JP2001248435A - 自動車排気システム - Google Patents

自動車排気システム

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JP2001248435A
JP2001248435A JP2000062015A JP2000062015A JP2001248435A JP 2001248435 A JP2001248435 A JP 2001248435A JP 2000062015 A JP2000062015 A JP 2000062015A JP 2000062015 A JP2000062015 A JP 2000062015A JP 2001248435 A JP2001248435 A JP 2001248435A
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exhaust pipe
valve
pipe
exhaust
engine speed
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JP2000062015A
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English (en)
Inventor
Kunio Komori
国生 小森
Kunihiko Fujiwara
邦彦 藤原
Kazunari Ono
一成 大野
Takahiko Oshima
孝彦 大嶋
Hironari Sugawara
博得 菅原
Norihiro Miyazawa
典宏 宮澤
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GAMA SPRING SEISAKUSHO KK
Futaba Industrial Co Ltd
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GAMA SPRING SEISAKUSHO KK
Futaba Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン回転数が高回転数域のときのエンジ
ン性能の低下を防ぐと共に、低回転数域のときのこもり
音を低減する。 【解決手段】 自動車排気システム10は、排気パイプ
11と、この排気パイプ11よりも小径に形成されたバ
イパスパイプ12と、排気パイプ11のうちバイパスパ
イプ12の分岐点J11から合流点J12までの間に設けら
れた開閉弁13とを備えている。エンジン回転数が所定
回転数未満では、開閉弁13が排気パイプ11を閉鎖す
る。このとき、排ガスは小径のバイパスパイプ12を通
る際に抵抗を受けることによりこもり音が低減される。
一方、エンジン回転数が所定回転数以上では、開閉弁1
3が排気パイプ11を開放する。このとき、排気パイプ
11はバイパスパイプ12より大径であるため、排ガス
はあまり抵抗を受けない。このためエンジン性能を大き
く低下させることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の排ガスを
外部へ導出する自動車排気システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車排気システムとしては、例
えば実開平1−63721号に開示されているものが知
られている。この自動車排気システムでは、図7に示す
ように、メインマフラ106の上流側において排気パイ
プ101にバイパスパイプ102が設けられ、バイパス
パイプ102の前端は排気パイプ101に、後端はメイ
ンマフラ106に連結されている。バイパスパイプ10
2にはサブマフラ107が取り付けられており、サブマ
フラ107とメインマフラ106との間には開閉弁10
3が取り付けられている。この開閉弁103は、エンジ
ン回転数が所定回転数未満でバイパスパイプ102を開
放し、所定回転数以上でバイパスパイプ102を閉鎖す
る。
【0003】この自動車排気システムでは、エンジン回
転数が所定回転数以上ならば、バイパスパイプ102が
閉鎖されているため、メインマフラ106には排気パイ
プ101を通過してくる排気流のみが流入する。一方、
エンジン回転数が所定回転数未満ならば、バイパスパイ
プ102が開放されているため、サブマフラ107を通
過してメインマフラ106に流入するバイパス流の波形
は、排気パイプ101を通ってメインマフラ106に流
入する排気流の波形と位相が異なるが、両波形はメイン
マフラ106で干渉し合うため、排気流の波形とは音の
強さや音色が変化する。
【0004】したがって、エンジン回転数によって排気
音の音の強さや音色が変化する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記自
動車排気システムでは、エンジン回転数が所定回転数未
満の場合には、開閉弁103が排気パイプ101を開放
しているため、排ガスは排気パイプ101とバイパスパ
イプ102の両方を通過可能であるのに対して、エンジ
ン回転数が所定回転数以上の場合には、開閉弁103が
排気パイプ101を閉じているため、排ガスは排気パイ
プ101のみ通過可能であり、高回転数域において背圧
が上昇してエンジン性能が低下するおそれがある。
【0006】また、エンジン回転数が所定回転数未満の
場合には、こもり音(車室内にこもり易い約200Hz
までの低い音)が耳障りになりやすいが、上記自動車排
気システムでは、開閉弁103が排気パイプ101を開
放しているため、排ガスはバイパスパイプ102よりも
径の大きな排気パイプ101を通過しがちである。この
ため、こもり音が低減されない。
【0007】本発明は上記問題点を解決することを課題
とするものであり、エンジン回転数が高回転数域のとき
のエンジン性能の低下を防ぐと共に、低回転数域のとき
のこもり音を低減する自動車排気システムを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するため、本発明の自動車排気システムは、エン
ジンからの排ガスが内部を流れる排気パイプと、前記排
気パイプよりも小径に形成され、前記排気パイプのうち
上流側から分岐して下流側にて合流するバイパスパイプ
と、前記排気パイプのうち前記バイパスパイプの分岐点
から合流点までの間に設けられ、エンジン回転数が所定
回転数未満では前記排気パイプを閉鎖し、所定回転数以
上では前記排気パイプを開放する開閉弁とを備えたこと
を特徴とする。
【0009】本発明の自動車排気システムでは、エンジ
ン回転数が所定回転数未満では、開閉弁が排気パイプを
閉鎖するため、エンジンからの排ガスは、バイパスパイ
プを通って外部へと排出される。このとき、バイパスパ
イプは排気パイプより小径であるため、このバイパスパ
イプを通過する際、排ガスは抵抗を受けることによりこ
もり音が低減される。
【0010】一方、エンジン回転数が所定回転数以上で
は、開閉弁が排気パイプを開放するため、エンジンから
の排ガスは、主に排気パイプを通って外部へと排出され
る。このとき、排気パイプはバイパスパイプより大径で
あるため、排ガスはあまり抵抗を受けない。このため、
背圧がそれほど上昇せず、エンジン性能を大きく低下さ
せることはない。
【0011】なお、開閉弁を開閉するにあたっては、例
えば制御装置がエンジン回転数センサからエンジン回転
数信号を入力し、その入力信号に基づいてエンジン回転
数が所定回転数以上か否かを判断し、その判断結果に応
じて駆動モータ等のアクチュエータを介して開閉弁を開
閉操作するようにしてもよい。あるいは、開閉弁を閉じ
るように付勢する弾性体を設け、エンジン回転数が所定
回転数未満ではこの弾性体の付勢力により開閉弁は閉状
態を維持し、所定回転数以上では排ガスの圧力により開
閉弁が開くようにしてもよい。また、所定回転数は、こ
の自動車排気システムを採用する車種によって適宜設定
すればよいが、通常2000〜3500rpmの範囲で
設定される。
【0012】以上述べた本発明の自動車排気システムに
よれば、エンジン回転数が高回転数域のときのエンジン
性能の低下を防ぐと共に、低回転数域のときのこもり音
を低減できるという効果が得られる。本発明の自動車排
気システムにおいて、エンジンが低回転数域のときのこ
もり音を低減するには、開閉弁が排気パイプを閉鎖して
いる状態でメイン開閉弁の上流側から毎分1500リッ
トルで空気を流したときの同上流側の圧力(以下「シス
テム圧力」という)が2.1kPa以上、好ましくは
3.0kPa以上、特に好ましくは4.0kPa以上に
なるように設定する。
【0013】一方、上記システム圧力が高いほどこもり
音低減効果は高くなるが、システム圧力が高すぎると、
エンジン回転数が低回転数域とはいえ背圧が上昇してエ
ンジン性能が大きく低下するため好ましくない。したが
って、エンジン性能の低下を抑制するには、システム圧
力が7.1kPa以下、好ましくは4.7kPa以下、
特に好ましくは3.2kPa以下になるように設定す
る。
【0014】つまり、こもり音の低減とエンジン性能低
下の抑制とは相反する効果であるため、こもり音を低減
するための上記数値範囲とエンジン性能低下を抑制する
ための上記数値範囲とを適宜組み合わせて2.1〜7.
1kPa、2.1〜4.7kPa、2.1〜3.2kP
a、3.0〜7.1kPa、3.0〜4.7kPa、
3.0〜3.2kPa、4.0〜7.1kPa、4.0
〜4.7kPaのいずれかを選択し、システム圧力がそ
の数値範囲内に入るようにするのが好ましい。例えば、
両方の効果を得るためにはシステム圧力を2.1kPa
以上7.1kPa以下とすればよく、こもり音の低減を
重視するとすればシステム圧力を4.0kPa以上7.
1kPa以下の範囲で設定し、エンジン性能低下の抑制
を重視するとすればシステム圧力を2.1kPa以上
3.2kPa以下の範囲で設定するのが好ましい。な
お、こもり音の低減効果を重視する場合には、システム
圧力が7.1kPaを超えるようにしてもよいが、8.
0kPaを超えたあたりからこもり音低減効果は横這い
になるため、8.0kPaを上限とするとよい。
【0015】本発明において、開閉弁は閉状態のときに
排気パイプのパイプ軸と略直交する姿勢をとることが好
ましい。例えば、開閉弁が閉状態の時に排気パイプのパ
イプ軸と40〜60°をなす姿勢をとってもよいが、こ
の場合には開閉弁の周縁が長くなり、その分開閉弁と排
気パイプとの隙間が多くなり、システム圧力を十分に上
げることが難しく、結果的にこもり音を低減しにくくな
る。これに対して、開閉弁が閉状態の時に排気パイプの
パイプ軸と略直交する姿勢をとれば、開閉弁の周縁が短
くなり、その分開閉弁と排気パイプとの隙間が少なくな
り、システム圧力を十分に上げることができるため、こ
もり音を十分低減できるので好ましいのである。
【0016】本発明において、開閉弁が排気パイプを開
放している状態では、開閉弁は排気パイプの壁面を外方
向に膨出させた膨出スペースに入り込むように構成され
ていることが好ましい。この場合、開閉弁が排気パイプ
を開放している状態では、開閉弁は排気パイプの内部を
流れる排ガスの抵抗にならないため、エンジン回転数の
高回転域において背圧の上昇を招きにくくなる。
【0017】本発明の自動車排気システムは、マフラの
上流側に設けることが好ましい。この場合、排ガスはマ
フラに導入される前にこもり音が低減されているため、
マフラに導入されたあと消音されやすい。本発明におい
て、開閉弁の開閉機構は次のように構成してもよい。即
ち、排気パイプの外周面に設けられたフックと、開閉弁
と一体に且つこの開閉弁の回動軸からオフセットされて
設けられ、この開閉弁が排気パイプを閉鎖している状態
から排気パイプを開放するにしたがってフックから離れ
ていくバネ受け部材と、フックとバネ受け部材との間に
架け渡されて両者が接近するように付勢するスプリング
とを備え、フック−バネ受け部材−回動軸のなす角度の
正弦値は、開閉弁が排気パイプを閉鎖している状態から
全開に至る過程で減少していくように構成してもよい。
【0018】この場合、フック−バネ受け部材−回動軸
のなす角度の正弦値は徐々に減少していく。その一方で
スプリングは徐々に引き延ばされるため、その弾性力は
徐々に増加していく。ここで、弾性力に正弦値を乗じた
値(スプリングが開閉弁を閉じようとする力)につき、
開閉弁が開くにつれて小さくなるように設定すれば、開
閉弁が一旦開き始めるとスプリングが開閉弁を閉じよう
とする力が小さくなるため、開閉弁は容易に全開位置に
達する。このため、開閉弁は排ガスの抵抗にならず、背
圧が上昇しにくくなり、エンジン性能の低下を防止でき
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を図面に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1は、本実施形態の全体構成を表す
概略説明図である。本実施形態の自動車排気システム1
0は、排気パイプ11と、バイパスパイプ12と、開閉
弁13と、制御装置16とを備えている。
【0020】排気パイプ11は、上流端はエキゾースト
マニホルド14に接続され、下流端はサブマフラ15に
接続されている。したがって、この排気パイプ11の内
部には、エンジンからの排ガスが流通する。バイパスパ
イプ12は、排気パイプ11よりも小径に形成され、排
気パイプ11のうち上流側から分岐して下流側にて合流
する。なお、バイパスパイプ12の長さは、排気パイプ
11のうち分岐点J11から合流点J12までの長さよりも
長い。
【0021】開閉弁13は、排気パイプ11の内部であ
って分岐点J11から合流点J12までの間に設けられてい
る。この開閉弁13は、排気パイプ11の断面の直径と
一致する回動軸13aを中心として回動するものであ
り、この回動軸13aは排気パイプ11の外部に設けら
れた駆動モータ18を介して駆動される。この開閉弁1
3は、排気パイプ11を閉鎖する際には、排気パイプ1
1のパイプ軸(図1の1点鎖線)と略直交する姿勢をと
った状態で、開閉弁13の周縁が排気パイプ11の内壁
と接触することにより、排気パイプ11を閉鎖する。
【0022】制御装置16は、エンジン回転数センサ1
7からエンジン回転数信号を入力するように接続され、
駆動モータ18に制御信号を出力するように接続されて
いる。この制御装置16は、エンジン回転数センサ17
から入力されるエンジン回転数信号に基づいてエンジン
回転数が所定回転数(例えば3000rpm)以上か否
かを判断し、エンジン回転数が所定回転数未満ならば開
閉弁13が排気パイプ11を閉じるように駆動モータ1
8に制御信号を出力し、エンジン回転数が所定回転数以
上ならば開閉弁13が排気パイプ11を開くように駆動
モータ18に制御信号を出力する。
【0023】次に、本実施形態の自動車排気システム1
0の作用について説明する。アイドル運転時のようにエ
ンジン回転数が所定回転数未満では、こもり音が耳障り
になりやすいが、制御装置16によって駆動される駆動
モータ18により、開閉弁13が排気パイプ11を閉じ
るため、排ガスは分岐点J11から小径のバイパスパイプ
12へ導入され、合流点J12で排気パイプ11に戻る。
そして、小径のバイパスパイプ12を通過する際、排ガ
スは抵抗を受けることによりこもり音が低減される。
【0024】一方、エンジン回転数が所定回転数以上で
は、背圧が上昇してエンジン性能が低下しやすいが、制
御装置16によって駆動される駆動モータ18により、
開閉弁13が排気パイプ11を開くため、排ガスは主に
排気パイプ11を通ってサブマフラ15へと導出され
る。このとき、排気パイプ11はバイパスパイプ12よ
り大径であるため、排ガスはあまり抵抗を受けない。こ
のため、背圧がそれほど上昇せず、エンジン性能を大き
く低下させることはない。
【0025】以上のように、本実施形態の自動車排気シ
ステム10によれば、エンジン回転数が高回転数域のと
きのエンジン性能の低下を防ぐと共に、低回転数域のと
きのこもり音を低減できるという効果が得られる。ま
た、本実施形態では、開閉弁13は閉状態の時に排気パ
イプ11のパイプ軸と略直交する姿勢をとるため、開閉
弁13が閉状態の時に排気パイプ11のパイプ軸と40
〜60°をなす姿勢をとる場合に比べて開閉弁13の周
縁が短くなる。その分、開閉弁13と排気パイプ11と
の隙間が少なくなり、システム圧力を十分に上げること
ができるため、こもり音を十分低減できる。
【0026】更に、本実施形態では、サブマフラ15に
導入される前にこもり音が低減されるため、サブマフラ
15に導入されたあと消音されやすいという効果も得ら
れる。 [第2実施形態]図2は本実施形態の全体構成を表す概
略説明図、図3は図2のA−A断面図である。本実施形
態の自動車排気システム20は、排気パイプ21と、バ
イパスパイプ22と、開閉弁23とを備えている。
【0027】排気パイプ21は、上流端はエキゾースト
マニホルド24に接続され、下流端はサブマフラ25に
接続されている。したがって、この排気パイプ21の内
部には、エンジンからの排ガスが流通する。また、排気
パイプ21のうち分岐点J21から合流点J22までの間に
は、壁面を外方向に膨出させた膨出スペース21aが設
けられている。
【0028】バイパスパイプ22は、排気パイプ21よ
りも小径に形成され、排気パイプ21のうち上流側から
分岐して下流側にて合流する。なお、バイパスパイプ2
2の長さは、排気パイプ21のうち分岐点J21から合流
点J22までの長さよりも長い。
【0029】開閉弁23は、排気パイプ21の内部であ
って分岐点J21から合流点J22までの間に設けられてい
る。この開閉弁23は、舌状に形成されており、膨出ス
ペース21aに設けられた回動軸23aを中心として回
動自在に取り付けられている。この開閉弁23は、排気
パイプ21を閉鎖する位置では、排気パイプ21のパイ
プ軸と略直交する姿勢をとる。一方、開閉弁23は、排
気パイプ21を開放する位置では、膨出スペース21a
内に収納される。
【0030】図3に示すように、回動軸23aは、ねじ
止めにより開閉弁23と一体化されている。また、回動
軸23aの両端は、ブッシュ26(例えば黒鉛入りのワ
イヤメッシュ)及びブッシュ保持部27を介して、排気
パイプ21に回動自在に支持されている。また、回動軸
23aの一端には、磁性材料製のリテーナ28が一体的
に取り付けられていると共に、開閉弁23が排気パイプ
21を閉じるように付勢する弾性体29(例えばコイル
バネ)が取り付けられている。更に、排気パイプ21の
外面には、ブッシュ保持部27を介してブラケット40
が取り付けられ、このブラケット40には、開閉弁23
が閉位置にあるときにリテーナ28と磁着する磁石41
が設けられている。
【0031】次に、本実施形態の自動車排気システム2
0の作用について説明する。アイドル運転時のようにエ
ンジン回転数が所定回転数未満では、こもり音が耳障り
になりやすいが、排ガスが開閉弁23を開けようとする
力が小さいため、リテーナ28は磁石41に磁着したま
まであり、開閉弁23は排気パイプ21を閉鎖したまま
である。このため、排ガスは分岐点J21から小径のバイ
パスパイプ22へ導入され、合流点J22で排気パイプ2
1に戻る。そして、小径のバイパスパイプ22を通過す
る際、排ガスは抵抗を受けることによりこもり音が低減
される。
【0032】一方、エンジン回転数が所定回転数以上で
は、背圧が上昇してエンジン性能が低下しやすいが、排
ガスが開閉弁23を開けようとする力が、磁石41がリ
テーナ28を吸引する力や弾性体29が開閉弁23を閉
じようとする力に打ち勝つため、開閉弁23は排気パイ
プ21を開放する。この結果、排ガスは主に排気パイプ
21を通って外部へと排出される。このとき、排気パイ
プ21はバイパスパイプ22より大径であるため、排ガ
スはあまり抵抗を受けない。このため、背圧がそれほど
上昇せず、エンジン性能を大きく低下させることはな
い。
【0033】以上のように、本実施形態によれば、第1
実施形態と同様の効果が得られるのに加えて、次の効果
も得られる。即ち、開閉弁23が排気パイプ21を開放
している状態では、開閉弁23は膨出スペース21aに
入り込むように構成されているため、開閉弁23は排気
パイプ21の内部を流れる排ガスの抵抗にならない。こ
のため、エンジン回転数の高回転域において背圧の上昇
を招きにくくなる。
【0034】[第3実施形態]図4は本実施形態の閉弁
時の全体構成を表す概略説明図、図5は同じく開弁時の
全体構成を表す概略説明図である。本実施形態の自動車
排気システム30は、排気パイプ31と、バイパスパイ
プ32と、開閉弁33とを備えている。
【0035】排気パイプ31は、上流端はエキゾースト
マニホルド(図示略)に接続され、下流端はサブマフラ
(図示略)に接続されている。したがって、この排気パ
イプ31の内部には、エンジンからの排ガスが流通す
る。また、排気パイプ31のうち分岐点J31から合流点
32までの間には、壁面を外方向に膨出させた膨出スペ
ース31aが設けられている。
【0036】バイパスパイプ32は、排気パイプ31よ
りも小径に形成され、排気パイプ31のうち上流側から
分岐して下流側にて合流する。なお、バイパスパイプ3
2の長さは、排気パイプ31のうち分岐点J31から合流
点J32までの長さよりも長い。
【0037】開閉弁33は、排気パイプ31の内部であ
って分岐点J31から合流点J32までの間に設けられてい
る。この開閉弁33は、膨出スペース31aに設けられ
た回動軸33aを中心として回動自在に取り付けられて
いる。この開閉弁33は、排気パイプ31を閉鎖する位
置では、排気パイプ31のパイプ軸と略直交する姿勢を
とる。一方、開閉弁33は、排気パイプ31を開放する
位置では、膨出スペース31a内に収納される。
【0038】本実施形態の開閉機構は、上述の回動軸3
3aを有する開閉弁33のほか、フック36、バネ受け
部材37、スプリング38から構成されている。フック
36は、排気パイプ31の外周面に固設されている。ま
た、バネ受け部材37は、開閉弁33と一体に設けら
れ、且つ、回動軸33aからオフセットされて設けられ
ている。このバネ受け部材37は、開閉弁33が排気パ
イプ31を閉鎖している状態から排気パイプ31を開放
するにしたがってフック36から離れていく。更に、ス
プリング38は、フック36とバネ受け部材37との間
に架け渡されて両者が接近するように付勢している。そ
して、フック36−バネ受け部材37−回動軸33aの
なす角度θの正弦値sinθは、開閉弁33が排気パイ
プ31を閉鎖している状態から全開に至る過程で減少し
ていく。
【0039】次に、本実施形態の自動車排気システム3
0の作用について説明する。本実施形態において、エン
ジン回転数が所定回転数未満では、排ガスが開閉弁33
を開けようとする力が、スプリング38が開閉弁33を
閉じようとする力(図4中、太い矢印で示した分力=F
sinθ、但しFはスプリング38の弾性力)より小さ
い。このため、開閉弁33は排気パイプ31を閉じたま
まであり、排ガスは分岐点J31から小径のバイパスパイ
プ32へ導入され、合流点J32で排気パイプ31に戻
る。そして、小径のバイパスパイプ32を通過する際、
排ガスは抵抗を受けることによりこもり音が低減され
る。
【0040】一方、エンジン回転数が所定回転数以上で
は、図5に示すように、排ガスが開閉弁33を開けよう
とする力が、スプリング38が開閉弁33を閉じようと
する力(図中、太い矢印で示した分力=F×sinθ)
に打ち勝つため、開閉弁33は排気パイプ31を開放す
る。この結果、排ガスは主に排気パイプ31を通って外
部へと排出される。このとき、排気パイプ31はバイパ
スパイプ32より大径であるため、排ガスはあまり抵抗
を受けない。このため、背圧がそれほど上昇せず、エン
ジン性能を大きく低下させることはない。
【0041】ところで、一旦開閉弁33が開き始める
と、フック36−バネ受け部材37−回動軸33aのな
す角度θの正弦値sinθは徐々に減少していく。その
一方でスプリング38は徐々に引き延ばされるため、そ
の弾性力Fは徐々に増加していく。ここでは、弾性力F
に正弦値sinθを乗じた値Fsinθが、開閉弁33
が開くにつれて小さくなるように設定されている。した
がって、開閉弁33が一旦開き始めると、容易に全開位
置に達し、開閉弁33は膨出スペース31aに収納され
る。
【0042】以上のように、本実施形態によれば、第2
実施形態と同様の効果が得られるのに加えて、次の効果
も得られる。即ち、開閉弁33が一旦開き始めるとスプ
リング38が開閉弁33を閉じようとする力が小さくな
るため、開閉弁33は容易に全開位置に達する。このた
め、開閉弁33は排ガスの抵抗にならず、背圧が上昇し
にくくなり、エンジン性能の低下を防止できる。
【0043】[第1及び第2実施形態の実験データ]第
1及び第2実施形態において、エンジン回転数が所定回
転数未満ならば、排気パイプ11(又は21)は開閉弁
13(又は23)によって閉鎖されるが、本発明者らが
詳細に検討したところ、このようにして閉鎖されたとき
の自動車排気システムの密閉性つまり圧力特性によっ
て、こもり音の低減効果が左右されることがわかった。
この点について以下に詳説する。
【0044】まず、第1実施形態について、排気パイプ
11としてφ48.6mmのパイプ、バイパスパイプ1
2としてφ25.4mmのパイプを用いたもの(タイプ
A)、排気パイプ11としてφ48.6mmのパイプ、
バイパスパイプ12としてφ22.2mmのパイプを用
いたもの(タイプB)、排気パイプ11としてφ48.
6mmのパイプ、バイパスパイプ12としてφ19.1
mmのパイプを用いたもの(タイプC)の3種を作製し
た。
【0045】また、第2実施形態について、排気パイプ
21としてφ48.6mmのパイプ、バイパスパイプ2
2としてφ25.4mmのパイプを用いたもの(タイプ
D)、排気パイプ21としてφ48.6mmのパイプ、
バイパスパイプ22としてφ19.1mmのパイプを用
いたもの(タイプE)の2種を作製した。なお、タイプ
D,Eは、開閉弁23が排気パイプ21を閉鎖した状態
では、開閉弁23の周縁と排気パイプ31の内壁とは僅
かな隙間が生じている。
【0046】タイプA〜Eの自動車排気システムにつ
き、以下の項目を測定した。 システム圧力の測定 開閉弁13(又は23)を閉じた状態で排気パイプ11
(又は21)の上流側から毎分1500リットルで空気
を流したときの上流側圧力(=システム圧力)を測定し
た。
【0047】こもり音の測定 開閉弁13(又は23)を閉じた状態で排気パイプ11
(又は21)を4気筒エンジンに接続し、そのときの1
次加速の1850rpmにおける音圧レベルを測定し
た。なお、音圧レベルは、サブマフラ15(又は25)
の下流にメインマフラを設け、そのメインマフラのテー
ルから50cm離れた位置で測定した。
【0048】エンジン性能の測定 開閉弁13(又は23)を閉じた状態で排気パイプ11
(又は21)を4気筒エンジンに接続し、そのときのエ
ンジン回転数3000rpmにおけるダイナモ出力をト
ルクとして測定した。
【0049】上記、の結果を図6に示す。この図6
はシステム圧力とこもり音との関係を表したグラフであ
る。バイパスパイプや開閉弁を備えていない排気パイプ
を用いた場合、こもり音は64dBであったのに対し
て、タイプA〜Eはいずれもこれを下回った。また、こ
もり音はシステム圧力に反比例することがわかった。つ
まり、システム圧力が高いほどこもり音の低減効果が高
くなるが、システム圧力が8kPa以上ではこもり音の
低減効果はほぼ一定になることがわかった。
【0050】具体的には、こもり音を60dB以下にす
るにはシステム圧力を2.1kPa以上にすればよく、
こもり音を56dB以下にするにはシステム圧力を3.
0kPa以上にすればよく、こもり音を53dB以下に
するにはシステム圧力を4.0kPa以上にすればよ
い。
【0051】一方、上記の結果として、バイパスパイ
プや開閉弁を備えていない排気パイプを用いた場合のト
ルクに対するトルクダウン率が20%、15%、10%
となるラインを図6に示した。トルクダウン率を20%
以下に抑えるにはシステム圧力を7.1kPa以下にす
ればよく、トルクダウン率を15%以下に抑えるにはシ
ステム圧力を4.7kPa以下にすればよく、トルクダ
ウン率を10%以下に抑えるにはシステム圧力を3.2
kPa以下にすればよい。
【0052】尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態
に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に
属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の全体構成を表す概略説明図で
ある。
【図2】 第2実施形態の全体構成を表す概略説明図で
ある。
【図3】 図2のA−A断面図である。
【図4】 第3実施形態の閉弁時の全体構成を表す概略
説明図である。
【図5】 第3実施形態の開弁時の全体構成を表す概略
説明図である。
【図6】 システム圧力とこもり音との関係を表したグ
ラフである。
【図7】 従来例の全体構成を表す概略説明図である。
【符号の説明】
10,20,30・・・自動車排気システム、11,2
1,31・・・排気パイプ、12,22,32・・・バ
イパスパイプ、13,23,33・・・開閉弁、13
a,23a,33a・・・回動軸、21a,31a・・
・膨出スペース、J 11,J21,J31・・・分岐点、
12,J22,J32・・・合流点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 邦彦 愛知県岡崎市橋目町字御茶屋1番地 フタ バ産業株式会社内 (72)発明者 大野 一成 愛知県岡崎市橋目町字御茶屋1番地 フタ バ産業株式会社内 (72)発明者 大嶋 孝彦 愛知県知立市長篠町新田60−2 株式会社 蒲スプリング製作所内 (72)発明者 菅原 博得 愛知県知立市長篠町新田60−2 株式会社 蒲スプリング製作所内 (72)発明者 宮澤 典宏 愛知県知立市長篠町新田60−2 株式会社 蒲スプリング製作所内 Fターム(参考) 3G004 AA01 BA02 BA03 CA12 DA24 EA02 EA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの排ガスが内部を流れる排
    気パイプと、 前記排気パイプよりも小径に形成され、前記排気パイプ
    のうち上流側から分岐して下流側にて合流するバイパス
    パイプと、 前記排気パイプのうち前記バイパスパイプの分岐点から
    合流点までの間に設けられ、エンジン回転数が所定回転
    数未満では前記排気パイプを閉鎖し、所定回転数以上で
    は前記排気パイプを開放する開閉弁とを備えたことを特
    徴とする自動車排気システム。
  2. 【請求項2】 前記開閉弁が前記排気パイプを閉鎖して
    いる状態で、前記排気パイプの上流側から毎分1500
    リットルで空気を流したときの同上流側の圧力が2.1
    kPa以上7.1kPa以下であることを特徴とする請
    求項1記載の自動車排気システム。
  3. 【請求項3】 前記開閉弁が前記排気パイプを閉鎖して
    いる状態では、前記開閉弁は前記排気パイプのパイプ軸
    と略直交する姿勢をとることを特徴とする請求項1又は
    2記載の自動車排気システム。
  4. 【請求項4】 前記開閉弁が前記排気パイプを開放して
    いる状態では、前記開閉弁は前記排気パイプの壁面を外
    方向に膨出させた膨出スペースに入り込むことを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の自動車排気システ
    ム。
  5. 【請求項5】 マフラの上流側に設けられたことを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動車排気シス
    テム。
  6. 【請求項6】 前記排気パイプの外周面に設けられたフ
    ックと、 前記開閉弁と一体に且つ該開閉弁の回動軸からオフセッ
    トされて設けられ、該開閉弁が前記排気パイプを閉鎖し
    ている状態から前記排気パイプを開放するにしたがって
    前記フックから離れていくバネ受け部材と、 前記フックと前記バネ受け部材との間に架け渡されて両
    者が接近するように付勢するスプリングとを備え、 フック−バネ受け部材−回動軸のなす角度の正弦値は、
    前記開閉弁が前記排気パイプを閉鎖している状態から全
    開に至る過程で減少していくことを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載の自動車排気システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005307947A (ja) * 2004-04-26 2005-11-04 Yanmar Co Ltd 内燃機関の排気管構造
CN108487980A (zh) * 2018-05-29 2018-09-04 西华大学 一种专用汽车排气系统
JP2020002856A (ja) * 2018-06-28 2020-01-09 スズキ株式会社 自動二輪車の排気装置

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