JP2001252060A - 容器入り食品の製造方法 - Google Patents

容器入り食品の製造方法

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JP2001252060A JP2001047145A JP2001047145A JP2001252060A JP 2001252060 A JP2001252060 A JP 2001252060A JP 2001047145 A JP2001047145 A JP 2001047145A JP 2001047145 A JP2001047145 A JP 2001047145A JP 2001252060 A JP2001252060 A JP 2001252060A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品製造装置内部の無菌性を高め、食品の殺
菌後、包装シールされる間の工程において、菌による汚
染のない容器入り食品の製造方法を提供する。 【解決手段】 容器入り食品製造装置100は、容器供
給部102と、容器殺菌部104と、容器反転部106
と、具材充填部108と、蓋材供給部110と、蓋材シ
ール部112と、製品排出部114とを有する。容器1
20を容器供給部102から製造装置100に導入す
る。容器120は開口部120aを下方に向けて容器搬
送コンベヤ130上に配置される。容器120を殺菌
し、容器120を無菌空気室に搬入する。容器120の
開口部を下方に向けて容器120を水蒸気室に搬入す
る。水蒸気室内において、開口部120aが上方に向く
ように容器120を回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は容器入り食品の製造
方法に関するもので、特に、効率的に長時間品質を良好
に維持することができる容器入り食品を製造することを
可能とする容器入り食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の食品殺菌装置としては、例えば、
特開平9−84567号公報に記載されている食品殺菌
装置があり、この食品殺菌装置は、カセット式短時間殺
菌機を複数備えている。容器を複数個収容したカセット
をカセット搬送循環コンベヤーによって殺菌機に間欠的
に投入し、この殺菌機をバッチ連続式に稼動してその内
部で固形物を蒸気で直接殺菌している。そして、殺菌
後、殺菌機よりカセットを取り出してクリーンブースに
搬入し、自動充填装置へ投入する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の食品殺
菌装置では、下記の課題があった。 (1)クリーンブース内で容器を密封する際に、菌汚染
の可能性が少なからずある。 (2)空気を含んだ状態で容器を密封するため、この空
気の影響により、長期間にわたって食品の品質を良好に
維持するのが困難である。そこで、食品収納容器をシー
ルするまでの工程を水蒸気雰囲気内で行う新たな着想に
基づく食品製造方法及び食品製造装置の開発を行った。
そして、このような開発において、以下の課題が生じ
た。 (1)食品製造装置の内壁面にドレン水が発生するおそ
れがあり、食品製造装置内部の無菌性を高めるのが困難
であった。 (2)食品製造装置内を洗浄したのちに水滴が残留し、
この水滴を除去することはむずかしく、水滴が残留して
いる状態で殺菌ガスを食品製造装置内に注入した場合に
は、殺菌ガスの濃度が上記の水滴により薄められ、特
に、食品殺菌装置の形状が複雑になっている部分につい
て、確実な殺菌を行うのがむずかしかった。また、この
ような水滴又は殺菌液の残留を防止するためには、食品
製造装置内を乾燥処理しなければならず、このような乾
燥処理を行うためには長い時間を必要とした。 (3)容器の内部に空気が入ったままで容器が水蒸気室
に搬入されるおそれがあった。そのため、この空気の存
在により、食品の品質保持に悪い影響を及ぼすおそれが
あった。
【0004】そこで、本発明の目的は、このような課題
を解決するため、食品製造装置内部の無菌性を高め、食
品の殺菌後、包装シールされる間の工程において、菌に
よる汚染のない容器入り食品の製造方法を提供すること
にある。また、本発明の他の目的は、容器の内部に空気
が入ったままにならないで容器を水蒸気室に搬入するこ
とができる容器入り食品の製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、本発明の容器入り食品の製造方法におい
て、容器を殺菌する。次に、既に殺菌されている容器を
無菌空気室に搬入する。次に、この容器の開口部を下方
に向けて、この容器を容器入り食品の製造装置の水蒸気
室に搬入する。そして、水蒸気室内において、この容器
の開口部が上方に向くように容器を回転させる。
【0006】また、本発明の容器入り食品の製造方法で
は、容器を殺菌する。次に、既に殺菌されている容器を
無菌空気室に搬入する。次に、この容器の開口部を下方
に向けて、この容器を回転させながら水蒸気・無菌空気
界面を通過させ、容器入り食品の製造装置の水蒸気室に
搬入する。そして、水蒸気室内において、前記容器の開
口部が上方に向くように容器を水蒸気室で保持する。
【0007】このような段階を用いることにより、殺菌
した容器の無菌状態を確保することができる。しかも、
このような殺菌した容器の中に空気がたまったままで、
この容器が水蒸気雰囲気内に入ることをなくすことがで
きる。更に、本発明の容器入り食品の製造方法では、容
器入り食品を製造するときに、容器の開口部を下方に向
けて、この容器を容器入り食品の製造装置の水蒸気室に
搬入する。そして、容器の開口部が上方に向くように容
器を回転させる。このように容器を移動させることによ
り、容器内に空気がたまったままで容器が水蒸気雰囲気
内に入ることをなくすことができる。
【0008】また、本発明の容器入り食品の製造方法で
は、容器入り食品を製造するときに、この容器を回転さ
せながら水蒸気・空気界面を通過させ、容器入り食品製
造装置の水蒸気室に搬入する。そして、容器の開口部が
上方に向くように、容器を水蒸気室で保持する。このよ
うに容器を移動させることによっても同様に、容器内に
空気がたまったままで容器が蒸気雰囲気内に入ることを
なくすことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。 (1)本発明の方法を適用する容器入り食品の製造装置
の実施の形態の構造 図1を参照すると、本発明の方法を適用する容器入り食
品の製造装置100は、容器供給部102と、容器殺菌
部104と、容器反転部106と、具材充填部108
と、蓋材供給部110と、蓋材シール部112と、製品
排出部114とを有する。容器120を容器供給部10
2から容器入り食品の製造装置100に導入する。
【0010】図1及び図2を参照すると、容器120を
搬送するための容器搬送コンベヤ130が容器供給部1
02に設けられている。容器120は、開口部120a
を下方に向けて、容器搬送コンベヤ130上に配置され
る。
【0011】容器殺菌用H22 バス140が容器殺菌
部104に設けられる。過酸化水素即ちH22 146
が容器殺菌用H22 バス140に収容される。容器搬
送コンベヤ130の一部分は容器殺菌用H22 バス1
40内のH22 の中を通る。容器案内コンベヤ132
が容器搬送コンベヤ130の一部分と向き合って配置さ
れている。容器案内コンベヤ132の一部分は容器殺菌
用H22 バス140内のH22 の中を通る。容器案
内コンベヤ132と容器搬送コンベヤ130の間には、
容器120を保持するための隙間が設けられている。ケ
ーシング138のバス密閉部144が容器殺菌用H2
2 バス140内へ延びている。H22 を乾燥させるた
めの乾燥用ノズル150が無菌空気・過酸化水素液界面
142の上方で、容器殺菌用H22 バス140の下流
側に設けられる。乾燥用ノズル150は高温の無菌乾燥
空気を容器搬送コンベヤ130上の容器120に吹き付
けるように構成されている。
【0012】ケーシング138内の無菌空気保持部15
2は、乾燥用ノズル150から供給される無菌空気によ
り無菌的に保持されている。無菌空気170は、乾燥用
ノズル150から供給される無菌空気量に応じ、弁16
2を介して適宜調整されながら排出される。H22
46と無菌空気170との間には、無菌空気・過酸化水
素液界面142が形成されている。ケーシング138の
バス密閉部144は無菌空気・過酸化水素液界面142
を越えて、容器殺菌用H22 バス140内へ延びてい
る。ジャケット部分180がケーシング138の外周
に、無菌空気保持部152に続くように設けられる。ジ
ャケット部分180は、ケーシング138の無菌水蒸気
を収容する部分にほぼ対応して設けられる。水蒸気源
(図示せず)から供給される高い温度の加熱用水蒸気1
84がジャケット部分180の中に供給され、ケーシン
グ138の内壁138aを加熱する。この加熱用水蒸気
184の温度は、約100°C〜約103°Cの範囲内
であるのが好ましく、常に、ケーシング138内の水蒸
気188の温度よりも高い温度となるようにする。水蒸
気源(図示せず)及びジャケット部分180は、ケーシ
ング138の内壁138aを加熱状態に保持するための
加熱手段を構成する。
【0013】無菌水蒸気188がジャケット部分180
を設けたケーシング138の部分の内部に供給される。
水蒸気・無菌空気界面182が、ジャケット部分180
とケーシング138の無菌空気保持部152との連結部
分の近くに形成される。無菌水蒸気188は、水蒸気・
無菌空気界面182より上に満たされる。この無菌水蒸
気188の温度は、約95°C〜約102°Cの範囲内
であるのが好ましく、上記加熱用水蒸気184の温度よ
りも低い温度となるようにする。そのようにするための
方法として、この無菌水蒸気188の圧力を、上記加熱
用水蒸気184の圧力より低く維持する。無菌水蒸気1
88の圧力と加熱用水蒸気184の圧力の差は、約19
6パスカル(約20mm水柱)以上であるのが好まし
い。
【0014】容器搬送用のパレット200が無菌水蒸気
188の雰囲気内で容器搬送コンベヤ130上に配置さ
れる。パレット200は、例えば、アルミニウム又は耐
熱プラスチックで作られ、容器120を保持することが
できるように構成される。第1パレット移動装置202
がパレット200を下流側に移動させるように配置され
ている。第1パレット移動装置202は、空圧シリンダ
及びピストンを備えており、このピストンによりパレッ
ト200を移動させる。容器120は、開口部を下方に
向けた状態でパレット200の容器受け入れ穴200a
に保持される。パレット反転装置210が無菌水蒸気1
88の雰囲気内で容器搬送コンベヤ130の下流側端部
の付近に設けられる。パレット反転装置210はモータ
212及びアーム214を備える。モータ212の作動
により、アーム214がパレット反転装置210を回転
させ、容器120を保持したパレット200を反転させ
る。パレット反転装置210より下流側では、容器12
0は開口部120aを上方に向けた状態でパレット20
0の容器受け入れ穴200aに保持される。
【0015】第2パレット移動装置220が無菌水蒸気
188の雰囲気内でパレット200を下流側に移動させ
るように配置されている。第2パレット移動装置220
は、空圧シリンダ及びピストンを備えており、このピス
トンによりパレット200を移動させる。具材を容器1
20の中に充填させる具材充填部108がパレット反転
装置210の下流側に設けられる。図3を参照すると、
リテーナ搬送用コンベヤ232が具材充填部108に配
置されている。殺菌済みの食品具材240を収容したリ
テーナ242が水蒸気雰囲気内にあるリテーナ搬送用コ
ンベヤ232により搬送される。リテーナ反転部244
がリテーナ搬送用コンベヤ232の下流側端部付近に設
けられる。リテーナ242は矢印246の方向に移動し
て、リテーナ242は反転し、具材240は容器120
の中に収容される。リテーナ排出経路250がリテーナ
反転部244に続いて設けられる。具材240を供給し
て空になったリテーナ242は、リテーナ排出経路25
0の中を矢印252の方向に移動する。
【0016】第3パレット移動装置260がパレット2
00を下流側に移動させるように配置されている。第3
パレット移動装置260は、空圧シリンダ及びピストン
を備えており、このピストンによりパレット200を移
動させる。ソース充填部262が具材充填部108の下
流側に設けられる。殺菌済みの液体状のソースがソース
充填部262のノズル264から、具材240を収容し
た容器120の中に充填される。ノズル264を滅菌洗
浄するためのノズル洗浄用アダプタ270がノズル26
4の下方に配置されている。蓋材供給部110がソース
充填部262の下流側に設けられる。蓋材282はプラ
スチック等のシート材料で作られ、蓋材供給部110に
おいて、具材240を収容した容器120に供給され
る。不活性ガス、例えば、窒素を供給するための窒素
(N2 )供給ノズル286が、蓋材供給部280の蓋材
282を位置決めする部分の付近に設けられる。
【0017】図4を参照すると、蓋材供給部110は蓋
材用H22 バス290を備え、H 22 292がこの
蓋材用H22 バス290に入っている。シート材料の
蓋材282は蓋材用H22 バス290を通して供給さ
れる。蓋材乾燥用ノズル294が蓋材用H22 バス2
90の上方に設けられる。無菌空気300が蓋材用H2
2 バス290と蓋材供給部280との間に供給され
る。無菌空気300とH22 292との間には無菌空
気・過酸化水素液界面302が形成される。無菌空気3
00と無菌水蒸気188の間には、水蒸気・無菌空気界
面304が形成される。蓋材乾燥用ノズル294は、無
菌空気300の雰囲気内に配置されている。蓋材282
は、蓋材用H22 バス290を出てから、無菌空気3
00の雰囲気内で乾燥され、無菌蒸気188の雰囲気の
中に移動する。
【0018】窒素ガスを逃がすための窒素排出流路29
8が蓋材供給部110に設けられ、窒素排出流路298
を制御するための窒素排出流路弁296が窒素排出流路
298に設けられる。ジャケット部分180は具材充填
部108内のリテーナ242の経路及びパレット200
の経路、ソース充填部262内のパレット200の経
路、蓋材供給部110内の乾燥した蓋材282の経路を
取り囲んでいる。前述したように、加熱用水蒸気184
がジャケット部分180の中に供給されている。リテー
ナ242の経路、パレット200の経路、乾燥した蓋材
282の経路の内部には、無菌水蒸気188が供給され
ている。図5を参照すると、第1蓋材シール装置310
及び第2蓋材シール装置312が蓋材供給部110の下
流側に設けられている。蓋材カット装置318が第2蓋
材シール装置312の下流側に設けられている。第1蓋
材シール装置310、第2蓋材シール装置312及び蓋
材カット装置318は、蓋材シール部112を構成す
る。
【0019】第4パレット移動装置316がパレット2
00を下流側に移動させるように配置されている。第4
パレット移動装置316は、空圧シリンダ及びピストン
を備えており、このピストンによりパレット200を移
動させる。蓋材をシールして完成した容器即ち製品36
0を保持しているパレットを反転させるための完成パレ
ット反転装置320が第2蓋材シール装置312の下流
側に設けられている。完成パレット反転装置320はモ
ータ322及びアーム324を備える。モータ322の
回転により、アーム324が回転し、製品360を保持
したパレット200を反転させる。第5パレット移動装
置326がパレット200を下流側に移動させるように
配置されている。第5パレット移動装置326は、空圧
シリンダ及びピストンを備えており、このピストンによ
りパレット200を移動させる。
【0020】完成した容器即ち製品360を受けるため
の容器受け部材328が、完成パレット反転装置320
の下方に設けられている。完成容器搬送用コンベヤ33
0が、完成パレット反転装置320の下流側に設けられ
ている。完成パレット反転装置320より下流側では、
製品360は底部360bを上方に向けた状態で完成容
器搬送用コンベヤ330の上に位置決めされる。ジャケ
ット部分180は第1蓋材シール装置310及び第2蓋
材シール装置312内のパレット200の経路、完成パ
レット反転装置320内のパレット200の経路、完成
容器搬送用コンベヤ330の上の部分を取り囲んでい
る。前述したように、加熱用蒸気184がジャケット部
分180の中に供給されている。パレット200の経路
の内部には、無菌水蒸気188が供給されている。
【0021】無菌空気340が完成容器搬送用コンベヤ
330の下流側に供給される。無菌空気340と無菌水
蒸気188の間には、水蒸気・無菌空気界面342が形
成される。製品360は、無菌水蒸気188の雰囲気内
から無菌空気340の雰囲気内に移動する。無菌空気3
40を外気から遮蔽するためのロータリバルブ350が
完成容器搬送用コンベヤ330の下流側に設けられてい
る。製品360はロータリバルブ350を通って容器入
り食品の製造装置100から外部に排出される。変形例
として、無菌空気340を容器入り食品製造装置100
に供給することなしに、無菌蒸気188を外気と直接接
触させるように構成してもよい。この構成においては、
ロータリバルブ350を設ける必要はない。
【0022】(2)本発明の方法を適用する容器入り食
品の製造装置の作用 次に、本発明の方法を適用する容器入り食品の製造装置
100の作用について説明する。容器120に食品の具
材及びソースを充填する前に、容器入り食品の製造装置
100の内部を殺菌する。最初に、加熱用水蒸気184
をジャケット部分180の中に供給し、容器入り食品の
製造装置100のケーシング138の内壁138aを加
熱状態にする。次に、この製造装置100の内部に霧化
又は気体化した殺菌剤、例えば、H22 ガスを充填す
る。ここで、殺菌剤として過酢酸等を使用することがで
きる。次に、この製造装置100の内部のH22 ガス
を水蒸気と置換する。この置換する水蒸気の温度は、加
熱用水蒸気184の温度よりも低く、約95°C〜約1
02°Cの範囲内の温度であるのが好ましい。次に、容
器120の中に殺菌済み食品を充填する。
【0023】図2を参照すると、開口部120aを下方
に向けて、容器120を容器搬送コンベヤ130上に搬
送させる。容器案内コンベヤ134が容器120を容器
搬送コンベヤ130に案内する。容器120を容器殺菌
用H22 バス140の中に通して、容器120を殺菌
する。容器120を無菌空気170の雰囲気の中に入れ
て、乾燥用ノズル150を作動させ、容器120を乾燥
させる。約100°C〜約103°Cの範囲内の温度の
加熱用水蒸気184は、常時ジャケット部分180の中
に供給されており、上記製造装置100の内壁を加熱し
ている。約95°C〜約102°Cの範囲内の温度の別
の無菌水蒸気188がジャケット部分180で取り囲ま
れた内部に供給される。無菌水蒸気188を、水蒸気・
無菌空気界面182より上に供給する。この無菌水蒸気
188の圧力は、加熱用水蒸気184の圧力より低く維
持する。無菌水蒸気188の圧力と加熱用水蒸気184
の圧力の差を、約196パスカル(約20mm水柱)以
上に設定しておく。
【0024】開口部を下方に向けた状態で、容器120
をパレット200の容器受け入れ穴200aに保持す
る。このパレット200を容器搬送コンベヤ130によ
り移動させる。更に、第1パレット移動装置202を作
動させて、パレット200を下流側に移動させる。パレ
ット反転装置210を作動させて、容器120を保持し
たパレット200を反転させる。開口部120aを上方
に向けた状態で、容器120をパレット200の容器受
け入れ穴200aに保持する。すなわち、本発明におい
ては、容器120の開口部120aを下方に向けて、こ
の容器120を容器入り食品製造装置の無菌水蒸気18
8の雰囲気内に搬入する。そして、パレット反転装置2
10を作動させて、容器120の開口部120aが上方
に向くように容器120を回転させる。このように容器
120を移動させることにより、容器120の内部に空
気がたまったままで容器120が無菌水蒸気188の雰
囲気内に入ることがなくなる。
【0025】また、変形例として、容器120の開口部
を下方に向けて、この容器120を製造装置100の無
菌空気170の雰囲気内に搬入し、容器120を回転さ
せながら水蒸気・無菌空気界面182を通過させ、容器
120の開口部120aが上方に向くように、容器12
0を無菌水蒸気188の雰囲気内で保持してもよい。こ
のように容器120を移動させることによっても、同様
に、容器120の内部に空気がたまったままで容器12
0が無菌水蒸気188の雰囲気内に入ることをなくすこ
とができる。なお、本発明において、「容器の開口部を
下方に向ける」とは、該開口部面が水平面となるように
することだけに限定するのではなく、容器内の空気が水
蒸気中で下方に流れ出る程度に、容器を傾けた状態も包
含するものとする。
【0026】第2パレット移動装置220を作動させ
て、パレット200を移動させる。図3を参照すると、
食品の具材240を収容したリテーナ242を反転さ
せ、リテーナ242内に収容されている殺菌済の具材2
40を容器120の中に収容する。具材240は、例え
ば、肉類及び又はにんじん、じゃがいも等の野菜類であ
る。空になったリテーナ242を、リテーナ排出経路2
50を通って排出させる。第3パレット移動装置260
を作動させて、パレット200を移動させる。具材24
0を収容した容器120の中に殺菌済みソースを充填す
る。ソースは、例えば、カレーソース、シチューソー
ス、みそ汁のソースである。シート材料からなる蓋材2
82を供給する。窒素供給ノズル286から窒素を容器
120のヘッドスペースに充填する。ここで、「ヘッド
スペース」とは、容器の内部のうちで、具材240及び
ソースが入っていない上方の空間部分を示す。
【0027】ヘッドスペースに充填するガスは不活性ガ
スであるのがよい。この不活性ガスは、窒素、アルゴン
等である。不活性ガスの温度は、特に限定するものでは
ないが、比較的低い温度であるのが望ましく、例えば、
約0°C〜約50°Cの範囲内であるのがよい。これに
より、不活性ガスが水蒸気よりも下方に移動し易くな
り、ヘッドスペースの水蒸気をこの不活性ガスによって
確実に置換させることができる。不活性ガスを容器12
0のヘッドスペースに供給する速度は、容器120の移
動速度とほぼ同等の速度であるのが好ましい。この不活
性ガスの供給速度は、例えば、3m/min〜60m/
minの範囲内であるのがよい。このような不活性ガス
の供給は、水蒸気雰囲気内に乱流を生じないような速度
であるのがよい。すなわち、不活性ガスの供給は、層流
を維持するような速度で行うのがよい。
【0028】不活性ガスの供給量は、容器120のヘッ
ドスペースの体積の約2倍から3倍の範囲内の体積であ
るのがよい。図4を参照すると、シート材料の蓋材28
2を蓋材用H22 バス290を通して、無菌空気30
0内で乾燥させる。そして、蓋材282を無菌水蒸気1
88の雰囲気の中に移動させる。具材充填部108内の
リテーナ242の経路及びパレット200の経路、ソー
ス充填部262内のパレット200の経路、蓋材供給部
110内の乾燥した蓋材282の経路を取り囲んでいる
ジャケット部分180の中は、加熱用蒸気184が供給
されている。リテーナ242の経路、パレット200の
経路、乾燥した蓋材282の経路の内部は、無菌水蒸気
188が供給される。
【0029】図5を参照すると、第1蓋材シール装置3
10が蓋材282を容器120に一次シールする。第2
蓋材シール装置312が蓋材282を容器120に二次
シールする。蓋材カット装置318を作動させて、蓋材
282を切断する。シールが完了した容器即ち製品36
0を保持しているパレット200を、第4パレット移動
装置316により移動させる。完成パレット反転装置3
20を作動させて、完成した容器即ち製品360を保持
しているパレットを反転させる。第5パレット移動装置
326を作動させて、パレット200を移動させる。製
品360を容器受け部材328によって受ける。製品3
60は底部360bを上方に向けた状態で完成容器搬送
用コンベヤ330の上を移動する。
【0030】第1蓋材シール装置310及び第2蓋材シ
ール装置312内のパレット200の経路、完成パレッ
ト反転装置320内のパレット200の経路、完成容器
搬送用コンベヤ330の上の部分を取り囲んでいるジャ
ケット部分180には、加熱用水蒸気184が供給され
ている。パレット200の経路の内部には、無菌水蒸気
188が供給されている。無菌空気340が完成容器搬
送用コンベヤ330の下流側に供給され、水蒸気・無菌
空気界面342が形成される。製品360は、無菌水蒸
気188の雰囲気から無菌空気340の雰囲気の中に移
動する。製品360をロータリバルブ350を通って排
出させる。
【0031】(3)本発明の方法を適用する容器入り食
品製造装置の他の実施の形態の構造 図6を参照すると、本発明の方法を適用する容器入り食
品製造装置の他の実施の形態において、容器入り食品の
製造装置500は、図2に示す容器入り食品の製造装置
100と同様に、容器120を搬送するための容器搬送
コンベヤ130を備える。容器入り食品の製造装置50
0が容器入り食品の製造装置100と異なる部分は、容
器殺菌用H22 バス140、乾燥用ノズル150、無
菌空気保持部152、弁160を備えておらず、この無
菌空気保持部152に無菌空気を供給していない点にあ
る。すなわち、空気570が無菌空気の代わりに存在す
る。このため、容器入り食品の製造装置500のジャケ
ット部分580は、図2に示す容器入り食品の製造装置
100のジャケット部分180とは異なり、2つの延長
部580a及び580bを有している。この延長部58
0a及び580bにより、無菌水蒸気188がケーシン
グ138の外部に排出されるのを阻止している。従っ
て、この構造においては、無菌水蒸気188は、水蒸気
・空気界面582より上に満たされている。
【0032】そして、このような構造の容器入り食品の
製造装置500を用いる本発明の容器入り食品の製造方
法では、容器入り食品を製造するときに、容器120の
開口部を下方に向けて、この容器を容器入り食品の製造
装置500の無菌水蒸気188の雰囲気の中に搬入す
る。そして、容器120の開口部120が上方に向くよ
うに容器を回転させる。このように容器120を移動さ
せることにより、容器内に空気がたまったままで容器が
水蒸気雰囲気内に入ることをなくすことができる。ま
た、本発明の他の容器入り食品の製造方法では、容器入
り食品を製造するときに、この容器120を回転させな
がら水蒸気・空気界面582を通過させ、容器入り食品
製造装置500の無菌水蒸気188の雰囲気の中に搬入
する。そして、容器120の開口部120aが上方に向
くように、容器120を無菌水蒸気188の雰囲気の中
で保持する。
【0033】このように容器を移動させることによって
も同様に、容器内に空気がたまったままで容器が蒸気雰
囲気内に入ることをなくすことができる。本発明のこの
ような構成により、容器入り食品製造装置の構造を、な
お一層簡単なものにすることができ、また、容器入り食
品の製造方法の工程を、より一層単純なものとすること
ができる。しかも、本発明のこの構成においても、容器
を水蒸気の雰囲気で殺菌することができるので、容器の
殺菌の品質を充分に確保することができる。
【0034】
【発明の効果】本発明の方法を用いることにより、容器
の内部に空気が入ったままにならないで容器を水蒸気室
に搬入し、空気が存在しない品質を長期間良好に保持で
きる容器入り食品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を適用する容器入り食品製造装置
の実施の形態の概略全体構造を示す斜視図である。
【図2】図1の2A方向から見た、本発明の方法を適用
する容器入り食品製造装置の実施の形態を示す断面図で
ある。
【図3】図1の3A方向から見た、本発明の方法を適用
する容器入り食品製造装置の実施の形態を示す断面図で
ある。
【図4】本発明の方法を適用する容器入り食品製造装置
の実施の形態の蓋を供給する部分を示す断面図である。
【図5】図1の5A方向から見た、本発明の方法を適用
する容器入り食品製造装置の実施の形態を示す断面図で
ある。
【図6】本発明の方法を適用する容器入り食品製造装置
の他の実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
100 容器入り食品製造装置 102 容器供給部 104 容器殺菌部 106 容器反転部 108 具材充填部 110 蓋材供給部 112 蓋材シール部 114 製品排出部 120 容器 130 容器搬送コンベヤ 132 容器案内コンベヤ 140 容器殺菌用H22 バス 142 無菌空気・過酸化水素液界面 150 乾燥用ノズル 180 ジャケット部分 182 水蒸気・無菌空気界面 184 加熱用水蒸気 188 無菌水蒸気 200 パレット 202 第1パレット移動装置 210 パレット反転装置 220 第2パレット移動装置 232 リテーナ搬送用コンベヤ 240 食品具材 242 リテーナ 250 リテーナ排出経路 260 第3パレット移動装置 262 ソース充填部 282 蓋材 286 窒素供給ノズル 290 蓋材用H22 バス 294 蓋材乾燥用ノズル 296 窒素排出流路弁 298 窒素排出流路 310 第1蓋材シール装置 312 第2蓋材シール装置 316 第4パレット移動装置 320 完成パレット反転装置 326 第5パレット移動装置 330 完成容器搬送用コンベヤ 342 水蒸気・無菌空気界面 350 ロータリバルブ 360 製品 500 容器入り食品の製造装置 570 空気 580 ジャケット部分 582 水蒸気・空気界面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器を殺菌する段階と、 前記容器を無菌空気室に搬入する段階と、 前記容器の開口部を下方に向けて、前記容器を容器入り
    食品の製造装置の水蒸気室に搬入する段階と、 前記水蒸気室内において、前記容器の開口部が上方に向
    くように前記容器を回転させる段階と、を含むことを特
    徴とする容器入り食品の製造方法。
  2. 【請求項2】 容器を殺菌する段階と、 前記容器を無菌空気室に搬入する段階と、 前記容器の開口部を下方に向けて、前記容器を回転させ
    ながら水蒸気・無菌空気界面を通過させ、容器入り食品
    の製造装置の水蒸気室に搬入する段階と、 前記水蒸気室内において、前記容器の開口部が上方に向
    くように容器を水蒸気室で保持する段階と、を含むこと
    を特徴とする容器入り食品の製造方法。
  3. 【請求項3】 容器の開口部を下方に向けて、前記容器
    を容器入り食品の製造装置の水蒸気室に搬入する段階
    と、 水蒸気室内において、前記容器の開口部が上方に向くよ
    うに前記容器を回転させる段階と、を含むことを特徴と
    する容器入り食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 容器の開口部を下方に向けて、前記容器
    を回転させながら水蒸気・空気界面を通過させ、容器入
    り食品の製造装置の水蒸気室に搬入する段階と、 水蒸気室内において、前記容器の開口部が上方に向くよ
    うに容器を水蒸気室で保持する段階と、を含むことを特
    徴とする容器入り食品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020202851A (ja) * 2013-02-05 2020-12-24 マース インコーポレーテッドMars Incorporated パックされた食品を製造する方法

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