JP2005307947A - 内燃機関の排気管構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】機関室における設置スペースの制限などから小型となる排気消音器を備える排気管構造であっても、エンジンの起動時の大音響排気音及び部分負荷時の排気音を低減させることができ、これにより、時間帯や場所に関わらずエンジンの起動及び作業現場までの移動を低騒音かつ速やかに行うことができる内燃機関の排気管構造を提供する。
【解決手段】消音器2に連通接続される排気管3に設けられ該排気管3の排気通路面積を変化させる弁機構10と、該弁機構10を駆動するエアシリンダ4と、該エアシリンダ4を介して弁機構10を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、内燃機関の起動時から、前記制御手段に予め設定される時間が経過するまでの間、排気管3の排気通路面積を縮小するように弁機構10を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、舶用主機としての内燃機関に用いて好適な内燃機関の排気管構造の技術に関する。
従来から、内燃機関(エンジン)の排気通路においては、シリンダ部に形成される排気出口やエンジンに具備される過給機の排気ベント等に接続される排気管に、外部に排出される排気による排気音を吸音して排気騒音を低減することを目的とした排気消音器(以下、単に「消音器」という。)が介装または接続されている。
このような消音器に関しては、用途等に応じて様々な技術が公知となり実際に使用されており、それらには、排気通路面積を変化させる弁機構を設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1においては、消音器の排気出口側に取り付ける連通管を少なくとも2つの排気通路に仕切るとともに、これらのうちの1つの排気通路に弁機構を設けている。そして、エンジンが低回転のときは前記弁機構を閉じ、これにより、エンジンの低回転時の排気音を低減させている。
特開2000−213343号公報
ところで、前述したような消音器を有するエンジンが、例えば、プッシャーボート(押し船)やタグボート(引き船)や漁船などの船舶に搭載される舶用主機の場合、そのエンジンの起動が深夜や早朝の時間帯に行われることが多々ある。つまり、こうした船舶は24時間、時間を選ばず出航するため、エンジンの起動が深夜などにも行われることとなる。そして、このような船舶は一般に岸壁(船舶を接岸係留させるための港湾施設)等に停泊されているため、付近に民家などが在ることも多い。そのため、このような場所でエンジンの起動を行う場合、特に深夜などにおいてはその起動時の排気音が騒音公害の原因となる事例もある。
このような船舶におけるエンジン起動時の排気音の実際の測定結果を図7に示す。図7はエンジンの起動時における排気音の測定結果の一例を示す図である。
本測定結果は、舶用主機として用いられるエンジンについて得られたものであり、排気管の外部(排気出口近傍約1m)におけるエンジン起動時の排気音の超低周波音(主要成分周波数10〜20ヘルツ)の音圧レベルを示すものである。この測定結果からわかるように、エンジンを起動した瞬間から短時間の間、大音響となる排気音が発生している。本測定結果においては、エンジンを起動した瞬間(0秒)から約1.5秒間の間に大音響排気音が発生しており、その排気音の音圧レベルはピーク時で約127dBとなっている。このように、船舶に搭載されるエンジンの起動時の排気音は、自動二輪車や自動車などに搭載されるエンジンと比較しても大音響となる。また、起動時排気音に含まれる超低周波音は、付近の民家などにおいて窓や家具のガタつきを発生させる原因となることもあり、住民の体調や精神に影響を与える可能性も考えられる。
また、エンジンの起動後の出航時においても、その排気音が騒音公害の原因となることがある。つまり、岸壁でエンジンを起動させた船舶は、岸壁から港や河川を通って実際に作業を行う作業現場である沖合の方に出航するが、その沖合に出るまでの間の排気騒音が港や河川周辺に存在する民家などに対して騒音公害の原因となることがある。このため、特に深夜などにおいては周辺への気遣いが必要であり、排気音を低減させるために十分な速度で出航することができないこともあり、このことは作業現場までの所要時間を長くする原因となる。
このようなエンジンの起動時及び出航時の排気音に対する方策として、消音器を大型化することが考えられる。しかし、船舶などにおける機関室は、エンジン以外の系に必要な配管が種々施されるためやデッキ上に段差を生じさせないため等の理由からスペース上の制約が大きく、しかも、通常このようなエンジンに具備される消音器は、エンジンの最大出力時の排気音や背圧を対象に設計されているため、既存の消音器を理想規模に大型化することは難しいのが現状である。
また、他の方策としては、排気管内の騒音と同じ振幅で、かつ逆位相である音波を発生させ、この音波による逆位相音と騒音とを干渉させることで騒音を低減させる、いわゆるアクティブ方式による消音器を採用することが考えられる。しかし、このアクティブ方式による消音器は、次のような理由から十分な消音効果を得ることが難しい。すなわち、前述したような起動時排気音は、排気管内で発生する音と排気管外で発生する音との相関性が低いことが実際の測定結果などに基づき確認されており、このため、排気管内の音を消音させるアクティブ方式では十分な消音効果を得ることが難しい。また、起動時排気音には前述したように騒音公害の主たる原因でもある超低周波音が含まれているため、これに対応する周波数領域までの逆位相音を発生させることが困難となる。
また、前記特許文献1に示されているような弁機構、即ちワイヤやロッド等の連結部材を介して駆動手段により開閉され、消音器の内部に設けられる弁機構は、該文献に実施例として示されている自動二輪車や、その他自動車などに搭載されるエンジンの消音器については効果的であると考えられるが、船舶などの産業用機械に搭載されるエンジンのように比較的大型のものに具備される消音器については、構造上困難となり適さない場合がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、機関室における設置スペースの制限などから小型となる排気消音器を備える排気管構造であっても、エンジンの起動時の大音響排気音及び部分負荷時の排気音を低減させることができ、これにより、時間帯や場所に関わらずエンジンの起動及び作業現場までの移動を低騒音かつ速やかに行うことができる内燃機関の排気管構造を提供する点にある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、排気通路に消音器を具備する内燃機関の排気管構造であって、前記消音器に連通接続される排気管に設けられ該排気管の排気通路面積を変化させる弁機構と、該弁機構を駆動するアクチュエータと、該アクチュエータを介して前記弁機構を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、内燃機関の起動時から、前記制御手段に予め設定される時間が経過するまでの間、前記排気管の排気通路面積を縮小するように前記弁機構を制御するものである。
請求項2においては、排気通路に消音器を具備する内燃機関の排気管構造であって、前記消音器に連通接続される排気管に設けられ該排気管の排気通路面積を変化させる弁機構と、該弁機構を駆動するアクチュエータと、該アクチュエータを介して前記弁機構を制御する制御手段と、該制御手段に接続され内燃機関の排気出口の背圧を検出する背圧検出手段とを備え、前記制御手段は、内燃機関の部分負荷時に、前記背圧検出手段によって検出される背圧値が、前記制御手段に予め設定される背圧値となるように前記弁機構を制御するものである。
請求項3においては、排気通路に消音器を具備する内燃機関の排気管構造であって、前記消音器に連通接続される排気管に設けられ該排気管の排気通路面積を変化させる弁機構と、該弁機構を駆動するアクチュエータと、該アクチュエータを介して前記弁機構を制御する制御手段と、該制御手段に接続され内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段とを備え、前記制御手段は、内燃機関の部分負荷時に、前記回転数検出手段によって検出される回転数の増加にともない、前記排気管の排気通路面積を拡大させるように前記弁機構を制御するものである。
請求項4においては、請求項1〜3のいずれかの項記載の内燃機関の排気管構造であって、前記弁機構は、前記排気管の一部を形成する主管と、該主管の排気通路面積を変化させる制御弁と、該制御弁の上流側と下流側の排気通路を連通させ、前記主管よりも狭い排気通路面積を有する分岐管と、を備えるものである。
請求項5においては、請求項4記載の内燃機関の排気管構造であって、前記消音器内に仕切板を設け、該仕切板によって前記消音器の内部空間を排気方向に分割して上流側膨張室と下流側膨張室とを形成し、前記主管によって前記上流側膨張室と下流側膨張室とを前記消音器の外部にて連通させるとともに、前記分岐管を前記仕切板に貫通させ該分岐管によって前記上流側膨張室と下流側膨張室とを連通させたものである。
請求項6においては、請求項1〜3のいずれかの項記載の内燃機関の排気管構造であって、前記弁機構は、前記排気管の一部を形成する主管と、該主管内に設けられ該主管よりも狭い排気通路面積を有する内管と、該内管の排気通路面積を変化させる制御弁と、を備えるものである。
請求項7においては、請求項1〜3のいずれかの項記載の内燃機関の排気管構造であって、前記弁機構は、前記排気管の一部を形成する主管と、通気孔が穿設された弁体を有し前記主管の排気通路面積を変化させる制御弁と、を備えるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、内燃機関の起動時から一定時間の間、排気管の排気通路面積が縮小されることとなるため、超低周波音の減衰及び膨張比増大による消音器の減衰量増大が図れ、内燃機関の起動時に発生する大音響排気音を低減することができる。これにより、深夜などにおける内燃機関の起動による付近住民への影響を低減することができ、時間帯や場所に関わらず内燃機関の起動を行うことができるようになる。
請求項2においては、内燃機関の部分負荷時において、排気管の排気通路面積が、予め設定される背圧値に応じた排気通路面積に縮小されることとなるので、部分負荷時の排気音を一定値以下に低減することが可能となる。これにより、本発明の内燃機関が搭載される船舶などについて、内燃機関の起動後、作業現場までの移動時における排気騒音によって付近住民に与える影響を低減することができる。この結果、より高速で移動することが可能となり、作業現場までの所要時間を短縮することができることとなる。
請求項3においては、内燃機関の部分負荷時において、内燃機関の回転数の増加にともない増大する排気音を低減することができる。これにより、本発明の内燃機関が搭載される船舶などについて、内燃機関の起動後、作業現場までの移動時における排気騒音によって付近住民に与える影響を低減することができる。この結果、より高速で移動することが可能となり、作業現場までの所要時間を短縮することができることとなる。
請求項4においては、内燃機関において許容される背圧に基づいて分岐管の排気通路面積を最小限狭く設定することにより、分岐管の消音器に対する膨張比、即ち排気管の消音器に対する膨張比を最大限にまで確保することが可能となり、優れた排気音の減衰効果を得ることができる。つまり、小型の消音器を最大限に有効利用することができる。
請求項5においては、内燃機関が設置される機関室における設置スペース上の制限などから消音器の上流側または下流側の排気管が短い場合にも弁機構を設けることができ、請求項4と同様の効果を得ることができる。
請求項6においては、内燃機関において許容される背圧に基づいて分岐管の排気通路面積を最小限狭く設定することにより、分岐管の消音器に対する膨張比、即ち排気管の消音器に対する膨張比を最大限にまで確保することが可能となり、優れた排気音の減衰効果を得ることができる。つまり、小型の消音器を最大限に有効利用することができる。そして、消音器及びこれに連通接続される排気管の外側に分岐管などを設ける必要もなく弁機構を構成することが可能となるので、設置スペースが限られている機関室などにおいても、容易に弁機構を設けることができる。
請求項7においては、内燃機関において許容される背圧に基づいて分岐管の排気通路面積を最小限狭く設定することにより、分岐管の消音器に対する膨張比、即ち排気管の消音器に対する膨張比を最大限にまで確保することが可能となり、優れた排気音の減衰効果を得ることができる。つまり、小型の消音器を最大限に有効利用することができる。そして、消音器及びこれに連通接続される排気管の外側に分岐管などを設ける必要もなく、しかもより簡単に弁機構を構成することが可能となるので、設置スペースが限られている機関室などにおいても、簡単な構成で容易に弁機構を設けることができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の内燃機関の排気管構造の概略構成を示す図、図2は弁機構の第1実施例を示す図、図3は同じく第2実施例を示す図、図4は同じく第3実施例を示す図、図5は同じく第4実施例を示す図、図6は機関出力と排気ガス質量流量との関係を表す測定結果の一例を示す図である。
本発明は、排気通路に消音器を具備するエンジンの排気管構造に係るものであり、特に、船舶に用いられる舶用主機としてのエンジンに用いて好適なものである。そのため、以下においてはエンジン1を舶用主機としてのエンジンとして説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、船舶をはじめその他の産業用機械に搭載されるエンジンに適用することができる。
まず、図1を用いて本発明に係る排気管構造の概略構成について説明する。
エンジン1の排気出口1aに連通接続され、エンジン1からの排気ガスを外部に排出するための排気管3には、消音器2が介設または接続されている。つまり、消音器2は排気管3においてその途中に介設されるかまたは排気管3の最下流側に接続される。すなわち、本説明における排気管3は、消音器2の上流側の排気管及び消音器2の下流側に接続される場合はその下流側の排気管を含む概念とする。
エンジン1から排出される排気ガスを排気管3によって外部に排出する際に消音器2を介することにより、この消音器2によって排気音を吸音して排気騒音を低減させている。消音器2は、その内部に形成される膨張室にて排気を一旦膨張させた後に外部に排出するという膨張比による消音が行われる膨張型消音器である。また、消音器2内部に備わる吸音材による消音なども行われる。
そして、本発明に係る排気管構造の特徴として、消音器2に連通接続される排気管3に、この排気管3の排気通路面積を変化させる弁機構10を備えている。この弁機構10は、排気管3の排気通路の途中に設けられるものであり、図1においては排気方向に対して消音器2の上流側に設けているが、消音器2の下流側に設けてもよい。
前記弁機構10は、後に詳細に説明するが、アクチュエータとしてのエアシリンダ4によって駆動され、排気管3の排気通路面積を可変としている。
エアシリンダ4は、制御手段としてのコントローラ5と接続されており、このコントローラ5からエアシリンダ4へ制御信号が送られる。つまり、弁機構10は、コントローラ5からの制御信号に基づきエアシリンダ4を介してコントローラ5により制御されている。
また、コントローラ5はエンジン1と接続されており、オペレータによる始動キーの操作などによりコントローラ5にエンジン1の起動指令が入力されると、コントローラ5からエンジン1へ起動信号を送信する。
また、エンジン1の排気出口1aの近傍には、エンジン1から排出される排気の圧力、即ち排気背圧(バックプレッシャー)を検出するための背圧検出手段としての圧力センサ6が設けられている。この圧力センサ6はコントローラ5と接続されており、エンジン1から排出される排気の背圧を検出し、この検出信号をコントローラ5に送信する。
また、エンジン1には、その回転数を検出する回転数検出手段としての回転センサ7が付設されている。この回転センサ7はコントローラ5と接続されており、エンジン1の回転数を検出し、この検出信号をコントローラ5に送信する。
このような構成において、弁機構10への制御信号は、コントローラ5に接続されている圧力センサ6や回転センサ7からの検出信号や、コントローラ5内に予め設定されているプログラム等に基づき、コントローラ5にて生成される。
次に、本発明に係る排気管構造における前記弁機構10の第1実施例について図2を用いて説明する。
本実施例における弁機構10は、排気管3の一部を形成する主管11と、この主管11の排気通路面積を変化させる制御弁12と、主管11における制御弁12の上流側と下流側の排気通路を連通させ、主管11よりも狭い排気通路面積を有する分岐管13とを備えている。
消音器2は、その排気入口側及び排気出口側にフランジ部2a・2aを有しており、これらフランジ部2a・2aを排気管3において接続することにより、消音器2が排気管3に介設される。
主管11は、その一側が排気管3に接続され、他側が消音器2の排気入口側のフランジ部2aに接続されており、排気管3の一部を形成している。ここで、主管11は、その一側を消音器2のフランジ部2aに直接接続することなく、他の排気管を介して消音器2と接続する構成としてもよい。つまり、主管11は排気管3の一部を形成する構成であればよい。
そして、前記主管11には、この主管11の排気通路面積を変化させる制御弁12が設けられている。
制御弁12は、主管11の排気方向に対して直交方向に貫通する回動軸14に略円盤状の弁体15を有し、この弁体15によって主管11内の排気通路を開閉する、いわゆるバタフライバルブに構成されている。回動軸14は、この回動軸14が貫通する位置に設けられる上下の軸受部16・17にて回動可能に支持されている。この回動軸14には前記弁体15が固設されており、回動軸14の回動にともない弁体15が回動し、この弁体15の回動によって主管11内の排気通路が開閉される。つまり、弁体15の回動角度により、主管11内の排気通路面積が変化することとなる。
分岐管13は、主管11よりも小径、即ちその排気通路面積が主管11よりも狭くなるように形成されている(分岐管13の排気通路面積については後述する)。そして、分岐管13は、その一端部を制御弁12の上流側、他端部を制御弁12の下流側においてそれぞれ主管11と連通接続されることにより、主管11における制御弁12の上流側と下流側とを連通している。つまり、制御弁12において弁体15が排気ガスの流れる方向に対して平行となっている状態(以下、この状態を「開状態」とする。)のときには、排気ガスは主管11及び分岐管13を流れることとなる。一方、制御弁12によって主管11を塞いでいる状態、即ち制御弁12において弁体15が排気ガスの流れる方向に対して垂直となっている状態(以下、この状態を「閉状態」とする。)のときには、排気管3内を流れる排気ガスは分岐管13によって迂回することとなる。なお、分岐管13は、図示のように複数の管状部材を連接した構成としてもよく、また、一体の管状部材を折り曲げて形成してもよい。
弁機構10は、前述したようにエアシリンダ4によって駆動される。具体的には、前記制御弁12がエアシリンダ4によって駆動される。
エアシリンダ4は、制御弁12を開く方向、即ち弁体15が開く方向に回動軸14を回動するためのシリンダ4aと、制御弁12閉じる方向、即ち弁体15が閉じる方向に回動軸14を回動するためのシリンダ4bとを有しており、これらシリンダ4a・4bに選択的に圧縮空気が供給されることによって制御弁12を開閉する。つまり、図示は省略するが、エアタンク等に貯溜されている圧縮空気をエアパイプにより各シリンダ4a・4bに供給し、その供給過程において設けられる電磁弁などにより、各シリンダ4a・4bに選択的に圧縮空気を供給する。
このように、エアシリンダ4に供給される圧縮空気によって回動軸14が回動されることで弁体15が回動される。すなわち、制御弁12が開状態及び閉状態となることによって主管11の排気通路の開閉が行われる。また、コントローラ5によってエアシリンダ4に供給する圧縮空気の量を調整することにより、制御弁12の開度を調整して主管11の排気通路面積を変化させることも行われる構成としている。
なお、エアシリンダ4の構成は図示のものに限定されるものではなく、他の構成であってもよい。また、弁機構10についての本実施例及び後述する各実施例においては、アクチュエータをこのエアシリンダ4としているが、これに限定されるものではなく、例えば、油圧シリンダやモータ等の各種アクチュエータによって代用することができる。
このような構成において、弁機構10の制御弁12によって主管11の排気通路面積を変化させることにより、分岐管13を含む排気管3としての排気通路面積を変化させることができる。つまり、制御弁12が開状態のときは、排気管3としての排気通路面積は主管11及び分岐管13の排気通路面積の合計となる。一方、制御弁12が閉状態のときは、排気管3としての排気通路面積は分岐管13のみの排気通路面積となる。この制御弁12が閉状態の場合、分岐管13は主管11よりもその排気通路面積が狭く形成されているので、弁機構10における排気通路面積は、その上流側及び下流側の排気管3の排気通路面積に対して縮小されることとなる。
また、前述したように、制御弁12は、その開度を調整することにより主管11の排気通路面積を調整することができる。つまり、弁機構10においては、排気管3の排気通路面積を制御弁12が開状態での排気通路面積から閉状態での排気通路面積までの範囲で変化することができる構成となっている。
つまり、弁機構10においては、主管11に設けられる制御弁12を所望に閉じる、または閉じる方向に回動させることにより、排気管3の排気通路面積を縮小させることができるので、排気管3の消音器2に対する膨張比を大きくすることが可能となり、排気音の減衰効果を高めることができる。具体的に制御弁12を閉じた状態では、分岐管13内を流れる排気ガスは、主管11へ流入する際に膨張されることで排気音が減衰され、さらに主管11から消音器2に流入する際に膨張されて排気音が減衰されることとなる。
続いて、以上のような構成の排気管構造における制御態様について説明する。
まず、エンジン1の起動時における排気管構造の制御について説明する。
エンジン1の起動時においては、図7を用いて説明したように大音響となる排気音が発生する。そこで、本制御態様においては、この起動時の大音響排気音を低減させるため、エンジン1の起動時から一定時間の間、前記弁機構10の制御弁12を閉状態とすることにより排気管3の排気通路面積を縮小させて排気音を低減しようとするものである。
この場合、コントローラ5にエンジン1の起動後から弁機構10を閉状態とする時間を予め設定する(以下、この設定される時間を「設定時間T」とする。)。この設定時間Tは、エンジン1の起動時の大音響排気音が発生する間の時間よりも若干長く設定される。つまり、前述したように、エンジン1起動時における大音響排気音はエンジン1を起動した瞬間から短時間(約1.5秒)の間に発生するため、エンジン1の起動時(起動した瞬間)から設定時間Tが経過するまでの間、制御弁12を閉状態として排気管3の排気通路面積を縮小させて排気音を低減させる。
具体的には、オペレータによる始動キーの操作などによりコントローラ5にエンジン1の起動指令が入力されると、コントローラ5はこの起動信号が入力された時点をエンジン1の起動時と認識する。そして、コントローラ5は、エンジン1の起動時から前記設定時間Tが経過するまでの間、制御弁12を閉状態とする。そして、エンジン1の起動時から設定時間T経過後、制御弁12を開状態とする。
なお、エンジン1の起動時において制御弁12を閉状態とする制御は、例えば、エンジン1の停止時には制御弁12が閉状態となるように制御したり、エンジン1の起動時にコントローラ5に入力される起動信号に基づき、制御弁12を瞬間的に閉状態とするように制御したりする方法が考えられる。つまり、これらは制御弁12の構造やその他制御構造などによって任意であり、エンジン1の起動時から設定時間Tが経過するまでの間、制御弁12が閉状態となるように制御されればよい。
このように、エンジン1の起動時から一定時間の間、制御弁12を閉状態とすることにより、排気管3の排気通路面積が縮小されることとなるため、超低周波音の減衰及び膨張比増大による消音器の減衰量増大が図れ、エンジン1の起動時に発生する大音響排気音を低減することができる。これにより、深夜などにおけるエンジン1の起動による付近住民への影響を低減することができ、時間帯や場所に関わらずエンジン1の起動を行うことができるようになる。
なお、制御弁12を閉状態とすることによる背圧の上昇が懸念されるが、エンジンの起動時は回転数が低いこと、及び制御弁12を閉状態とする時間が短時間であることから、背圧の上昇がエンジンの作動やその他機器類へ与える影響は少なく問題ないと考えられる。
このように、エンジン1の起動時から一定時間の間、制御弁12を閉状態とするように制御するため、エンジン1が起動時からその後の一定時間のローアイドリング時には制御弁12が閉じた状態となる。そして、この制御弁12が閉じている間は、弁機構10における排気通路は分岐管13のみとなる。このため、分岐管13の排気通路面積が、主管11と比較して狭すぎると背圧が許容範囲を超えることとなり、また、分岐管13の排気通路面積が広すぎると十分な消音効果を得ることができない。そこで、分岐管13の排気通路面積は、次に示すようなエンジン1の特性に基づき、主管11に対して相対的に設定される。
まず、図6にエンジン1における機関出力(単位:PS)と排気ガスの質量流量(単位:kg/h)との関係についての測定結果の一例を示す。
この測定結果によると、エンジン1の排気ガスの質量流量は、機関出力の増加にともない比例的に増加していることがわかる。測定点Aは、エンジン1の機関出力が定格出力(連続最大出力)の時(以下、「定格時」という。)のものであり、この時点での排気ガスの質量流量は約12000kg/hとなっている。そして、他の測定点を含めた測定結果に基づくと、エンジン1の機関出力が0PSとなる点Bに示すローアイドリング時(以下、「無負荷時」という。)においては、排気ガスの質量流量は約380kg/hとなる。つまり、無負荷時における排気ガスの質量流量は、定格時に対して約3%の量となることがわかる。なお、ここでいう定格出力とは、一定の状態と運転条件のもとで定められた回転数にて長時間連続して運転できる出力のことをいう。
このように、エンジン1の無負荷時においては、排気ガス流量が定格時に対して少量となるため、この無負荷時における排気ガス流量に応じて、分岐管13の排気通路面積(内径)を主管11に対して狭く(小さく)設定することができる。
この場合において、分岐管13の内径を主管に対してどの程度小さくするかは、管内における排気ガスの圧力損失(摩擦損失)に基づく排気ガスの背圧によって設定される。この背圧は、管の内径や管内を通過する排気ガスの流量(流速)などに基づくものであり、管内を通過する排気ガスの流量が減少すると背圧は低くなり、管の内径が小さくなると背圧は高くなる。そして、エンジン1においては許容される背圧が定められている。
このようなことから、制御弁12が閉状態で分岐管13のみが排気通路となり排気ガス流量が減少する無負荷時における背圧を、制御弁12が開状態である定格時において許容される背圧まで高めようとすると、少量となる排気ガス流量に応じて分岐管13の内径を小さくすることが可能となる。つまり、無負荷時においては排気ガス流量が減少するので、その減少した排気ガス流量が分岐管13内を流れる際の背圧が、定格時において許容される背圧と略同一となるまで分岐管13の内径を小さく設定することができる。具体的には、前記測定結果に基づくと、分岐管13の排気通路面積が主管11の排気通路面積の数%となるように分岐管13の内径を設定することができる。
このように主管11に対する分岐管13の排気通路面積を設定することにより、分岐管13の消音器2に対する膨張比、即ち排気管3の消音器2に対する膨張比を最大限にまで確保することが可能となり、優れた排気音の減衰効果を得ることができる。つまり、小型の消音器を最大限に有効利用することができる。
この場合、分岐管13及び消音器2の排気通路面積をそれぞれS1、S2とすると、制御弁12の閉状態での排気管3の消音器2に対する膨張比はS1/S2となる。そして、前述したように、無負荷時の背圧が定格時に許容される背圧となるまで分岐管13の内径を小さくすることにより、分岐管13の排気通路面積S2を最大限小さくすることができる。この結果、前記膨張比が大きくなり、小型の消音器を備える排気管構造においても優れた消音効果を得ることができる。
次に、エンジン1の起動後、即ち前述したようにエンジン1の起動時において制御弁12を一定時間閉状態とした後における排気管構造の制御について説明する。
エンジン1の起動後においては、例えば、岸壁にてエンジン1を起動した後の作業現場である沖合の方までの移動する出航時となる。こうした出航時においては、エンジン1は定格時と比較して低い出力で運転されることとなるが、移動経路付近に民家があることも多く、このときの排気音も騒音公害の原因となる場合がある。そこで、エンジン1が無負荷時から定格時までの間の出力のとき(以下、「部分負荷時」という。)において、前記制御弁12を閉状態から開状態までの範囲で開度を制御することにより、排気管3の排気通路面積を縮小させて排気音を低減する。
このエンジン1の部分負荷時における排気管構造の制御として、まず、エンジン1の背圧に基づいて行う制御態様について説明する。
図6に示すように、エンジン1の部分負荷時においては、その排気ガス流量が定格時と比較して少量となる。つまり、前述したように、排気管3の排気通路面積が一定の場合は、機関出力に応じて排気ガス流量が少量となるとエンジン1の背圧も低下することとなるので、この場合の背圧が定格時に許容される背圧となるまでの範囲内で、ある一定値を保つように排気管3の排気通路面積を縮小して排気音の低減を図る。そこで、本制御態様においては、部分負荷時の排気音を低減させるため、前記圧力センサ6によって検出される背圧が一定値となるように前記弁機構10の制御弁12を背圧に連動させて制御しようとするものである。
この場合、部分負荷時において一定に保とうとする背圧の値を予めコントローラ5に設定する(以下、この設定される背圧の値を「設定背圧値Pb」とする。)この設定背圧値Pbは、エンジン1の定格時において許容される背圧値よりも低く設定される。例えば、定格時に許容される背圧が350mmAq(1mmAq=約9.8Pa)の場合、300mmAqと設定するという具合である。
具体的には、部分負荷時において、コントローラ5は、圧力センサ6によって検出される背圧値(以下、「検出背圧値Pr」)と前記設定背圧値Pbとの比較を常時行う。そして、検出背圧値Prが設定背圧値Pbとなるように制御弁12の開度を制御する。
すなわち、エンジン1の出力が上昇するなどして背圧が高くなり、検出背圧値Prが設定背圧値Pbよりも高くなると、コントローラ5は、主管11の排気通路面積が拡大するように弁機構10を制御する。このとき、コントローラ5は、エアシリンダ4に対して制御弁12を開く方向に駆動させるように制御信号を送り、主管11の排気通路面積を拡大させ背圧を低下させる。
逆に、エンジン1の出力が低下するなどして背圧が低くなり、検出背圧値Prが設定背圧値Pbよりも低くなると、コントローラ5は、主管11の排気通路面積が縮小するように弁機構10を制御する。このとき、コントローラ5は、エアシリンダ4に対して制御弁12を閉じる方向に駆動させるように制御信号を送り、主管11の排気通路面積を縮小させ背圧を上昇させる。
このように、エンジン1が起動した後の部分負荷時において、エンジン1の背圧が予め設定される背圧値となるように弁機構10を制御することにより、排気管3の排気通路面積が、設定される背圧値に応じた排気通路面積に縮小されることとなるので、部分負荷時の排気音を一定値以下に低減することが可能となる。これにより、エンジン1の起動後、作業現場までの移動時における排気騒音によって付近住民に与える影響を低減することができる。この結果、より高速で移動することが可能となり、作業現場までの所要時間を短縮することができることとなる。
次に、エンジン1の部分負荷時における排気管構造の制御として、エンジン1の回転数に基づいて行う制御態様について説明する。
エンジン1においては、その回転数の増加にともなって排気ガス流量も増加することとなる。つまり、エンジン1が低回転数であるほど排気ガス流量は少量となって背圧も低下することとなるので、この場合の背圧が定格時に許容される背圧となるまでの範囲内で、回転数に応じて排気管3の排気通路面積を縮小して排気音の低減を図る。そこで、本制御態様においては、エンジン1の回転数が低い間は弁機構10によって排気管3の排気通路面積を縮小させておき、回転数の増加にともない、排気管3の排気通路面積を拡大するように弁機構10の制御弁12を回転数に連動させて制御しようとするものである。
この場合、エンジン1起動後の出航時において作業現場までの移動の際に、船速が徐々に上昇して回転数が増加するに従い、この回転数の増加に伴い排気管3の排気通路面積を拡大するように弁機構10の制御弁12の開度を高めていく。
具体的には、エンジン1の部分負荷時における回転数範囲、即ち無負荷時から定格時までにおける回転数範囲を低回転数域、中回転数域及び高回転数域の3つの範囲に区切り、コントローラ5に予め設定する。そして、これらの回転数域にそれぞれ対応する制御弁12の開度を低開度、中開度及び高開度の3段階として設定し、エンジン1の回転数の増加にともない制御弁12の開度を変化させる。
この際、制御弁12の各開度は、エンジン1の回転数と排気ガス流量との関係及び排気ガス流量と背圧との関係に基づき、各回転数において背圧が定格時の許容範囲内となり、かつ十分な消音効果が得られるように設定される。
このような設定状況において、エンジン1が起動してからその回転数が低回転数域にある場合は、コントローラ5は、制御弁12の開度が低開度となるようにエアシリンダ4に制御信号を送り、主管11の排気通路面積を縮小することで排気管3の排気通路面積を縮小させ排気音を低減する。その後、エンジン1の回転数が中回転数域、高回転数領域と増加するにともない、制御弁12の開度を中開度、高開度として排気管3の排気通路面積を拡大させていく。
なお、回転数の増加にともなう制御弁12の開度変化は、回転数の増加と制御弁12の開度変化とを略比例的となるように制御することもできる。この場合、回転数の変化に応じて制御弁12のより細かな制御が行われることとなるので、回転数の増加にともなう排気音の変化がスムーズとなり、急激な排気音の変化を防止することができる。
このように、エンジン1の回転数の増加にともない、排気管3の排気通路面積を拡大させるように弁機構10を制御することにより、エンジン1の回転数の増加にともない増大する排気音を低減することができる。すなわち、このような制御態様によっても、エンジン1が起動した後の部分負荷時における排気音を低減することができる。
なお、以上説明した部分負荷時における排気管構造の各制御態様は、予め部分負荷時としての機関出力の範囲を設定し、機関出力がこの範囲内にある場合に制御を行う構成としたり、また、エンジン1が搭載される船舶の操作部に本制御を行うための切換えスイッチ等を設け、これによりオンオフ制御を行う構成としたりすることが考えられる。
また、本発明に係る排気管構造における弁機構10は、次に示すような構成とすることもできる。以下、弁機構10の各実施例について説明する。なお、同様の用途及び機能を有する部材には同符号を付してその説明を省略する。
まず、弁機構10の第2実施例について図3を用いて説明する。
本実施例における弁機構10は、消音器2内に仕切板22を設け、この仕切板22によって消音器2の内部空間を排気方向に分割して上流側膨張室24と下流側膨張室25とを形成し、主管21によって上流側膨張室24と下流側膨張室25とを消音器2の外部にて連通させるとともに、分岐管23を前記仕切板22に貫通させ、この分岐管23によって上流側膨張室24と下流側膨張室25とを連通させている。
つまり、前記上流側膨張室24及び下流側膨張室25は、消音器2の両端部にてフランジ部2a・2aを介して排気管3とそれぞれ連通しており、これら各膨張室に対して、主管21の一端部を上流側膨張室24に、他端部を下流側膨張室25にそれぞれ消音器2の外部から連通接続することで排気通路を形成している。そして、仕切板22に分岐管23を貫通させこの分岐管23によって上流側膨張室24と下流側膨張室25とを連通している。
主管21は、消音器2にフランジ部2a・2aを介して接続される排気管3と略同一の排気通路面積を有する構成とし、制御弁12が開状態にあるときの弁機構10における排気通路を確保する。なお、本実施例における主管21は、図示のように複数の管状部材を連接した構成としてもよく、また、一体の管状部材を折り曲げて形成してもよい。
このような構成において、制御弁12が開状態のときには、排気ガスは消音器2内の各膨張室を介して主管21及び分岐管23を流れることとなる。一方、制御弁12が閉状態のときには、排気ガスは消音器2内の各膨張室を介して分岐管23を流れることとなる。
すなわち、本実施例における主管21及び分岐管23は、図2を用いて説明した第1実施例における主管11及び分岐管13に対応しており、それぞれ同様の機能を果たすこととなる。つまり、主管21に設けられる制御弁12を閉状態とすることにより、制御弁12の上流側と下流側とを連通するのは分岐管23のみとなり、この場合における排気管3としての排気通路面積は分岐管23の排気通路面積となる。そのため、この分岐管23の排気通路面積(内径)は、前述した第1実施例と同様に、排気ガスの背圧に基づき主管21に対して相対的に設定される。
このような構成とすることにより、機関室における設置スペース上の制限などから消音器2の上流側または下流側の排気管3が短い場合にも弁機構10を設けることができ、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
次に、弁機構10の第3実施例について図4を用いて説明する。
本実施例における弁機構10は、排気管3の一部を形成する主管31と、この主管31内に設けられ主管31よりも狭い排気通路面積を有する内管33と、この内管33の排気通路面積を変化させる制御弁32とを備えている。
主管31は、第1実施例における主管11と同様に、その一側が排気管3に接続され、他側が消音器2の排気入口側のフランジ部2aに接続されており、排気管3の一部を形成している。
内管33は、主管31内において支持片37・37・・・により支持固定されており、主管31と略同軸心となるように配置される。つまり、内管33内の排気通路は、主管31内の排気通路の一部を形成することとなる。
制御弁32は、主管31の排気方向に対して直交方向に貫通する回動軸34に略円盤状の弁体35を有し、この弁体35によって内管33の開口部を開閉する。本実施例における制御弁32は、弁体35の片側が回動軸34によって軸支される構成としている。つまり、図4(b)に示すように、回動軸34は主管31に対して弁体35の片側を軸支する位置に設けられ、主管31の上部に設けられる軸受部36にて主管31に対して回動可能に支持されている。
このような構成において、制御弁32がエアシリンダ4によって駆動される。この場合、エアシリンダ4によって回動軸34が回動されることで弁体35が回動軸34を軸として回動し、内管33の開口部を開閉して内管33の排気通路面積を変化させる。つまり、制御弁32の開度が調整されることにより、排気管3を形成する主管11の排気通路面積が変化することとなる。
すなわち、本実施例においては、内管33が第1実施例における主管11に対応しており、同様の機能を果たすこととなる。つまり、第1実施例における主管11の排気通路面積が、本実施例における内管33の排気通路面積に対応し、第1実施例における分岐管13の排気通路面積が、本実施例において制御弁32を閉状態としたときの主管31の排気通路面積に対応する。そのため、主管31及び内管33の排気通路面積(内径)は、前述したように、排気ガスの背圧に基づき相対的に設定される。
なお、本実施例における制御弁32は、図示するものに限定されず、第1実施例などに示すバタフライバルブに構成することもできる。
このような構成とすることにより、消音器2及びこれに連通接続される排気管3の外側に分岐管などを設ける必要もなく弁機構10を構成することが可能となるので、設置スペースが限られている機関室などにおいても、容易に弁機構10を設けることができ、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
続いて、弁機構10の第4実施例について図5を用いて説明する。
本実施例における弁機構10は、排気管3の一部を形成する主管41と、通気孔43が穿設された弁体45を有し主管41の排気通路面積を変化させる制御弁42とを備えている。
本実施例における弁機構10は、制御弁42の構成を図2に示す第1実施例と略同一としており、その弁体45に通気孔43が穿設されている。つまり、制御弁42は、軸受部46・47に回動可能に支持される回動軸44に弁体45を有しており、この弁体45には通気孔43が設けられている。
すなわち、本実施例においては、主管41が第1実施例における主管11に対応し、弁体45に設けられる通気孔43が第1実施例における分岐管13に対応しており、同様の機能を果たすこととなる。つまり、第1実施例における主管11の排気通路面積が、本実施例における主管41の排気通路面積に対応し、第1実施例における分岐管13の排気通路面積が、本実施例における通気孔43の排気通路面積に対応する。そのため、主管41及び通気孔43の排気通路面積(内径)は、前述したように、排気ガスの背圧に基づき相対的に設定される。
このような構成とすることにより、消音器2及びこれに連通接続される排気管3の外側に分岐管などを設ける必要もなく、しかもより簡単に弁機構10を構成することが可能となる。これにより、設置スペースが限られている機関室などにおいても、簡単な構成で容易に弁機構10を設けることができ、実施例1と同様の効果を得ることができる。
本発明の内燃機関の排気管構造の概略構成を示す図。 弁機構の第1実施例を示す図。 同じく第2実施例を示す図。 同じく第3実施例を示す図。(a)は側面一部断面図。(b)は平面一部断面図。 同じく第4実施例を示す図。 機関出力と排気ガス質量流量との関係を表す測定結果の一例を示す図。 エンジンの起動時における排気音の測定結果の一例を示す図。
符号の説明
1 エンジン
2 消音器
3 排気管
4 エアシリンダ
5 コントローラ
6 圧力センサ
7 回転センサ
10 弁機構
11・31・41 主管
12・32・42 制御弁
13 分岐管
15・35・45 弁体
22 仕切板
24 上流側膨張室
25 下流側膨張室
31 主管
33 内管
43 通気孔

Claims (7)

  1. 排気通路に消音器を具備する内燃機関の排気管構造であって、
    前記消音器に連通接続される排気管に設けられ該排気管の排気通路面積を変化させる弁機構と、該弁機構を駆動するアクチュエータと、該アクチュエータを介して前記弁機構を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、内燃機関の起動時から、前記制御手段に予め設定される時間が経過するまでの間、前記排気管の排気通路面積を縮小するように前記弁機構を制御することを特徴とする内燃機関の排気管構造。
  2. 排気通路に消音器を具備する内燃機関の排気管構造であって、
    前記消音器に連通接続される排気管に設けられ該排気管の排気通路面積を変化させる弁機構と、該弁機構を駆動するアクチュエータと、該アクチュエータを介して前記弁機構を制御する制御手段と、該制御手段に接続され内燃機関の排気出口の背圧を検出する背圧検出手段とを備え、
    前記制御手段は、内燃機関の部分負荷時に、前記背圧検出手段によって検出される背圧値が、前記制御手段に予め設定される背圧値となるように前記弁機構を制御することを特徴とする内燃機関の排気管構造。
  3. 排気通路に消音器を具備する内燃機関の排気管構造であって、
    前記消音器に連通接続される排気管に設けられ該排気管の排気通路面積を変化させる弁機構と、該弁機構を駆動するアクチュエータと、該アクチュエータを介して前記弁機構を制御する制御手段と、該制御手段に接続され内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段とを備え、
    前記制御手段は、内燃機関の部分負荷時に、前記回転数検出手段によって検出される回転数の増加にともない、前記排気管の排気通路面積を拡大させるように前記弁機構を制御することを特徴とする内燃機関の排気管構造。
  4. 前記弁機構は、前記排気管の一部を形成する主管と、該主管の排気通路面積を変化させる制御弁と、該制御弁の上流側と下流側の排気通路を連通させ、前記主管よりも狭い排気通路面積を有する分岐管と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項記載の内燃機関の排気管構造。
  5. 前記消音器内に仕切板を設け、該仕切板によって前記消音器の内部空間を排気方向に分割して上流側膨張室と下流側膨張室とを形成し、前記主管によって前記上流側膨張室と下流側膨張室とを前記消音器の外部にて連通させるとともに、前記分岐管を前記仕切板に貫通させ該分岐管によって前記上流側膨張室と下流側膨張室とを連通させたことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の排気管構造。
  6. 前記弁機構は、前記排気管の一部を形成する主管と、該主管内に設けられ該主管よりも狭い排気通路面積を有する内管と、該内管の排気通路面積を変化させる制御弁と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項記載の内燃機関の排気管構造。
  7. 前記弁機構は、前記排気管の一部を形成する主管と、通気孔が穿設された弁体を有し前記主管の排気通路面積を変化させる制御弁と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項記載の内燃機関の排気管構造。
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