JP2001248488A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JP2001248488A
JP2001248488A JP2000057432A JP2000057432A JP2001248488A JP 2001248488 A JP2001248488 A JP 2001248488A JP 2000057432 A JP2000057432 A JP 2000057432A JP 2000057432 A JP2000057432 A JP 2000057432A JP 2001248488 A JP2001248488 A JP 2001248488A
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combustion
internal combustion
combustion engine
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Hirobumi Kubota
博文 久保田
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Toyota Motor Corp
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    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/30Controlling fuel injection
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】燃費性能の悪化を好適に抑えながらも、触媒の
温度低下に伴う排気浄化効率の低下を抑制することので
きる内燃機関の制御装置を提供する。 【解決手段】燃焼形態を均質燃焼と成層燃焼との間で切
り替える内燃機関10の排気通路12には、触媒19、
20が設けられている。電子制御装置21は、触媒温度
Tcを推定し、成層燃焼の実行中に触媒温度Tcが所定
温度αを下回ると、内燃機関10に吸入される吸気量を
低減して、触媒温度Tcの低下速度を抑える。そして更
に、触媒温度Tcが設定温度βまで低下したところで、
内燃機関10の燃焼形態を均質燃焼に切り替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼形態を均質燃
焼と成層燃焼との間で切り替える内燃機関の制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば気筒内に燃料を直接噴射する筒内
噴射式内燃機関のように、燃焼形態を均質燃焼と成層燃
焼との間で切り替える内燃機関が知られている。
【0003】こうした筒内噴射式内燃機関では、吸気行
程中に燃料を噴射することで、気筒内に均質に分散した
混合気を形成し、一般のポート噴射式内燃機関と同様の
均質燃焼を行うことができる。また更に、圧縮行程中に
燃料を噴射することで、点火プラグの周囲のみに可燃な
濃い混合気を形成して、超希薄空燃比での燃焼を可能と
する成層燃焼を行うことができる。そして、こうした筒
内噴射式内燃機関に限らず、成層燃焼を行う内燃機関で
は、超希薄空燃比での成層燃焼を行うことで、特に内燃
機関のアイドル運転などが行われる低負荷域において、
燃焼効率を高め、燃費性能の向上を図ることができる。
【0004】なお、成層燃焼では均質燃焼と比べ、燃料
の燃焼による発熱量に対して気筒内の空気量が相対的に
多いため、排気ガスの温度が低くなる。そして、成層燃
焼下でのアイドル運転時などの機関低負荷域では、排気
ガスの温度が内燃機関の排気系に設けられた触媒の活性
温度域を下回ることがある。そのため、成層燃焼下でア
イドル運転が長期に亘って継続された場合などには、低
温の排気ガスが触媒を流過することによって触媒の熱量
が奪われ、やがては触媒の温度が活性温度域を下回るま
で低下して、排気の浄化効率が十分に確保できなくなる
ことがある。
【0005】そこで、特開平10−47040号公報に
記載の内燃機関の制御装置では、成層燃焼の実行中に触
媒の温度が設定温度よりも低くなると、燃焼形態を均質
燃焼へと切り替えるようにしている。こうして燃焼形態
を均質燃焼に切り替えれば、排気ガスが高温化し、触媒
が昇温されるため、排気の浄化効率を保持することがで
きるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように触媒の温度
低下をもって燃焼形態を成層燃焼から均質燃焼へと切り
替えるようにすれば、排気の浄化効率の低下を抑えるこ
とは確かにできるものの、次のような不具合も無視でき
ないものとなる。
【0007】燃焼形態が均質燃焼へと切り替えられる
と、排気ガスの温度は高まるものの、その反面、排気ガ
スと共に内燃機関から排出される熱量が多くなり、成層
燃焼に比して燃焼効率が悪化するため、内燃機関の燃費
性能が低下してしまう。
【0008】上記公報の制御装置は、成層燃焼を一旦打
ち切ることで、低下した触媒の温度を昇温するものであ
り、成層燃焼を持続しながら触媒の温度低下を抑えるこ
とはできない。そのため、触媒の低温化による排気の浄
化効率の低下を抑えるには、成層燃焼を一旦打ち切る他
なく、その結果、均質燃焼が実行される機会が増大し
て、内燃機関の燃費性能の悪化は避け難いものとなる。
【0009】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、燃費性能の悪化を好適に抑
えながらも、触媒の温度低下に伴う排気浄化効率の低下
を抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明は、燃焼形態を均質燃焼と成層燃焼と
の間で切り替えるとともに、排気系に設けられた触媒の
温度を検出若しくは推定し、成層燃焼の実行中に前記触
媒の温度が設定温度よりも低くなることをもって燃焼形
態を均質燃焼へと切り替える内燃機関の制御装置におい
て、前記触媒の温度が前記設定温度以上であって成層燃
焼が実行されているとき、前記触媒の温度が低いときに
は同触媒の温度が高いときに比して、同一運転状態での
前記内燃機関に吸入される吸気量が相対的に少なくなる
ように同吸気量の制御を実施する制御手段を備えるよう
にしたものである。
【0011】上述したように、成層燃焼を一旦打ち切
り、均質燃焼へと切り替えれば、排気ガスの温度が高ま
り、触媒が昇温されるため、同触媒の温度低下に伴う排
気の浄化効率の悪化を抑えることができる。しかしなが
ら、燃焼形態を均質燃焼に切り替えれば、燃焼効率が低
下して燃費性能が悪化することは避けられなくなる。
【0012】その点、この構成では、成層燃焼の実行中
に触媒の温度が低下すると、先ずは同触媒の温度が高い
ときに比して同一運転状態での内燃機関に吸入される吸
気量が相対的に少なくなり、その結果、触媒を流過する
排気ガスの量も相対的に少なくなる。そのため、排気ガ
スの温度が触媒の活性温度域よりも低温となっていて
も、触媒を流過する排気ガスの量が低減されており、低
温の排気ガスによって触媒から奪われる熱量が減るた
め、触媒の温度低下の速度が抑えられる。
【0013】そして、こうして成層燃焼を維持しながら
触媒の温度低下の速度を抑えた上で、更に触媒の温度が
低下して設定温度よりも低くなった時点で、はじめて燃
焼形態を均質燃焼に切り替えるようにしている。そのた
め、触媒温度の低下速度を抑えておくことで、均質燃焼
への切り替えが必要となるまでの時間が遅延され、均質
燃焼が行われる機会が低減されるようになる。したがっ
て、成層燃焼での排気ガスの低温化に起因する排気浄化
効率の悪化を抑えながらも、均質燃焼への切り替えに伴
う燃費性能の悪化も好適に抑制することができるように
なる。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の内燃機関の制御装置において、前記制御手段
を、前記触媒の温度が低いほど、同一運転状態での前記
吸気量が相対的に少なくなるように前記吸気量の制御を
実施するようにしたものである。
【0015】上記のように、吸気量を低減すれば、成層
燃焼を維持しながらも触媒の温度低下を抑えることがで
きる。しかしながら、機関運転状態に応じて設定された
本来の吸気量を低減してしまえば、均質燃焼に切り替え
た場合ほどではないにせよ、ある程度の燃費性能の低下
は避けられない。その点、この構成では、成層燃焼の実
行中に、触媒の温度が低下するほど、内燃機関に吸入さ
れる吸気量が相対的に少なくなり、同触媒を流過する排
気ガスの量も触媒の温度の低下とともに減量される。そ
のため、触媒の温度が比較的高くて、余裕があるときに
は、吸気量の低減分が少なく、燃費性能の悪化を抑える
ことができる。そして、触媒の温度が設定温度に近づく
ほどに、吸気量の低減分が増やされ、触媒温度の低下速
度の抑制効果が高められるようになる。したがって、排
気浄化効率の低下、及び燃費性能の悪化をより適切に抑
制することができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
かかる内燃機関の制御装置を具体化した第1実施形態に
ついて、図を参照して詳細に説明する。
【0017】図1は、本実施形態にかかる制御装置及び
同制御装置が適用される内燃機関10の概略構成を示し
ている。同図1に示すように、車両に搭載される内燃機
関10には、その気筒内に燃料を直接噴射するインジェ
クタ13と、この噴射された燃料と空気との混合気を点
火する点火プラグ14とが設けられている。この内燃機
関10では、インジェクタ13による燃料の噴射態様の
変更することで、その燃焼形態を均質燃焼と成層燃焼と
の間で切り替えるようにしている。
【0018】例えば、均質燃焼を実行するときには、内
燃機関10の吸気行程中にインジェクタ13からの燃料
噴射を実施することで、気筒内全体に燃料が均質に分散
した混合気を形成するようにしている。また、この内燃
機関10では、均質燃焼として、混合気の空燃比を理論
空燃比(A/F=14.5)としたストイキ燃焼と、空
燃比を理論空燃比よりもリーン側(例えばA/F=1
4.5〜25)に設定した均質リーン燃焼とを行うよう
にしている。
【0019】一方、成層燃焼を実行するときには、内燃
機関10の圧縮行程後期にインジェクタ13からの燃料
噴射を実施することで、点火時に点火プラグ14周囲の
みに可燃な燃料濃度の濃い混合気を形成するようにして
いる。こうして、空燃比を上記均質リーン燃焼よりも更
にリーン側(例えばA/F=25〜50)に設定しての
成層燃焼を可能としている。
【0020】内燃機関10の吸気通路11には、エアク
リーナ15を通じて導入される空気の導入量(吸入空気
量)を調整するためのスロットルバルブ16が設けられ
ている。また、この内燃機関10には、吸気通路11と
排気通路12とを連通するEGR(排気再循環)通路1
7が設けられており、そのEGR通路17には、同EG
R通路17を通じて吸気通路11内に再循環される排気
ガス(EGRガス)の量を調整するためのEGRバルブ
18が設けられている。そして、これらのスロットルバ
ルブ16及びEGRバルブ17の開度調整によって、内
燃機関10に導入される吸気量(吸入空気量とEGR量
との総量)が調整される。
【0021】また、この内燃機関10には、機関速度を
検出するためのNEセンサ22、アクセルペダルの踏み
込み量を検出するためのアクセルセンサ23に加え、内
燃機関10の各種運転状態を検出するための各種センサ
類24が設けられている。これら各センサ類22〜24
の検出信号は、内燃機関10の各種制御を司る電子制御
装置(ECU)21に入力される。ECU21は、これ
らセンサ類22〜24によって検出される内燃機関10
の運転状態に応じて、上記インジェクタ13による燃料
の噴射量や噴射時期、点火プラグ14による点火の時
期、或いはスロットルバルブ16やEGRバルブ18の
開度調整による吸気量(吸入空気量、EGR量)などの
各種制御を実行する。そして、こうした内燃機関10の
各種制御を通じて、上述の燃焼形態の制御も行われる。
【0022】さて、本実施形態では、内燃機関10の排
気通路12には、三元触媒19と、その下流側に位置す
るNOx吸蔵還元触媒20との2つの触媒がそれぞれ設
けられている。そして、これら三元触媒19及びNOx
吸蔵還元触媒20とによって、排気ガス中に含まれるH
C(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、及びNOx(窒
素酸化物)の浄化が行われる。
【0023】すなわち、三元触媒19は、HC及びCO
を酸化すると同時にNOxを還元して排気の浄化を行っ
ており、空燃比が理論空燃比の付近のときに効率良く排
気を浄化することができる。一方、NOx吸蔵還元触媒
20は、成層燃焼中に排気ガス中のNOxを一旦吸蔵
し、空燃比がリッチとなって排気中の酸素濃度が低下し
たときに、排気ガス中のHC、COを還元剤として吸蔵
したNOxを還元し、浄化する。そして、これら三元触
媒19とNOx吸蔵還元触媒20とを併用することで、
燃焼形態に拘わらず、効率良く排気を浄化するようにし
ている。
【0024】なお、成層燃焼中は、燃料の燃焼に伴う発
熱量に対して内燃機関10の吸気量が相対的に多く、均
質燃焼中に比して排気ガスの温度が低くなる傾向にあ
り、特に内燃機関10のアイドル運転時などには、排気
ガスの温度が上記触媒19、20の活性温度域を下回る
ことがある。そのため、長期に亘ってアイドル放置され
た場合などには、流過する低温の排気ガスによって触媒
19、20の熱量が奪われ、そのまま放置しておけば、
触媒19、20の温度は活性温度域を下回るまで低下
し、排気の浄化効率を十分に維持できなくなってしま
う。
【0025】そこで、以上説明した構成を備える本実施
形態の内燃機関の制御装置では、三元触媒19及びNO
x吸蔵還元触媒20の温度低下に伴う排気浄化効率の低
下を抑えるため、それら触媒19、20の温度を機関運
転状態の履歴に基づき推定するとともに、その温度低下
の抑制する処理を実行するようにしている。
【0026】次に、こうした触媒の温度低下の抑制処理
の詳細について、図2〜図4を併せ参照して説明する。
この処理においては、上記触媒19、20の温度がそれ
らの活性温度域の下限付近に設定された設定温度βを下
回れば、それら触媒19、20を早急に昇温する必要あ
りと判断して、燃焼形態を成層燃焼から均質燃焼へと切
り替えるようにしている。こうして均質燃焼に切り替え
れば、排気ガスの温度が高まり、触媒19、20を昇温
できるようになる。ただし、燃焼形態を均質燃焼へと切
り替えれば、成層燃焼下での高い燃費性能は維持できな
くなってしまう。そこで、本実施形態の内燃機関の制御
装置では、触媒19、20の温度が上記設定温度βまで
低下するのに先立ち、それらの温度低下の速度を抑え、
均質燃焼への切り替えが行われる機会を低減するような
制御を実施している。
【0027】図2は、こうした成層燃焼中の触媒の温度
低下の抑制にかかる処理手順を示すフローチャートであ
る。このフローチャートに示す一連の処理は、ECU2
1によって周期的に実行される。
【0028】この処理では先ず、上記三元触媒19やN
Ox吸蔵還元触媒20の温度(「触媒温度」)Tcを推
定している(ステップ10)。ここでは、触媒温度Tc
を、そのときの機関負荷や機関速度などの内燃機関10
の運転状態、及びその運転状態の履歴に基づいて推定し
ている。
【0029】次に、内燃機関10が成層燃焼中であるか
否かが判断され(ステップ11)、成層燃焼中でなけれ
ば(「NO」)、本ルーチンの処理を一旦終了する。こ
こで成層燃焼中であれば(ステップ11:「YE
S」)、上記の如く推定された触媒温度Tcが所定温度
α未満であるか否かが判断される(ステップ12)。こ
の所定温度αは、上記均質燃焼への切り替えが行われる
設定温度βよりも高温側に設定されている。そして、触
媒温度Tcがこの所定温度α以上であれば(ステップ1
2:「NO」)、通常の成層燃焼がそのまま継続される
(ステップ14)。
【0030】一方、触媒温度Tcが所定温度αを下回っ
ていれば(ステップ12:「YES」)、同触媒温度T
cが上記設定温度βを下回っているか否かが判断される
(ステップ13)。ここで、触媒温度Tcが設定温度β
を下回っていれば(「YES」)、上述したように内燃
機関10の燃焼形態が成層燃焼から均質燃焼へと切り替
えられる。本実施形態では、このときの均質燃焼の形態
として、空燃比を理論空燃比に設定したストイキ燃焼を
行うようにしている。
【0031】そして、本実施形態の内燃機関の制御装置
では、触媒温度Tcが所定温度αから設定温度βにある
ときには(ステップ12:「NO」)、吸気量低減モー
ドで成層燃焼が継続されるようになる。この吸気量低減
モードでの成層燃焼では、通常の成層燃焼時に比して、
同一運転状態での吸気量が相対的に少なくなるように吸
気量の制御を実施している。
【0032】図3は、こうした通常及び吸気量低減モー
ドにおける成層燃焼時の吸気量の設定にかかる処理手順
を示すフローチャートである。このフローチャートに示
す一連の処理は、成層燃焼中、ECU21によって周期
的に実行される。
【0033】この処理では先ず、吸気量低減モードに設
定されているか否かが判断される(ステップ20)。そ
して、吸気量低減モードに設定されていなければ(ステ
ップ20:「NO」)、すなわち上記温度低下抑制処理
において通常の成層燃焼に設定されていれば、「通常の
成層燃焼用の算出マップ」をそれぞれ用いてEGR量及
びスロットル開度が算出される(ステップ22)。
【0034】また、吸気量低減モードに設定されていれ
ば(ステップ20:「YES」)、「吸気量低減用の算
出マップ」をそれぞれ用いてEGR量及びスロットル開
度が算出される(ステップ21)。
【0035】これら算出マップは、ECU21のメモリ
に予め記憶されており、それら算出マップを用いること
で、機関運転状態、例えば機関負荷や機関回転速度など
に応じたEGR量或いはスロットル開度を算出すること
ができる。なお、上記吸気量低減用の算出マップは、通
常の成層燃焼用の算出マップに比して、同一の運転状態
でのEGR量及びスロットル開度が相対的に少なくなる
ように設定されている。
【0036】その結果、成層燃焼中に吸気量低減モード
が設定されているとき、すなわち触媒温度Tcが設定温
度βから所定温度αの範囲にあるときには、同触媒温度
Tcが所定温度α以上であって通常の成層燃焼が行われ
ているときに比して、同一の運転状態におけるEGR量
及び吸入空気量が相対的に低減され、内燃機関10に吸
入される吸気量が相対的に少なくなる。
【0037】そして、内燃機関10に吸入される吸気量
が低減されれば、上記各触媒19、20を流過する排気
ガスの流量も少なくなるため、触媒19、20から奪わ
れる熱量を減らすことができる。その結果、排気ガスの
温度を高めて触媒19、20の昇温までは図れないもの
の、それらの温度低下の速度を抑えることができるよう
になる。
【0038】次に、本実施形態における触媒の温度低下
の抑制にかかる処理態様について、図4を併せ参照して
説明する。図4(a)は、触媒温度Tcの推移を示して
いる。ここで、成層燃焼中に排気ガスが低温化して、触
媒温度Tcが低下していき、時刻t1において、上記所
定温度αまで低下したものとする。
【0039】ここで、そのままの状態を維持すれば、同
図(a)に破線で示すように、触媒温度Tcは、時刻t
1以前と同じペースで低下し続け、時刻t2には設定温
度βまで低下して、均質燃焼への切り替えが行われるよ
うになる。
【0040】一方、本実施形態の内燃機関の制御装置で
は、上記のように触媒温度Tcが所定温度αを下回る
と、吸気量低減モードに設定される(図2のステップ1
5)。そして、成層燃焼を維持しながらも、EGR量及
び吸入空気量が低減されて、同図4(b)に示すよう
に、内燃機関10に吸入される吸気量が低減される。そ
の結果、排気ガスの流量も低減されて、各触媒19、2
0の温度低下の速度が抑えられるようになる。
【0041】そのため、本実施形態では、時刻t3にお
いて、触媒温度Tcが設定温度βまで低下して、同図
(c)に示すように、燃焼形態が成層燃焼から均質燃焼
へと切り替えられて、各触媒19、20の昇温が図られ
るようになる。すなわち、本実施形態では、成層燃焼を
維持しながらも、触媒温度Tcの低下速度を抑えること
で、触媒温度Tcが設定温度βを下回り、燃焼形態を成
層燃焼から均質燃焼へと切り替える必要に迫られるまで
の時間を遅延するようにしている。
【0042】以上説明した本実施形態の内燃機関の制御
装置によれば、以下の効果を得られるようになる。 (1)本実施形態では、触媒温度Tcが設定温度β以上
であって成層燃焼が実行されているときに、触媒温度T
cが低いときには、同触媒温度Tcが高いときに比し
て、同一運転状態での内燃機関10に吸入される吸気量
が相対的に少なくなるようにEGR量及びスロットル開
度の制御を行っている。その結果、成層燃焼を維持しな
がらも、触媒温度Tcの低下速度が抑えられ、同触媒温
度Tcが設定温度βを下回るまでの時間が遅延され、ひ
いては、均質燃焼への切り替えが行われる機会が低減さ
れるようになる。したがって、成層燃焼での排気ガスの
低温化に起因する排気浄化効率の悪化を抑えるととも
に、均質燃焼への切り替えに伴う燃費性能の悪化も好適
に抑制することができるようになる。
【0043】(2)本実施形態では、触媒温度Tcの低
下抑制にかかる内燃機関10への吸気量の低減に際し
て、EGR量と吸入空気量とを併せ低減するようにして
いる。EGR量及び吸入空気量のバランスは、成層燃焼
中の燃焼状態に少なからぬ影響を及ぼす。そのため、そ
れら両者を併せて適切に低減することで、触媒温度Tc
の低下速度を抑えながらも、上記バランスを好適に保持
し、燃焼状態の悪化を抑えることができる。
【0044】(第2実施形態)続いて、本発明にかかる
内燃機関の制御装置を具体化した第2実施形態につい
て、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0045】上述したように、触媒温度Tcが低下した
ときに内燃機関10に吸入される吸気量(EGR量、吸
入空気量)を低減することで、成層燃焼を維持しながら
も触媒温度Tcの低下速度を抑え、均質燃焼へ切り替え
られるまでの時間を遅延することができる。しかしなが
ら、こうして吸気量を低減した場合、燃料噴射量と吸気
量とのバランスが変更されるため、通常の成層燃焼時に
比べれば燃焼状態が悪化してしまう。
【0046】そこで、本実施形態では、吸気量低減モー
ド時には、通常の成層燃焼時のEGR量及びスロットル
開度の目標値を、触媒温度Tcに応じて設定される補正
値によって、それぞれ吸気量が低減される側に補正する
構成としている。そして、その補正値を、触媒温度Tc
が設定温度に近づくほど、上記吸気量の低減分が増大す
るように設定している。その結果、吸気量低減モードが
設定されるとき、触媒温度Tcが低いほど、同一運転状
態での吸気量が相対的に少なくなるようにEGR量及び
スロットル開度が制御されるようになる。
【0047】すなわち、図5(a)に示すように、時刻
t4において、触媒温度Tcが所定温度αを下回ったと
しても、その後しばらくは、同図5(b)に示すよう
に、吸気量の低減分を少なくしている。このときの触媒
温度Tcの抑制効果はあまり高くないものの、吸気量の
低減に伴う燃焼状態の悪化は抑えられる。そして、触媒
温度Tcが設定温度βに近づくほど、吸気量の低減分を
増して、触媒温度Tcの低下抑制効果を高めるようにし
ている。
【0048】以上説明した本実施形態の内燃機関の制御
装置によれば、上記(1)、(2)に加え、更に以下の
効果を得られるようになる。 (3)本実施形態では、触媒温度Tcが設定温度β以上
であって成層燃焼が実行されているときに、同触媒温度
Tcが低いほど、同一運転状態での吸気量が相対的に少
なくなるようにしている。すなわち、触媒温度Tcが比
較的高く、余裕があるときには、吸気量の低減分を少な
くして、燃焼状態を好適に確保することができる。そし
て、触媒温度Tcが設定温度βに近づくほど、吸気量の
低減分を増大して、触媒温度Tcの低下の抑制効果を高
めるようにしている。したがって、排気浄化効率の低
下、及び燃費性能の悪化をより適切に抑制することがで
きるようになる。
【0049】(その他の実施形態)以上説明した各実施
形態の内燃機関の制御装置は、次のように変更すること
もできる。
【0050】・上記第1実施形態では、EGR量及びス
ロットル開度の算出マップを切り替えることで、成層燃
焼中の触媒温度Tcが低いときの吸気量を低減するよう
にしているが、例えば通常の成層燃焼中と同様に算出し
たEGR量やスロットル開度を補正するなど、それらE
GR量やスロットル開度の算出方法は任意に変更しても
よい。要は、成層燃焼中に前記触媒温度Tcが低いとき
に、触媒温度Tcが高いときに比して同一運転状態での
内燃機関10に吸入される吸気量が相対的に少なくなる
ように、それらEGR量及びスロットル開度を設定すれ
ば、同様の作用効果を奏することができる。
【0051】・また、上記第2実施形態についても、E
GR量及びスロットル開度の算出補方法は任意であり、
触媒温度Tcが低いほど、同一運転状態での吸気量が相
対的に少なくなるように、それらEGR量及びスロット
ル開度を設定すれば、同様の作用効果を奏することがで
きる。
【0052】・上記各実施形態では、触媒温度Tcを機
関運転状態やその履歴に基づいて推定しているが、触媒
19、20に温度センサを設けて直接に温度を検出する
など、触媒温度Tcの求め方は任意である。
【0053】・上記各実施形態では、成層燃焼中に触媒
温度Tcが設定温度βを下回ったときに切り替えられる
均質燃焼の形態として、空燃比を理論空燃比に設定した
ストイキ燃焼を行うようにしている。ここでの均質燃焼
をストイキ燃焼とすることは、触媒19、20の昇温効
率やエミッション性能の確保の面からみて、より望まし
い。しかしながら、ここで均質リーン燃焼に切り替える
ようにしても、やはり成層燃焼中に比べれば、排気ガス
を高温化することはできるため、排気の浄化効率の低下
を抑制することはできる。
【0054】・上記各実施形態では、排気通路12に三
元触媒19及びNOx触媒20が設けられているが、こ
れら両触媒19、20のいずれか一方のみ、或いはその
他の触媒を備える内燃機関についても上記各実施形態の
触媒温度の低下抑制にかかる制御を適用することができ
る。
【0055】・上記各実施形態では、EGR量及びスロ
ットル開度を併せて低減することで、成層燃焼中の触媒
温度Tcが低いときの吸気量を低減しているが、それら
のいずれか一方のみを低減することで吸気量を低減した
としても、上記(2)以外の効果を奏することはでき
る。
【0056】・本発明の触媒温度の低下抑制にかかる制
御は、排気系に触媒が設けられて、燃焼形態を均質燃焼
と成層燃焼との間で切り替える内燃機関であれば、車
載、或いは筒内噴射式に限らず、任意の内燃機関に適用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態にかかる内燃機関の制御装置の全
体構成を示す略図。
【図2】同制御装置についてその触媒温度の低下抑制に
かかる処理手順を示すフローチャート。
【図3】同制御装置についてその吸気量設定にかかる処
理手順を示すフローチャート。
【図4】同制御装置の制御態様例を示す略図。
【図5】第2実施形態についてその制御装置の制御態様
例を示す略図。
【符号の説明】
10…内燃機関、11…吸気通路、12…排気通路、1
3…インジェクタ、14…点火プラグ、16…スロット
ルバルブ、18…EGRバルブ、19…三元触媒、20
…NOx吸蔵還元触媒、21…電子制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/02 310 F02D 41/02 310F 41/08 310 41/08 310 43/00 301 43/00 301K 301N F02M 25/07 F02M 25/07 B 550 550R 570 570A Fターム(参考) 3G062 AA07 BA06 CA06 EA10 ED01 ED04 FA05 FA06 GA04 GA06 GA09 3G065 CA12 DA04 EA07 EA10 FA04 GA08 GA10 GA46 JA04 JA09 JA11 KA02 3G084 AA04 BA05 BA20 CA03 DA02 DA10 EA11 EB12 FA00 FA10 FA27 FA33 3G092 AA06 AA09 DC01 DC09 EA06 EA07 EA09 EA11 EA23 EA29 EC01 EC10 FA15 FA24 GA04 GA05 HA06Z HD01Z HD02Z HE01Z HF08Z 3G301 HA04 HA16 JA02 JA21 KA07 KA08 LA00 LA01 NC04 ND02 NE14 NE15 NE19 PA11Z PD11Z PD12Z PE01Z PF03Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼形態を均質燃焼と成層燃焼との間で切
    り替えるとともに、排気系に設けられた触媒の温度を検
    出若しくは推定し、成層燃焼の実行中に前記触媒の温度
    が設定温度よりも低くなることをもって燃焼形態を均質
    燃焼へと切り替える内燃機関の制御装置において、 前記触媒の温度が前記設定温度以上であって成層燃焼が
    実行されているとき、前記触媒の温度が低いときには同
    触媒の温度が高いときに比して、同一運転状態での前記
    内燃機関に吸入される吸気量が相対的に少なくなるよう
    に同吸気量の制御を実施する制御手段を備えることを特
    徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、前記触媒の温度が低いほ
    ど、同一運転状態での前記吸気量が相対的に少なくなる
    ように前記吸気量の制御を実施するものである請求項1
    に記載の内燃機関の制御装置。
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WO2009061005A1 (ja) * 2007-11-08 2009-05-14 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 火花点火式内燃機関
CN101796281A (zh) * 2007-11-08 2010-08-04 丰田自动车株式会社 火花点火式内燃机
US8392095B2 (en) 2007-11-08 2013-03-05 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Spark ignition type internal combustion engine

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