JP2001255104A - リング溝幅測定装置 - Google Patents
リング溝幅測定装置Info
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Abstract
定装置を提供する。 【解決手段】本発明のリング溝幅測定装置は、筒状部材
41で、アニュラスギヤ3に嵌まっているアウトプット
シャフト8のハブ9をリング溝11側から押圧して、同
筒状部材41と共に進む揺動杆50をハブ表面に導き、
その後、揺動杆50の先端を待機位置から基端を支点に
アニュラスギヤ3の内周面へ向かい揺動させて、揺動杆
50の先端に有る突片56をリング溝11内の一方の側
面側に振り込ませてから、同揺動杆50を他方の側面と
突き当たるまでリング溝11の溝幅方向沿いに移動さ
せ、その揺動杆50の変位量を検出するという、突片5
6のリング溝11への進入を、アニュラスギヤ3の径方
向からわずかに揺動させる運動だけですませて、リング
溝の溝幅の測定を行えるようにしたことにある。
Description
嵌まるリング溝の溝幅の測定を、同スナップリングによ
って抜け止めされる部材が付いたまま行うリング溝幅測
定装置に関する。
遊星歯車装置やクラッチ機構が組み合わさるアッセンブ
リ構造体を用いて、必要な変速が行われている。
Aには、端部の内周面にリングギヤ部1a、嵌合部1b
(例えば内歯よりなる)が形成された筒状のアニュラス
ギヤ3(環状の第1部材に相当)を用い、このギヤ3の
リングギア部1aに遊星歯車機構4のサンギヤ5、プラ
ネタリギヤ6を組み付け、内部に多板クラッチ(図示し
ない)を内蔵したクラッチハウジング7を収め、嵌合部
1bにアウトプットシャフト8(第2部材に相当)を組
み付ける構造が用いられている。
の組み付けには、同図中に示されるようにアウトプット
シャフト8に形成してある、外周部に外歯9aが付いた
ハブ部9を嵌合部1bに挿入してから、この嵌合部1b
の直前にほぼC字状に形成されたスナップリング10を
嵌めて、アウトプットシャフト8のハブ部9を側方から
押え付けるようにし、同スナップリング10でアウトプ
ットシャフト8をがたなく抜け止め固定することが行わ
れている。
は、通常、嵌合部1bの出入口と隣接するアニュラスギ
ヤ3の内周面部分に形成されている周方向に連続するリ
ング溝11内に嵌め込むことで行われる。
付けに際し、リング溝11の溝幅やハブ部9の嵌合部1
bにおいて、予め決められた以上のばらつきが発生して
いることがある。このような場合は、スナップリング1
0が嵌まっても所定の組立精度が確保できないので、ス
ナップリング10や同スナップリング10で固定される
アウトプットシャフト8ががたつきを発生する。
従来、アウトプットシャフト8をアニュラスギヤ3に挿
入した後、スナップリング10が組み付けたときの状態
が再現されるよう、アウトプットシャフト8のハブ部9
をアニュラスギヤ3に対して押え付けておき、このまま
の状態下で、測定ゲージ(図示しない)を用いて、同押
え付けで開放されるリング溝11の溝幅を実測すること
が行われている。そして、この測定値を基準に、各種の
寸法の厚み寸法をもつ複数種のスナップリング10の中
から、測定値に合う厚み寸法のスナップリング10を選
び出し、同スナップリング10をリング溝11に嵌め込
んでいた。
測定は、ほとんど手作業に依存していたので、測定値は
ばらつきやすい傾向があり、スナップリング10による
アウトプットシャフト8の良好な組み付けが行えないこ
とがある。
されるように自動機でスナップリングが嵌まるリング溝
の測定を行えるようにしたクリアランス測定装置が提案
されている。
体的にはモータの駆動により周方向に回転し、またシリ
ンダにより昇降する支持板に、プッシュロッドと先端に
突片を有する検出体とを並行に設けた構造を採用して、
リング溝の溝幅を測定するようにしたものである。詳し
くは、モータで支持板を周方向に回転させ、さらにシリ
ンダで支持板を下降させることにより、下降するプッシ
ュロッドで、多板式クラッチの有底筒状のクラッチガイ
ド内に収めた積層体を押え付けて、クラッチガイドの開
口側の内周面にあるリング溝の開口を開放させる。また
支持板の回転にしたがいクラッチガイドの周方向に沿っ
て移動する検出体により、突片をリング溝内の片側に進
入させる。その後、回転を停止させ、積層体を押え付け
たまま、別途、シリンダで、突片がリング溝の反対側の
側面と当接するまで、検出体を上昇させることで、リン
グ溝の溝幅を検出しようとしている。
は、コストの低減を図るために、簡素化が求められる。
ラッチガイドの周方向沿いに移動させて突片をリング溝
内に進入させる構造は、検出体の動きが大きく、検出体
の移動する範囲が広くなりやすいので、装置が複雑にな
りやすい傾向がある。
で、その目的とするところは、装置の簡素化が可能なリ
ング溝幅測定装置を提供することにある。
に請求項1に記載のリング溝幅測定装置は、第1部材に
嵌挿された第2部材を押圧する押圧部材と共に進んで、
先端にある突片を第2部材の表面へ導く、全体が基端側
を支点として待機位置から第1部材の内周面へ向かい揺
動可能でかつ軸方向に変位可能とした揺動杆と、同揺動
杆を第1部材のリング溝内へ振り込むように揺動させる
揺動手段と、同振り込また状態の揺動杆をリング溝の溝
幅方向に移動させる移動手段とを採用して、リング溝の
溝幅測定に必要な突片のリング溝への進入を、第1部材
の径方向からわずかに揺動杆を揺動させる運動だけです
ませて、小さな突出片の動きだけで、リング溝の溝幅の
測定が行えるようにしたことにある。
上記目的に加え、さらに部品類をコンパクトに集約した
占有スペースが小さい構造で、リング溝の溝幅の測定が
行えるようにするため、ワークは、リング溝がある側を
上向きにして配置されることを前提とした上で、押圧部
材を、ワークの上方でシリンダ機構により昇降可能に支
持されて上下方向に配設された、先端に押圧子を有する
筒状部材から構成して、この筒状部材の内部に揺動杆を
上下方向に変位可能に吊持して揺動可能に収め、揺動手
段を、筒状部材に組み付いて揺動杆を突片が有る方向へ
付勢する弾性部材と筒状部材に組み付いて進退杆の突き
出しにより揺動杆を弾性部材の付勢方向とは反対方向へ
押し付けて待機させ、進退杆の退避により揺動杆を弾性
部材の復元力で揺動変位させるピンシリンダとを有して
構成し、また移動手段を、シリンダ機構と揺動杆の吊持
部との間に介装され該吊持部を弾性支持する弾性支持部
材と、弾性支持部材の変形と復元との切換えにより揺動
杆の突片を弾性支持部材の復帰力でリング溝の溝幅をな
す下の面側から上側の面まで上昇させる切換機構とを有
して構成し、さらに検出手段を、筒状部材に組み付いて
突片の上昇に伴う変位を検出するセンサで構成すること
によって、測定に必要な部分を細長のユニット化した測
定ユニットで構成するようにしたことにある。
上記目的に加え、さらにリング溝の溝幅が高い精度で測
定されるよう、シリンダ機構を、共通な1つの昇降シリ
ンダから構成し、この昇降シリンダの進退杆の先端に、
フローティング機構を介して、共通な1つの台座が吊持
し、この台座に、ワークの周方向に沿いに等間隔で、測
定ユニットが複数、組み付け、さらに台座に弾性支持部
材、切換機構を組み付けることによって、リング溝の複
数箇所における溝幅を1度に測定可能にしたことにあ
る。
上記目的に加え、リング溝にスナップリングを嵌めた
後、同じ装置で、組み付け後におけるクリアランスの測
定が行えるよう、リング溝にスナップリングを組み付け
た後、ワークのスナップリングが有る側の端部に被せる
環状の治具を有し、さらにワークの第2部材だけをスナ
ップリングが有る方向へ押圧する押圧機構を有した構造
とした上で、治具を、台1部材の端部と重なるように配
置されて、押圧部材からの押圧力を受ける第1の環状部
材と、この第1の環状部材の内側に同部材の軸方向に変
位可能に組み合わさり押圧機構から加わる第2部材から
の押圧力を揺動杆の先端に伝える第2の環状部材とを有
して構成することによって、共通の装置構造で、そのま
ま、スナップリングがリング溝に組み付いた後のクリア
ランス検出を可能にしたことにある。
示す一実施形態にもとづいて説明する。
置のアッセンブリ構造体Aのアニュラスギヤ3(本願の
第1部材に相当)のリング溝11の溝幅を、アウトプッ
トシャフト8(本願の第2部材に相当)を嵌挿したま
ま、測定する溝幅測定装置の主要部の構成を示してい
る。
られた測定用のステージ、22は同作業ステージ20か
ら前方に突き出るように形成されたスナップリング組付
用のステージである。このうちステージ22の側部に
は、スナップリング10の厚み寸法を測定するために用
いる測定治具23が組み付けてある。またステージ20
の上面中央には、図3にも示されるようにワークホルダ
24が組み付けてある。そして、このワークホルダ24
で、被測定物(ワーク)であるアッセンブリ構造体A
(ここでは、アニュラスギヤ3の端部にアウトプットシ
ャフト8を嵌挿しただけの構造体を指す)を、アウトプ
ットシャフト8を上側(リング溝11がある側)に向け
た状態で保持させている。また架台21の内部には、押
圧機構として突き出し用のシリンダ25が収められてい
る。このシリンダ25は、図3に示されるようにステー
ジ20の裏面中央に、ブラケット26を介して、上向き
に取り付けられている。このシリンダ25の進退杆25
aの先端には、例えば半球面で形成された突き具27が
取り付けられている。このシリンダ25の突き具27
は、ステージ20の中央部分を貫通して、ワークホルダ
24付近に配置され、同地点で待機させてある。これに
より、シリンダ25の進退杆25a待機位置から伸ばす
と、突き具27がアウトプットシャフト8のシャフト部
9cの基端(背面側)に突き当たり、アウトプットシャ
フト8だけが下側から上方へ押圧されるようにしてあ
る。
方向に向かってフレーム30が延びている。このフレー
ム30の上部には、前方へ向かって延びる支持台31を
介して、測定機構33が吊持してある。図2(a)に
は、この測定機構33の構造が断面で示されている。
台30に下向きに据え付けられた1つの昇降シリンダ
(本願のシリンダ機構に相当)である。同シリンダ34
は、例えばワークホルダ24の軸中心を延長した線上に
据え付けてある。そして、同シリンダ34の進退杆34
aが支持台31を貫通して、下方へ突き出ている。この
進退杆34aの先端部には、例えば下端に球面部をもつ
大径部35と同大径部35の外周部から移動自在に吊り
下がる吊持具36とで構成されるフローティング機構3
7を介して、台座38の中央が吊持されている。台座3
8は、例えば略正三角形状に形成されるプレートから構
成してある。この台座38の各角部に相当する部分に
は、それぞれフォークエンド部39が形成されている。
これら各フォークエンド部39には、細長にユニット化
された測定ユニット40が吊持され、各測定ユニット4
0(3つ)をワークホルダ24で保持されているアンニ
ュラスギヤ3の周方向沿いに等間隔で配置させている。
採用されている。このうち1つの構造について説明する
と、41は、上下方向に沿って延びている細径の筒状部
材(本願の押圧部材に相当)である。この筒状部材41
の上端部は、同部材41を径方向に貫通するピン42を
介して、上記フォークエンド部39に吊持してある。ま
た筒状部材41の先端部には、図2(b)に示されるよ
うに中央にアニュラスギヤ3の径方向に沿って延びる細
長の開口43をもつフランジ部材44が取り付けてあ
る。このフランジ部材44の開口43を挟む先端に、突
起よりなる一対の押圧子45が形成してある。押圧子4
5は、アウトプットシャフト8のハブ外周側と向き合う
地点に形成してある。また筒状部材41の中間部は、フ
レーム30の側面に設けたリニアガイド機構46で上下
方向にスライド自在にガイドされている。リニアガイド
機構46は、フレーム30の側面に設けた上下方向に沿
って延びるガイドレール部46a、同レール部46aを
スライドするプレート状のスライド子46b、同スライ
ド子46bと筒状部材41の中間部分とを外筒41b介
して一体に連結するプレート状の連結部材46cの組み
合わせから構成してある。そして、同リニアガイド機構
46のガイド機能により、昇降シリンダ34の下降動作
に伴い下降する押圧子45を、目標となるアウトプット
シャフト8のハブ9の所定位置(リング溝11の近傍)
へ向かわせるようにしてある。こうしたフローティング
機構37を含む各種のガイド構造により、3つの押圧子
45で、ハブ9の外周側が均一に押圧されるようにして
いる。
て揺動杆50が収められている。揺動杆50は、例えば
開口43の幅寸法より若干、小さな外径をもつシャフト
部材から構成してある。このシャフト部材の上端部(基
端部)には、開口43の幅方向に沿って貫通する貫通孔
51が形成されている。同貫通孔51は、軸心方向に細
長く延びる長孔をなしている。この貫通孔51内には、
筒状部材41の周壁を貫通しているピン部材53が摺動
自在に挿通されている。この貫通孔51の形状を利用し
て、揺動杆50の全体を軸方向に移動可能に吊持してい
ると同時に、貫通孔51を貫通するピン部材53を利用
して、揺動杆50の全体を、同ピン部材53を支点に、
アニュラスギヤ3の径方向に揺動可能している。またシ
ャフト部材の下端部(先端)には、爪体54が取り付け
られている。爪体54は、シャフト部材の外周面に形成
してある軸方向に延びる凹溝を補完しつつ、先端(下
端)がシャフト部材の軸端から突き出るよう、シャフト
部材の外周にボルト止めされたプレート状の本体部55
と、本体部55の下端(先端)から、アニュラスギヤ3
の径方向外側へ向かって突き出る平板状の突片56とを
有して構成されている。この揺動杆50の構造により、
筒状部材41が下降するに伴い、揺動杆50の先端部を
なす、突片56や本体部55の下端が、押圧子45で押
圧されるハブ9の表面へ導かれるようにしてある。
を揺動させるための揺動機構60(本願の揺動手段に相
当)が組み付けられている。揺動機構60には、ばねの
弾性力を用いて、揺動杆51をアニュラスギヤ3の径方
向外側へ揺動させる構造が用いられている。具体的に
は、筒状部材41の下端側の周壁、詳しくはアニュラス
ギヤ3の中心側に向く周壁部分とこれと対向する爪体5
4の本体部55との間には、圧縮スプリング61(本願
の弾性部材に相当)が介装され、揺動杆50を外側(突
片56が有る方向)へ付勢するようにしてある。なお、
62は圧縮スプリング61のばね座を形成する揺動杆5
0の外周面に形成された凹部を示し、63は同じく筒状
部材41の周壁にねじ込まれたプラグを示す。また圧縮
スプリング61が有る側とは反対となる筒状部材41の
周壁部分、詳しくは圧縮スプリング61が有る地点とピ
ン部材53が有る地点との間の周壁部分には、台状のブ
ラケット64を介して、ピンシリンダ65が取り付けて
ある。ピンシリンダ65の進退杆65aは、筒状部材4
1の周壁を貫通して延びて、揺動杆41を圧縮スプリン
グ61が縮む方向へ押え付け、斜めの状態に保持させて
いる(図2中の実線に図示)。この揺動杆41の状態を
待機位置としてあり、同状態からピンシリンダ65の進
退杆65aを退避させると、圧縮スプリング61の復元
力により、揺動杆41が外側へ揺動変位するようにして
ある。この動きにより、突片56がアニュラスギヤ3の
内方からリング溝11内へ振り込まれるようにしてい
る。なお、筒状部材41の周壁には、揺動杆50の状態
が待機位置であるのか振り込み位置であるのかを検出す
るための近接センサ50aが組み付けてある。
1の貫通孔41aは、図2に示されるように揺動杆50
の貫通孔51と同様、軸方向に延びる長孔で形成してあ
る。この揺動杆41の吊持部をなすピン部材53は、ば
ね式の第2昇降機構70(本願の移動手段に相当)を介
して、上方にある昇降シリンダ34の台座38に連結さ
れている。そして、このピン部材53と昇降シリンダ3
4との間に介装された第2昇降機構70を用いて、リン
グ溝11内に振り込んだ突片56を上下方向へ移動させ
るようにしてある。
71は、台座38とリニアガイド機構46の連結部材4
6cとの間に水平に配置された支持プレートである。同
プレート71は、台座38とほぼ同じ外形(ほぼ正三角
形状)に形成してある。そして、支持プレート71の各
角部に相当する部分は、台座38のときと同様、フォー
クエンド部72を介して、ピン部材53に連結され、貫
通孔41aのクリアランス分、揺動杆50を上下方向に
移動可能としてある。73は、台座38の後部から吊り
下がるように取り付けられた吊り部材である。この吊り
部材73は、プレート部材を逆L字形に組み合わせて構
成してあり、そのうち先端の水平なプレート部分73a
が、支持プレート71の下側へ張り出ている。そして、
向き合う支持プレート71の中央とプレート部分73a
の中央との間には、圧縮スプリング74(本願の弾性支
持部材に相当)が介装され、ピン部材53を通じて、揺
動杆50を上下方向に移動可能に弾性支持させている。
また支持プレート71を挟む圧縮スプリング74とは反
対側にある台座38の裏面には、下向きにエア式のシリ
ンダ75(本願の切換機構に相当)が据え付けてある。
同シリンダ75は、エアが注入されて、シリンダ75の
進退杆75aが下方へ伸びると、圧縮スプリング74を
変形させて、支持プレート71(含む揺動杆50)を下
降させるようにしてある。またシリンダ75のエアを抜
くと、圧縮スプリング74の復元力により、支持プレー
ト71(含む測定ユニット40)が持ち上がるようにし
てある。そして、この昇降機構70により、揺動杆50
が下降した状態のまま、リング溝11内への突片56の
振り込みが行われ、振り込みを終えたら、圧縮スプリン
グ74の復元力で、揺動杆50が上昇されるようにして
ある。つまり、シリンダ75で行われる圧縮スプリング
74の変形と復元の切換えにより、リング溝11内に振
り込んだ突片56を下側の面側から上側の面と突き当た
る(規制)まで上昇させるようにしてある。なお、76
は、支持プレート71の上面中央に組み付けられてい
る、スプリング座(圧縮スプリング74)を兼ねるシリ
ンダ受け部材、77は支持プレート71の上下方向の変
位量を規制するストッパーを示す。
ン42と揺動杆50の基端との間に有る空き空間には、
検出手段、例えばリニアゲージ78が組み付けられてい
る。同リニアゲージ78の測定子78aは、揺動杆50
の基端に当接させてあり、揺動杆56の基端から測定子
78aへ伝わる揺動杆50の変位から、突片56の上昇
に伴う変位が検出されるようにしてある。なお、79は
リニアゲージ78を筒状部材41の周壁に固定するため
のブラケットを示す。
機械的(自動)で、ステージ20にセットされたアニュ
ラスギヤ6のリング溝11の溝幅を、アウトプットシャ
フト8を組み付けたまま測定できるようにしてある。
そのまま利用して、スナップリング10の組付後のクリ
アランス測定を可能とするための測定支援治具(本願の
治具に相当)である。測定支援治具80は、スナップリ
ング10の組み付けを終えたアニュラスギヤ3の上端部
(リング溝11側の端部)に被せて用いる治具である。
同治具80は、図3に示されるようにアニュラスギヤ3
の端面に重なるように組み合う大径の環状部材81(本
願の第1の環状部材に相当)と、この環状部材81の内
側に配置される小径な環状部材82(本願の第2の環状
部材に相当)との組み合わせから構成してある。環状部
材81は、下端外周縁にアニュラスギヤ3の外周面と嵌
まるガイド用のリブ81aが形成された断面がほぼ平板
状の部材から構成されている。また環状部材81の内周
面の周方向各部には、先端が内方へ突き出るようにピン
83が組み付けてある。そして、このアニュラスギヤ端
に被さる環状部材81で、筒状部材41,押圧子45を
通じて、昇降シリンダ34から加わる上側からの押圧力
を受けるようにしてある。また環状部材82は、下端部
にスナップリング近傍の地点に向かって突き出る突条8
5が形成された薄肉の筒部材から構成されている。そし
て、この筒部材の上面で、待機位置にある揺動杆50の
先端部、すなわち爪体54の本体部55の下端を受け止
め、筒部の突条84で、アウトプットシャフト8のハブ
9が受け止められるようにしている。筒部材の全長は、
環状部材81の厚み寸法よりも大きくしてある。
1の内周各部から突き出るピン83の先端を遊嵌する通
孔84が形成されていて、同遊嵌構造で、環状部材82
を環状部材81に対して軸方向に変位可能に組み合わせ
ている。そして、この環状部材81,82が相対的に変
位可能な構造を利用して、ハブ9の下側から加わるシリ
ンダ25からの力を揺動杆50の先端へ伝えるようにし
ている。これで、リング溝11の溝幅を測定する機器を
共通に用いて、リニアゲージ78で、スナップリング1
0が組み付いた後のクリアランスの測定が行えるように
している。
架台21およびフレーム30の側部に、複数段、設置し
た種々、サイズの異なるスナップリング11を収めてお
くための収容箱を示す。
の溝幅測定、スナップリング組付後のクリアランス測定
の手順が図4、図6に示されている。
ス測定を説明すれば、今、リング溝11の溝幅を測定す
るべく、図1に示されるようにステージ20のワークホ
ルダ24に、アニュラスギヤ3の端部にアウトプットシ
ャフト8を嵌めただけのアッセンブリ構造体Aを上向き
にセットする。むろん、スナップリング11は組み付け
ていない。
定装置を溝幅測定モードで運転させる。
作する。これにより、台座38に等間隔に吊持されてい
る3つの筒状部材41が、同部材41に組み付けられて
いる揺動杆50、ピンシリンダ65、リニアゲージ78
などの機器と共に下降する。
5の伸長動作により内方へ傾き、また突片56は、エア
式のシリンダ75の伸長動作により押圧子45の先端と
ほぼ同じ位置となる姿勢で待機している[(図2(a)
中、実線で示す状態)]。
ように各筒状部材41の先端にある押圧子45が、リン
グ溝11近傍のハブ9の上端面部分に当接して、単に嵌
まっているだけのハブ9を3個所から所定の押圧力で均
等に押圧する。これにより、ハブ9は、がたつきをもた
らしているクリアランスを詰めるように押されて、アニ
ュラスギヤ3に均一に嵌まり込んでいく。これにより、
リング溝11は全開する。
は、図4(b)に示されるように傾斜した待機の姿勢の
ままで、押圧子45で押圧しているハブ9の近傍の上面
(表面)に導かれる。
いる最中、各筒状部材41に有るピンシリンダ65が退
避動し、各揺動杆50の拘束を解除する。すると、各揺
動杆50は、圧縮スプリング61が戻る力により、外側
へ揺動させられる。これにより、各揺動杆5の先端に有
る突片56は、アニュラスギヤ3の周壁に有るリング溝
11に振り込まれ、突片56が、リング溝11の下側に
有る側面にならってリング溝11の内部へ進入する。そ
して、爪体54の本体部55がアニュラスギヤ3の内面
に突き当たる[図4(C)]。
置まで揺動したことが検出されると、エア式のシリンダ
75の空気が抜け出る(収縮動作)。すると、支持プレ
ート71の拘束は解除され、復帰する圧縮スプリング7
4により、支持プレート71は上方へ突き上げられ、各
揺動杆50を上昇させる。
は、リング溝11の上側の側面と突き当たるまで上昇す
る。
ジ78の測定子78aに伝わる。このリニアゲージ78
の出力から、リング溝11の溝幅Bが検出される。
装置を元の状態に戻してから、測定ずみのアセンブリ構
造体Aをステージ20からステージ22へ移す。そし
て、同場所でスナップリング11の組み付けを行う。
み寸法のスナップリング11を収容箱86a〜86eか
ら選び出し、測定治具23で、選んだスナップリング1
1の厚み寸法を確認した後、図5に示されるようにリン
グ溝11内に組み付ける。
クリアランスが適正な範囲であるか否かを判定するため
にクリアランス測定を行う。
の組み付けを終えたアニュラスギヤ3をステージ22か
らステージ20のワークホルダ24へ移し直す。この
後、図3および図6(a)に示されるようにアニュラス
ギヤ3の上端部に測定支援治具80を被せる。むろん、
測定支援治具80は、先にアニュラスギヤ3の上端部に
被せてから、ワークホルダ24にセットしても構わな
い。
装置をクリアランス測定モードで運転させる。
リンダ34が伸長動作する。これにより、台座38に等
間隔に吊持されている3つの筒状部材41が、同部材4
1に組み付けられている揺動杆50、ピンシリンダ6
5、リニアゲージ78などの機器と共に下降する。
65の伸長動作により、内方へ傾き、またエア式のシリ
ンダ75の伸長動作により、突片56が押圧子45の先
端とほぼ同じ位置となる姿勢で待機している。
各筒状部材41の先端にある押圧子45が、測定支援治
具80のうち、環状部材80の上面に当接して、アニュ
ラスギヤ3の周壁を所定の押圧力で上方から均等に押圧
する。と共に各揺動杆5の先端部となる爪体54の本体
部下端が、環状部材82の上端面に当接する。
動作し、図6(c)に示されるように上方へ伸びる進退
杆25aの先端部が、アウトプットシャフト8のシャフ
ト部9cの基部端の裏面に形成されている凹部9dの底
面に突き当たり、アウトプットシャフト8(ハブ9+シ
ャフト部9c)を下方から所定の押圧力で押圧する。
の押圧力で押え付けられているから、挟み付けによりア
ウトプットシャフト8が嵌まっている嵌合部分やスナッ
プリング11が嵌まっている嵌合部にクリアランスがあ
れば、そのクリアランスが詰まるよう、アウトプットシ
ャフト8やスナップリング11が押し上げられる。
リアランスとなって、アウトプットシャフト8のハブ9
と密接している揺動杆50へ伝わる。
能に吊持されているから、揺動杆50の変位分、上方に
変位する。つまり、押上げ変位量が、リニアゲージ78
の測定子78aへ伝わる。このリニアゲージ78の出力
から、スナップリング組付後のクリアランスCの測定が
行われる。
と、あらかじめマスターと呼ばれる測定基準となる基準
スナップリングをワークに装着したときのクリアランス
データとを比較して、クリアランスCが適正か否かの判
定を行えばよい。
ング溝11の溝幅Bの測定が行えるので、高い精度での
溝幅測定ができる。
56のリング溝11への進入は、ワーク径方向からわず
かに揺動杆50を揺動させるだけの構造ですむので、揺
動杆50および突片56が占める移動領域は小さくてす
み、その分、装置構造の全体の構成が簡素化される。
1つの測定ユニット40に集約されているから、測定に
必要な機器が占める占有スペースは小さくてすみ、測定
装置の軽量、コンパクト化にも優れる。
リンダ34に、フローティング機構37を介して、共通
な1つの台座38を吊持し、この台座38にばね式の昇
降機構20、さらには上記測定ユニット40を複数、等
間隔に組み付ける構造を採用したので、コンパクトな測
定ユニット40を活かして、リング溝11の複数箇所を
1度に測定することができ、リング溝11の溝幅全体を
1度の工程だけで高精度に測定できる。
支援治具80と、アウトプットシャフト8を反対側から
押圧するシリンダ25との構造を採用したので、リング
溝11の溝幅を測定する測定装置の構造をそのまま用い
て、スナップリング組付後のクリアランス測定ができ、
別途、コスト的な負担なく、同クリアランス測定が実現
できる。
れることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々
変更して実施しても構わない。例えば一実施形態では、
自動変速装置に用いられる部品(アニュラスギヤとアウ
トプットシャフトとが組み合う部品)をワークとして用
いて、アニュラスギヤの内周面に有るリング溝の溝幅の
測定、スナップリング組付後におけるリング溝のクリア
ランス測定を行ったが、これに限らず、他の装置に用い
られる部品をワークとして用いてもよく、要はリング溝
が形成された環状の部材、リング溝に嵌まるスナップリ
ングで抜け止めされる部材とが組み合う部品であれば、
リング溝の溝幅測定、スナップリング組付後クリアラン
ス測定が行えるものである。
明に記載の発明によれば、リング溝の溝幅測定に必要な
突片のリング溝への進入を、ワークの径方向からわずか
に揺動杆を揺動させる運動だけですませて、小さな突片
の動きだけで、自動でリング溝の溝幅の測定を行うこと
ができる。
動領域は小さくてすみ、その分、装置構造における全体
構成の簡素化を図ることができる。
要な部品類が細長の1つの測定ユニットに集約でき、そ
の分、測定に必要な機器が占める占有スペースは小さく
できる。したがって、上記効果に加え、測定装置の軽
量、コンパクト化に優れるといった効果を奏する。
トな測定ユニットを活かして、リング溝の複数箇所を1
度に測定することができ、上記効果に加え、リング溝の
溝幅全体を1度の工程だけで高精度に測定できるといっ
た効果を奏する。
の溝幅を測定する測定装置の構造をそのまま用いて、ス
ナップリング組付後のクリアランス測定ができ、上記効
果に加え、コスト的を抑えつつ、同クリアランス測定が
できるといった効果を奏する。
の全体の概略的な構成を示す斜視図。
めの図。
説明するための断面図。
される工程を説明するための断面図。
測定の工程を説明するための断面図。
けて構成される機器を示す断面図。
Claims (4)
- 【請求項1】 内周面にスナップリングが嵌挿可能なリ
ング溝が形成された環状の第1部材と、前記第1部材の
前記リング溝と隣接した内周面部分に嵌挿され該リング
溝に嵌まるスナップリングで抜け止めされる第2部材と
を有するワークを用い、前記第2部材が嵌挿された状態
のまま、前記第1部材のリング溝の溝幅を測定するリン
グ溝幅測定装置であって、 前記ワークの軸心方向に沿って配設され、当該ワークの
軸心方向から前記第2部材へ向かい進んで当該部材を押
圧して前記リング溝の開口を所定に開放させる杆状の押
圧部材と、 前記押圧部材と並行に配置されて前記ワークの軸心方向
に沿いに配設され、前記押圧部材と共に前記ワークの軸
心方向から前記第2部材へ向かい進み先端が前記押圧部
材で押圧した前記第2部材の表面へ導かれる、先端に前
記第1部材の内周面へ向かって突き出る突片が形成さ
れ、かつ全体が基端側を支点として待機位置から前記第
1部材の内周面へ向かって揺動可能で、さらに軸方向に
変位可能に構成された揺動杆と、 前記突片が前記リング溝内へ振り込まれるよう前記揺動
杆を揺動させる揺動手段と、 前記突片が振り込まれた状態で、前記揺動杆を前記リン
グ溝の溝幅をなす一方の面側から他方の面で規制させる
まで軸方向沿いに移動させる移動手段と、 前記揺動杆の変位量を検出する検出手段とを具備したこ
とを特徴とするリング溝幅測定装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載のリング溝幅測定装置に
おいて、 前記ワークは、リング溝がある側を上向きにして配置さ
れるようにし、 前記押圧部材は、前記ワークの上方に上下方向に沿って
配設されてなり、基端側がシリンダ機構により昇降可能
に支持され、先端には押圧子を有する筒状部材から構成
され、 前記揺動杆は、前記筒状部材に基端が上下方向に変位可
能に吊持されて当該筒状部材の内部に揺動可能に収めら
れ、 前記揺動手段は、前記筒状部材に組み付けられ前記揺動
杆を前記突片が有る方向へ付勢する弾性部材と、前記筒
状部材に組み付けられ進退杆の突き出しにより前記揺動
杆を前記弾性部材の付勢方向とは反対方向へ押し付けて
待機させ、進退杆の退避により前記揺動杆を前記弾性部
材の復元力で揺動変位させるピンシリンダとを有して構
成され、 前記移動手段は、前記シリンダ機構と前記揺動杆の吊持
部との間に介装され該吊持部を弾性支持する弾性支持部
材と、前記弾性支持部材の変形と復元との切換えにより
前記揺動杆の突片を弾性支持部材の復帰力で前記リング
溝の溝幅をなす下の面側から上側の面まで上昇させる切
換機構とを有して構成され、 前記検出手段は、前記筒状部材に組み付けられ前記突片
の上昇に伴う変位を検出するセンサで構成され、 前記筒状部材に、前記揺動杆、前記弾性部材、前記ピン
シリンダおよび前記センサを組み付けて細長にユニット
化された測定ユニットにより、リング溝の溝幅の測定を
可能としてあることを特徴とするリング溝幅測定装置。 - 【請求項3】 請求項2に記載のリング溝幅測定装置に
おいて、 前記シリンダ機構は、共通な1つの昇降シリンダから構
成され、 この昇降シリンダの進退杆の先端には、フローティング
機構を介して、共通な1つの台座が吊持され、 この台座に前記ワークの周方向に沿いに等間隔で、前記
測定ユニットが複数、組み付けられ、 かつ前記台座には前記弾性支持部材、前記切換機構とが
組み付けられ、 前記リング溝の溝幅の複数箇所を1度に測定可能にして
あることを特徴とするリング溝幅測定装置。 - 【請求項4】 請求項1に記載のリング溝幅測定装置に
おいて、 前記リング溝にスナップリングを組み付けた後、ワーク
のスナップリングが有る側の端部に被せる環状の治具を
有し、 さらに前記ワークの第2部材だけを前記スナップリング
が有る方向へ押圧する押圧機構を有し、 かつ前記治具が、前記第1部材の端部と重なるように配
置されて、前記押圧部材からの押圧力を受ける第1の環
状部材と、この第1の環状部材の内側に同部材の軸方向
に変位可能に組み合わさり前記押圧機構から加わる前記
第2部材からの押圧力を前記揺動杆の先端に伝える第2
の環状部材とを有して構成され、 当該治具により、共通の装置構造で、前記スナップリン
グがリング溝に組み付いた後のクリアランス検出を可能
にしたことを特徴とするリング溝幅測定装置。
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