JP2001252941A - 加硫ゴム−合成樹脂複合体の製造方法 - Google Patents

加硫ゴム−合成樹脂複合体の製造方法

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JP2001252941A JP2000066926A JP2000066926A JP2001252941A JP 2001252941 A JP2001252941 A JP 2001252941A JP 2000066926 A JP2000066926 A JP 2000066926A JP 2000066926 A JP2000066926 A JP 2000066926A JP 2001252941 A JP2001252941 A JP 2001252941A
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vulcanized rubber
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rubber
mold
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Toshiya Tsujimoto
敏也 辻本
Hirokazu Masui
宏和 舛井
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加硫ゴムと合成樹脂とが高い接着強度で接着
された加硫ゴム−合成樹脂複合体を、低コストに、しか
も、成形性と機械的強度を両立させて製造する方法を提
供する。 【解決手段】 金型内に加硫ゴム成形体を配置させた状
態で合成樹脂を射出成形することにより加硫ゴム(4)
と合成樹脂(3)との複合体を製造する方法であって、
該加硫ゴム成形体における合成樹脂との接触面にクロロ
スルホン化ポリエチレンを主成分とする接着剤層を形成
しておいて、前記金型内にガラス繊維含有量45〜60
重量%の前記合成樹脂を射出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加硫ゴムと合成樹
脂との複合体の製造方法に関するものである。本発明の
製造方法は、特に自動車のエンジンマウントの製造に好
適に用いることができるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジニアプラスチックなどの機
械的強度や耐熱性に優れる熱可塑性樹脂が、その特性お
よび加工性の点から、金属の代替材料として広く用いら
れており、ゴム−金属複合体に替わるゴム−合成樹脂複
合体の応用分野が拡大している。例えば、自動車用サス
ペンション等に用いられるゴムブッシュにおいてゴム弾
性体を取り囲む外筒が金属製から合成樹脂製に変更され
つつあり、その他の分野においてもゴム材料からなる成
形体と合成樹脂との複合体が各種の目的で使用されてい
る。
【0003】かかるゴム−合成樹脂複合体は、一般に、
合成樹脂成形体の表面に含塩素系加硫接着剤を塗布した
後、未加硫ゴムを当接して加硫接着させる方法により製
造されており、加硫工程に多大な設備を要し、また、加
硫時の熱により合成樹脂成形体が影響を受けるなどの様
々な問題を含んでいた。このため、特公平7−5551
0号には、上記したような樹脂製外筒を備えるゴムブッ
シュの製造に適用し得る方法として、加硫ゴム成形体の
表面にクロロスルホン化ポリエチレンを主成分とする加
硫接着剤層を形成し、この加硫ゴム成形体を金型内に配
置した後、金型内に溶融合成樹脂を射出成形する方法が
提案されている。
【0004】この方法によれば、加硫ゴムと合成樹脂と
が高い接着強度で接着された加硫ゴム−合成樹脂複合体
を、熱履歴による合成樹脂の物性低下や変形等を伴うこ
となく、しかも低コストに製造することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動車
のエンジンマウントの如く重量物を防振的に支えるよう
な防振ゴム部材を製造する場合、上記した特公平7−5
5510号の方法では必ずしも十分な機械的強度を得る
ことができない。すなわち、エンジンマウントのような
大きな荷重のかかる防振ゴム部材においては、かかる大
荷重により破壊されないように合成樹脂には高い機械的
強度が求められる。
【0006】本発明は、以上の点に鑑みてなされたもの
であり、加硫ゴムと合成樹脂とが高い接着強度で接着さ
れた加硫ゴム−合成樹脂複合体を、低コストに、しか
も、成形性と機械的強度を両立させて製造する方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の加硫ゴム−合成
樹脂複合体の製造方法は、金型内に加硫ゴム成形体を配
置させた状態で合成樹脂を射出成形することにより加硫
ゴムと合成樹脂との複合体を製造する方法であって、前
記加硫ゴム成形体における合成樹脂との接触面にクロロ
スルホン化ポリエチレンを主成分とする接着剤層を形成
しておいて、前記金型内にガラス繊維含有量45〜60
重量%の前記合成樹脂を射出することを特徴とする。
【0008】本発明によれば、加硫ゴム成形体における
合成樹脂との接触面にクロロスルホン化ポリエチレンを
主成分とする接着剤層を形成してから合成樹脂を射出成
形するため、加硫ゴムと合成樹脂とが高い接着強度で接
着された加硫ゴム−合成樹脂複合体を、合成樹脂の物性
低下や変形等を伴うことなく、しかも低コストに製造す
ることができる。また、射出成形する合成樹脂がガラス
繊維を45〜60重量%含有するため、成形性を損なう
ことなく、合成樹脂の機械的強度を高めることができ
る。そのため、自動車のエンジンマウントのような大き
な荷重がかかる防振ゴム部材の製造に好適である。特
に、内筒と、この内筒を軸平行に取り囲む外筒と、内筒
と外筒とを結合する加硫ゴムとを備えてなる円筒型エン
ジンマウントであって、前記内筒と前記加硫ゴムにより
前記加硫ゴム成形体が構成され、その周囲に前記合成樹
脂により前記外筒が形成される加硫ゴム−合成樹脂複合
体の製造に好適である。
【0009】本発明の製造方法においては、加硫ゴムと
合成樹脂との接着強度を更に高めるために、加硫ゴム成
形体における合成樹脂との接触面にクロロスルホン化ポ
リエチレンとシランカップリング剤を主成分とする接着
剤層を形成することが好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施に関連する事
項について詳細に説明する。
【0011】本発明の製造方法においては、まず、加硫
ゴム成形体における合成樹脂との接触面にクロロスルホ
ン化ポリエチレンを主成分とする接着剤層を形成する。
【0012】上記加硫ゴム成形体は、ゴムを加硫成形し
てなるものである。加硫ゴムのゴム成分としては、ニト
リルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SB
R)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(I
R)、クロロプレンゴム(CR)等のジエン系ゴム、エ
チレンプロピレンゴム(EPR、EPDM)、ブチルゴ
ム(IIR)等のオレフィン系ゴム、臭素化ブチルゴム
(Br−IIR)等のハロゲン化ブチルゴム、その他ポ
リウレタンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコン
ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等を含めた合成ゴ
ム類、天然ゴム等が挙げられ、これらは単独でも2種以
上併用してもよい。加硫ゴムには、かかるゴム成分に、
カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ等
の充填剤、軟化剤、老化防止剤、加硫促進剤、架橋剤な
どの各種添加剤を配合することができる。加硫成形方法
は、モールド加硫、プレス加硫等の公知の種々の方法を
採用することができる。
【0013】上記接着剤層は、クロロスルホン化ポリエ
チレンを主成分とする接着剤を、加硫ゴム成形体の少な
くとも合成樹脂と接する面に塗布し、乾燥することによ
り形成される。クロロスルホン化ポリエチレンとシラン
カップリング剤との混合物を主成分とする接着剤を塗布
して、該混合物を主成分とする接着剤層を形成してもよ
い。クロロスルホン化ポリエチレンとともにシランカッ
プリング剤を併用することにより、加硫ゴムと合成樹脂
との接着強度が一層向上される。
【0014】接着剤にシランカップリング剤を併用しな
い場合、接着剤層中に占めるクロロスルホン化ポリエチ
レンの割合は、80重量%以上であることが好ましい。
一方、クロロスルホン化ポリエチレンとシランカップリ
ング剤の混合物を主成分とする接着剤を塗布する場合、
接着剤層中に占める該混合物の割合は、90重量%以上
であることが好ましい。なお、後者の場合、2成分の混
合比率は、クロロスルホン化ポリエチレン100重量部
に対してシランカップリング剤10〜25重量部である
ことが好適である。
【0015】ここで、シランカップリング剤としては、
一分子中に、少なくとも1個以上のアルコキシシリル基
とそのほかの置換基を有する化合物が単独で、あるいは
2種以上を混合して使用可能であり、具体的には、例え
ば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリ
メトキシシランやγ−イソシアネートプロピルトリエト
キシシラン等のイソシアネート官能性シラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ(β
−オキシメチルエトキシ)シラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
エトキシシラン、ビス(γ−(トリエトキシシリル)プ
ロピル)テトラサルファイド(商品名Si-69、デグサ社
製)などが挙げられる。
【0016】なお、接着剤には、溶剤や、TiO、Z
nO、SiO、MgO、Al 、CaO等の無機
物(フィラー)などの他の成分を含有することもでき
る。
【0017】接着剤の塗布方法は、特に限定されず、刷
毛塗り、スプレー塗りなどの公知の塗装方法を採用する
ことができる。接着剤層の厚みも特に限定されず、製品
寸法や製造条件、要求特性などに応じて適宜に決定され
る。
【0018】次いで、接着剤層を形成した加硫ゴム成形
体を、合成樹脂の射出成形用の金型内の所定位置にセッ
トする。なお、金型内にセットする前に、加硫ゴム成形
体に塗布した接着剤を活性化するために接着剤層を加熱
してもよい。その際、加硫ゴム成形体の全体を加熱して
もよい。加熱は、80〜100℃で10〜30分間程度
が好ましい。
【0019】その後、金型内に加熱溶融した合成樹脂を
射出して、合成樹脂を成形するとともに加硫ゴム成形体
と接着一体化させる。射出する合成樹脂としては、ガラ
ス繊維を45〜60重量%含有したものを用いる。ガラ
ス繊維含有量が45重量%未満では、十分な機械的強度
を確保することができない。一方、ガラス繊維含有量が
60重量%を越えると、射出成形時に合成樹脂の粘度が
高くなりすぎて成形性を損なう。
【0020】射出する合成樹脂におけるベースとなる樹
脂としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオ
レフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アク
リロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、ABS、ア
クリル系樹脂等の一般的な熱可塑性樹脂、ポリアミド、
ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリ
エステル、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテ
ル等のエンジニアリングプラスチックと称される熱可塑
性樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエ
ーテルケトン(PEEK)、ポリアリレート、ポリスル
ホン、ポリエーテルスルホン、ポリケトンサルファイ
ド、ポリエーテルイミド、ポリ四フッ化エチレン、芳香
族ポリエステル、ポリアミノビスマレイミド、トリアジ
ン樹脂等のスーパーエンジニアリングプラスチックと称
される樹脂などが挙げられる。これらの中では、ナイロ
ン6、ナイロン66等のポリアミドが特に好適である。
なお、射出する合成樹脂には、カーボンブラック、無機
フィラー、老化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を加え
てもよい。
【0021】射出成形後、離型することにより加硫ゴム
−合成樹脂複合体が得られる。なお、加硫ゴムと合成樹
脂との接着強度をより向上させるため、離型後直ちに該
複合体を加熱してもよい。
【0022】以上説明した本発明の製造方法は、図1に
一例として示す円筒型エンジンマウント(1)の製造に
特に適している。このエンジンマウント(1)は、横設
した金属製の円筒状の内筒(2)と、この内筒(2)を
軸平行かつ同心的に取り囲む円筒状の外筒(3)と、こ
れら内筒(2)と外筒(3)との間に介装され両者を弾
力的に結合する加硫ゴム(4)とからなり、内筒(2)
がエンジン側のブラケット(不図示)に接続され、外筒
(3)が車体側に固定される。
【0023】そして、外筒(3)は、車体側に固定する
ブラケット(5)と一体に設けられており、この外筒
(3)とブラケット(5)との一体品が上記した合成樹
脂の射出成形により形成されている。ブラケット(5)
は、車体に固定するための左右の脚部(51)を備え、こ
の脚部(51)には金属製のナット(6)が埋設されてい
る。また、加硫ゴム(4)は、その周方向の一部に軸方
向に貫通した空洞部(41)を備える。
【0024】このエンジンマウント(1)を製造する際
には、まず、内筒(2)の周りに未加硫ゴムを取り付け
て、加硫成形により内筒(2)と加硫ゴム(4)とから
なる加硫ゴム成形体を形成する。次いで、この加硫ゴム
成形体における加硫ゴム(4)の外周面に、クロロスル
ホン化ポリエチレンを主成分とする接着剤、又は、クロ
ロスルホン化ポリエチレンとシランカップリング剤を主
成分とする接着剤を塗布して、上記接着剤層を形成す
る。この接着剤層を形成した加硫ゴム成形体を射出成形
用の金型内に配置して、上記合成樹脂を射出することに
より、加硫ゴム成形体の外周に外筒(3)とブラケット
(5)とを合成樹脂により一体に成形する。その後、金
型から取り出すことにより、加硫ゴム成形体と外筒
(3)及びブラケット(5)とが接着一体化されたエン
ジンマウント(1)が得られる。
【0025】
【実施例】実施例1 上記した図1に示すエンジンマウント(1)を以下のよ
うに作成した。まず、下記表1に示す配合のゴム組成物
を加硫成形することにより、内筒(2)と加硫ゴム
(4)とからなる加硫ゴム成形体を形成した。得られた
加硫ゴム成形体の外周面に、クロロスルホン化ポリエチ
レンを主成分とする接着剤(商品名Chemlok252X、LORD
社製)を約15μmの膜厚に塗布した。この加熱ゴム成
形体を、乾燥機で80℃15分加熱した後、金型内に配
置し、ナイロン66にガラス繊維(樹脂に混ぜ込んだペ
レット状態で、直径10〜13μm、長さ700〜80
0μmの短繊維であるガラス繊維)を配合した合成樹脂
を射出成形して、加硫ゴム成形体の外周に外筒(3)と
ブラケット(5)とを合成樹脂により一体に成形した。
そして、離型後直ちに乾燥機で100℃20分加熱し
て、エンジンマウント(1)を作成した。エンジンマウ
ントは、下記表2に示すように合成樹脂中のガラス繊維
含有量を変更して、No.1〜4の4種類を作成した。
表2に、射出成形時における成形性の評価と、得られた
各エンジンマウントについての静的破壊試験の結果を示
した。
【0026】ここで、成形性は、外筒(3)及びブラケ
ット(5)よりなる樹脂部分が完全に成形されなかった
り、あるいは、金型内や成型機ノズル部が合成樹脂のガ
ラス繊維分により摩耗が進んで安定した成形が困難にな
った場合を、「不合格」とし、その他の場合を、「合
格」とした。
【0027】また、静的破壊試験は、図2に示すよう
に、エンジンマウント(1)を試験台(7)上にボルト
(71)を介して固定し、内筒(2)に係止部材(8)を
引っ掛けてクロスヘッドスピード10mm/分で内筒
(2)に上方への変位を加える静的強度試験により行っ
た。ブラケット(5)の一部分が破壊されたときの引張
強度が基準値(15kN)以上の場合を「合格」とし、
該基準値を下回った場合を「不合格」とした。
【0028】
【表1】
【表2】 表2に示すように、合成樹脂中のガラス繊維含有量が4
5〜60重量%の場合、合成樹脂の機械的強度と成形性
が両立されていた。
【0029】実施例2 実施例1と同じ配合のゴム組成物を用いて、図3に示す
加硫ゴム成形体(91)を作成し、その左右両側面に接着
剤を約15μmの膜厚に塗布した。この加熱ゴム成形体
(91)を、乾燥機で80℃15分加熱した後、金型内に
配置し、ナイロン66にガラス繊維(樹脂に混ぜ込んだ
ペレット状態で、直径10〜13μm、長さ700〜8
00μmの短繊維であるガラス繊維)を50重量%配合
した合成樹脂を射出成形して、加硫ゴム成形体(91)の
左右両側面に合成樹脂(92)が接着一体化された加硫ゴ
ム−合成樹脂複合体を作成した。
【0030】その際、上記接着剤として、試験体No.
5では、クロロスルホン化ポリエチレンを主成分とする
接着剤(商品名Chemlok 252X、LORD社製)を用い、試験
体No.6では、クロロスルホン化ポリエチレンとシラ
ンカップリング剤を主成分とする接着剤(Chemlok 252X
(商品名、LORD社製)に(ビス(γ−(トリエトキシシ
リル)プロピル)テトラサルファイド(商品名Si-69、
デグサ社製)を、混合比率がクロロスルホン化ポリエチ
レン100重量部に対してシランカップリング剤20重
量部となるように、添加したもの)を用いた。
【0031】また、比較のために、上記接着剤として、
レゾール型フェノール樹脂とポリビニルアルコールのア
ルデヒド変性物との混合物を主成分とする接着剤(商品
名LJ-200、LORD社製)を用いた試験体No.7と、接着
剤を塗布せずに合成樹脂を射出成形した試験体No.8
を作成した。
【0032】得られた4種類の試験体について、それぞ
れ、図3に示すように、左右の支持部材(95)にボルト
ナット(96)で取り付け、左右の合成樹脂(92)が引き
離される方向に力を加えて、加硫ゴムと合成樹脂との接
着力を測定した。接着力は、クロロスルホン化ポリエチ
レンを主成分とする接着剤を用いた場合の接着力を10
0として、指数表示した。その結果、下記表3に示すよ
うに、本発明に係る試験体No.5,6では、試験体N
o.7,8に比べて高い接着強度を有しており、特に、
クロロスルホン化ポリエチレンとシランカップリング剤
とを併用した試験体No.6では接着力が大幅に向上し
ていた。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、加硫ゴム成形体におけ
る合成樹脂との接触面にクロロスルホン化ポリエチレン
を主成分とする接着剤層を形成してから合成樹脂を射出
成形するため、加硫ゴムと合成樹脂とが高い接着強度で
接着された加硫ゴム−合成樹脂複合体を、合成樹脂の物
性低下や変形等を伴うことなく、しかも低コストに製造
することができる。また、射出成形する合成樹脂がガラ
ス繊維を45〜60重量%含有するため、成形性を損な
うことなく、合成樹脂の機械的強度を高めることができ
る。そのため、自動車のエンジンマウントのような大き
な荷重がかかる防振ゴム部材の製造に特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は円筒型エンジンマウントの一例を示す
正面図、(b)はそのX−X線断面図である。
【図2】同エンジンマウントについての静的破壊試験に
おける正面図である。
【図3】実施例2の試験体についての接着力試験におけ
る断面図である。
【符号の説明】
1……円筒型エンジンマウント 2……内筒 3……外筒 4……加硫ゴム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 31:30 B29L 31:30 Fターム(参考) 4F206 AB25 AD01 AD18 AD34 AH16 JA07 JB12 JF01 JF02 JF05 4J002 AA011 CL031 DL006 FA046 FD016

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型内に加硫ゴム成形体を配置させた状態
    で合成樹脂を射出成形することにより加硫ゴムと合成樹
    脂との複合体を製造する方法であって、 前記加硫ゴム成形体における合成樹脂との接触面にクロ
    ロスルホン化ポリエチレンを主成分とする接着剤層を形
    成しておいて、 前記金型内にガラス繊維含有量45〜60重量%の前記
    合成樹脂を射出することを特徴とする加硫ゴム−合成樹
    脂複合体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記加硫ゴム成形体における合成樹脂との
    接触面にクロロスルホン化ポリエチレンとシランカップ
    リング剤を主成分とする接着剤層を形成することを特徴
    とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】加硫ゴム−合成樹脂複合体が、内筒と、こ
    の内筒を軸平行に取り囲む外筒と、内筒と外筒とを結合
    する加硫ゴムとを備えてなる円筒型エンジンマウントで
    あって、前記内筒と前記加硫ゴムにより前記加硫ゴム成
    形体が構成され、その周囲に前記合成樹脂により前記外
    筒が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の
    製造方法。
JP2000066926A 2000-03-10 2000-03-10 加硫ゴム−合成樹脂複合体の製造方法 Withdrawn JP2001252941A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011112151A (ja) * 2009-11-26 2011-06-09 Jtekt Corp 樹脂製プーリ

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