JP2000045184A - ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および繊維強化ゴム複合材料 - Google Patents

ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および繊維強化ゴム複合材料

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JP2000045184A
JP2000045184A JP10228702A JP22870298A JP2000045184A JP 2000045184 A JP2000045184 A JP 2000045184A JP 10228702 A JP10228702 A JP 10228702A JP 22870298 A JP22870298 A JP 22870298A JP 2000045184 A JP2000045184 A JP 2000045184A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種ゴム、特にEPDMゴムに対する接着性が
優れたゴム補強 用芳香族ポリアミド繊維、その製造方
法および繊維とゴムとの接着性、柔軟性、難燃性に優れ
るとともに、かつ軽量な繊維強化ゴム複合材料を提供す
る。 【解決手段】ゴムラテックス100重量部に対してレゾ
ルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を2〜10重量
部、ポリエポキシド化合物を10〜20重量部、エチレ
ンイミン化合物またはブロックドイソシアネート化合物
を20〜40重量部を配合した組成物がゴム補強用芳香
族ポリアミド繊維の表面に2.0〜15.0重量%付着
し、さらにその外側に、ゴムラテック100重量部に対
してレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を10〜
25重量部、エチレンイミン化合物またはブロックドイ
ソシアネート化合物を5〜20重量部を配合した組成物
が2.0〜8.0重量%付着していることを特徴とする
ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム、たとえばエ
チレンプロピレン系ゴム(以下EPDMゴムと略称す
る)に対する接着性が優れたゴム補強用芳香族ポリアミ
ド繊維、その製造方法および繊維強化複合材料に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミド繊維は、高強度、高モ
ジュラス、繊維自体の耐熱性に優れ、近年ではタイヤ、
ベルト、ホースなどのゴム補強用繊維として広く使用さ
れている。一方EPDMゴムは分子内に不飽和結合を持
たないか、あるいは極微量であるため優れた耐熱性、耐
候性、耐オゾン性を備え近年、ホース等の自動車部品を
中心に広く用いられている。しかし、EPDMゴムはそ
の分子構造ゆえに繊維との接着性が不十分であり接着性
を改良する方法が種々提案されている。例えば、特開昭
62−131035号公報には、繊維をレゾルシン・ホ
ルムアルデヒド初期縮合物・クロロスルホン化エチレン
ラテックスおよび亜鉛華を一定の組成を含有した混合物
で処理する方法が記載されている。特開平2−1673
46号公報には、繊維をレゾルシン・ホルムアルデヒド
初期縮合物・ゴムラテックスで処理し、次いでハロゲン
化フェノール化合物とレゾルシン・ホルムアルデヒド初
期縮合物とスチレン・ブタジエンゴムラテックス/ビニ
ルピリジン・スチレン・ブタジエン・ゴムラテックスの
混合物で処理方法が記載されている。特開平8−923
86号公報には、繊維をレゾルシン・ホルムアルデヒド
・ゴムラテックス・ブロックドイソシアネート化合物の
混合物で処理する方法が記載されている。特開平9−2
16954号公報には、繊維をレゾルシン・ホルムアル
デヒド初期縮合物とヨウ素価が0〜120であるニトリ
ル基含有飽和ゴムラテックスの混合物で処理する方法が
記載されているがこれらの方法では接着性が十分でな
く、実用性に乏しいものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した従来
技術における問題点の解決を課題として検討した結果到
達されたものである。したがって、本発明の目的はゴ
ム、特にEPDMゴムに対する接着性が優れたゴム補強
用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および繊維とゴ
ムとの初期接着性、耐水接着性に優れ、かつ軽量な繊維
強化ゴム複合材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は次の手段をとるものである。
【0005】(1) ゴムラテックス100重量部に対
してレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を2〜1
0重量部、ポリエポキシド化合物を10〜20重量部、
エチレンイミン化合物またはブロックドイソシアネート
化合物を20〜40重量部を配合した組成物がゴム補強
用芳香族ポリアミド繊維の表面に2.0〜15.0重量
%付着し、さらにその外側に、ゴムラテック100重量
部に対してレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を
10〜25重量部、エチレンイミン化合物またはブロッ
クドイソシアネート化合物を5〜20重量部を配合した
組成物が2.0〜8.0重量%付着していることを特徴
とするゴム補強用芳香族ポリアミド繊維。
【0006】(2) ゴムラテックスがビニルピリジン
−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスまたはクロ
ロスルホン化ポリエチレンラテックスであることを特徴
とする上記(1)記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊
維。
【0007】(3) 芳香族ポリアミド繊維を、ゴムラ
テックス100重量部に対してレゾルシン−ホルムアル
デヒド初期縮合物を2〜10重量部、ポリエポキシド化
合物を10〜20重量部、エチレンイミン化合物または
ブロックドイソシアネート化合物を20〜40重量部を
配合した組成物を含有する第1処理液で処理し、次いで
ゴムラテック100重量部に対してレゾルシン−ホルム
アルデヒド初期縮合物を10〜25重量部,エチレンイ
ミン化合物またはブロックドイソシアネート化合物を5
〜20重量部を配合した組成物を含有する第2処理液で
処理することを特徴とするゴム補強用芳香族ポリアミド
繊維の製造方法。
【0008】(4)第1処理液で処理後、100〜15
0℃で乾燥し、200〜260℃で熱処理を施し、第2
処理液で処理後、100〜150℃で乾燥し、170〜
230℃で熱処理することを特徴とする上記(3)記載
のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
【0009】(5) 第1処理液の芳香族ポリアミド繊
維に対する固形分付着量を2.0〜15.0重量%と
し、第2処理液の前記第1処理液が付着した芳香族ポリ
アミド繊維に対する固形分付着量を2.0〜8.0重量
%に制御することを特徴とする上記(3)または上記
(4)記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方
法。
【0010】(6) 請求項1または2項記載のゴム補
強用芳香族ポリアミド繊維または上記(3)〜(5)い
ずれか記載の方法により得られたゴム補強用芳香族ポリ
アミド繊維を用いて、ゴムを補強したことを特徴とする
繊維強化ゴム複合材料。
【0011】(7) ゴムがエチレンプロピレン系ゴム
であることを特徴とする上記(6)記載の繊維強化ゴム
複合材料。
【0012】(8) 複合材料がベルトであることを特
徴とする上記(6)または上記(7)記載の繊維強化ゴ
ム複合材料。
【0013】(9) 複合材料がホースであることを特
徴とする上記(6)または上記(7)記載の繊維強化ゴ
ム複合材料。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。
【0015】本発明で使用する芳香族ポリアミド繊維と
は、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンから合成され
るポリアラミド繊維のことであり、特に芳香族ポリ(p
−フェニレンテレフタルアミド)および/またはポリ
(p−フェニレン−3,4´−ジフェニルエーテルテレ
フタルアミド)が好ましい。
【0016】なお、本発明で用いる芳香族ポリアミド繊
維とは、上記芳香族ポリアミドを素材としてなるフィラ
メント糸の他、このフィラメント糸からなるコード、織
物、織布、布帛および不織布などの形態をも含むもので
あり、下記に述べる接着処理液による処理は、その任意
の形態の芳香族ポリアミド繊維に施されればよい。
【0017】本発明の第1処理液および第2処理液に用
いられるレゾルシン−ホルムアルデヒドの初期縮合物
(RFと略称する)とゴムラテックス(Lと略称する)
との混合物とは、一般にRFLと称されるものである。
【0018】このRFLに含まれるレゾルシン−ホルム
アルデヒドの初期縮合物とは、アルカリ触媒または酸触
媒の存在下で、レゾルシンとホルムアルデヒドを縮合さ
せたものであって、第1処理液のレゾルシンとホルムア
ルデヒドのモル比が1:0.3〜1:2.0、特に1:
0.5〜1:1.25の範囲が望ましい。
【0019】第2処理液の場合、レゾルシンとホルムア
ルデヒドのモル比は1:1〜1:3.0、特に1:1.
75〜1:2.25の範囲が望ましい。
【0020】また上記第1処理液および第2処理液に用
いられるゴムラテックスとしてはビニルピリジン−スチ
レン−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−ブタ
ジエン系ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン系
ラテックス、クロロプレン系ラテックス、クロロスルホ
ン化ポリエチレンラテックス、アクリレ−トラテック
ス、塩化ビニル共重合体ラテックス、天然ゴムラテック
スなど挙げられるが、なかでもビニルピリジン−スチレ
ン−ブタジエン共重合体ラテックスおよびクロロスルホ
ン化ポリエチレンラテックスを用いた場合に最も良好な
結果が得られる。
【0021】本発明における第1処理液に含まれるポリ
エポキシド化合物とは、1分子中に2個以上のエポキシ
基を含有する化合物であり、具体的にはグリセロ−ル、
ペンタエリスリト−ル、ソルビト−ル、エチレングリコ
−ル、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル等の多価アルコ−ル類と
エピクロルヒドリンの如きハロゲン含有エポキシド類と
の反応生成物、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ジメチルメタン、フェノ−ル・ホルムアルデヒド
樹脂、レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェ
ノ−ル類と前記ハロゲン含有エポキシド類との反応性生
物、ビス−(3,4−エポキシ−6−メチル−ジシクロ
ヘキシルメチル)アジベ−ト、3,4−エポキシシクロ
ヘキセンエポキシド等の不飽和結合部分を酸化して得ら
れるポリエポキシド化合物などが挙げられる。好ましく
は多価アルコ−ルのソルビトール・ポリグリシジルエー
テルが用いられる。
【0022】本発明におけるエチレンイミン化合物とし
ては、ジフェニルメタン−ビス−4,4´−N,N´−
ジエチレンイミン、1,6−ヘキサメチレンジエチレン
イミン、オクタデシルジエチレンイミン、トリレンジエ
チレンイミン、ナフチレンジエチレンイミン、トリフェ
ニルメタンジエチレンイミン、などの芳香族、脂肪族イ
ソシアネートとエチレンイミンとの反応生成物が挙げら
れ、特に芳香族エチレンイミン化合物が良好な結果を与
える。
【0023】本発明におけるブロックドイソシアネート
化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびトリフ
ェニルメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネ
ート化合物とフェノール、クレゾール、レゾルシンなど
のフェノール類、ε−カプロラクタム、バレロラクタム
などのラクタム類、アセトキシム、メチルエチルケトン
オキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム類か
ら選ばれたブロック剤との反応生成物であり、熱処理に
よりブロック剤が解離し活性イソシアネート基が再生さ
れるものが挙げられ、好ましくはジフェニルメタンジイ
ソシアネートとフェノール類との反応生成物が良好な結
果を与える。
【0024】次に、本発明に係わる第1処理液について
説明する。
【0025】ゴムラテックス100重量部に対してレゾ
ルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を2〜10重量
部、ポリエポキシド化合物を10〜20重量部、エチレ
ンイミン化合物または、ブロックドイソシアネート化合
物を20〜40重量部をを含有する第1処理液は、通常
固形分濃度10〜25重量%で使用され、処理時におけ
る芳香族ポリアミド繊維への固形分付着量は2.0〜1
5.0重量%になるように制御される。
【0026】ここで、第1処理液におけるレゾルシン−
ホルムアルデヒド初期縮合物の配合量がラテックスの固
形分100重量部に対し2.0重量部未満では処理液成
分がローラーに付着し機械汚れを招く傾向となり10部
を越えると耐水接着性が悪くなる傾向で好ましくない。
【0027】ポリエポキシド化合物の配合量がラテック
スの固形分100重量部に対し10重量部未満ではゴム
との接着が悪くなる傾向となり、20重量部を越えると
接着性改善効果が飽和しこれ以上添加してもコストアッ
プを招くのみであり好ましくない。
【0028】エチレンイミン化合物または、ブロックド
イソシアネート化合物の配合量がラテックスの固形分1
00重量部に対し20重量部未満ではゴムとの接着が悪
くなる傾向となり、40重量部を越えると接着性改善効
果が飽和しこれ以上添加してもコストアップを招くばか
りか、芳香族ポリアミド繊維自体の特性が阻害される傾
向となるため好ましくない。
【0029】芳香族ポリアミド繊維に対する第1処理液
の固形分付着量が2.0重量%未満では、ゴムに対する
接着性を十分に改良することができず、15重量%を越
えると、芳香族ポリアミド繊維自体の特性が阻害される
傾向となるため好ましくない。 また、第1処理液付与
後の熱処理は、通常100〜150℃で0.5〜5分間
乾燥した後、200〜260℃で0.5〜5分間熱処理
することにより行う。
【0030】第1処理液付与後の乾燥温度が100℃未
満では、処理液成分が固化せずローラーに付着し芳香族
ポリアミド繊維への付着量が減少するとともに、付着ム
ラが生じゴムとの接着が悪くなる傾向となり、また15
0℃以上では、ブリスター(カス)が発生しやすい傾向
となる。
【0031】また、第1処理液付与後の熱処理温度が2
00℃未満では、ゴムに対する接着性を十分に改良する
ことができず、260℃を越えるとラテックスが劣化し
十分な接着性が得られないため好ましくない。
【0032】次に第2処理液について説明する。
【0033】ゴムラテックス100重量部に対してレゾ
ルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を10〜25重量
部,エチレンイミン化合物または、ブロックドイソシア
ネート化合物を5〜20重量部を配合した組成物を含有
するは、通常固形分濃度10〜25重量%で使用され、
処理時における芳香族ポリアミド繊維への固形分付着量
は、上記第1処理液が付着した芳香族ポリアミド繊維に
対し2.0〜8.0重量%になるように制御される。
【0034】ここで、第2処理液におけるエチレンイミ
ン化合物または、ブロックドイソシアネート化合物の配
合量がゴムラテックスの固形分100重量部に対し5重
量部未満では、芳香族ポリアミド繊維とゴムとの接着性
を十分に改良することができず、また20部を越える
と、接着性改善効果が飽和しこれ以上添加してもコスト
アップを招くのみであるため好ましくない。
【0035】第1処理液が付着した芳香族ポリアミド繊
維に対する第2処理液の固形分付着量が2.0重量%未
満ではゴムに対する接着性を十分に改良することができ
ず、8.0重量%をこえると芳香族ポリアミド繊維自体
の特性が阻害されるばかりか、接着性改善効果が飽和し
これ以上添加してもコストアップを招く傾向となるため
好ましくない。
【0036】また、第2処理液付与後の熱処理は通常1
00〜150℃で0.5〜5分間乾燥した後、170〜
230℃で0.5〜5分間熱処理することにより行う。
【0037】第2処理液付与後乾燥温度が100℃未満
では、処理液成分が固化せずローラーに付着し芳香族ポ
リアミド繊維への付着量が減少するとともに、付着ムラ
が生じゴムとの接着が悪くなる傾向となり、また150
℃以上では、ブリスター(カス)が発生しやすい傾向と
なる。
【0038】第2処理液付与後の熱処理温度が170℃
未満または、230℃を越えるとゴム、なかでもEPD
Mゴムに対する接着性を十分に改良することができない
ため好ましくない。
【0039】このようにして、第1処理液および第2処
理液による処理および熱処理を施された芳香族ポリアミ
ド繊維を、次いで天然ゴムまたは合成ゴムを主体とした
ゴム組成物中に埋め込み、加圧下で加硫することによ
り、被着ゴムと強固に接着された繊維強化ゴム複合材料
が得られるが、各種ゴムのなかでも、特にEPDMゴム
を使用した場合に優れた効果を得ることができる。
【0040】なお、上記のように接着処理された芳香族
ポリアミド繊維は、繊維強化ゴム複合材料が例えば自動
車用ホースの場合には、未加硫のNBRゴム組成物また
はEPDMゴム組成物の内管上に編組された後、さらに
未加硫ゴムを被覆した状態で加硫される。
【0041】加硫は、スチーム加硫、プレス加硫などの
通常の方法により、140〜170℃で行われる。加硫
時間は加硫温度などの加硫条件により、適宜選択すれば
よい。 かくして、本発明によれば、ゴムと芳香族ポリ
アミド繊維との間の接着性が優れ、柔軟で製造工程にお
けるカス発生の不具合を解消した繊維強化ゴム複合材料
を効率的に得ることができ、得られた繊維強化ゴム複合
材料は、防舷材、動力伝達ベルト、搬送用ベルト、およ
びゴムホース、なかでもラジエターホース、ヒーターホ
ース、パワーステアリングホース、オイルホースなどの
自動車用ホースに適用した場合に優れた性能を発揮す
る。
【0042】
【実施例】次に、実施例により、本発明を具体的に説明
する。各測定値は次ぎの方法により求めたものである。
【0043】プライ間剥離接着(ゴム付着率、剥離力) 芳香族ポリアミド繊維の処理コードを28本/インチの
密度でトッピングしたEPDMゴムシート2枚を、処理
コ−ドが平行になるように張りあわせて、加圧下で16
0℃、40分間プレス加硫を行う。初期剥離力はゴム組
成物を放冷後、両プライを5cm/minの引っ張り速
度で剥離測定を行う。耐水剥離力は放冷したゴム組成物
を40℃の水中へ7日間浸漬した後に水中から取り出
し、両プライを5cm/minの引っ張り速度で即剥離
測定を行った。ゴム付着率はEPDMゴムから剥離され
たコ−ドを肉眼で観察し、コ−ド表面にEPDMゴムが
付着している部分を百分率で表わしたものであり、剥離
力は剥離させるに要する力をKg/インチで表わした。
【0044】実施例1〜6 第1浴処理液として、苛性ソ−ダの存在下でレゾルシン
1モルに対しホルムアルデヒドを0.20〜1.24モ
ルを反応させて得られたレゾルシン−ホルムアデヒド初
期縮合物をビニルピリジン−スチレン−ブタジエンラテ
ックスおよび/または、クロロスルホン化ポリエチレン
ラテックス100重量部に対し、表1に示した所定の比
率で混合し、24時間熟成させた。該液にソルビトール
ポリグリシジルエ−テルに水を加えてホモジナイザ−を
用いて乳化した物とジフェニルメタン−ビス−4,4´
−N,N´−ジエチレイミンの水分散液および/また
は、ブロックドイソシアネート化合物溶液を表1に示し
た所定の比率で混合し固形分濃度20%の第1浴処理液
を得た。 第2浴処理液として、第1浴処理液と同様
に、苛性ソ−ダの存在下でレゾルシン1モルに対しホル
ムアルデヒドを0.20〜2.00モルを反応させて得
られた初期縮合物とビニルピリジン−スチレン−ブタジ
エンラテックスおよび/または、クロロスルホン化ポリ
エチレンラテックス100重量部に対し、表1に示した
所定の比率で混合し、24時間熟成させた。該液にジフ
ェニルメタン−ビス−4,4´−N,N´−ジエチレイ
ミンの水分散液および/またはブロックドイソシアネー
ト化合物溶液を表1に示した所定の比率で混合し固形分
濃度20%の第2処理液を得た。
【0045】デュポン社の“ケブラー”1500デニ−
ルのマルチフイラメント1本を13回/10cmの撚数
で撚糸してコ−ドとし、コンピュ−トリ−タ処理機(リ
ッツラ−社製)を用いて、前記第1浴処理液に浸漬(固
形分付着量6.8〜8.3重量%)し、140℃で15
0秒乾燥し、続いて240℃で60秒間熱処理した。次
いで第1処理液を付与したコードを、前記第2処理液に
浸漬(固形分付着量2.5〜4.1重量%)120℃で
150秒乾燥し、続いて200℃で60秒間熱処理した
得られた結果を表1に示した。
【0046】表1における記号内容は以下の通りであ
る。
【0047】 X :ホルムアルデヒド(F)/レゾルシン
(R)のモル比 Y :RF量(重量部) B :エポキシ化合物(重量部) CまたはE:エチレン尿素化合物(重量部)および/ま
たはブロックドイソシアネート化合物(重量部) B、C、E、Yはビニルピリジン−スチレン−ブタジエ
ン系ラテックスおよび/またはクロロスルホン化ポリエ
チレンラテックス100重量部に対する重量比である。
【0048】また各特性の単位は以下の通りである。
【0049】剥離ゴム付き:% 剥離ゴム剥離力:kg/インチ
【表1】 比較例1〜6 上記実施例において、ビニルピリジン−スチレン−ブタ
ジエン系ラテックスおよび/またはクロロスルホン化ポ
リエチレンラテックス100重量部に対レゾルシン−ホ
ルムアデヒド初期縮合物、ポリエポキシ化合物、エチレ
ンイミン化合物および/またはブロックドイソシアト化
合物の配合割合を、表2に示したように変更した以外は
実施例と同一の条件で芳香族ポリアミド繊維を処理し
た。これらの結果を表2に示した。記号内容、各特性の
単位は表1と同一である。
【0050】
【表2】 実施例7 実施例1〜5中のエポキシ化合物のソルビト−ルポリグ
リシジルエ−テルの代替としてポリグリシジルエ−テ
ル、グリセロ−ルポリグリシジルエ−テル、ポリグリセ
ロ−ルポリグリシジルエ−テル等に変更したが、いずれ
も剥離力に変化はなかった。
【0051】表1および表2から明らかなように、本発
明のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維は、EPDMゴム
に対する接着性が優れた繊維強化ゴム複合材料を与え
る。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のゴム補強
用芳香族ポリアミド繊維は各種ゴム、特にEPDMゴム
に対する接着性が優れており、柔軟で、かつ軽量な特性
を有するとともに、製造工程におけるカス発生の不具合
を解消したものであり、繊維強化ゴム複合材料として防
舷材、動力伝達ベルト、搬送用ベルト、およびゴムホー
ス、なかでもラジエターホース、ヒーターホース、パワ
ーステアリングホース、オイルホースなどの自動車用ホ
ースに適用した場合に優れた性能を発揮する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴムラテックス100重量部に対してレ
    ゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を2〜10重量
    部、ポリエポキシド化合物を10〜20重量部、エチレ
    ンイミン化合物またはブロックドイソシアネート化合物
    を20〜40重量部を配合した組成物がゴム補強用芳香
    族ポリアミド繊維の表面に2.0〜15.0重量%付着
    し、さらにその外側に、ゴムラテック100重量部に対
    してレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を10〜
    25重量部、エチレンイミン化合物またはブロックドイ
    ソシアネート化合物を5〜20重量部を配合した組成物
    が2.0〜8.0重量%付着していることを特徴とする
    ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維。
  2. 【請求項2】 ゴムラテックスがビニルピリジン−スチ
    レン−ブタジエン共重合体ラテックスまたはクロロスル
    ホン化ポリエチレンラテックスであることを特徴とする
    請求項1記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリアミド繊維を、ゴムラテック
    ス100重量部に対してレゾルシン−ホルムアルデヒド
    初期縮合物を2〜10重量部、ポリエポキシド化合物を
    10〜20重量部、エチレンイミン化合物またはブロッ
    クドイソシアネート化合物を20〜40重量部を配合し
    た組成物を含有する第1処理液で処理し、次いでゴムラ
    テック100重量部に対してレゾルシン−ホルムアルデ
    ヒド初期縮合物を10〜25重量部,エチレンイミン化
    合物またはブロックドイソシアネート化合物を5〜20
    重量部を配合した組成物を含有する第2処理液で処理す
    ることを特徴とするゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の
    製造方法。
  4. 【請求項4】第1処理液で処理後、100〜150℃で
    乾燥し、200〜260℃で熱処理を施し、第2処理液
    で処理後、100〜150℃で乾燥し、170〜230
    ℃で熱処理することを特徴とする請求項3記載のゴム補
    強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1処理液の芳香族ポリアミド繊維に対
    する固形分付着量を2.0〜15.0重量%とし、第2
    処理液の前記第1処理液が付着した芳香族ポリアミド繊
    維に対する固形分付着量を2.0〜8.0重量%に制御
    することを特徴とする請求項3または請求項4記載のゴ
    ム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2項記載のゴム補強用芳
    香族ポリアミド繊維または請求項3〜5のいずれか1項
    記載の方法により得られたゴム補強用芳香族ポリアミド
    繊維を用いて、ゴムを補強したことを特徴とする繊維強
    化ゴム複合材料。
  7. 【請求項7】 ゴムがエチレンプロピレン系ゴムである
    ことを特徴とする請求項6記載の繊維強化ゴム複合材
    料。
  8. 【請求項8】 複合材料がベルトであることを特徴とす
    る請求項6または請求項7に記載の繊維強化ゴム複合材
    料。
  9. 【請求項9】 複合材料がホースであることを特徴とす
    る請求項6または請求項7記載の繊維強化ゴム複合材
    料。
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JP7478576B2 (ja) 2020-03-31 2024-05-07 東レ・デュポン株式会社 ゴム補強用アラミド繊維コード

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