JP2001247673A - ポリアミド、ポリアミド組成物、およびその製造方法 - Google Patents
ポリアミド、ポリアミド組成物、およびその製造方法Info
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Abstract
おり、射出成形部品、特に精密部品を成形する際に金型
汚れが発生しにくいポリアミドを提供する。 【解決手段】 本発明のポリアミドは、(A)テレフタ
ル酸と、直鎖及び側鎖を含む炭素数4〜12の脂肪族ジ
アミンとから誘導される繰り返し単位を90〜100モ
ル%、必要に応じて(B)イソフタル酸と炭素数4〜1
2の脂肪族ジアミンとから誘導される繰り返し単位を0
〜10モル%、必要に応じて(C)炭素数4〜18の脂
肪族ジカルボン酸と炭素数4〜12の脂肪族ジアミンと
から誘導される繰り返し単位を0〜10モル%、必要に
応じて(D)炭素数6〜20のラクタムまたはアミノカ
ルボン酸から誘導される繰り返し単位を0〜10モル%
の量で有し、かつ該ポリアミド中に含まれる、60℃の
メタノール中に3時間浸漬することにより測定したメタ
ノール可溶性成分の含量が0.5重量%以下である。
Description
びそれを含む組成物、ならびにこれらの製造方法に関す
るものである。更に詳しくは、本発明は、射出成形の際
に金型汚れが少なく、射出成形部品、特に精密部品を効
率的に精度良く製造することができ、耐熱性、低吸水
性、そして強度特性に優れるポリアミド、およびそれを
含む組成物に関し、さらにこれらを効率的に製造する方
法に関する。
製造法に関しては、種々の提案がされており、例えば本
出願人は、既に特開平4−50230号公報において、
テレフタル酸単位50〜90モル%および4,4−ビフ
ェニルジカルボン酸単位50〜10モル%からなるジカ
ルボン酸単位と、炭素原子数4〜25の脂肪族ジアミン
成分単位からなり、かつ濃硫酸中30℃で測定した極限
粘度(η)が0.5〜3.0dl/gの範囲内にあるポリア
ミド樹脂、およびその製造方法について開示している。
などの化学的特性、および諸強度特性に関して優れてい
る。これらの特性により、上記ポリアミドは射出成形等
によって成形品として広く用いられており、特に電気・
電子部品や自動車部品に多く用いられている。
温多湿地帯で成形される事が多い。このような地方でポ
リアミドを使用する場合、ポリアミド樹脂の含水率が高
くなり、成形時に含有水分の蒸発に伴う発泡を引き起こ
しやすくなる。
配線板に搭載する部品、例えばコネクター類では、その
リフロー工程時に樹脂成形品表面にふくれが生じるとい
ったトラブルを起こす事がある。これは樹脂の含水率と
大きな相関があり、含水率が低い場合ではこのような膨
れは生じにくいことが分かっている。
は、低吸水型樹脂が望まれる。このようなポリアミドと
して、耐熱性、低吸水性に特に優れるものが知られてい
る(特開平7−228689号公報参照)。
て安定した生産性が求められている。近年、電気・電子
部品では、部品の小型化が進む傾向にあり、連続生産性
とともに、より細やかな精度が求められている。しかし
ながら、本発明者らが上記のポリアミドを用いて、この
ような精密部品の射出成形を連続して行なった場合、金
型内に微粉末が析出することが分かった。このような微
粉末によって成形金型のベント穴が詰まることがあり、
成形を停止して金型を清掃する必要があるため、連続生
産性に支障をきたす場合がある。また、このような微粉
末は電子部品、特にコネクターのような微細な部品を成
形する場合、外観を損ねたり、寸法精度に支障をきたす
等の点で問題になることがある。
かつ耐熱性、低吸水性をはじめ、耐薬品性などの化学的
特性、および諸強度特性に関して優れているようなポリ
アミド樹脂ならびにその組成物の出現が望まれており、
このような樹脂を効率的に製造する方法の出現も併せて
望まれていた。
耐薬品性などの化学的特性、および諸強度特性などの諸
物性を低下させずに、成形時に金型汚れを起こし難いポ
リアミドを提供し、かつこのようなポリアミドを効率的
に製造する方法を開発することを目的としている。
らが開発したポリアミドは、(a)テレフタル酸と、直
鎖及び側鎖を含む炭素数4〜12の脂肪族ジアミンとか
ら誘導される繰り返し単位と、必要に応じて(b)イソ
フタル酸と炭素数4〜12の脂肪族ジアミンとから誘導
される繰り返し単位と、必要に応じて(c)炭素数4〜
18の脂肪族ジカルボン酸と炭素数4〜12の脂肪族ジ
アミンとから誘導される繰り返し単位と、必要に応じて
(d)炭素数6〜20のラクタムまたはアミノカルボン
酸から誘導される繰り返し単位を有するポリアミドであ
って、繰り返し単位(a)が90〜100モル%、繰り
返し単位(b)が0〜10モル%、繰り返し単位(c)が
0〜10モル%、繰り返し単位(d)が0〜10モル%
の量で結合してなるポリアミド(A)であり、かつ、該
ポリアミド(A)中に含有される、60℃のメタノール
中に3時間浸漬することにより測定したメタノール可溶
性成分(MO成分)の含量が0.5重量%以下であるこ
とを特徴としている。
性成分)とは、下記のようにして測定されるものの総称
である。 (MO成分の測定方法)ISO599に概ね則った測定
方法を用いて、MO成分の測定を行う。以下にその具体
的方法を記す。
〜50μm)と、200mlのメタノールを300mlの三角フ
ラスコに入れ、3時間撹拌しながら還流し、抽出操作を
行う。抽出液を冷却した後に濾過し、フラスコおよび抽
出残渣をメタノールで十分洗浄する。濾液と洗浄液を合
わせてナスフラスコに移し、減圧下に溶媒を留去し、乾
固させてMO成分を得る。このMO成分の重量を精密天
秤で秤量する。MO成分の含量(重量%)は次の式で求
める。
によって上記課題を解決するに至り、以下にそれら組成
物(B)〜(F)について記す。
対して、繊維状補強材が5〜250重量部からなるポリ
アミド組成物。 (C):ポリアミド(A)が99〜30重量%に対し
て、変性重合体および/またはアイオノマー樹脂が1〜
70重量%からなるポリアミド組成物。
量%に対し、脂肪族ポリアミドが1〜70重量%からな
るポリアミド組成物。 (E):ポリアミド(A)、および難燃剤からなるポリ
アミド組成物。
成物について、いずれかの組成物の少なくとも2種類以
上を含んでなるポリアミド組成物。 本発明者等がMO成分を分析した結果、直鎖状、あるい
は環状のモノマー、および低次オリゴマーであることが
判明した。本発明者らがこれらを効率よく除去する方法
を検討した結果、上記(A)から(F)に記載のポリア
ミドおよびその組成物を製造するにあたって、その製造
工程うち、ポリアミドの濃硫酸中30℃で測定した極限
粘度(η)が0.1〜3.0dl/gにあるいずれかの
段階で、ポリアミドと液体状極性化合物とを接触させる
事により、MO成分の含量を0.5重量%以下、更には
0.1重量%以下にすることができるということが分か
った。
液体状態であり、特に常圧下23℃において液体状の化
合物を指し、水やメタノール、エタノール等がこれに相
当する。液体状極性化合物は水の単独使用、もしくはメ
タノールや、エタノールなど水可溶性の有機溶媒との混
合使用でも良く、更にはこれらの有機溶媒の単独使用、
もしくは複数の有機溶媒の混合溶液でも良い。これらは
ポリアミドの種類、MO成分の種類によって溶液の種類
を選択できる。また、上記ポリアミドと接触する液体状
極性化合物の温度が、50〜100℃の範囲内にあるこ
とが好ましく、ポリアミドと液体状極性化合物とを、数
分から数時間接触させることが好ましい。また上記ポリ
アミドの容量に対して1〜10倍の液体状極性化合物と
接触させることが好ましい。
ミドを含む組成物、およびその製造する方法について、
以下に具体的に説明する。ポリアミド 本発明のポリアミドを形成するジカルボン酸としては、
芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸が挙げられ
る。ここで芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸
およびこの誘導体(例;塩、ハライド、エステル等)、
テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸(例:イソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸)およびこれらの誘導体
を挙げることができる。また、本発明では、ジカルボン
酸として、上記のような芳香族ジカルボン酸以外に脂肪
族ジカルボン酸および脂環族ジカルボン酸を使用するこ
ともできる。ここで脂肪族ジカルボン酸を使用する場
合、脂肪族ジカルボン酸としては直鎖状の脂肪族ジカル
ボン酸が好ましく、さらに炭素数4〜18、好ましくは
4〜12のアルキレン基を有する直鎖状脂肪族ジカルボ
ン酸が特に好ましい。このような直鎖状脂肪族ジカルボ
ン酸の例としては、コハク酸(SA)、アジピン酸(A
A)、アゼライン酸、セバシン酸およびこれらの誘導体
を挙げることができる。これらの脂肪族ジカルボン酸の
中ではアジピン酸およびセバシン酸が好ましい。また、
脂環族ジカルボン酸としては、テトラシクロヘキサンジ
カルボン酸およびこの誘導体を挙げることができる。こ
こで、誘導体とは、ジアミンとの反応により繰り返し単
位を形成し得る誘導体(例;塩、ハライド、エステル
等)を含むものであり、さらに本発明では、ジカルボン
酸およびジアミンは、得られるポリアミド樹脂の特性を
損なわない範囲内でアルキル基等の置換基を有していて
もよい。以下本発明で使用される各成分は上記と同様の
意味である。
半芳香族ポリアミドを形成する繰り返し単位を構成する
ジアミンは、炭素数4〜25、好ましくは4〜12の脂
肪族ジアミンあるいはその誘導体である。脂肪族ジアミ
ンは、直鎖状のアルキレンジアミンであっても分岐を有
する鎖状のアルキレンジアミンであってもよい。
しては、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、
1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジ
アミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノ
デカン、1,11-ジアミノウンデカンおよび1,12-ジアミノ
ドデカンなどの直鎖状アルキレンジアミン、および1,4-
ジアミノ-1,1-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-1-エチル
ブタン、1,4-ジアミノ-1,2-ジメチルブタン、1,4-ジア
ミノ-1,3-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-1,4-ジメチル
ブタン、1,4-ジアミノ-2,3-ジメチルブタン、1,5-ジア
ミノ-2-メチルペンテン、1,2-ジアミノ-1-ブチルエタ
ン、1,6-ジアミノ-2,5-ジメチル ヘキサン、1,6-ジアミ
ノ-2,4-ジメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-3,3-ジメチル
ヘキサン、1,6-ジアミノ-2,2-ジメチルヘキサン、1,6-
ジアミノ-2,2,4-トリメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,
4,4-トリメチルヘキサン、1,7-ジアミノ-2,3-ジメチル
ヘプタン、1,7-ジアミノ-2,4-ジメチルヘプタン、1,7-
ジアミノ-2,5-ジメチルヘプタン、1,7-ジアミノ-2,2-ジ
メチルヘプタン、1,8-ジアミノ-1,3-ジメチルオクタ
ン、1,8-ジアミノ-1,4-ジメチルオクタン、1,8-ジアミ
ノ-2,4-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-3,4-ジメチル
オクタン、1,8-ジアミノ-4,5-ジメチルオクタン、1,8-
ジアミノ-2,2-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-3,3-ジ
メチルオクタン、1,8-ジアミノ-4,4-ジメチルオクタ
ン、1,6-ジアミノ-2,4-ジエチルヘキサンおよび1,9-ジ
アミノ-5-メチルノナンなどの分岐を有する鎖状のアル
キレンジアミンを挙げることができる。
状のアルキレンジアミンのうちでは、直鎖状アルキレン
ジアミンが好ましく、特に1,6-ジアミノヘキサン(ヘキ
サメチレンジアミン:HMDA)、1,8-ジアミノオクタ
ン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカンおよび
1,12-ジアミノドデカンなどの直鎖状のアルキレンジア
ミンが好ましく、これらは単独で、あるいは組み合わせ
て使用することができる。また、上記直鎖状のアルキレ
ンジアミンを主成分とし、これに少量の分岐アルキレン
ジアミンを混合した、例えば1,6-ジアミノヘキサンと1,
5-ジアミノ-2-メチルペンタンとの混合物も好ましく使
用することができる。また、1,9-ジアミノノナンと1,8-
ジアミノ-2-メチルオクタンとの混合物も好ましく使用
することができる。なお、上記のようなジアミンは、上
記ジカルボン酸と結合して繰り返し単位を形成すること
ができればよく、塩等の誘導体であってもよい。
うなテレフタル酸(TA)とジアミンとからは次式
(I)で表される繰り返し単位が形成される。
ジアミンに由来する二価の炭化水素基であって、炭素数
4〜25、好ましくは4〜12のアルキレン基を表す。
また、本発明で、テレフタル酸(TA)と共にイソフタ
ル酸(IA)を使用した場合には、このイソフタル酸と
ジアミンとからは、下記(II)で表される繰り返し単位
が形成される。
ジアミンに由来する二価の炭化 水素基であって、炭素
数4〜25、好ましくは4〜12のアルキレン基を表
す。また、本発明で、テレフタル酸と共に脂肪族ジカル
ボン酸を使用した場合には、この脂肪族ジカルボン酸と
ジアミンとからは、下記(III)で表される繰り返し単
位が形成される。
ジアミンに由来する二価の炭化水素基であって、炭素数
4〜25、好ましくは4〜12のアルキレン基を表す。
また、nは通常は2〜18、好ましくは2〜16、さら
に好ましくは4〜12、特に6〜10の正の整数を表
す。
なジカルボン酸とジアミンとからなる繰り返し単位の他
に、炭素数6〜20、好ましくは6〜12のラクタムま
たはアミノカルボン酸から誘導される繰り返し単位を有
していてもよい。このようなラクタムまたはアミノカル
ボン酸の具体的な例としては、ε-カプロラクタム、6-
アミノカプロン酸、ζ-エナントラクタム、η-カプリル
ラクタム、ω-ラウロラクタム、ω-ウンデカラクタム、
11-アミノウンデカン酸および12-アミノドデカン酸等を
挙げることができる。上記のようなラクタムまたはアミ
ノカルボン酸からは、次式(IV)で表される構造の繰り
返し単位が形成される。
ましくは5〜19、特に5〜12の整数である。本発明
のポリアミドにおいて、上記式(I)〜(III)で表さ
れる繰り返し単位の量は、使用したジカルボン酸の量と
対応しており、また式(IV)で表される繰り返し単位の
量は、ラクタムまたはアミノカルボン酸の使用量に対応
している。
るようなテレフタル酸と炭素数4〜12の脂肪族ジアミ
ンとから誘導される繰り返し単位(a)が90〜100
モル%、好ましくは91%〜100%の量で重縮合し、
式(II)で表されるようなイソフタル酸と炭素数4〜1
2の脂肪族ジアミンとから誘導される繰り返し単位
(b)が0〜10モル%、好ましくは0〜9モル%の量
で重縮合し、式(III)で表されるような炭素数4〜1
8の脂肪族ジカルボン酸と炭素数4〜12の脂肪族ジア
ミンとから誘導される繰り返し単位(c)が0〜10モ
ル%、好ましくは0〜9モル%の量で重縮合し、そして
式(IV)で表される炭素数6〜20のラクタムまたはア
ミノカルボン酸から誘導される繰り返し単位(d)が0
〜10モル%、好ましくは0〜9モル%の量で重縮合し
て半芳香族ポリアミドを形成している。
いられる各ジカルボン酸量は、この全ジカルボン酸量を
100(モル%)としたとき、テレフタル酸は90〜1
00モル%、好ましくは91〜100%の範囲内で使用
することができ、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン
酸は0〜10モル%、好ましくは0〜9モル%の範囲内
で使用することができ、またさらに炭素数4〜18の直
鎖状脂肪族ジカルボン酸は0〜10モル%、好ましくは
0〜9モル%の範囲内で使用することができる。ジアミ
ンは上記ジカルボン酸とほぼ等モルになるように使用さ
れる。
ジアミン以外に、少量の脂環族ジアミンも使用すること
ができる。この脂環族ジアミンとしては、通常は、炭素
数が6〜25程度であり、かつ少なくとも1個の脂環族
炭化水素環を有するジアミンが使用される。
して、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシク
ロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホ
ロンジアミン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、
ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミ
ノシクロヘキシル)プロパン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジ
メチルジシクロヘキ シルプロパン、4,4'-ジアミノ-3,
3'-ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4'-ジアミノ-
3,3'-ジメチル-5,5'-ジメチルジシクロヘキシルメタ
ン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチル-5,5'-ジメチルジシ
クロヘキシルプロパン、α,α'-ビス(4-アミノシクロ
ヘキシル)-p-ジイソプロピルベンゼン、α,α'-ビス
(4-アミノシクロヘキシル)-m-ジイソプロピルベンゼ
ン、α,α'-ビス(4-アミノシクロヘキシル)-1,4-シク
ロヘキサンおよびα,α'-ビス(4-アミノシクロヘキシ
ル)-1,3-シクロヘキサンなどの脂環族ジアミンを挙げ
ることができる。これらの脂環族ジアミンのうちでは、
ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノ
シクロヘキシル)メタン、1,3-ビス(アミノシクロヘキ
シル)メタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ンおよび4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチルジシクロヘキシ
ルメタンが好ましく、さらに、ビス(4-アミノシクロヘ
キシル)メタン、1,3-ビス(アミノシクロヘキシル)メ
タンおよび1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンが
特に好ましい。これらのジアミンは単独で、あるいは組
み合わせて使用することができる。
るようなテレフタル酸と炭素数4〜21、好ましくは4
〜12の脂肪族ジアミンとから誘導される繰り返し単位
(a)が90〜100モル%の量で重縮合する場合、炭
素数の少ない脂肪族ジアミンでは融点がポリアミドの分
解温度を超える場合もあるため、脂肪族ジアミンの炭素
数は好ましくは6以上、特に好ましくは8〜10であ
る。
カルボン酸(あるいはその誘導体)とジアミン(あるい
はその誘導体)とを加えて、さらに必要に応じてラクタ
ムまたはアミノカルボン酸とを加えて、触媒の存在下に
加熱することにより生成することができる。また、この
反応において、ジアミンは、芳香族ジカルボン酸の総量
(テレフタル酸と、必要により使用される他の芳香族ジ
カルボン酸あるいは直鎖状脂肪族ジカルボン酸との合計
量)1モルに対して、ほぼ1モルの割合で使用される。
この反応は、通常は不活性ガス雰囲気下で行われ、一般
には反応容器内を窒素ガス等の不活性ガスで置換する。
また、ポリアミドの重縮合反応を制御するために、水を
予め封入しておく事が望ましく、水に可溶な有機溶媒、
例えばメタノール、エタノール等のアルコール等が含有
されていてもよい。
しては、リン酸、その塩およびリン酸エステル化合物;
亜リン酸、その塩およびエステル化合物;並びに、次亜
リン酸、その塩およびエステル化合物を使用することが
できる。
リウム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸
マグネシウム、リン酸マンガン、リン酸ニッケルおよび
リン酸コバルトを挙げることができる。
は、リン酸の、メチルエステル、エチルエステル、イソ
プロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステ
ル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシ
ルエステル、ステアリルエステルおよびフェニルエステ
ルを挙げることができる。
ウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、亜リ
ン酸マグネシウム、亜リン酸マンガン、亜リン酸ニッケ
ルおよび亜リン酸コバルトを挙げることができる。
酸の、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピル
エステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデ
シルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステ
ル、ステアリルエステルおよびフェニルエステルを挙げ
ることができる。
カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウ
ム、次亜リン酸バジウム、次亜リン酸マグネシウム、次
亜リン酸マンガン、次亜リン酸ニッケルおよび次亜リン
酸コバルトを挙げることができる。
リン酸の、メチルエステル、エチルエステル、イソプロ
ピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イ
ソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエス
テル、ステアリルエステルおよびフェニルエステルを挙
げることができる。
組み合わせて使用することができる。このようなリン系
化合物は、上記のようなジカルボン酸に対して、通常は
0.001〜5モル%、好ましくは0.002〜2モル
%の割合で用いられる。
使用することが好ましい。この末端封止剤としては、安
息香酸、安息香酸のアルカリ金属塩、酢酸等を使用する
ことができる。このような末端封止剤は、ジカルボン酸
1モルに対して、通常は0.001〜5モル、好ましく
は0.01〜2モルの量で使用される。この末端封止剤
の使用量を調整することにより、得られる低次縮合物の
平均分子量、具体的には極限粘度(η)を制御すること
ができる。
条件は、具体的には、反応温度は通常は200〜290
℃、好ましくは220〜280℃、反応時間は通常は
0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間である。
条件で行うことができるが、加圧条件で反応を行うこと
が好ましく、反応圧は、通常20〜60kg/cm2、好ま
しくは25〜50kg/cm2の範囲内に設定される。
ことにより、30℃の濃硫酸中で測定した極限粘度
(η)が、通常は0.05〜0.6dl/g、好ましく
は0. 08〜0.3dl/gの範囲内にある低次縮合物
を得ることができる。
数平均分子量は通常は700〜2000の範囲内にあ
る。こうして水性媒体中に生成したポリアミド低次縮合
物は、反応液と分離される。この反応液とポリアミド低
次縮合物との分離には、例えば濾過、遠心分離等の方法
を採用することもできるが、生成した半芳香族ポリアミ
ド低次縮合物を含有する反応液を、ノズルを介して大気
中にフラッシュすることにより、固液分離する方法が効
率的である。
(A)、およびその組成物(B)〜(F)は、例えば次
の方法により製造することができる。 (1) 公知の方法でポリアミド低次縮合物を製造し、そ
の低次縮合物を液体状極性化合物と接触させ、次いで低
次縮合物を重合する方法。 (2) ポリアミドの高重合物を従来の方法で製造後、液
体状極性化合物と接触させる方法。 (3) (1)または(2)によって得られたポリアミドに、
(B)〜(F)記載の各添加剤を添加して、溶融混練す
る方法。 (4) ポリアミドを従来の方法で製造後、(B)〜
(F)記載の各添加剤を添加して溶融混練した後に、液
体状極性化合物と接触させる方法。
化合物とを接触するにあたって、ポリアミド製造工程う
ち、組成物の濃硫酸中30℃で測定した極限粘度(η)
が0.1〜3.0 dl/gにあるいずれかの段階で、
ポリアミドと液体状極性化合物を接触させる事により、
MO成分の含量が0.5重量%以下、更には0.1%未
満とすることを特徴としている。
らMO成分を除去する液体状極性化合物としては、水、
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロ
パノールなどのアルコール類、アセトン、エチルメチル
ケトンなどのケトン類、蟻酸、酢酸などのカルボン酸
類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの
多価アルコール類等を用いることができる。
く、また組み合わせて混合溶媒として使用することも出
来る。これらのうち、価格や溶剤除去工程などを考慮す
ると、メタノールおよびエタノールが好ましい。これら
の溶媒を水と混合して用いる場合は、溶媒と水との混合
比は、接触させるポリアミドの種類によって任意に選定
することができるが、水に対して重量比で0〜100
%、好ましくは10〜100%の量で使用できる。
酸、未反応のジアミンおよび未反応のラクタム、または
アミノカルボン酸、ならびにジアミン1分子とジカルボ
ン酸1分子とから形成される環状オリゴマー、特に環状
メチレンアジパミド、あるいは他の低次オリゴマー成分
の低次縮合物が含有される。なおポリアミド中における
このMO成分の含量は、1重量%にも達することがあ
る。これに対して本発明のポリアミドは、上記MO成分
の含量が低く、本発明ではこのMO成分の含量は、0.
5重量%以下であり、さらに好ましくは0.3重量%以
下、特に0.10重量%未満の範囲内にあることが好ま
しい。MO成分が0.10重量%未満の場合では、金型への
付着物がほとんど観察される事なく、連続して寸法精度
に優れた射出成形品、特に精密部品を成形することがで
きる。
では、上記のようにして得られたポリアミド低次縮合物
を、液体状極性化合物と接触させ、乾燥させた後に後重
合を行う。
物と接触する液体状極性化合物の温度は高い方が好まし
く、この処理に使用する液体状極性化合物の温度はポリ
アミド低次縮合物の種類や分子量により異なるが、30
〜100℃、好ましくは50〜100℃である。
極性化合物との接触時間は、ポリアミド低次縮合物の種
類や分子量により異なるが、1分〜6時間、好ましくは
1〜180分である。ポリアミド低次縮合物と液体状極
性化合物との接触を、ドラム等の容器内で行う場合は攪
拌しながら接触させることが望ましい。
接触する液体状極性化合物の量は、ポリアミド低次縮合
物から液体状極性化合物中に移行させようとする成分の
量、液体状極性化合物温度、および接触方法などにより
適宜設定することができるが、通常は、ポリアミド低次
縮合物100重量部に対して、50〜10000重量
部、好ましくは200〜1000重量部である。
アミド低次縮合物は、多量の液体状極性化合物を含んで
いるため、本発明の方法では、この液体状極性化合物と
接触したポリアミド低次縮合物を乾燥した後、続く工程
で使用する。
下あるいは不活性気流(例:窒素気流)下で行うことが
好ましく、乾燥温度は、一般にはポリアミド低次縮合物
の溶融する温度よりも低い温度に設定され、通常は10
0〜180℃、好ましくは120〜140℃であり、こ
うした条件で乾燥ポリアミド低次縮合物中に含有される
極性化合物濃度を、通常は5000ppm以下、好ましく
は3000ppm以下、さらに好ましくは1000ppm以下
になるように低減させる。この乾燥には、加熱手段とし
て赤外線等を併用することができる。
ポリアミド低次縮合物を用いて後重合(重縮合反応)を
行う。この後重合(後重縮合反応)は、乾燥ポリアミド
低次縮合物を加熱して、溶融状態にし、この溶融物に剪
断応力を付与しながら行なうことが好ましい。この反応
に際しては、乾燥ポリアミド低次縮合物が少なくとも溶
融する温度に加熱する。一般には、乾燥ポリアミド低次
縮合物の融点以上の温度、好ましくはこの融点よりも1
0〜60℃高い温度に加熱される。
機、ニーダーあるいはブラベンダー等を用いることによ
り溶融物に付与することができる。こうして溶融物に剪
断応力を付与することにより、溶融状態にある乾燥ポリ
アミド低次縮合物が相互に重縮合すると共に、縮合物の
重縮合反応も進行するものと考えられる。
造するための第2の方法としては、極限粘度(η)が
0.6dl/g以上の高分子量のポリアミドを製造し、
次いで該高分子量のポリアミドを液体状極性化合物にて
洗浄処理する方法が挙げられる。
としては、公知の各種の方法が採用できる。例えば、上
述したような低次縮合物を製造した後、この低次縮合物
を溶融混練することにより製造してもよく、また上述し
た各化合物を加熱下に反応させて直接高分子量のポリア
ミドを形成してもよい。
は0.1重量%未満にするために、得られたポリアミド
を液体状極性化合物とを接触させて、ポリアミド中に含
有される上記MO成分を液体状極性化合物中に移行させ
て除去する。ここで使用される液体状極性化合物は、前
記で挙げた液体状極性化合物と同様に、水、有機化合
物、もしくはこれらの混合物のことを指す。ポリアミド
と液体状極性化合物とは、加温ないし加熱下に接触させ
ることが好ましく、この際、液体状極性化合物の温度お
よび量は前述の低次縮合物の場合と同様であり、このポ
リアミドと液体状極性化合物との接触時間は、通常は1
分〜12時間、好ましくは3分〜6時間、特に好ましく
は3〜180分である。
ポリアミドを液体状極性化合物と接触することにより、
ポリアミド中のMO成分の一部は液体状極性化合物に抽
出される。こうしてMO成分が抽出された液体状極性化
合物と、ポリアミドとを分離することにより、ポリアミ
ド中のMO成分の量を上記のような量に低減することが
できる。
は、例えば濾過法、遠心分離法等公知の方法を利用する
ことができる。こうして液体状極性化合物から分離され
たポリアミドは、通常はさらに含有される水分を除去す
るために乾燥される。
が100〜250℃、好ましくは120〜200℃であ
ること以外は、条件および乾燥後のポリアミドが含有す
る水分濃度は、低次縮合物の場合と同様である。
造するための第3の方法としては、濃硫酸中30℃で測
定した極限粘度(η)が0.1〜3.0dl/gにある
ポリアミドを製造し、次いで前述の(B)〜(F)に挙
げられた各添加剤を添加して、溶融混練した後に、この
混練物と液体状極性化合物と接触させる方法が挙げられ
る。そして上記要領で乾燥させることにより、MO成分
を液体状極性化合物(極性媒体)中に抽出することがで
きる。
て、上記ポリアミド低次縮合物を調製し、次いでこの低
次縮合物を固相重合させて、極限粘度(η)が0.5〜
1.5dl/gの範囲のポリアミド前駆体を調製し、さ
らに上記前駆体を溶融重合させて、極限粘度(η)が
0.8〜3.0dl/gの範囲のポリアミドを得て、そ
してこの工程の何れかの段階において、ポリアミドと液
体状極性化合物とを接触させ、上記要領で乾燥させるこ
とにより、MO成分を液体状極性化合物中に抽出するこ
とができる。
する際には、必要により、安定剤、顔料および滑剤等の
ポリアミドを用いた成形の際に通常使用される成分を添
加することができる。
は、上述のような繰り返し単位を有するとともに、その
ガラス転移温度は、70〜150℃、好ましくは80〜
125℃の範囲内にある。さらに本発明のポリアミド
は、結晶性であるので融点を有しており、一般にこの融
点は260〜360℃、多くの場合280〜330℃の
範囲内にある。
ミドの融点以上、分解温度未満に加熱して、通常の成形
装置を使用して所望の形状に成形することができる。こ
のようにして得られるポリアミドは、MO成分の含量が
低いので、MO成分に起因する金型汚れが生じにくく、
安定した状態で成形体を効率よく製造することができ
る。さらに、このように処理することによってもポリア
ミドの特性は低下することはなく、このように処理した
ポリアミドを使用して形成した成形体は、ポリアミドが
本質的に有している優れた特性である耐熱性、機械的強
度、および低吸水性を保持する。繊維状補強材 本発明で用いられる繊維状補強材としては、ガラス繊
維、チタン酸カリウム繊維、金属被覆ガラス繊維、セラ
ミックス繊維、ウォラストナイト、炭素繊維、金属炭化
物繊維、金属硬化物繊維等の無機繊維状補強材あるいは
有機繊維状補強材が用いられる。またこのような繊維状
補強材の表面をシラン系化合物、例えばビニルトリエト
キシシラン、2-アミノプロピルトリエトキシシラン、2-
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等で処理して
おいてもよい。これらの中では、耐熱性の点から無機繊
維状補強材が好ましく、とくにガラス繊維が補強効果に
最も優れるので好ましい。
ミド100重量部に対して、5〜250重量部、好まし
くは10〜220重量部、さらに好ましくは15〜15
0重量部の量で配合される。変性重合体 本発明で用いられる変性重合体としては、(i)変性α
−オレフィン系重合体、または(ii)変性芳香族ビニル
・共役ジエン共重合体またはその水素化物が用いられ
る。
−オレフィンからなる単位を主成分として含有するα−
オレフィン系重合体100重量部に対して不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体からなる単位を0.01〜10重
量部、好ましくは0.05〜5重量部の範囲でグラフト
共重合してなり、さらに190℃におけるメルトフロー
レート(MFR190℃)が0.01〜50g/10mi
n、好ましくは0.05〜20g/10minの範囲にあるも
のが好ましい。
(i)の他の物性は、分子量分布(Mw/Mn)が通常
1.5〜50、好ましくは2〜30の範囲である。該変
性α−オレフィン系重合体(i)中の不飽和カルボン酸
またはその誘導体からなる単位のグラフト割合が0.0
1重量部より小さくなると、半芳香族ポリアミドに対す
る相溶性が悪くなり、ポリアミド組成物の衝撃強度が低
下し、10重量部より大きくなると、該グラフト変性物
の架橋度が増大して、ポリアミドに配合しても組成物の
耐衝撃性を改善する効果が低下するようになることがあ
る。
ースとなるα−オレフィン系重合体は、α−オレフィン
からなる単位を主成分とする重合体であり、一成分であ
ってもよく、または複数の成分、すなわち二以上のα−
オレフィンからなる単位のみから構成されていてもよ
く、この場合α−オレフィンの他に少量のジエンからな
る単位を含有していても差しつかえない。
オレフィンの含有率は、特に制限されないが、通常65
モル%以上、好ましくは70モル%以上の範囲であり、
ジエンの含有率は通常0〜20モル%、好ましくは0〜
15モル%の範囲である。
する際に用いられるα−オレフィンとしては、エチレ
ン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-
ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1- デセン、1-ド
デセンなどを例示することができ、ジエンとしては、1,
4-ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン
2-ノルボルネン、2,5-ノルボルナジエンなどの非共役ジ
エン、ブタジエン、イソプレン、ピペリレンなどの共役
ジエンなどを例示することができる。
エチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・
1-ブテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共
重合体、エチレン・1-ヘキセン共重合体、エチレン・1-
オクテン共重合体、エチレン・1-デセン共重合体、プロ
ピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重
合体、プロピレン・4-メチル-1- ペンテン共重合体、プ
ロピレン・1-オクテン共重合体、プロピレン・1-デセン
共重合体、プロピレン・1-ドデセン共重合体などのα−
オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・1,4-ヘキ
サジエン共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペ
ンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・5-エチリ
デン-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン
・2,5-ノルボルナジエン共重合体、エチレン・1-ブテン
・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・1-ブテン
・1,4-ヘキサジエン共重合体、エチレン・1-ブテン・5-
エチリデン 2-ノルボルネン共重合体などのα−オレフ
ィン・非共役ジエン共重合体などを例示することができ
る。該α−オレフィン系重合体と後記不飽和カルボン酸
またはその誘導体とを後記方法によって反応させること
により、変性α−オレフィン系重合体が得られる。
する際に用いられるグラフトモノマーとしては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒ
ドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドシ
ス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸
(ナジック酸TM)、メチル−エンドシ ス−ビシクロ[2.
2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸(メチルナジック
酸TM) などの不飽和ジカルボン酸、および塩化マレニ
ル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、
マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジ
ルマレエートなどの上記不飽和ジカルボン酸の酸ハライ
ド、アミド、イミド、酸無水物、エステルなどの不飽和
ジカルボン酸の誘導体が挙げられる。これらの中では、
不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、
とくにマレイン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物
が好適である。
選ばれるグラフトモノマーをα−オレフィン系重合体に
グラフト共重合して前記変性α−オレフィン系重合体
(i)を製造するには、従来公知の種々の方法を採用す
ることができる。たとえば、該α−オレフィン系重合体
を溶融させ、グラフトモノマーを添加してグラフト共重
合させる方法、あるいは溶媒に溶解させ、グラフトモノ
マーを添加してグラフト共重合させる方法がある。いず
れの場合にも前記グラフトモノマーを効率よくグラフト
共重合させるためには、ラジカル開始剤の存在下に反応
を実施することが好ましい。グラフト変性を行うための
反応は通常60〜350℃の温度で行われる。ラジカル
開始剤の使用割合は該α−オレフィン系重合体100重
量部に対して通常0.01〜20重量部の範囲である。
ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、有機ペル
エステル、アゾ化合物などを使用することができる。
・共役ジエン共重合体またはその水素化物(ii)は、芳
香族ビニル系炭化水素と共役ジエン系化合物とのブロッ
ク共重合体のグラフト変性物であり、さらに本発明にお
いてはこれらの共重合体の水素化物のグラフト変性物を
使用することもできる。
合体またはその水素化物の具体的な例としては、スチレ
ン・ブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレン・ブタジ
エン・スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソプ
レンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソプレン・スチ
レンブロック共重合体ゴム、水素添加スチレン・ブタジ
エン・スチレンブロック共重合体ゴム、および水素添加
スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体ゴム等
を挙げることができる。
ルから誘導される繰返し単位と共役ジエンから誘導され
る繰返し単位とのモル比(芳香族ビニル炭化水素/共役
ジエン)は、通常は10/90〜70/30である。ま
た、水素添加した共重合体ゴムとは、上記の共重合体ゴ
ム中に残存する二重結合の一部または全部を水素化した
共重合体である。この芳香族ビニル・共役ジエン共重合
体またはその水添物について135℃の デカリン中で
測定した極限粘度(η)は、通常は0.01〜10dl
/g、好ましく は0.08〜7dl/gの範囲内にあ
り、ガラス転移温度(Tg)は、通常は0℃以下、好ま
しくは−10℃以下、特に好ましくは−20℃以下であ
る。また、X線回折法により測定した結晶化度は0〜1
0%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは0〜5%の
範囲内にある。
役ジエン共重合体は、上記のような未変性の芳香族ビニ
ル・共役ジエン共重合体を、上記変性α-オレフィン共重
合体の製造方法と同様に、不飽和カルボン酸、不飽和カ
ルボン酸無水物あるいは不飽和カルボン酸誘導体を用い
てグラフト変性することにより製造される。
和カルボン酸無水物あるいは不飽和カルボン酸誘導体の
例としては、上記グラフト変性α-オレフィン共重合体
を製造する際に使用される化合物を挙げることができ、
このようなグラフト変性剤は、単独であるいは組み合わ
せて使用することができる。このようなグラフト変性剤
のうちでは、不飽和カルボン酸無水物を使用することが
好ましく、無水マレイン酸または無水ナジック酸が特に
好ましい。上記のような未変性の共重合体またはその水
素化物にこのようなグラフト変性剤をグラフト重合させ
るには、上記α−オレフィン共重合体の変性の際に説明
した溶液法および溶融法等の方法を採用することができ
る。グラフト変性を行うための反応(グラフト反応)に
おいて、グラフト変性剤は、その反応性を考慮して使用
量が設定されるが、一般には、未変性の芳香族ビニル・
共役ジエン共重合体または水素化物100重量部に対し
て、1〜10重量部の割合で使用される。グラフト反応
を行う際には、上記と同様に有機ペルオキシド、有機ペ
ルエステルおよびアゾ化合物などのラジカル開始剤を使
用することができる。こうしてグラフト反応を行うこと
により、未反応の芳香族ビニル・共役ジエン 共重合体
または水素化物100重量部あたり、グラフト変性剤が
通常は0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重
量部の割合でグラフト重合したグラフト変性芳香族ビニ
ル・共役ジエン共重合体またはその水素化物(ii)を得
ることができる。
ル・共役ジエン共重合体またはその水素化物(ii)は、
低結晶性ないし非晶性の共重合体であることが好まし
く、実質的に非晶性であることが好ましい。すなわち、
X線回折法により測定した結晶化度が10%以下、好ま
しくは7%以下であり、特に好ましくは5%以下の変性
共重合体が使用され、さらに結晶化度が実質的に0%で
ある変性共重合体が好ましく使用される。従って、この
変性芳香族ビニル・共役ジエン共重合体またはその水素
化物には、明確な融点を示さないものが多い。さらに、
結晶化度が低いため、このグラフト変性芳香族ビニル・
共役ジエン共重合体またはその水素化物は軟質であり、
引張りモジュラスは、通常は0.01MPa以上2,0
00MPa未満の範囲、好ましくは0.1MPa〜1,
500MPaの範囲内にある。
役ジエン共重合体またはその水素化物(ii)のメルトイ
ンデックス(190℃で測定測定した値)は、通常は
0.1〜30g/10分、好ましくは1.0〜20g/10
分、特に好ましくは2.0〜15g/10分の範囲内にあ
る。
共役ジエン共重合体またはその水素化物(ii)のガラス
転移温度(Tg)は、通常は−150〜+50℃、好まし
くは−80〜−20℃の範囲内にあり、135℃のデカ
リン中で測定した極限粘度[η]は、通常は0.01〜
10dl/g、好ましくは1〜5dl/gの範囲内にある。
共役ジエン共重合体またはその水素化物(ii)を使用す
ることにより、靱性に優れた成形体を得ることができ
る。本発明のポリアミド組成物において、前記ポリアミ
ドは99〜30重量部、好ましくは99.0〜60重量
部の範囲で用いられ、該変性α−オレフィン系重合体
(i)、または変性芳香族ビニル・共役ジエン共重合体
またはその水素化物(ii)は、1〜70重量部、好まし
くは1.0〜40重量部の範囲で用いられることが望ま
しい。
合割合が前記の範囲内にあると、該ポリアミド組成物の
引張り強度、曲げ強度、弾性率、耐熱性が向上するよう
になる。
たはその水素化物(ii)の配合割合が前記の範囲内にあ
ると、該ポリアミド組成物の引張り強度、曲げ強度、弾
性率、耐熱性が向上するようになる。アイオノマー樹脂 本発明で用いられるアイオノマー樹脂は、エチレン−不
飽和カルボン酸共重合体を2価の金属イオンあるいは1
価の金属イオンで部分的に中和したものである。アイオ
ノマー樹脂を構成するエチレン-不飽和カルボン酸共重
合体は、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体であ
るが、この不飽和カルボン酸としては、炭素数3〜8の
不飽和カルボン酸、具体的には、アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメ
チルエステルおよびマレイン酸モノエチルエステル等が
用いられる。これらの不飽和カルボン酸のうちで、アク
リル酸、メタクリル酸が特に好ましく用いられる。
ボン酸共重合体は、エチレンと上記のような不飽和カル
ボン酸に加えて、第3成分を含んでいてもよく、このよ
うな第3成分としては、炭素数3〜12程度の極性ビニ
ル化合物、たとえばアクリル酸エチル、アクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸メチルなどの
不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニルなどのビニルエ
ステルが用いられる。
ン酸共重合体では、エチレンは通常は50〜99重量
%、好ましくは70〜98重量%の量で存在し、また不
飽和カルボン酸は、通常は1〜50重量%、好ましくは
2〜30重量%の量で存在している。また、エチレン−
不飽和カルボン酸共重合体がエチレン成分および不飽和
カルボン酸に加えて、第3成分を含む場合、第3成分は
通常は40重量%以下の量、好ましくは30重量%以下
の量で存在している。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体中のカルボキ
シル基の少なくとも一部が2価の金属イオンあるいは1
価の金属イオン、好ましくは2価の遷移金属イオンで中
和されている。このようなアイオノマー樹脂に用いられ
る金属イオンとしては、Na+、Li+、K+などのアルカ
リ金属イオン、Zn++、Co++、Ni++、Pb++、Cu
++などの2価の遷移金属イオンあるいはCa++、Mg++
などのアルカリ土類金属イオンが好ましく、Zn++を用
いることが特に好ましい。
は2価の遷移金属イオンによるエチレン−不飽和カルボ
ン酸共重合体のカルボキシル基の中和度は、3〜95%
であることが好ましい。アイオノマー樹脂を形成する金
属の種類は1種類に限定されるものではなく、本発明で
使用されるアイオノマー樹脂は、2種類以上の金属イオ
ンを有していてもよい。このようなアイオノマー樹脂は
上記変性共重合体を使用する場合と同等の量で用いられ
る。またアイオノマー樹脂は、変性重合体と併用するこ
とができる。
ポリアミドは99〜30重量部、好ましくは99〜50
重量部、さらに好ましくは99〜70重量部の範囲で用
いられ、上記変性重合体および/またはアイオノマー樹
脂は、1〜70重量部、好ましくは1〜50重量部、さ
らに好ましくは1〜30重量部の範囲で用いられること
が望ましい。
またはアイオノマー樹脂とからなる組成物は、耐衝撃
性、特に低温での耐衝撃性が優れるのみならず、MO成
分が少ないため、成形時に金型汚れが少なく、コネクタ
ー用途等に好適である。脂肪族ポリアミド 本発明で用いられる脂肪族ポリアミドとしては、脂肪族
ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとの重縮合により形成さ
れるポリアミド、ラクタム類の開環重合により形成され
るポリアミド、および脂肪族アミノカルボン酸と脂肪族
ジアミンとラクタム類とから形成されるポリアミドが挙
げられる。
テトラメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド、ポリヘキサメチレンスペラミド、ポリヘキサメチ
レンセバカミド、ポリヘキサメチレンウンデカミド、ポ
リヘキサメチレンドデカミドのような脂肪族ジアミンと
脂肪族ジカルボン酸とから形成されるポリアミド;なら
びに、ポリカプロラクタム、ポリウンデカミドおよびポ
リドデカミドのようなラクタム類またはアミノカルボン
酸から形成されるポリアミドを挙げることができる。
のうちでは、ポリカプロラクタム、ポリヘキサメチレン
アジパミド、ポリヘキサメチレンスペラミド、ポリウン
デカミド、ポリドデカミド、ポリヘキサメチレンウンデ
カミドおよびポリヘキサメチレンドデカミドのいずれか
を使用すると組成物の成形流動性が向上するため好まし
い。特にポリウンデカミド、ポリドデカミド、ポリヘキ
サメチレンウンデカミド、ポリヘキサメチレンドデカミ
ドを用いると組成物の耐熱老化性が向上するため好まし
い。このような脂肪族ポリアミドの極限粘度(η)(3
0℃の濃硫酸中で測定した値)は、通常は0.5〜3.0
dl/g、好ましくは0.7〜1.5dl/gの範囲内に
ある。
いて、本発明のポリアミドは99〜30重量%、好まし
くは99〜70重量%、さらに好ましくは97〜80重
量%の量で含有されており、上記のような脂肪族ポリア
ミドは、1〜70重量%、好ましくは1〜30重量%、
さらに好ましくは3〜20重量%の量で含有されている
ことが望ましい。脂肪族ポリアミドをこのような含有率
にすることで、靱性が向上し、耐熱性および低吸水性な
どの特性のバランスに優れた成形体を製造可能な組成物
とすることができる。また、成形性も改善できる。難燃剤 本発明で用いられる難燃剤としては、有機難燃剤と無機
難燃助剤とが挙げられる。
に(i)ハロゲン化ポリスチレンおよび/または(ii)ハ
ロゲン化フェノールの縮合物が好ましい。以下にハロゲ
ン化ポリスチレンおよびハロゲン化フェノールの縮合物
について説明する。
ンとしては、下記一般式(1)で表される重合体が用い
られる。
はBrまたはClであり、mは1〜5の整数であり、そ
してnは2以上の整数である。一般式(1)で表される
ハロゲン化ポリスチレンとしては、具体的には、ポリジ
ブロモスチレン、ポリトリブロモスチレン、ポリペンタ
ブロモスチレン、ポリジクロロスチレン、ポリトリクロ
ロスチレン、ポリペンタクロロスチレン、ポリトリブロ
モα−メチルスチレン等が用いられる。これらハロゲン
化ポリスチレンの中では、ポリトリブロモスチレンが難
燃性、耐熱性、耐熱老化性の改良効果が優れるので好ま
しい。ポリジブロモスチレンは、成形性が優れている点
で好ましい。ハロゲン化ポリスチレンはハロゲン化スチ
レンないしハロゲン化α−メチルスチレンを重合する
か、またはポリスチレン、ポリα−メチルスチレンをハ
ロゲン化することによって製造される。
合物は、下記一般式(2)で表される。
は1〜4の整数であり、そしてqは5以上の整数であ
る。一般式(2)で表されるハロゲン化フェノールの縮
合物としては、具体的には、ポリジブロモ-p-フェニレ
ンオキシド、ポリトリブロモ-p-フェニレンオキシド、
ポリジクロロ-p-フェニレンオキシド、ポリブロモ-p-フ
ェニレンオキシド、ポリジブロモ-o-フェニレンオキシ
ド等を挙げられる。これらハロゲン化フェノールの縮合
物の中では、ポリジブロモ-p-フェニレンオキシドが耐
熱性、難燃性の改良効果が優れるので好ましい。これら
の難燃剤であるハロゲン化ポリスチレンおよびハロゲン
化フェノールの縮合物の中では、ポリトリブロモスチレ
ンが、組成物の成形加工時の熱安定性に優れ、難燃効果
にも優れているので最も好ましい。
燃助剤として、金属化合物を含有していることが好まし
い。金属化合物としては、例えば酸化アンチモン、酸化
亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウムなどの金属酸化物や、
例えばホウ酸亜鉛などの金属ホウ酸塩などを挙げること
ができ、特にアンチモン酸ナトリウムを含有しているこ
とが好ましい。このアンチモン酸ナトリウムは、式 N
aSbO3で表される化学組成を有するものであり、粒
径30μm以下、特に10μm以下の微粒子の形態で用
いることが好ましい。
定剤としてさらに酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ハイド
ロタルサイト類またはリン化合物を含有していることが
好ましく、これらの酸化物はできるだけ微細であること
が好ましく、粒径30μm以下、特に10μm以下であ
ることが望ましい。
00重量部に対して、20〜100重量部、好ましくは
30〜80重量部、さらに40〜65重量部の量で含ま
れていることが望ましい。また無機難燃助剤は、ポリア
ミド100重量部に対して、2〜20重量部、好ましく
は4〜16重量部、さらに好ましくは6〜14重量部の
量で含まれていることが望ましい。
とを併用することが好ましい。本発明のポリアミドと難
燃剤とからなる組成物は、難燃性に優れているのみなら
ず、成形時に金型汚れが少ないため、リフローハンダ部
品等の用途に好適である。その他の成分 本発明のポリアミド組成物は、本発明の目的を損なわな
い範囲で前記成分に加えて、他の耐熱安定剤、耐候安定
剤、可塑剤、増粘剤、帯電防止剤、離型剤、顔料、染
料、無機あるいは有機充填剤、核剤、カーボンブラッ
ク、タルク、クレー、マイカ等の無機化合物等の種々公
知の配合剤を含有していてもよい。
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、
ポリスルフォン、ポリフェニレンオキシド、弗素樹脂、
シリコーン樹脂、脂肪族ポリアミド等を含有してもよ
い。
は、各成分を、種々公知の方法、例えばヘンシェルミキ
サー、V-ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブ
レンダー等で混合する方法、あるいは混合後、一軸押出
機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶
融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用すればよ
い。
アミドは、MO成分の含量が低いので、MO成分に起因
する金型汚れが生じにくく、金型のベントがつまりにく
く安定した状態で成形体を製造することができる。さら
に、MO成分の含量を低下させることによってもポリア
ミドの特性は低下することはなく、本発明のポリアミド
組成物を使用して形成した成形体は、ポリアミドが本質
的に有している優れた特性である耐熱性、機械的強度、
低吸水性および低摩耗性を保持するとともに耐衝撃性、
曲げ強度などに優れている。特に、ポリアミド組成物に
難燃剤を導入すると、得られる成形体は上述した特性に
優れるとともに難燃性にも優れる。
ポリアミドの融点以上、分解温度未満に加熱して、通常
の成形装置を使用して所望の形状に成形することができ
る。
機械強度特性、耐熱特性を損なう事なく、金型汚れが少
ない半芳香族ポリアミドならびにその組成物を効率よく
製造する事ができ、射出成形部品、特に精密部品を効率
的に精度良く製造することができる。
るが、本発明はこれらにより限定的に解釈されるもので
はない。なお、実施例中のMO成分、金型付着物、引張
強度、および金型汚れ評価は以下の方法により測定し
た。MO成分 :ISO 599に概ね則った測定方法を用い
て、MO成分の測定を行なった。以下にその具体的方法
を記す。20〜30gのポリアミドの粉末(粒径10〜50
μm)と、200mlのメタノールを300mlの三角フラス
コに入れ、3時間撹拌しながら還流し、抽出操作を行な
った。抽出液を冷却した後に濾過し、フラスコおよび抽
出残渣をメタノールで十分洗浄した。濾液と洗浄液を合
わせてナスフラスコに移し、減圧下に溶媒を留去し、乾
固させてMO成分を得た。このMO成分の重量を精密天
秤で秤量した。MO成分の含量(重量%)は次の式で求
めた。
設け、シリンダ温度310℃、金型温度70℃で500
ショット射出成形し、金型付着物を全量回収し、この重
量を精密天秤で秤量した。引張強度 :試験はASTM−D638に従い、試験片は
射出成形して得た。これを絶乾状態に乾燥した後に強度
を測定した。金型汚れ評価 :薄層ガスベントのある成形金型を用い、
連続射出成形を行なった。ガスベント周辺の樹脂に、ガ
ス焼けが原因と思われる変色が目視にて確認できるまで
のショット数を測定した。
ミン成分−1を45.0kg(284.3モル)、安息香酸0.4kg
(3.5モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.06kg
(0.6モル)および蒸留水27.5 kgをオートクレーブに入
れ、反応釜内部を十分に窒素置換した。なお、ジアミン
成分−1とは、1,9−ジアミノノナン(以下、NMD
Aと略記する)と、2−メチル−1,8−ジアミノオク
タン(以下、MODAと略記する)のモル比が、85:
15の事を指す。撹拌しながら、内部温度を4時間かけ
て250℃に昇温した。そのまま1時間反応を続けた
後、反応器内の反応生成物をノズルを会して大気中にフ
ラッシュさせ、固液分離と冷却を同時に行ない、次いで
乾燥して、(η)=0.1dl/gのポリアミド低次縮
合物を得た。このポリアミド低次縮合物を二軸押出機に
て溶融重合して、(η)=0.9dl/gのポリアミド
を得た。これを100℃の水に6時間接触させ、ポリア
ミドを得た。このポリアミドについて、MO成分含有
量、金型付着物および引張り強度を測定した。その結果
を表1に示す。
NMDAとMODAとのモル比を81:19としたジア
ミン成分−2にした以外は、実施例1に記載した方法で
ポリアミドを製造した。このポリアミドについてMO成
分含有量、金型付着物、および引張り強度を測定した。
その結果を表1に示す。
接触させるかわりに、60℃のメタノールに3時間接触さ
せた以外は、実施例2に記載した方法でポリアミドを製
造した。このポリアミドについてMO成分含有量、金型
付着物、および引張り強度を測定した。その結果を表1
に示す。
外は同じ方法でポリアミドを製造した。このポリアミド
についてMO成分含有量、金型付着物、および引張り強
度を測定した。その結果を表1に示す。
外は同じ方法でポリアミドを製造した。このポリアミド
についてMO成分含有量、金型付着物、および引張り強
度を測定した。その結果を表1に示す。
アミド40重量部に対して、繊維補強材(ここではガラ
ス繊維:旭ファイバーグラス(株)製 CS03JAF
T2A)30重量部、変性重合体(ここではマレイン化
SEBS:旭化成(株)製タフテックM1913)2重
量部、難燃剤(ここではポリジブロモポリスチレン:グ
レートレイクスケミカル製 PDBS−80)28重量
部を加え、二軸押出機にて溶融混練して組成物を得た。
この組成物を100℃の水に6時間接触させ、ポリアミ
ドを得た。この組成物について、MO成分含有量、およ
び金型汚れを測定した。その結果を表2に示す。
アミド40重量部に対して、繊維補強材(ここではガラ
ス繊維:旭ファイバーグラス(株)製 CS03JAF
T2A)30重量部、変性重合体(ここではマレイン化
SEBS:旭化成(株)製タフテックM1913)2重
量部、難燃剤(ここではポリジブロモポリスチレン:グ
レートレイクスケミカル製 PDBS−80)28重量
部を加え、二軸押出機にて溶融混練して組成物を得た。
この組成物を100℃の水に3時間接触させてポリアミ
ドを得た。この組成物について、MO成分含有量、およ
び金型汚れを測定した。その結果を表2に示す。
前のポリアミド40重量部に対して、繊維補強材(ここ
ではガラス繊維:旭ファイバーグラス(株)製 CS0
3JAFT2A)30重量部、変性重合体(ここではマ
レイン化SEBS:旭化成(株)製 タフテックM19
13)2重量部、難燃剤(ここではポリジブロモポリス
チレン:グレートレイクスケミカル製 PDBS−8
0)28重量部を加え、二軸押出機にて溶融混練して組
成物を得た。この組成物を60℃のメタノールに2時間
接触させポリアミドを得た。この組成物について、MO
成分含有量、および金型汚れを測定した。その結果を表
2に示す。
外は同じ方法で組成物を製造した。この組成物について
MO成分含有量、および金型汚れを測定した。その結果
を表2に示す。
外は同じ方法でポリアミドを製造した。この組成物につ
いてMO成分含有量、および金型汚れを測定した。その
結果を表2に示す。
Claims (6)
- 【請求項1】(a)テレフタル酸と、直鎖及び側鎖を含
む炭素数4〜12の脂肪族ジアミンとから誘導される繰
り返し単位と、必要に応じて(b)イソフタル酸と炭素
数4〜12の脂肪族ジアミンとから誘導される繰り返し
単位と、必要に応じて(c)炭素数4〜18の脂肪族ジ
カルボン酸と炭素数4〜12の脂肪族ジアミンとから誘
導される繰り返し単位と、必要に応じて(d)炭素数6
〜20のラクタムまたはアミノカルボン酸から誘導され
る繰り返し単位を有するポリアミドであって、繰り返し
単位(a)が90〜100モル%、繰り返し単位(b)が
0〜10モル%、繰り返し単位(c)が0〜10モル
%、繰り返し単位(d)が0〜10モル%の量で結合し
てなり、かつ、該ポリアミド中に含有される、60℃の
メタノール中に3時間浸漬することにより測定したメタ
ノール可溶性成分(MO成分)の含量が0.5重量%以
下であることを特徴とするポリアミド。 - 【請求項2】請求項1に記載のポリアミドに繊維状補強
材、変性重合体、アイオノマー樹脂、脂肪族ポリアミ
ド、および難燃剤のうち少なくとも1種類以上を含んで
なることを特徴とするポリアミド組成物。 - 【請求項3】請求項1に記載のポリアミドを製造するに
際に、その製造工程のうち、濃硫酸中30℃で測定した
ポリアミドの極限粘度(η)が0.1〜3.0dl/g
にあるいずれかの段階で、ポリアミドと液体状極性化合
物とを接触させる事により、60℃のメタノール中に3
時間浸漬することにより測定したメタノール可溶性成分
の含量が0.5重量%以下となるようにすることを特徴
とするポリアミドの製造方法。 - 【請求項4】請求項2に記載のポリアミド組成物を製造
するに際に、その製造工程のうち、濃硫酸中30℃で測
定したポリアミドの極限粘度(η)が0.1〜3.0d
l/gにあるいずれかの段階で、ポリアミドと液体状極
性化合物とを接触させる事により、60℃のメタノール
中に3時間浸漬することにより測定したメタノール可溶
性成分の含量が0.5重量%以下となるようにすること
を特徴とするポリアミド組成物の製造方法。 - 【請求項5】請求項1に記載のポリアミドを用いて、連
続的に射出成形を行うことを特徴とする射出成形品の製
造方法。 - 【請求項6】請求項1に記載のポリアミドを用いること
を特徴とする精密部品の製造方法。
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JP2000061846A JP3606783B2 (ja) | 2000-03-02 | 2000-03-02 | ポリアミドおよびポリアミド組成物の製造方法 |
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---|---|---|---|---|
US7388048B2 (en) | 2003-08-05 | 2008-06-17 | Arkema France | Flexible semiaromatic polyamides with a low moisture uptake |
WO2011074536A1 (ja) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | 東洋紡績株式会社 | 共重合ポリアミド |
WO2012023671A1 (ko) * | 2010-08-20 | 2012-02-23 | 제일모직 주식회사 | 휴대용 디스플레이 제품의 lcd 보호용 브라켓 |
CN103068890A (zh) * | 2010-08-20 | 2013-04-24 | 第一毛织株式会社 | 用于保护便携式显示器件的lcd的支架 |
JP2014503675A (ja) * | 2011-01-31 | 2014-02-13 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 溶融ブレンドされた熱可塑性組成物 |
WO2021106850A1 (ja) * | 2019-11-29 | 2021-06-03 | 東洋紡株式会社 | 半芳香族ポリアミド樹脂組成物、及び金属メッキ成形体 |
-
2000
- 2000-03-02 JP JP2000061846A patent/JP3606783B2/ja not_active Expired - Lifetime
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