JP2001252332A - キャップおよびそれを用いた薬剤容器 - Google Patents

キャップおよびそれを用いた薬剤容器

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JP2001252332A JP2000063964A JP2000063964A JP2001252332A JP 2001252332 A JP2001252332 A JP 2001252332A JP 2000063964 A JP2000063964 A JP 2000063964A JP 2000063964 A JP2000063964 A JP 2000063964A JP 2001252332 A JP2001252332 A JP 2001252332A
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Kenji Tezuka
健司 手塚
Yoshiki Maesaki
義樹 前崎
Minoru Oka
実 岡
Hideki Obata
秀樹 小畠
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 先端が鋭利な針を用いずに薬剤容器B1等に
対する薬剤Dの注入、混合、採取等を行うことができ、
十分な密封性を有し、穿刺状態および抜針後における液
漏れや外部からの異物等の混入を確実に防止することの
できるキャップ(口部閉塞システム)と、それを用いた
薬剤容器とを提供することである。 【解決手段】 本発明のキャップ1は輸液容器B1の口
部B2等に取り付けられるものであって、有底略円筒状
のプラスチック製キャップ本体2と、当該キャップ本体
の底部3に一体成形によって設けられた、両端6a,6
bが封止された熱可塑性エラストマー製の可撓性チュー
ブ5とを有しており、かつ、前記端部6a,6bが薄膜
状に形成されたものまたは可撓性チューブ5の内部に連
通し得るスリット7を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、先端が鋭利でない
針であっても容易に刺し通すことができ、かつ穿刺状態
および抜針後における液漏れや外部からの異物等の混入
を確実に防止できるキャップと、それを設けた薬剤容器
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】点滴
液、注射液等を収容する薬剤容器の口部や、点滴液等を
注入するための輸液ラインにおける側注管(混注部)の
口部は、一般に、ゴム栓によって封止されている。従っ
て、かかる口部から薬剤・薬液を注入、混合する場合に
は、先端が鋭利な金属製注射針を有する注射器等が用い
られてきた。一方、近年、感染症等の観点から、前記金
属製注射針等の先端が鋭利な注入針で誤って手指を刺し
てしまう事故が問題視されている。
【0003】そこで、先端が鋭利な針を用いずに薬剤・
薬液を注入、混合する方法として、特開平7−2366
97号公報には、側注管の口部を封止するゴム栓にあら
かじめ切込みを設けた輸液ラインが開示されている。同
公報に記載されている輸液ラインのようにゴム栓にあら
かじめ切込みを設けておけば、先端が鋭利ではない注入
針であっても容易に挿通させることができる。しかしな
がら、あらかじめゴム栓に切込みが設けられていること
により、(i)口部の密封性が損なわれる、(ii)針とゴム
栓との間に隙間が生じるため液漏れを招くおそれがあ
る、(iii) 穿刺中の前記隙間や、抜針後のゴム栓に残存
する針刺し痕から異物や汚染物質が侵入するおそれがあ
る、(iv)穿刺方向でのスリットの長さが短くなるにつれ
て切り込み内に保持された針のぐらつきが大きくなり、
薬剤容器等の使用時における安全性が著しく損なわれ
る、(v) 逆に、穿刺方向でのスリットの長さが長くなる
につれて針刺し抵抗が大きくなる、という新たな問題が
生じる。
【0004】一方、スリットゴム栓の液漏れを解消する
ために、スリットを細口に変えたキャップ(登録実用新
案3011343号)が提案されているが、スリットを
細口に変えたことにより、汚染物質が侵入するおそれが
より一層大きくなる。また、いずれにしても、万一汚染
物質が侵入した際には拭き取りが困難になるという問題
がある。さらに、薬剤容器に充填される薬剤・薬液によ
っては、充填後、高圧蒸気滅菌や熱水滅菌等の滅菌処理
を要する場合があり、ゴム栓にあらかじめ切込みが設け
られていると滅菌蒸気や熱水が浸入するのを防止できな
い。従って、ゴム栓にあらかじめ切込みを設ける方法
は、薬剤容器の種類によっては採用できない問題があっ
た。
【0005】そこで、本発明の目的は、先端が鋭利な針
を用いずに薬剤容器や輸液ラインに対する薬剤・薬液の
注入、混合、採取等を行うことができ、かつ、十分な密
封性を有し、穿刺状態および抜針後における液漏れや外
部からの異物等の混入を確実に防止することのできるキ
ャップを提供することである。また、本発明の他の目的
は、十分な密封性を有し、かつ先端が鋭利な針を用いず
に薬剤・薬液の注入、混合、採取が可能な口部閉塞シス
テムを有する薬剤容器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結
果、薬剤容器の口部や輸液ラインにおける側注管の口部
に取り付けるキャップとして、その穿刺部位が熱可塑性
エラストマーからなる可撓性チューブによって区画さ
れ、かつ、当該可撓性チューブの両端が、先端が鋭利で
ない連通用具により容易に開封可能な状態で封止された
ものを用いたときは、薬剤容器や側注管の密封性を十分
に確保することができ、加えて、穿刺状態および抜針後
における液漏れや外部からの異物等の混入を確実に防止
することができるという新たな事実を見出し、本発明を
完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明に係るキャップは、有底
略円筒状のプラスチック製キャップ本体と、当該キャッ
プ本体の底部に一体成形によって設けられた、両端が封
止された熱可塑性エラストマー製の可撓性チューブとを
有しており、かつ、前記可撓性チューブの端部が薄膜状
に形成されたものまたは前記可撓性チューブの内部に連
通し得るスリットを有するものである。本発明に係るキ
ャップの穿刺部位は、両端が封止された熱可塑性エラス
トマーからなる可撓性チューブによって区画されてお
り、前記可撓性チューブにおける断面略円形の中空部分
が穿刺部位を構成する。この可撓性チューブは、上記し
たようにその両端が封止されたものであるが、当該封止
は薄膜または可撓性チューブの内部に連通し得るスリッ
トによるものであることから、先端が鋭利でない連通用
具であっても容易に開封でき、当該連通用具を挿通させ
ることができる。
【0008】それゆえ、上記本発明に係るキャップによ
れば、(I) 針刺し抵抗が低減されて、針の抜き刺しを容
易なものとすることができ、(II)穿刺部位(可撓性チュ
ーブの中空部分)自体の断面が針と同様の略円形である
ことと、上記チューブが可撓性を有し、かつ、熱可塑性
エラストマーに特有のゴム弾性を示すものであることと
により、穿刺中に上記可撓性チューブと針とが密着して
両者の間に隙間が生じにくく、このためキャップからの
液漏れ等のおそれを除去することができ、(III) 前記(I
I)に示したように、上記可撓性チューブと針との隙間が
生じにくいことより、穿刺中の可撓性チューブと針との
間や、抜針後の針刺し痕から異物や汚染物質が侵入する
おそれを除去することができ、かつ、(IV)上記可撓性チ
ューブの互いに離れた端部にて針が固定されて、穿刺部
位内に保持された針のぐらつきが大幅に低減されること
により、薬剤容器等の使用時における安全性を確保する
ことができ、ひいては、先端が鋭利な針を用いずに薬剤
・薬液の注入、混合、採取が可能な口部閉塞システムを
提供することができる。
【0009】また、上記本発明のキャップは、キャップ
本体と可撓性チューブとが一体成形されたものであるこ
とから、キャップの製造工程が少なく、一般に高価な熱
可塑性エラストマーの使用量も少ないため、キャップの
製造コストが低減される。さらに、キャップ製造時の無
菌性も確保される。上記本発明のキャップにおける可撓
性チューブは、その厚みが0.5〜4mmであるのが好
ましい。
【0010】また、上記本発明のキャップは、可撓性チ
ューブのキャップ本体底部側の端部が薄膜状に形成され
たものであり、かつ、他方の端部がスリットを有するも
のであるのが好ましく、さらに、前記他方の端部が先細
り状に成形されているのが好ましい。本発明のキャップ
は、さらに、可撓性チューブのキャップ本体底部側の端
部が、前記キャップ本体底部の外表面と略同一平面とな
るように形成されているのが好ましい。
【0011】本発明に係る薬剤容器は、口部に上記本発
明のキャップを設けたことを特徴とするものである。本
発明の薬剤容器(輸液ボトルや輸液バッグ等)によれ
ば、その口部が、前述の口部閉塞システムによるもので
あるため、薬剤容器の十分な密封性が確保され、かつ先
端が鋭利な針を用いずに薬剤・薬液の注入、混合、採取
が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るキャップおよ
びそれを用いた薬剤容器について、その実施形態を示す
図1〜図8を参照しつつ詳細に説明する。本発明のキャ
ップは、前述のように、点滴液、注射器等を収容する薬
剤容器の口部や、点滴液等を注入するための輸液ライン
における側注管(混注部)の口部に取り付けて用いられ
る、有底略円筒状の部材である。
【0013】図1は本発明に係るキャップの一実施形態
を示す一部欠截平面図であるとともに、当該キャップを
薬剤容器に適用した一実施例を示す平面図である。図1
に示す実施形態に係るキャップ1は、有底略円筒状のプ
ラスチック製キャップ本体2と、キャップ本体2の底部
3に設けられた、両端(端部6a,6b)が封止された
熱可塑性エラストマー製の可撓性チューブ5とを有する
ものである。図2は図1に示したキャップ1の斜視図で
あって、図3はその断面図である。
【0014】本発明のキャップ1を薬剤容器B1に適用
する場合において、キャップ本体2は、例えば図1に示
すように、そのフランジ部4にて薬剤容器Bの口部B2
に固着される。図3(a) に示すように、本発明のキャッ
プ1における医療用針の穿刺部位6を区画する可撓性チ
ューブ5は、そのキャップ本体底部3側における端部6
aが薄膜状に形成されたものであり、かつ、他方の端部
(以下、「キャップ内部側の端部」という)6bが先細
り状に形成され、先端8aが鋭利でない連通用具8によ
って連通され得るスリット7が設けられたものである。
【0015】図3(b) は、可撓性チューブ5に連通用具
(先端が鋭利でない針)8を挿入した状態を示す図であ
る。この図に示すように、キャップ1の穿刺部位6に連
通用具8を挿入することにより、可撓性チューブ5にお
けるキャップ本体底部側の端部6aが破断する。また、
さらに前記可撓性チューブ5内に進入させることによ
り、前記連通用具8が可撓性チューブ5のキャップ内部
側の端部6bのスリット7を押し拡げて、連通用具8の
先端8aが可撓性チューブ5より露出する。これによ
り、キャップ1を取り付けた薬剤容器B1内への薬剤の
注入、混合、あるいは薬剤容器B1内に充填された薬剤
Dの採取等を実現することができる。
【0016】図3(とりわけ、図3(b) )より明らかな
ように、可撓性チューブ5内に連通用具8の挿入するの
に際しては、従来のキャップに対して行うように、キャ
ップ1の穿刺部位6を必要以上に押し拡げることがな
い。ずなわち、図3に示す実施形態において連通用具8
の挿入に要するのは、可撓性チューブ5のキャップ本体
底部側端部6を破断することと、キャップ内部側の端部
6bのスリット7を押し拡げることであって、可撓性チ
ューブ5内が中空であることから連通用具8に必要以上
の力を加える必要がない。従って、前記効果(I) に示し
たように、針刺し抵抗が低減されて、針の抜き差しを容
易なものとすることができる。
【0017】また、穿刺部位6(可撓性チューブ5の中
空空間)が針と同様の略円形であり、さらには、可撓性
を示しかつ熱可塑性エラストマー固有のゴム弾性を有す
ることから、前記効果(II)および(III) に示したよう
に、穿刺中に上記可撓性チューブ5と連通用具8とが密
着して両者の間に隙間が生じにくい。このため、キャッ
プ1からの液漏れ等のおそれや、穿刺中における前記隙
間や抜針後の針刺し痕から異物や汚染物質が侵入するお
それを除去することができる。なお、医療用に用いられ
ている中空針(連通用具)の太さは通常所定のサイズで
統一されてことから、可撓性チューブ5の内径を適宜調
整することにより、可撓性チューブ5と連通用具8との
密着性は確保される。
【0018】さらに、穿刺部位6における連通用具8
は、可撓性チューブ5のキャップ本体底部側の端部6a
からキャップ内部側の端部6bまでの広い領域に亘って
当該可撓性チューブ5の内壁面に保持される。従って、
前記効果(IV)に示したように、穿刺中の連通用具8のぐ
らつきを大幅に低減することができ、薬剤容器等の使用
時における安全性を十分に確保することができる。図4
〜図8は本発明に係るキャップの他の実施形態を示す断
面図である。
【0019】このうち、図4に示すキャップ10では、
可撓性チューブ50の内表面に突起50aが設けられて
いる。かかる突起50aが設けられていることにより、
可撓性チューブ50と連通用具(図示せず)との密着性
や、穿刺中での連通用具のぐらつき防止効果をより一層
向上させることができる。図5に示すキャップ11で
は、可撓性チューブ51がキャップ本体2に固着される
部位に(すなわち、可撓性チューブ51におけるキャッ
プ本体底部31側の端部61aに)、熱可塑性エラスト
マーからなるフランジ部61cが設けられている。この
実施形態では、一般に価格の高い熱可塑性エラストマー
の消費量が多くなるものの、穿刺部位への連通用具の挿
通とともに、先端が鋭利な医療用針の挿通が必要になる
事態にも対応することができる。
【0020】図6に示すキャップ12では、太さの異な
る連通用具に対応すべく、1つのキャップ12中に径の
異なる2種の可撓性チューブ5,52が設置されてい
る。これにより、連通用具の太さと可撓性チューブの内
径とが異なる場合の不具合を解消することができる。1
つのキャップ内に設ける穿刺部位(あるいは、可撓性チ
ューブ)の数は特に限定されるものではなく、必要に応
じて、かつ、キャップ底面での許容される空きスペース
に応じて適宜設定することができる。
【0021】さらに、図6に示すキャップ12では、キ
ャップ本体2の底部32における外表面32aと、可撓
性チューブ5,52におけるキャップ本体底部側の端部
64a,65aとが異なる平面上に設定されている。こ
の場合、キャップ12の穿刺位置の視認がより一層容易
となる。一方、図3〜図5や、後述する図7および図8
に示すキャップ(1,10,11,13,14)では、
いずれもキャップ本体2の底部における外表面と、可撓
性チューブ(5,50,51,53,54)におけるキ
ャップ本体底部側の端部とが同一平面上に設定されてい
る。この場合、キャップの穿刺位置を脱脂綿等によって
清拭するのが容易となる。
【0022】図7に示すキャップ13では、可撓性チュ
ーブ53におけるキャップ本体底部3側の端部63aが
薄膜ではなく、スリット73を有するものとなってお
り、キャップ内部側の端部63bが薄膜となっている。
スリット73は、端部63aの全域に亘って形成される
ものではなく、端部63aを余して形成されるものであ
る。また、図8に示すキャップ14では、可撓性チュー
ブ54におけるキャップ本体底部3側の端部66aと、
キャップ内部側の端部66bとのいずれもが薄膜となっ
ている。
【0023】図7および図8に示す実施形態について
も、先に示した図3〜図6の実施形態に係るキャップと
同様の効果、すなわち前述の(I) 〜(IV)の効果を得るこ
とができる。また、本発明のキャップは、可撓性チュー
ブにおけるキャップ本体底部側の端部と、キャップ内部
側の端部とのいずれもが、スリットを有するものであっ
てもよい。但し、この場合、高圧蒸気滅菌や熱水滅菌等
の滅菌処理に供することができるように、底部側の端部
に形成されるスリットは、端部を余して途中まで形成さ
れることが望ましい。
【0024】以上に示した実施形態の中では、密封性、
穿刺時の針刺し抵抗等の観点から、特に図3に示した実
施形態が最も好適に用いられる。以下、本発明のキャッ
プおよび薬剤容器を構成する各部材について説明する。 〔キャップ本体〕本発明に係るキャップのキャップ本体
を構成するプラスチックとしては、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン〔例えば
三井化学(株)の商品名「TPX」〕等のポリオレフィ
ン;エチレン−テトラシクロドデセン共重合体〔例え
ば、三井化学(株)の商品名「アペル」〕等のポリ環状
オレフィン:アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体(ABS);ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリア
リレート等のポリエステル;ポリフェニレンサルファイ
ド(PPS)等のベンゼン系重合体等の、医療器具に従
来用いられている種々のプラスチックが挙げられる。
【0025】キャップ本体の大きさは本発明において特
に限定されるものではなく、キャップを取り付ける薬剤
容器や輸液ラインの側注管等の大きさ等に応じて適宜設
定すればよい。 〔可撓性チューブ〕本発明に係るキャップの可撓性チュ
ーブを構成する熱可塑性エラストマーとしては、例えば
スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重
合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体(SIS)、マレイン酸変性等
の変性SEBS、スチレン−エチレン/プロピレン−ス
チレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチ
レン/ブチレンブロック共重合体(SEB)、スチレン
−エチレン/プロピレンブロック共重合体(SEP)等
のスチレン系エラストマー;エチレン−プロピレンブロ
ック共重合体等のオレフィン系エラストマー;ポリウレ
タン系エラストマーなどが挙げられる。
【0026】可撓性チューブの特性については、本発明
において特に限定されるものではないが、可撓性チュー
ブの端部を薄膜状とし、これを連通用具によって破断さ
せて連通させる場合には、先端が鋭利でない連通用具で
あっても容易に破断させることができる程度の破断強度
と柔らかさを有することが求められる。一方、通常の保
管時において容易に変形したり、破損したりしない程度
の強度を有することも求められる。
【0027】上記可撓性チューブに用いられる熱可塑性
エラストマーは、JIS A硬度〔JIS K 630
1に記載の方法にて測定したスプリング硬さHs(JI
SA)〕が20〜70であるのが好ましく、30〜50
であるのがより好ましい。また、上記熱可塑性エラスト
マーの圧縮永久歪みは、連通用具を繰り返し抜き差しし
ても破損することがないように、JIS K 6301
に記載の方法にて測定した値〔圧縮永久歪み率CS
(%)、熱処理温度・時間:70℃×22時間〕が30
以下であるのが好ましい。
【0028】可撓性チューブの形状は断面が略円形であ
って、中空針(先端が鋭利でないもの)等の連通用具の
断面形状に概ね一致するものであるほかは特に限定され
るものではないが、キャップ内部側の端部(図3〜図6
では符号6b,図7では63b,図8では64b,図6
ではさらに62b)がスリット7を有する場合には、例
えば図3などに示すように可撓性チューブ5の端部6b
側を先細りした形状とするのが好ましい。
【0029】可撓性チューブの肉厚は、針刺し抵抗等の
観点から、0.5〜4mmであるのが好ましく、1〜3
mmであるのがより好ましい。可撓性チューブの端部に
おいて薄膜状とする場合には、その厚みを可撓性チュー
ブの本体よりも薄くし、かつ、0.1〜1mm程度に設
定するのが好ましい。可撓性チューブの長さは、キャッ
プ本体の高さ等により変動するものであって、本発明で
は特に限定されるものではないが、一般に0.5〜2c
m程度とするのが好ましい。
【0030】可撓性チューブの内径は、可撓性チューブ
自体の圧縮変形性や、可撓性チューブの肉厚等を考慮し
て、穿刺する連通用具(針)の太さよりも若干細くする
のが好ましい。可撓性チューブの端部にスリットを設け
る場合において、スリットの形状は特に限定されるもの
ではなく、例えばマイナス形状(−)、プラス形状
(+)、放射形状、点状などの、従来公知の種々の形状
とすることができる。
【0031】また、可撓性チューブの端部に設けられ
る、当該可撓性チューブに連通路を形成し得るスリット
は、図3〜図7に示したようにあらかじめ連通したもの
であるほか、キャップの使用前には連通していなくもの
であってもよい。この場合、キャップを最初に連通用具
を刺し通す際に、可撓性チューブに連通するスリット
(孔)が形成されるため、薬剤容器等の初期状態でのよ
り一層完全な密封性を確保することができる。
【0032】可撓性チューブは、例えば従来公知の中空
射出成形法により製造することができる。また、可撓性
チューブを構成する熱可塑性エラストマーと、キャップ
本体を構成するプラスチックとの組み合わせを適宜選択
することにより、キャップ本体とともに二色成形等によ
って一体成形することができる。この場合、キャップの
製造工程が簡易なものとなる。
【0033】〔薬剤容器〕本発明の薬剤容器は、その口
部に上記本発明のキャップを用いるほかは特に限定され
るものではなく、薬剤容器自体は従来公知の種々のプラ
スチック製容器を用いることができる。本発明のキャッ
プを薬剤容器に取り付ける場合には、例えば図1に示す
ように、本発明のキャップ1におけるキャップ本体2
を、そのフランジ部4にて薬剤容器Bの口部B2に固着
すればよい。固着の方法としては、熱溶着や高周波溶着
などの、従来公知の種々の方法を採用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキャップを薬剤容器に適用した一
実施例を示す一部欠截平面図である。
【図2】図1に示すキャップ1を示す斜視図である。
【図3】(a) は図1に示すキャップ1の断面図であり、
(b) はキャップ1の穿刺部位に先端の尖っていない連通
用具8を挿通させた状態を示す断面図である。
【図4】本発明に係るキャップの他の実施形態を示す断
面図である。
【図5】本発明に係るキャップのさらに他の実施形態を
示す断面図である。
【図6】本発明に係るキャップのさらに他の実施形態を
示す断面図である。
【図7】本発明に係るキャップのさらに他の実施形態を
示す断面図である。
【図8】本発明に係るキャップのさらに他の実施形態を
示す断面図である。
【符号の説明】
1,10,11,12,13,14 キャップ 2 キャップ本体 3,31,32,33,34 キャップ本体の底部 5,50,51,52,53,54 可撓性チューブ 6 穿刺部位 6a,61a,62a,63a,64a 端部(キャッ
プ本体底部側) 6b,62b,63b,64b 端部(キャップ内部
側) 7,70,72,73 スリット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有底略円筒状のプラスチック製キャップ本
    体と、当該キャップ本体の底部に一体成形によって設け
    られた、両端が封止された熱可塑性エラストマー製の可
    撓性チューブとを有しており、かつ、前記可撓性チュー
    ブの端部が薄膜状に形成されたものまたは前記可撓性チ
    ューブの内部に連通し得るスリットを有するものである
    キャップ。
  2. 【請求項2】前記可撓性チューブの厚みが0.5〜4m
    mである請求項1記載のキャップ。
  3. 【請求項3】前記可撓性チューブのキャップ本体底部側
    の端部が薄膜状に形成されたものであり、かつ、他方の
    端部がスリットを有するものである請求項1または2記
    載のキャップ。
  4. 【請求項4】前記他方の端部が先細り状に成形されてい
    る請求項3記載のキャップ。
  5. 【請求項5】前記可撓性チューブのキャップ本体底部側
    の端部が、前記キャップ本体底部の外表面と略同一平面
    となるように形成されている請求項1〜4のいずれかに
    記載のキャップ。
  6. 【請求項6】口部に請求項1〜5のいずれかに記載のキ
    ャップを設けたことを特徴とする薬剤容器。
JP2000063964A 2000-03-08 2000-03-08 キャップおよびそれを用いた薬剤容器 Pending JP2001252332A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004057678A (ja) * 2002-07-31 2004-02-26 Hanshin Kasei Kogyo Kk 輸液容器の樹脂針装着構造
JP2007202754A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Jms Co Ltd 混注に使用される混注ポート

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