JP2001258951A - 介護用寝具台 - Google Patents

介護用寝具台

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JP2001258951A
JP2001258951A JP2000078242A JP2000078242A JP2001258951A JP 2001258951 A JP2001258951 A JP 2001258951A JP 2000078242 A JP2000078242 A JP 2000078242A JP 2000078242 A JP2000078242 A JP 2000078242A JP 2001258951 A JP2001258951 A JP 2001258951A
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air
air cell
nursing
bed
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JP2000078242A
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Shigeru Fujita
茂 藤田
Mika Yoshimura
美香 吉村
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FUJITEC ENGINEERING CO Ltd
Original Assignee
FUJITEC ENGINEERING CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被介護者の介護を容易にし、かつ介護作業時
における被介護者の苦痛を和らげ得る介護用寝具台を提
供する。 【解決手段】 マットレス等の寝具Mが敷かれる寝具敷
台6を、前部左・右寝具敷部材6a,6bと、後部左・
右寝具敷部材6c,6dとから構成し、後部左・右エア
ーセル8,9により寝具敷台6を支持する左・右回動フ
レーム5a,5bを介して前記寝具敷台6を幅方向の中
央部分から個別に回動させて被介護者Cが左右自在に寝
返りし得るようにすると共に、前記寝具敷台6の前部左
・右寝具敷部材6a,6bを前部エアーセル7により回
動させて被介護者Cの上半身を起こし得る構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、長期間にわ
たり介護や治療を要する病人や寝たきり老人等のための
介護用寝具台の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】高齢化社会の到来により、大病院や老人
介護センターを問わず、寝たままで介護を受けることを
可能ならしめるようにした介護用ベッド等の介護用寝具
の需要が急増している。周知のとおり、被介護者の介護
には多大な労力を要するのに加えて、介護作業に際して
被介護者に苦痛を与えてしまう場合が多い。そこで、被
介護者の介護をより容易にし、かつ被介護者の苦痛を和
らげるために、種々の改良が加えられた介護用ベッドが
提案されている。このような介護用ベッドの場合には、
長期間同じ横臥姿勢を継続すると床擦れしてしまうの
で、容易に寝返りさせることができる寝返り機能が必要
である。しかしながら、被介護者が足の骨折で足を吊っ
ている病人である場合、あるいは寝返りをする体力のな
い老人等である場合には、長期間寝返りをすることなく
横臥姿勢を続けることにならざるを得ず、むれたり、床
擦れしてしまうことが多い。さらに、自力で身体を動か
すことが困難な被介護者の場合には、寝返りさせるとい
う介護以外の介護、例えば定期的に下着(おむつを含
む)を着替えさせたり、食事の世話をする必要がある。
【0003】床擦れを起こし難くするようにした介護用
ベッドとしては、例えば特開平10−113365号公
報において開示されてなるものが公知である。以下、こ
の従来例1に係る介護用ベッドの概要を説明すると、こ
の介護用ベッドのエアマット台は3分割されている。そ
して、被介護者の腰部を支える部分はベッド台に固着さ
れ、頭部側を支える部分と肢部側を支える部分とは油圧
シリンダユニットを介してベッド台に連結されている。
このエアマット台は電動油圧ポンプの作動による前記油
圧シリンダユニットの伸縮によって傾斜するように構成
されている。エアマット台の上には、被介護者が横臥し
たときの腰付近の位置を中心とした略環状形状に分割さ
れてなる複数の空気室を持つエアマットが載置されてい
る。このエアマットの空気室は、コントロールボックス
の操作による電磁弁およびエアコンプレッサーの作動に
よりそれぞれ個別に減圧させることができるように構成
されている。なお、前記エアマットの分割形状は、体重
分散に関して人間工学的に考慮されると共に、寝返り等
の際のベッド上での被介護者の手足の動きを考慮して決
定されてなるものである。
【0004】この従来例1に係る介護用ベッドによれ
ば、電磁弁とエアコンプレッサーを作動させて空気室の
空気圧を変更することにより、被介護者の体荷重をエア
マットに分散させることができるので床擦れし難くな
る。また、エアマットの分割形状は、上記のとおり、体
重分散に関して人間工学的に考慮されると共に、寝返り
等の際のベッド上での被介護者の手足の動きを考慮して
決定されていて、寝返りし易いので床擦れを防ぐことが
できる。
【0005】また、自力で身体を動かすことが困難な被
介護者の上半身を容易に起こすことができ、かつ下着の
交換を容易ならしめるようにした背上げ機能を備えた介
護用ベッドとしては、例えば特開平10−225341
号公報において開示されてなるベッド装置が公知であ
る。以下、この従来例2に係るベッド装置の概要を説明
すると、これは、移動可能なベースフレームを備えてお
り、このベースフレームの上にベッドフレームが配設さ
れている。このベッドフレームは、前記ベースフレーム
にリンク機構で上下動可能に連結されている。前記ベッ
ドフレームには背上げ駆動機構が設けられている。この
背上げ駆動機構は、回動により床板体、マットレス、個
別に空気が供給される複数のエアチューブからなるエア
マットを介して被介護者の上半身を起こさせる起上アー
ムを備えると共に、同じく回動により床板体、マットレ
ス、複数のエアチューブからなるエアマットを介して被
介護者の腰部を押上げる腰上アームを備えてなる構成に
なっている。
【0006】この従来例2に係るベッド装置によれば、
背上げ駆動機構の起上アームの回動により、自力で身体
を動かすことが困難な被介護者の上半身を容易に起こさ
せることができ、また腰上アームの回動により被介護者
の腰を押上げると共に、臀部を支えるエアチューブ内の
空気を排気することにより臀部の下方に空間を形成させ
ることができるので、容易に下着(おむつを含む)を着
替えさせ、また食事をさせることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例1に係る介
護用ベッドまたは従来例2に係るベッド装置は、何れも
それなりに有用であると考えられる。しかしながら、上
記従来例1に係る介護用ベッドの場合には、寝返り機能
と背上げ機能とを備えているものの、あくまでもそれな
りに身体を動かすことができる被介護者用であり、自力
で身体を動かすことが困難な被介護者用としては寝返り
機能と背上げ機能は何れも不十分である。そのため、自
力で身体を動かすことが困難な被介護者に使用すると、
寝返りさせたり、上半身を起させたり、着替えさせたり
するのに多大な労力を要し、さらに介護作業時における
被介護者の苦痛を緩和することができない。
【0008】また、上記従来例2に係るベッド装置の場
合には、自力で身体を動かすことが困難な被介護者の上
半身を容易に起こし、容易に下着(おむつを含む)を着
替えさせ、また容易に食事をさせることができる。しか
しながら、寝返り機能が不十分であるため自力で身体を
動かすことが困難な被介護者を寝返りさせるのに多大な
労力を要し、介護作業時における被介護者の苦痛を緩和
することができない。
【0009】従って、本発明の目的は、例え自力で身体
を動かすことが困難な被介護者であっても、介護人の手
を煩わすまでもなく、寝返りさせ、上半身を起させ、着
替えさせたりするという各介護作業を容易にし、かつ被
介護者の苦痛を和らげることを可能ならしめる介護用寝
具台を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記実情に鑑み
てなされたものであって、従って上記課題を解決するた
めに、本発明の請求項1に係る介護用寝具台が採用した
手段は、前後方向に長い基台と、この基台の幅方向の中
央部に突設されたヒンジ支持ブラケットに前記基台の長
手方向向きのヒンジ軸を介して取付けられた左回動フレ
ームおよび右回動フレームと、前記左・右回動フレーム
の後部側に取付けられた後部左・右寝具敷部材、および
これら後部左・右寝具敷部材の前側に前記基台の幅方向
向きのヒンジ軸を介して取付けられた前部左・右支寝具
敷部材からなり、マットレス等の寝具が敷かれる寝具敷
台と、前記基台の上側に配設され、圧縮空気の給排によ
り左・右回動フレームを個別に回動させる後部左・右エ
アーセルおよび前記前部左・右寝具敷部材を前記左・右
回動フレームと個別に回動させる前部エアーセルとから
なることを特徴とするものである。
【0011】本発明の請求項2に係る介護用寝具台が採
用した手段は、請求項1に記載の介護用寝具台におい
て、前記後部左・右エアーセルおよび前部エアーセルの
それぞれが複数の空気室に区切られ、複数の空気室に区
切る区切り部材のそれぞれにアーム部が形成され、これ
らアーム部の先端部が前記基台の中央部側に設けられて
なる回動支持軸に連結され、これら後部左・右エアーセ
ルおよび前部エアーセルを側面から見たときに、圧縮空
気の給排により扇状に広がり、かつ閉じるように形成さ
れてなることを特徴とするものである。
【0012】本発明の請求項3に係る介護用寝具台が採
用した手段は、請求項1または2のうちの何れか一つの
項に記載の介護用寝具台において、前記前部エアーセル
および後部左・右エアーセルとは個別に拡縮し、自由自
在に移動させ得る上部エアーセルを付加したことを特徴
とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態1に係
る介護用寝具台の構成を、その平面図の図1と、図1の
A矢視図の図2と、図1のB矢視図の図3(a)と、図
1のC−C線断面図の図3(b)と,後部左エアーセル
の斜視図の図4(a)と、後部左エアーセルの側面図の
図4(b)と、エアーセル制御回路図の図5(a)と、
エアーセル制御回路の他の電磁弁をシンボルで示す図の
図5(b)と、その寝返り機能説明図の図6と、その背
上げ機能説明図の図7とを順次参照しながら説明する。
【0014】図1乃至図4、図6,7に示す符号1は、
介護用寝具台であって、この介護用寝具台1は、ベッド
フレーム上または床上に載置される前後方向に長い基台
2を備えている。この基台2の幅方向の中央部の前部に
は前部ヒンジ支持ブラケット3aが突設されると共に、
後部には後部ヒンジ支持ブラケット3bが突設されてい
る。これら前・後部ヒンジ支持ブラケット3a,3bの
それぞれには、ヒンジ軸4aを前記基台2の長手方向向
きにしたヒンジ4を介して左回動フレーム5aおよび右
回動フレーム5bが回動可能に取付けられている。そし
て、これら左回動フレーム5aおよび右回動フレーム5
bには、マットレス等の寝具Mが敷かれる後述する構成
になる寝具敷台6が取付けられている。なお、前記前部
とは、横臥している被介護者の頭部側のことであり、前
記後部とは被介護者の足部側のことであり、前記左とは
仰向け状態の被介護者の左手側のことであり、そして前
記右とは仰向け状態の被介護者の右手側のことであり、
これら前部、後部、左、右の表記については以下同様と
する。
【0015】ところで、本実施の形態1に係る介護用寝
具台1の場合には、図1および以上の説明から良く理解
されるように、左・右回動フレーム5a,5bを回動可
能に取付けるヒンジ4は、前・後部ヒンジ支持ブラケッ
ト3a,3bの上面に取付けられている。しかしなが
ら、前・後部ヒンジ支持ブラケット3a,3bの上面に
限らず、例えばこれらヒンジ4を前・後部ヒンジ支持ブ
ラケット3a,3bの側面に取付けても良いものであ
る。
【0016】前記寝具敷台6は、4枚の板状の寝具敷部
材を備えている。より詳しくは、複数(この例では4本
である。)皿小ねじBにより前記左回動フレーム5aの
後部側に取付けられてなる後部左寝具敷部材6cと、同
じく複数の皿小ねじBにより前記右回動フレーム5bの
後部側に取付けられてなる後部右寝具敷部材6dと、前
記後部左寝具敷部材6cの前部に、ヒンジ軸4a′を前
記基台2の幅方向向きにしたヒンジ4′を介して回動可
能に取付けられてなる前部左寝具敷部材6aと、前記後
部右寝具敷部材6dの前部に、ヒンジ軸4a′を前記基
台2の幅方向向きにしたヒンジ4′を介して回動可能に
取付けられてなる前部右寝具敷部材6bとを備えてい
る。
【0017】さらに、これら後部左寝具敷部材6c、後
部右寝具敷部材6d、前部左寝具敷部材6aおよび前部
右寝具敷部材6bの上を覆い、端縁がこれら後部左寝具
敷部材6c、後部右寝具敷部材6d、前部左寝具敷部材
6aおよび前部右寝具敷部材6bの端縁の下側で図示し
ない複数の機械的固着手段により着脱自在に固着されて
なる、図示しない厚手の1枚の布とから構成されてい
る。
【0018】なお、これら後部左寝具敷部材6c、後部
右寝具敷部材6d、前部左寝具敷部材6aおよび前部右
寝具敷部材6bの上を1枚の厚手の布により覆ったの
は、図1および図2から良く理解されるように、前部左
寝具敷部材6aおよび後部左寝具敷部材6cと前部右寝
具敷部材6bおよび後部右寝具敷部材6dとの間に所定
の間隔が形成されており、寝具の幅方向の中心部の凹み
を防止することにより被介護者に対する寝心地の悪化を
防ぐためである。
【0019】前記基台2の上側の3か所のそれぞれに
は、後述する構成になる3つのエアーセルが配設されて
いる。これら3つのエアーセルは、左・右回動フレーム
5a,5bを個別に回動させるための後部左・右エアー
セル8,9、および前記左・右回動フレーム5a,5b
が水平状態に保持されているときに、前部左・右寝具敷
部材6a,6bを前記左・右回動フレーム5a,5bと
個別に回動させるための前部エアーセル7とである。
【0020】これら3つのエアーセル7,8,9の構成
を説明する。但し、これら3つのエアーセル7,8,9
は何れも同構成であるから、図4(a),(b)を参照
しながら、左回動フレーム5aを回動させる後部左エア
ーセル8を例として説明すると、この後部左エアーセル
8は4室の空気室8aに区切られ、これら空気室8aを
区切り、圧縮空気通過穴8cを備えた板状の区切り部材
8bのそれぞれにアーム部8dが形成され、これらアー
ム部8dの先端部が、前記後部ヒンジ支持ブラケット3
bの側面に突設されてなるヨーク状のブラケット8eに
回動支点軸8fを介して連結されている。ところで、エ
アーセル7,8,9をこのような構成にしたのは、前部
左・右寝具敷部材6a,6b、左・右回動フレーム5
a,5bの回動角度を大きくすることを狙いとしたもの
である。
【0021】従って、前記アーム部8dの回動支点軸8
fを回動支点とする回動により、後部左エアーセル8
は、左右や基台2の中心側寄りに変形することなく、側
面から見たときに、扇状に広がり、かつ閉じるので、左
回動フレーム5aがスムーズに回動することとなる。な
お、本実施の形態における後部エアーセル8の区切り部
材8bのアーム部8dはそれぞれ1本ずつ設けられてい
るが、1対ずつ設けられていても良い。
【0022】前記3つのエアーセル7,8,9に、圧縮
空気を給排するエアーセル制御回路10は、図5(a)
に示すように、コンプレッサー11から前部エアーセル
7に第1電磁式空気供給弁12aが介装された第1空気
供給管12が、後部左エアーセル8に第2電磁式空気供
給弁13aが介装された第2空気供給管13が、後部右
エアーセル9に第3電磁式空気供給弁14aが介装され
た第3空気供給管14が連通している。なお、これら第
1空気供給管12、第2空気供給管13および第3空気
供給管14は何れも基台2に沿わせて配管されており、
これら各管の先端には、前部エアーセル7、後部左・右
エアーセル8,9の底部の側分に設けられてなる図示し
ない可撓性を有する空気流入管が接続される。
【0023】また、前記第1空気供給管12の第1電磁
式空気供給弁12aと前部エアーセル7との間から第1
電磁式排気弁15aが介装された第1排気管15が、前
記第2空気供給管13の第2電磁式空気供給弁13aと
後部左エアーセル8との間から第2電磁式排気弁16a
が介装された第2排気管16が、前記第3空気供給管1
4の第3電磁式空気供給弁14aと後部右エアーセル9
との間から第3電磁式排気弁17aが介装された第3排
気管17がそれぞれ分岐している。
【0024】前記コンプレッサー11、第1電磁式空気
供給弁12a、第2電磁式空気供給弁13a、第3電磁
式空気供給弁14a、第1電磁式排気弁15a、第2電
磁式排気弁16a、および第3電磁式排気弁17aの作
動・停止は、図示しない操作ボックスのボタン操作等に
よって容易に行えるように構成されている。
【0025】ところで、上記各電磁式空気供給弁12
a,13a,14aと、各電磁式排気弁15a,16
a,17aとは何れも同構成になるものであり、それぞ
れ管路を連通させ、かつ遮断する単純な開閉弁である
が、第1電磁式空気供給弁12aおよび第1電磁式排気
弁15a、第2電磁式空気供給弁13aおよび第2電磁
式排気弁16a、第3電磁式空気供給弁14aおよび第
3電磁式排気弁17aの組のそれぞれを、例えば図5
(b)に示すような、3ポート3位置の電磁弁に置換す
ることができる。
【0026】以下、上記構成になる実施の形態1に係る
介護用寝具台1の作用態様を、図6および図5を参照し
ながら、被介護者Cを右側に寝返りさせる場合を例とし
て説明すると、第2電磁式排気弁16aを閉弁すると共
に、第2電磁式空気供給弁13aを開弁する。そして、
コンプレッサー11を駆動すると、このコンプレッサー
11から吐出される圧縮空気が第2空気供給管13を介
して後部左エアーセル8に流入する。後部左エアーセル
8が扇状に伸長して左回動フレーム5aが回動し、所定
の回動角度になると第2電磁式空気供給弁13aを閉弁
する。
【0027】これにより、マットレス等の寝具Mが幅方
向の中央部分から「くの字状」に折れ曲がり、被介護者
Cの左側が右側よりも高くなるので、被介護者Cは右側
に容易に寝返りをすることができる。被介護者Cの寝返
り終了後には、第2電磁式排気弁16aを開弁し、第2
排気管16を介して後部左エアーセル8内の圧縮空気を
排気すれば、後部左エアーセル8が縮小し、左回動フレ
ーム5aは水平状態に戻るので、被介護者Cは横臥する
ことができる。勿論、被介護者Cを左側に寝返りさせる
場合には、後部右エアーセル9に圧縮空気を供給し、か
つ後部右エアーセル9から排気すれば良い。
【0028】次に、図7および図5を参照しながら、被
介護者Cの上半身を起こす場合を例として説明すると、
第1電磁式排気弁15aを閉弁すると共に、第2電磁式
空気供給弁12aを開弁する。そして、コンプレッサー
11を駆動すると、このコンプレッサー11から吐出さ
れる圧縮空気が第1空気供給管12を介して前部エアー
セル7に流入する。前部エアーセル7が扇状に伸長して
前部左・右寝具敷部材6a,6bが水平位置から回動
し、そして所定の回動角度になると第1電磁式空気供給
弁12aを閉弁する。
【0029】これにより、マットレス等の寝具Mの長手
方向の中央部分から「くの字状」に折れ曲がり、被介護
者Cの上半身側が下半身側より高くなるので、被介護者
Cは容易に上半身を起こすことができる。介護人による
被介護者Cの下着の着替えや食事終了後には、第1電磁
式排気弁15aを開弁して、第1排気管15を介して前
部エアーセル7内の圧縮空気を排気すれば、前部エアー
セル7が縮小して、前部左・右寝具敷部材6a,6bは
水平状態に戻るので、被介護者Cは横臥することができ
る。
【0030】本実施の形態1に係る介護用寝台具1によ
れば、上記のとおり、後部左・右エアーセル8,9への
圧縮空気の供給により左・右回動フレーム5a,5bが
大きな回動角度で回動するので、被介護者Cを自由自在
に左右へ寝返りさせるという寝返り機能を発揮すること
ができると共に、前部エアーセル7への圧縮空気の供給
により前部左・右寝具敷部材6a,6bが大きな回動角
度で回動するので、被介護者Cの上半身を容易に起こす
という背上げ機能を発揮することができる。従って、上
記従来例1に係る介護用ベッドまたは従来例2に係るベ
ッド装置に比較して、例え自力で身体を動かすことが困
難な被介護者Cであっても、この被介護者Cの介護作業
は遙に容易であり、また介護作業時に際しての被介護者
Cの苦痛が少なくて済むという極めて優れた効果を奏す
ることができる。
【0031】さらに、本実施の形態1に係る介護用寝台
具1の前部エアーセル7および後部左・右エアーセル
8,9は何れも、アーム部8dの働きにより、左右や基
台2の中心側寄りに変形することなく広がり、かつ閉
じ、また回動停止状態において左・右回動フレーム5
a,5bや前部左・右寝具敷部材6a,6bをふらつく
ことなく回動させ、かつ静止状態を維持させ続けるか
ら、被介護者に不安感を与えるようなことが少なくなる
という効果がある。
【0032】本発明の実施の形態2に係る介護用寝具台
の構成を、その側面図の図8を参照しながら説明する。
但し、本実施の形態2が上記実施の形態1と相違すると
ころは、寝具敷台の上にもエアーセルを設けるようにし
たものであるから、同一の物には同一符号を付して、か
つ同一名称を以て説明すると、本実施の形態2に係る介
護用寝具台1は、前記前部エアーセル7および後部左・
右エアーセル8,9とは個別に拡縮し、自由自在に移動
させ得る上部エアーセル20を付加したもので、この場
合には寝具敷台6に敷かれた寝具の上であって、かつ被
介護者Cの腰部に配設されている。
【0033】従って、本実施の形態2に係る介護用寝具
台1によれば、上記実施の形態1に係る介護用寝具台と
同効果があるのに加えて、圧縮空気を供給して上部エア
ーセル20を膨張させることにより、被介護者Cの臀部
が持ち上げられ、介護人は被介護者Cの下半身の下着の
交換、例えばおむつ等を容易に取り換えることができる
ので、上記実施の形態1に係る介護用寝具台1よりも、
より広範の介護作業の容易化が可能になるという優れた
効果がある。
【0034】以上に説明した本発明の実施の形態1また
は2に係る介護用寝具台は具体例にすぎず、従って本発
明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲内における設計
変更等は自由自在である。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1,
2または3に係る介護用寝具台によれば、後部左・右エ
アーセルへの圧縮空気の供給によって被介護者を自由自
在に左右へ寝返りさせるという寝返り機能が発揮される
と共に、前部エアーセルへの圧縮空気の供給によって被
介護者の上半身を起こすという背上げ機能が発揮される
が、エアーセルにより左・右回動フレームが回動され
る。従って、寝返り機能が不十分な上記従来例1に係る
介護用ベッドまたは従来例2に係るベッド装置よりも、
自力で身体を動かすことができない被介護者の介護作業
を遙に容易に行うことができ、また介護作業時に際して
の被介護者の苦痛が少なくて済むという極めて優れた効
果を奏することができる。
【0036】本発明の請求項2に係る介護用寝具台によ
れば、前部エアーセルおよび後部左・右エアーセルによ
り前部左・右寝具敷部材、左・右回動フレームが大きな
回動角度で回動され、そしてアーム部の働きにより、前
部エアーセルおよび後部左・右エアーセルは、何れもそ
の左右方向や基台の中心側寄り方向に変形することなく
広がり、かつ閉じ、また回動停止状態において左・右回
動フレームや前部左・右寝具敷部材がふらついたりする
ことなく回動し、かつほぼ静止状態に維持され続けるか
ら、自力で身体を動かすことができない被介護者の介護
作業がより容易になり、また被介護者に不安感を与える
ようなことが少なくなるという優れた効果がある。
【0037】本発明の請求項3に係る介護用寝具台によ
れば、前部エアーセルおよび後部左・右エアーセルとは
個別に拡縮し、自由自在に移動させ得る上部エアーセル
を付加したもので、例えば寝具敷台に敷かれた寝具の上
であって、かつ被介護者の腰部に位置させれば、この上
部エアーセルを膨張させることにより、被介護者の臀部
を持ち上げることができ、下半身の下着の交換、例えば
おむつ等も容易に取り換えることができるから、より広
範の介護作業の容易化に寄与することができるという優
れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る介護用寝具台の平
面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図3(a)は図1のB矢視図であり、また図3
(b)は図1のC−C線断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係り、図4(a)は後
部左エアーセルの斜視図であり、また図4(b)は後部
左エアーセルの側面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係り、図5(a)はエ
アーセル制御回路図であり、また図5(b)はエアーセ
ル制御回路の他の電磁弁をシンボルで示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係り、介護用寝具台の
寝返り機能説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係り、介護用寝具台の
背上げ機能説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る介護用寝具台の側
面図である。
【符号の説明】
1…介護用寝具台 2…基台 3a…前部ヒンジ支持ブラケット,3b…後部ヒンジ支
持ブラケット 4…ヒンジ,4a…ヒンジ軸,4′…ヒンジ,4a′…
ヒンジ軸,5a…左回動フレーム,5b…右回動フレー
ムヒンジ 6…寝具敷台,6a…前部左寝具敷部材,6b…前部右
寝具敷部材,6c…後部左寝具敷部材,6d…後部右寝
具敷部材 7…前部エアーセル 8…後部左エアーセル,8a…空気室,8b…区切り部
材,8c…圧縮空気通過穴,8d…アーム部.8e…ブ
ラケット,8f…回動支点軸 9…後部右エアーセル 10…エアーセル制御回路,11…コンプレッサー,1
2…第1空気供給管,12a…第1電磁式空気供給弁,
13…第2空気供給管,13a…第2電磁式空気供給
弁,14…第3空気供給管,14a…第3電磁式空気供
給弁,15…第1排気管,15a…第1電磁式排気弁,
16…第2排気管,16a…第2電磁式排気弁,17…
第3排気管,17a…第3電磁式排気弁 20…上部エアーセル B…皿小ねじ,C…被介護者,M…寝具

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後方向に長い基台と、この基台の幅方
    向の中央部に突設されたヒンジ支持ブラケットに前記基
    台の長手方向向きのヒンジ軸を介して取付けられた左回
    動フレームおよび右回動フレームと、前記左・右回動フ
    レームの後部側に取付けられた後部左・右寝具敷部材、
    およびこれら後部左・右寝具敷部材の前側に前記基台の
    幅方向向きのヒンジ軸を介して取付けられた前部左・右
    支寝具敷部材からなり、マットレス等の寝具が敷かれる
    寝具敷台と、前記基台の上側に配設され、圧縮空気の給
    排により左・右回動フレームを個別に回動させる後部左
    ・右エアーセルおよび前記前部左・右寝具敷部材を前記
    左・右回動フレームと個別に回動させる前部エアーセル
    とからなることを特徴とする介護用寝具台。
  2. 【請求項2】 前記後部左・右エアーセルおよび前部エ
    アーセルのそれぞれが複数の空気室に区切られ、複数の
    空気室に区切る区切り部材のそれぞれにアーム部が形成
    され、これらアーム部の先端部が前記基台の中央部側に
    設けられてなる回動支持軸に連結され、これら後部左・
    右エアーセルおよび前部エアーセルを側面から見たとき
    に、圧縮空気の給排により扇状に広がり、かつ閉じるよ
    うに形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の
    介護用寝具台。
  3. 【請求項3】 前記前部エアーセルおよび後部左・右エ
    アーセルとは個別に拡縮し、自由自在に移動させ得る上
    部エアーセルを付加したことを特徴とする請求項1また
    は2のうちの何れか一つの項に記載の介護用寝具台。
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