【表1】 ================================== フルオロアルキル基 その他 pH 塗布方法 含有シラン化合 塩酸 水 の成分 物(シリカ換算、 (規定) (重量%)(重量%) 重量%(A)) (B) (C) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例 1 0.0021 0.19 1.6 − 0.72 フローコート 2 0.0005 0.19 1.6 − 0.72 スフ゜レーコート 3 0.0042 0.43 3.3 − 0.37 テ゛ィッフ゜コート 4 0.0019 0.19 1.6 − 0.72 フローコート 5 0.0021 0.019 2.3 − 2.71 フローコート 6 0.0021 0.19 1.6 − 0.72 フローコート 9 0.0001 0.19 2.3 − 0.72 スフ゜レーコート 10 0.0021 0.005 11.2 − 2.3 フローコート 11 0.0021 * 0.17 0.95 − 0.75 フローコート 比較例 1 0.1 0.002 0.3 − 2.70 塗り込み 2 0.05 − − − − 塗り込み 3 0.01 0.10 3.7 − 1.00 スフ゜レーコート 4 0.05 0.10 3.7 PDMS 3% 1.00 スフ゜レーコート 5 0.05 0.10 3.7 PDMS 3% 1.00 塗り込み 6 0.005 0.10 3.7 PDMS 3% 1.00 フローコート =================================== *;硝酸の規定数 PDMS;ポリジメチルシロキサン
【0056】
【表2】 ================================= 静的接触角 曇価 (度) (%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例 1 107 0.3 2 107 0.3 3 107 0.3 4 108 0.2 5 107 0.2 6 108 0.2 7 108 0.2 8 113 0.2 9 108 0.2 10 106 0.3 11 107 0.3 比較例 1 107 6.4 2 107 6.8 3 108 3.5 4 107 4.0 5 108 6.2 6 108 3.6 =================================
【0057】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
低濃度のフルオロアルキル基含有シラン化合物および高
濃度の揮発性の酸を溶媒に溶解したコーティング液を基
材に塗布し、乾燥することにより、残さの残らず、拭き
上げ工程を要しない、緻密で強固な撥水膜が被覆された
物品が得られる。更に本発明によれば、原料の無駄がな
いので、製造コストも低減される。
フロントページの続き (72)発明者 寺西 豊幸 大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本 板硝子株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AA01 AB03 AC11 CA36 DB13 DC12 EA07 EB43 EC07 EC52 4H020 BA36 4H049 VN01 VP01 VQ10 VQ12 VQ21 VR21 VR33 VR43 VU28

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルオロアルキル基含有シラン化合物お
    よび酸を、炭素数が4以下の鎖式飽和1価アルコール溶
    媒に溶解したコーティング液を基材に塗布、乾燥する撥
    水膜被覆物品を製造する方法において、前記コーティン
    グ液は (A)フルオロアルキル基含有シラン化合物 (シリカ換算) 0.00005〜0.005重量%、 (B)酸 0.001〜3規定、 (C)水 0〜20重量%、および (D)前記アルコール 残部 からなり、前記塗布および乾燥は、コーティング液の表
    面張力を利用して一様なウエット厚みの塗布膜を前記基
    材上に形成させ、ついで前記塗布膜および基材をそのま
    ま静置して乾燥することにより行うことを特徴とする撥
    水膜被覆物品を製造する方法。
  2. 【請求項2】 前記コーティング液および前記基材への
    塗布ウエット厚みは、前記フルオロアルキル基含有シラ
    ン化合物が、前記塗布のウエット膜中に、シリカ換算
    で、基材の単位表面積あたり、0.3〜3.0mg/m
    含有されるように調整されている請求項1記載の撥
    水膜被覆物品を製造する方法。
  3. 【請求項3】 前記基材への塗布ウエット厚みは、前記
    コーティング液のフルオロアルキル基含有シラン化合物
    (シリカ換算)含有量をP重量%として、(0.03/
    P)μm〜(0.3/P)μmである請求項1または2
    に記載の撥水膜被覆物品を製造する方法。
  4. 【請求項4】 前記塗布は、ディップコーティング、フ
    ローコーティング、カーテンコーティング、スピンコー
    ティング、スプレーコーティング、バーコーティング、
    またはロールコーティングによりなされる請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の撥水膜被覆物品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記コーティング液は、 (A)フルオロアルキル基含有シラン化合物 (シリカ換算) 0.0005〜0.005重量%、 (B)酸 0.01〜1規定、 および (C)水 0〜5重量% を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の撥水膜
    被覆物品を製造する方法。
  6. 【請求項6】 前記コーティング液は、水分含有量の
    0.3倍以上の濃度を有する酸およびフルオロアルキル
    基含有シラン化合物を溶媒に溶解したものである請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の撥水膜被覆物品を製造す
    る方法。
  7. 【請求項7】 前記コーティング液は0〜3のpHを有
    する請求項1〜6のいずれか1項に記載の撥水膜被覆物
    品を製造する方法。
  8. 【請求項8】 前記フルオロアルキル基含有シラン化合
    物は、フルオロアルキル基を含有し、かつ、アルコキシ
    ル基、アシロキシ基、または塩素基を含有するものであ
    る請求項1〜7のいずれか1項に記載の撥水膜被覆物品
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記フルオロアルキル基含有シラン化合
    物は、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランま
    たはヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランである
    請求項8記載の撥水膜被覆物品の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記基材は、透明なガラス板である請
    求項1〜9のいずれか1項に記載の撥水膜被覆物品の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の方法で得られる撥水膜被覆物品。
  12. 【請求項12】 (A)フルオロアルキル基含有シラン化合物 (シリカ換算) 0.00005〜0.005重量%、 (B)酸 0.001〜3規定、 (C)水 0〜20重量%、および (D)炭素数が4以下の鎖式飽和1価アルコール 残部 からなる撥水膜被覆用液組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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