JP2001248074A - ゴム・繊維接着処理剤およびゴム補強用繊維 - Google Patents

ゴム・繊維接着処理剤およびゴム補強用繊維

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JP2001248074A
JP2001248074A JP2000058041A JP2000058041A JP2001248074A JP 2001248074 A JP2001248074 A JP 2001248074A JP 2000058041 A JP2000058041 A JP 2000058041A JP 2000058041 A JP2000058041 A JP 2000058041A JP 2001248074 A JP2001248074 A JP 2001248074A
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fiber
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magnesium oxide
latex
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Kiyohiro Hanioka
清弘 埴岡
Masaharu Taniguchi
雅春 谷口
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Toray Industries Inc
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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着処理剤の保存安定性およびゴムと繊維の
接着性を改善したゴム・繊維用接着処理剤およびこのゴ
ム・繊維用接着処理剤で処理してなるゴムとの接着性が
優れたゴム補強用繊維を提供する。 【解決手段】 アルカリ固形触媒として酸化マグネシウ
ムを使用したレゾルシン・ホルマリン重縮合物とゴムラ
テックスとを含む接着処理剤であって、酸化マグネシウ
ム以外のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量
が200ppm以下であり、かつレゾルシン・ホルマリ
ン重縮合物がレゾール型の構造を有するゴム・繊維用接
着処理剤。合成繊維の表面に、上記ゴム・繊維接着処理
剤が付与されてなるゴム補強用繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ、ベルトお
よびホースなどに代表される繊維・ゴム複合体製品のゴ
ム補強用繊維に適用されるゴム・繊維接着処理剤および
この接着処理剤を付与してなるゴム補強用繊維に関する
ものであり、さらに詳しくは、接着処理剤の保存安定性
およびゴムと繊維の接着性を改善したゴム・繊維用接着
処理剤およびこのゴム・繊維用接着処理剤で処理してな
るゴムとの接着性が優れたゴム補強用繊維に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車タイヤ、コンベアベルト、Vベル
ト、ホースなどのゴム資材には、ゴム補強材料として様
々な繊維材料が使用されており、なかでもポリエステル
繊維、ナイロン繊維およびアラミド繊維などが、寸法安
定性、耐熱性および耐疲労性に優れることから、広く使
用されている。
【0003】しかし、一般に、これら補強用の繊維材料
として供されるものの多くは、そのままではゴムとの接
着性が乏しいために、レゾルシン・ホルマリン重縮合物
とゴムラテックスとの混合物を含む処理液やゴム糊など
の接着処理剤を付与されて実用に供されることが多い。
【0004】そして、合成繊維とゴムとの接着性および
接着加工性をさらに改善するために、これまでに様々な
検討がなされ、ゴム・繊維接着処理剤についても多くの
提案がなされている。
【0005】しかしながら、従来から使用されているゴ
ム・繊維接着処理剤は、その保存安定性に難があり、経
時的に接着性能が低下したり、かつ接着加工性も低下す
るなどの問題を抱えていた。
【0006】すなわち、合成繊維材料がポリアミドの場
合には、レゾルシン・ホルマリン重縮合物とゴムラテッ
クスとの混合物を含む接着処理液で処理する方法が一般
的であるが、この方法で処理された繊維材料は、良好な
接着性を示すものの、接着処理液は、長いものでも1週
間程度でゲル化してしまい、保存安定性に劣るという欠
点を有していた。
【0007】また、レゾルシン・ホルマリン重縮合物と
ゴムラテックスとの混合物を含む接着処理液で処理され
た繊維材料についても、接着処理液の経日変化で品質が
変化してしまうという問題があるばかりか、レゾルシン
・ホルマリン重縮合物の重縮合触媒として強アルカリ・
酸などを使用するために、接着処理液の調製作業性も劣
るという問題もあった。
【0008】そこで、このレゾルシン・ホルマリン重縮
合物にゴムラテックスを加える際に、同時にアンモニア
を添加することによって、ゴムとの接着性および処理液
の保存安定性をある程度向上させる技術が提案され、す
でに実用されているが、それでもなおより優れたゴムと
の接着力および十分な保存安定性が求められている現在
では、次第に満足できなくなりつつあるのが実情であ
る。
【0009】すなわち、ゴム・繊維接着処理剤のゴムと
の接着力および保存安定性を低める原因の1因を、レゾ
ルシン・ホルマリン重縮合物の触媒として添加されるア
ルカリ金属イオンにあるとして、これをアンモニウムイ
オンに置き換える方法が、特公昭51−116296号
公報により提案されているが、この方法では有機溶媒へ
の溶解抽出、乾燥、再溶解化といった煩雑な処理が必要
なばかりか、樹脂を水洗いして塩を取り除くことによっ
ては、完全にアルカリ金属イオンを取り除くことはでき
ず、またアンモニウムイオンも過剰に残留するために、
ゴムラテックスの種類によっては、ゲル化してしまうと
いう問題もあり、必ずしも満足な処理液の保存安定性が
得られるとはいえなかった。
【0010】また、特公昭51−116296号公報に
は、レゾルシン・ホルマリン樹脂水溶液から、陽イオン
交換樹脂によりアルカリ金属イオンを吸着させた後、こ
れについて上記の操作を行うことも提案されているが、
この方法では、陽イオン交換樹脂(スルホン酸基/カル
ボン酸基)が、レゾルシン・ホルマリン樹脂をより選択
的に吸着してしまうために、アルカリ金属イオンのみを
十分に吸着・除去・分離することは困難であるため、こ
の方法で調製したゴム・繊維接着処理液もまた、ゴムと
の接着力および保存安定性の発現が必ずしも十分なもの
であるとはいえなかった。
【0011】一方、繊維材料がポリエステルの場合に
は、ポリエポキシド化合物と芳香族ポリイソシアネート
化合物を含む第1処理液で処理し、次いでレゾルシン・
ホルマリン重縮合物とゴムラテックスとの混合物を含む
第2処理液で処理する方法が、特公昭42−11482
号公報により提案されている。
【0012】しかるに、この方法で処理された繊維材料
は、良好な接着性を示すものの、第2処理液は上記と同
様のレゾルシン・ホルマリン重縮合物を含むものである
ため、保存安定性に乏しいものであった。
【0013】なお、レゾルシン・ホルマリン重縮合物の
触媒として、アルカリ金属イオンを使用せずに、固形触
媒であるゼオライトを使用することにより、レゾルシン
とホルマリンを重縮合せしめ、しかる後これにゴムラテ
ックスを加えてゴム・繊維接着処理液を調製する方法が
知られているが、かかる方法で作成されるレゾルシン・
ホルマリン重縮合物は、ノボラック型の樹脂であり、メ
チロール基の含有量が少ないために、そのままではゴム
との接着力が弱く、硬化剤を添加する必要があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0015】したがって、本発明の目的は、接着処理剤
の保存安定性およびゴムと繊維の接着性を改善したゴム
・繊維用接着処理剤、およびこのゴム・繊維用接着処理
剤で処理してなるゴムとの接着性が優れた高品位のゴム
補強用繊維を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明のゴム・繊維用接着処理剤は、主として次
の構成を有する。すなわち、アルカリ固形触媒として酸
化マグネシウムを使用したレゾルシン・ホルマリン重縮
合物とゴムラテックスとを含むゴム・繊維用接着処理剤
であって、酸化マグネシウム以外のアルカリ金属化合物
およびアルカリ土類金属化合物の含有量が200ppm
以下であり、かつレゾルシン・ホルマリン重縮合物がレ
ゾール型の構造を有することを特徴とするゴム・繊維用
接着処理剤である。
【0017】なお、本発明のゴム・繊維用接着処理剤に
おいて、酸化マグネシウムの処理剤全体に対する含有量
が5重量%以下であることが、好ましい条件であり、こ
れらの条件の適用により一層すぐれた効果の取得を期待
することができる。
【0018】また、本発明のゴム補強用繊維は、主とし
て次の構成を有する。すなわち、合成繊維の表面に、上
記ゴム・繊維接着処理剤が付与されてなることを特徴と
するゴム補強用繊維である。
【0019】なお、本発明のゴム補強用繊維において
は、ゴム・繊維接着処理剤の固形分付着量が合成繊維重
量に対し0.01〜10.0重量%の範囲であること、
およびゴム・繊維接着処理剤に含有される酸化マグネシ
ウムが合成繊維重量に対して50〜6,000ppm付
着していることが、いずれもが好ましい条件であり、こ
れらの条件の適用により一層すぐれた効果の取得を期待
することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。
【0021】本発明のゴム・繊維接着処理剤は、レゾル
シン・ホルマリン重縮合物とゴムラテックスとの混合
物、いわゆるRFLを主成分として含有するものであ
り、一浴処理法の第1接着液または2浴処理法の第2接
着液として使用されるものである。
【0022】そして、上記レゾルシン・ホルマリン重縮
合物は、重縮合触媒として酸化マグネシウムを用いたも
のであることが必須の条件であり、これにより接着処理
液を調整するに当たっての作業性が改善されるばかり
か、保存安定性性および連続使用性に優れ、ゴムとの接
着性が高いゴム・繊維接着処理剤の実現を図ることがで
きる。
【0023】レゾルシン・ホルマリン重縮合物における
レゾルシンとアルデヒドのモル比は、1:0.1〜1:
8、好ましくは1:0.5〜1:5、さらに好ましくは
1:1〜1:4の範囲である。この範囲にすることによ
りゴムとの接着力が改善され、接着処理剤をコードや織
布などに塗布した際に実用上問題ない剛さを得ることが
できる。
【0024】ゴムラテックスの具体例としては、天然ゴ
ムラテックス、スチレン・ブタジエン・コポリマーラテ
ックス、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン・ター
ポリマーラテックス、ニトリルゴムラテックス、クロロ
プレンラテックスおよびクロロスルホン化ポリエチレン
ラテックスなどが挙げられ、これらは単独または併用し
て使用することができる。
【0025】レゾルシン・ホルマリン重縮合物とゴムラ
テックスとの配合比率は、固形分重量比にて1:1〜
1:15、特に1:3〜1:12の範囲にあるのが望ま
しい。この範囲にすることにより、保存安定性に優れた
接着処理液を得ることが出来、また、ゴムとの接着性に
優れたゴードや織布を得ることが出来る。
【0026】本発明において、レゾルシン・ホルマリン
重縮合物の重縮合触媒として使用する酸化マグネシウム
は、粒径が0.01μm以上のものであることが、回収
分離が容易なことから望ましい。
【0027】レゾルシン・ホルマリン重縮合物の重縮合
時における酸化マグネシウムの使用量は、重縮合中の処
理液中で0.5〜20重量%の範囲にあることが望まし
い。この範囲にすることにより、重縮合に至るまでの時
間調整が容易になる。
【0028】レゾルシン・ホルマリン重縮合物の重縮合
後には、酸化マグネシウムを処理液中から回収分離する
ことが望ましい。
【0029】すなわち、最終的な接着処理液中の酸化マ
グネシウム濃度を少なくとも5重量%以下、特に1重量
%以下にすることが、ゴム・繊維接着処理剤のゴムとの
接着力および処理液の保存安定性のために望ましい。
【0030】酸化マグネシウムの回収分離には、濾布を
用いたろ過や沈殿槽など用いてもよいが、遠心分離器を
用いることが望ましい。
【0031】このように、レゾルシン・ホルマリン重縮
合物の重縮合触媒として酸化マグネシウムを用い、さら
に望ましくは、レゾルシン・ホルマリン重縮合物の重縮
合後に酸化マグネシウムを回収分離し、接着処理液全体
に対する酸化マグネシウムの含有量を極力少なくするこ
とによって、接着処理液を調整するに当たっての作業性
が改善できる上に、保存安定性性および連続使用性に優
れ、ゴムとの接着性が高いゴム・繊維接着処理剤を得る
ことができる。
【0032】なお、本発明のゴム・繊維接着剤を1浴処
理法に適用する場合には、レゾルシン・ホルムアルデヒ
ド初期縮合物とゴムラテックスとの混合物と共に、ブロ
ックドポリイソシアネート化合物およびエチレン尿素化
合物などの他の接着性改良成分を有効成分として含有す
ることができる。
【0033】また、本発明のゴム・繊維接着剤を2浴処
理法の第1接着液に適用する場合の第1処理液として
は、ゴムラテックス、ポリエポキシド化合物、ブロック
ドポリイソシアネート化合物およびエチレン尿素化合物
から選ばれた少なくとも1種をを主要有効成分とするも
のが使用される。
【0034】次に、本発明のゴム補強用繊維について説
明する。本発明のゴム補強用繊維は、合成繊維の表面
に、上記のゴム・繊維接着処理剤が付与されてなるもの
である。
【0035】本発明で使用する合成繊維材料としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
トのごときポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン6
6のごときポリアミド繊維、またはポリメタフェニレン
イソフタラミドなどのアラミド繊維などが挙げられる。
【0036】ここで、上記繊維材料の形態は、その用途
によって種々異なることはもちろんであるが、本発明の
ゴム・繊維接着処理剤による処理は、任意の繊維材料に
施すことができる。たとえばヤーンの状態(繊維の延伸
前又は延伸後)にて接着処理液で処理してもよいし、コ
ードまたは織布となしてから処理してもよい。
【0037】ゴム・繊維接着処理剤を合成繊維に付着せ
しめるには、ローラーとの接触、ノズルからの噴霧によ
る塗布および液浴への浸漬などの任意の方法を採用する
ことができる。合成繊維に対するゴム・繊維接着処理剤
の固形分付着量は、処理液組成物としては0.01〜1
0重量%、さらには0.5〜10重量%の範囲が好まし
い。
【0038】そして、ゴム・繊維接着処理剤に含有され
る酸化マグネシウムが、合成繊維重量に対して50〜
6,000ppm付着していることが望ましい。
【0039】なお、合成繊維に対するゴム・繊維接着処
理剤の固形分付着量を制御するために、圧接ローラーに
よる絞り、スクレバーによるかき落とし、空気吹き付け
による吹き飛ばし、および吸引、吸収、ピーターによる
叩打などの手段を用いてもよい。
【0040】本発明において、合成繊維をゴム・繊維接
着処理剤で処理した後は、通常、120℃以上合成繊維
の融点以下の温度で処理する。
【0041】また、2浴処理法の場合には、まず第1処
理液で処理した後、120℃以上合成繊維の融点以下の
温度で処理し、次いで本発明のゴム・繊維接着処理剤処
理液からなる第2処理液で処理した後、同様に120℃
以上合成繊維の融点以下の温度で乾燥・熱処理を行うの
が好ましい。
【0042】この場合には、ゴム・繊維接着処理剤を溶
融紡糸した未延伸糸上に付着させ延伸・熱処理後、処理
液で処理するようにしてもよい。また、乾燥、熱処理後
に処理繊維をエッジに摺接させて断糸が起こらない程度
のブレーディング柔軟化処理を施してもよい。
【0043】このようにして処理された合成繊維は、ゴ
ムとの接着性に優れ、補強用として優れた抗張力および
寸法安定性などの一般的諸性能を有し、かつゴム・繊維
接着処理剤そのものの保存安定性がよく、連続操業性に
優れるため、安定した品質を提供し得る。
【0044】本発明において、目的とする効果が得られ
る理由については、次のように推測される。すなわち、
従来のレゾルシン・ホルマリン重縮合物の重縮合は、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、希硫
酸、希塩酸および自然界における自動酸化で生じる炭酸
水素などのアルカリもしくは酸を添加することで行って
いるが、これらのアルカリもしくは酸は、水溶液中にお
いて電離するため、平衡がくずれた場合に塩を生成しや
すい。そして、特にゴムラテックスにこれらと反応し塩
を生成する物質が含まれる場合には、その塩が核となっ
て接着処理剤が粗粒化し、接着処理剤自体の寿命の低下
やゴムとの接着力の低下を生じることになる。そればか
りか、上記の塩がゴムラテックスの接着に大きく関与す
るクロロ基、スルホニル基、アルキル基などの官能基と
反応/マスクして、不活性化してしまうことになる。
【0045】これに対し、レゾルシン・ホルマリン重縮
合物の重縮合触媒として酸化マグネシウムを使用した本
発明のゴム・繊維接着処理剤においては、上記電解質が
処理液の系の中に含まれる危険性が少ないために、上記
の不具合が生じないばかりか、酸化マグネシウムが固形
触媒であることより液中から回収分離しやすく、触媒を
取り除くことによりレゾルシン・ホルマリン重縮合物の
重縮合が止まり、結果として安定した液品質の維持と高
温での熱処理時の過剰な硬化反応の予防が可能になるた
め、接着処理剤の保存安定性が著しく改善されるのであ
る。
【0046】また、酸化マグネシウムはアルカリ触媒で
あるために、レゾルシン・ホルマリン重縮合物がレゾー
ル型となり、合成繊維表面との接着力に必要なメチロー
ル基がノボラック型と比べて十分に存在することになる
ために、硬化剤を加えることなく、十分なゴムとの接着
力が発現されるのである。
【0047】
【実施例】次に、実施例により、本発明の構成および効
果を一層具体的に説明する。なお、以下に具体的に記載
する実施例において、各測定値は次の方法により求めた
ものである、 (1)接着力 平行剥離接着力を示す。具体的には繊維コードとゴムと
の接着力を示すもので、2プライの処理コードを平行プ
ライ(コード打ち込み密度28本/インチ)として被接
着ゴム中に埋め込み160℃で20分間、プレスにより
上部より30Kg/cm2 の圧力をかけて加硫し、放冷
した後、両プライを引張速度5cm/分で引き剥がすた
めに必要な力を表したものである。被接着ゴムとして
は、実施例1〜4および比較例1〜4では表1に示され
る組成のNBRゴムを使用した。また、実施例5〜8お
よび比較例5〜8では表2に示されるEPDMゴムを使
用して測定した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】 (2)ゴム付着率 ゴム付着率もゴムの接着性を示す尺度であり、上記の剥
離力測定の際に、ゴムから剥離したコード表面上を肉眼
で観察し、コード表面のゴムが付着している部分を百分
率で表したものである。 (3)処理液保存性 一般にコードを処理するために必要な粘度である20c
St以下を目安として、経日で粘度を測定・観察し、8
cSt以下を◎、18cSt以下を○、20±2cSt
を△、処理に適していない場合には×として表した。粘
度の測定には単一円筒型回転粘度計ビスメトロン(芝浦
システム株式会社)を使用した。処理液のレゾルシン・
ホルマリン重縮合物のFT−IRの測定はFT−IR測
定器FT2000(堀場製作所)を使用した。
【0050】[実施例1]酸化マグネシウム8gに水2
60gに加え、レゾルシン30g、37%ホルマリン水
溶液40g添加して十分に撹拌して分散させた。この液
を活性炭を敷きつめた50メッシュのフィルターで濾過
し、酸化マグネシウムを取り除いた。そして、これにN
BRラテックス(日本ゼオン(株)製品、アクリロニト
リル・ブタジエンラテックス)400gと水220gを
添加して混合することにより接着処理液を調製した。一
方、1260d/2、ヨリ数10回/10cmのナイロ
ン66繊維からなるコードを、コンピュートリーター処
理機(C.A.Litzler社製タイヤコード処理
機)を用いて、上記接着処理液中に浸漬した後、120
℃で2分間乾燥し、次いで220℃で2分間熱処理し
た。このナイロン66繊維には、接着処理液の固形分が
5.5重量%〜7.5重量%付着しており、さらにこの
ポリアミド繊維からコードを作製して上記の特性を定し
た。さらに、接着処理液の保存性を測定した。これらの
結果を表3に示した。
【0051】
【表3】
【0052】[実施例2]接着処理液の作製時に、さら
にアンモニア38g(27重量%)を加えた以外は、実
施例1と同様の操作を行ってコードを作製し、コードと
接着処理液の特性を測定した。これらの結果を表3に併
記した。
【0053】[実施例3]ペンタエリスト−ルジグリシ
ジルエーテル20gに界面活性剤としてネオコールSW
−30(第一工業製薬(株)製品、ジオクチルスルフォ
サクシネートナトリウム塩の30重量%水溶液)4gを
添加し、これに水966gに撹拌しながら加え、これを
第1処理液とした。酸化マグネシウム8gを水260g
に加え、レゾルシン30g、37%ホルマリン水溶液4
0g添加して十分に撹拌して分散させた。この液を活性
炭を敷きつめた50メッシュのフィルターで濾過し、酸
化マグネシウムを取り除いた。次に、これにNBRラテ
ックス(日本ゼオン(株)製品、アクリロニトリル・ブ
タジエンラテックス)400gと水220g添加して混
合し、これを第2処理液とした。一方、1500d/
1、ヨリ数15回/10cmのポリエチレンテレフタレ
ート繊維からなるコードを、コンピュートリーター処理
機(C.A.Litzler社製タイヤコード処理機)
を用いて、上記第1処理液中に浸漬した後、220℃で
2分間熱処理し、次いで第2処理液に浸漬した後、22
0℃で2分間熱処理を行った。この乾燥ポリエステル繊
維には、接着処理液の固形分が3.5重量%〜6.5%
付着ており、さらにこのポリエステル繊維からコードを
作製して上記の特性を定した。さらに、接着処理液の保
存性を測定した。これらの結果を表3に併記した。
【0054】[実施例4]第2処理液の作製時に、さら
にアンモニア38g(27重量%)を加えた以外は、実
施例3と同様の操作を行ってコードを作製し、コードと
第2処理液の特性を測定した。これらの結果を表3に併
記した。
【0055】[実施例5]NBRラテックス(日本ゼオ
ン(株)製品、アクリロニトリル・ブタジエンラテック
ス)400gを使用する代わりに、CSMラテックス
(住友精化(株)製品、クロロスルホン化ポリエチレン
ラテックス)420gを使用し添加する水の量を200
gに変更した以外は、実施例1と同様にしてコードを作
製し、コードと接着処理液の特性を測定した。これらの
結果を表3に併記した。
【0056】[実施例6]接着処理液にさらにアンモニ
ア38g(27重量%)を加えた以外は、実施例5と同
様にしてコードを作製し、コードと接着処理液の特性を
測定した。これらの結果を表3に併記した。
【0057】[実施例7]第2処理液にNBRラテック
ス(日本ゼオン(株)製品、アクリロニトリル・ブタジ
エンラテックス)400gを使用する代わりに、CSM
ラテックス(住友精化(株)製品、クロロスルホン化ポ
リエチレンラテックス)420gを使用し、添加する水
の量を200g添加に変更した以外は、実施例3と同様
にしてコードを作製し、コードと第2処理液の特性を測
定した。これらの結果を表3に併記した。
【0058】[実施例8]第2処理液にさらにアンモニ
ア38g(27重量%)を加えた以外は、実施例7と同
様にしてコードを作製し、コードと第2処理液の特性を
測定した。これらの結果を表3に併記した。
【0059】[実施例9]酸化マグネシウム8gに水2
60gに加え、レゾルシン30g、37%ホルマリン水
溶液40g添加して十分に撹拌して分散させた。この処
理液をそのまま使用して、NBRラテックス(日本ゼオ
ン(株)製品、アクリロニトリル・ブタジエンラテック
ス)400gと水220gを添加して混合し、これを接
着処理液とした。この接着処理液を用いて、実施例1と
同様にして作製したコードと接着処理液の特性を測定し
た結果を表5に併記した。
【0060】[比較例1]10%苛性ソーダー水溶液2
5gに水260gに加え、レゾルシン30g、37%ホ
ルマリン水溶液40g添加して十分に撹拌して分散させ
た。そして、これにNBRラテックス(日本ゼオン
(株)製品、アクリロニトリル・ブタジエンラテック
ス)400gと水220gを添加して混合した。これを
接着処理液とし、実施例1と同様にしてコードを作製
し、コードと処理液の特性を測定した。これらの結果を
表4に示した。
【0061】[比較例2]接着処理液の作製時にさらに
アンモニア38g(27重量%)を加えた以外は、比較
例1と同様の操作を行ってコードを作製し、コードと接
着処理液の特性を測定した。これらの結果を表4に併記
した。
【0062】[比較例3]10%苛性ソーダー水溶液2
5gを水260gに加え、よく撹拌してえた水溶液中に
レゾルシン30g、37%ホルマリン水溶液40g添加
して十分に撹拌して分散させ、これを第1処理液とし
た。これにNBRラテックス(日本ゼオン(株)製品、
アクリロニトリル・ブタジエンラテックス)400gに
水220g添加して希釈して第2処理液とした以外は、
実施例3と同様の処理を行って処理コードを作製し、コ
ードと第2処理液の特性を測定した。これらの結果を表
4に併記した。
【0063】[比較例4]第2処理液にアンモニア38
g(27重量%)を加えた以外は、比較例3と同様の処
理を行って処理コードを作製し、コードと第2処理液の
特性を測定した。これらの結果を表4に併記した。
【0064】[比較例5]10%苛性ソーダー水溶液2
5gに水260gに加え、レゾルシン30g、37%ホ
ルマリン水溶液40g添加して十分に撹拌して分散させ
た。これにCSMラテックス(住友精化(株)製品、ク
ロロスルホン化ポリエチレンラテックス)420gと水
200gを添加して混合し、これを接着処理液として、
実施例1と同様にしてコードを作製し、コードと接着処
理液の特性を測定した。これらの結果を表4に併記し
た。
【0065】[比較例6]接着処理液にさらにアンモニ
ア38g(27重量%)を加えた以外は、比較例5と同
様にしてコードを作製し、コードと接着処理液の特性を
測定した。これらの結果を表4に併記した。
【0066】[比較例7]10%苛性ソーダー水溶液2
5gを水260gに加え、よく撹拌して得た水溶液中
に、レゾルシン30g、37%ホルマリン水溶液40g
を添加して十分に撹拌して分散させた。次に、これにC
SMラテックス(住友精化(株)製品、クロロスルホン
化ポリエチレンラテックス)420gと水200gを添
加して混合して、これを第2処理液とした。これらの処
理液で実施例3と同様の処理を行って得られた処理コー
ドと第2処理液の特性を測定した。これらの結果を表4
に併記した。
【0067】[比較例8]第2処理液にアンモニア38
g(27重量%)を加えた以外は、比較例7と同様の処
理を行って得られた処理コードと第2処理液の特性を測
定した。これらの結果を表4に併記した。
【0068】
【表4】
【0069】[比較例9]10%苛性ソーダー水溶液2
5gの代わりに、アンモニア38g(27重量%)加え
た以外は、比較例1と同様の処理を行って得られた処理
コードと接着処理液の特性を測定した。これらの結果を
表5に示した。
【0070】
【表5】
【0071】[比較例10]10%苛性ソーダー水溶液
25gとアンモニア38g(27重量%)を同時に加え
た以外は、比較例1と同様の処理を行って得られた処理
コードと接着処理液の特性を測定した。これらの結果を
表5に併記した。
【0072】以上の実施例1〜9および比較例1〜10
の結果について、下記のとおり考察する。すなわち、実
施例1〜9と、比較例1〜10とは、触媒に酸化マグネ
シウムを使用したものと、水酸化ナトリウムを使用した
ものとの比較であるが、酸化マグネシウムを使用した実
施例1〜9においては、水酸化ナトリウムを使用した比
較例1〜10と比べて、ゴムとの接着力を向上もしくは
維持したまま、接着処理液の保存性が向上している。そ
して、酸化マグネシウムを使用した実施例1〜9の接着
処理剤は、触媒に水酸化ナトリウムを使用した比較例1
〜10の接着処理剤と比べて、接着処理剤の保存安定性
がきわめて改善されている。また、アンモニアを後から
添加した場合には、処理液の保存性が向上する場合があ
るが(実施例2・実施例6)、実施例1、実施例2、比
較例1、比較例2、比較例9および比較例10の結果か
らは、レゾルシン・ホルマリン重縮合物の重縮合をさせ
る時からの添加では効果がなく、むしろ接着力および保
存安定性が低下することが確認できた。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、レゾルシン・ホルマリ
ン重縮合物の重縮合触媒として酸化マグネシウムを用
い、さらに望ましくは、レゾルシン・ホルマリン重縮合
物の重縮合後に酸化マグネシウムを回収分離することに
より、接着処理液全体に対する酸化マグネシウムの含有
量を極力少なくすることによって、接着処理液を調整す
るに当たっての作業性が改善できる上に、保存安定性性
および連続使用性に優れ、ゴムとの接着性が高いゴム・
繊維接着処理剤を得ることができる。
【0074】また、本発明のゴム補強用繊維は、ゴムと
の接着性に優れ、補強用として優れた抗張力および寸法
安定性などの一般的諸性能を有し、かつゴム・繊維接着
処理剤そのものの保存安定性がよく、連続操業性に優れ
るため、安定した品質を提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 CA011 CA071 CA081 CA151 DA021 DA191 EB061 EB062 GA17 HA156 JA03 KA14 LA05 LA06 MA10 MA12 MB02 NA05 NA15 NA16 4L033 AA07 AC11 CA34 CA68 CA70 DA06 4L036 MA04 PA26 UA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ固形触媒として酸化マグネシウ
    ムを使用したレゾルシン・ホルマリン重縮合物とゴムラ
    テックスとを含むゴム・繊維接着処理剤であって、酸化
    マグネシウム以外のアルカリ金属化合物およびアルカリ
    土類金属化合物の含有量が200ppm以下であり、か
    つレゾルシン・ホルマリン重縮合物がレゾール型の構造
    を有することを特徴とするゴム・繊維接着処理剤。
  2. 【請求項2】 酸化マグネシウムのゴム・繊維接着処理
    剤全体に対する含有量が5重量%以下であることを特徴
    とする請求項1記載のゴム・繊維接着処理剤。
  3. 【請求項3】 合成繊維の表面に、請求項1または2に
    記載のゴム・繊維接着処理剤が付与されてなることを特
    徴とするゴム補強用繊維。
  4. 【請求項4】 ゴム・繊維接着処理剤の固形分付着量
    が、合成繊維重量に対し0.01〜10.0重量%の範
    囲であることを特徴とする請求項3に記載のゴム補強用
    繊維。
  5. 【請求項5】 ゴム・繊維接着処理剤に含有される酸化
    マグネシウムが、合成繊維重量に対して50〜6,00
    0ppm付着していることを特徴とする請求項3または
    4に記載のゴム補強用繊維。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005511904A (ja) * 2001-12-07 2005-04-28 トーマス・スワン・アンド・カンパニー・リミテツド 繊維をゴムに接着するための方法および組成物

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