JP2000104774A - 長寿命弾性構造体 - Google Patents

長寿命弾性構造体

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JP2000104774A
JP2000104774A JP27130898A JP27130898A JP2000104774A JP 2000104774 A JP2000104774 A JP 2000104774A JP 27130898 A JP27130898 A JP 27130898A JP 27130898 A JP27130898 A JP 27130898A JP 2000104774 A JP2000104774 A JP 2000104774A
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oxygen
barrier film
oxygen barrier
film
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JP27130898A
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Kazuyoshi Mitsunari
和敬 光成
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Kurashiki Kako Co Ltd
Original Assignee
Kurashiki Kako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被取付部に取り付けられる一対の取付部を互
いに連結するゴム本体を備えた弾性構造体において、常
温はもちろんのこと、高温雰囲気中であっても、ゴム本
体の物性を長期間にわたって維持することを目的とし、
特に耐熱性、高温雰囲気中での耐久性の向上を図る。 【解決手段】ゴム本体13を酸素遮断膜14で覆って密
閉された密閉空間19を設け、その密閉空間に窒素ガス
Gを封入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被取付部材に対し
取り付けられる一対の取付部と、この一対の取付部を互
いに連結するゴム本体とを備えた長寿命弾性構造体に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンルーム内の温度は、従
来、−30℃〜100℃の範囲内に収まっていたが、近
年の自動車の世界的な普及により、高温環境下における
使用やその排ガス対策、高機能化等に伴い最高使用温度
が高温側にシフトし、例えば125℃を超えてしまうと
いう傾向にある。このため、エンジンマウントをはじめ
とするエンジンルーム内で使用される自動車用防振ゴム
にも、130℃以上の高温耐熱性、高温雰囲気中での耐
久性が求められるにようになった。一方、自動車用防振
ゴムとしての振動を防止する目的からは低動倍率化、あ
るいは低動倍率・高減衰化という技術課題が求められて
いる。
【0003】そこで、特開平7−114388公報に記
載された発明においては、エンジンマウントのゴム本体
を振動特性、特に動特性に優れた天然ゴムにより構成す
る一方、上記ゴム本体を熱から守るためにこのゴム本体
(NR)の外周囲に対し、耐熱性に優れたエチレンプロ
ピレンゴム(EPDM)を密着させて、上記ゴム本体の
露出部分を覆うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ゴム材料は
使用期間の経過と共に劣化(老化)して、クラックの発
生や、硬化及び強度低下、また、伸びの減少といった物
理的現象が起きるが、このような物理的現象は、酸化反
応という化学的変化が原因となっている。
【0005】上記の酸化反応を防止するために、従来よ
り、ゴムに老化防止剤を配合することが行われている。
この老化防止剤を添加すれば、ゴムの酸化反応の連鎖反
応機構の停止、または、酸化反応で生じた過酸化物の分
解といった作用によって、ゴムの劣化を有効に防止する
ことができるようになる。
【0006】ところが、高温雰囲気中では、活性酸素が
ゴムの内部に透過拡散してしまったり、上記老化防止剤
自体が飛揮散してしまったりするため、たとえ、老化防
止剤が添加されていたとしても、劣化を十分に防止する
ことができないという問題がある。
【0007】また、従来のエンジンマウントのように、
ゴム本体に対し合成ゴムを密着させて被覆する構成で
は、両者の材料界面間でゴム固体中を酸素が拡散伝播し
てしまい、ゴム本体の酸化反応を確実に防止することが
できない。また、ゴム本体をゴム皮膜で密着させて覆う
のでは、上記ゴム本体とゴム皮膜との接着性に問題を生
じ、例えば振動によって皮膜が剥がれたり、亀裂が発生
したりして、長期間にわたり安定した耐熱性等の性能を
維持することができないという問題もある。
【0008】本発明の目的とするところは、被取付部に
取り付けられる一対の取付部を互いに連結するゴム本体
を備えた弾性構造体において、常温はもちろんのこと、
高温雰囲気中であっても、ゴム本体の物性を長期間にわ
たって維持することを目的とし、特に耐熱性、高温雰囲
気中での耐久性の向上を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、以下の点に
着目して本発明を完成するに至ったものである。
【0010】すなわち、ゴム材料の酸化反応を、ゴム材
料、または、老化防止剤、及び、加硫剤等の配合剤に起
因する内部劣化作用(内部劣化)と、外部からの酸素や
オゾンの攻撃によって生じる酸化劣化作用(酸化劣化)
とに分けて考えることにすると、上記内部劣化及び酸化
劣化の内、外部からの作用によらない内部劣化は、ゴム
材料の熱的性質やその配合剤の配合によって決定される
ため、ゴム材料や配合自体が変わらなければ改良できな
いが、外部からの作用によって生じる酸化劣化は、ゴム
と酸素が反応して生じるため、酸素が介在しなければ防
止できるということになる。
【0011】そして、ゴム材料についての上記の内部劣
化と酸化劣化とに関する研究から、ゴム材料の劣化とい
うものは、内部劣化のみでは劣化の程度は小さく、内部
劣化と酸化劣化とが複合することにより、劣化の程度が
大きくなってしまうことがわかった。そして、従来よ
り、天然ゴム等のジエン系ゴム材料、若しくは、オレフ
ィン系ゴム材料の耐熱温度が70〜100℃と他の合成
ゴムに比べて低いとされていたのは、高温では容易に酸
化反応してしまうためであることがわかった。
【0012】このため、高温雰囲気中でも酸化反応さえ
させなければ、ジエン系ゴム等の材料であっても殆ど硬
さ変化を生じず、その強度や伸びといった物性を維持す
ることが可能であることが判明した。すなわち、ゴムの
酸化反応を防止すれば、ジエン系ゴム等の材料であって
も耐熱性及び高温雰囲気中での耐久性が得られることが
判明した。
【0013】以下本願の発明を具体的に説明すると、第
1の発明は、請求項1記載の如く、それぞれ被取付部に
対し取り付けられる第1及び第2取付体と、この第1及
び第2取付体を互いに連結するゴム本体と、このゴム本
体の露出部分を覆いその露出部分の外表面との間に密閉
空間を区画形成するように配設された酸素遮断膜と、上
記密閉空間に封入され上記ゴム本体の酸化劣化を防止す
る劣化防止体とを備えることを特定事項とするものであ
る。
【0014】上記の第1の発明の場合、酸素遮断膜がゴ
ム本体に対し、所定間隔だけ互いに離された状態で配置
されてこのゴム本体を覆うため、上記酸素遮断膜によ
り、ゴム本体と外部の酸素とが接触することが防止され
る。しかも、上記酸素遮断膜とゴム本体とが互いに離さ
れているため、固体中の伝播による酸素拡散も防止さ
れ、かつ、上記ゴム本体と酸素遮断膜との接着性の問題
も生じない。このため、ゴム本体の酸化反応の防止が確
実に維持される。また、上記酸素遮断膜とゴム本体との
間に区画形成された密閉空間には劣化防止体が封入され
ることにより、上記ゴム本体の露出部分は上記劣化防止
体に対し曝されることになり、上記ゴム本体と酸素とが
接触することが確実に防止される。このため、上記ゴム
本体の酸化反応が確実に防止され、常温雰囲気中におい
ても、高温雰囲気中においても、ゴム本体の物性を長期
間に亘って維持することが可能になる。これにより、長
寿命性が得られると共に、耐熱性、及び、高温雰囲気中
での耐久性を向上させることが可能になる。
【0015】第2の発明は、請求項2記載の如く、振動
源側に対し取り付けられる第1取付体と、振動受側に対
し取り付けられる第2取付体と、この第1及び第2取付
体を互いに連結するゴム本体と、このゴム本体の露出部
分を覆い露出部分の外表面との間に密閉空間を区画形成
するように配設され、上記ゴム本体の弾性変形に追随し
て変形する酸素遮断膜と、上記密閉空間に封入され上記
ゴム本体の酸化劣化を防止する劣化防止体とを備えるこ
とを特定事項とするものである。
【0016】このような弾性構造体としては、第1取付
体から入力される振動をゴム本体により吸収して第2取
付体への上記振動の伝達を抑制、または、遮断するもの
に適用すればよく、例えば中実防振ゴム、液封防振ゴ
ム、電気粘性流体防振ゴム、及び、磁性流体防振ゴム等
に適用すればよい。また、長期間耐候性を維持する必要
のある、例えば免震ゴム構造体、橋梁ゴム構造体などに
も有効であり、さらに、高温雰囲気中で使用される自動
車用防振ゴム、具体的には、例えばエンジンマウント、
ストラットマウント、インシュレータマウント、ボデイ
マウント、キャブマウント、ラバーブッシュ、ラジエー
タマウント、センターベアリングサポート、及びサイレ
ンサーハンガー等に対し適用すればよい。
【0017】上記の第2の発明の場合、酸素遮断膜がゴ
ム本体に対し、所定間隔だけ互いに離された状態で配置
されてこのゴム本体を覆うため、上記酸素遮断膜によ
り、ゴム本体と外部の酸素とが接触することが防止され
る。しかも、上記酸素遮断膜とゴム本体とが互いに離さ
れているため、固体中の伝播による酸素拡散も防止さ
れ、かつ、上記ゴム本体と酸素遮断膜との接着性の問題
も生じない。このため、ゴム本体の酸化反応の防止が確
実に維持される。また、上記酸素遮断膜とゴム本体との
間に形成された密閉空間には劣化防止体が封入されるこ
とにより、上記ゴム本体の露出部分は上記劣化防止体に
対し曝されることになり、上記ゴム本体と酸素とが接触
することが確実に防止される。このため、上記ゴム本体
の酸化反応が確実に防止され、常温雰囲気中において
も、高温雰囲気中においても、ゴム本体の物性を長期間
に亘って維持することが可能になる。これにより、長寿
命性が得られると共に、耐熱性、及び、高温雰囲気中で
の耐久性を向上させることが可能になる。
【0018】加えて、上記酸素遮断膜はゴム本体の弾性
変形に追随して上記ゴム本体の弾性変形自体を妨げない
ため、ゴム本体による振動減衰が確実に得られる。
【0019】以上の第1若しくは第2の発明において、
酸素遮断膜の外方位置においてこの酸素遮断膜に沿うよ
うに配設されて上記酸素遮断膜の膨出を規制する規制壁
を備えるようにしてもよい。
【0020】このように規制壁を配設することにより、
密閉空間の内圧が高くなり酸素遮断膜が外方に膨出した
としても、規制壁により酸素遮断膜の過度の膨出を抑え
ることが可能になる。このため、例えば、第1取付体ま
たは第2取付体が取り付けられる取付ブラケット等に上
記酸素遮断膜が接触して、この酸素遮断膜が摩耗、また
は、破損してしまうことが防止される。このため、上記
ゴム本体の酸化反応の防止を確実に維持することが可能
になるため、防振ゴムの長寿命性、耐熱性、及び、高温
雰囲気中での耐久性に対する信頼性が向上される。
【0021】また、第2の発明の如く弾性構造体を防振
ゴムに適用する場合には、第1及び第2取付体をそれぞ
れ筒状に形成し、筒軸が略水平方向に配設された第1取
付体に対し上記第2取付体を上記第1取付体の周囲を囲
むように配設するようにすればよい。加えて、ゴム本体
を、上記第1取付体から径方向両側の斜め下方に向けて
上記第2取付体の内壁まで延びる第1及び第2主ばね部
と、上記第1取付体から径方向の上側及び径方向の両側
に突出する突出部と、上記両主ばね部の間であって上記
第2取付体側から上記第1取付部側に突出する衝止体
と、上記突出部に対し径方向に相対向して所定間隔だけ
互いに離されて配設された衝止壁とを備える構成とする
ようにすればよい。
【0022】このようにした場合、振幅の小さい高周波
振動が第1取付体に対し入力された場合には、突出部と
衝止壁、または、両主ばね部と衝止体とが互いに非接触
の状態のまま、上記の振動が上記両主ばね部によって吸
収される。このため、この振動が振動受側である第2取
付体に伝達されることなく、上記入力振動が減衰され
る。
【0023】一方、衝撃入力や、振幅の大きい低周波振
動が上記第1取付体に入力された場合には、上記突出部
と衝止壁とが、または、主ばね部と衝止体とがぞれぞれ
当接して、上記の入力振動がゴム弾性によって、弾力的
に吸収されて減衰される。
【0024】このように、振幅の小さい高周波振動であ
っても、振幅の大きい低周波振動であっても、効果的に
減衰することが可能になる。
【0025】上記の場合においては、さらに以下の構成
を採用してもよい。すなわち、ゴム本体の内部位置であ
って衝止壁及び衝止体の双方よりも径方向外側位置に画
成された2以上の液室と、この各液室を互いに連通する
連通路とを備えたものとし、上記衝止体内に画成された
液室に、内側位置から両外側に向かって斜め下方に傾斜
した傾斜部を形成し、上記各液室内に、作動流体を封入
する構成とするものである。
【0026】この場合、振幅の大きい低周波振動が入力
した場合には、突出部と衝止壁とが、または、両主ばね
部の下面と衝止体とがぞれぞれ当接して、液室内部に対
し圧力変動が生じるようになる。このため、上記液室内
に封入された作動液体が、連通路を通して他の液室に移
動するようになり、上記連通路における液柱共振によっ
て振動を効果的に減衰させることが可能になる。
【0027】また、第1取付体に対し下方への振動が入
力された場合には、両主ばね部が衝止体に当接して、こ
の衝止体を下方に押すようになる。このとき、傾斜部が
外筒体に近付く側に移動するため、液室の容積が確実に
減少してピストン効果が得られる。このため、作動流体
が確実に連通路を通って他の液室に移動し、これにより
上記の入力振動が確実に減衰される。
【0028】以下、第1及び第2の発明において、酸素
遮断膜の形成材料として好ましいものを示す。
【0029】酸素遮断膜としては、例えば、ジエン系ゴ
ム群、オレフィン系ゴム群、酸素低透過性ゴム群、及
び、酸素低透過性樹脂群の内から選択したいずれか一の
材料により形成すればよい。上記ジエン系ゴム群として
は、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、及
び、上記天然ゴム(NR)若しくはイソプレンゴム(I
R)のいずれか一方に対し天然ゴム(NR),イソプレ
ンゴム(IR),ブタジエンゴム(BR),ブタジエン
イソプレンゴム(BIR),スチレンブタジエンゴム
(SBR),クロロプレンゴム(CR),アクリロニト
リルブタジエンゴム(NBR)及び水添NBR(H-N
BR)の内から選択された1種をブレンドしたブレンド
物がある。またオレフィン系ゴム群としては、上記天然
ゴム(NR)若しくはイソプレンゴム(IR)のいずれ
か一方に対しエチレンプロピレンゴム(EPDM)若し
くはハロゲン化ブチルゴム(H-IIR)をブレンドし
たブレンド物がある。ここで、「ブレンド物」とは、N
RまたはIRが40%以上含まれたブレンド物をいい、
具体的には、例えばNR/EPDM=60/40、IR
/SBR=60/40等をいう。
【0030】酸素遮断膜にジエン系ゴム群もしくはオレ
フィン系ゴム群を用いる場合には、高温雰囲気中では外
表面が樹脂状となりその樹脂状膜が酸素を遮断するた
め、密閉空間への酸素の透過を効果的に防止して、ゴム
本体の酸化劣化を効果的に防止する酸素遮断膜を形成す
ることが可能になる。
【0031】上記酸素低透過性ゴム群としては、クロル
スルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエ
チレンゴム(CPE)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲ
ン化ブチルゴム(H-IIR)、アクリロニトリルブタ
ジエンゴム(NBR)、塩ビニトリルゴム(NBR/P
VC)、水添NBR(H-NBR)、アクリルゴム(A
R)、エチレン・アクリル酸エステル共重合ゴム(EM
A)、エチレン・酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重
合ゴム(EVAA)、多硫化ゴム(T)、フッ素ゴム
(FKM)、及び、これらのゴムの内から1種選択され
たゴムに対しエチレンプロピレンゴム(EPDM)を重
量比20%〜60%添加したブレンド物がある。この場
合には、酸素の透過を抑えることが可能であり、上記の
ジエン系ゴム群若しくはオレフィン系ゴム群を用いる場
合と同様に、ゴム本体の酸化反応を効果的に防止して、
ゴム本体の物性を長期間に亘って維持する酸素遮断膜を
形成することが可能になる。
【0032】また、EPDM自体は酸素透過性が高い
が、酸素低透過性ゴム群の材料とブレンドすることによ
り酸素遮断膜の強度が向上するようになり、酸素の透過
が防止可能であって、しかも、亀裂等の発生が防止可能
であるため長寿命の酸素遮断膜が形成される。
【0033】なお、エチレン・アクリル酸エステル共重
合ゴム(EMA)としては、ベイマック(VAMAC)
(昭和電工・デュポン社製)、並びに、エスプレンEM
Aゴム(住友化学工業社製)がその酸素低透過性及び耐
熱性の点から好適に使用でき、エチレン・酢酸ビニル・
アクリル酸エステル共重合ゴム(EVAA)としてはデ
ンカER(電気化学工業社製)が酸素低透過性、耐油性
等の点から好適に使用することが可能である。上記の酸
素低透過性ゴム群の中でも、クロルスルホン化ポリエチ
レンゴム(CSM)、臭素化ブチルゴム(Br−II
R)は、その酸素低透過性、接着性、物性等の面から好
適に用いられる。
【0034】そして、上記のジエン系ゴム、オレフィン
系ゴム群及び酸素低透過性ゴムの原料ゴムは、カーボン
ブラック等の補強剤、充填剤、軟化剤、老化防止剤、及
び、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤等の配合剤を配合
し、さらに、加硫して酸素遮断膜として用いるようにす
ればよい。
【0035】上記酸素低透過性樹脂群としては、ナイロ
ン6,ナイロン66,ナイロン610,ナイロン11及
びナイロン12からなるポリアミド樹脂、ナイロン/P
PO,ナイロン/ABS及びナイロン/ポリオレフィン
からなるポリマーアロイ、ポリテトラフルオロエチレン
樹脂(PTFE)、並びに、これらの樹脂から1種選択
された樹脂に対しガラス短繊維を重量比20%〜60%
添加したガラス繊維強化プラスチック(FRP)があ
る。この場合には、酸素の透過を防止して、ゴム本体の
酸化反応を効果的に防止する酸素遮断膜を形成すること
が可能になる。
【0036】また、これらの酸素低透過性樹脂は、必要
に応じてガラス短繊維を20%〜60%添加したガラス
繊維強化プラスチック(FRP)として強度を向上させ
たり、インサート金具を用いたりして剛性を高めるよう
にしてもよい。このようにすれば、例えば、密閉空間の
内圧を大気圧以上に設定した場合等の酸素遮断膜の膜強
度を必要とする場合に好適となる。
【0037】また、以上の構成では、ジエン系ゴム群、
オレフィン系ゴム群、酸素低透過性ゴム群及び酸素低透
過性樹脂群の内のいずれか一の材料により酸素遮断膜を
形成していたが、これに限らず、酸素遮断膜を、ジエン
系ゴム群若しくはオレフィン系ゴム群により形成された
膜、酸素低透過性ゴム群により形成された膜、及び、酸
素低透過性樹脂群により形成された膜との内から選択し
た2種以上の膜を複合させて形成してもよい。この場
合、例えば、ジエン系ゴム群により形成された膜と、酸
素低透過性樹脂群により形成された膜とを重ね合わせて
酸素遮断膜を形成することにより、密閉空間への酸素の
透過を防止する酸素低透過性と、ゴム本体の伸縮に伴っ
て変形する屈曲性、耐膨張性、及び、耐高圧性とが両立
した酸素遮断膜を形成することが可能になる。
【0038】また、第1若しくは第2の発明における
「劣化防止体」としては、例えば、窒素(N2)、二酸
化炭素(CO2)、ヘリウム(He)、ネオン(N
e)、及び、アルゴン(Ar)の内から選択された1種
以上の気体とする構成である。この場合、ゴム本体と酸
素との接触が確実に防止され、その結果、上記ゴム本体
の酸化反応を効果的に防止することが可能になる。上記
の気体の内、窒素(N2)は、酸素遮断膜がクロロプレ
ンゴム(CR)以外の材料であれば、高温雰囲気中にお
いても、上記窒素が密閉空間の外部に拡散しないため、
最適である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における長寿命弾性構造体によれば、酸素遮断膜がゴ
ム本体に対し、所定間隔だけ互いに離された状態で配置
されてこのゴム本体を覆うため、上記酸素遮断膜によ
り、ゴム本体と外部の酸素とが接触することを防止する
ことができる。しかも、上記酸素遮断膜とゴム本体とが
互いに離されているため、固体伝播による酸素拡散も防
止することができる。また、上記酸素遮断膜とゴム本体
との間に形成された密閉空間には劣化防止体が封入され
ることにより、上記ゴム本体の露出部分は、上記劣化防
止体に曝されることになり、上記ゴム本体と酸素とが接
触することを確実に防止することができる。このため、
上記ゴム本体の酸化反応が確実に防止され、ゴム本体の
物性を長期間に亘って維持することができる。また、酸
化反応が防止されるため、上記ゴム本体が高温雰囲気中
で使用されていてもその劣化を抑えることができ、ゴム
本体の物性を維持することができる。これにより、弾性
構造体として耐熱性、及び、高温雰囲気中での耐久性を
向上させることができる。
【0040】請求項2記載の発明によれば、ゴム本体の
酸化反応が確実に防止され、ゴム本体の物性を長期間に
亘って維持することができ、かつ、弾性構造体として耐
熱性、及び、高温雰囲気中での耐久性を向上させること
ができる。
【0041】加えて、上記酸素遮断膜は、ゴム本体の伸
縮を妨げないように配設されるため、ゴム本体の振動減
衰作用を得ることができ、ゴム本体を振動側と振動受側
との間に介して作用させるあらゆる形式の防振ゴム、例
えば、中実防振ゴム、液封防振ゴム、電気粘性流体防振
ゴム、磁性流体防振ゴム等に適用することができる。
【0042】また、長期間耐候性を維持する必要のあ
る、例えば免震ゴム構造体、橋梁ゴム構造体などに有効
に用いることができ、さらに、高温雰囲気中で使用され
る弾性構造体に対しても有効に用いることができる。例
えば自動車のエンジンルーム内で使用される弾性構造
体、具体的には、エンジンマウント等に好適に用いるこ
とができる。
【0043】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1または請求項2記載の発明による効果に加えて、密閉
空間の内圧が高くなり酸素遮断膜が膨出したとしても、
規制壁により酸素遮断膜の過度の膨出を抑えることがで
きる。このため、取付ブラケット等に上記酸素遮断膜が
接触して、この酸素遮断膜が摩耗、または、破損してし
まうことを防止することができる。このため、上記ゴム
本体の酸化劣化の防止を確実に維持することができるた
め、防振ゴムの長寿命性、耐熱性、及び、高温雰囲気中
での耐久性に対する信頼性を向上することができる。
【0044】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
2または請求項3記載の発明による効果に加えて、第1
取付体に対し、突出部と衝止壁とが互いに非接触のまま
となるような振幅の高周波振動が入力された場合には、
上記の振動を主ばね部によって吸収されて減衰すること
ができる。このため、この振動が振動受側である第2取
付体に伝達されることを防止することができる。
【0045】一方、衝撃入力や、低周波であって振幅の
大きい振動が上記第1取付体に入力された場合には、上
記突出部と衝止壁とが、または、主ばね部と衝止体とが
ぞれぞれ当接するようになり、上記の入力振動を弾力的
に吸収されて減衰することができる。
【0046】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
4記載の発明による効果に加えて、低周波の大振幅の振
動の入力に場合には、突出部と衝止壁とが、または、主
ばね部の下面と衝止体とがぞれぞれ当接して、液室内部
に対し圧力変動が生じるようになるため、上記液室内に
封入された作動液体が、連通路を通して他の液室に移動
するようになり、振動を減衰させることができる。
【0047】また、第1取付部に対し下方への振動が入
力された場合には、両主ばね部が衝止体に当接して、こ
の衝止体を下方に押すようになる。このとき、傾斜部が
外筒体に近付く側に移動するため、液室の容積が確実に
減少するようになり作動流体が確実に連通路を通って他
の液室に移動する。これにより、減衰効果を確実に得る
ことができる。
【0048】請求項6〜請求項8記載の発明によれば、
上記請求項1〜請求項3記載のいずれかの発明による効
果に加えて、ジエン系ゴム群、オレフィン系ゴム群、酸
素低透過性ゴム群及び酸素低透過性樹脂群のいずれの材
料を用いても、酸素の透過を抑えることができ、ゴム本
体の酸化反応を効果的に防止して、上記ゴム本体の物性
を長期間に亘って維持することができる。
【0049】請求項9記載の発明によれば、上記請求項
1〜請求項3記載の発明による効果に加えて、酸素遮断
膜に求められる酸素の低透過性、屈曲性、耐膨張性、及
び、耐高圧性が満たされた酸素遮断膜を構成することが
できる。
【0050】請求項10記載の発明によれば、上記請求
項1〜請求項3記載のいずれかの発明による効果に加え
て、密閉空間に不活性気体を封入することにより、ゴム
本体と酸素との接触が確実に防止され、その結果、上記
ゴム本体の酸化反応を効果的に防止することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0052】<第1実施形態>図1または図2は、本発
明の第1実施形態に係るマウントタイプの防振マウント
1を示し、11は筒軸Xを振動入力方向(図1の上下方
向)に向けて上側に配置された第1取付体、12は下側
に配置された第2取付体、13は上記両取付部材11,
12を互いに連結するゴム本体、14はこのゴム本体1
3と一体に形成された酸素遮断膜、15は上記第2取付
体12の下側位置に配置された酸素遮断板である。
【0053】上記第1取付体はプレート部11aと、こ
のプレート部11aから上記筒軸Xに沿って上向きに突
出された取付ボルト11bとが一体化されたものであ
り、上記取付ボルト11bにより振動源側としての例え
ばエンジン側部材16に取り付けられるようになってい
る。
【0054】上記第2取付体12は、プレート部12a
と、このプレート部12aから上記筒軸Xに沿って下向
きに突出された取付ボルト12bとが一体化されたもの
であり、上記取付ボルト12bにより振動受側としての
例えば車体のブラケット部材17に取り付けられるよう
になっている。
【0055】上記ゴム本体13は、上記第1及び第2取
付体11,12のプレート部11a,12aと一体加硫
成形により形成されて、上記両取付部材11,12を互
いに連結している。
【0056】上記酸素遮断膜14は、上記ゴム本体13
の上端位置において一体にされ、この上端位置から下方
にこのゴム本体13の外周面13aに対して所定距離だ
け互いに離れた状態であって、このゴム本体13を取り
囲むように配置されている。この酸素遮断膜14の下端
位置には、環状の嵌合金具18が一体加硫成形により埋
め込まれている。さらに、この酸素遮断膜14は蛇腹状
に形成されており、このように蛇腹状に形成することに
よって、後述するように、雰囲気温度が変化して密閉空
間19内の窒素ガスGが膨張しても、この酸素遮断膜1
4が伸張することが防止されるようになっている。
【0057】上記酸素遮断板15は、嵌合金具18内に
内嵌するようにされており、この酸素遮断板15が内嵌
することにより、上記ゴム本体3、酸素遮断膜14及び
酸素遮断板15によって閉塞空間である密閉空間19が
形成されるようになっている。このような酸素遮断板1
5としては、酸素の透過率が低くかつ剛性を有するもの
で形成するのが好ましく、具体的には、例えばFRP3
0重量%補強ポリアミド樹脂で形成すればよい。
【0058】そして、上記密閉空間19には、劣化防止
体としての窒素ガスGが封入されている。
【0059】つぎに、上記防振マウント1の製造につい
て説明する。
【0060】まず、上記第1及び第2取付体11,12
と、嵌合金具18とを所定位置に設置した金型内にゴム
原料を射出あるいは注入し、酸素遮断膜14とゴム本体
13とを一体加硫成形する。次いで、酸素が混入しない
ように窒素ガス雰囲気下で酸素遮断板15を嵌合金具1
8に内嵌させて(図3の一点鎖線参照)、上記密閉空間
19内に窒素ガスGを封入した状態にする。なお、上記
ゴム本体13の下面には、図3に示すように、環状の突
起部13bが周状に形成されており、この突起部13b
が、上記酸素遮断板15が取り付けられることによって
つぶされて、密閉空間19が密閉状態になるようにして
いる。
【0061】つぎに、上記第1実施形態の作用・効果を
説明する。
【0062】酸素遮断膜14がゴム本体13に対し、所
定間隔だけ互いに離された状態で配置されてこのゴム本
体13を覆うため、上記酸素遮断膜14により、ゴム本
体13と外部の酸素とが接触することを防止することが
できるようになる。しかも、上記ゴム本体13と酸素遮
断膜14とが互いに離されているため、固体伝播による
酸素拡散も防止され、かつ、上記ゴム本体13と酸素遮
断膜14との接着性の問題も生じない。このため、ゴム
本体13の酸化反応の防止を確実に維持することができ
るようになる。また、上記密閉空間19には窒素ガスG
が封入されることにより、上記ゴム本体13の露出部分
は窒素ガスGに対し曝されることになり、上記ゴム本体
13と酸素とが接触することが確実に防止される。この
ため、上記ゴム本体13の酸化反応が確実に防止され、
常温雰囲気中においても、高温雰囲気中においても、ゴ
ム本体13の物性を長期間に亘って維持することができ
るようになる。これにより、長寿命性が得られると共
に、耐熱性、及び、高温雰囲気中での耐久性を向上させ
ることができるようになる。
【0063】加えて、上記酸素遮断膜14はゴム本体1
3の伸縮に伴い変形して上記ゴム本体13の伸縮自体を
妨げないようにされている。このため、防振マウント1
として求められる性能を確実に得ることができるように
なる。
【0064】つぎに、酸素遮断膜の形状等の好適な例に
ついて説明する。
【0065】酸素遮断膜14は、ゴム本体13の振動に
追従して、このゴム本体13の伸縮を妨げないよう十分
な屈曲性を要求される一方、過大な伸張が加わると酸素
透過性が大きくなったり、伸張疲労や永久伸び、オゾン
亀裂を生じて遂には破断に至るおそれがある。このた
め、上記酸素遮断膜14の形状及び肉厚は、以下のよう
にして設定するのがよい。
【0066】すなわち、密閉空間19に封入される窒素
ガスの圧力P、体積V、雰囲気温度Tとの間には、モル
数n、気体恒数Rとして、ボイルシャルルの気体法則よ
り、PV=nRTの関係が成り立つ。例えば、防振マウ
ント1が使用される雰囲気温度が低温T1=(273−
30)℃、常温T2=(273+23)℃、高温T3
(273+150)℃と変化すると仮定した場合には、
雰囲気温度と圧力P1、P2、P3、及び、体積V1
2、V3との間には、 P11/P22=T1/T2=243/296=0.82 P33/P22=T3/T2=423/296=1.43 P33/P11=T3/T1=423/243=1.74 の関係が成り立つこととなる。
【0067】そして、窒素ガスGの圧力を大気圧程度と
設定する場合には、酸素遮断膜14は、蛇腹状、あるい
は、萎んだゴムまり状のように遊びを有する形状にする
のがよい。これは、窒素ガスGの圧力が大気圧程度とす
る場合には、圧力P1,P2,P3は大気圧と等しいた
め、その体積Vは低温から高温になるに従い、常温での
体積V2を1として0.82〜1.43倍の範囲で変化
することとなり、低温での体積V1を1として1.00
〜1.74倍の範囲で変化することになる。このため、
上記酸素遮断膜14は最も窒素ガスGの体積が膨張する
高温域においても略伸張しないように、上記のように蛇
腹状、あるいは、萎んだゴムまり状のように十分な遊び
をもって形成するのがよい。
【0068】そして、窒素ガスGの圧力を大気圧程度と
設定する場合には、上記酸素遮断膜14の肉厚として
は、ゴム本体13の大きさ、構成等、設計上の諸条件に
よって0.5mm〜20mmの範囲で適宜に決定すれば
よい。これは、酸素遮断膜14の厚さが0.5mm以下
では、十分に酸素を遮断することができないためであ
り、特に、上記酸素遮断膜14がジエン系ゴム群若しく
はオレフィン系ゴム群に含まれる材料により形成されて
いる場合には、酸化劣化により硬化破断を生じてしまう
ためである。一方、酸素遮断膜14の肉厚が分厚くなる
に伴って酸素透過性は小さくなり、酸素遮断膜14の強
度は高くなるが、20mm以上になると酸素遮断膜14
自体がバネ体となってしまい、上記防振マウント1とし
てのバネ定数が高くなってしまうという不都合があるた
めである。また、ゴム本体13が損失係数Tanδの大
きいゴムにより形成されている場合には、上記防振マウ
ント1の動特性の悪化を招きやすくなってしまうという
不都合もあるためである。
【0069】一方、窒素ガスGの圧力を数気圧以内の圧
力、すなわち大気圧以上に設定する場合には、窒素ガス
Gが外部に飛散することを防止する必要があるため、酸
素遮断膜14として所定値以上の膜強度が必要となる。
このため、密閉空間19の窒素ガスGを外部に拡散しな
い程度の肉厚(例えば、1.5mm以上)、及び、膜強
度(例えば、10MPa以上)に設定するのが望まし
い。また、上記膜強度を向上させるために、酸素遮断膜
をゴムのみで形成するのではなく、例えば剛性の高い樹
脂製の膜と複合させたり、ポリエステル、アラミド繊維
などのテクスタイル、コード等で補強したものとして形
成するようにしてもよい。
【0070】このように、窒素ガスGの圧力が数気圧以
内の圧力に設定される場合には、外気の侵入を効果的に
防ぐことができるようになり、ゴム本体13の酸化劣化
を完全に防止することができるとともに、防振マウント
1として、空気バネによる防振性能を付与することがで
きるようになり、より一層の防振効果を得ることができ
るようになる。
【0071】なお、上記窒素ガスGの圧力を大気圧以上
とする場合には、例えば窒素ガスのガスボンベと、調圧
弁とを備えたものとし、上記圧力が常にゲージ圧で0.
5kg/cm2に保持されるように構成することもでき
る。このようにすれば、上記密閉空間19に酸素が流入
することを確実に防止することが可能になり、ゴム本体
13の酸化劣化をより一層長期間にわたって防止するこ
とができる。
【0072】また、窒素ガスGの圧力が大気圧以下とさ
れる場合にも、酸素遮断膜14が全使用雰囲気温度にお
いて、略伸張しない程度の遊びをもって形成するように
することが必要となる。このようにすれば、窒素ガスG
が酸素遮断膜14を透過して外部に飛散しなくなる一
方、上記窒素ガスGの存在により外部から密閉空間19
に酸素が侵入することが防止できるようになる。
【0073】なお、上記のように窒素ガスGの内圧を大
気圧以下とする場合には、酸素遮断膜14とゴム本体1
3とが互いに接触してしまう場合があり、このような場
合には、ゴム本体13の伸縮によって、キュッキュとい
うこすれ音等の異音が生じてしまう。このため、上記酸
素遮断膜14の内周面とゴム本体13の外周面とにシリ
コーン・オイル、または、鉱物油を塗布したり、また、
酸素遮断膜がゴム本体に対し一部融合、あるいは、着座
して接するように構成して上記異音の発生を防止するよ
うにすればよい。
【0074】また、上記酸素遮断膜14の内周面とゴム
本体13の外周面との間の距離(密閉空間の奥行き)、
及び、上記密閉空間19の容積としては、次のようにし
て決定するのがよい。
【0075】すなわち、密閉空間19の奥行き及び容積
が小さければ、内部に封入される窒素ガスの量を少量に
することができるが、ゴム本体13に対し酸素が接触す
る可能性が高くなってしまう。一方、上記密閉空間19
の奥行き及び容積が大きくなれば、上記ゴム本体13に
対し酸素が接触する可能性が低くなり、上記ゴム本体1
3の酸化劣化を防止するには有利になるが、窒素ガスの
量が過大となってしまう。このため、上記密閉空間19
の奥行き及び容積は、防振マウント1の大きさや要求さ
れる耐熱性能によって、密閉空間19の設定内圧を考慮
しつつ適宜に設定するようにすればよい。例えば、上記
窒素ガスGの内圧を大気圧以上に設定する場合には、密
閉空間の奥行きは、例えば、略0mm〜80mmにする
のがよく、0.5mm〜50mmの範囲に設定するのが
好ましい。
【0076】<第2実施形態>図4または図5は本発明
の第2実施形態に係るブッシュタイプの防振マウント2
を示し、21は筒軸Xが略水平方向となるよう配設さ
れ、振動源側に取り付けられる第1取付体としての内筒
体、22は上記内筒体21の周囲を囲むよう外周囲に配
置され、振動受側に取り付けられる第2取付体としての
外筒体、23は上記内筒体21と外筒体22とを互いに
連結するゴム本体、24,24は上記ゴム本体23と一
体に形成された酸素遮断膜である。
【0077】上記ゴム本体23には、上記内筒体21と
外筒体22との中間位置であって、上記外筒体22に近
接した位置に上記内筒体21の周囲を取り囲むように中
間筒体25が埋め込まれている。
【0078】上記酸素遮断膜24,24は、上記内筒体
21の上側位置及び下側位置から周状に拡がるように配
設されており、上記ゴム本体23の上面及び下面をそれ
ぞれ覆うようになっている。そして、上記酸素遮断膜2
4,24には上記中間筒体25と同様に、上記内筒体2
1と外筒体22との中間位置であって、上記外筒体22
に近接した位置に上記内筒体21の周囲を取り囲むよう
に嵌合金具26,26が埋め込まれている。
【0079】つぎに、上記構成の防振ブッシュの製造方
法について説明すると、まず、内筒体21、中間筒体2
5、及び、嵌合金具26,26をゴム本体23及び酸素
遮断膜24、24と一体加硫成形する。次いで、図6に
示すように、この一体成形物と外筒体22とを筒軸Xが
上下方向になるように配置し、上記外筒体22の内周面
に対して上から上記一体成形物の外周面の薄肉層28,
29を圧入していく。最後に、上記外筒体2の上下の各
開口縁をかしめて上記一体成形物と外筒体2とを一体化
する。これを窒素雰囲気下で、酸素が混入しないように
行えば、図4または図5に示すように、ゴム本体23と
酸素遮断膜24との間に、密閉空間27,27が形成さ
れるようになり、この密閉空間27,27内には劣化防
止体としての窒素ガスGが封入されるようになる。
【0080】<第3実施形態>図7または図8は本発明
の第3実施形態におけるブッシュタイプのエンジンマウ
ント3を示し、このものは、上記第1及び第2実施形態
とは異なり、ゴム本体33と酸素遮断膜35とが別体に
形成されているものである。
【0081】そして、図7は、本発明の実施形態に係る
エンジンマウント3の無負荷状態(製造状態)を示し、
図9は内筒体31が振動源側としてのエンジンに、外筒
体32が振動受側としての車体にそれぞれ取り付けら
れ、エンジンの自重が内筒体31及びゴム本体33に作
用した状態(1G状態)を示す。
【0082】図7または図8において、31は筒軸Xが
略水平方向となるよう配置された内筒体、32はこの内
筒体31の周囲を囲むよう外周囲に配置された外筒体、
33はこの外筒体32と上記内筒体31とを互いに連結
するゴム本体、34は上記内筒体31と外筒体32との
中間位置であって上記外筒体32に近接した位置のゴム
本体33中に上記内筒体31の周囲を囲むよう埋め込ま
れた中間筒体、35,35は上記内筒体31及び外筒体
32により形成されたドーナツ状の両端開口を封止する
酸素遮断膜である。
【0083】上記内筒体31は、無負荷状態(図7参
照)では、その筒軸Xが外筒体32の筒軸Yよりも所定
寸法上方位置であって上記筒軸Yと平行に延びるように
ゴム本体33によって外筒体32に対し支持されてい
る。
【0084】そして、上記ゴム本体33は、ジエン系ゴ
ムにより形成されて上記内筒体31と一体に加硫成形さ
れたものであり、内筒体31から筒軸Xに直交する水平
方向(図7の左右方向)両側にハの字状に延びて内筒体
31を外筒体32に対し弾性支持して防振機能を果たす
第1及び第2主ばね部33a,33bと、上記内筒体3
1の周囲を取り囲むように配設されそれぞれ上方及び左
右両側に突出する第1、第2及び第3突出部33c,3
3d,33eを主要構成要素として備えるものである。
また、上記各突出部33c,33d,33eに対し相対
向するように第1、第2及び第3衝止壁36a,36
b,36cが形成されている一方、上記内筒体31の下
方位置であって、上記両主ばね部33a,33bの間に
挟まれるように配設された衝止体36dが配置されるよ
うになっている。これにより、上記ゴム本体33には、
筒軸X方向に貫通する貫通部36e,36fが形成され
るようになっている。さらに、上記ゴム本体33には、
上記中間筒体34の外周面を覆うように加硫接着されて
外筒体32の内周面との間に介装される薄肉層37が一
体のものとして備えられている。
【0085】上記酸素遮断膜35は、内筒体31と外筒
体32との偏心量に応じて偏心された円波状の波形に形
成されている。そして、この酸素遮断膜35の下端に
は、環状の嵌合金具35aが埋め込まれている。
【0086】そして、この酸素遮断膜35の外側位置で
あって、この酸素遮断膜35に平行に規制壁38が配設
されている。この規制壁38は鍔状に形成されており、
その一部が上記外筒体32よりも径方向外側にまで拡が
るようになっている。そして、この規制壁38の略中心
位置には上記内筒体31の端部に外嵌される嵌合金具3
8aが一体成形されて貫通孔が形成されるようになって
いる。また、この規制壁38は、上記酸素遮断膜35と
一体に形成されており、このような、酸素遮断膜35及
び規制壁38の一体成形品は、例えば、クロルスルホン
化ポリエチレンゴム材料(CSM)により一体加硫成形す
ればよい。次に、上記構成のエンジンマウント3の製造
方法について説明すると、まず、内筒体31および中間
筒体34とを上述のごとくゴム本体33と一体加硫成形
する。ついで、上記一体加硫成形品を外筒体32内に圧
入する。そして、上記酸素遮断膜35と規制壁38の一
体加硫成形品を窒素ガス雰囲気中で、図11に示すよう
に、上記内筒体31の両側から挿入して、規制壁38の
嵌合金具36aを内筒体の端部に対し外嵌させ、酸素遮
断膜35の嵌合金具35aを外筒体に対し内嵌させる。
最後に、上記外筒体32の上下の各開口縁をかしめて一
体化する。
【0087】これにより、上記内筒体31、外筒体3
2、及び酸素遮断膜35により閉塞空間である密閉空間
39,39が形成され、ゴム本体33の表面は酸素遮断
膜35により外部から遮断されるようになる。そして、
上記各密閉空間39には、窒素ガスGが封入されるよう
になる。
【0088】そして、上記第3実施形態の場合、酸素遮
断膜35は、円波状の波形に形成されることにより、十
分な遊びを有するため、密閉された密閉空間39の内圧
変動や窒素ガスの体積変動、また振動入力に応じて遊動
するようになる。このため、上記酸素遮断膜35が高伸
張歪みを生じた場合に起きるオゾンクラックの発生や疲
労破断を防止することができる。また、酸素遮断膜35
は、ゴム本体33の伸縮自体を拘束することがないた
め、上記エンジンマウント3としての剛性や動的バネ定
数の急激な上昇を防ぐことができる。
【0089】そして、例えば、車両の走行中にエンジン
ルーム内部が高温になり、これに伴い、密閉空間39の
窒素ガスGが膨張して酸素遮断膜35が膨出するように
なっても、上記規制壁38,38が、エンジン側ブラケ
ット40の延びる方向に対して外筒体32の外周面より
も径方向外側まで拡がるように形成されているため、上
記酸素遮断膜35,35が上記ブラケット40と外筒体
32との間に挟まることが防止される(図12の一点鎖
線参照)。このため、酸素遮断膜35の噛込み破断を防
止することができ、上記エンジンマウント3の長寿命性
または耐熱性及び高温雰囲気中での耐久性に対する信頼
度を向上させることができる。
【0090】また、エンジンの自重が内筒体31及びゴ
ム本体33に作用した1G状態では、この内筒体31と
外筒体32とが同心となる(図9参照)。このとき第2
突出部33dと第2衝止壁36b、及び、第1主ばね部
33aと衝止体36dとの間は、それぞれ間隔d1、d
2だけ離れるようになる。
【0091】そして、車両の走行中に例えばエンジンが
ロール揺動して、内筒体31が外筒体32に対して左右
方向に振動した場合には、その振幅が上記間隔d1以内
の高周波微少振幅では、上記第2突出部33dと第2衝
止壁36bとが互いに非接触であるため、この振動が車
体側に伝達することを防止することができる。また、上
記内筒体31が外筒体32に対して上下振動した場合で
も、上記間隔d2以内の高周波微少振幅では、第1主ば
ね部33aと衝止体36dとが互いに非接触であるた
め、この振動が車体側に伝達することを防止することが
できる。
【0092】一方、例えば、車両の急発進、急停止など
に起因する衝撃入力や、低周波の大入力によって、上記
内筒体31が間隔d1またはd2以上に変位した場合に
は、上記第2突出部33dと第2衝止壁36bとが、ま
たは、第1主ばね部33aの下面と衝止体36dとがぞ
れぞれ当接して、いずれの場合も弾力的に振動を吸収す
ることができるようになる。
【0093】<第4実施形態>図13または図14は本
発明の第4実施形態に係るブッシュタイプのエンジンマ
ウント4を示し、このものは、上記第3実施形態のエン
ジンマウント3に第1〜第4液室41〜44が形成さ
れ、この各液室41〜44内に作動流体Lが封入された
ものである。
【0094】同図において、41は上記内筒体31の上
側であって、第1衝止壁36aよりも外側のゴム本体3
3に画成された第1液室、42,43は上記内筒体33
の左側及び右側であって、第2及び第3衝止壁36b,
36cの外側のゴム本体33に画成された第2液室及び
第3液室、44は上記内筒体31の下側であって、衝止
体36d内に画成された第4液室である。また、45a
〜45dは上記の第1〜第4液室41〜44を互いに連
通する連通路である。
【0095】上記第1〜第4液室41〜44は、図15
または図16に示すように、ゴム本体33の外周面から
凹となるように窪んで形成されており、上記ゴム本体3
3を外筒体32に内嵌することにより、閉空間となるよ
うにされている。また、上記第4液室44の上壁には、
図13に示すように、左右両側のゴム本体33の外周面
位置から中心位置に向かって上方に傾斜する傾斜部44
a,44bが形成されている。
【0096】そして、上記ゴム本体33の筒軸X方向の
両端縁部には、図15または図16に示すように、作動
流体Lの漏出を防止する弾性シール部46が形成されて
いる。この弾性シール部46は、上記ゴム本体33の上
下端縁の外周に沿って、外方に突出するように形成され
た凸状部により構成されており、上記ゴム本体33を外
筒体32に対し内嵌させることにより、この弾性シール
部46の凸状部がつぶれて上記外筒体32の内壁と密着
し、上記第1〜第4液室41〜44が外部から遮断され
るようになっている。
【0097】そして、上記第1〜第4連通路45a〜4
5dは、上記第1〜第4液室41〜44と同様に、ゴム
本体33が筒軸X方向に所定幅だけ周方向に切り欠かれ
て凹溝状とされ、この凹溝の部分が外筒体32の内周面
に挟まれることにより構成されている。
【0098】そして、上記第1〜第4液室41〜44に
は非圧縮性の流体としての液体Lが封入されている。こ
の液体Lとしては、液状シリコーンゴム、または、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、高級アルコール等の混合溶液を用いれ
ばよい。
【0099】なお、上記エンジンマウント4のその他の
構成は第3実施形態のものと同様であるために、同一部
材には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0100】次に、上記構成のエンジンマウント4の製
造方法について説明すると、まず、内筒体31および中
間筒体34とを上述のごとくゴム本体33と一体加硫成
形する。ついで、作動流体Lを充満させた槽内で上記一
体加硫成形品を外筒体32内に圧入する。そして、上記
酸素遮断膜35と規制壁38の一体加硫成形品を窒素ガ
ス雰囲気中で、上記内筒体31の両側から挿入して、規
制壁38の嵌合金具38aを内筒体の端部に対し外嵌さ
せ、酸素遮断膜35の嵌合金具35aを外筒体32に対
し内嵌させる。最後に、上記外筒体2の上下の各開口縁
をかしめて一体化する。
【0101】これにより、上記各液室41〜44内に上
記作動流体Lが封入され、かつ、上記内筒体31、外筒
体32、及び酸素遮断膜35により閉塞空間である密閉
空間39,39が形成され、ゴム本体33の表面は酸素
遮断膜35により外部から遮断されるようになる。そし
て、上記各密閉空間39には、窒素ガスGが封入される
ようになる。
【0102】そして、上記第4実施形態の場合、衝撃入
力や、振幅の大きい低周波振動が内筒体31に作用した
場合には、上記第3実施形態とは異なり、上記第2突出
部33dと第2衝止壁36bとが、または、第1主ばね
部33aの下面と衝止体36dとがぞれぞれ当接して、
上記第2衝止壁36b、または、衝止体36dを押圧す
るようになる。このため、上記第2液室42、または、
第4液室44内の圧力変動が生じる。このため、作動流
体Lが第1、第3及び第4連通路45a,45c,45
dを通って第1液室41または第3液室43に移動する
ようになり、上記各連通路45a〜45d内における液
柱共振により、振動入力がより一層効果的に減衰される
ようになる。
【0103】また、上記第4液室44に傾斜部44a,
44bを設けることにより、上記内筒体1に対し下方向
の荷重が入力されて上記両主ばね部33a,33bが衝
止体に着座すると上記傾斜部44a,44bが外筒体3
2側に近付く方向に移動するようになる。このため、上
記第4液室44の容積が確実に減少するようになる。こ
のため、作動流体Lは、各連通路45a〜45dを通っ
て確実に流動し、確実に振動減衰効果を得ることができ
るようになる。
【0104】<他の実施形態>なお、本発明は上記第1
〜第4実施形態に限定されるものではなく、その他種々
の実施形態を包含するものである。すなわち、上記各実
施形態ではゴム本体としては動特性に優れた天然ゴム等
のジエン系ゴム群により形成するのが望ましいが、酸化
劣化を防止する観点から、ゴム本体を例えば合成ゴムに
より形成してもよい。
【0105】上記第1及び第2実施形態のように、酸素
遮断膜をジエン系ゴム、若しくは、オレフィン系ゴムに
より形成する場合には、上記酸素遮断膜のゴム表面にク
ラック等が生じやすいため、その表面に酸素低透過性ゴ
ム群を被覆するようにして、美観が損なわれることを防
止するようにしてもよい。
【0106】上記第1〜第4実施形態では、酸素遮断膜
として、ジエン系ゴム群または酸素低透過性ゴム群によ
り形成されたものを用いているが、これに限らず、例え
ば、樹脂製の酸素遮断膜を用いてもよい。この場合、樹
脂として、酸素低透過性であるものを用いるのがよい。
そして、このような樹脂製の酸素遮断膜はゴム本体とは
別体で成形し、ゴム本体の外表面を覆うように組付ける
ようにすればよい。
【0107】このような酸素遮断膜は、0.1mm〜1
0mmの肉厚に形成されて設けるのが好ましい。これ
は、肉厚が0.1mm以下では、十分に酸素を遮断でき
ず、特にFRPを使用する場合には屈曲することによ
り、疲労破壊を生じてしまうという不都合があるためで
ある。一方、上記肉厚が分厚くなるに伴い、酸素透過性
は小さくなり、酸素遮断膜の強度は高くなるが、10m
m以上になると酸素遮断膜自体がバネ体となって、バネ
定数が高くなり、ゴム本体自体の動特性の悪化を招きや
すくなる。特に、FRPの場合には肉厚が10mm以上
であれば、剛体となってしまう。これらを考慮して、樹
脂製の膜の肉厚は、ゴム本体の大きさ、構成等、設計上
の諸条件に応じて上記の範囲内で適宜に決定すればよ
い。
【0108】また、酸素遮断膜として、樹脂製の膜とゴ
ム製の膜とを重ね合わせて構成するようにしてもよい。
この場合、樹脂製の膜とゴム製の膜とを接着して用いる
ようにすればよい。この樹脂製の膜とゴム製の膜との接
着は、例えば、接着される面にゴム系接着剤ケムロック
205(LORD CORPORATION社製)を下塗りし、ケムロッ
ク220(LORD CORPORATION社製)を上塗りした樹脂製
の膜を、金型中の所定位置に設置し、その樹脂製の膜上
に、上記ジエン系ゴム群、オレフィン系ゴム群または酸
素低透過性ゴム群の中のいずれかのゴム材料を射出成形
すればよい。
【0109】また、ポリテトラフルオロエチレン樹脂
(PTFE)等、接着性に乏しい樹脂とゴムとを接着す
る場合には、例えば、上記ゴム系接着剤を塗布する前に
予め樹脂製の膜接着部表面にコロナ放電処理を施ように
するのがよい。
【0110】さらに、酸素遮断膜として、ゴム製の膜の
内部にリブ補強部、穿孔を有するインサート剛体として
樹脂製の膜を埋設するように構成してもよい。
【0111】このように、酸素遮断膜として樹脂製の膜
とゴム製の膜とを複合させて構成する場合の上記酸素遮
断膜の肉厚は、剛性、耐久性及び酸素透過性等を考慮し
て樹脂製の膜の肉厚及びゴム製の膜の肉厚をそれぞれ決
定すればよい。例えば、樹脂製の膜は、0.01mm〜
5mmの肉厚に形成するのが好ましい。これは、肉厚が
0.01mm以下では十分に酸素を遮断できず、屈曲に
よって疲労破壊を生じてしまうためである。そして、樹
脂製の膜の肉厚が分厚くなるに従って酸素透過性は小さ
くなり、酸素遮断膜の強度は高くなるが、5mm以上に
なると樹脂製の膜自体がバネ体となってバネ定数が高く
なり、ゴム本体自体の動特性の悪化を招きやすくなるた
めである。一方、ゴム製の膜は、0.5mm〜10mm
の厚さに形成すればよく、例えば、PTFE樹脂製の膜
の肉厚を0.2mmにして、ゴム製の膜の肉厚を3mm
に設定するようにすればよい。
【0112】上記第3〜第4実施形態では、薄肉層37
をゴム本体と一体加硫成形しているが、これに限らず、
例えば外筒体の内周面に形成するようにしてもよい。
【0113】上記第1〜第4実施形態では、劣化防止体
として、窒素ガスを用いているが、これに限らず、例え
ば、二酸化炭素(CO2)、ヘリウム(He)、ネオン
(Ne)、または、アルゴン(Ar)の他の不活性気体
を用いるようにしてもよい。
【0114】上記第1〜第4実施形態では、密閉空間と
してゴム本体の外部に設けているが、これに限らず、ゴ
ム本体の内部に密閉空間を設け、この密閉空間に窒素ガ
スを封入するようにしてもよい。このように、ゴム本体
の内部に密閉空間を設ける場合には、酸素遮断膜自体
を、ゴム本体と同一のゴム材料により一体に成形する事
ができる。そして、その際には密閉空間を形成する内壁
をゴム本体とし、外壁を酸素遮断膜とすることもでき
る。
【0115】
【実施例】酸化劣化性能試験を実施して、酸素遮断膜、
及び、密閉空間を形成することによるゴム本体の酸化劣
化の影響を試験した。
【0116】図17または図18は、上記酸化劣化性能
試験に用いたマウント5を示し、このマウント5は、筒
軸Xが略水平方向となるよう配置された内筒体51と、
この内筒体51の周囲を囲むよう外周囲に配置された外
筒体52と、この外筒体52と上記内筒体51とを互い
に連結するゴム本体53とにより構成されている。
【0117】上記ゴム本体53は、図18に示すよう
に、上記内筒体51から左右両側に向かって延びて、外
筒体52に連結されるようにされており、上記ゴム本体
53と外筒体52との間には、密閉空間54,54が形
成されている。そして、図17または図18に示すよう
に、上記ゴム本体53の側面55から、肉厚2mmの試
験片56を採取するようにしている(同図の一点鎖線参
照)。
【0118】図19は、上記の酸化劣化性能試験に用い
た耐久試験装置を示す。この耐久試験装置は次のように
構成されている。すなわち、上記マウント5の上側に上
側環状金具63を配置し、下側に下側環状金具64を配
置させる。そして、上記上側及び下側環状金具63,6
4の上側面及び下側面に酸素遮断膜57,57を介在さ
せた状態で上記マウント5を第1及び第2密閉金具6
5,66により覆うようにする。そして、この第1及び
第2密閉金具65,66をボルトナットにより、締結す
る。これにより、上記ゴム本体53に対し所定間隔だけ
離れた状態で酸素遮断膜57,57が配設されるように
なり、このゴム本体53と酸素遮断膜57,57との間
に密閉空間59,59が形成されるようになる。この各
密閉空間内59には劣化防止体を封入して、試験体60
を構成する。そして、この試験体60を下側台座69に
載置し、押さえ部材70により固定し、上記内筒体51
に対し試験機ロッド62を取り付ける。耐久試験は、上
記ロッド62により内筒体51を上下に加振させること
により行うようにしている。
【0119】上記の酸化劣化性能試験は、上記酸素遮断
膜57,57の材料、または、密閉空間59内の劣化防
止体を換えた試験体60を製作し、この60に対し、1
30℃で、70H加熱する加熱老化試験(JIS K6
257)を行った後に、上記耐久試験装置により雰囲気
温度100℃、加振周波数1〜3Hz、+2000N±
1500Nの荷重下で5×104回の耐久試験を実施し
た。以下にその試験条件を示す。
【0120】
【表1】
【0121】そして、耐久試験後に、それぞれの試験体
60のゴム本体53から試験片56を切り取り、引張強
さを測定した。
【0122】図20は、上記各試験片の引張残留率パー
セント示す。同図において、加熱老化試験を行わず耐久
試験を行った比較例1では物性はほとんど低下しなかっ
たが、加熱老化試験を行い、耐久試験を行わなかった比
較例2では酸化劣化によって物性が著しく低下した。そ
して、加熱老化試験後に耐久試験を行った比較例3で
は、耐久試験中に破壊(ブローアウト)した。また、酸素
遮断膜を取り付けたが劣化防止体を封入しなかった、す
なわち密閉空間59に空気を封入していた比較例4,5
では、耐久試験中に破壊することはなかったが引張残留
率は大きく低下した。
【0123】一方、酸素遮断膜と劣化防止体とを併用し
た実施例1〜12では、いずれの場合でも、耐久試験に
十分耐え、耐久試験後のゴム本体の物性も十分に確保で
きることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るマウントタイプの防振マウ
ントを示す断面図である。
【図2】図1のA−A断面を示す断面図である。
【図3】図1に示す防振マウントの組立を示す断面説明
図である。
【図4】第2実施形態に係るブッシュタイプの防振マウ
ントの断面図である。
【図5】図4のB−B断面を示す断面図である。
【図6】図4に示す防振マウントの組立を示す断面説明
図である。
【図7】第3実施形態に係る防振マウントの図8のE−
E断面を示す断面図である。
【図8】図7のC−C断面を示す断面図である。
【図9】図7に示す防振ブッシュのエンジン載置状態
(1G状態)を示す説明図である。
【図10】図8のF−F断面を示す断面図である。
【図11】図7に示す防振ブッシュの組付けを示す斜視
説明図である。
【図12】図7のD−D断面における酸素遮断膜の膨出
状態を示す断面説明図である。
【図13】第4実施形態に係る防振ブッシュの図14の
I−I断面を示す断面図である。
【図14】図13のH−H断面を示す断面図である。
【図15】外筒体を取り外した防振ブッシュの側面を示
す側面説明図である。
【図16】外筒体を取り外した防振ブッシュの図15に
示す側面とは異なる位置の側面を示す側面図である。
【図17】酸化劣化性能試験に用いたマウントの図18
のJ−J断面を示す断面図である。
【図18】酸化劣化性能試験に用いたマウントを示す平
面図である。
【図19】図17に示すマウントをセットした耐久試験
装置を示す断面説明図である。
【図20】酸化劣化性能試験の結果を示す図である。
【符号の説明】
11 第1取付体 12 第2取付体 13,23,33,53 ゴム本体 14,24,35,57 酸素遮断膜 21,31,51 内筒体(第1取
付体) 22,32,52 外筒体(第2取
付体) 16 エンジン側部材
(震動源側) 17 ブラケット部材
(振動受側) 19,27,39 密閉空間 38 規制壁 41〜44 第1〜第4液室 46 弾性シール部 33a 第1主ばね部 33b 第2主ばね部 33c〜33d 第1〜第3突出
部 36a〜36c 第1〜第3衝止
壁 36d 衝止体 44a,44b 傾斜部 45a〜45d 第1〜第4連通
路 G 窒素ガス(劣化
防止体) L 作動流体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ被取付部に対し取り付けられる
    第1及び第2取付体と、 この第1及び第2取付体を互いに連結するゴム本体と、 このゴム本体の露出部分を覆いその露出部分の外表面と
    の間に密閉空間を区画形成するように配設された酸素遮
    断膜と、 上記密閉空間に封入され上記ゴム本体の酸化劣化を防止
    する劣化防止体とを備えていることを特徴とする長寿命
    弾性構造体。
  2. 【請求項2】 振動源側に対し取り付けられる第1取付
    体と、 振動受側に対し取り付けられる第2取付体と、 この第1及び第2取付体を互いに連結するゴム本体と、 このゴム本体の露出部分を覆いその露出部分の外表面と
    の間に密閉空間を区画形成するように配設され、上記ゴ
    ム本体の弾性変形に追随して変形する酸素遮断膜と、 上記密閉空間に封入され上記ゴム本体の酸化劣化を防止
    する劣化防止体とを備えていることを特徴とする長寿命
    弾性構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 酸素遮断膜の外方位置においてこの酸素遮断膜に沿うよ
    うに配設されて上記酸素遮断膜の膨出を規制する規制壁
    を備えていることを特徴とする長寿命弾性構造体。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3において、 第1及び第2取付体がそれぞれ筒状に形成され、筒軸が
    略水平方向に配設された第1取付体に対し上記第2取付
    体がこの第1取付体の周囲を囲むように配設され、 ゴム本体が、上記第1取付体から径方向両側の斜め下方
    に向けて上記第2取付体の内壁まで延びる第1及び第2
    主ばね部と、上記第1取付体から径方向の上側及び径方
    向の両側に突出する突出部と、上記両主ばね部の間であ
    って上記第2取付体側から上記第1取付体側に突出する
    衝止体と、上記突出部に対し径方向に相対向して所定間
    隔だけ互いに離されて配設された衝止壁とを備えている
    ことを特徴とする長寿命弾性構造体。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 ゴム本体の内部位置であって衝止壁及び衝止体の双方よ
    りも径方向外側位置に画成された2以上の液室と、この
    各液室を互いに連通する連通路とを備え、上記衝止体内
    に画成された液室には、内側位置から両外側に向かって
    斜め下方に傾斜した傾斜部が形成され、 上記各液室内には、作動流体が封入されていることを特
    徴とする長寿命弾性構造体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項3のいずれかにおい
    て、 酸素遮断膜は、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(I
    R)、上記天然ゴム(NR)若しくはイソプレンゴム
    (IR)のいずれか一方に対し天然ゴム(NR),イソ
    プレンゴム(IR),ブタジエンゴム(BR),ブタジ
    エンイソプレンゴム(BIR),スチレンブタジエンゴ
    ム(SBR),クロロプレンゴム(CR),アクリロニ
    トリルブタジエンゴム(NBR)及び水添NBR(H-
    NBR)の内から選択された1種をブレンドしたブレン
    ド物であるジエン系ゴム群、及び、上記天然ゴム(N
    R)若しくはイソプレンゴム(IR)のいずれか一方に
    対しエチレンプロピレンゴム(EPDM)若しくはハロ
    ゲン化ブチルゴム(H-IIR)をブレンドしたブレン
    ド物であるオレフィン系ゴム群の内から選択された1種
    により形成されていることを特徴とする長寿命弾性構造
    体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項3のいずれかにおい
    て、 酸素遮断膜は、クロルスルホン化ポリエチレンゴム(C
    SM)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、ブチルゴ
    ム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(H-IIR)、
    アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、塩ビニト
    リルゴム(NBR/PVC)、水添NBR(H-NB
    R)、アクリルゴム(AR)、エチレン・アクリル酸エ
    ステル共重合ゴム(EMA)、エチレン・酢酸ビニル・
    アクリル酸エステル共重合ゴム(EVAA)、多硫化ゴ
    ム(T)、フッ素ゴム(FKM)、及び、これらのゴム
    の内から1種選択されたゴムに対しエチレンプロピレン
    ゴム(EPDM)を重量比20%〜60%添加したブレ
    ンド物からなる酸素低透過性ゴム群の内から選択された
    1種により形成されていることを特徴とする長寿命弾性
    構造体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項3のいずれかにおい
    て、 酸素遮断膜は、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン6
    10,ナイロン11及びナイロン12からなるポリアミ
    ド樹脂、ナイロン/PPO,ナイロン/ABS及びナイ
    ロン/ポリオレフィンからなるポリマーアロイ、ポリテ
    トラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、並びに、これ
    らの樹脂の内から1種選択された樹脂に対しガラス短繊
    維を重量比20%〜60%添加したガラス繊維強化プラ
    スチック(FRP)からなる酸素低透過性樹脂群の内か
    ら選択された1種により形成されていることを特徴とす
    る長寿命弾性構造体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項3のいずれかにおい
    て、 酸素遮断膜は、 ジエン系ゴム群により形成された膜と、酸素低透過性ゴ
    ム群により形成された膜と、酸素低透過性樹脂群により
    形成された膜との内から選択した2種以上の膜を複合さ
    せて形成されていることを特徴とする長寿命弾性構造
    体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項3のいずれかにおい
    て、 劣化防止体は、窒素(N2)、二酸化炭素(CO2)、ヘ
    リウム(He)、ネオン(Ne)、及び、アルゴン(A
    r)の内から選択された1種以上の気体により構成され
    ていることを特徴とする長寿命弾性構造体。
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