JP2001246696A - 穴あけ加工用積層シート及びこれを用いる穴あけ加工法 - Google Patents

穴あけ加工用積層シート及びこれを用いる穴あけ加工法

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JP2001246696A
JP2001246696A JP2000058925A JP2000058925A JP2001246696A JP 2001246696 A JP2001246696 A JP 2001246696A JP 2000058925 A JP2000058925 A JP 2000058925A JP 2000058925 A JP2000058925 A JP 2000058925A JP 2001246696 A JP2001246696 A JP 2001246696A
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sheet
mass
polyester resin
parts
laminated sheet
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JP2000058925A
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Kazuyuki Wakamura
和幸 若村
Yasuki Nakayama
泰樹 中山
Kenzo Aki
賢三 安岐
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層プリント回路積層板等や精密機器類の穴
あけ加工を行う際に要求される、高品質な穴あけ加工性
を実現する積層シートを提供する。 【解決手段】 熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に
対して、無機充填材3〜50質量部及び/又は水溶性滑剤1
〜10質量部を配合したポリエステル樹脂組成物と金属箔
とを積層してなる穴あけ加工用積層シート及び該シート
を用いる穴あけ加工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両面或いは多層プ
リント回路配線基板用の銅張積層板や精密機器類のプラ
スチック板の穴あけ加工を行う際に、銅張積層板やプラ
スチック板のドリル歯の挿入面側に配置し、穴あけ加工
時のドリル歯の摩擦熱による発熱や銅張積層板の銅箔の
めくれ傷つき等を防止し、高品質で高効率の穴あけ加工
を提供する積層シート及び該シートを用いる穴あけ加工
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、多層プリント回路配線板や精密機
器類等の製品にドリル加工を用いて穴あけする場合、ド
リルに付着する削りカスを取り除いたり、銅箔のめくれ
傷つきを防止するため、回路配線基板等のドリル歯の挿
入面側にアルミ板をあて板として配置して加工を行って
いた。
【0003】しかしながら、近年の各種電子機器等の軽
薄短小化により、加工される穴径は益々小さくなる傾向
にあり、これに伴い、より高度な穴位置精度、内壁平滑
度が要求されるようになった結果、従来のアルミ板で
は、要求性能が満たされなくなった。
【0004】この問題を解消する方法として、金属箔等
の片面にポリエチレングリコール等の水溶性シート層を
形成させたシートが提案されている(特開平5−169400
号公報、特開平8-155896号公報)。このシートにより、
ドリルの食い付き性は改善し、それに伴って、高度な穴
位置精度は得られるが、一方で、ドリルに水溶性高分子
が付着しやすく、数千ヒットの穴開け加工する段階で、
その付着物がドリルに堆積し、落下してドリルを折損さ
せるという問題があった。また、金属箔と水溶性シート
の構成では、シートに腰が無くカールするため、作業性
にも問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、無機充填材又
は水溶性滑剤、あるいはその両方を特定量配合したポリ
エステル樹脂組成物と金属箔とを積層してなる積層シー
トを用いることで、上記問題点を解決することを見出
し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。 (1)熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、
無機充填材3〜50質量部を配合したポリエステル樹脂組
成物と金属箔とを積層してなる穴あけ加工用積層シー
ト。 (2)熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、
水溶性滑剤1〜10質量部を配合したポリエステル樹脂組
成物と金属箔とを積層してなる穴あけ加工用積層シー
ト。 (3)熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、
無機充填材3〜50質量部及び水溶性滑剤1〜10質量部を配
合したポリエステル樹脂組成物と金属箔とを積層してな
る穴あけ加工用積層シート。 (4)水溶性滑剤が、アニオン系界面活性剤又はポリエ
ーテル系界面活性剤である上記(1)〜(3)に記載の穴
あけ加工用積層シート。 (5)上記(1)〜(4)記載の穴あけ加工用積層シート
を用いる穴あけ加工法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の穴あけ加工用積層シートを構成するポリ
エステル樹脂組成物の主成分である熱可塑性ポリエステ
ル樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分を主たる成
分とするものであり、ドリル加工時の発熱による溶融を
考慮すると、Tm(融点)が200℃以上又はTg(ガラス転移温
度)が60℃以上であるものが好ましい。
【0008】ジカルボン酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカル
ボン酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸、5-ナトリ
ウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタ
デカン二酸、6-エチル-ヘキサデカン二酸等を挙げるこ
とができ、この中ではテレフタル酸、イソフタル酸、2,
6-ナフタレンジカルボン酸が好ましく、テレフタル酸が
特に好ましい。また、これらのジカルボン酸成分は、一
種又は二種以上使用することができる。ジオール成分と
しては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、
1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキシレンジメタノー
ル、ジエチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、ネ
オペンチルグリコール等を挙げることができ、この中で
はエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,4-シク
ロヘキシレンジメタノールが好ましく、エチレングリコ
ールが特に好ましい。また、これらのジオール成分は、
一種又は二種以上使用することができる。
【0009】上記ジカルボン酸成分と上記ジオール成分
との組み合わせの好適な例としては、テレフタル酸とエ
チレングリコール、テレフタル酸と1,4-ブタンジオー
ル、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸と1,4-シクロ
ヘキシレンジメタノール、2,6-ナフタレンジカルボン酸
とエチレングリコール等が挙げられる。また、熱可塑性
ポリエステル樹脂の好適な具体例としては、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート等が挙げられ、中でもPETが
特に好ましい。
【0010】本発明においては、穴あけ加工用積層シー
トを構成するポリエステル樹脂組成物に、無機充填材又
は水溶性滑剤、あるいは両方が特定量配合されているこ
とが必要である。無機充填材と水溶性滑剤は、ともに穴
あけ加工シートとしての性能を向上させる成分であり、
熱可塑性ポリエステルに両者の少なくとも一方を配合す
る必要があり、両方を配合することが好ましい。
【0011】熱可塑性ポリエステル樹脂に配合される無
機充填材の具体例としては、マイカ、ガラスフレーク、
タルク、ワラストナイト、シリカ、炭酸カルシウム、合
成ケイ酸、天然ケイ酸塩、亜鉛華、ハロサイトクレー、
カオリン、塩基性炭酸マグネシウム、石英粉、酸化チタ
ン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミナ等が挙げ
られ、この中では、ドリル歯の挿入性、シート表面平滑
性、シート弾性、シート折れ曲がり耐性等の点を考慮す
ると、マイカ、タルクが好ましく、マイカが特に好まし
い。
【0012】無機充填材の平均粒径は、1〜100μmであ
ることが好ましく、1〜60μmの範囲のものが特に好ま
しい。平均粒径が100μmを超えるとドリル歯の挿入
性、内壁平滑性が悪化する。平均粒径が1μm未満で
は、切削性が改善されず、内壁が粗くなる傾向にある。
【0013】熱可塑性ポリエステル樹脂への無機充填材
の配合割合は、熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に
対して3〜50質量部とすることが必要であり、5〜45質量
部とすることが好ましい。また、生産性やコストを考慮
すると無機充填材としてマイカを10〜30質量部用いるこ
とが最も好ましい。水溶性滑剤を配合しない場合、無機
充填材の配合割合が3質量部未満では、ドリル加工性の
向上効果が小さく、逆に50質量部を超えると、ドリル歯
の挿入性が悪化する。しかし、このような場合でも水溶
性滑剤を本発明の範囲で添加すれば良好に用いることが
できる。
【0014】熱可塑性樹脂に配合される水溶性滑剤は、
積層シートとドリル歯との摩擦抵抗を減少させる効果を
奏するものであり、例として、アニオン系界面活性剤や
ポリエーテル系界面活性剤が挙げられる。アニオン系界
面活性剤としては、例えば脂肪族アミン塩、高級アルコ
ールのリン酸エステル、アルキルサルフェート、アルキ
ルアリールサルフェート、ソディウムアルカンスルフォ
ネート等が挙げられる。また、ポリエーテル系界面活性
剤としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポ
リオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレ
ンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンオクチルフェニルエーテル等が挙げられる。中でも
ソディウムアルカンスルフォネートとポリエチレングリ
コールが熱可塑性樹脂と溶融混練される際に必要な耐熱
性を備えており、また穴あけ加工時に発生する摩擦を減
ずる効果にすぐれているため、好ましい。なお、ソディ
ウムアルカンスルフォネートとは、アルカンの水素をス
ルホン基で置換した化合物(スルホン酸)のナトリウム
塩のことであって、一般式R1R2CHSO3Na(R1、R2はそれ
ぞれ水素またはアルキル基を示す)で示される化合物を
指す。水溶性滑剤としての効果を発揮するには上記式中
のR1とR2の炭素数の和が8〜20のものであることが好ま
しく、特に10〜14のものが好ましい。また、上記一般式
で表される化合物が上記式をみたす2種以上の化合物の
混合物であってもよく、その場合、R1とR2の炭素数の和
とは、その混合物における平均値を意味する。
【0015】ポリエステル樹脂組成物に配合される水溶
性滑剤の配合割合は、熱可塑性ポリエステル樹脂100質
量部に対して1〜10質量部、特に2〜8質量部とすること
が好ましい。無機充填材を配合しない場合、この量が1
質量部未満では、穴あけ加工時に必要なドリルの滑りが
得られない。また、10質量部を超えると樹脂組成物の成
形加工時、例えばシート化時に、シート切れが発生しや
すくなる傾向にある。しかし、このような場合でも、無
機充填材を本発明の範囲で配合すれば良好に用いること
ができる。水溶性滑剤の配合方法は、特に限定されるも
のではないが、滑剤の分散性や後述するシート化におけ
る生産性を考慮すると、予めPET等の熱可塑性ポリエ
ステル樹脂に水溶性滑剤を含有させたマスターペレット
を作製し、これを他の熱可塑性ポリエステル成分や無機
充填材、あるいは無機充填材を練り込んだ熱可塑性ポリ
エステルペレットと加熱混合することによりポリエステ
ル樹脂組成物中に導入する方法が好ましく使用できる。
【0016】本発明の穴あけ加工用積層シートを形成す
る金属箔としては、アルミニウム及びその合金などを例
示することができ、コストの理由からアルミニウム(以
下、アルミと略す)がもっとも好ましく使用される。金
属箔は、積層されるポリエステル樹脂組成物との接着強
度を高めるためにクロメート処理、ジルコニウム処理、
チタネート処理などの化成処理、電解エッチングなどの
物理的表面処理を施してもよい。
【0017】本発明においては、ポリエステル樹脂組成
物に、必要に応じて熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、
顔料、可塑剤、架橋剤、耐衝撃剤、難燃剤、難燃助剤等
の各種プラスチック添加剤を配合することもできる。
【0018】耐熱性を要求される用途には、ポリエステ
ル樹脂組成物の押出成形時には架橋しない後架橋型の架
橋剤をポリエステル樹脂組成物中に配合させておき、熱
圧延時あるいは熱圧延後に、高温熱処理、紫外線照射も
しくは電子線照射等の高エネルギー処理によって架橋さ
せることが有効である。この際、架橋剤として、トリア
リールイソシアヌレート、トリアリールシアヌレート等
を用いることができる。
【0019】本発明の穴あけ加工用積層シートを構成す
るポリエステル樹脂組成物は、金属箔との積層に際して
の形状は特に限定されないが、通常はシートの形状に成
形されて積層に供される。このポリエステル樹脂シート
を製造する方法は、特に限定されるものではなく、Tダ
イスを用いた押出成形法、カレンダー成形法、射出成形
法、圧縮成形法等、従来公知の方法を採用することがで
きるが、生産効率、得られるポリエステル樹脂シートの
均一性や表面平面性等を考慮すると、Tダイスを用いた
押出成形法が好ましい。
【0020】本発明の穴あけ加工用積層シートを製造す
るにあたっては、ポリエステル樹脂シートと金属箔とを
積層する際に、両者の接着性を高めるために接着剤を用
いることが好ましい。この場合、ポリエステル樹脂シー
トの基材に接着剤を塗布、あるいは、接着剤層と共押出
した後、金属箔と積層する方法、金属箔に接着剤を塗布
し、樹脂シートと積層する方法、あるいは、樹脂シー
ト、接着剤層、金属箔を同時に積層する方法等を採るこ
とができる。
【0021】ポリエステル樹脂シートと金属箔とを積層
する方法は特に限定されず、熱プレス、ドライラミネー
ション法等を採用することができる。生産性、均質性を
考慮すると、ドライラミネーション法が特に好ましい。
具体的な工程例としては、まず、ポリエステル樹脂シー
トをグラビアロールを通すことによってシート片面に溶
剤に溶かした接着剤を目的量塗布する。その後乾燥オー
ブンに通して溶剤を飛ばし、接着剤層を形成する。その
後、ドライラミネーション法によって加熱ロールを通し
ながら金属箔を樹脂シートの接着剤塗布面に圧着積層す
る。これらの工程は、生産性の面から連続的に行うこと
が好ましい。乾燥オーブンの温度は50〜100℃、圧着部
の加熱ロール温度は90〜150℃とすることが好ましい。
また、使用する接着剤のタイプは特に制限されないが、
2液ウレタンエステル型で酢酸エチルを溶剤とするもの
を好ましく使用することができる。
【0022】本発明の穴あけ加工用積層シートは、ドリ
ルを用いる小径穴あけ用途である限りにおいて、いかな
る対象にも使用することができるが、通常は、積層板や
プラスチック板等の板状物への精密な穴あけに使用され
る。すなわち、穴あけしようとするこれらの板状物の最
上面、すなわち、ドリルビット側に、本発明の穴あけ加
工用積層シートの樹脂シート面が上になる(すなわち金
属箔面が穴あけ対象板と接する)ように配置させ、回転
するドリルビットを樹脂シート面に対して垂直に当てて
穴あけを開始し、穴あけ加工用積層シートを貫通したド
リルビットが垂直を保持しながら目的物に達し、これに
穴あけを行うものである。
【0023】対象とする板としては、ガラスエポキシ積
層板、銅箔を張っていない積層板、片面あるいは両面銅
張積層板、両面銅箔張の多層シールド板などのプリント
配線基板や、金属箔張積層板、銅張のフレキシブルシー
ト、治工具用の積層板、ポリカーボネート樹脂、アクリ
ル樹脂、その他の治工具等に用いる樹脂板などを例示す
ることができる。
【0024】
【実施例】次に、実施例及び比較例により、本発明をさ
らに具体的に説明する。なお、実施例及び比較例に用い
た材料は、以下の通りである。 PET(ペレット形状);ユニチカ社製 NEH-2050 極
限粘度 0.78 マイカ;レプコ社製 M-400 平均粒径 15μm タルク;日本タルク社製 ミクロエース K-1 平均粒
径 3.5μm ワラストナイト;キンセイマテック社製 FPW-400 水溶性滑剤のマスターペレット;大日精化社製 エレコ
ンPT-RM 94N131、住化カラー社製 EPM-7E747(いずれ
もソディウムアルカンスルフォネートを20質量%含有し
たPET) ポリエチレングリコール 松本油脂製薬社製 PEG-6000 接着剤;武田薬品社製 2液ウレタンエステル型 タケ
ラックA-540/タケネートA-3(溶剤は酢酸エチル) アルミシート 昭和アルミニウム社製 厚み100μm及
び200μmのもの。実施例、比較例における特性値の測
定法は、次の通りである。 1)極限粘度 フェノールとテトラクロロエタンとの等質量混合物を溶
媒として、温度20℃で測定した。 2)シート成形性 5m/分の速度でシート成形を行い、その際の状況によ
り、次の3 段階で評価した。 ○:シート切れが全く発生しない。 △:シート切れが1時間当たり1〜3回の割合で発生するも
のの、シート成形化は可能である。 ×:シート切れが1時間当たり4回以上の割合で発生し、
シート成形化が不能である。 3)穴あけ加工性 (試験方法)1.6mm厚の銅張りガラスエポキシ6層板
を2枚重ねて基板とし、この上に穴あけ加工用積層シー
トを前述の様に置き、穴あけ加工を行った。 ドリルビット 0.3mmφ(ユニオンツール社製 uc3
0) ドリル回転数 75000rpm 送り速度 1140mm/分 ヒット数 3000回 (評価項目) 穴位置精度 3000回のヒットの穴位置を記録し、設定位置からのずれ
の最大値(μm単位)で評価した。この値が小さいほど
精度が高いことを示す。 内壁粗さ 基板の穴あき部分について、基板表面に対して45°の角
度にカットし、穴内部表面を光学顕微鏡を用い500倍で
観察して、基準面からの距離の最大値をμm単位で評価
した。この値が小さいほど内壁平滑性が高いことを示
し、穴あけ加工用積層シートとしての性能が良好であ
る。 ドリル損傷 3000ヒット後のドリルの摩耗状態を光学顕微鏡を用い倍
率500倍で観察し、損傷の有無を調べた。 ○:損傷は無い。 △:欠けは無いが、傷がある。 ×:一部欠けている。
【0025】樹脂シート製造例A PET100質量部に、マイカ20質量部を配合し、二軸押
出機(東芝機械社製、TEM-35)を用いて280℃で溶融混練
して、ストランド状に押し出し、切断することによりペ
レットを得た。次いで、上記充填材を配合したペレット
をTダイスを備えた押出成形装置にて270℃でシートに
成形し、厚み200μmの樹脂シートを得た。この際シー
ト切れは全く発生しなかった。
【0026】樹脂シート製造例B 充填材としてマイカの代わりにタルクを5質量部用いた
以外は製造例Aと同様の操作を行い、厚み200μmの樹
脂シートを得た。この際シート切れは全く発生しなかっ
た。
【0027】樹脂シート製造例C 充填材としてマイカの代わりにワラストナイトを40質量
部用いた以外は製造例Aと同様の操作を行い、厚み200
μmの樹脂シートを得た。この際シート切れは全く発生
しなかった。
【0028】樹脂シート製造例D PETのペレットに、ソディウムアルカンスルフォネー
トの割合がPET成分100質量部に対して8質量部とな
るようにマスターペレット(大日精化社製 エレコンPT
-RM 94N131)を配合し、Tダイスを備えた押出成形装
置にて270℃でシート化し、厚み200μmの樹脂シートを
得た。この際シート切れは全く発生しなかった。
【0029】樹脂シート製造例E PETのペレットに、マイカを配合し、二軸押出機(東
芝機械社製、TEM-35)を用いて280℃で溶融混練して、ス
トランド状に押し出し、切断することによりペレットを
得た。このペレットに、ソディウムアルカンスルフォネ
ートマスターペレット(大日精化社製 エレコンPT-RM
94N131)を加えてペレットブレンド物を作成した。こ
こまでの工程で、ソディウムアルカンスルフォネートの
割合がペレットブレンド物中のPET成分総量の100質
量部に対して2質量部、またマイカの割合がPET成分
総量の100質量部あたり20質量部となるようにした。こ
のペレットブレンド物をTダイスを備えた押出成形装置
に供給して270℃でシート化し、厚み200μmの樹脂シー
トを得た。この際シート切れは全く発生しなかった。
【0030】樹脂シート製造例F 樹脂シート製造例Eにおいて、水溶性滑剤のマスターペ
レットとして住化カラー社製 EPM-7E747を用い、ソデ
ィウムアルカンスルフォネートの割合がPET成分総量
の100質量部に対して8質量部となるように原料配合比
を変えた他は樹脂シート製造例Eと同様にして厚み200
μmの樹脂シートを得た。この際シート切れは全く発生
しなかった。
【0031】樹脂シート製造例G PETのペレット100質量部に、ポリエチレングリコー
ルを5質量部及び20質量部のマイカを配合し、二軸押出
機(東芝機械社製、TEM-35)を用いて280℃で溶融混練し
て、ストランド状に押し出し、切断することによりペレ
ットを得た。このペレットをTダイスを備えた押出成形
装置にて270℃でシート化し、厚み200μmの樹脂シート
を得た。この際シート切れは全く発生しなかった。
【0032】樹脂シート製造例H PETのペレットをTダイスを備えた押出成形装置にて
270℃でシート化し、厚み200μmの樹脂シートを得た。
この際シート切れは全く発生しなかった。
【0033】樹脂シート製造例I 樹脂シート製造例Aにおいて、マイカの配合量を60質量
部とした以外は樹脂シート製造例Aと同様の操作を行
い、厚み200μmの樹脂シートを得た。この際シート切
れは発生したが、シート化は可能であった。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1〜7及び比較例1〜2 上記樹脂シート製造例A〜Iで製造した厚さ200μmの
樹脂シートに、それぞれ接着剤を3g/m2塗布し、70℃で
乾燥した後、ドライラミネーション法を用いて温度110
℃にて厚さ100μmのアルミシートと積層し、厚さ300μ
mの積層シートを得た。それらの積層シートを、1.6m
m厚のガラスエポキシ6層板を2枚重ねた上に、樹脂側
を上(すなわち、ドリルがヒットする側)にして配置
し、穴あけ加工試験を実施した。穴あけ加工性は上述の
評価法に従って評価した。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】比較例3 厚さ200μmのアルミシートについて、穴あけ加工性を
評価した。結果を表2に示す。
【0038】比較例4 厚さ200μmのアルミシート片面に100μmのポリエチレ
ングリコール層を形成させた。すなわち、ポリエチレン
グリコール水溶液をアルミ片面に塗布し、乾燥させるこ
とにより得た。これについて、穴あけ加工性を評価し
た。結果を表2に示す。
【0039】比較例5 前述した厚さ200μmの樹脂シートAを単独で用いて、
穴あけ加工性を評価した。結果を表2に示す。
【0040】実施例1〜7は、穴あけ加工用シートに要
求される、穴あけ加工性に優れていた。すなわち、穴位
置精度が高く、内壁平滑性が高かった。また、3000ヒッ
トの穴開け加工後に付着物がドリルに堆積する事は無
く、ドリルが折損することも無かった。さらに、シート
に腰が有り、カールしなかった。穴位置精度、内壁平滑
性については、特に、基材のポリエステル樹脂組成物に
無機充填材と水溶性滑剤とを配合した実施例5〜7が優
れていた。
【0041】比較例1は、熱可塑性ポリエステル樹脂
に、無機充填材及び水溶性滑剤のいずれをも配合してい
ない例であり、穴あけ加工時の発熱による溶融物が、ド
リル歯に付着し、穴あけ加工性が劣り、穴位置精度も内
壁平滑性も劣るものであった。
【0042】比較例2は、ポリエステル樹脂組成物とし
て無機充填材を過剰に配合した例であり、過剰の無機充
填材がドリルの侵入を阻んだためか、穴位置精度も内壁
粗さも劣るものであった。
【0043】比較例3は、アルミシートを単体で用いた
例である。穴位置精度、内壁平滑性ともに劣るものであ
った。
【0044】比較例4は、アルミシートにポリエチレン
グリコールを形成させた例である。穴位置精度、内壁平
滑性は優れていたが、ドリル損傷がみられ、またシート
はカールして作業性に劣った。
【0045】比較例5はポリエステル樹脂シートを単体
で用いた例であり、穴位置精度も内壁平滑性も劣るもの
であった。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、両面或いは多層プリン
ト回路配線基板用の銅張積層板や精密機器類のプラスチ
ック板の穴あけ加工を行う際に要求される、高度な穴位
置精度、内壁平滑性を有し、かつ、ドリルの損傷を抑え
ることができる。また、シートに腰があり、カールしな
いため、作業性にも優れる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 5/42 5/42 C08L 67/02 C08L 67/02 H05K 1/03 610 H05K 1/03 610M 610R //(C08L 67/02 (C08L 67/02 71:02) 71:02) Fターム(参考) 3C036 AA01 3C060 AA04 AA11 BA05 BH01 4F100 AA00A AB01B AB33B AK01A BA02 CA18A CA19A CA23A GB90 JB09A JB16A JK15 JL04 YY00A 4J002 CF031 CF041 CF111 CF141 CF181 CH022 DE107 DE137 DE147 DE237 DG047 DJ007 DJ017 DJ037 DJ057 DL007 EV236 FA017 FD017 FD312 FD316 GF00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に
    対して、無機充填材3〜50質量部を配合したポリエステ
    ル樹脂組成物と金属箔とを積層してなる穴あけ加工用積
    層シート。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に
    対して、水溶性滑剤1〜10質量部を配合したポリエステ
    ル樹脂組成物と金属箔とを積層してなる穴あけ加工用積
    層シート。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に
    対して、無機充填材3〜50質量部及び水溶性滑剤1〜10質
    量部を配合したポリエステル樹脂組成物と金属箔とを積
    層してなる穴あけ加工用積層シート。
  4. 【請求項4】 水溶性滑剤が、アニオン系界面活性剤又
    はポリエーテル系界面活性剤である請求項1〜3いずれ
    かに記載の穴あけ加工用積層シート。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の穴あけ
    加工用積層シートを用いる穴あけ加工法。
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