JP2001245910A - 眼用レンズ - Google Patents

眼用レンズ

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JP2001245910A
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Naoki Shimoyama
直樹 下山
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    • C08F20/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F20/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms, Derivatives thereof
    • C08F20/52Amides or imides
    • C08F20/54Amides, e.g. N,N-dimethylacrylamide or N-isopropylacrylamide
    • C08F20/58Amides, e.g. N,N-dimethylacrylamide or N-isopropylacrylamide containing oxygen in addition to the carbonamido oxygen, e.g. N-methylolacrylamide, N-acryloylmorpholine
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Abstract

(57)【要約】 【課題】引張伸びが大きい(すなわち破れにくい)眼用
レンズを提供する。 【解決手段】下記一般式(a) 【化1】 [式(a)中、R1はHまたはメチル基を表す。R2は炭
素数1〜8のアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル
基および炭素数6〜10のアリール基から選ばれた基を
表す。kは0〜2の整数を表す。L1はエチレン基、
1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基および
1,4−ブチレン基から選ばれた置換基を表す。L2
メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,
3−プロピレン基および1,4−ブチレン基から選ばれ
た置換基を表す。]で表されるモノマーを重合成分とし
て含むことを特徴とする眼用レンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンタクトレンズ、
眼内レンズ、人工角膜などの眼用レンズに関するもので
あり、中でもコンタクトレンズとして最も好適である。
【0002】
【従来の技術】眼用レンズ用モノマーとして3−メタク
リロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン
などのシロキサニルモノマーが利用されている(例え
ば、米国特許第3,808,178号)。しかしながら
これらシロキサニルモノマーからなる眼用レンズは、酸
素透過性が高いという特長があるものの、疎水性が強い
ために、眼用レンズ、中でもコンタクトレンズには使用
しにくいものであった。
【0003】そこで、これらのシロキサニルモノマーを
使用する場合は、各種の親水性モノマー(例えば、N,
N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、
2−ヒドロキシエチルメタクリレートなど)と共重合す
ることにより眼用レンズに親水性を付与することが一般
的である。しかしながら、このような親水性モノマーと
共重合した場合には、眼用レンズの引張伸びが小さい
(すなわち破れやすい)という欠点を有する場合があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、引張伸びが
大きい(すなわち破れにくい)眼用レンズを提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の眼用レンズは下記の構成を有する。 「下記一般式(a)
【0006】
【化2】
【0007】[式(a)中、R1はHまたはメチル基を
表す。
【0008】R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数
7〜12のアラルキル基および炭素数6〜10のアリー
ル基から選ばれた基を表す。
【0009】kは0〜2の整数を表す。
【0010】L1はエチレン基、1,2−プロピレン
基、1,3−プロピレン基および1,4−ブチレン基か
ら選ばれた置換基を表す。
【0011】L2はメチレン基、エチレン基、1,2−
プロピレン基、1,3−プロピレン基および1,4−ブ
チレン基から選ばれた置換基を表す。]で表されるモノ
マーを重合成分として含むことを特徴とする眼用レン
ズ。」
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0013】前述したように、本発明の眼用レンズは下
記の構成を有する。 「下記一般式(a)
【0014】
【化3】
【0015】[式(a)中、R1はHまたはメチル基を
表す。
【0016】R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数
7〜12のアラルキル基および炭素数6〜10のアリー
ル基から選ばれた基を表す。
【0017】kは0〜2の整数を表す。
【0018】L1はエチレン基、1,2−プロピレン
基、1,3−プロピレン基および1,4−ブチレン基か
ら選ばれた置換基を表す。
【0019】L2はメチレン基、エチレン基、1,2−
プロピレン基、1,3−プロピレン基および1,4−ブ
チレン基から選ばれた置換基を表す。]で表されるモノ
マーを重合成分として含むことを特徴とする眼用レン
ズ。」以下、式(a)中の記号について説明する。
【0020】R1はHまたはメチル基を表すが、重合性
の高いモノマーが得られるという点でHがより好まし
い。
【0021】kは0〜2の整数を表すが、合成の容易さ
という点では0または1が好ましい。
【0022】L1はエチレン基、1,2−プロピレン
基、1,3−プロピレン基および1,4−ブチレン基か
ら選ばれた置換基を表すが、高い親水性が得られる点で
エチレン基が最も好ましい。
【0023】L2はメチレン基、エチレン基、1,2−
プロピレン基、1,3−プロピレン基および1,4−ブ
チレン基から選ばれた置換基を表すが、合成の容易さと
高い親水性が得られる点でメチレン基、エチレン基およ
び1,3−プロピレン基が好ましい。
【0024】一般式(a)で表されるモノマーの中でも
特に好適なものを列挙すれば、N−メトキシメチルアク
リルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−
プロポキシメチルアクリルアミド、N−イソプロポキシ
メチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルア
ミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−エト
キシメチルメタクリルアミド、N−プロポキシメチルメ
タクリルアミド、N−イソプロポキシメチルメタクリル
アミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、N−
(2−メトキシエチル)アクリルアミド、N−(2−エ
トキシエチル)アクリルアミド、N−(2−プロポキシ
エチル)アクリルアミド、N−(2−イソプロポキシエ
チル)アクリルアミド、N−(2−ブトキシエチル)ア
クリルアミド、N−(2−メトキシエチル)メタクリル
アミド、N−(2−エトキシエチル)メタクリルアミ
ド、N−(2−プロポキシエチル)メタクリルアミド、
N−(2−イソプロポキシエチル)メタクリルアミド、
N−(2−ブトキシエチル)メタクリルアミド、N−
(3−メトキシプロピル)アクリルアミド、N−(3−
エトキシプロピル)アクリルアミド、N−(3−プロポ
キシプロピル)アクリルアミド、N−(3−イソプロポ
キシプロピル)アクリルアミド、N−(3−ブトキシプ
ロピル)アクリルアミド、N−(3−メトキシプロピ
ル)メタクリルアミド、N−(3−エトキシプロピル)
メタクリルアミド、N−(3−プロポキシプロピル)メ
タクリルアミド、N−(3−イソプロポキシプロピル)
メタクリルアミド、N−(3−ブトキシプロピル)メタ
クリルアミド、N−[2−(2−メトキシエトキシ)エ
チル]アクリルアミド、N−[2−(2−エトキシエト
キシ)エチル]アクリルアミド、N−[2−(2−プロ
ポキシエトキシ)エチル]アクリルアミド、N−[2−
(2−イソプロポキシエトキシ)エチル]アクリルアミ
ド、N−[2−(2−ブトキシエトキシ)エチル]アク
リルアミド、N−[2−(2−メトキシエトキシ)エチ
ル]メタクリルアミド、N−[2−(2−エトキシエト
キシ)エチル]メタクリルアミド、N−[2−(2−プ
ロポキシエトキシ)エチル]メタクリルアミド、N−
[2−(2−イソプロポキシエトキシ)エチル]メタク
リルアミド、N−[2−(2−ブトキシエトキシ)エチ
ル]メタクリルアミドなどである。
【0025】一般式(a)で表されるモノマーは、例え
ば、以下に挙げるような(メタ)アクリルアミド類の通
常の製造法によって製造することができる。 (1)一般式(b)で表されるアミン化合物と(メタ)
アクリル酸ハロゲン化物との脱ハロゲン化水素による縮
合反応。 (2)一般式(b)で表されるアミン化合物と(メタ)
アクリル酸との脱水縮合反応。 (3)一般式(b)で表されるアミン化合物と(メタ)
アクリル酸エステルとのエステルアミド交換反応。
【0026】 H2N−(L1−O)k−L2−O−R2 (b) [一般式(b)中、各記号は一般式(a)中の記号と同
じ意味である。] 本発明の眼用レンズは、一般式(a)のモノマーを重合
して得ることができるが、その場合、一般式(a)のモ
ノマーを単独で重合することも、他のモノマーと共重合
することも可能である。一般式(a)のモノマーおよび
他のモノマーは、それぞれ複数種類を同時に用いてもよ
い。
【0027】他のモノマーと共重合する場合の共重合モ
ノマーとしては、共重合さえ可能であれば何ら制限はな
く、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、アリル基、
ビニル基および他の共重合可能な炭素炭素不飽和結合を
有するモノマーを使用することができる。
【0028】以下、その例をいくつか挙げるがこれらに
限定されるものではない。(メタ)アクリル酸、イタコ
ン酸、クロトン酸、桂皮酸、ビニル安息香酸、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートな
どのアルキル(メタ)アクリレート類、ポリアルキレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレン
グリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレー
ト、ポリアルキレングリコールビス(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリス(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラキス(メタ)アクリレ
ート、両末端に炭素炭素不飽和結合を有するシロキサン
マクロマーなどの多官能(メタ)アクリレート類、トリ
フルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロ
イソプロピル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化ア
ルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレートなどの水酸基を有するヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート類、N,N−ジメチルア
クリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,
N−ジ−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジイソ
プロピルアクリルアミド、 N,N−ジn−ブチルアク
リルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N−アクリ
ロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン、N−
メチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル
アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリ
ジンなどの芳香族ビニルモノマー、マレイミド類、N−
ビニルピロリドンなどのヘテロ環ビニルモノマーおよび
シロキサニルモノマーである。本明細書において「シロ
キサニル」という接頭語は「シロキサニル基を有する」
という意味する。したがって「シロキサニルモノマー」
とは「シロキサニル基を有するモノマー」の意味であ
る。また本明細書において「シロキサニル基」とはSi
−O−Si結合を少なくとも1つ有する基を意味する。
【0029】本発明の眼用レンズは、高い酸素透過性を
得るためには一般式(a)のモノマーとシロキサニルモ
ノマーと共重合することが好ましい。
【0030】シロキサニルモノマーとしては、下記式
(B) X−Z−L−A (B) [式(B)中、Aはシロキサニル基を表す。
【0031】Xは重合可能な炭素炭素不飽和結合を有す
る基を表す。
【0032】Lは炭素数1〜10の2価の基を表す。
【0033】ZはO、S、およびN−Yから選ばれた置
換基を表す。
【0034】Yは水素原子、置換されていてもよいアル
キル基および置換されていてもよいアリール基からなる
群から選ばれた置換基を表す。]で表されるモノマーお
よびシロキサニルスチレンが好ましい。
【0035】以下、式(B)中の記号について説明す
る。
【0036】式(B)中、Aはシロキサニル基を表す。
Aとして好ましい置換基は下記式(A)で示される置換
基である。
【0037】
【化4】
【0038】[式(A)中、A1〜A11はそれぞれが互
いに独立に水素原子、置換されていてもよいアルキル
基、置換されていてもよいアリール基を表す。dは0〜
200の整数を表し、a、b、cはそれぞれが互いに独
立に0〜20の整数を表す。ただしd=a=b=c=0
の場合は除く。]式(A)中、A1〜A11はそれぞれが
互いに独立に水素原子、置換されていてもよいアルキル
基、置換されていてもよいアリール基を表すが、その具
体的な例としては水素原子、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、se
c-ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシ
ル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基などのアルキ
ル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基を挙げ
ることができる。
【0039】dは0〜200の整数であるが、好ましく
は0〜50、さらに好ましくは0〜10である。a、
b、cはそれぞれが互いに独立に0〜20の整数である
が、好ましくはa、b、cがそれぞれが互いに独立に0
〜5の整数である。d=0の場合は、好ましくはa=b
=c=1またはa=b=1かつc=0である。
【0040】式(A)で表される置換基の中で、特に好
適なものは、トリス(トリメチルシロキシ)シリル基、
ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル基、ポリジメ
チルシロキサン基、ポリメチルシロキサン基、ポリ−コ
−メチルシロキサン−ジメチルシロキサン基などであ
る。
【0041】Xは重合可能な炭素炭素不飽和結合を有す
る基を表すが、その具体的な例としては下記式(x1)
〜(x7)で表される基を挙げることができる。中でも
最も好ましいのは式(x1)、(x2)および(x7)
で表される基である。
【0042】
【化5】
【0043】[式(x1)〜(x7)中、R11はHまた
はメチル基を表す。R12は置換されていてもよいアルキ
ル基および置換されていてもよいアリール基から選ばれ
た置換基を表す。] 式(x1)〜(x7)中、R11はHまたはメチル基を表
す。R12は置換されていてもよいアルキル基および置換
されていてもよいアリール基から選ばれた置換基を表す
が、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロ
キシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、2−メトキ
シエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブ
チル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピル
基、4−エトキシブチル基、2−(2−メトキシエトキ
シ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基
などが好適である。置換されていてもよいアリール基と
してはフェニル基、4−メトキシフェニル基などが好適
である。
【0044】式(B)中、Lは炭素数1〜10の2価の
基を表すが、−CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH
2CH2OCH2CH2CH2−などが好適である。
【0045】ZはO、S、およびN−Yから選ばれた置
換基を表す。
【0046】YはH、置換されていてもよいアルキル基
および置換されていてもよいアリール基からなる群から
選ばれた置換基を表すが、好適な例としては、H、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル
基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、
アリル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプ
ロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、4−ヒド
ロキシブチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチ
ル基、2メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、
4−メトキシブチル基、2−(2−メトキシエトキシ)
エチル基、フルフリル基、テトラヒドロフルフリル基、
メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチ
ル基、プロポキシカルボニルメチル基、メトキシエトキ
シカルボニルメチル基、エトキシエトキシカルボニルメ
チル基、メトキシエトキシエトキシカルボニルメチル
基、エトキシエトキシエトキシカルボニルメチル基、メ
トキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチル
基、プロポキシカルボニルエチル基、メトキシエトキシ
カルボニルエチル基、エトキシエトキシカルボニルエチ
ル基、メトキシエトキシエトキシカルボニルエチル基、
エトキシエトキシエトキシカルボニルエチル基、メトキ
シカルボニルプロピル基、エトキシカルボニルプロピル
基、プロポキシカルボニルプロピル基、メトキシエトキ
シカルボニルプロピル基、エトキシエトキシカルボニル
プロピル基、メトキシエトキシエトキシカルボニルプロ
ピル基、エトキシエトキシエトキシカルボニルプロピル
基、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、4−メトキ
シフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−ヒドロキ
シフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基などが挙げら
れる。
【0047】一般式(B)で表されるシロキサニルモノ
マーの中でも特に好適なものを列挙すれば、下記式(B
1)〜(B42)の化合物である。
【0048】
【化6】
【0049】
【化7】
【0050】
【化8】
【0051】
【化9】
【0052】
【化10】
【0053】
【化11】
【0054】また、シロキサニルスチレンとして好まし
いのは、[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]スチ
レン、[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]ス
チレン、[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]ス
チレンなどである。
【0055】本発明の眼用レンズは、良好な機械物性が
得られ、消毒液や洗浄液に対する良好な耐性が得られる
という意味で、1分子中に2個以上の重合可能な炭素炭
素不飽和結合を有するモノマーを共重合成分として有す
ることが好ましい。1分子中に2個以上の重合可能な炭
素炭素不飽和結合を有するモノマーの共重合比率は0.
1重量%以上が好ましい。なお、重量%はモノマー組成
物の全重量(溶媒成分は除く)を100とした値であ
り、以下も同様である。
【0056】本発明の眼用レンズにおいて一般式(a)
のモノマーの重合比率は、1重量%〜100重量%、よ
り好ましくは5重量%〜100重量%の範囲である。シ
ロキサニルモノマーと共重合する場合は、高い酸素透過
性を確保するという点から、好ましくは一般式(a)の
モノマーが1重量%〜80重量%、シロキサニルモノマ
ーが20重量%〜99重量%であり、より好ましくは一
般式(a)のモノマーが5重量%〜50重量%、シロキ
サニルモノマーが50重量%〜95重量%である。
【0057】本発明の眼用レンズを得る際は、重合をし
やすくするために過酸化物やアゾ化合物に代表される熱
重合開始剤や、光重合開始剤を添加することが好まし
い。熱重合を行う場合は、所望の反応温度に対して最適
な分解特性を有するものを選択して使用する。一般的に
は10時間半減期温度が40〜120℃のアゾ系開始剤
および過酸化物系開始剤が好適である。光重合開始剤と
してはカルボニル化合物、過酸化物、アゾ化合物、硫黄
化合物、ハロゲン化合物、および金属塩などを挙げるこ
とができる。これらの重合開始剤は単独または混合して
用いられ、およそ1重量%くらいまでの量で使用され
る。
【0058】本発明の眼用レンズを得る際は、重合溶媒
を使用することができる。溶媒としては有機系、無機系
の各種溶媒が適用可能であり特に制限は無い。例を挙げ
れば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、ノル
マルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノ
ルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、te
rt−ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレング
リコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶
剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸エチ
ル、安息香酸メチル等のエステル系溶剤、ノルマルヘキ
サン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン等の脂肪族
炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサ
ン等の脂環族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶
剤、石油系溶剤等各種のものであり、これらは単独ある
いは混合して使用することができる。
【0059】本発明の眼用レンズを得る際は、重合方
法、成形方法としては、公知の方法を使用することがで
きる。例えば、一旦、丸棒や板状等に重合、成形しこれ
を切削加工等によって所望の形状に加工する方法、モー
ルド重合法、およびスピンキャスト重合法などである。
【0060】一例として、本発明の眼用レンズをモール
ド重合法により得る場合について、次に説明する。
【0061】モノマー組成物を一定の形状を有する2枚
のモールドの空隙に充填する。そして光重合あるいは熱
重合を行ってモールドの形状に賦型する。モールドは、
樹脂、ガラス、セラミックス、金属等で製作されている
が、光重合の場合は光学的に透明な素材が用いられ、通
常は樹脂またはガラスが使用される。眼用レンズを製造
する場合には、多くの場合、2枚の対向するモールドに
より空隙が形成されており、その空隙にモノマー組成物
が充填されるが、モールドの形状やモノマーの性状によ
っては眼用レンズに一定の厚みを与えかつ充填したモノ
マー組成物の液モレを防止する目的を有するガスケット
を併用してもよい。空隙にモノマー組成物を充填したモ
ールドは、続いて紫外線のような活性光線を照射される
か、オーブンや液槽に入れて加熱されて重合される。光
重合の後に加熱重合したり、逆に加熱重合後に光重合す
る両者を併用する方法もありうる。光重合の場合は、例
えば水銀ランプや捕虫灯を光源とする紫外線を多く含む
光を短時間(通常は1時間以下)照射するのが一般的で
ある。熱重合を行う場合には、室温付近から徐々に昇温
し、数時間ないし数十時間かけて60℃〜200℃の温
度まで高めて行く条件が、眼用レンズの光学的な均一
性、品位を保持し、かつ再現性を高めるために好まれ
る。
【0062】本発明の眼用レンズは、含水率向上、表面
の水濡れ性向上、弾性率低下などの目的で、種々の方法
で改質処理を行うことができる。
【0063】本発明の眼用レンズの具体的な改質方法と
しては、電磁波(光を含む)照射、プラズマ照射、蒸着
およびスパッタリングなどケミカルベーパーデポジショ
ン処理、加熱、煮沸処理、塩基処理、酸処理、その他適
当な表面処理剤の使用、およびこれらの組み合わせを挙
げることができる。これらの改質手段の中で、簡便であ
り好ましいのは塩基処理と煮沸処理である。
【0064】以下、塩基処理について説明する。
【0065】塩基処理の一例としては、眼用レンズを塩
基性溶液に接触させる方法、眼用レンズを塩基性ガスに
接触させる方法等が挙げられる。そのより具体的な方法
としては、例えば塩基性溶液に眼用レンズを浸漬する方
法、眼用レンズに塩基性溶液または塩基性ガスを噴霧す
る方法、眼用レンズに塩基性溶液をヘラ、刷毛等で塗布
する方法、眼用レンズに塩基性溶液をスピンコート法や
ディップコート法で塗布する方法などを挙げることがで
きる。最も簡便に大きな改質効果が得られる方法は、眼
用レンズを塩基性溶液に浸漬する方法である。
【0066】眼用レンズを塩基性溶液に浸漬する際の温
度は特に限定されないが、通常−50℃〜300℃程度
の温度範囲内で行われる。作業性を考えれば−10℃〜
150℃の温度範囲がより好ましく、−5℃〜60℃が
最も好ましい。
【0067】眼用レンズを塩基性溶液に浸漬する時間に
ついては、温度によっても最適時間は変化するが、一般
には100時間以内が好ましく、24時間以内がより好
ましく、12時間以内が最も好ましい。接触時間が長す
ぎると、作業性および生産性が悪くなるばかりでなく、
酸素透過性の低下や機械物性の低下などの悪影響が出る
場合がある。
【0068】塩基としてはアルカリ金属水酸化物、アル
カリ土類金属水酸化物、各種炭酸塩、各種ホウ酸塩、各
種リン酸塩、アンモニア、各種アンモニウム塩、各種ア
ミン類などが使用可能である。
【0069】塩基性溶液の溶媒としては、無機、有機の
各種溶媒が使用できる。例えば、水、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、グリセリンなどの各種アルコール
類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの各種芳香族炭
化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油
エーテル、ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各
種脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトンなどの各種ケトン類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチル
などの各種エステル類、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキル
エーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、
トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエ
チレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレング
リコールジアルキルエーテルなどの各種エーテル類、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ヘキ
サメチルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキシ
ドなどの各種非プロトン性極性溶媒、塩化メチレン、ク
ロロホルム、ジクロロエタントリクロロエタン、トリク
ロロエチレンなどのハロゲン系溶媒、およびフロン系溶
媒などである。中でも経済性、取り扱いの簡便さ、およ
び化学的安定性などの点で水が最も好ましい。溶媒とし
ては、2種類以上の物質の混合物も使用可能である。
【0070】塩基処理において使用される塩基性溶液
は、塩基性物質および溶媒以外の成分を含んでいてもよ
い。
【0071】本発明の眼用レンズは、塩基処理の後、洗
浄により塩基性物質を除くことができる。洗浄溶媒とし
ては、無機、有機の各種溶媒が使用できる。例えば、
水、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロ
パノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンな
どの各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの各種芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、デカン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン、
パラフィンなどの各種脂肪族炭化水素、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種ケ
トン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フ
タル酸ジオクチルなどの各種エステル類、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリ
コールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジア
ルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエ
ーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテルなどの
各種エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミ
ダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、
ジメチルスルホキシドなどの各種非プロトン性極性溶
媒、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタントリ
クロロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン系溶
媒、およびフロン系溶媒などである。洗浄溶媒として
は、2種類以上の溶媒の混合物を使用することもでき
る。洗浄溶媒は、溶媒以外の成分、例えば無機塩類、界
面活性剤、および洗浄剤を含有してもよい。
【0072】以下、煮沸処理について説明する。
【0073】煮沸処理は、本発明の眼用レンズを水、ま
たは各種水溶液に浸漬し、80℃〜200℃程度の温度
に加熱する方法である。100℃以上の温度での加熱は
オートクレーブ等を使用することにより可能である。眼
用レンズを煮沸処理する時間については、温度によって
も最適時間は変化するが、一般には100時間以内が好
ましく、24時間以内がより好ましく、12時間以内が
最も好ましい。煮沸処理時間が長すぎると、作業性およ
び生産性が悪くなるばかりでなく、機械物性の低下など
の悪影響が出る場合がある。
【0074】煮沸処理に用いられる水溶液としては、p
H緩衝液やタンパク質水溶液などを挙げることができ
る。pH緩衝液としては弱アルカリ性のものが好まし
い。
【0075】本発明の眼用レンズは、引張伸びが大きい
ことを特徴とするが、具体的には引張伸びが50%以上
が好ましく、100%以上がより好ましい。引張伸びが
小さいと眼用レンズが破れやすく好ましくない。
【0076】本発明の眼用レンズはコンタクトレンズ、
眼内レンズ、人工角膜などとして好適に用いられ、中で
もコンタクトレンズとして最も好適に用いられる。
【0077】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。 〔測定方法〕本実施例における引張伸びの測定は、以下
に示す方法で行った。
【0078】規定の打抜型を用いてコンタクトレンズ形
状のものから切り出したサンプル〔幅(最小部分)5m
m、長さ14mm、厚さ0.2mm程度〕を使用し、オ
リエンテック社製のテンシロンRTM−100型を用い
て測定した。引張速度は100mm/minとし、つか
み間距離は5mmとした。サンプルが破断するまで引張
を行い、破断した時点での伸び率を求めた。 〔合成例1〕N−(2−メトキシエチル)アクリルアミ
ドの合成 滴下ロートとマグネット式回転子を備えた300mLフ
ラスコに2−メトキシエチルアミン(44.6g)、酢
酸エチル(100mL)およびトリエチルアミン(5
0.6g)を入れた。フラスコを氷浴に浸け、フラスコ
内に窒素ガスを導入しながら撹拌した。滴下ロートに塩
化アクリロイル(45.3g)を入れ、約1時間かけて
滴下を行った。滴下終了後、室温で1時間撹拌を続け
た。セライトを用いた吸引ろ過によって析出した塩をろ
別した後、ロータリーバキュームエバポレーターで低沸
点成分を留去した。減圧蒸留により精製し、N−(2−
メトキシエチル)アクリルアミドを無色透明液体として
得た。 〔合成例2〕N−(3−メトキシプロピル)アクリルア
ミドの合成 2−メトキシエチルアミンの代わりに3−メトキシプロ
ピルアミンを用いる他は合成例1と同様に行い、N−
(3−メトキシプロピル)アクリルアミドを無色透明液
体として得た。 〔合成例3〕N−[2−(2−メトキシエトキシ)エチ
ル]アクリルアミドの合成 (1) 滴下ロートと撹拌羽根を備えた2L四ツ口フラ
スコにクロロトリメチルシラン(108.6g)、ヘキ
サメチルジシラザン(161.4g)およびテトラヒド
ロフラン(400mL)を入れた。フラスコを氷浴に浸
け、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら撹拌した。滴
下ロートに2−(2−アミノエトキシ)エタノール(2
10.3g)を入れ、約1時間かけて滴下を行った。滴
下終了後、室温で4時間撹拌を続けた。セライトを用い
た吸引ろ過によって析出した塩をろ別した。ロータリー
バキュームエバポレーターで低沸点成分を留去した。減
圧蒸留により精製し、式(J1)の化合物を無色透明液
体として得た。
【0079】
【化12】
【0080】(2) 滴下ロートと撹拌羽根を備えた2
L四ツ口フラスコに式(J1)の化合物(157.6
g)、トルエン(300mL)およびトリエチルアミン
(94.4g)を入れた。フラスコを氷浴に浸け、フラ
スコ内に窒素ガスを導入しながら撹拌した。滴下ロート
に塩化アクリロイル(84.46g)を入れ、約1時間
かけて滴下を行った。滴下終了後、室温で1時間撹拌を
続けた。セライトを用いた吸引ろ過によって析出した塩
をろ別した。2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノール(0.5g)および4−t−ブチルカテコール
(0.5g)を加えた後、ロータリーバキュームエバポ
レーター(真空ポンプ使用、浴温60℃)で低沸点成分
を留去した。減圧蒸留により精製し、N−[2−(2−
トリメチルシロキシエトキシ)エチル]アクリルアミド
を無色透明液体として得た。 (3) 1LナスフラスコにN−[2−(2−トリメチ
ルシロキシエトキシ)エチル]アクリルアミド(73.
5g)、メタノール(400g)および酢酸(50g)
を入れ、均一に混合した後、室温で一晩放置した。2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(0.2
g)を加えた後、ロータリーバキュームエバポレーター
(真空ポンプ使用、浴温60〜70℃)によって溶媒を
留去した。さらに真空ポンプによる減圧下70℃で2時
間かけて揮発成分を除去し、黄色透明粘稠液体としてN
−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]アクリル
アミドを得た。 (4) ジムロートコンデンサおよびマグネット式回転
子を備えた1LナスフラスコにN−[2−(2−ヒドロ
キシエトキシ)エチル]アクリルアミド(35.87
g)、水酸化カリウム(15.2g)、テトラヒドロフ
ラン(100g)およびヨウ化メチル(33.58g)
を入れた。撹拌しながら45℃で2時間、続いて60℃
で2時間反応させた。析出した塩をろ過で除き、ロータ
リーバキュームエバポレーターにより低沸点成分を留去
した。減圧蒸留により精製し、N−[2−(2−メトキ
シエトキシ)エチル]アクリルアミドを黄色透明粘稠液
体として得た。 〔合成例4〕式(S1)の化合物の合成
【0081】
【化13】
【0082】(1) 滴下ロートと撹拌羽根を備えた1
L四ツ口フラスコに式(J2)
【0083】
【化14】
【0084】の化合物(100.0g、日本触媒社製)
およびジエチルエーテル(500mL)を入れた。フラ
スコを氷浴に漬け、フラスコ内に窒素ガスを導入しなが
ら撹拌した。滴下ロートに三臭化リン(107.6g)
を入れ、約1.5時間かけて滴下を行った。滴下終了
後、室温で3.5時間撹拌を続けた。再びフラスコを氷
浴に漬け、水(500mL)を加えた。分液ロートを用
いてヘキサンによる抽出を行った。無水硫酸マグネシウ
ムを加えて脱水を行った後、硫酸マグネシウムをろ過に
よって除いた。ロータリーバキュームエバポレーターで
溶媒を留去した。減圧蒸留を行って精製し、無色透明液
体として式(J3)の化合物を得た。
【0085】
【化15】
【0086】(2)滴下ロートと撹拌羽根を備えた20
0mL三ツ口フラスコにエチレングリコールモノアリル
エーテル(100g)、トリエチルアミン(18.7
g)、4−メトキシフェノール(50mg)およびを加
えた。フラスコを氷浴に浸漬しフラスコ内をモーターで
撹拌した。式(J3)の化合物(30g)を約30分か
けて滴下した。滴下終了後、反応液を100℃で24時
間加熱した。反応溶液をろ過して沈殿物を除去した後、
酢酸エチルで抽出した。抽出液は飽和食塩水で洗浄し
た。無水硫酸マグネシウムを加えて脱水を行った後、硫
酸マグネシウムをろ過によって除いた。ロータリーバキ
ュームエバポレーターで溶媒を留去した。得られた液体
を減圧蒸留により精製し、無色透明液体として式(J
4)の化合物を得た。
【0087】
【化16】
【0088】(3)滴下ロートとマグネット式回転子を
備えた200mLナスフラスコに式(J4)の化合物
(17.0g)、トルエン(65mL)、2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェノール(18.7mg)お
よび塩化白金酸六水和物(44.0mg)を入れ、室温
で撹拌した。滴下ロートにトリクロロシラン(11.5
g)を入れ、約30分かけて滴下した。滴下終了後、室
温で7時間反応させた。ロータリーバキュームエバポレ
ーターで低沸点成分を留去した。得られた液体を減圧蒸
留により精製し、無色透明液体として式(J4)の化合
物を得た。
【0089】
【化17】
【0090】(4) 滴下ロートと撹拌羽根を備えた3
00mL三ツ口フラスコにヘキサン(20g)、メタノ
ール(20g)および水(40g)を入れた。フラスコ
を氷浴に浸漬し、モーターでフラスコ内を激しく撹拌し
た。ここへ、式(J5)の化合物(15.4g)および
メトキシトリメチルシラン(40g)からなる混合物を
約0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、室温におい
て9.5時間撹拌を続けた。反応液は2層に分かれるの
で、分液ロートにより上層を分取した。飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液(3回)および水(3回)をこの順に用
いて洗浄した。無水硫酸ナトリウムにより脱水を行った
後、ロータリーバキュームエバポレーターで溶媒を留去
した。減圧蒸留により精製し、式(S1)の化合物を無
色透明液体として得た。 〔合成例5〕式(S2)の化合物の合成
【0091】
【化18】
【0092】式(J2)の化合物のかわりに式(J6)
【0093】
【化19】
【0094】の化合物(日本触媒社製)を用いる他は合
成例4と同様に行って、式(S2)の化合物を無色透明
液体として得た。 〔実施例1〕N−(2−メトキシエチル)アクリルアミ
ド(合成例1参照、10.8重量部)、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド(21.7重量部)、式(S1)の化
合物(合成例4参照、67.5重量部)、ポリエチレン
グリコールジメタクリレート(日本油脂社製“PDE6
00”、1重量部)、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル(10重量部)および重合開始剤“ダロキュア1
173”(CIBA社製、0.5重量部)を均一に混合
しモノマー組成物を得た。このモノマー組成物をアルゴ
ン雰囲気下で脱気した。窒素雰囲気のグローブボックス
中で透明樹脂(ポリ4−メチルペンテン−1)製のコン
タクトレンズ用モールドに注入し、捕虫灯を用いて光照
射(1mW/cm2、10分間)して重合し、コンタク
トレンズを得た。得られたコンタクトレンズを純水中に
室温で24時間浸漬した後、0.25M水酸化ナトリウ
ム水溶液に室温で24時間浸漬した。該コンタクトレン
ズを純水で洗浄した後、バイアル瓶中のホウ酸緩衝液
(pH7.1〜7.3)に浸漬し、バイアル瓶を密封し
た。該バイアル瓶をオートクレーブに入れ、120℃で
30分間煮沸処理した。放冷後、コンタクトレンズをバ
イアル瓶から取出し、純水で洗浄した後、再度清浄なホ
ウ酸緩衝液(pH7.1〜7.3)中に浸漬した。得ら
れたコンタクトレンズの引張伸びを測定したところ48
0%と大きな値を示し、破れにくかった。 〔実施例2〕N−(2−メトキシエチル)アクリルアミ
ドのかわりに、N−(3−メトキシプロピル)アクリル
アミド(合成例2参照)を用いる他は、実施例1と全く
同様に重合および後処理を行ってコンタクトレンズを得
た。得られたサンプルの引張伸びを測定したところ51
0%と大きな値を示し、破れにくかった。 〔実施例3〕N−メトキシメチルアクリルアミド(笠野
興産社製、32.5重量部)、式(S1)の化合物(合
成例4参照、67.5重量部)、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレート(日本油脂社製“PDE600”、
1重量部)、ジエチレングリコールジメチルエーテル
(10重量部)および重合開始剤“ダロキュア117
3”(CIBA社製、0.5重量部)を均一に混合しモ
ノマー組成物を得た。このモノマー組成物を用いて実施
例1と全く同様に重合および後処理を行ってコンタクト
レンズを得た。得られたサンプルの引張伸びを測定した
ところ270%と大きな値を示し、破れにくかった。 〔比較例1〕N,N−ジメチルアクリルアミド(32.
5重量部)、式(S1)の化合物(合成例4参照、6
7.5重量部)、ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート(日本油脂社製“PDE600”、1重量部)、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル(10重量部)お
よび重合開始剤“ダロキュア1173”(CIBA社
製、0.5重量部)を均一に混合しモノマー組成物を得
た。このモノマー組成物を用いて、実施例1と全く同様
に重合および後処理を行ってコンタクトレンズを得た。
得られたサンプルの引張伸びを測定しようとしたが、大
変脆くて取扱中に破れてしまい、引張伸びの測定はでき
なかった。すなわち非常に破れやすいことが分かった。 〔実施例4〕N−[2−(2−メトキシエトキシ)エチ
ル]アクリルアミド(合成例3参照、10重量部)、
N,N−ジメチルアクリルアミド(20重量部)、式
(S2)の化合物(合成例5参照、70重量部)、トリ
エチレングリコールジメタクリレート(1重量部)、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル(10重量部)お
よび重合開始剤“ダロキュア1173”(CIBA社
製、0.5重量部)を均一に混合しモノマー組成物を得
た。このモノマー組成物を用いて、実施例1と全く同様
に重合および後処理を行ってコンタクトレンズを得た。
得られたサンプルの引張伸びを測定したところ610%
と大きな値を示し、破れにくかった。 〔比較例2〕N,N−ジメチルアクリルアミド(30重
量部)、式(S2)の化合物(合成例4参照、70重量
部)、トリエチレングリコールジメタクリレート(1重
量部)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10
重量部)および重合開始剤“ダロキュア1173”(C
IBA社製、0.5重量部)を均一に混合しモノマー組
成物を得た。このモノマー組成物を用いて、実施例1と
全く同様に重合および後処理を行ってコンタクトレンズ
を得た。得られたサンプルの引張伸びを測定しようとし
たが、大変脆くて取扱中に破れてしまい、引張伸びの測
定はできなかった。すなわち非常に破れやすいことが分
かった。 〔実施例5〕N−(2−メトキシエチル)アクリルアミ
ド(合成例1参照、10重量部)、N,N−ジメチルア
クリルアミド(20重量部)、式(S1)の化合物(合
成例5参照、46.7重量部)、3−アクリロキシプロ
ピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(信越化学工
業社製、23.3重量部)、トリエチレングリコールジ
メタクリレート(1重量部)、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル(10重量部)および重合開始剤“ダロ
キュア1173”(CIBA社製、0.5重量部)を均
一に混合しモノマー組成物を得た。このモノマー組成物
を用いて、実施例1と全く同様に重合および後処理を行
ってコンタクトレンズを得た。得られたサンプルの引張
伸びを測定したところ610%と大きな値を示し、破れ
にくかった。 〔比較例3〕N,N−ジメチルアクリルアミド(30重
量部)、式(S1)の化合物(合成例5参照、46.7
重量部)、3−アクリロキシプロピルトリス(トリメチ
ルシロキシ)シラン(信越化学工業社製、23.3重量
部)、トリエチレングリコールジメタクリレート(1重
量部)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(10
重量部)および重合開始剤“ダロキュア1173”(C
IBA社製、0.5重量部)を均一に混合しモノマー組
成物を得た。このモノマー組成物を用いて、実施例1と
全く同様に重合および後処理を行ってコンタクトレンズ
を得た。得られたサンプルの引張伸びを測定したところ
12%と小さな値を示し、破れやすかった。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、引張伸びが大きい(す
なわち破れにくい)眼用レンズ、特にコンタクトレンズ
が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33:26 C08L 33:26 (72)発明者 横田 満 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 2H006 BB06 BB07 BB09 BB10 BC05 BC07 4C081 AB22 AB23 CA101 4C097 AA25 BB01 DD01 EE03 EE11 SA10 4F071 AA35 AA35X AA67X AH19 BC07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(a) 【化1】 [式(a)中、R1はHまたはメチル基を表す。R2は炭
    素数1〜8のアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル
    基および炭素数6〜10のアリール基から選ばれた基を
    表す。kは0〜2の整数を表す。L1はエチレン基、
    1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基および
    1,4−ブチレン基から選ばれた置換基を表す。L2
    メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,
    3−プロピレン基および1,4−ブチレン基から選ばれ
    た置換基を表す。]で表されるモノマーを重合成分とし
    て含むことを特徴とする眼用レンズ。
  2. 【請求項2】一般式(a)において、R2がメチル基ま
    たはエチル基を表し、kが0または1の整数を表し、L
    1がエチレン基を表し、L2がメチレン基、エチレン基お
    よび1,3−プロピレン基から選ばれた置換基を表すこ
    とを特徴とする請求項1に記載の眼用レンズ。
  3. 【請求項3】一般式(a)において、R1がHを表すこ
    とを特徴とする請求項2に記載の眼用レンズ。
  4. 【請求項4】一般式(a)で表されるモノマーおよびシ
    ロキサニルモノマーを重合成分として含むことを特徴と
    する請求項1に記載の眼用レンズ。
  5. 【請求項5】眼用レンズがコンタクトレンズであること
    を特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の眼用レンズ
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