JP2001254780A - 防振ゴム構造体及び防振マウント - Google Patents
防振ゴム構造体及び防振マウントInfo
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- JP2001254780A JP2001254780A JP2000066468A JP2000066468A JP2001254780A JP 2001254780 A JP2001254780 A JP 2001254780A JP 2000066468 A JP2000066468 A JP 2000066468A JP 2000066468 A JP2000066468 A JP 2000066468A JP 2001254780 A JP2001254780 A JP 2001254780A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 防振ゴム構造体において、常温はもちろんの
こと、高温雰囲気中であっても、防振ゴム本体の物性を
長期間にわたって維持することを目的とし、特に耐熱
性、高温雰囲気中での耐久性の向上を図る。 【解決手段】 外部から与えられる振動を減衰させる防
振ゴム本体32と、防振ゴム本体32を覆うように配設
され、防振ゴム本体33との間に密閉空間を区画形成し
て該密閉空間への酸素進入を遮断する酸素遮断部35
a,35bと、その密閉空間38a,38bに封入さ
れ、防振ゴム本体の酸化劣化を防止する酸化劣化防止体
39a,39bとにより防振ゴム構造体30を構成す
る。
こと、高温雰囲気中であっても、防振ゴム本体の物性を
長期間にわたって維持することを目的とし、特に耐熱
性、高温雰囲気中での耐久性の向上を図る。 【解決手段】 外部から与えられる振動を減衰させる防
振ゴム本体32と、防振ゴム本体32を覆うように配設
され、防振ゴム本体33との間に密閉空間を区画形成し
て該密閉空間への酸素進入を遮断する酸素遮断部35
a,35bと、その密閉空間38a,38bに封入さ
れ、防振ゴム本体の酸化劣化を防止する酸化劣化防止体
39a,39bとにより防振ゴム構造体30を構成す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は長期にわたって防振
機能を維持しうる防振ゴム構造体及び防振マウントに関
する。
機能を維持しうる防振ゴム構造体及び防振マウントに関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンルーム内の温度は、従
来、−30℃〜100℃の範囲内に収まっていたが、近
年の自動車の世界的な普及による高温環境下における使
用、排気ガス対策、高機能化等に伴い最高使用温度が高
温側にシフトし、それが125℃を超えてしまうという
傾向にある。このため、エンジンマウントをはじめとす
るエンジンルーム内で使用される自動車用防振ゴムに
も、130℃以上の高温耐熱性、高温雰囲気中での耐久
性が求められるにようになってきている。
来、−30℃〜100℃の範囲内に収まっていたが、近
年の自動車の世界的な普及による高温環境下における使
用、排気ガス対策、高機能化等に伴い最高使用温度が高
温側にシフトし、それが125℃を超えてしまうという
傾向にある。このため、エンジンマウントをはじめとす
るエンジンルーム内で使用される自動車用防振ゴムに
も、130℃以上の高温耐熱性、高温雰囲気中での耐久
性が求められるにようになってきている。
【0003】そこで、特開平7−114388号公報に
記載された発明においては、エンジンマウントの防振ゴ
ム本体を振動特性、特に振動吸収特性に優れた天然ゴム
により構成する一方、防振ゴム本体を熱から守るためそ
の外周囲に対し、耐熱性に優れたエチレン・プロピレン
ゴム(EPDM)を密着させて、防振ゴム本体の露出部
分を覆うようにしている。
記載された発明においては、エンジンマウントの防振ゴ
ム本体を振動特性、特に振動吸収特性に優れた天然ゴム
により構成する一方、防振ゴム本体を熱から守るためそ
の外周囲に対し、耐熱性に優れたエチレン・プロピレン
ゴム(EPDM)を密着させて、防振ゴム本体の露出部
分を覆うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ゴム材料は
使用期間の経過と共に劣化(老化)して、クラックの発
生や、硬化及び強度低下、また、伸びの減少といった物
理的現象を起こすが、このような物理的現象は、ゴムの
酸化が原因となっている。そして、このゴムの酸化を防
止するために、従来より、ゴムに老化防止剤を配合する
ことが行われている。老化防止剤を添加すれば、ゴムの
酸化の連鎖反応機構の停止、又は、ゴムの酸化によって
生じた過酸化物の分解といった作用によって、ゴムの酸
化劣化を有効に防止することができるようになる。とこ
ろが、高温雰囲気中では、活性酸素がゴムの内部に透過
拡散してしまったり、老化防止剤自体が飛揮散してしま
ったりするため、たとえ、老化防止剤が添加されていた
としても、ゴムの酸化劣化を十分に防止することができ
ないという問題がある。
使用期間の経過と共に劣化(老化)して、クラックの発
生や、硬化及び強度低下、また、伸びの減少といった物
理的現象を起こすが、このような物理的現象は、ゴムの
酸化が原因となっている。そして、このゴムの酸化を防
止するために、従来より、ゴムに老化防止剤を配合する
ことが行われている。老化防止剤を添加すれば、ゴムの
酸化の連鎖反応機構の停止、又は、ゴムの酸化によって
生じた過酸化物の分解といった作用によって、ゴムの酸
化劣化を有効に防止することができるようになる。とこ
ろが、高温雰囲気中では、活性酸素がゴムの内部に透過
拡散してしまったり、老化防止剤自体が飛揮散してしま
ったりするため、たとえ、老化防止剤が添加されていた
としても、ゴムの酸化劣化を十分に防止することができ
ないという問題がある。
【0005】また、特開平7−114388号公報に開
示されているエンジンマウントのように、防振ゴム本体
に対し合成ゴムを密着させて被覆する構成では、両者の
材料界面間を酸素が拡散伝播してしまい、防振ゴム本体
の酸化劣化を確実に防止することができない。そして、
防振ゴム本体にゴム被膜を密着させて覆うのでは、これ
らの間の接着性に問題を生じ、例えば振動によって被膜
が剥がれたり、亀裂が発生したりして、長期間にわたり
安定した耐熱性等の性能を維持することができないとい
う問題もある。
示されているエンジンマウントのように、防振ゴム本体
に対し合成ゴムを密着させて被覆する構成では、両者の
材料界面間を酸素が拡散伝播してしまい、防振ゴム本体
の酸化劣化を確実に防止することができない。そして、
防振ゴム本体にゴム被膜を密着させて覆うのでは、これ
らの間の接着性に問題を生じ、例えば振動によって被膜
が剥がれたり、亀裂が発生したりして、長期間にわたり
安定した耐熱性等の性能を維持することができないとい
う問題もある。
【0006】本発明の目的とするところは、防振ゴム構
造体において、常温はもちろんのこと、高温雰囲気中で
あっても、防振ゴム本体の物性を長期間にわたって維持
することを目的とし、特に耐熱性、高温雰囲気中での耐
久性の向上を図ることにある。
造体において、常温はもちろんのこと、高温雰囲気中で
あっても、防振ゴム本体の物性を長期間にわたって維持
することを目的とし、特に耐熱性、高温雰囲気中での耐
久性の向上を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、以下の点に
着目して本発明を完成するに至ったものである。
着目して本発明を完成するに至ったものである。
【0008】すなわち、ゴム材料の酸化を、ゴム材料、
又は老化防止剤及び加硫剤等の配合剤に起因する内的劣
化作用(内的劣化)と、外部からの酸素やオゾンの攻撃
によって生じる外的劣化作用(外的劣化)とに分けて考
えることにすると、内的劣化及び外的劣化のうち、内的
劣化は、ゴム材料の熱的性質やその配合剤の配合によっ
て決定されるため、それら自体が変わらなければ改良で
きないが、外的劣化は、ゴムと酸素が反応して生じるた
め、酸素が介在しなければ防止できるということにな
る。
又は老化防止剤及び加硫剤等の配合剤に起因する内的劣
化作用(内的劣化)と、外部からの酸素やオゾンの攻撃
によって生じる外的劣化作用(外的劣化)とに分けて考
えることにすると、内的劣化及び外的劣化のうち、内的
劣化は、ゴム材料の熱的性質やその配合剤の配合によっ
て決定されるため、それら自体が変わらなければ改良で
きないが、外的劣化は、ゴムと酸素が反応して生じるた
め、酸素が介在しなければ防止できるということにな
る。
【0009】そして、ゴム材料についての内的劣化と外
的劣化とに関する研究から、ゴム材料の劣化というもの
は、内的劣化の占める割合は比較的小さく、大部分が外
的劣化により生ずるものであることが分かった。つま
り、従来より、天然ゴム等のジエン系ゴム材料又はオレ
フィン系ゴム材料の耐熱温度は70〜100℃であり、
他の合成ゴムに比べて低いとされていたのは、これらの
ゴムは高温では容易に酸化されてしまうためであるとい
うことが分かった。
的劣化とに関する研究から、ゴム材料の劣化というもの
は、内的劣化の占める割合は比較的小さく、大部分が外
的劣化により生ずるものであることが分かった。つま
り、従来より、天然ゴム等のジエン系ゴム材料又はオレ
フィン系ゴム材料の耐熱温度は70〜100℃であり、
他の合成ゴムに比べて低いとされていたのは、これらの
ゴムは高温では容易に酸化されてしまうためであるとい
うことが分かった。
【0010】従って、高温雰囲気中でもゴムを酸化させ
なければ、ジエン系ゴム等の材料であっても殆ど硬度変
化を生じず、その強度や伸びといった物性を維持するこ
とが可能であることが判明した。すなわち、ゴムの酸化
を防止すれば、ジエン系ゴム等の材料であっても耐熱性
及び高温雰囲気中での耐久性が得られることが判明し
た。
なければ、ジエン系ゴム等の材料であっても殆ど硬度変
化を生じず、その強度や伸びといった物性を維持するこ
とが可能であることが判明した。すなわち、ゴムの酸化
を防止すれば、ジエン系ゴム等の材料であっても耐熱性
及び高温雰囲気中での耐久性が得られることが判明し
た。
【0011】具体的には、本出願の発明は、外部から与
えられる振動を減衰させる防振ゴム本体と、上記防振ゴ
ム本体を覆うように配設され、該防振ゴム本体との間に
密閉空間を区画形成して該密閉空間への酸素進入を抑止
する酸素遮断部と、上記密閉空間に封入され、上記防振
ゴム本体の酸化劣化を防止する酸化劣化防止体と、を備
えていることを特徴とする防振ゴム構造体である。
えられる振動を減衰させる防振ゴム本体と、上記防振ゴ
ム本体を覆うように配設され、該防振ゴム本体との間に
密閉空間を区画形成して該密閉空間への酸素進入を抑止
する酸素遮断部と、上記密閉空間に封入され、上記防振
ゴム本体の酸化劣化を防止する酸化劣化防止体と、を備
えていることを特徴とする防振ゴム構造体である。
【0012】上記の構成によれば、酸素遮断部が防振ゴ
ム本体を覆うように配設され、酸素遮断部と防振ゴム本
体との間に密閉空間が区画形成されているので、その密
閉空間への外部からの酸素侵入が防止されることとな
り、防振ゴム本体は外部の酸素との接触が防止され、こ
れによって防振ゴム本体の酸化劣化防止が図られること
となる。また、防振ゴム本体と酸素遮断部との間に区画
形成された密閉空間には酸化劣化防止体が封入されてい
るので、密閉空間中の酸素を酸化劣化防止体が吸収した
り、又は酸化劣化防止体自体が酸化されるという作用に
より、防振ゴム本体への酸素の接触が抑止され、これに
よって防振ゴム本体の酸化劣化防止がより確実に図られ
ることとなる。さらに、防振ゴム本体と酸素遮断部とが
互いに離れているため、両者間の接着性の問題も生じな
い。以上のことから、本発明では防振ゴム本体の酸化劣
化が確実に防止され、常温雰囲気中においても、高温雰
囲気中においても、防振ゴム本体の物性を長期間に亘っ
て維持することが可能になる。すなわち、耐熱性及び高
温雰囲気中での耐久性を向上させることができることに
より防振ゴム本体の長寿命性が得られることとなる。
ム本体を覆うように配設され、酸素遮断部と防振ゴム本
体との間に密閉空間が区画形成されているので、その密
閉空間への外部からの酸素侵入が防止されることとな
り、防振ゴム本体は外部の酸素との接触が防止され、こ
れによって防振ゴム本体の酸化劣化防止が図られること
となる。また、防振ゴム本体と酸素遮断部との間に区画
形成された密閉空間には酸化劣化防止体が封入されてい
るので、密閉空間中の酸素を酸化劣化防止体が吸収した
り、又は酸化劣化防止体自体が酸化されるという作用に
より、防振ゴム本体への酸素の接触が抑止され、これに
よって防振ゴム本体の酸化劣化防止がより確実に図られ
ることとなる。さらに、防振ゴム本体と酸素遮断部とが
互いに離れているため、両者間の接着性の問題も生じな
い。以上のことから、本発明では防振ゴム本体の酸化劣
化が確実に防止され、常温雰囲気中においても、高温雰
囲気中においても、防振ゴム本体の物性を長期間に亘っ
て維持することが可能になる。すなわち、耐熱性及び高
温雰囲気中での耐久性を向上させることができることに
より防振ゴム本体の長寿命性が得られることとなる。
【0013】なお、この防振ゴム構造体は、防振ゴム本
体を酸素遮断部で覆って密閉された密閉空間を設け、そ
の密閉空間に防振ゴム本体の酸化劣化を防止する酸化劣
化防止体を封入したものであるから、防振ゴムの構成は
問わず、従来の中空防振ゴム、液封防振ゴム、電気粘性
流体防振ゴム及び磁性流体防振ゴム等、防振ゴム本体を
振動側部材と振動伝達側部材との間に介するように構成
したさまざまな分野のあらゆる形式の防振ゴムに適用す
ることができるものである。
体を酸素遮断部で覆って密閉された密閉空間を設け、そ
の密閉空間に防振ゴム本体の酸化劣化を防止する酸化劣
化防止体を封入したものであるから、防振ゴムの構成は
問わず、従来の中空防振ゴム、液封防振ゴム、電気粘性
流体防振ゴム及び磁性流体防振ゴム等、防振ゴム本体を
振動側部材と振動伝達側部材との間に介するように構成
したさまざまな分野のあらゆる形式の防振ゴムに適用す
ることができるものである。
【0014】ここで、酸素遮断部は、防振ゴム本体の変
形に追随して変形可能に形成されている構成であっても
よい。かかる構成によれば、防振ゴム本体の変形が酸素
遮断部により規制されることがなく、また、酸素遮断部
が防振ゴム本体の変形に追従できずに破損するというこ
ともない。かかる具体的構成としては、酸素遮断部を弾
性材料からなる酸素遮断膜で構成することが挙げられ
る。
形に追随して変形可能に形成されている構成であっても
よい。かかる構成によれば、防振ゴム本体の変形が酸素
遮断部により規制されることがなく、また、酸素遮断部
が防振ゴム本体の変形に追従できずに破損するというこ
ともない。かかる具体的構成としては、酸素遮断部を弾
性材料からなる酸素遮断膜で構成することが挙げられ
る。
【0015】また、劣化防止体としては、天然ゴム(N
R)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム
(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ブタジエン・イソ
プレンゴム(BIR)、スチレン・ブタジエンゴム(S
BR)、ポリオクテネマー(商品名:ベステネマー、イ
ンペックスケミカルズ社製)、ポリノルボーネン(商品
名:ノーソレックス、CdF Chimie社製)、ク
ロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル・ブタジエ
ンゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NB
R)、エチレン・プロピレンゴム(EPM,EPD
M)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、
塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、ブチルゴム(II
R)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、塩化ビニ
ル・ニトリルゴム(NBR/PVC)、アクリルゴム
(AR)、エチレン・アクリル酸エステル共重合ゴム
(EMA)、エチレン・酢酸ビニル・アクリル酸エステ
ル共重合ゴム(EVAA)、及びシリコーンゴム(Q)
のうちから選択された1種を単独で使用してもよく、ま
た、複数種のゴムをブレンドして使用してもよい。
R)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム
(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ブタジエン・イソ
プレンゴム(BIR)、スチレン・ブタジエンゴム(S
BR)、ポリオクテネマー(商品名:ベステネマー、イ
ンペックスケミカルズ社製)、ポリノルボーネン(商品
名:ノーソレックス、CdF Chimie社製)、ク
ロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル・ブタジエ
ンゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NB
R)、エチレン・プロピレンゴム(EPM,EPD
M)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、
塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、ブチルゴム(II
R)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、塩化ビニ
ル・ニトリルゴム(NBR/PVC)、アクリルゴム
(AR)、エチレン・アクリル酸エステル共重合ゴム
(EMA)、エチレン・酢酸ビニル・アクリル酸エステ
ル共重合ゴム(EVAA)、及びシリコーンゴム(Q)
のうちから選択された1種を単独で使用してもよく、ま
た、複数種のゴムをブレンドして使用してもよい。
【0016】この場合、加硫ゴム、未加硫ゴムのいずれ
を使用してもよく、また、形成初期には未加硫コンパウ
ンドであるものの、時間が一定期間経つと架橋して弾性
体となる加硫剤混合ゴム・エラストマーを使用してもよ
いが、取扱い易さや酸素吸収性等を勘案すると、加硫ゴ
ムを使用することが好ましい。
を使用してもよく、また、形成初期には未加硫コンパウ
ンドであるものの、時間が一定期間経つと架橋して弾性
体となる加硫剤混合ゴム・エラストマーを使用してもよ
いが、取扱い易さや酸素吸収性等を勘案すると、加硫ゴ
ムを使用することが好ましい。
【0017】また、加硫ゴムは、通常、マトリックスゴ
ムにカーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、クレ
ー等の充填材、加工性改良のための軟化剤、老化防止
剤、ワックス、酸化亜鉛、ステアリン酸等の加硫促進助
剤、ベンゾチアゾール系、ジチオカルバメート系、チウ
ラム系などの加硫促進剤、イオウ、有機ペルオキシドな
どの加硫剤が配合され、それが加硫されたもので構成さ
れるが、劣化防止体としては老化防止剤が含まれていな
い構成であることが好ましい。かかる構成によれば、後
に実施例で明らかにするが、防振ゴム本体の酸化劣化が
より有効に抑止されることとなるからである。この理由
は明らかではないが、酸化劣化防止体を構成するゴム組
成物に老化防止剤が含まれていないことにより、酸化劣
化防止体のゴム分子に酸素を捕捉する活性点(不飽和結
合)が多くなり、そのために防振ゴム本体に接触する酸
素が減少するためであると考えられる。
ムにカーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、クレ
ー等の充填材、加工性改良のための軟化剤、老化防止
剤、ワックス、酸化亜鉛、ステアリン酸等の加硫促進助
剤、ベンゾチアゾール系、ジチオカルバメート系、チウ
ラム系などの加硫促進剤、イオウ、有機ペルオキシドな
どの加硫剤が配合され、それが加硫されたもので構成さ
れるが、劣化防止体としては老化防止剤が含まれていな
い構成であることが好ましい。かかる構成によれば、後
に実施例で明らかにするが、防振ゴム本体の酸化劣化が
より有効に抑止されることとなるからである。この理由
は明らかではないが、酸化劣化防止体を構成するゴム組
成物に老化防止剤が含まれていないことにより、酸化劣
化防止体のゴム分子に酸素を捕捉する活性点(不飽和結
合)が多くなり、そのために防振ゴム本体に接触する酸
素が減少するためであると考えられる。
【0018】ところで、日本国内だけでも毎年500万
台にものぼる使用済み廃棄自動車が発生し、これらは、
従来シュレッダーダスト化されて埋め立て地へ廃棄され
てきた。しかしながら、廃棄物処理法によりかかる埋め
立てが禁止され、リサイクルの義務が課せられるように
なった。かかる状況の下で、自動車の廃車時及びタイヤ
の取り替え時に発生する使用済みタイヤの数量は約1億
本あり、今後毎年10%以上の増加が予想されている。
これらの使用済みタイヤの利用方法は、従来サーマルリ
サイクルが50%以上であり、防舷材、漁礁又は更正タ
イヤ等ヘの再利用もあるものの、再生ゴムやゴム粉利用
などというマテリアルリサイクルは10%程度にすぎな
い。かかる観点から、大量に存在する使用済みタイヤを
含む使用済みゴム加工製品から抽出されたゴム組成物に
より酸化劣化防止体を構成するようにしてもよい。かか
る構成によれば、使用済みゴム加工製品のマテリアルリ
サイクルを図ることができることとなる。なお、タイヤ
の他、窓枠、ホース、防振ゴム等の他のゴム製自動車部
品から抽出されるゴム組成物を酸化劣化防止体として使
用することもできる。また、自動車関連のみならず、土
木建築産業、海洋船舶産業、マリンスポーツ産業、家庭
用品産業などのさまざまな分野から排出されるゴム組成
物を酸化劣化防止体として使用することもでき、製品の
みならず製造過程で廃棄されるバリやランナー、スプル
ー等をも使用することができる。さらに、劣化防止体と
して使用したゴム組成物は、防振ゴムの製品寿命が消尽
した後には、サーマル・リサイクル(燃焼)やケミカル
・リサイクル(化学分解)により、再利用するようにし
てもよい。また、製品寿命が消尽した防振ゴム本体は、
新しい防振ゴム本体の劣化防止体として再利用するよう
にしてもよい。
台にものぼる使用済み廃棄自動車が発生し、これらは、
従来シュレッダーダスト化されて埋め立て地へ廃棄され
てきた。しかしながら、廃棄物処理法によりかかる埋め
立てが禁止され、リサイクルの義務が課せられるように
なった。かかる状況の下で、自動車の廃車時及びタイヤ
の取り替え時に発生する使用済みタイヤの数量は約1億
本あり、今後毎年10%以上の増加が予想されている。
これらの使用済みタイヤの利用方法は、従来サーマルリ
サイクルが50%以上であり、防舷材、漁礁又は更正タ
イヤ等ヘの再利用もあるものの、再生ゴムやゴム粉利用
などというマテリアルリサイクルは10%程度にすぎな
い。かかる観点から、大量に存在する使用済みタイヤを
含む使用済みゴム加工製品から抽出されたゴム組成物に
より酸化劣化防止体を構成するようにしてもよい。かか
る構成によれば、使用済みゴム加工製品のマテリアルリ
サイクルを図ることができることとなる。なお、タイヤ
の他、窓枠、ホース、防振ゴム等の他のゴム製自動車部
品から抽出されるゴム組成物を酸化劣化防止体として使
用することもできる。また、自動車関連のみならず、土
木建築産業、海洋船舶産業、マリンスポーツ産業、家庭
用品産業などのさまざまな分野から排出されるゴム組成
物を酸化劣化防止体として使用することもでき、製品の
みならず製造過程で廃棄されるバリやランナー、スプル
ー等をも使用することができる。さらに、劣化防止体と
して使用したゴム組成物は、防振ゴムの製品寿命が消尽
した後には、サーマル・リサイクル(燃焼)やケミカル
・リサイクル(化学分解)により、再利用するようにし
てもよい。また、製品寿命が消尽した防振ゴム本体は、
新しい防振ゴム本体の劣化防止体として再利用するよう
にしてもよい。
【0019】また、酸化劣化防止体は、粒径が0.00
1〜5mm又は比表面積が0.001〜10m2/gで
ある粒状物乃至粉状物である構成であることが好まし
い。かかる構成によれば、酸化劣化防止体を構成するゴ
ムの表面展化(ここで「表面展化」とはゴムの表面積を
拡大することを意味する。)により、ゴムが酸素と接触
する面積が広くなり、これによって酸化劣化防止体の酸
素吸収能が向上し、防振ゴム本体の酸化劣化防止がより
有効に図られることとなる。ここで、ゴムの粒径が5m
mより大きい場合又は比表面積が0.001m2/gよ
り小さい場合、ゴムの表面積が小さくなるために酸化劣
化防止機能が十分に発現しないものとなる。他方、ゴム
の粒径が0.001mmより小さい場合又は比表面積が
10m2/gより大きい場合、ゴムをかかる粒径の小さ
いレベルまで加工するのに困難を伴うこととなる。その
ため、粒径が0.001〜5mm又は比表面積が0.0
01〜10m2/gである粒状物乃至粉状物とするのが
よい。また、劣化防止体を構成するゴムの粒径が1〜5
mmである場合、劣化防止体は弾性体をしての機能をも
備え、防振ゴム構造体の弾性率に寄与するものとなる。
他方、劣化防止体が砕かれて(通称ひじき状)使用され
る場合、劣化防止体は防振ゴム構造体の弾性率に寄与し
ないものとなる。なお、酸化劣化防止体の形状は、球状
体、角状体などの粒子状、あるいは、バリ、ランナーな
どの薄片の帯状体、棒状体、繊維状体等であってもよ
い。また、ゴム組成物の表面展化は、グラインダ・ロー
ル、カッター・ミル、回転ディスク粉砕機、低温度粉砕
機又は摩砕ディスク型コロイドミル等を用いて行うこと
ができ、粗粉砕で粒径0.5〜1.4mm、細粉砕で粒
径0.3〜0.5mm、低温度粉砕機を使用した微粉砕
で粒径0.075〜0.3mm、摩砕ディスク型コロイ
ドミルを使用した微粉砕で粒径0.075mm以下(2
00メッシュ以上)のものをそれぞれ得ることができ
る。
1〜5mm又は比表面積が0.001〜10m2/gで
ある粒状物乃至粉状物である構成であることが好まし
い。かかる構成によれば、酸化劣化防止体を構成するゴ
ムの表面展化(ここで「表面展化」とはゴムの表面積を
拡大することを意味する。)により、ゴムが酸素と接触
する面積が広くなり、これによって酸化劣化防止体の酸
素吸収能が向上し、防振ゴム本体の酸化劣化防止がより
有効に図られることとなる。ここで、ゴムの粒径が5m
mより大きい場合又は比表面積が0.001m2/gよ
り小さい場合、ゴムの表面積が小さくなるために酸化劣
化防止機能が十分に発現しないものとなる。他方、ゴム
の粒径が0.001mmより小さい場合又は比表面積が
10m2/gより大きい場合、ゴムをかかる粒径の小さ
いレベルまで加工するのに困難を伴うこととなる。その
ため、粒径が0.001〜5mm又は比表面積が0.0
01〜10m2/gである粒状物乃至粉状物とするのが
よい。また、劣化防止体を構成するゴムの粒径が1〜5
mmである場合、劣化防止体は弾性体をしての機能をも
備え、防振ゴム構造体の弾性率に寄与するものとなる。
他方、劣化防止体が砕かれて(通称ひじき状)使用され
る場合、劣化防止体は防振ゴム構造体の弾性率に寄与し
ないものとなる。なお、酸化劣化防止体の形状は、球状
体、角状体などの粒子状、あるいは、バリ、ランナーな
どの薄片の帯状体、棒状体、繊維状体等であってもよ
い。また、ゴム組成物の表面展化は、グラインダ・ロー
ル、カッター・ミル、回転ディスク粉砕機、低温度粉砕
機又は摩砕ディスク型コロイドミル等を用いて行うこと
ができ、粗粉砕で粒径0.5〜1.4mm、細粉砕で粒
径0.3〜0.5mm、低温度粉砕機を使用した微粉砕
で粒径0.075〜0.3mm、摩砕ディスク型コロイ
ドミルを使用した微粉砕で粒径0.075mm以下(2
00メッシュ以上)のものをそれぞれ得ることができ
る。
【0020】そして、この場合、酸素劣化防止体は、粉
状物乃至粒状物が相互に連結されて一体化している構成
であってもよい。具体的には、粒状物乃至粉状物に未加
硫ゴムコンパウンドを混合し、そのゴムコンパウンドを
加硫させる、又は粒状物乃至粉状物に未架橋ウレタン組
成物を混合し、そのウレタン組成物を架橋させる等の手
段により粒状物乃至粉状物を相互に連結して一体化させ
ることができる。かかる構成によれば、酸化劣化防止体
を構成する粒状乃至粉状のゴムの移動が規制され、この
酸化劣化防止体もが防振特性を発現することとなり、防
振ゴム構造体全体として防振特性の向上が図られること
となる。なお、酸化劣化防止体の表面積が小さくなって
酸素吸収能力が低下しないように、粒状乃至粉状のゴム
は相互に点接触で連結されていることが好ましい。
状物乃至粒状物が相互に連結されて一体化している構成
であってもよい。具体的には、粒状物乃至粉状物に未加
硫ゴムコンパウンドを混合し、そのゴムコンパウンドを
加硫させる、又は粒状物乃至粉状物に未架橋ウレタン組
成物を混合し、そのウレタン組成物を架橋させる等の手
段により粒状物乃至粉状物を相互に連結して一体化させ
ることができる。かかる構成によれば、酸化劣化防止体
を構成する粒状乃至粉状のゴムの移動が規制され、この
酸化劣化防止体もが防振特性を発現することとなり、防
振ゴム構造体全体として防振特性の向上が図られること
となる。なお、酸化劣化防止体の表面積が小さくなって
酸素吸収能力が低下しないように、粒状乃至粉状のゴム
は相互に点接触で連結されていることが好ましい。
【0021】その他のゴム以外の酸化劣化防止体とし
て、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ベントナイ
ト、ケイ酸アルミニウム(クレー)、バーミキュライ
ト、パーライト、カタルボ、カオリン、タルク、パイロ
フィライト(ろう石)、マイカ(雲母粉)、セリサイト
(絹雲母)、ゼオライト、ネフェリン・シナイト(長
石)、アタパルジャイト、ワラストナイト(ケイ灰
石)、ケイ酸カルシウム、けい藻土、硫酸バリウム、硫
酸カルシウム、火山灰、無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水
ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アルミニウム、酸化亜
鉛、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化
カルシウム、黒鉛、二硫化モリブデン、セラミック、ガ
ラス粉、カーボンブラック(SAF,ISAF,HA
F,FEF,MAF,GPF,SRF,ECFで示され
るゴム用ファーネスブラック、FT,MTで示されるゴ
ム用サーマルブラック、アセチレンブラック、木炭
等)、鉄粉、及び酸化鉄粉(雲母状酸化鉄(Micac
eouusiron oxide)等)のうちから選択
された1種を使用してもよく、また、複数種を混合して
使用してもよい。さらに、これらをゴムに混合して使用
してもよい。かかる構成によれば、酸化劣化防止体が不
燃性、耐熱性に富む粒状体乃至粉状体で構成されること
となり、耐久性にも優れる酸化劣化防止体層が形成され
ることとなる。
て、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ベントナイ
ト、ケイ酸アルミニウム(クレー)、バーミキュライ
ト、パーライト、カタルボ、カオリン、タルク、パイロ
フィライト(ろう石)、マイカ(雲母粉)、セリサイト
(絹雲母)、ゼオライト、ネフェリン・シナイト(長
石)、アタパルジャイト、ワラストナイト(ケイ灰
石)、ケイ酸カルシウム、けい藻土、硫酸バリウム、硫
酸カルシウム、火山灰、無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水
ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸アルミニウム、酸化亜
鉛、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化
カルシウム、黒鉛、二硫化モリブデン、セラミック、ガ
ラス粉、カーボンブラック(SAF,ISAF,HA
F,FEF,MAF,GPF,SRF,ECFで示され
るゴム用ファーネスブラック、FT,MTで示されるゴ
ム用サーマルブラック、アセチレンブラック、木炭
等)、鉄粉、及び酸化鉄粉(雲母状酸化鉄(Micac
eouusiron oxide)等)のうちから選択
された1種を使用してもよく、また、複数種を混合して
使用してもよい。さらに、これらをゴムに混合して使用
してもよい。かかる構成によれば、酸化劣化防止体が不
燃性、耐熱性に富む粒状体乃至粉状体で構成されること
となり、耐久性にも優れる酸化劣化防止体層が形成され
ることとなる。
【0022】そして、酸素遮断膜は、天然ゴム(N
R)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(C
R)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、天然ゴム(N
R)とイソプレンゴム(IR)とのブレンドゴム、天然
ゴム(NR)若しくはイソプレンゴム(IR)と、エポ
キシ化天然ゴム(ENR)、ブタジエンゴム(BR)、
ブタジエン・イソプレンゴム(BIR)、スチレンブタ
ジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ア
クリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、及び水素添
加ニトリルゴム(H−NBR)のうちから選択された少
なくとも1種とのブレンドゴム、からなるジエン系ゴム
群、並びに、天然ゴム(NR)若しくはイソプレンゴム
(IR)とエチレンプロピレンゴム(EPM,EPD
M)若しくはハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)との
ブレンドゴム、からなるオレフィン系ゴム群、のうちか
ら選択された1種により形成されている構成であっても
よい。
R)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(C
R)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、天然ゴム(N
R)とイソプレンゴム(IR)とのブレンドゴム、天然
ゴム(NR)若しくはイソプレンゴム(IR)と、エポ
キシ化天然ゴム(ENR)、ブタジエンゴム(BR)、
ブタジエン・イソプレンゴム(BIR)、スチレンブタ
ジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ア
クリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、及び水素添
加ニトリルゴム(H−NBR)のうちから選択された少
なくとも1種とのブレンドゴム、からなるジエン系ゴム
群、並びに、天然ゴム(NR)若しくはイソプレンゴム
(IR)とエチレンプロピレンゴム(EPM,EPD
M)若しくはハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)との
ブレンドゴム、からなるオレフィン系ゴム群、のうちか
ら選択された1種により形成されている構成であっても
よい。
【0023】また、酸素遮断膜は、クロロスルホン化ポ
リエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム
(CPE)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチル
ゴム(X−IIR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴ
ム(NBR)、塩化ビニル・ニトリルゴム(NBR/P
VC)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリ
ルゴム(AR)、エチレン・アクリル酸エステル共重合
ゴム(EMA)、エチレン・酢酸ビニル・アクリル酸エ
ステル共重合ゴム(EVAA)、多硫化ゴム(T)、フ
ッ素ゴム(FKM)、及びこれらのゴムのうちから選択
された1種のゴム100重量部に対し20〜60重量部
のエチレン・プロピレンゴム(EPDM)が混合された
ブレンドゴム、からなる酸素低透過性ゴム群のうちから
選択された1種により形成されている構成であってもよ
い。
リエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム
(CPE)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチル
ゴム(X−IIR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴ
ム(NBR)、塩化ビニル・ニトリルゴム(NBR/P
VC)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリ
ルゴム(AR)、エチレン・アクリル酸エステル共重合
ゴム(EMA)、エチレン・酢酸ビニル・アクリル酸エ
ステル共重合ゴム(EVAA)、多硫化ゴム(T)、フ
ッ素ゴム(FKM)、及びこれらのゴムのうちから選択
された1種のゴム100重量部に対し20〜60重量部
のエチレン・プロピレンゴム(EPDM)が混合された
ブレンドゴム、からなる酸素低透過性ゴム群のうちから
選択された1種により形成されている構成であってもよ
い。
【0024】さらに、酸素遮断膜は、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ナイロ
ン6樹脂、ナイロン6,6樹脂、ナイロン6,10樹
脂、ナイロン11樹脂、ナイロン12樹脂、ポリアミド
樹脂とポリフェニレンオキシド樹脂(PPO)とのブレ
ンド樹脂、ポリアミド樹脂とアクリロニトリル・ブタジ
エン・スチレン樹脂(ABS)とのブレンド樹脂、ポリ
アミド樹脂とポリオレフィン樹脂とからなるポリマーア
ロイ、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、
及びこれらの樹脂のうちから選択された1種の樹脂10
0重量部に対し20〜60重量部のガラス短繊維が混合
されてなるガラス繊維強化樹脂(FRP)、からなる酸
素低透過性樹脂群のうちから選択された1種により形成
されている構成であってもよい。
脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ナイロ
ン6樹脂、ナイロン6,6樹脂、ナイロン6,10樹
脂、ナイロン11樹脂、ナイロン12樹脂、ポリアミド
樹脂とポリフェニレンオキシド樹脂(PPO)とのブレ
ンド樹脂、ポリアミド樹脂とアクリロニトリル・ブタジ
エン・スチレン樹脂(ABS)とのブレンド樹脂、ポリ
アミド樹脂とポリオレフィン樹脂とからなるポリマーア
ロイ、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、
及びこれらの樹脂のうちから選択された1種の樹脂10
0重量部に対し20〜60重量部のガラス短繊維が混合
されてなるガラス繊維強化樹脂(FRP)、からなる酸
素低透過性樹脂群のうちから選択された1種により形成
されている構成であってもよい。
【0025】そして、酸素遮断膜は、ジエン系ゴム群か
ら選択された1種よりなる膜、オレフィン系ゴム群から
選択された1種よりなる膜、低酸素透過性ゴム群から選
択された1種よりなる膜、及び低酸素透過性樹脂群から
選択された1種よりなる膜、のうちから選択された2種
以上の膜が複合して形成されている構成であってもよ
い。
ら選択された1種よりなる膜、オレフィン系ゴム群から
選択された1種よりなる膜、低酸素透過性ゴム群から選
択された1種よりなる膜、及び低酸素透過性樹脂群から
選択された1種よりなる膜、のうちから選択された2種
以上の膜が複合して形成されている構成であってもよ
い。
【0026】このように酸素遮断膜を以上のような構成
とすることにより、防振ゴム本体の酸化劣化が有効に防
止されることとなる。
とすることにより、防振ゴム本体の酸化劣化が有効に防
止されることとなる。
【0027】以上説明した防振ゴム構造体を適用した具
体的構成としては、防振ゴム構造体を介して、震動源側
に取り付けられる第1取付部と、振動受側に取り付けら
れる第2取付部とが連結され、第1取付部に与えられる
振動が防振ゴム構造体により減衰させられるように構成
された防振マウントを挙げることができる。かかる防振
マウントには、例えばエンジンマウント、ストラットマ
ウント、インシュレータマウント、ボデイマウント、キ
ャブマウント、ラバーブッシュ、ラジエータマウント、
センターベアリングサポート、及びサイレンサーハンガ
ー等がある。
体的構成としては、防振ゴム構造体を介して、震動源側
に取り付けられる第1取付部と、振動受側に取り付けら
れる第2取付部とが連結され、第1取付部に与えられる
振動が防振ゴム構造体により減衰させられるように構成
された防振マウントを挙げることができる。かかる防振
マウントには、例えばエンジンマウント、ストラットマ
ウント、インシュレータマウント、ボデイマウント、キ
ャブマウント、ラバーブッシュ、ラジエータマウント、
センターベアリングサポート、及びサイレンサーハンガ
ー等がある。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本出願の発明によ
れば、酸素遮断部が防振ゴム本体を覆うように配設さ
れ、酸素遮断部と防振ゴム本体との間に密閉空間が区画
形成されているので、その密閉空間への外部からの酸素
侵入が防止されることとなり、防振ゴム本体は外部の酸
素との接触が防止され、これによって防振ゴム本体の酸
化劣化防止を図ることができる。また、防振ゴム本体と
酸素遮断部との間に区画形成された密閉空間には酸化劣
化防止体が封入されているので、密閉空間中の酸素を酸
化劣化防止体が吸収したり、又は酸化劣化防止体自体が
酸化されるという作用により、防振ゴム本体への酸素の
接触が防止され、これによって防振ゴム本体の酸化劣化
防止をより確実なものとすることができる。さらに、防
振ゴム本体と酸素遮断部とが互いに離れているため、両
者間の接着性の問題も生じない。以上のことから、本発
明では防振ゴム本体の酸化が確実に防止することがで
き、常温雰囲気中においても、高温雰囲気中において
も、防振ゴム本体の物性を長期間に亘って維持すること
が可能になる。すなわち、耐熱性及び高温雰囲気中での
耐久性を向上させることができることにより防振ゴム本
体の長寿命性が得られることとなる。
れば、酸素遮断部が防振ゴム本体を覆うように配設さ
れ、酸素遮断部と防振ゴム本体との間に密閉空間が区画
形成されているので、その密閉空間への外部からの酸素
侵入が防止されることとなり、防振ゴム本体は外部の酸
素との接触が防止され、これによって防振ゴム本体の酸
化劣化防止を図ることができる。また、防振ゴム本体と
酸素遮断部との間に区画形成された密閉空間には酸化劣
化防止体が封入されているので、密閉空間中の酸素を酸
化劣化防止体が吸収したり、又は酸化劣化防止体自体が
酸化されるという作用により、防振ゴム本体への酸素の
接触が防止され、これによって防振ゴム本体の酸化劣化
防止をより確実なものとすることができる。さらに、防
振ゴム本体と酸素遮断部とが互いに離れているため、両
者間の接着性の問題も生じない。以上のことから、本発
明では防振ゴム本体の酸化が確実に防止することがで
き、常温雰囲気中においても、高温雰囲気中において
も、防振ゴム本体の物性を長期間に亘って維持すること
が可能になる。すなわち、耐熱性及び高温雰囲気中での
耐久性を向上させることができることにより防振ゴム本
体の長寿命性が得られることとなる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。 <実施形態1>図1は、本発明の実施形態1に係るマウ
ントタイプの防振マウント10を示す。
基いて説明する。 <実施形態1>図1は、本発明の実施形態1に係るマウ
ントタイプの防振マウント10を示す。
【0030】実施形態1に係る防振マウント10は、ケ
ーシング11と、そのケーシング11に嵌め入れられた
防振ゴム本体12と、防振ゴム本体12の露出部を覆っ
た蓋体13とを備えている。
ーシング11と、そのケーシング11に嵌め入れられた
防振ゴム本体12と、防振ゴム本体12の露出部を覆っ
た蓋体13とを備えている。
【0031】ケーシング11は、金属板をプレス加工し
て成形されたものであり、円形状のケーシング底面11
aと、ケーシング底面11aの周縁から垂直に立ち上が
ったケーシング側面11bと、ケーシング側面11bに
続いて内方にかしめられて形成された係合部11cとに
より構成されている。また、ケーシング底面11aの中
央部には第2取付ボルト14を通し且つその頭部が係合
する第2ボルト孔11dが設けられている。
て成形されたものであり、円形状のケーシング底面11
aと、ケーシング底面11aの周縁から垂直に立ち上が
ったケーシング側面11bと、ケーシング側面11bに
続いて内方にかしめられて形成された係合部11cとに
より構成されている。また、ケーシング底面11aの中
央部には第2取付ボルト14を通し且つその頭部が係合
する第2ボルト孔11dが設けられている。
【0032】防振ゴム本体12は、振動吸収性に優れる
天然ゴム等の弾性体により半球ボウル形状に形成されて
おり、そのボウル状の開口部12aがケーシング11に
嵌め入れられ、ケーシング11内に半球形状にゴム状の
山が盛り上がった形態となっている。また、そのゴム状
の山の頂上部には、第1取付ボルト15の頭部が支持部
材16に支持されて埋設一体成形されている。さらに、
開口部12aの外周側に沿って金属製の円筒部材17が
埋設されており、これによってケーシング11内での防
振ゴム本体12の横方向の形状保持がなされると共に、
開口部12aがケーシング11の係合部11cに係合す
るようして防振ゴム本体12のケーシング11からの脱
離が防止されている。
天然ゴム等の弾性体により半球ボウル形状に形成されて
おり、そのボウル状の開口部12aがケーシング11に
嵌め入れられ、ケーシング11内に半球形状にゴム状の
山が盛り上がった形態となっている。また、そのゴム状
の山の頂上部には、第1取付ボルト15の頭部が支持部
材16に支持されて埋設一体成形されている。さらに、
開口部12aの外周側に沿って金属製の円筒部材17が
埋設されており、これによってケーシング11内での防
振ゴム本体12の横方向の形状保持がなされると共に、
開口部12aがケーシング11の係合部11cに係合す
るようして防振ゴム本体12のケーシング11からの脱
離が防止されている。
【0033】蓋体13は、円形金属板及びポリアミド樹
脂製リングを天然ゴム等の酸素遮断材料に加硫接着する
ことにより成形されたものであり、円盤状の結合金属板
13aと、金属結合板13aに加硫接着されて3段の階
段状をなして外方に広がる酸素遮断シール13bと、酸
素遮断シール13bの端部に全周に渡って外方に突出し
た鍔状部13cと、鍔状部13cに埋設された剛性リン
グ13eとにより構成されており、この鍔状部13cが
ケーシング11の係合部11cに係合して蓋体13が固
定されるようになっている。また、蓋体上面13aの中
央部には第1取付ボルト15を通すための第1ボルト孔
13dが設けられている。
脂製リングを天然ゴム等の酸素遮断材料に加硫接着する
ことにより成形されたものであり、円盤状の結合金属板
13aと、金属結合板13aに加硫接着されて3段の階
段状をなして外方に広がる酸素遮断シール13bと、酸
素遮断シール13bの端部に全周に渡って外方に突出し
た鍔状部13cと、鍔状部13cに埋設された剛性リン
グ13eとにより構成されており、この鍔状部13cが
ケーシング11の係合部11cに係合して蓋体13が固
定されるようになっている。また、蓋体上面13aの中
央部には第1取付ボルト15を通すための第1ボルト孔
13dが設けられている。
【0034】また、防振ゴム本体12の内壁面とケーシ
ング底面11aとにより 密閉空間18が区画形成さ
れ、その密閉空間18には使用済みタイヤから抽出した
ゴム組成物を粉砕した粒径0.001〜5mm又は比表
面積が0.001〜10m2/gの粉状物乃至粒状物が
酸化劣化防止体19として一部充填されている。また、
防振ゴム本体12と酸素遮断シール13bとの間には密
閉空間が区画形成され、その空間には窒素ガスが充填さ
れている。ここで、一部充填された粒状物乃至粉状物の
酸化劣化防止体19はそのまま充填してもよく、また、
未加硫ゴムコンパウンドを混合して、そのゴムコンパウ
ンドを加硫させることによって粒状物乃至粉状物を相互
に連結して一体化するようにしてもよい。また、組立は
窒素雰囲気下で行うとよい。
ング底面11aとにより 密閉空間18が区画形成さ
れ、その密閉空間18には使用済みタイヤから抽出した
ゴム組成物を粉砕した粒径0.001〜5mm又は比表
面積が0.001〜10m2/gの粉状物乃至粒状物が
酸化劣化防止体19として一部充填されている。また、
防振ゴム本体12と酸素遮断シール13bとの間には密
閉空間が区画形成され、その空間には窒素ガスが充填さ
れている。ここで、一部充填された粒状物乃至粉状物の
酸化劣化防止体19はそのまま充填してもよく、また、
未加硫ゴムコンパウンドを混合して、そのゴムコンパウ
ンドを加硫させることによって粒状物乃至粉状物を相互
に連結して一体化するようにしてもよい。また、組立は
窒素雰囲気下で行うとよい。
【0035】そして、この防振マウント10は、第1取
付ボルト15を振動源側に、第2取付ボルト14を振動
受側にそれぞれ取り付けることにより、第1取付ボルト
15から加わる振動が防振ゴム本体12において減衰
し、それによって第2取付ボルト14側に与えられる振
動が抑制される構成となっている。
付ボルト15を振動源側に、第2取付ボルト14を振動
受側にそれぞれ取り付けることにより、第1取付ボルト
15から加わる振動が防振ゴム本体12において減衰
し、それによって第2取付ボルト14側に与えられる振
動が抑制される構成となっている。
【0036】上記構成の防振マウント10では、ケーシ
ング底面11a及び酸素遮断シール13bが酸素遮断部
として機能し、外部から侵入する酸素の防振ゴム本体1
2への接触が防止され、これによって防振ゴム本体12
の酸化劣化防止が図られている。また、防振ゴム本体1
2とケーシング底面11aとの間に区画形成された密閉
空間18には、使用済みタイヤから抽出したゴム組成物
の粉状物乃至粒状物からなる酸化劣化防止体19が封入
されているので、密閉空間中の酸素を酸化劣化防止体1
9が吸収したり、又は酸化劣化防止体19自体が酸化さ
れるという作用により、防振ゴム本体12への酸素の接
触が抑止され、これによって防振ゴム本体12の酸化劣
化防止がより確実に図られるようになっている。さら
に、防振ゴム本体12と酸素遮断シール13bとの間に
区画形成された密閉空間には、窒素ガスが充填されてい
るので、これによっても防振ゴム本体12の酸化劣化防
止が図られている。そして、防振ゴム本体12とケーシ
ング底面11a及び防振ゴム本体12と酸素遮断シール
13bのいずれもが互いに離れているため、両者間の接
着性の問題も生じない。従って、この防振マウント10
では、防振ゴム本体12の酸化が確実に防止され、常温
雰囲気中においても、高温雰囲気中においても、防振ゴ
ム本体12の物性を長期間に亘って維持することが可能
となる。すなわち、防振マウント10における防振ゴム
本体12は耐熱性及び高温雰囲気中での耐久性に優れ、
そのために防振マウント10は極めて長寿命なものとな
っている。
ング底面11a及び酸素遮断シール13bが酸素遮断部
として機能し、外部から侵入する酸素の防振ゴム本体1
2への接触が防止され、これによって防振ゴム本体12
の酸化劣化防止が図られている。また、防振ゴム本体1
2とケーシング底面11aとの間に区画形成された密閉
空間18には、使用済みタイヤから抽出したゴム組成物
の粉状物乃至粒状物からなる酸化劣化防止体19が封入
されているので、密閉空間中の酸素を酸化劣化防止体1
9が吸収したり、又は酸化劣化防止体19自体が酸化さ
れるという作用により、防振ゴム本体12への酸素の接
触が抑止され、これによって防振ゴム本体12の酸化劣
化防止がより確実に図られるようになっている。さら
に、防振ゴム本体12と酸素遮断シール13bとの間に
区画形成された密閉空間には、窒素ガスが充填されてい
るので、これによっても防振ゴム本体12の酸化劣化防
止が図られている。そして、防振ゴム本体12とケーシ
ング底面11a及び防振ゴム本体12と酸素遮断シール
13bのいずれもが互いに離れているため、両者間の接
着性の問題も生じない。従って、この防振マウント10
では、防振ゴム本体12の酸化が確実に防止され、常温
雰囲気中においても、高温雰囲気中においても、防振ゴ
ム本体12の物性を長期間に亘って維持することが可能
となる。すなわち、防振マウント10における防振ゴム
本体12は耐熱性及び高温雰囲気中での耐久性に優れ、
そのために防振マウント10は極めて長寿命なものとな
っている。
【0037】また、酸化劣化防止体19として使用済み
タイヤから抽出したゴム組成物の粉状物乃至粒状物が使
用されているので、酸化劣化防止体19が耐久性に優れ
るものとなっていると共に、使用済みタイヤのマテリア
ルリサイクルが図られている。
タイヤから抽出したゴム組成物の粉状物乃至粒状物が使
用されているので、酸化劣化防止体19が耐久性に優れ
るものとなっていると共に、使用済みタイヤのマテリア
ルリサイクルが図られている。
【0038】さらに、酸化劣化防止体19を構成する粉
状物乃至粒状物は、粒径が0.001〜5mm又は比表
面積が0.001〜10m2/gであるので、ゴムが酸
素と接触する面積が十分広く、そのために酸化劣化防止
体19の酸素吸収能は高く、防振ゴム本体12の酸化劣
化防止がより有効に図られるものとなっている。
状物乃至粒状物は、粒径が0.001〜5mm又は比表
面積が0.001〜10m2/gであるので、ゴムが酸
素と接触する面積が十分広く、そのために酸化劣化防止
体19の酸素吸収能は高く、防振ゴム本体12の酸化劣
化防止がより有効に図られるものとなっている。
【0039】そして、酸化劣化防止体19を構成する粉
状物乃至粒状物は、未加硫ゴムコンパウンドが混合さ
れ、そのゴムコンパウンドを加硫させることにより粒状
物乃至粉状物が相互に連結して一体化すると、粉状物乃
至粒状物であるゴムの移動が規制され、酸化劣化防止体
19もが防振特性を発現することとなり、防振マウント
10は極めて防振特性の優れたものとなる。 <実施形態2>図2〜4は、本発明の実施形態2に係る
マウントタイプの防振マウント20を示す。
状物乃至粒状物は、未加硫ゴムコンパウンドが混合さ
れ、そのゴムコンパウンドを加硫させることにより粒状
物乃至粉状物が相互に連結して一体化すると、粉状物乃
至粒状物であるゴムの移動が規制され、酸化劣化防止体
19もが防振特性を発現することとなり、防振マウント
10は極めて防振特性の優れたものとなる。 <実施形態2>図2〜4は、本発明の実施形態2に係る
マウントタイプの防振マウント20を示す。
【0040】実施形態2に係る防振マウント20は、ケ
ーシング21と、そのケーシング21に嵌め入れられた
防振ゴム本体22と、防振ゴム本体22の露出部を覆っ
た蓋体23とを備えている。
ーシング21と、そのケーシング21に嵌め入れられた
防振ゴム本体22と、防振ゴム本体22の露出部を覆っ
た蓋体23とを備えている。
【0041】ケーシング21は、金属板をプレス加工し
て形成されたものであり、円盤状のケーシング底面21
aと、ケーシング底面21aの周縁から斜め外方に立ち
上がると共にその途中から斜め内方に向かって延び、開
口径よりも大きい内径を有するように形成されたケーシ
ング側面21bとにより構成されている。また、ケーシ
ング底面21aの中央部には第2取付ボルト24を通し
且つその頭部が係合する第2ボルト孔21dが設けられ
ている。さらに、ケーシング側面21bには、防振ゴム
本体22を嵌め入れる際の空気の通路を構成するエア逃
げ孔21eが設けられている。
て形成されたものであり、円盤状のケーシング底面21
aと、ケーシング底面21aの周縁から斜め外方に立ち
上がると共にその途中から斜め内方に向かって延び、開
口径よりも大きい内径を有するように形成されたケーシ
ング側面21bとにより構成されている。また、ケーシ
ング底面21aの中央部には第2取付ボルト24を通し
且つその頭部が係合する第2ボルト孔21dが設けられ
ている。さらに、ケーシング側面21bには、防振ゴム
本体22を嵌め入れる際の空気の通路を構成するエア逃
げ孔21eが設けられている。
【0042】防振ゴム本体22は、振動吸収性に優れる
天然ゴム等の弾性体よりなり、2つの円錐台におけるそ
れぞれの大きい底面同士を接合したような形状に形成さ
れている。そして、その下側部分がケーシング21に嵌
め入れられ、上側部分がケーシング21内からゴム状の
山が盛り上がった形態となっている。また、そのゴム状
の山の頂上部には、第1取付ボルト25の頭部が支持部
材26に支持されて埋設一体成形されている。さらに、
上側部分を形成する円錐台形状の裾の部分にはその上側
の円錐台を囲うように全周に渡ってゴム壁22aが立設
されている。また、ゴム壁22aの外側には、ゴム壁2
2aに沿って環状溝22bが設けられている。そして、
ケーシングに嵌め入れられている下側部分の底には内部
を刳り抜いたように形成された凹部が設けられている。
天然ゴム等の弾性体よりなり、2つの円錐台におけるそ
れぞれの大きい底面同士を接合したような形状に形成さ
れている。そして、その下側部分がケーシング21に嵌
め入れられ、上側部分がケーシング21内からゴム状の
山が盛り上がった形態となっている。また、そのゴム状
の山の頂上部には、第1取付ボルト25の頭部が支持部
材26に支持されて埋設一体成形されている。さらに、
上側部分を形成する円錐台形状の裾の部分にはその上側
の円錐台を囲うように全周に渡ってゴム壁22aが立設
されている。また、ゴム壁22aの外側には、ゴム壁2
2aに沿って環状溝22bが設けられている。そして、
ケーシングに嵌め入れられている下側部分の底には内部
を刳り抜いたように形成された凹部が設けられている。
【0043】蓋体23は、金属板にクロロプレンゴム等
の酸素遮断材料を加硫接着することにより成形されたも
のであり、円盤状に形成された金属結合板23aと、金
属結合板23aに加硫接着された上面部に続いて垂直に
降りて形成された酸素遮断シール23bと、酸素遮断シ
ール23bの端部に全周に渡って外方に突出した鍔状部
23cとにより構成されており、この鍔状部23cが防
振ゴム本体22の環状溝22bに嵌まって防振ゴム本体
22に固定されている。さらに、金属結合板23aの中
央部には第1取付ボルト25を通すための第1ボルト孔
23dが設けられている。
の酸素遮断材料を加硫接着することにより成形されたも
のであり、円盤状に形成された金属結合板23aと、金
属結合板23aに加硫接着された上面部に続いて垂直に
降りて形成された酸素遮断シール23bと、酸素遮断シ
ール23bの端部に全周に渡って外方に突出した鍔状部
23cとにより構成されており、この鍔状部23cが防
振ゴム本体22の環状溝22bに嵌まって防振ゴム本体
22に固定されている。さらに、金属結合板23aの中
央部には第1取付ボルト25を通すための第1ボルト孔
23dが設けられている。
【0044】また、防振ゴム本体22の内壁面とケーシ
ング底面21aとにより、また、防振ゴム本体22とゴ
ム壁22aと酸素遮断シール23bとにより、それぞれ
密閉空間28a,28bが区画形成され、それぞれの空
間には使用済みタイヤから抽出したゴム組成物を粉砕し
た粒径0.001〜5mm又は比表面積が0.001〜
10m2/gの粉状物乃至粒状物が酸化劣化防止体29
a,29bとして全充填されている。
ング底面21aとにより、また、防振ゴム本体22とゴ
ム壁22aと酸素遮断シール23bとにより、それぞれ
密閉空間28a,28bが区画形成され、それぞれの空
間には使用済みタイヤから抽出したゴム組成物を粉砕し
た粒径0.001〜5mm又は比表面積が0.001〜
10m2/gの粉状物乃至粒状物が酸化劣化防止体29
a,29bとして全充填されている。
【0045】そして、この防振マウント20は、第1取
付ボルト25を振動源側に、第2取付ボルト24を振動
受側にそれぞれ取り付けることにより、第1取付ボルト
25から加わる振動が防振ゴム本体22において減衰
し、それによって第2取付ボルト25側に与えられる振
動が抑制される構成となっている。
付ボルト25を振動源側に、第2取付ボルト24を振動
受側にそれぞれ取り付けることにより、第1取付ボルト
25から加わる振動が防振ゴム本体22において減衰
し、それによって第2取付ボルト25側に与えられる振
動が抑制される構成となっている。
【0046】次に、実施形態2に係る防振マウント20
の組立方法について説明する。
の組立方法について説明する。
【0047】まず、防振ゴム本体22のゴム壁22aで
囲まれる環状の凹部に酸化劣化防止体29bたる使用済
みタイヤから抽出されたゴム組成物の粉状物乃至粒状物
を充填する。
囲まれる環状の凹部に酸化劣化防止体29bたる使用済
みタイヤから抽出されたゴム組成物の粉状物乃至粒状物
を充填する。
【0048】次いで、図5に示すように、蓋体23を防
振ゴム本体22の上から被せる。このとき、第1取付ボ
ルト25を蓋体23の第1ボルト孔23dに通すと共
に、蓋体23の鍔状部23cを防振ゴム本体22の環状
溝22bに嵌め入れる。なお、鍔状部23cには予めゴ
ム用接着剤(ウレタン系又はエポキシ系)を塗布してお
く。
振ゴム本体22の上から被せる。このとき、第1取付ボ
ルト25を蓋体23の第1ボルト孔23dに通すと共
に、蓋体23の鍔状部23cを防振ゴム本体22の環状
溝22bに嵌め入れる。なお、鍔状部23cには予めゴ
ム用接着剤(ウレタン系又はエポキシ系)を塗布してお
く。
【0049】防振ゴム本体22に蓋体23を取り付けた
後は、図6に示すように、上下を逆にし、それを下型7
0に載置する。そして、防振ゴム本体22底の凹部に上
記と同様の酸化劣化防止体29aたるゴム組成物の粉状
物乃至粒状物を充填する。また、防振ゴム本体22のケ
ーシング21に嵌め入れる部分にはゴム用接着剤(ウレ
タン系又はエポキシ系)を塗布しておく(図6)。
後は、図6に示すように、上下を逆にし、それを下型7
0に載置する。そして、防振ゴム本体22底の凹部に上
記と同様の酸化劣化防止体29aたるゴム組成物の粉状
物乃至粒状物を充填する。また、防振ゴム本体22のケ
ーシング21に嵌め入れる部分にはゴム用接着剤(ウレ
タン系又はエポキシ系)を塗布しておく(図6)。
【0050】最後に、防振ゴム本体22及び蓋体23を
支持している下型70に対して、ケーシング21を支持
している中型71及び上型72を下降させることによ
り、防振ゴム本体22が、中型73のテーパ面を摺動し
ながらケーシング21に導入され嵌合する。この時、ケ
ーシング21内の空気はエア逃げ孔21eから外部に放
出されることとなる。
支持している下型70に対して、ケーシング21を支持
している中型71及び上型72を下降させることによ
り、防振ゴム本体22が、中型73のテーパ面を摺動し
ながらケーシング21に導入され嵌合する。この時、ケ
ーシング21内の空気はエア逃げ孔21eから外部に放
出されることとなる。
【0051】上記構成の防振マウント20では、防振ゴ
ム本体22とゴム壁22aと酸素遮断シール23bとの
間に区画形成された密閉空間28bにも、使用済みタイ
ヤから抽出したゴム組成物の粉状物乃至粒状物からなる
酸化劣化防止体29bが充填されており、これによって
防振ゴム本体22の酸化劣化防止が図られている。
ム本体22とゴム壁22aと酸素遮断シール23bとの
間に区画形成された密閉空間28bにも、使用済みタイ
ヤから抽出したゴム組成物の粉状物乃至粒状物からなる
酸化劣化防止体29bが充填されており、これによって
防振ゴム本体22の酸化劣化防止が図られている。
【0052】その他の作用・効果は実施形態1と同一で
ある。 <実施形態3>図7及び図8は本発明の実施形態3に係
るブッシュタイプの防振マウント30を示す。
ある。 <実施形態3>図7及び図8は本発明の実施形態3に係
るブッシュタイプの防振マウント30を示す。
【0053】実施形態3に係る防振マウント30は、小
径の内筒体31と、その外周に配置された大径の外筒体
33と、これらを連結する防振ゴム本体32と、外筒体
33の両開口部をそれぞれ覆うように設けられた一対の
酸素遮断膜35a、35bとを備えている。
径の内筒体31と、その外周に配置された大径の外筒体
33と、これらを連結する防振ゴム本体32と、外筒体
33の両開口部をそれぞれ覆うように設けられた一対の
酸素遮断膜35a、35bとを備えている。
【0054】内筒体31は、金属製の筒であり、一方の
端部には径が小さくされた小径部31aが設けられてい
る。
端部には径が小さくされた小径部31aが設けられてい
る。
【0055】外筒体33も同様に金属製の筒であり、軸
方向の長さは内筒体31よりも短く形成されている。
方向の長さは内筒体31よりも短く形成されている。
【0056】防振ゴム本体32は、振動吸収性に優れる
天然ゴム等の弾性体により形成されており、内筒体31
を包み込む本体中心部32aと、その本体中心部32a
から外筒体33に向かって延びる2本の内筒体支持部3
2b,32bとからなり、これらによって内筒体31が
外筒体33の中心に支持された形態となっている。ま
た、外筒体33の内周面は、防振内筒体支持部32b,
32bとの結合部に続いてその全面を被覆する外筒体被
覆膜34,34が設けられており、これらによって囲ま
れた2つの空間が形成されている。
天然ゴム等の弾性体により形成されており、内筒体31
を包み込む本体中心部32aと、その本体中心部32a
から外筒体33に向かって延びる2本の内筒体支持部3
2b,32bとからなり、これらによって内筒体31が
外筒体33の中心に支持された形態となっている。ま
た、外筒体33の内周面は、防振内筒体支持部32b,
32bとの結合部に続いてその全面を被覆する外筒体被
覆膜34,34が設けられており、これらによって囲ま
れた2つの空間が形成されている。
【0057】酸素遮断膜35a,35bは、外筒体33
の両開口部において、それぞれ内筒体31から外筒体3
3の開口端に向かって広がるように設けられている。そ
して、一方の酸素遮断膜35b(図7の右側)は、防振
ゴム本体32に続いて外筒体33に向かって広がるよう
に一体成形されている。他方の酸素遮断膜35a(図7
の左側)は別体に成形されており、その中心部に装着さ
れた第1嵌合部材36aを内筒体31の小径部31aに
嵌合し、周縁端部に装着された第2嵌合部材36bを外
筒体33の開口端と嵌合させて取り付けられている。ま
た、両酸素遮断膜35a,35bは蛇腹形状乃至膨出形
状に形成されており、防振ゴム本体32に追従して変形
することができるようになっている。なお、酸素遮断膜
35bは、天然ゴム等の弾性体により形成されている。
の両開口部において、それぞれ内筒体31から外筒体3
3の開口端に向かって広がるように設けられている。そ
して、一方の酸素遮断膜35b(図7の右側)は、防振
ゴム本体32に続いて外筒体33に向かって広がるよう
に一体成形されている。他方の酸素遮断膜35a(図7
の左側)は別体に成形されており、その中心部に装着さ
れた第1嵌合部材36aを内筒体31の小径部31aに
嵌合し、周縁端部に装着された第2嵌合部材36bを外
筒体33の開口端と嵌合させて取り付けられている。ま
た、両酸素遮断膜35a,35bは蛇腹形状乃至膨出形
状に形成されており、防振ゴム本体32に追従して変形
することができるようになっている。なお、酸素遮断膜
35bは、天然ゴム等の弾性体により形成されている。
【0058】防振ゴム本体32と、外筒体被覆膜34,
34と、酸素遮断膜35a,35bとで区画形成された
2つの密閉空間38a,38b(両者は図7左側におい
て連通している)には、使用済みタイヤから抽出したゴ
ム組成物を粉砕した粒径0.001〜5mm又は比表面
積が0.001〜10m2/gの粉状物乃至粒状物が酸
化劣化防止体39a,39bとして一部充填されてい
る。ここで、一部充填された粒状物乃至粉状物の酸化劣
化防止体39a,39bは、未加硫ゴムコンパウンドが
混合され、そのゴムコンパウンドが加硫することによっ
て粒状物乃至粉状物が相互に連結して一体化したものと
なっている。
34と、酸素遮断膜35a,35bとで区画形成された
2つの密閉空間38a,38b(両者は図7左側におい
て連通している)には、使用済みタイヤから抽出したゴ
ム組成物を粉砕した粒径0.001〜5mm又は比表面
積が0.001〜10m2/gの粉状物乃至粒状物が酸
化劣化防止体39a,39bとして一部充填されてい
る。ここで、一部充填された粒状物乃至粉状物の酸化劣
化防止体39a,39bは、未加硫ゴムコンパウンドが
混合され、そのゴムコンパウンドが加硫することによっ
て粒状物乃至粉状物が相互に連結して一体化したものと
なっている。
【0059】そして、この防振マウント30は、内筒体
31を第1取付部として振動源側に、外筒体33を第2
取付部として振動受側にそれぞれ取り付けることによ
り、内筒体31から加わる振動が防振ゴム本体32にお
いて減衰し、それによって外筒体33側に与えられる振
動が抑制される構成となっている。
31を第1取付部として振動源側に、外筒体33を第2
取付部として振動受側にそれぞれ取り付けることによ
り、内筒体31から加わる振動が防振ゴム本体32にお
いて減衰し、それによって外筒体33側に与えられる振
動が抑制される構成となっている。
【0060】次に、実施形態3に係る防振マウントの製
造方法について説明する。
造方法について説明する。
【0061】まず、内筒体31、外筒体33、防振ゴム
本体32及び酸素遮断膜35bを一体加硫成形する。こ
れによって、図9及び図10に示すような一方が開口し
た防振マウント本体を得る。
本体32及び酸素遮断膜35bを一体加硫成形する。こ
れによって、図9及び図10に示すような一方が開口し
た防振マウント本体を得る。
【0062】次いで、図11に示すように、中心部に第
1嵌合部材36aが装着され、周縁端部に第2嵌合部材
36bが装着された酸素遮断膜35aを成形する。
1嵌合部材36aが装着され、周縁端部に第2嵌合部材
36bが装着された酸素遮断膜35aを成形する。
【0063】そして、防振マウント本体の防振ゴム本体
32と、外筒体被覆膜34,34と、酸素遮断膜35b
とで区画形成された2つの空間に酸素劣化防止体39
a,39bをそれぞれ充填する。
32と、外筒体被覆膜34,34と、酸素遮断膜35b
とで区画形成された2つの空間に酸素劣化防止体39
a,39bをそれぞれ充填する。
【0064】最後に、酸素遮断膜35aに装着された第
1嵌合部材36aに内筒体31の小径部31aを嵌め入
れ、周縁端部に装着された第2嵌合部材36bを外筒体
33の開口端と嵌合させる。
1嵌合部材36aに内筒体31の小径部31aを嵌め入
れ、周縁端部に装着された第2嵌合部材36bを外筒体
33の開口端と嵌合させる。
【0065】上記構成の防振マウント30では、酸素遮
断膜35a,35bが防振ゴム本体32を覆うように配
設され、酸素遮断膜35a,35bと防振ゴム本体32
との間に密閉空間38a,38bが区画形成されている
ので、その密閉空間38a,38bへの外部からの酸素
侵入が防止されることとなり、防振ゴム本体32は外部
の酸素との接触が防止され、これによって防振ゴム本体
32の酸化劣化防止が図られている。また、それらの密
閉空間38a,38bには、使用済みタイヤから抽出し
たゴム組成物の粉状物乃至粒状物からなる酸化劣化防止
体39a,39bが封入されているので、密閉空間38
a,38b中の酸素を酸化劣化防止体39a,39bが
吸収したり、又は酸化劣化防止体39a,39b自体が
酸化されるという作用により、防振ゴム本体32への酸
素の接触が抑止され、これによって防振ゴム本体32の
酸化劣化防止がより確実に図られている。さらに、防振
ゴム本体32と酸素遮断膜35a,35bとが互いに離
れているため、両者間の接着性の問題も生じない。従っ
て、この防振マウント30では、防振ゴム本体32の酸
化劣化が確実に防止され、常温雰囲気中においても、高
温雰囲気中においても、防振ゴム本体32の物性を長期
間に亘って維持することが可能となる。すなわち、防振
マウント30における防振ゴム本体32は耐熱性及び高
温雰囲気中での耐久性に優れ、そのために防振マウント
30は極めて長寿命なものとなっている。
断膜35a,35bが防振ゴム本体32を覆うように配
設され、酸素遮断膜35a,35bと防振ゴム本体32
との間に密閉空間38a,38bが区画形成されている
ので、その密閉空間38a,38bへの外部からの酸素
侵入が防止されることとなり、防振ゴム本体32は外部
の酸素との接触が防止され、これによって防振ゴム本体
32の酸化劣化防止が図られている。また、それらの密
閉空間38a,38bには、使用済みタイヤから抽出し
たゴム組成物の粉状物乃至粒状物からなる酸化劣化防止
体39a,39bが封入されているので、密閉空間38
a,38b中の酸素を酸化劣化防止体39a,39bが
吸収したり、又は酸化劣化防止体39a,39b自体が
酸化されるという作用により、防振ゴム本体32への酸
素の接触が抑止され、これによって防振ゴム本体32の
酸化劣化防止がより確実に図られている。さらに、防振
ゴム本体32と酸素遮断膜35a,35bとが互いに離
れているため、両者間の接着性の問題も生じない。従っ
て、この防振マウント30では、防振ゴム本体32の酸
化劣化が確実に防止され、常温雰囲気中においても、高
温雰囲気中においても、防振ゴム本体32の物性を長期
間に亘って維持することが可能となる。すなわち、防振
マウント30における防振ゴム本体32は耐熱性及び高
温雰囲気中での耐久性に優れ、そのために防振マウント
30は極めて長寿命なものとなっている。
【0066】また、酸素遮断膜35a,35bは、防振
ゴム本体32に追随して変形可能に形成されているの
で、防振ゴム本体32の変形が酸素遮断膜35a,35
bにより規制されることがなく、また、酸素遮断膜35
a,35bが防振ゴム本体32の変形に追従できずに破
損するということもない。
ゴム本体32に追随して変形可能に形成されているの
で、防振ゴム本体32の変形が酸素遮断膜35a,35
bにより規制されることがなく、また、酸素遮断膜35
a,35bが防振ゴム本体32の変形に追従できずに破
損するということもない。
【0067】その他の作用・効果は実施形態1と同一で
ある。
ある。
【0068】なお、実施形態3に係る膨振マウント30
をエンジンマウント等の熱源に近接させて使用する場
合、膨振ゴム本体32表面を遮断している酸素遮断膜3
5a側を熱源に対向するようにして設置する。その際に
酸素遮断膜35aの材質をクロロスルホン化ポリエチレ
ンゴム(CSM)としたり、ポリアミド樹脂としたり、
又は天然ゴムに白色塗装処理を施したりして耐熱性向上
が図られる。 <実施形態4>図12は、本発明の実施形態4に係るブ
ッシュタイプの防振マウント40を示す。
をエンジンマウント等の熱源に近接させて使用する場
合、膨振ゴム本体32表面を遮断している酸素遮断膜3
5a側を熱源に対向するようにして設置する。その際に
酸素遮断膜35aの材質をクロロスルホン化ポリエチレ
ンゴム(CSM)としたり、ポリアミド樹脂としたり、
又は天然ゴムに白色塗装処理を施したりして耐熱性向上
が図られる。 <実施形態4>図12は、本発明の実施形態4に係るブ
ッシュタイプの防振マウント40を示す。
【0069】実施形態4に係る防振マウント40は、小
径の内筒体41と、その外周に配置された大径の外筒体
43と、これらを連結する防振ゴム本体42と、外筒体
43の両開口部をそれぞれ覆うように設けられた一対の
酸素遮断膜45、45とを備えている。
径の内筒体41と、その外周に配置された大径の外筒体
43と、これらを連結する防振ゴム本体42と、外筒体
43の両開口部をそれぞれ覆うように設けられた一対の
酸素遮断膜45、45とを備えている。
【0070】内筒体41は、両端に小径部41a,41
aが設けられている。
aが設けられている。
【0071】両酸素遮断膜45,45は、内筒体41と
外筒体43と防振ゴム本体42とからなる防振マウント
本体とは別体に成形されたものである。そして、両酸素
遮断膜45,45は、各々、その中心に装着された第1
嵌合部材46aに内筒体41の各小径部41aを嵌合
し、周縁端部に装着された第2嵌合部材46bを外筒体
43の開口端と嵌合させて取り付けられている。なお、
酸素遮断膜45,45は、天然ゴム等のゴム組成物によ
り形成されている。
外筒体43と防振ゴム本体42とからなる防振マウント
本体とは別体に成形されたものである。そして、両酸素
遮断膜45,45は、各々、その中心に装着された第1
嵌合部材46aに内筒体41の各小径部41aを嵌合
し、周縁端部に装着された第2嵌合部材46bを外筒体
43の開口端と嵌合させて取り付けられている。なお、
酸素遮断膜45,45は、天然ゴム等のゴム組成物によ
り形成されている。
【0072】その他の構成は実施形態3と同一である。
また、作用・効果は実施形態3と同一である。 <実施形態5>図13及び図14は本発明の実施形態5
に係るブッシュタイプの防振マウント50を示す。
また、作用・効果は実施形態3と同一である。 <実施形態5>図13及び図14は本発明の実施形態5
に係るブッシュタイプの防振マウント50を示す。
【0073】実施形態5に係る防振マウント50は、小
径の内筒体51と、その外周に配置された中筒体57
と、これらを連結する防振ゴム本体52と、防振ゴム本
体と一体に成形されたストッパー部54,54と、同じ
く防振ゴム本体52と一体に成形された第2酸素遮断膜
55b,55b,…と、中筒体57の両開口部をそれぞ
れ覆うように設けられた一対の第1酸素遮断膜55a,
55aと、これらの外周に配置された大径の外筒体53
とを備えている。
径の内筒体51と、その外周に配置された中筒体57
と、これらを連結する防振ゴム本体52と、防振ゴム本
体と一体に成形されたストッパー部54,54と、同じ
く防振ゴム本体52と一体に成形された第2酸素遮断膜
55b,55b,…と、中筒体57の両開口部をそれぞ
れ覆うように設けられた一対の第1酸素遮断膜55a,
55aと、これらの外周に配置された大径の外筒体53
とを備えている。
【0074】内筒体51は、金属製の筒であり、両方の
端部には径が小さくされた小径部51a,51aが設け
られている。
端部には径が小さくされた小径部51a,51aが設け
られている。
【0075】中筒体57は、金属製の筒であり、図17
に示すように、円形状の窓57a,57aが2つ設けら
れている。
に示すように、円形状の窓57a,57aが2つ設けら
れている。
【0076】防振ゴム本体52は、振動吸収性に優れる
天然ゴム等の弾性体により形成されており、内筒体51
を包み込む本体中心部52aと、本体中心部52aから
中筒体57に向かって延びる2本の内筒体支持部52
b,52bとからなる。
天然ゴム等の弾性体により形成されており、内筒体51
を包み込む本体中心部52aと、本体中心部52aから
中筒体57に向かって延びる2本の内筒体支持部52
b,52bとからなる。
【0077】ストッパー部54,54は、本体中心部5
2aから内筒体支持部52b,52bに対して垂直方向
に突出した略円錐台形状をなし、中筒体57の窓部57
aに対向するように設けられており、ストッパー部54
が窓部57aに係合することにより、内筒体51の軸方
向への過剰変位が規制され、ストッパー部54の外筒体
53への当接により、軸方向に垂直な方向への過剰変位
が規制されるようになっている。
2aから内筒体支持部52b,52bに対して垂直方向
に突出した略円錐台形状をなし、中筒体57の窓部57
aに対向するように設けられており、ストッパー部54
が窓部57aに係合することにより、内筒体51の軸方
向への過剰変位が規制され、ストッパー部54の外筒体
53への当接により、軸方向に垂直な方向への過剰変位
が規制されるようになっている。
【0078】第2酸素遮断膜55b,55b,…は、図
15に示されるように、ストッパー部54の根元部から
中筒体57の窓部57a周囲を連結する筒状の酸素遮断
膜であり、内筒体支持部52b,52bに続いて中筒体
57の内周面に沿って延び、近接のストッパー部54の
根元部に繋がるように設けられており、この第2酸素遮
断膜55bと、内筒体支持部52bとにより囲まれた4
つの空間が形成されている。
15に示されるように、ストッパー部54の根元部から
中筒体57の窓部57a周囲を連結する筒状の酸素遮断
膜であり、内筒体支持部52b,52bに続いて中筒体
57の内周面に沿って延び、近接のストッパー部54の
根元部に繋がるように設けられており、この第2酸素遮
断膜55bと、内筒体支持部52bとにより囲まれた4
つの空間が形成されている。
【0079】第1酸素遮断膜55a,55aは、内筒体
51、中筒体57及び防振ゴム本体52等からなる防振
マウント本体とは別体に成形されたものである。そし
て、両酸素遮断膜55a,55aは、各々、その中心に
装着された第1嵌合部材56aに内筒体51の各小径部
51aを嵌合し、周縁端部に装着された第2嵌合部材5
6bを中筒体57の開口端と嵌合させて取り付けられて
いる。なお、第1酸素遮断膜55a,55aは、天然ゴ
ム等の弾性体により形成されている。
51、中筒体57及び防振ゴム本体52等からなる防振
マウント本体とは別体に成形されたものである。そし
て、両酸素遮断膜55a,55aは、各々、その中心に
装着された第1嵌合部材56aに内筒体51の各小径部
51aを嵌合し、周縁端部に装着された第2嵌合部材5
6bを中筒体57の開口端と嵌合させて取り付けられて
いる。なお、第1酸素遮断膜55a,55aは、天然ゴ
ム等の弾性体により形成されている。
【0080】外筒体53も金属製の筒であり、軸方向の
長さは中筒体57よりも長く形成され、中筒体57に嵌
合固定された第1酸素遮断膜55a,55aの第2嵌合
部材56b,56bを内方に圧迫するように両開口端部
が内側にかしめられ、それによって防振ゴム本体52等
からなる一体物が外筒体53から脱離するのが防止され
ている。
長さは中筒体57よりも長く形成され、中筒体57に嵌
合固定された第1酸素遮断膜55a,55aの第2嵌合
部材56b,56bを内方に圧迫するように両開口端部
が内側にかしめられ、それによって防振ゴム本体52等
からなる一体物が外筒体53から脱離するのが防止され
ている。
【0081】防振ゴム本体に形成された4つの空間と、
酸素遮断膜55a,55aとにより区画形成された4つ
の密閉空間58,58,…には、使用済みタイヤから抽
出したゴム組成物を粉砕した粒径0.001〜5mm又
は比表面積が0.001〜10m2/gの粉状物乃至粒
状物が酸化劣化防止体59,59,…として充填されて
いる。ここで、各充填された粒状物乃至粉状物の酸化劣
化防止体59は、未加硫ゴムコンパウンドが混合され、
そのゴムコンパウンドが加硫することによって粒状物乃
至粉状物が相互に連結して一体化したものとなってい
る。また、外筒体53とストッパー部54との間に形成
された空間には窒素ガスが充填されている。
酸素遮断膜55a,55aとにより区画形成された4つ
の密閉空間58,58,…には、使用済みタイヤから抽
出したゴム組成物を粉砕した粒径0.001〜5mm又
は比表面積が0.001〜10m2/gの粉状物乃至粒
状物が酸化劣化防止体59,59,…として充填されて
いる。ここで、各充填された粒状物乃至粉状物の酸化劣
化防止体59は、未加硫ゴムコンパウンドが混合され、
そのゴムコンパウンドが加硫することによって粒状物乃
至粉状物が相互に連結して一体化したものとなってい
る。また、外筒体53とストッパー部54との間に形成
された空間には窒素ガスが充填されている。
【0082】そして、この防振マウント50は、内筒体
51を第1取付部として振動源側に、外筒体53を第2
取付部として振動受側にそれぞれ取り付けることによ
り、内筒体51から加わる振動が防振ゴム本体52にお
いて減衰し、それによって外筒体53側に与えられる振
動が抑制される構成となっている。
51を第1取付部として振動源側に、外筒体53を第2
取付部として振動受側にそれぞれ取り付けることによ
り、内筒体51から加わる振動が防振ゴム本体52にお
いて減衰し、それによって外筒体53側に与えられる振
動が抑制される構成となっている。
【0083】次に、実施形態5に係る防振マウントの製
造方法について説明する。
造方法について説明する。
【0084】まず、内筒体51、中筒体57、防振ゴム
本体52及び第2酸素遮断膜55b,55bを一体加硫
成形する。これによって、図15、図16及び図17に
示すような両端が開口した防振マウント本体を得る。こ
の中筒体57に、八方かしめを施して、ストッパー部5
7頭部位置が中筒体57外径と同等となるまで縮径す
る。
本体52及び第2酸素遮断膜55b,55bを一体加硫
成形する。これによって、図15、図16及び図17に
示すような両端が開口した防振マウント本体を得る。こ
の中筒体57に、八方かしめを施して、ストッパー部5
7頭部位置が中筒体57外径と同等となるまで縮径す
る。
【0085】次いで、それぞれの中心部に第1嵌合部材
56a、周縁端部に第2嵌合部材56bが装着された第
1酸素遮断膜55,55を2つ成形する。
56a、周縁端部に第2嵌合部材56bが装着された第
1酸素遮断膜55,55を2つ成形する。
【0086】そして、図18に示すように、防振マウン
ト本体の一方の開口部において、第1酸素遮断膜55a
中心に装着された第1嵌合部材56aに内筒体51の小
径部51aを嵌め入れ、周縁端部に装着された第2嵌合
部材56bを中筒体57の開口端と嵌合させる。続い
て、防振ゴム本体52と酸素遮断膜55a,55bとで
区画形成された4つの空間にそれぞれ酸素劣化防止体5
9,59,…を充填する。その後、中筒体57の他方の
端部を同様にして酸素遮断膜55aで密閉する。
ト本体の一方の開口部において、第1酸素遮断膜55a
中心に装着された第1嵌合部材56aに内筒体51の小
径部51aを嵌め入れ、周縁端部に装着された第2嵌合
部材56bを中筒体57の開口端と嵌合させる。続い
て、防振ゴム本体52と酸素遮断膜55a,55bとで
区画形成された4つの空間にそれぞれ酸素劣化防止体5
9,59,…を充填する。その後、中筒体57の他方の
端部を同様にして酸素遮断膜55aで密閉する。
【0087】最後に、図19に示すように、防振ゴム本
体52等の一体物を窒素雰囲気下で外筒体53に挿入
し、外筒体53の両端部を内側にかしめる。
体52等の一体物を窒素雰囲気下で外筒体53に挿入
し、外筒体53の両端部を内側にかしめる。
【0088】上記構成の防振マウント50では、第1酸
素遮断膜55a,55a及び第2酸素遮断膜55b,5
5b,…が防振ゴム本体52を覆うように配設され、第
1酸素遮断膜55a、第2酸素遮断膜55b及び防振ゴ
ム本体52によって密閉空間58が4つ区画形成されて
いるので、その密閉空間58,58,…への外部からの
酸素侵入が防止されることとなり、防振ゴム本体52は
外部の酸素との接触が防止され、これによって防振ゴム
本体52の酸化劣化防止が図られている。また、その各
空間には、使用済みタイヤから抽出したゴム組成物の粉
状物乃至粒状物からなる酸化劣化防止体59,59,…
が封入されているので、密閉空間58,58,…中の酸
素を酸化劣化防止体59,59,…が吸収したり、又は
酸化劣化防止体59,59,…自体が酸化されるという
作用により、防振ゴム本体52への酸素の接触が抑止さ
れ、これによって防振ゴム本体52の酸化劣化防止がよ
り確実に図られることとなっている。さらに、中筒体5
7とストッパー部54との間の空間には窒素ガスが充填
されており、これによってゴム製のストッパー部54の
酸化劣化防止が図られている。そして、防振ゴム本体5
2と第1酸素遮断膜55a及び第2酸素遮断膜55bと
が互いに離れているため、両者間の接着性の問題も生じ
ない。従って、この防振マウント50では、防振ゴム本
体52の酸化が確実に防止され、常温雰囲気中において
も、高温雰囲気中においても、防振ゴム本体52の物性
を長期間に亘って維持することが可能となる。すなわ
ち、防振マウント50における防振ゴム本体52は耐熱
性及び高温雰囲気中での耐久性に優れ、そのために防振
マウント50は極めて長寿命なものとなっている。
素遮断膜55a,55a及び第2酸素遮断膜55b,5
5b,…が防振ゴム本体52を覆うように配設され、第
1酸素遮断膜55a、第2酸素遮断膜55b及び防振ゴ
ム本体52によって密閉空間58が4つ区画形成されて
いるので、その密閉空間58,58,…への外部からの
酸素侵入が防止されることとなり、防振ゴム本体52は
外部の酸素との接触が防止され、これによって防振ゴム
本体52の酸化劣化防止が図られている。また、その各
空間には、使用済みタイヤから抽出したゴム組成物の粉
状物乃至粒状物からなる酸化劣化防止体59,59,…
が封入されているので、密閉空間58,58,…中の酸
素を酸化劣化防止体59,59,…が吸収したり、又は
酸化劣化防止体59,59,…自体が酸化されるという
作用により、防振ゴム本体52への酸素の接触が抑止さ
れ、これによって防振ゴム本体52の酸化劣化防止がよ
り確実に図られることとなっている。さらに、中筒体5
7とストッパー部54との間の空間には窒素ガスが充填
されており、これによってゴム製のストッパー部54の
酸化劣化防止が図られている。そして、防振ゴム本体5
2と第1酸素遮断膜55a及び第2酸素遮断膜55bと
が互いに離れているため、両者間の接着性の問題も生じ
ない。従って、この防振マウント50では、防振ゴム本
体52の酸化が確実に防止され、常温雰囲気中において
も、高温雰囲気中においても、防振ゴム本体52の物性
を長期間に亘って維持することが可能となる。すなわ
ち、防振マウント50における防振ゴム本体52は耐熱
性及び高温雰囲気中での耐久性に優れ、そのために防振
マウント50は極めて長寿命なものとなっている。
【0089】その他の作用・効果は実施形態3と同一で
ある。 <実施形態6>図20は、本発明の実施形態6に係るブ
ッシュタイプの防振マウント60を示す。
ある。 <実施形態6>図20は、本発明の実施形態6に係るブ
ッシュタイプの防振マウント60を示す。
【0090】実施形態6に係る防振マウント60は、小
径の内筒体61と、その外周に配置された中筒体67
と、これらを連結する防振ゴム本体62と、防振ゴム本
体と一体に成形されたストッパー部64,64と、同じ
く防振ゴム本体62と一体に成形された第2酸素遮断膜
65b,65b,…と、中筒体67の両開口部をそれぞ
れ覆うように設けられた一対の第1酸素遮断膜65a,
65aと、これらの外周に配置された大径の外筒体63
とを備えている。
径の内筒体61と、その外周に配置された中筒体67
と、これらを連結する防振ゴム本体62と、防振ゴム本
体と一体に成形されたストッパー部64,64と、同じ
く防振ゴム本体62と一体に成形された第2酸素遮断膜
65b,65b,…と、中筒体67の両開口部をそれぞ
れ覆うように設けられた一対の第1酸素遮断膜65a,
65aと、これらの外周に配置された大径の外筒体63
とを備えている。
【0091】中筒体67は、図21に示すように、その
外周面中央に全周に渡って凹溝67bが設けられてい
る。そして、外筒体63とストッパー部64,64と第
2酸素遮断膜65b,65bとの間に形成された2つの
領域には作動流体Lが充填された2つの液室が形成され
ており、それらは凹溝67bによって連通されている。
外周面中央に全周に渡って凹溝67bが設けられてい
る。そして、外筒体63とストッパー部64,64と第
2酸素遮断膜65b,65bとの間に形成された2つの
領域には作動流体Lが充填された2つの液室が形成され
ており、それらは凹溝67bによって連通されている。
【0092】その他の構成は実施形態5と同一である。
【0093】上記構成の防振マウント60では、振幅の
大きい低周波振動が内筒体61に作用した場合、防振ゴ
ム本体62が振動を吸収すると共に、内筒体61の変位
に伴い一方の液室の体積が縮小され、そのため、図22
に示すように、作動流体Lが凹溝67bを通ってその一
方の液室から他方の液室に移動し、凹溝67b内におけ
る液柱共振により、振動がより一層効果的に減衰される
こととなる。
大きい低周波振動が内筒体61に作用した場合、防振ゴ
ム本体62が振動を吸収すると共に、内筒体61の変位
に伴い一方の液室の体積が縮小され、そのため、図22
に示すように、作動流体Lが凹溝67bを通ってその一
方の液室から他方の液室に移動し、凹溝67b内におけ
る液柱共振により、振動がより一層効果的に減衰される
こととなる。
【0094】その他の作用・効果は実施形態5と同一で
ある。
ある。
【0095】なお、作動流体Lとしては、液状シリコー
ンゴム、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、高級アルコール等の混合
溶液が用いられる。 <他の実施形態>本発明における防振マウントは上記実
施形態1〜6に示したものに限られるものではなく、そ
の用途もエンジンマウント、ストラットマウント、イン
シュレータマウント、ボデイマウント、キャブマウン
ト、ラバーブッシュ、ラジエータマウント、センターベ
アリングサポート、及びサイレンサーハンガー等に適用
できるものである。また、防振マウントに限らず、中空
防振ゴム、液封防振ゴム、電気粘性流体防振ゴム及び磁
性流体防振ゴム等、防振ゴム本体を振動側部材と振動伝
達側部材との間に介するように構成したさまざまな分野
のあらゆる形式の防振ゴムにも適用することができるも
のである。
ンゴム、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、高級アルコール等の混合
溶液が用いられる。 <他の実施形態>本発明における防振マウントは上記実
施形態1〜6に示したものに限られるものではなく、そ
の用途もエンジンマウント、ストラットマウント、イン
シュレータマウント、ボデイマウント、キャブマウン
ト、ラバーブッシュ、ラジエータマウント、センターベ
アリングサポート、及びサイレンサーハンガー等に適用
できるものである。また、防振マウントに限らず、中空
防振ゴム、液封防振ゴム、電気粘性流体防振ゴム及び磁
性流体防振ゴム等、防振ゴム本体を振動側部材と振動伝
達側部材との間に介するように構成したさまざまな分野
のあらゆる形式の防振ゴムにも適用することができるも
のである。
【0096】また、上記実施形態3〜6では、酸素遮断
膜35b,45,55,65を天然ゴム等のゴム組成物
により形成されているとしたが、ジエン系ゴム群、オレ
フィン系ゴム群、低酸素透過性ゴム群、及び低酸素透過
性樹脂群のなかから選択された1種よりなる膜で形成さ
れたもの、又は複数の膜の複合物で形成されたもの等で
あってもよい。
膜35b,45,55,65を天然ゴム等のゴム組成物
により形成されているとしたが、ジエン系ゴム群、オレ
フィン系ゴム群、低酸素透過性ゴム群、及び低酸素透過
性樹脂群のなかから選択された1種よりなる膜で形成さ
れたもの、又は複数の膜の複合物で形成されたもの等で
あってもよい。
【0097】また、実施形態1〜6では、酸化劣化防止
体として使用済みタイヤから抽出したゴム組成物を粉砕
した粉状物乃至粒状物が使用されているが、特にこれに
限定されるものではなく、他の使用済みゴム加工製品か
ら抽出したゴム組成物であってもよく、また、未使用の
ゴム組成物を用いてもよい。さらに、炭酸カルシウム等
を用いてもよい。
体として使用済みタイヤから抽出したゴム組成物を粉砕
した粉状物乃至粒状物が使用されているが、特にこれに
限定されるものではなく、他の使用済みゴム加工製品か
ら抽出したゴム組成物であってもよく、また、未使用の
ゴム組成物を用いてもよい。さらに、炭酸カルシウム等
を用いてもよい。
【0098】また、上記実施形態1〜6では酸化劣化防
止体18,28,38,48,58,68を、未加硫ゴ
ムコンパウンドを混合し、これを加硫して一体化したも
のとしたが、特にこれに限定されるものではなく、ウレ
タン樹脂により一体化したものであってもよい。また、
使用形態によっては、連結成形せず、そのまま用いても
よい。
止体18,28,38,48,58,68を、未加硫ゴ
ムコンパウンドを混合し、これを加硫して一体化したも
のとしたが、特にこれに限定されるものではなく、ウレ
タン樹脂により一体化したものであってもよい。また、
使用形態によっては、連結成形せず、そのまま用いても
よい。
【0099】また、上記実施形態1及び5では、密閉空
間に窒素ガスを充填したが、特にこれに限定されるもの
ではなく、例えば、二酸化炭素(CO2)、ヘリウム
(He)、ネオン(Ne)、又はアルゴン(Ar)の他
の不活性気体を用いてもよい。
間に窒素ガスを充填したが、特にこれに限定されるもの
ではなく、例えば、二酸化炭素(CO2)、ヘリウム
(He)、ネオン(Ne)、又はアルゴン(Ar)の他
の不活性気体を用いてもよい。
【0100】
【実施例】酸素遮断膜及び酸化劣化防止体の種類と酸化
劣化防止効果との関係、酸化劣化防止体の粒径と酸化劣
化防止効果との関係、及び酸化劣化防止体への老化防止
剤の添加の有無と酸化劣化防止効果との関係について、
以下の模擬実験を行った。(酸素遮断膜及び酸化劣化防
止体の種類と酸化劣化防止効果との関係について) <試験方法> −実験1− シート状に加硫成形した天然ゴム組成物(以下「NR」
と称する)からダンベル状のテストピース及び切込み無
しアングル形テストピースを複数枚ずつ準備した。
劣化防止効果との関係、酸化劣化防止体の粒径と酸化劣
化防止効果との関係、及び酸化劣化防止体への老化防止
剤の添加の有無と酸化劣化防止効果との関係について、
以下の模擬実験を行った。(酸素遮断膜及び酸化劣化防
止体の種類と酸化劣化防止効果との関係について) <試験方法> −実験1− シート状に加硫成形した天然ゴム組成物(以下「NR」
と称する)からダンベル状のテストピース及び切込み無
しアングル形テストピースを複数枚ずつ準備した。
【0101】次いで、図23に示すように、円筒状の試
験治具90内に防振ゴム本体を想定した封入ゴム91と
してのテストピースを入れ、開口部を酸素遮断膜92と
してのNRシートで覆うと共に、多数の穴が開けられた
押さえ治具93をその上から載せ、これを試験治具90
にネジ94,94で固定した。
験治具90内に防振ゴム本体を想定した封入ゴム91と
してのテストピースを入れ、開口部を酸素遮断膜92と
してのNRシートで覆うと共に、多数の穴が開けられた
押さえ治具93をその上から載せ、これを試験治具90
にネジ94,94で固定した。
【0102】そして、これを130℃に温調したギヤー
オーブンに入れ、そのまま70時間保持した。
オーブンに入れ、そのまま70時間保持した。
【0103】その後、酸素遮断膜92を抽出し、JIS
K6253に準じて両面のゴム硬度を測定した後、こ
れよりASTM D638−Type5打ち抜き治具に
てダンベル状のテストピースを打ち抜き、引張速度10
0mm/min、標線間隔8mmにて引張試験を行っ
た。また、試験治具90内から取り出したダンベル状の
テストピースについても同様にゴム硬度を測定した後に
JIS K6251に準じて引張試験を行った。さら
に、アングル形テストピースについて、JIS K62
52に準じて引裂き試験を行った。 −実験2− 酸素遮断膜92としてクロロスルホン化ポリエチレンゴ
ム組成物(以下「CSM」と称する)シートを用いた以
外は実験1と同一の実験を行った。 −実験3− 封入ゴム91,91,…と共に厚さ2mmのNRシート
をクローズドロールで粉砕したNR粉を試験治具90内
に充填した以外は実験1と同一の実験を行った。 −実験4− 酸素遮断膜92としてCSMシートを用いた以外は実験
3と同一の実験を行った。 −実験5− 封入ゴム91,91,…と共に3〜5mm径の市販のタ
イヤゴムチップを試験治具90内に充填した以外は実験
1と同一の実験を行った。 −実験6− タイヤチップ酸素遮断膜92としてCSMシートを用い
た以外は実験5と同一の実験を行った。 −実験7− 封入ゴム91,91,…と共に市販のゴムタイヤチップ
をクローズドロールで粉砕したゴムタイヤ粉を試験治具
90内に充填した以外は実験1と同一の実験を行った。 −実験8− 酸素遮断膜92としてCSMシートを用いた以外は実験
7と同一の実験を行った。 −実験9− 封入ゴム91,91,…と共に約3mm径の過酸化物架
橋したエチレン・プロピレンゴム組成物(以下「EPD
M」と称する)チップを試験治具90内に充填した以外
は実験1と同一の実験を行った。 −実験10− 酸素遮断膜92としてCSMシートを用いた以外は実験
9と同一の実験を行った。 −実験11− 封入ゴム91,91,…と共に過酸化物架橋したEPD
Mチップをクローズドロールで粉砕したEPDM粉を試
験治具90内に充填した以外は実験1と同一の実験を行
った。 −実験12− 酸素遮断膜92としてCSMシートを用いた以外は実験
11と同一の実験を行った。 −実験13− 封入ゴム91,91,…と共に約3mm径のアクリルゴ
ム組成物(以下「ACM」と称する)チップを試験治具
90内に充填した以外は実験1と同一の実験を行った。 −実験14− 酸素遮断膜92としてCSMシートを用いた以外は実験
13と同一の実験を行った。 −実験15− 封入ゴム91,91,…と共に過酸化物架橋したACM
チップをクローズドロールで粉砕したACM粉を試験治
具90内に充填した以外は実験1と同一の実験を行っ
た。 −実験16− 酸素遮断膜92としてCSMシートを用いた以外は実験
15と同一の実験を行った。 −実験17− 封入ゴム91,91,…と共に厚さ2mmのクロロプレ
ンゴム組成物(以下「CR」と称する)シートをクロー
ズドロールで粉砕したCR粉を試験治具90内に充填し
た以外は実験1と同一の実験を行った。 −実験18− 封入ゴム91,91,…と共に厚さ2mmのアクリロニ
トリル・ブタジエンゴム組成物(以下「NBR」と称す
る)シートをクローズドロールで粉砕した粒径約1mm
のNBR粉を試験治具90内に充填した以外は実験1と
同一の実験を行った。−実験19− 封入ゴム91,91,…と共にNRチップをウレタン樹
脂で固めた厚さ2mmの短冊片を試験治具90内に充填
した以外は実験1と同一の実験を行った。 −参考実験− 参考データとして、JIS K6251、JIS K6
252及びJIS K6257に準じ、NR及びCSM
の未老化及び熱老化後の引張試験及び引裂き試験を行っ
た。 <試験結果>各実験の結果を図24〜29に示す。すな
わち、図24aに酸素遮断膜のゴム硬度(以後「Hs」
と称する)、図24bに封入ゴムのHs、図25aに酸
素遮断膜の引張強さ(以後「TB」と称する)、図25
bに封入ゴムのTB、図26aに酸素遮断膜のTB残存
率、図26bに封入ゴムのTB残存率、図27aに酸素
遮断膜の切断時伸び(以後「EB」と称する)、図27
bに封入ゴムのEB、図28aに酸素遮断膜のEB残存
率、図28bに封入ゴムのEB残存率、及び図29に封
入ゴムの引裂き強さ(以後「TR」と称する)の結果を
それぞれ示す。また、酸素遮断膜の特性データを表1
に、封入ゴムの特性データを表2にそれぞれ示す。 −酸素遮断膜の種類について− NRの酸素遮断膜は、いずれの実験においても、図2
4aに示すように、熱老化により外表面の硬化がより進
行し、内外表面で大きなHs差(5〜10)を生じた。
また、図25a及び図26aに示すように、TBは著し
く低下し、初期の10%台となった。さらに、図27a
及び図28aに示すように、EBは伸張時に外表面にク
ラックが生じるものの内表面が伸張するため、参考実験
における熱老化後のNRのEBより大きい結果となっ
た。 CSMの酸素遮断膜は、いずれの実験においても、図
24aに示すように、内外表面のHs差は小さいものと
なった。また、図25a及び図26aに示すように、T
Bは熱老化後も保持され残留率70%以上となった。さ
らに、図27a及び図28aに示すように、EBはいず
れも90%以上の残留率となった。特に、酸化劣化防止
体を用いていない実験2,タイヤチップを用いた実験
6、EPDMチップを用いた実験8及びACMチップを
用いた実験10では、EBが未熱老化の場合より40〜
60%高くなった。なお、NRでは伸張時にクラックを
生じたが、CSMでは生じなかった。 −酸化劣化防止体の有無について− Hs 酸素遮断膜が空気中に晒されて著しいHs上昇を生じた
のに対し、図24bに示すように、酸化劣化防止体の有
無にかかわらず、いずれの実験においても、封入ゴムは
殆どHs変化を生じず、50±3に収まった。 TB 図25b及び図26bに示すように、封入ゴムと共に酸
化劣化防止体を充填しなかった実験1及び2において、
酸素遮断膜をCSMとした実験2では参考実験の場合に
比べて全く封入ゴムの耐熱性向上効果がなかったが、酸
素遮断膜をNRとした実験1ではTB残留率が約20%
高かった。また、封入ゴムと共に酸化劣化防止体を充填
した実験3〜19においては、いずれの場合にもTB残
留率が参考実験の場合に比べて高かった。例えば、酸素
遮断膜をNRとし、NR粉を充填した実験3の場合、実
験1の場合より20数%、参考実験の場合より約40%
TB残留率が高かった。 EB 図27b及び図28bに示すように、封入ゴムと共に酸
化劣化防止体を充填しなかった実験1及び2において、
酸素遮断膜をCSMとした実験2では参考実験の場合に
比べて全く封入ゴムの耐熱性向上効果がなかったが、酸
素遮断膜をNRとした実験1ではEB残存率が約15%
高かった。また、封入ゴムと共に酸化劣化防止体を充填
した実験3〜19においては、いずれの場合にもEB残
留率が参考実験の場合に比べて高かった。例えば、酸素
遮断膜をNRとし、NR粉を充填した実験3の場合、実
験1の場合より20数%、参考実験の場合より約40%
TB残留率が高かった。 TR 図29に示すように、封入ゴムと共に酸化劣化防止体を
充填しなかった実験1及び2において、酸素遮断膜をC
SMとした実験2では参考実験の場合に比べて全く封入
ゴムの耐熱性向上効果がなかったが、酸素遮断膜をNR
とした実験1ではTR残存率が約20%高かった。ま
た、封入ゴムと共に酸化劣化防止体を充填した実験3〜
19においては、いずれの場合にもEB残留率が参考実
験の場合に比べて高かった。例えば、酸素遮断膜をNR
とし、NR粉を充填した実験3の場合、実験1の場合よ
り約13%、参考実験の場合より約35%TR残留率が
高かった。 −酸化劣化防止体の種類について− 酸化劣化防止体なし(実験1及び2) 酸化劣化防止体を用いない場合、酸素遮断膜の種類の違
いによって封入ゴムの物性に大きな差が生じた。すなわ
ち、酸素遮断膜としてCSMを用いた実験2では熱老化
後の封入ゴムの物性が参考実験の結果と同等であるのに
対し、酸素遮断膜としてNRを用いた実験1では熱老化
後の封入ゴムの物性が参考実験の結果と比較して、TB
で約18%、EBで約30%及びTRで約20%残留率
が高くなった。 NR粉(実験3及び4) 酸化劣化防止体として同じようにNR粉を用いても、酸
素遮断膜の種類の違いによって封入ゴムの物性に大きな
差が生じ、酸素遮断膜としてNRを用いた実験3の方が
CSMを用いた実験4よりも、封入ゴムの物性が、TB
で約30数%、EBで約38%、TRで約10数%高く
なった。また、実験1の結果より実験3の結果が優れて
おり、NRの酸化され易さが封入ゴムの物性保持に大き
く関与しているものと考えられる。 タイヤチップ及びタイヤ粉(実験5〜8) 酸化劣化防止体としてタイヤチップを用い、酸素遮断膜
としてCSMを用いた実験6が熱老化後のHsが最も小
さかった。
K6253に準じて両面のゴム硬度を測定した後、こ
れよりASTM D638−Type5打ち抜き治具に
てダンベル状のテストピースを打ち抜き、引張速度10
0mm/min、標線間隔8mmにて引張試験を行っ
た。また、試験治具90内から取り出したダンベル状の
テストピースについても同様にゴム硬度を測定した後に
JIS K6251に準じて引張試験を行った。さら
に、アングル形テストピースについて、JIS K62
52に準じて引裂き試験を行った。 −実験2− 酸素遮断膜92としてクロロスルホン化ポリエチレンゴ
ム組成物(以下「CSM」と称する)シートを用いた以
外は実験1と同一の実験を行った。 −実験3− 封入ゴム91,91,…と共に厚さ2mmのNRシート
をクローズドロールで粉砕したNR粉を試験治具90内
に充填した以外は実験1と同一の実験を行った。 −実験4− 酸素遮断膜92としてCSMシートを用いた以外は実験
3と同一の実験を行った。 −実験5− 封入ゴム91,91,…と共に3〜5mm径の市販のタ
イヤゴムチップを試験治具90内に充填した以外は実験
1と同一の実験を行った。 −実験6− タイヤチップ酸素遮断膜92としてCSMシートを用い
た以外は実験5と同一の実験を行った。 −実験7− 封入ゴム91,91,…と共に市販のゴムタイヤチップ
をクローズドロールで粉砕したゴムタイヤ粉を試験治具
90内に充填した以外は実験1と同一の実験を行った。 −実験8− 酸素遮断膜92としてCSMシートを用いた以外は実験
7と同一の実験を行った。 −実験9− 封入ゴム91,91,…と共に約3mm径の過酸化物架
橋したエチレン・プロピレンゴム組成物(以下「EPD
M」と称する)チップを試験治具90内に充填した以外
は実験1と同一の実験を行った。 −実験10− 酸素遮断膜92としてCSMシートを用いた以外は実験
9と同一の実験を行った。 −実験11− 封入ゴム91,91,…と共に過酸化物架橋したEPD
Mチップをクローズドロールで粉砕したEPDM粉を試
験治具90内に充填した以外は実験1と同一の実験を行
った。 −実験12− 酸素遮断膜92としてCSMシートを用いた以外は実験
11と同一の実験を行った。 −実験13− 封入ゴム91,91,…と共に約3mm径のアクリルゴ
ム組成物(以下「ACM」と称する)チップを試験治具
90内に充填した以外は実験1と同一の実験を行った。 −実験14− 酸素遮断膜92としてCSMシートを用いた以外は実験
13と同一の実験を行った。 −実験15− 封入ゴム91,91,…と共に過酸化物架橋したACM
チップをクローズドロールで粉砕したACM粉を試験治
具90内に充填した以外は実験1と同一の実験を行っ
た。 −実験16− 酸素遮断膜92としてCSMシートを用いた以外は実験
15と同一の実験を行った。 −実験17− 封入ゴム91,91,…と共に厚さ2mmのクロロプレ
ンゴム組成物(以下「CR」と称する)シートをクロー
ズドロールで粉砕したCR粉を試験治具90内に充填し
た以外は実験1と同一の実験を行った。 −実験18− 封入ゴム91,91,…と共に厚さ2mmのアクリロニ
トリル・ブタジエンゴム組成物(以下「NBR」と称す
る)シートをクローズドロールで粉砕した粒径約1mm
のNBR粉を試験治具90内に充填した以外は実験1と
同一の実験を行った。−実験19− 封入ゴム91,91,…と共にNRチップをウレタン樹
脂で固めた厚さ2mmの短冊片を試験治具90内に充填
した以外は実験1と同一の実験を行った。 −参考実験− 参考データとして、JIS K6251、JIS K6
252及びJIS K6257に準じ、NR及びCSM
の未老化及び熱老化後の引張試験及び引裂き試験を行っ
た。 <試験結果>各実験の結果を図24〜29に示す。すな
わち、図24aに酸素遮断膜のゴム硬度(以後「Hs」
と称する)、図24bに封入ゴムのHs、図25aに酸
素遮断膜の引張強さ(以後「TB」と称する)、図25
bに封入ゴムのTB、図26aに酸素遮断膜のTB残存
率、図26bに封入ゴムのTB残存率、図27aに酸素
遮断膜の切断時伸び(以後「EB」と称する)、図27
bに封入ゴムのEB、図28aに酸素遮断膜のEB残存
率、図28bに封入ゴムのEB残存率、及び図29に封
入ゴムの引裂き強さ(以後「TR」と称する)の結果を
それぞれ示す。また、酸素遮断膜の特性データを表1
に、封入ゴムの特性データを表2にそれぞれ示す。 −酸素遮断膜の種類について− NRの酸素遮断膜は、いずれの実験においても、図2
4aに示すように、熱老化により外表面の硬化がより進
行し、内外表面で大きなHs差(5〜10)を生じた。
また、図25a及び図26aに示すように、TBは著し
く低下し、初期の10%台となった。さらに、図27a
及び図28aに示すように、EBは伸張時に外表面にク
ラックが生じるものの内表面が伸張するため、参考実験
における熱老化後のNRのEBより大きい結果となっ
た。 CSMの酸素遮断膜は、いずれの実験においても、図
24aに示すように、内外表面のHs差は小さいものと
なった。また、図25a及び図26aに示すように、T
Bは熱老化後も保持され残留率70%以上となった。さ
らに、図27a及び図28aに示すように、EBはいず
れも90%以上の残留率となった。特に、酸化劣化防止
体を用いていない実験2,タイヤチップを用いた実験
6、EPDMチップを用いた実験8及びACMチップを
用いた実験10では、EBが未熱老化の場合より40〜
60%高くなった。なお、NRでは伸張時にクラックを
生じたが、CSMでは生じなかった。 −酸化劣化防止体の有無について− Hs 酸素遮断膜が空気中に晒されて著しいHs上昇を生じた
のに対し、図24bに示すように、酸化劣化防止体の有
無にかかわらず、いずれの実験においても、封入ゴムは
殆どHs変化を生じず、50±3に収まった。 TB 図25b及び図26bに示すように、封入ゴムと共に酸
化劣化防止体を充填しなかった実験1及び2において、
酸素遮断膜をCSMとした実験2では参考実験の場合に
比べて全く封入ゴムの耐熱性向上効果がなかったが、酸
素遮断膜をNRとした実験1ではTB残留率が約20%
高かった。また、封入ゴムと共に酸化劣化防止体を充填
した実験3〜19においては、いずれの場合にもTB残
留率が参考実験の場合に比べて高かった。例えば、酸素
遮断膜をNRとし、NR粉を充填した実験3の場合、実
験1の場合より20数%、参考実験の場合より約40%
TB残留率が高かった。 EB 図27b及び図28bに示すように、封入ゴムと共に酸
化劣化防止体を充填しなかった実験1及び2において、
酸素遮断膜をCSMとした実験2では参考実験の場合に
比べて全く封入ゴムの耐熱性向上効果がなかったが、酸
素遮断膜をNRとした実験1ではEB残存率が約15%
高かった。また、封入ゴムと共に酸化劣化防止体を充填
した実験3〜19においては、いずれの場合にもEB残
留率が参考実験の場合に比べて高かった。例えば、酸素
遮断膜をNRとし、NR粉を充填した実験3の場合、実
験1の場合より20数%、参考実験の場合より約40%
TB残留率が高かった。 TR 図29に示すように、封入ゴムと共に酸化劣化防止体を
充填しなかった実験1及び2において、酸素遮断膜をC
SMとした実験2では参考実験の場合に比べて全く封入
ゴムの耐熱性向上効果がなかったが、酸素遮断膜をNR
とした実験1ではTR残存率が約20%高かった。ま
た、封入ゴムと共に酸化劣化防止体を充填した実験3〜
19においては、いずれの場合にもEB残留率が参考実
験の場合に比べて高かった。例えば、酸素遮断膜をNR
とし、NR粉を充填した実験3の場合、実験1の場合よ
り約13%、参考実験の場合より約35%TR残留率が
高かった。 −酸化劣化防止体の種類について− 酸化劣化防止体なし(実験1及び2) 酸化劣化防止体を用いない場合、酸素遮断膜の種類の違
いによって封入ゴムの物性に大きな差が生じた。すなわ
ち、酸素遮断膜としてCSMを用いた実験2では熱老化
後の封入ゴムの物性が参考実験の結果と同等であるのに
対し、酸素遮断膜としてNRを用いた実験1では熱老化
後の封入ゴムの物性が参考実験の結果と比較して、TB
で約18%、EBで約30%及びTRで約20%残留率
が高くなった。 NR粉(実験3及び4) 酸化劣化防止体として同じようにNR粉を用いても、酸
素遮断膜の種類の違いによって封入ゴムの物性に大きな
差が生じ、酸素遮断膜としてNRを用いた実験3の方が
CSMを用いた実験4よりも、封入ゴムの物性が、TB
で約30数%、EBで約38%、TRで約10数%高く
なった。また、実験1の結果より実験3の結果が優れて
おり、NRの酸化され易さが封入ゴムの物性保持に大き
く関与しているものと考えられる。 タイヤチップ及びタイヤ粉(実験5〜8) 酸化劣化防止体としてタイヤチップを用い、酸素遮断膜
としてCSMを用いた実験6が熱老化後のHsが最も小
さかった。
【0104】封入ゴムのTB、EB残留率は、酸素遮断
膜としてNRを用いた実験5及び7の方が、CSMを用
いた実験6及び8よりも若干高かった。封入ゴムの熱老
化後の物性は、酸化劣化防止体としてタイヤゴム粉を用
いた実験7及び8の方がタイヤゴムチップを用いた実験
5及び6よりも、EBで約10%、TRではNRの酸素
遮断膜を用いた実験7で約17%、CSMの酸素遮断膜
を用いた実験8で約4%残留率が高かった。 EPDMチップ及びEPDM粉(実験9〜12) 酸素遮断膜としてCSMを用いた場合、EPDMの粒径
の差による封入ゴムの熱老化後の物性に大きな差はみら
れなかった(実験10及び12)。これに対し、酸素遮
断膜としてNRを用いた場合、封入ゴムの熱老化後の物
性が、酸化劣化防止体としてEPDMチップを用いた実
験9よりもEPDM粉を用いた実験11の方がTBで約
15%、EBで約20%残留率が高かった。封入ゴムの
TRは、酸素遮断膜としてNRを用いた場合、EPDM
の粒度による差は見られないが(実験9及び11)、酸
素遮断膜としてCSMを用いた場合、粒径の小さいEP
DM粉を用いた実験12の方がEPDMチップを用いた
実験10よりも約10%残留率が高かった。 ACMチップ及びACM粉(実験13〜16) 酸化劣化防止体として同じようにACMを用いても、酸
素遮断膜の種類の違いによって封入ゴムの物性に大きな
差が生じ、酸素遮断膜としてCSMを用いた実験14及
び16の方がNRを用いた実験13及び15よりも、封
入ゴムの熱老化後の物性が、TBで約25%、EBで約
30%及びTRで約20%高かった。これは、酸化劣化
防止体としてNR粉を用いた実験3及び4と逆の結果と
なった。これは、ACMポリマーから出るアクリル酸、
可塑剤等と、酸素遮断膜との相互作用によると考えられ
るが、詳細は定かでない。また、封入ゴムの熱老化後の
物性は、ACMの粒度によっても異なり、酸化劣化防止
体としてACM粉を用いた実験15及び16の方がAC
Mチップを用いた実験13及び14よりも、TBで約1
0%、EBで5〜10%、TRで約10数%残留率が低
かった。これは酸化劣化防止体としてタイヤゴムを使用
した実験5〜8とは逆の結果となった。これは、劣化防
止体の表面積の増加によるアクリル酸、可塑剤等の飛揮
散の増大によると考えられるが、これも推測の域を出な
い。 その他(実験17〜19) 酸素遮断膜としてNRを用い、酸化劣化防止体としてC
R粉(実験17)、NBR粉(実験18)、NR片(実
験19)をそれぞれ用いた場合、封入ゴムの熱劣化後の
物性は、NR片>NBR粉>CR粉の順に良好な結果が
得られた。酸化劣化防止体としてCR粉よりNBR粉を
用いた方が、封入ゴムの酸化劣化がより有効に防止でき
ることが確認された。
膜としてNRを用いた実験5及び7の方が、CSMを用
いた実験6及び8よりも若干高かった。封入ゴムの熱老
化後の物性は、酸化劣化防止体としてタイヤゴム粉を用
いた実験7及び8の方がタイヤゴムチップを用いた実験
5及び6よりも、EBで約10%、TRではNRの酸素
遮断膜を用いた実験7で約17%、CSMの酸素遮断膜
を用いた実験8で約4%残留率が高かった。 EPDMチップ及びEPDM粉(実験9〜12) 酸素遮断膜としてCSMを用いた場合、EPDMの粒径
の差による封入ゴムの熱老化後の物性に大きな差はみら
れなかった(実験10及び12)。これに対し、酸素遮
断膜としてNRを用いた場合、封入ゴムの熱老化後の物
性が、酸化劣化防止体としてEPDMチップを用いた実
験9よりもEPDM粉を用いた実験11の方がTBで約
15%、EBで約20%残留率が高かった。封入ゴムの
TRは、酸素遮断膜としてNRを用いた場合、EPDM
の粒度による差は見られないが(実験9及び11)、酸
素遮断膜としてCSMを用いた場合、粒径の小さいEP
DM粉を用いた実験12の方がEPDMチップを用いた
実験10よりも約10%残留率が高かった。 ACMチップ及びACM粉(実験13〜16) 酸化劣化防止体として同じようにACMを用いても、酸
素遮断膜の種類の違いによって封入ゴムの物性に大きな
差が生じ、酸素遮断膜としてCSMを用いた実験14及
び16の方がNRを用いた実験13及び15よりも、封
入ゴムの熱老化後の物性が、TBで約25%、EBで約
30%及びTRで約20%高かった。これは、酸化劣化
防止体としてNR粉を用いた実験3及び4と逆の結果と
なった。これは、ACMポリマーから出るアクリル酸、
可塑剤等と、酸素遮断膜との相互作用によると考えられ
るが、詳細は定かでない。また、封入ゴムの熱老化後の
物性は、ACMの粒度によっても異なり、酸化劣化防止
体としてACM粉を用いた実験15及び16の方がAC
Mチップを用いた実験13及び14よりも、TBで約1
0%、EBで5〜10%、TRで約10数%残留率が低
かった。これは酸化劣化防止体としてタイヤゴムを使用
した実験5〜8とは逆の結果となった。これは、劣化防
止体の表面積の増加によるアクリル酸、可塑剤等の飛揮
散の増大によると考えられるが、これも推測の域を出な
い。 その他(実験17〜19) 酸素遮断膜としてNRを用い、酸化劣化防止体としてC
R粉(実験17)、NBR粉(実験18)、NR片(実
験19)をそれぞれ用いた場合、封入ゴムの熱劣化後の
物性は、NR片>NBR粉>CR粉の順に良好な結果が
得られた。酸化劣化防止体としてCR粉よりNBR粉を
用いた方が、封入ゴムの酸化劣化がより有効に防止でき
ることが確認された。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】(酸化劣化防止体の粒径と酸化劣化防止効
果との関係について) <試験方法> −劣化防止体の拉度による変化 酸化劣化防止効果が酸化劣化防止体による空気排除効果
によるものかどうかについて以下の確認実験を行った。 −実験20− 封入ゴム91,91,…と共に粒径10mmのNRを6
8g試験治具90内に充填した以外は実験1と同一の実
験を行った。 −実験21− NRの粒径を5mmとした以外は実験20と同一の実験
を行った。 −実験22− NRの粒径を2mmとした以外は実験20と同一の実験
を行った。 −実験23− 封入ゴム91,91,…と共にNRをクローズドロール
で粉砕したNR粉を68g試験治具90内に充填した以
外は実験20と同一の実験を行った。 <試験結果>実験結果を図30に示す。また、酸素遮断
膜及び封入ゴムの特性データを表3に示す。 酸素遮断膜 表3に示すように、いずれの実験においても酸素遮断膜
の外表面及び内表面のHsの上昇がみられた。しかしな
がら、この内外表面のHs上昇度は、ゴム粒度が細かく
なるに従って縮小していることが確認された。また、図
30に示すように、いずれの実験においても熱老化後の
物性は著しく低下し、TBは初期の10%台、EBは初
期の20%台となり、酸化劣化防止体の粒度による差は
特に見られなかった。 封入ゴム 酸素遮断膜はHsの上昇がみられたのに対し、表3に示
すように、封入ゴムのHsに上昇はみられなかった。ま
た、図30に示すように、熱老化後のTB、EB及びT
R残留率は酸化劣化防止体の粒度が細かくなるに従っ
て、顕著に向上していることが確認できた。
果との関係について) <試験方法> −劣化防止体の拉度による変化 酸化劣化防止効果が酸化劣化防止体による空気排除効果
によるものかどうかについて以下の確認実験を行った。 −実験20− 封入ゴム91,91,…と共に粒径10mmのNRを6
8g試験治具90内に充填した以外は実験1と同一の実
験を行った。 −実験21− NRの粒径を5mmとした以外は実験20と同一の実験
を行った。 −実験22− NRの粒径を2mmとした以外は実験20と同一の実験
を行った。 −実験23− 封入ゴム91,91,…と共にNRをクローズドロール
で粉砕したNR粉を68g試験治具90内に充填した以
外は実験20と同一の実験を行った。 <試験結果>実験結果を図30に示す。また、酸素遮断
膜及び封入ゴムの特性データを表3に示す。 酸素遮断膜 表3に示すように、いずれの実験においても酸素遮断膜
の外表面及び内表面のHsの上昇がみられた。しかしな
がら、この内外表面のHs上昇度は、ゴム粒度が細かく
なるに従って縮小していることが確認された。また、図
30に示すように、いずれの実験においても熱老化後の
物性は著しく低下し、TBは初期の10%台、EBは初
期の20%台となり、酸化劣化防止体の粒度による差は
特に見られなかった。 封入ゴム 酸素遮断膜はHsの上昇がみられたのに対し、表3に示
すように、封入ゴムのHsに上昇はみられなかった。ま
た、図30に示すように、熱老化後のTB、EB及びT
R残留率は酸化劣化防止体の粒度が細かくなるに従っ
て、顕著に向上していることが確認できた。
【0108】以上の点から、酸化劣化防止効果は、酸化
劣化防止体の単なる空気排除効果によるものではなく、
積極的な酸化劣化作用があるということが確認された。
また、この酸化劣化防止効果が劣化防止体粒度が細かく
なるに従って向上したのは、酸化劣化防止体の表面積と
関係があると考えられる。すなわち、酸素との接触面積
の大きい酸化劣化防止体が先に酸化して酸素を吸収捕捉
する、あるいはその酸化劣化防止体が封入ゴムを被覆す
る等の複数の要因が重なってかかる酸化劣化防止効果を
発現しているものと推定される。
劣化防止体の単なる空気排除効果によるものではなく、
積極的な酸化劣化作用があるということが確認された。
また、この酸化劣化防止効果が劣化防止体粒度が細かく
なるに従って向上したのは、酸化劣化防止体の表面積と
関係があると考えられる。すなわち、酸素との接触面積
の大きい酸化劣化防止体が先に酸化して酸素を吸収捕捉
する、あるいはその酸化劣化防止体が封入ゴムを被覆す
る等の複数の要因が重なってかかる酸化劣化防止効果を
発現しているものと推定される。
【0109】
【表3】
【0110】(酸化劣化防止体への老化防止剤の添加の
有無と酸化劣化防止効果との関係について)酸化劣化防
止作用がゴム組成物に含まれる老化防止剤の揮発による
ものであるかどうかについて以下の確認実験を行った。 <試験方法> −実験24− 封入ゴム91,91,…と共に老化防止剤を含まないN
Rシートをクローズドロールで粉砕したNR粉を試験治
具90内に充填した以外は実験1と同一の実験を行っ
た。 −実験25− 老化防止剤を天然ゴム100重量部に対して老化防止剤
を3重量部配合したNRを酸化劣化防止体として用いた
以外は実験24と同一の実験を行った。 <試験結果>実験結果を図31に示す。また、酸素遮断
膜及び封入ゴムの特性データを表4に示す。 酸素遮断膜 表4に示すように、老化防止剤を有しない酸化劣化防止
体を用いた実験24では酸素遮断膜の外表面のHsが1
5度高くなったが、老化防止剤を有する酸化劣化防止体
を用いた実験25では酸素遮断膜の外表面のHsが11
度しか高くならなかった。しかしながら、実験24及び
25のいずれもTBは初期の10%弱、EBは初期の約
20%にまで低下し、図31に示すように、酸化劣化防
止体における老化防止剤の有無による差は見られなかっ
た。 封入ゴムの変化 酸素遮断膜の外表面のHsは高くなったのに対し、表4
に示すように、封入ゴムのHsは実験24及び25のい
ずれの場合も数度しか上昇しなかった。また、実験25
では、参考実験の結果よりもTBで約10%、EBで約
25%、TRで約35%残留率が高かったのに対し、実
験24ではTBで約55数%、EBで約65%、TRで
約40%残留率が高かった。すなわち、実験24と実験
25とを比較してみると、図31に示すように、TRで
はあまり差は見られないが、TB、EBでは老化防止剤
を有しない酸化劣化防止体を使用した実験24の方が高
い酸化劣化防止効果が発現されたということになる。
有無と酸化劣化防止効果との関係について)酸化劣化防
止作用がゴム組成物に含まれる老化防止剤の揮発による
ものであるかどうかについて以下の確認実験を行った。 <試験方法> −実験24− 封入ゴム91,91,…と共に老化防止剤を含まないN
Rシートをクローズドロールで粉砕したNR粉を試験治
具90内に充填した以外は実験1と同一の実験を行っ
た。 −実験25− 老化防止剤を天然ゴム100重量部に対して老化防止剤
を3重量部配合したNRを酸化劣化防止体として用いた
以外は実験24と同一の実験を行った。 <試験結果>実験結果を図31に示す。また、酸素遮断
膜及び封入ゴムの特性データを表4に示す。 酸素遮断膜 表4に示すように、老化防止剤を有しない酸化劣化防止
体を用いた実験24では酸素遮断膜の外表面のHsが1
5度高くなったが、老化防止剤を有する酸化劣化防止体
を用いた実験25では酸素遮断膜の外表面のHsが11
度しか高くならなかった。しかしながら、実験24及び
25のいずれもTBは初期の10%弱、EBは初期の約
20%にまで低下し、図31に示すように、酸化劣化防
止体における老化防止剤の有無による差は見られなかっ
た。 封入ゴムの変化 酸素遮断膜の外表面のHsは高くなったのに対し、表4
に示すように、封入ゴムのHsは実験24及び25のい
ずれの場合も数度しか上昇しなかった。また、実験25
では、参考実験の結果よりもTBで約10%、EBで約
25%、TRで約35%残留率が高かったのに対し、実
験24ではTBで約55数%、EBで約65%、TRで
約40%残留率が高かった。すなわち、実験24と実験
25とを比較してみると、図31に示すように、TRで
はあまり差は見られないが、TB、EBでは老化防止剤
を有しない酸化劣化防止体を使用した実験24の方が高
い酸化劣化防止効果が発現されたということになる。
【0111】以上の結果から、酸化劣化防止効果はゴム
組成物に含まれる老化防止剤の揮発によるものでないこ
とが確認された。また、封入ゴムの熱老化後のTB及び
EB残留率は、老化防止剤を有しない酸化劣化防止体を
用いた方が高いという結果が得られたが、これは、酸化
劣化防止体の熱劣化点(酸化開始反応部位)と関係があ
るものと考えられる。すなわち、老化防止剤を有しない
酸化劣化防止体では、それ自身の熱劣化点が酸化劣化し
て酸素を捕捉するのに対し、老化防止剤を有する酸化劣
化防止体では、それ自身の熱劣化点が老化防止剤と先に
反応して酸素を捕捉吸収しないからではないかと推定さ
れる。
組成物に含まれる老化防止剤の揮発によるものでないこ
とが確認された。また、封入ゴムの熱老化後のTB及び
EB残留率は、老化防止剤を有しない酸化劣化防止体を
用いた方が高いという結果が得られたが、これは、酸化
劣化防止体の熱劣化点(酸化開始反応部位)と関係があ
るものと考えられる。すなわち、老化防止剤を有しない
酸化劣化防止体では、それ自身の熱劣化点が酸化劣化し
て酸素を捕捉するのに対し、老化防止剤を有する酸化劣
化防止体では、それ自身の熱劣化点が老化防止剤と先に
反応して酸素を捕捉吸収しないからではないかと推定さ
れる。
【0112】
【表4】
【図1】実施形態1に係る防振マウントの縦断面図であ
る。
る。
【図2】実施形態2に係る防振マウントの縦断面図であ
る。
る。
【図3】実施形態2に係る防振マウントの分解斜視図で
ある。
ある。
【図4】実施形態2に係る防振マウントの分解縦断面図
である。
である。
【図5】実施形態2に係る防振マウントにおける防振ゴ
ム本体への蓋体の取付方法を示す説明図である。
ム本体への蓋体の取付方法を示す説明図である。
【図6】実施形態2に係る防振マウントにおける防振ゴ
ム本体へのケーシングの取付方法を示す説明図である。
ム本体へのケーシングの取付方法を示す説明図である。
【図7】実施形態3における防振マウントの縦断面図で
ある。
ある。
【図8】図7におけるA−A断面図である。
【図9】実施形態3に係る防振マウント本体の斜視図で
ある。
ある。
【図10】実施形態3に係る防振マウント本体の縦断面
図である。
図である。
【図11】実施形態3に係る防振マウントの酸素遮断膜
の斜視図である。
の斜視図である。
【図12】実施形態4に係る防振マウントの縦断面図で
ある。
ある。
【図13】実施形態5に係る防振マウントの縦断面図で
ある。
ある。
【図14】図13におけるB−B断面図である
【図15】実施形態5に係る防振マウントの防振マウン
ト本体の横断面図である。
ト本体の横断面図である。
【図16】実施形態5に係る防振マウントの防振マウン
ト本体の上面図である。
ト本体の上面図である。
【図17】実施形態5に係る防振マウントの防振マウン
ト本体の斜視図である。
ト本体の斜視図である。
【図18】実施形態5に係る防振マウントの酸素遮断膜
と防振マウント本体との分解斜視図である。
と防振マウント本体との分解斜視図である。
【図19】実施形態5に係る防振マウントおける防振マ
ウント本体等への外筒体の取付方法を示す説明図であ
る。
ウント本体等への外筒体の取付方法を示す説明図であ
る。
【図20】実施形態6に係る防振マウントの横断面図で
ある。
ある。
【図21】実施形態6に係る防振マウントの防振マウン
ト本体の斜視図である。
ト本体の斜視図である。
【図22】実施形態6に係る防振マウントの内筒体に振
動が作用した際の横断面図である。
動が作用した際の横断面図である。
【図23】実施例における実験に使用された実験治具の
断面図である。
断面図である。
【図24a】実験1〜19における酸素遮断膜のゴム硬
度の試験結果を示すグラフ図である。
度の試験結果を示すグラフ図である。
【図24b】実験1〜19における封入ゴムのゴム硬度
の試験結果を示すグラフ図である。
の試験結果を示すグラフ図である。
【図25a】実験1〜19における酸素遮断膜の引張強
度の試験結果を示すグラフ図である。
度の試験結果を示すグラフ図である。
【図25b】実験1〜19における封入ゴムの引張強度
の試験結果を示すグラフ図である。
の試験結果を示すグラフ図である。
【図26a】実験1〜19における酸素遮断膜の引張強
度残存率を示すグラフ図である。
度残存率を示すグラフ図である。
【図26b】実験1〜19における封入ゴムの引張強度
残存率を示すグラフ図である。
残存率を示すグラフ図である。
【図27a】実験1〜19における酸素遮断膜の切断時
伸びの試験結果を示すグラフ図である。
伸びの試験結果を示すグラフ図である。
【図27b】実験1〜19における封入ゴムの切断時伸
びの試験結果を示すグラフ図である。
びの試験結果を示すグラフ図である。
【図28a】実験1〜19における酸素遮断膜の切断時
伸び残存率を示すグラフ図である。
伸び残存率を示すグラフ図である。
【図28b】実験1〜19における封入ゴムの切断時伸
び残存率を示すグラフ図である。
び残存率を示すグラフ図である。
【図29】実験1〜19における引裂き強度の試験結果
を示すグラフ図である。
を示すグラフ図である。
【図30】実験20〜23における引張強度、切断時伸
び及び引裂き強の試験結果を示すグラフ図である。
び及び引裂き強の試験結果を示すグラフ図である。
【図31】実験24及び25における引張強度、切断時
伸び及び引裂き強の試験結果を示すグラフ図である。
伸び及び引裂き強の試験結果を示すグラフ図である。
10,20,30,40,50,60 防振マウント 11,21 ケーシング 11a,21a ケーシング底面 11b,21b ケーシング側面 11c 係合部 11d,21d 第2ボルト孔 11e,21e 結合板 12,22,32,42,52,62 防振ゴム本体 12a 開口部 13,23 蓋体 13a,23a 金属結合板 13b,23b 酸素遮断シール 13c,23c 鍔状部 13d,23d 第1ボルト孔 13e 剛性リング 14,24 第2取付ボルト 15,25 第1取付ボルト 16,26 支持部材 17 円筒部材 18,28,38,48,58,68 密閉空間 19,29,39,49,59,69 酸化劣化防止体 22a ゴム壁 22b 環状溝 31,41,51,61 内筒体 31a,41a,51a,61a 小径部 32a,42a,52a,62a 本体中心部 32b,42b,52b,62b 内筒体支持部 33,43,53,63 外筒体 34,44 外筒体被覆膜 35,45,55,65 酸素遮断膜 36a,46a,56a,66a 第1嵌合部材 36b,46b,56b,66b 第2嵌合部材 57 中筒体 57a 窓部 57b 凹溝 70 下型 71 中型 72 上型 90 試験治具 91 封入ゴム 92 酸素遮断膜 93 押さえ板 94 ネジ L 作動流体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/04 C08K 3/04 4J002 3/08 3/08 3/22 3/22 3/26 3/26 3/30 3/30 3/38 3/38 3/40 3/40 5/29 5/29 7/18 7/18 7/20 7/20 C08L 7/00 C08L 7/00 9/00 9/00 9/02 9/02 9/06 9/06 11/00 11/00 17/00 ZAB 17/00 ZAB 23/00 23/00 23/08 23/08 23/16 23/16 23/22 23/22 23/28 23/28 23/34 23/34 27/06 27/06 27/18 27/18 33/02 33/02 33/08 33/08 33/18 33/18 45/00 45/00 51/04 51/04 67/00 67/00 71/12 71/12 75/04 75/04 77/02 77/02 77/06 77/06 83/04 83/04 F16F 1/36 F16F 1/36 C 1/38 1/38 M Fターム(参考) 3D035 CA05 3J048 AA02 BA09 BD04 BD05 BE03 DA03 EA01 3J059 AB06 AB11 BA42 BB01 BC04 BC05 BC11 BD01 EA17 GA01 GA09 4F071 AA11 AA12 AA12X AA13 AA15X AA20X AA22X AA34X AA43 AA51 AA53 AA54 AA55 AA75X AA77X AF08 AH19 BA01 BB04 BB06 BC01 4F072 AA02 AA07 AA08 AB09 AD02 AD04 AD07 AD09 AD37 AD44 AD52 AG03 AH05 AK05 AK14 AL09 AL16 AL17 4J002 AC01W AC03W AC06W AC07W AC08W AC09W AC11W AC14W BB06W BB07W BB15W BB18W BB24W BB27W BD05W BD15X BK00W BN15W CF00X CH07W CK02X CL01X CL03X CP03W DA027 DA037 DA117 DE077 DE107 DE147 DE237 DG047 DG057 DJ007 DJ037 DJ047 DL006 DL007 DM007 FA046 FA087 FD016 FD017
Claims (16)
- 【請求項1】 外部から与えられた振動を減衰させる防
振ゴム本体と、 上記防振ゴム本体を覆うように配設され、該防振ゴム本
体との間に密閉空間を区画形成して該密閉空間への酸素
進入を遮断する酸素遮断部と、 上記密閉空間に封入され、上記防振ゴム本体の酸化劣化
を防止する酸化劣化防止体と、 を備えていることを特徴とする防振ゴム構造体。 - 【請求項2】 請求項1において、 上記酸素遮断部は、上記防振ゴム本体の変形に追随して
変形可能に形成されていることを特徴とする防振ゴム構
造体。 - 【請求項3】 請求項2において、 上記酸素遮断部は、弾性材料で形成された酸素遮断膜で
あることを特徴とする防振ゴム構造体。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか一において、 上記酸化劣化防止体は、天然ゴム(NR)、エポキシ化
天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジ
エンゴム(BR)、ブタジエン・イソプレンゴム(BI
R)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ポリオク
テネマー、ポリノルボーネン、クロロプレンゴム(C
R)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、
水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、エチレン・プロ
ピレンゴム(EPM,EPDM)、クロロスルホン化ポ
リエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム
(CPE)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチル
ゴム(X−IIR)、塩化ビニル・ニトリルゴム(NB
R/PVC)、アクリルゴム(AR)、エチレン・アク
リル酸エステル共重合ゴム(EMA)、エチレン・酢酸
ビニル・アクリル酸エステル共重合ゴム(EVAA)、
及びシリコーンゴム(Q)のうちから選択される少なく
とも1種により形成されていることを特徴とする防振ゴ
ム構造体。 - 【請求項5】 請求項4において、 上記酸化劣化防止体には、老化防止剤が含まれていない
ことを特徴とする防振ゴム構造体。 - 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれか一において、 上記酸化劣化防止体は、使用済みゴム加工製品から抽出
されたゴム組成物により形成されていることを特徴とす
る防振ゴム構造体。 - 【請求項7】 請求項4乃至6のいずれか一において、 上記酸化劣化防止体は、粒径が0.001〜5mm又は
比表面積が0.001〜10m2/gである粒状物乃至
粉状物であることを特徴とする防振ゴム構造体。 - 【請求項8】 請求項7において、 上記酸素劣化防止体は、粒状物乃至粉状物が相互に連結
されて一体化して形成されていることを特徴とする防振
ゴム構造体。 - 【請求項9】 請求項8において、 上記粒状物乃至粉状物は、未加硫ゴムコンパウンドが混
合され、該ゴムコンパウンドが加硫することによって相
互に連結されて一体化していることを特徴とする防振ゴ
ム構造体。 - 【請求項10】 請求項8において、 上記粒状物乃至粉状物は、未架橋ウレタン組成物が混合
され、該ウレタン組成物が架橋することによって相互に
連結されて一体化していることを特徴とする防振ゴム構
造体。 - 【請求項11】 請求項1乃至3のいずれか一におい
て、 上記酸化劣化防止体は、 炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ベントナイト、ケ
イ酸アルミニウム、バーミキュライト、パーライト、カ
タルボ、カオリン、タルク、パイロフィライト、マイ
カ、セリサイト、ゼオライト、ネフェリン・シナイト、
アタパルジャイト、ワラストナイト、ケイ酸カルシウ
ム、けい藻土、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、火山
灰、無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水ケイ酸カルシウム、
含水ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、黒鉛、二
硫化モリブデン、セラミック、ガラス粉、カーボンブラ
ック、鉄粉、及び酸化鉄粉のうちから選択された少なく
とも1種により形成されていることを特徴とする防振ゴ
ム構造体。 - 【請求項12】 請求項3において、 上記酸素遮断膜は、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム
(IR)、クロロプレンゴム(CR)、エポキシ化天然
ゴム(ENR)、天然ゴム(NR)とイソプレンゴム
(IR)とのブレンドゴム、天然ゴム(NR)若しくは
イソプレンゴム(IR)と、エポキシ化天然ゴム(EN
R)、ブタジエンゴム(BR)、ブタジエン・イソプレ
ンゴム(BIR)、スチレンブタジエンゴム(SB
R)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブ
タジエンゴム(NBR)、及び水素添加ニトリルゴム
(H−NBR)のうちから選択された少なくとも1種と
のブレンドゴム、からなるジエン系ゴム群、並びに、天
然ゴム(NR)若しくはイソプレンゴム(IR)とエチ
レンプロピレンゴム(EPM,EPDM)若しくはハロ
ゲン化ブチルゴム(X−IIR)とのブレンドゴム、か
らなるオレフィン系ゴム群、のうちから選択された1種
により形成されていることを特徴とする防振ゴム構造
体。 - 【請求項13】 請求項3において、 上記酸素遮断膜は、クロロスルホン化ポリエチレンゴム
(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、ブチ
ルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−II
R)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、
塩化ビニル・ニトリルゴム(NBR/PVC)、水素添
加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(A
R)、エチレン・アクリル酸エステル共重合ゴム(EM
A)、エチレン・酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重
合ゴム(EVAA)、多硫化ゴム(T)、フッ素ゴム
(FKM)、及びこれらのゴムのうちから選択された1
種のゴム100重量部に対し20〜60重量部のエチレ
ン・プロピレンゴム(EPDM)が混合されたブレンド
ゴム、からなる酸素低透過性ゴム群のうちから選択され
た1種により形成されていることを特徴とする防振ゴム
構造体。 - 【請求項14】 請求項3において、 上記酸素遮断膜は、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、アクリルウレタン樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン
6,6樹脂、ナイロン6,10樹脂、ナイロン11樹
脂、ナイロン12樹脂、ポリアミド樹脂とポリフェニレ
ンオキシド樹脂(PPO)とのブレンド樹脂、ポリアミ
ド樹脂とアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂
(ABS)とのブレンド樹脂、ポリアミド樹脂とポリオ
レフィン樹脂とからなるポリマーアロイ、ポリテトラフ
ルオロエチレン樹脂(PTFE)、及びこれらの樹脂の
うちから選択された1種の樹脂100重量部に対し20
〜60重量部のガラス短繊維が混合されてなるガラス繊
維強化樹脂(FRP)、からなる酸素低透過性樹脂群の
うちから選択された1種により形成されていることを特
徴とする防振ゴム構造体。 - 【請求項15】 請求項3において、 上記酸素遮断膜は、ジエン系ゴム群から選択された1種
よりなる膜、オレフィン系ゴム群から選択された1種よ
りなる膜、低酸素透過性ゴム群から選択された1種より
なる膜、及び低酸素透過性樹脂群から選択された1種よ
りなる膜、のうちから選択された2種以上の膜が複合し
て形成されていることを特徴とする防振ゴム構造体。 - 【請求項16】 震動源側に取り付けられる第1取付部
と、振動受側に取り付けられる第2取付部とが請求項1
乃至請求項15のいずれか一の防振ゴム構造体を介して
連結され、該第1取付部に与えられる振動が該防振ゴム
構造体により減衰させられるように構成された防振マウ
ント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000066468A JP2001254780A (ja) | 2000-03-10 | 2000-03-10 | 防振ゴム構造体及び防振マウント |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000066468A JP2001254780A (ja) | 2000-03-10 | 2000-03-10 | 防振ゴム構造体及び防振マウント |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001254780A true JP2001254780A (ja) | 2001-09-21 |
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ID=18585824
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Country Status (1)
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