JP4945142B2 - 液体封入型防振装置 - Google Patents

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本発明は、自動車や産業機械等に使用される液体封入型防振装置に関するものである。
自動車や産業機械等に使用されるエンジンマウント,ミッションマウント,サスペンションブッシュ,モータマウント等の防振装置として、液体封入型のものが賞用されている。例えば、エンジンマウントは、図4に示すように、振動源であるエンジンに取り付けられる上部保持部材11と、車体やフレーム等に取り付けられる下部保持部材12とが、加硫ゴム成形体13および筒状体18を介して一体化されている。そして、下部保持部材12にダイヤフラム14が取り付けられており、このダイヤフラム14と加硫ゴム成形体13との間に、液体15が密封状態で収容された液体密封空間が形成されている。さらに、この液体密封空間は、オリフィス17が形成された仕切り部材16により、上下2室に仕切られており、その2室間で上記液体がオリフィスを通って流動するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
そして、上記加硫ゴム成形体13の弾性による振動吸収作用および上記液体密封空間内で液体15がオリフィス17を通ることによる流動作用等により、上記エンジンマウントは、防振効果を発揮している。
特開2005−337348号公報
近年、自動車においては、燃費低減,排ガス規制,車外騒音規制等に対応するため、エンジンルーム内の温度が上昇する傾向にある。これを受け、エンジンマウントの耐熱性向上が強く求められている。そこで、エンジンマウントを構成する加硫ゴム成形体13を耐熱性のあるものにすると、今度は、エンジンマウントの耐久性や動特性が悪化するという問題が生じる。
そこで、本発明者は、その耐久性や動特性の悪化の原因について、研究を重ねた。その結果、その原因の一つとしては、加硫ゴム成形体13から老化防止剤が液体15に溶出することにあることを突き止めた。すなわち、老化防止剤の溶出により、加硫ゴム成形体13が老化し易くなり、その結果、耐久性や動特性が悪化していたことがわかった。また、ダイヤフラム14からも老化防止剤が液体に溶出することを突き止めた。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、加硫ゴム成形体からの老化防止剤の溶出を低下させることができる液体封入型防振装置の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の液体封入型防振装置は、液体を密封状態で収容する液体密封空間と、この液体密封空間を複数の室に仕切る仕切り部と、この仕切り部に設けられるオリフィスと、互いに対向した状態で設けられ上記液体密封空間を形成する加硫ゴム成形体および加硫ゴム製ダイヤフラムと、この加硫ゴム成形体を保持する保持部材とを備え、上記加硫ゴム成形体および加硫ゴム製ダイヤフラムの、上記液体が接する部分に、下記の(A)を含有するゴム組成物からなる塗膜が形成されているという構成をとる。
(A)アクリロニトリル−ブタジエンゴム,水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム,アクリルゴム,フッ素ゴムおよびブチルゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つ。
本発明者は、液体封入型防振装置において、加硫ゴム成形体から老化防止剤が液体に溶出しないようにすべく、研究を重ねた。その過程で、加硫ゴム成形体の、上記液体が接する部分に、塗膜を形成することにより、加硫ゴム成形体と液体とを遮断することを着想し、その塗膜の材料について研究を重ねた。その結果、上記塗膜の材料として、上記の(A)を含有するゴム組成物を用いると、上記塗膜が同様のゴムからなり、加硫ゴム成形体となじみ性がよくなるため、上記塗膜は加硫ゴム成形体と強固に密着し、しかも、加硫ゴム成形体の振動や変形に対して優れた追従性を示すことがわかった。そして、加硫ゴム成形体から老化防止剤が長期にわたって液体に溶出しなくなることを見出し、本発明に到達した。
本発明の液体封入型防振装置は、加硫ゴム成形体および加硫ゴム製ダイヤフラムの、液体が接する部分に、上記の(A)を含有するゴム組成物からなる塗膜が形成されているため、その塗膜は、加硫ゴム成形体および加硫ゴム製ダイヤフラムに対して密着性および追従性に優れ、加硫ゴム成形体および加硫ゴム製ダイヤフラムから液体への老化防止剤の溶出を長期にわたって防止することができる。その結果、防振装置としての耐久性や動特性を良好に発揮することができる。
特に、上記塗膜の厚みが、100〜1000μmの範囲内に設定されている場合には、適正な強度を有するとともに、加硫ゴム成形体の振動や変形に対する追従性を好適にすることができる。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。但し、本発明は、これに限定されるわけではない。
図1は、本発明の液体封入型防振装置の一実施の形態を示している。この実施の形態では、本発明の液体封入型防振装置の一例として、自動車用のエンジンマウントについて説明する。このエンジンマウントの構成は、つぎのようになっている。すなわち、このエンジンマウントの上部には、エンジンに取り付けられる上部保持部材11が設けられている。この上部保持部材11は、略円板状の金具と、この金具の中心を上下方向に貫通するボルト19aとからなっている。このボルト19aは、螺子部が上記金具の上面から突出しており、頭部が上下に長く形成され、上記加硫ゴム成形体13に埋設されている。
また、上部保持部材11の下部には、振動吸収用の加硫ゴム成形体13が一体的に形成されている。この加硫ゴム成形体13は、略円柱状に形成されており、その上端部は、上記上部保持部材11の金具の下面およびボルト19aの頭部を覆うように形成され、その上端部の外周部は、下方にいくにつれて徐々に拡径するように形成されている。また、その下端部は、下方に開口する凹部状に形成され、その凹部状表面(加硫ゴム成形体13の下面)に、下記に詳述する本発明に係る塗膜Aが形成されている。上記加硫ゴム成形体13の材料は、特に限定されるものではないが、防振性の観点から、ジエン系ゴムが好ましい。そのジエン系ゴムとしては、特に限定はなく、例えば、天然ゴム(NR),イソプレンゴム(IR),ブタジエンゴム(BR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、防振性能,耐久性の観点から、NRが好適に用いられる。そして、必要に応じて、上記材料に、補強剤,加硫剤,加硫促進剤,老化防止剤,滑剤,助剤,可塑剤等が適宜に添加される。
また、加硫ゴム成形体13の下部外周面には、筒状体18が一体的に外嵌しており、この筒状体18の下端開口部には、車体やフレームに取り付けられる下部保持部材12が閉蓋状に内嵌している。上記筒状体18は、金属製であり、その上部が、上記加硫ゴム成形体13の上端部の拡径部分から下方部分において一体化しており、その下部が、上記下部保持部材12の上部に外嵌している。また、上記下部保持部材12は、略鍋状の本体金具と、この略鍋状の本体金具の底面の中心を上下方向に貫通するボルト19bとからなっている。このボルト19bは、螺子部が上記本体金具の下面から突出しており、頭部は略鍋状の本体金具の底面に位置決め固定されている。
さらに、下部保持部材12の上端には、加硫ゴムからなるダイヤフラム14が固定されている。上記ダイヤフラム14は、略ドーム状に形成され、その略ドーム状の外周縁部と上記下部保持部材12の略鍋状金具の上端開口縁部とが当接し、略鍋状金具の上端開口を閉蓋している。そして、このダイヤフラム14の表面(上面)に、下記に詳述する本発明に係る塗膜Aが形成されている。上記ダイヤフラム14の材料は、特に限定されるものではないが、可撓性,応答性の観点から、ブチル系ゴム,NR,NR/BR,クロロプレンゴム(CR)が好ましい。
そして、ダイヤフラム14と上記加硫ゴム成形体13の下端部の凹部状との間の空間には、液体15が密封されている。上記密封される液体15は、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール,プロピレングリコール,水等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、液体15が密封状態で収容されている空間(液体密封空間)は、オリフィス17が形成された仕切り部材16により、上下の2室に仕切られており、上記液体15は、オリフィス17を通って2室を流動するようになっている。上記仕切り部材16は、上記ダイヤフラム14を覆うように、略ドーム状に形成されており、上記オリフィス17は、仕切り部材16の厚み方向に貫通するように形成されている。この仕切り部材16の材料は、特に限定されないが、樹脂,金属等があげられる。また、上記略ドーム状の外周縁部は、上記ダイヤフラム14の外周縁部上に当接しており、その状態で、上記下部保持部材12の略鍋状金具の上端開口縁部と、ダイヤフラム14の外周縁部と、仕切り部材16の外周縁部と、加硫ゴム成形体13の凹部状の外周縁部とが共に、上記筒状体18の下端部で内嵌状にかしめられている。
動作において、このエンジンマウントに対し、その上部のエンジンから加わる振動は、加硫ゴム成形体13で減衰され、さらに、その下側の液体密封空間内で、オリフィス17を通って流動する液体15により減衰され、車体等には、緩やかに伝えられる。
そして、このエンジンマウントには、上記加硫ゴム成形体13およびダイヤフラム14の、上記液体15が接する部分に、先に述べた本発明に係る塗膜Aが形成されている。この塗膜Aの形成が本発明の特徴である。
より詳しく説明すると、上記塗膜Aは、加硫ゴムからなる上記加硫ゴム成形体13およびダイヤフラム14から老化防止剤が液体15に溶出するのを低下させ、それにより、上記エンジンマウント(液体封入型防振装置)の熱劣化を抑制し、耐久性や動特性を保持している。なお、上記老化防止剤としては、例えば、カルバメート系老化防止剤,フェニレンジアミン系老化防止剤,フェノール系老化防止剤,ジフェニルアミン系老化防止剤,キノリン系老化防止剤等があげられ、それ以外にワックス類も含まれる。
そのため、上記塗膜Aの材料は、特定のものとなっている。すなわち、その材料は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR),水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR),アクリルゴム,フッ素ゴムおよびブチルゴム(IIR)のいずれか、もしくは2種以上を主成分とするゴム組成物となっている。なお、必要に応じて、上記材料に、補強剤,加硫剤,加硫促進剤,滑剤,助剤,可塑剤等が適宜に添加される。ここで、主成分とは、ゴム組成物の過半を占める成分のことをいい、全体が主成分のみからなる場合も含める趣旨である。
また、上記塗膜Aの厚みは、特に限定されないが、適正な強度を有するとともに、上記加硫ゴム成形体13およびダイヤフラム14の変形に対する追従性を好適にする観点から、100〜1000μmの範囲内に設定されることが好ましい。
つぎに、上記エンジンマウントの製法について説明する。
まず、加硫ゴム成形体13を成形するための金型を準備し、その金型の所定位置に、上部保持部材11および筒状体18をセットする。そして、加硫ゴム成形体13の材料である未加硫ゴム組成物を充填した後、加熱することにより、上部保持部材11と加硫ゴム成形体13と筒状体18とを一体化する。ついで、予め加熱成形していたダイヤフラム14を準備し、密封される液体15と接触する加硫ゴム成形体13の下端部の凹部状表面(加硫ゴム成形体13の下面)およびダイヤフラム14の表面(上面)に、塗膜Aの材料をディッピング,スプレー等により塗布した後、硬化させる。つぎに、密封される液体15が収容された液槽内で、上記上部保持部材11と加硫ゴム成形体13と筒状体18とからなる一体化物のうち筒状体18の下端部に、上記仕切り部材16とダイヤフラム14と下部保持部材12とを内嵌させた後、液槽から取り出す。このようにして、加硫ゴム成形体13とダイヤフラム14との間に液体15を封入する。その後、上記筒状体18の下端部をかしめ、上記液体15を密封する。このようにして、上記エンジンマウントを作製することができる。
なお、上記塗膜Aの形成において、塗膜Aを形成する加硫ゴム成形体13やダイヤフラム14の材料が天然ゴムである場合は、塗膜Aの密着性を向上させるために、塗膜Aの材料を塗布するのに先立って、その加硫ゴム成形体13やダイヤフラム14の表面に対して、酸処理等の下地処理および熱処理の少なくとも一方を施すことが好ましい。
図2および図3は、本発明の液体封入型防振装置の参考形態を示している。この参考形態では、本発明の液体封入型防振装置の一例として、自動車用のサスペンションブッシュについて説明する。このサスペンションブッシュは筒形状のものであり、その構成は、つぎのようになっている。すなわち、このサスペンションブッシュの中心部には、軸に沿って円筒状の内側保持部材21が設けられており、この内側保持部材21の外周面には、振動吸収用の加硫ゴム成形体23が同軸的に一体的に形成されている。また、この加硫ゴム成形体23の軸方向中央部分には、液体25を収容するための凹部23aが軸対称に2個所形成されており、これら2個所の凹部23aは、加硫ゴム成形体23内に形成された流路29により連通している。さらに、上記凹部23aに対応する、内側保持部材21の外周面部分とその外側の加硫ゴム成形体23の間には、樹脂からなる仕切り部材26が全周にわたって設けられている。これにより、各凹部23aの底部が突出し、その突出部分により、凹部23aが軸方向に2室に仕切られている。そして、その突出部分(仕切り部)の外周部は、仕切られた2室に連通する流路が狭くなったオリフィス27に形成されている。さらに、上記加硫ゴム成形体23の上記凹部23a以外の外周面部分には、中間筒部材28が外嵌されており、その外側には、加硫ゴムからなる円筒状のシール層(加硫ゴム層)24を介して、円筒状の外側保持部材22が同軸的に設けられている。そして、上記凹部23aに対応する加硫ゴム成形体23とシール層24とで囲まれる空間に、図1に示す実施の形態と同様の液体25が密封されており、その加硫ゴム成形体23の、上記液体25が接する部分、および円筒状のシール層24の内周面(上記液体25が接する部分およびそれ以外の部分)に、図1に示す実施の形態と同様の塗膜Aが形成されている。
このサスペンションブッシュは、円筒状の外側保持部材22の外周面を当接面として、フレームやサスペンションアーム等に圧入され、円筒状の内側保持部材21の中空部に、ダンパーの軸部やボルト等が挿入されるようになっている。そして、動作において、このサスペンションブッシュに対し、ダンパー等から加わる振動は、加硫ゴム成形体23で減衰され、さらに、その周りの液体密封空間内で、オリフィス27や流路29を通って流動する液体25により減衰され、フレーム等には、緩やかに伝えられる。
このサスペンションブッシュについても、上記エンジンマウントと同様に、上記塗膜Aは、加硫ゴムからなる加硫ゴム成形体23およびシール層24から老化防止剤が液体25に溶出するのを防止し、上記サスペンションブッシュ(液体封入型防振装置)の耐久性や動特性を良好にしている。
このサスペンションブッシュの製法は、つぎのようにして行われる。すなわち、まず、内側保持部材21に仕切り部材26を外嵌させ、これを中間筒部材28とともに、加硫ゴム成形体23を成形するための金型の所定位置にセットする。そして、加硫ゴム成形体23の材料である未加硫ゴム組成物を充填した後、加熱することにより、内側保持部材21と加硫ゴム成形体23と中間筒部材28とを一体化する。ついで、予め外側保持部材22の内周面にシール層24を形成していたものを準備し、密封される液体25と接触する加硫ゴム成形体23の2個所の凹部23aの表面およびこれらを連通する流路29の内周面ならびにシール層24の内周面に、塗膜Aの材料をディッピング,スプレー等により塗布した後、硬化させる。つぎに、密封される液体25が収容された液槽内で、内側保持部材21と加硫ゴム成形体23と中間筒部材28とからなる一体化物を、上記シール層24付き外側保持部材22に挿入した後、外側保持部材22を縮径加工し、外側保持部材22の両端開口縁を内側にかしめる。その後、液槽から取り出す。このようにして、上記サスペンションブッシュを作製することができる。
なお、図1に示す実施の形態では、下部保持部材12にダイヤフラム14を設け、このダイヤフラム14と加硫ゴム成形体13との間の空間を液体密封空間としたが、液体密封空間は、参考形態として、例えば、ダイヤフラム14を設けず、下部保持部材12と加硫ゴム成形体13との間の空間を液体密封空間としてもよいし、下部保持部材12に他の加硫ゴム成形体を一体形成し、この加硫ゴム成形体と上記加硫ゴム成形体13との間の空間を液体密封空間としてもよい。また、図2に示す参考形態では、外側保持部材22の内周面にシール層24を形成し、このシール層24と加硫ゴム成形体23の凹部23aとの間の空間を液体密封空間としたが、液体密封空間は、これに限定されるものではなく、例えば、シール層24を形成せず、外側保持部材22と加硫ゴム成形体23の凹部23aとの間の空間を液体密封空間としてもよい。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
加硫ゴム成形体に相当するものとして天然ゴム(NR)からなるJIS5号ダンベル形状の試験片を作製し、その表面をトルエンで洗浄した。そして、その表面に、H−NBRを含有するゴム組成物(HPC−5B、ロード社製)からなる液体材料をディッピングにより塗布した後、室温(25℃)にて24時間乾燥させ、塗膜を形成した。その塗膜の厚みは200μmであった。なお、塗膜の厚みは、上記試験片を切断し、その切断面における塗膜の厚みを電子顕微鏡を用いて任意の10箇所で測定し、それらの平均値をとった。
上記実施例1において、塗膜の厚みを300μmとした。それ以外は、上記実施例1と同様にした。
上記実施例1において、塗膜の厚みを700μmとした。それ以外は、上記実施例1と同様にした。
上記実施例2において、塗膜の液体材料の塗布に先立って、試験片の表面を酸処理(下地処理)した(ロード社製ケムロック7701を刷毛で塗布した)。それ以外は、上記実施例2と同様にした。
上記実施例2において、塗膜形成後、加熱処理(80℃×2時間)した。それ以外は、上記実施例2と同様にした。
上記実施例5において、塗膜形成後の加熱処理を100℃×2時間とした。それ以外は、上記実施例5と同様にした。
上記実施例2において、塗膜の液体材料であるゴム組成物を、フッ素ゴムを含有するHPC−3B(ロード社製)に添加剤HPC−3 curative(ロード社製)を加えたものに変えた。添加剤HPC−3 curativeの添加量は、HPC−3B100重量%に対して2.5重量%とした。それ以外は、上記実施例2と同様にした。
上記実施例1において、JIS5号ダンベル形状を、ダイヤフラムに相当するものとしてブチルゴム(IIR)からなるものとした。それ以外は、上記実施例1と同様にした。
上記実施例8において、塗膜の厚みを200μmとした。それ以外は、上記実施例8と同様にした。
上記実施例8において、塗膜の厚みを300μmとした。それ以外は、上記実施例8と同様にした。
上記実施例9において、塗膜の液体材料であるゴム組成物をHPC−3B(ロード社製)に変えた。それ以外は、上記実施例9と同様にした。
〔比較例1〕
上記実施例1において、試験片の表面をトルエンで洗浄した後、何もしなかった。それ以外は、上記実施例1と同様にした。
〔比較例2〕
上記実施例8において、試験片の表面をトルエンで洗浄した後、何もしなかった。それ以外は、上記実施例8と同様にした。
〔耐液物性〕
このようにして得られた実施例1〜11および比較例1,2の各試験片の破断強度(TB),破断伸び(EB),硬度(Hs)を、JIS K6251に準拠して測定した。この測定は、エチレングリコール(70重量%)/ピロピレングリコール(30重量%)の液体中に、各試験片を浸漬(100℃×250時間)させる前と後とで行い、その浸漬前後での変化率〔硬度(Hs)については変化ポイント量〕を算出した。そして、その結果を、下記の表1,2に併せて表記した。
〔老化防止剤の溶出性〕
上記浸漬後の液体における、老化防止剤の溶出量を測定した。そして、その結果を、下記の表1,2に併せて表記した。この溶出量は、比較例1,2(塗膜なし)の溶出量を1.0とした場合の比率として表した。なお、この測定には、液体クロマトグラフー測定器(日本分光社製)を用い、単位重量あたりの老化防止剤に起因するピーク面積より算出した。
Figure 0004945142
Figure 0004945142
上記表1,2の結果から、実施例1〜11では、比較例1,2と比較して、耐液物性にも優れ、老化防止剤の溶出性も低いことがわかる。そして、この老化防止剤の溶出性の低下から、塗膜が有効に効果を発揮していることがわかる。
本発明の液体封入型防振装置の一実施の形態を示す断面図である。 本発明の液体封入型防振装置の参考形態を示す断面図である。 図2のX−O−X断面図である。 従来の液体封入型防振装置を示す断面図である。
符号の説明
A 塗膜
11 上部保持部材
12 下部保持部材
13 加硫ゴム成形体
14 ダイヤフラム
15 液体
16 仕切り部材
17 オリフィス

Claims (4)

  1. 液体を密封状態で収容する液体密封空間と、この液体密封空間を複数の室に仕切る仕切り部と、この仕切り部に設けられるオリフィスと、互いに対向した状態で設けられ上記液体密封空間を形成する加硫ゴム成形体および加硫ゴム製ダイヤフラムと、この加硫ゴム成形体を保持する保持部材とを備え、上記加硫ゴム成形体および加硫ゴム製ダイヤフラムの、上記液体が接する部分に、下記の(A)を含有するゴム組成物からなる塗膜が形成されていることを特徴とする液体封入型防振装置。
    (A)アクリロニトリル−ブタジエンゴム,水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム,アクリルゴム,フッ素ゴムおよびブチルゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つ。
  2. 上記加硫ゴム成形体の材料が、天然ゴム,イソプレンゴム,ブタジエンゴムおよびスチレン−ブタジエンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1記載の液体封入型防振装置。
  3. 上記加硫ゴム製ダイヤフラムの材料が、ブチル系ゴム,天然ゴム,天然ゴム/ブタジエンゴムおよびクロロプレンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1または2記載の液体封入型防振装置。
  4. 上記塗膜の厚みが、100〜1000μmの範囲内に設定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体封入型防振装置。
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