JP2001249128A - 動脈硬化症またはアルツハイマー病の診断用キット - Google Patents

動脈硬化症またはアルツハイマー病の診断用キット

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JP2001249128A
JP2001249128A JP2000060737A JP2000060737A JP2001249128A JP 2001249128 A JP2001249128 A JP 2001249128A JP 2000060737 A JP2000060737 A JP 2000060737A JP 2000060737 A JP2000060737 A JP 2000060737A JP 2001249128 A JP2001249128 A JP 2001249128A
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alzheimer
macroglobulin
arteriosclerosis
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Kazuo Uchida
壱夫 内田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 動脈硬化症、アルツハイマー症の発症・進展
に共通して深く関わる物質を明らかにし、これら疾患の
新規な診断法を提供する。 【解決手段】 血液中のLp(a)とα2-マクログロブリン/
インターロイキン6との複合体を測定対象にし、抗ヒト
α2-マクログロブリン抗体および、抗ヒトLや(a)抗
体を用いて免疫学的方法により測定することからなる動
脈硬化症またはアルツハイマー病を診断する方法およ
び、その診断用キット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液中のLp(a)とα2-
マクログロブリン(α2M)/インターロイキン6(IL6)との
複合体を測定することにより、動脈硬化症およびアルツ
ハイマー病を診断するキットに関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】Lp(a)は1963年にBerg
(Berg K. Acta Pathol Microbiol Scand, 59: 369-38
2, 1963)によって発見されたリポ蛋白で、動脈硬化発
症・進展の危険因子とされてきた。即ち、動脈硬化性疾
患の範疇である虚血性心疾患、脳血管障害、末梢動脈硬
化症、家族性高コレステロール血症などで高値を示す。
また、Lp(a)は急性相反応物質の一つであって、炎症な
どの急性相反応によって血中濃度が増加することはよく
知られている。しかし、プロスペクティブな疫学調査で
は、多くの報告があるが、その半数は疾患群と健常群と
の間で有意差を認めないなど、動脈硬化症=高Lp(a)血
症とは考えられず、なんらかの機序によってLp(a)濃度
が上昇することが虚血性心疾患などの発症を規制してい
ることが推測されている状況にある(野間昭夫. 動脈硬
化, 24: 369-374, 1996)。
【0003】一方、α2M/LDL受容体関連蛋白(α2M/LR
P)は、中枢神経系では神経細胞と一部のグリア細胞に
発現していることが知られている。α2M/LRPの主要なリ
ガンドであるアポリポ蛋白E、α2M、その他のプロテア
ーゼインヒビターとプロテアーゼの複合体などは、いず
れも中枢神経系で生成され、とくにアルツハイマー病脳
ではその生成が亢進していることが知られている(秋山
治彦, 他. 蛋白質 核酸酵素, 41: 1470-1475, 199
6)。また、アルツハイマー病患者脳では老人斑へのα2
Mの沈着が報告されている(Bauer, J. ET al. FHBS Let
t, 285: 111-114, 1991)。
【0004】最近の疫学調査ではアルツハイマー病の発
症の背景には動脈硬化症があることが指摘されており
(Kalaria, RN. Pharmacol &Ther. 72: 193, 1996)、
リポ蛋白の酸化変性やアポ蛋白Eの表現型と動脈硬化症
やアルツハイマー病の発症との関連が注目されている
(Prem Kumar, DRD. et al. Am J Pathol. 148: 2083,
1996)。現時点で考えうる可能性としては、活性酸素に
よりVLDLが酸化修飾されてヘパリン結合能を失い、難溶
性の沈澱を形成することによって脂質過酸化物が血管や
神経組織に蓄積し、細胞を傷害することが予想されてい
る(中村和行, 他. Jpn J Electroph. 42: 27, 199
8)。最近の一般的な考え方として、動脈硬化症の発症
・進展に関わる原因物質として酸化LDLがクローズアッ
プされているが、動脈硬化症とアルツハイマー病の発症
・進展に共通する関与物質はいまだに不明である。した
がって、本研究は、動脈硬化症、アルツハイマー症の発
症・進展に共通して深く関わる物質を明らかにし、これ
ら疾患の新規な診断法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の動脈硬化
症およびアルツハイマー病の診断システムの新規開発が
急務であるという要望に応える目的でなされたものであ
り、更に詳細には、上述の技術背景に鑑み鋭意研究を進
めた結果、本発明は血液中にLp(a)/(α2M-IL6)複合体
が存在する事実を発見することによりなされたものであ
る。
【0006】以下、本発明を詳しく説明する。アポ(a)
遺伝子はプラスミノーゲン遺伝子、プラスミノーゲン関
連遺伝子、肝細胞増殖因子遺伝子などとともにプラスミ
ノーゲン・アポ(a)遺伝子ファミリーに属しており、第6
染色体長腕のバンド26-27に隣接して存在することが知
られている。また、5´領域において Wade(Wade DP, e
t al. Proc Natl Acd Sci USA, 90: 1369, 1993)ら
は、この領域中の数カ所にIL6に反応する部位が存在す
ることを確認している。
【0007】一方、IL6は血液中のα2Mと安定した複合
体を形成して存在することが知られており、これらの諸
事実から本発明は、血液中においてLp(a)/(α2M/IL6)
複合体の存在を予測し、研究を重ねた結果、Lp(a)/(α2
M/IL6)複合体の存在を発見した。このLp(a)/(α2M/IL
6)複合体は、Lp(a)(易酸化性で動脈硬化症惹起性リポ
蛋白)、α2M(この複合体中のα2MはLDL受容体関連蛋
白受容体:LRPのリガンドとなり得る)、IL6(炎症に関
与する蛋白)で構成されていることから、上述の動脈硬
化症発症・進展およびアルツハイマー病発症に関与する
共通因子であるといえる。
【0008】なお典型的には、本発明は、抗ヒトα2マ
クログロブリン抗体を固相抗体として用い、Lp(a)/(α2
M/IL6)と反応させた後に、酵素をはじめとする標識物
質をラベルした抗ヒトLp(a)抗体、もしくは抗ヒトアポB
抗体を反応させて、血液中のLp(a)/(α2M/IL6)複合体
を検出する方法である。この場合、血液中のリポ蛋白を
超遠心法や化学物質を用いた沈澱法で分画したものを試
料とすることが可能である。また、この検出の臨床応用
としては、動脈硬化症やアルツハイマー病の早期診断に
好適である。
【0009】
【実施例】以下、本発明について具体的に説明する。 [ELISAによる血液中のLp(a)/(α2M/IL6)複合体の検出
法] A. 試料の調製 1. デキストラン硫酸液(0.05M CaCl2)1.5mlに、血清5
0μlを添加し、混和後室温に30分間放置する。 2. 3000rpmで15分間遠心し、上清をデカントで捨てる。 3. 250μlの2.5% NaCl液で沈澱を溶解する。この溶解液
をELISAのサンプルとする。
【0010】B. ELISAの操作手順 1. 抗ヒトα2マクログロブリンポリクローナル抗体を0.
05M Tris-HCl, 0.15M NaCl pH8.0緩衝液に5μg/mlで溶
解し、マイクロプレートに100μl/wellで分注する。 2. 4℃下で一晩物理吸着後、蒸留水で3回洗浄し、0.1%
ショ糖と牛血清アルブミン、0.05% アジ化ナトリウムを
含む0.05M、pH7.5で調整したTris-HCl緩衝液を100μl/w
ellで分注し室温で30分以上静置した後、液を廃棄し4℃
で乾燥させる。乾燥したマイクロプレートを蒸留水250
μl/wellで3回洗浄する。 3. マイクロプレートに55mg/ml Mouse Gamma Globulin
とRabbit Gamma Globulin 含有1% BSA溶液を100μl/we
ll分注し、これに試料あるいは標準液を50μl添加す
る。 4. 室温下 1.5時間反応させる。 5. 0.005% Tween 20溶液250μl/wellで5回洗浄する。
【0011】6. ビオチン標識Fab´化抗ヒトLp(a)ポリ
クローナル抗体を1% BSA溶液で1.6μg/mlとし、100μl/
well分注する。 7. 室温下 1.5時間反応させる。 8. 5. と同様、0.005% Tween20溶液250μl/wellで5回洗
浄する。 9. HRP標識アビジンD(Vector Laboratories社製)を1%
カゼイン溶液で15000倍希釈とし、100μl/well分注す
る。 10. 室温下 30分間反応させる。 11. 5. と同様、0.005% Tween20溶液250μl/wellで5回
洗浄する。 12. 発色試薬を100μl/well分注し、室温下 30分間反応
させる。 13. 1Mリン酸水溶液を100μl/well分注し、反応を停止
する。 14. 主波長450nm、副波長620nmで測光する。 15. 人工的に調整したLp(a)/α2マクログロブリン複合
体により求めた検量線から試料中の複合体濃度を算出す
る。
【0012】[冠動脈疾患における血中Lp(a)/(α2M/IL
6)複合体濃度]冠動脈造影検査により、1segmentに50%
以上の有意狭窄病変を有するものを動脈硬化症と定め、
これに基づき冠動脈硬化症と診断された患者、CAD
(+)群(n=30)、健常者群、CAD(−)群(n=30)を
対象に、血中Lp(a)/(α2M/IL6)複合体を測定し、比較
検討したところ、CAD(+)群が有意な高値を示した
(図1)。
【図面の簡単な説明】
【図1】冠動脈硬化症における血中のLp(a)/(α2M/IL
6)濃度を図示したものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Lp(a)とα2-マクログロブリン/インター
    ロイキン6との複合体を測定対象にする動脈硬化症また
    はアルツハイマー病を診断キット。
  2. 【請求項2】 Lp(a)中でアポ(a)遺伝子の5´領域中に
    存在する数カ所のインターロイキン6反応部位に結合し
    たα2-マクログロブリン/インターロイキン6複合体を測
    定することによる請求項1に記載の診断用キット。
  3. 【請求項3】 酵素免疫法、イムノクロマト法、ラテッ
    クス凝集法などの免疫学的方法により、血液中のLp(a)
    とα2-マクログロブリン/インターロイキン6との複合体
    を測定することを特徴とする請求項1又は2に記載の診
    断用キット。
  4. 【請求項4】 デキストラン硫酸/Ca2+沈澱法で得たVL
    DL、LDL、Lp(a)画分を試料として、血液中のLp(a)とα2
    -マクログロブリン/インターロイキン6との複合体を測
    定することを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の
    診断用キット。
  5. 【請求項5】 抗ヒトα2-マクログロブリン抗体およ
    び、抗ヒトLp(a)抗体を用いることを特徴とする請求項3
    又は4に記載の診断用キット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2011209291A (ja) * 2004-09-29 2011-10-20 Proteome Sciences Plc アルツハイマー病に関する方法及び組成物

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