JP2001244199A - ベータ鉄シリサイドの成膜方法 - Google Patents
ベータ鉄シリサイドの成膜方法Info
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- JP2001244199A JP2001244199A JP2000055289A JP2000055289A JP2001244199A JP 2001244199 A JP2001244199 A JP 2001244199A JP 2000055289 A JP2000055289 A JP 2000055289A JP 2000055289 A JP2000055289 A JP 2000055289A JP 2001244199 A JP2001244199 A JP 2001244199A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 Si基板上に高品質な単結晶のβ−FeSi
2のエピタキシャル層を形成するとともに、β−FeS
i2の厚膜化を可能とする成膜方法を提供する。 【解決手段】 1100℃に加熱したn型のSi基板1
上に、スパッタ法によりFeを堆積し、Si基板1のS
iとFeとを反応させて、Si基板上にα−FeSi2
層17を形成する。次に、α−FeSi2層17を形成
したSi基板1を急冷して室温にした後、キャップ層と
なるSi層18をα−FeSi217層の上に堆積し、
Si基板1を600〜800℃で10時間熱処理をして
正方晶のα−FeSi2を低温の熱処理で安定な斜方晶
のβ−FeSi2に相変化させることで、膜厚の厚いβ
−FeSi2のエピタキシャル層19を形成する。その
後、キャップ層となるSi層18を除去する。
2のエピタキシャル層を形成するとともに、β−FeS
i2の厚膜化を可能とする成膜方法を提供する。 【解決手段】 1100℃に加熱したn型のSi基板1
上に、スパッタ法によりFeを堆積し、Si基板1のS
iとFeとを反応させて、Si基板上にα−FeSi2
層17を形成する。次に、α−FeSi2層17を形成
したSi基板1を急冷して室温にした後、キャップ層と
なるSi層18をα−FeSi217層の上に堆積し、
Si基板1を600〜800℃で10時間熱処理をして
正方晶のα−FeSi2を低温の熱処理で安定な斜方晶
のβ−FeSi2に相変化させることで、膜厚の厚いβ
−FeSi2のエピタキシャル層19を形成する。その
後、キャップ層となるSi層18を除去する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン(以下、
Siと記す)基板上に単結晶のベータ鉄シリサイド(以
下、β−FeSi2と記す)の薄膜を形成するβ−Fe
Si2の成膜方法に関するものである。
Siと記す)基板上に単結晶のベータ鉄シリサイド(以
下、β−FeSi2と記す)の薄膜を形成するβ−Fe
Si2の成膜方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Siと鉄(以下、Feと記す)との化合
物であるβ−FeSi2は、鉄シリサイド構造系の中で
斜方晶の構造を有している半導体であり、熱電素子材料
として研究されてきた。最近の研究により、β−FeS
i2はSi基板上にエピタキシャル成長可能であるとと
もに、エネルギーバンドギャップが直接遷移型の0.8
5eVである半導体としての性質と、バンド端で大きな
光吸収係数をもつ性質とから、Siの受発光デバイス実
現の有力な材料として期待されている。
物であるβ−FeSi2は、鉄シリサイド構造系の中で
斜方晶の構造を有している半導体であり、熱電素子材料
として研究されてきた。最近の研究により、β−FeS
i2はSi基板上にエピタキシャル成長可能であるとと
もに、エネルギーバンドギャップが直接遷移型の0.8
5eVである半導体としての性質と、バンド端で大きな
光吸収係数をもつ性質とから、Siの受発光デバイス実
現の有力な材料として期待されている。
【0003】β−FeSi2エピタキシャル層のSi基
板上への成膜方法として、現在までにいろいろと報告さ
れている。代表的な成膜方法としては以下の3つがあ
る。
板上への成膜方法として、現在までにいろいろと報告さ
れている。代表的な成膜方法としては以下の3つがあ
る。
【0004】1つ目は、室温でSi基板上にFeを堆積
後、アニールすることによりFeとSiの固相反応によ
りβ−FeSi2を成膜する方法(Solid Pha
seEpitaxy法;SPE法)である。これは、例
えばJ.Derrienet al.,Appl.Su
rf.Sci.,73(1993)90に記載されてい
る。
後、アニールすることによりFeとSiの固相反応によ
りβ−FeSi2を成膜する方法(Solid Pha
seEpitaxy法;SPE法)である。これは、例
えばJ.Derrienet al.,Appl.Su
rf.Sci.,73(1993)90に記載されてい
る。
【0005】2つ目は、加熱したSi基板上にFeを堆
積しながら、FeとSiの固相反応によりβ−FeSi
2を成膜する方法(Reactive Deposit
ionEpitaxy法;RDE法)である。これは例
えばA.H.Readeret al.,Appl.S
urf.Sci.,73(1993)131に記載され
ている。
積しながら、FeとSiの固相反応によりβ−FeSi
2を成膜する方法(Reactive Deposit
ionEpitaxy法;RDE法)である。これは例
えばA.H.Readeret al.,Appl.S
urf.Sci.,73(1993)131に記載され
ている。
【0006】3つ目は、MBEチャンバー中で、加熱し
たSi基板上に、FeとSiを同時に堆積しながらβ−
FeSi2を成膜する方法(Molecular Be
amEpitaxy法;MBE法)である。これは、例
えばJ.E.Mahan et al.,Appl.P
hys.Lett.,56(1990)2126に記載
されている。
たSi基板上に、FeとSiを同時に堆積しながらβ−
FeSi2を成膜する方法(Molecular Be
amEpitaxy法;MBE法)である。これは、例
えばJ.E.Mahan et al.,Appl.P
hys.Lett.,56(1990)2126に記載
されている。
【0007】SPE法、RDE法でFeを堆積するに
は、通常、電子ビーム(EB)蒸着や、Arガスを用い
たスパッタ法が用いられている。
は、通常、電子ビーム(EB)蒸着や、Arガスを用い
たスパッタ法が用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、Si基
板上に堆積したFeとSi基板中のSiとを反応させる
SPE法、RDE法、また、Si基板上にFeとSiの
原子比が1対2となるように同時堆積したFeとSiと
を反応させるMBE法により、β−FeSi2のエピタ
キシャル層を形成することができる。ここで、Si基板
に対して、表1に示す結晶面と結晶軸との関係でβ−F
eSi2のエピキシャル層が得られる。
板上に堆積したFeとSi基板中のSiとを反応させる
SPE法、RDE法、また、Si基板上にFeとSiの
原子比が1対2となるように同時堆積したFeとSiと
を反応させるMBE法により、β−FeSi2のエピタ
キシャル層を形成することができる。ここで、Si基板
に対して、表1に示す結晶面と結晶軸との関係でβ−F
eSi2のエピキシャル層が得られる。
【0009】
【表1】
【0010】しかしながら、上記従来の方法では、β−
FeSi2層のエピタキシャル膜の成長に伴い、その膜
の厚さが50nmを越えて厚さを増すと、大きな圧縮応
力が原因でβ−FeSi2層が基板から剥離したり、あ
るいは、大きな圧縮応力に加えて、Si原子の拡散が遅
くなってFe原子との反応も抑制されるので、β−Fe
Si2層が多結晶化してしまう。
FeSi2層のエピタキシャル膜の成長に伴い、その膜
の厚さが50nmを越えて厚さを増すと、大きな圧縮応
力が原因でβ−FeSi2層が基板から剥離したり、あ
るいは、大きな圧縮応力に加えて、Si原子の拡散が遅
くなってFe原子との反応も抑制されるので、β−Fe
Si2層が多結晶化してしまう。
【0011】また、SPE法では、熱処理の温度が90
0℃以下に限定されるため、最初に堆積するFe層の膜
厚が厚いと未反応のFeが残ってしまい、多結晶になり
やすい。
0℃以下に限定されるため、最初に堆積するFe層の膜
厚が厚いと未反応のFeが残ってしまい、多結晶になり
やすい。
【0012】また、RDE法では、エピタキシャル成長
させたβ−FeSi2層をアニールすると、β−FeS
i2層はSi基板とのエピタキシャルな関係を保ちなが
らも凝集して島状になってしまう。
させたβ−FeSi2層をアニールすると、β−FeS
i2層はSi基板とのエピタキシャルな関係を保ちなが
らも凝集して島状になってしまう。
【0013】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、Si基板上に高品質な単結晶のβ−
FeSi2のエピタキシャル層を形成するとともに、β
−FeSi2の厚膜化を可能とする成膜方法を提供する
ことを目的とする。
になされたもので、Si基板上に高品質な単結晶のβ−
FeSi2のエピタキシャル層を形成するとともに、β
−FeSi2の厚膜化を可能とする成膜方法を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のβ−FeSi2の成膜方法は、Si基板上
にFeを堆積してアルファ鉄シリサイド(以下、α−F
eSi2と記す)を形成する工程と、前記α−FeSi2
上に熱処理時に圧縮応力を抑えるキャップ層を堆積する
工程および熱処理することにより、前記α−FeSi2
からβ−FeSi2への相変化を起こさせる工程とを含
むものである。
に、本発明のβ−FeSi2の成膜方法は、Si基板上
にFeを堆積してアルファ鉄シリサイド(以下、α−F
eSi2と記す)を形成する工程と、前記α−FeSi2
上に熱処理時に圧縮応力を抑えるキャップ層を堆積する
工程および熱処理することにより、前記α−FeSi2
からβ−FeSi2への相変化を起こさせる工程とを含
むものである。
【0015】あるいは、本発明のβ−FeSi2の成膜
方法は、Si基板上にFeとSiを堆積してα−FeS
i2を形成する工程と、同α−FeSi2の上に熱処理時
に圧縮応力を抑えるキャップ層を形成する工程および熱
処理することにより、前記α−FeSi2からβ−Fe
Si2への相変化を起こさせる工程とを含むものであ
る。
方法は、Si基板上にFeとSiを堆積してα−FeS
i2を形成する工程と、同α−FeSi2の上に熱処理時
に圧縮応力を抑えるキャップ層を形成する工程および熱
処理することにより、前記α−FeSi2からβ−Fe
Si2への相変化を起こさせる工程とを含むものであ
る。
【0016】これらにより、キャップ層がα−FeSi
2からβ−FeSi2層の成長に伴う大きな圧縮応力の影
響を抑えるので、厚い膜厚の単結晶のβ−FeSi2の
エピタキシャル層を形成することができる。
2からβ−FeSi2層の成長に伴う大きな圧縮応力の影
響を抑えるので、厚い膜厚の単結晶のβ−FeSi2の
エピタキシャル層を形成することができる。
【0017】また、本発明のβ−FeSi2の成膜方法
は、Si基板上にFeとSiの混合層を形成する工程
と、同混合層の上に熱処理時に圧縮応力を抑えるキャッ
プ層を形成する工程と、熱処理してα−FeSi2を形
成する工程および熱処理することにより、前記α−Fe
Si2からβ−FeSi2への相変化を起こさせる工程と
を含むものである。
は、Si基板上にFeとSiの混合層を形成する工程
と、同混合層の上に熱処理時に圧縮応力を抑えるキャッ
プ層を形成する工程と、熱処理してα−FeSi2を形
成する工程および熱処理することにより、前記α−Fe
Si2からβ−FeSi2への相変化を起こさせる工程と
を含むものである。
【0018】これにより、α−FeSi2の形成前に、
キャップ層を形成しているので、α−FeSi2の熱処
理に引き続き、β−FeSi2形成の熱処理を行うこと
ができるとともに、キャップ層がα−FeSi2からβ
−FeSi2層の成長に伴う大きな圧縮応力の影響を抑
えるので、厚い膜厚の単結晶のβ−FeSi2のエピタ
キシャル層を形成することができる。
キャップ層を形成しているので、α−FeSi2の熱処
理に引き続き、β−FeSi2形成の熱処理を行うこと
ができるとともに、キャップ層がα−FeSi2からβ
−FeSi2層の成長に伴う大きな圧縮応力の影響を抑
えるので、厚い膜厚の単結晶のβ−FeSi2のエピタ
キシャル層を形成することができる。
【0019】さらに、本発明のβ−FeSi2の成膜方
法は、キャップ層が、Si、Si酸化物あるいはSi窒
化物からなるものである。
法は、キャップ層が、Si、Si酸化物あるいはSi窒
化物からなるものである。
【0020】これにより、キャップ層をSi系の材料を
選択することにより、α−FeSi 2上あるいはFeと
Siの混合した層の上に比較的容易にキャップ層を形成
することができる。
選択することにより、α−FeSi 2上あるいはFeと
Siの混合した層の上に比較的容易にキャップ層を形成
することができる。
【0021】さらに、本発明のβ−FeSi2の成膜方
法は、キャップ層の膜厚が、α−FeSi2の膜厚以上
であるものである。
法は、キャップ層の膜厚が、α−FeSi2の膜厚以上
であるものである。
【0022】これにより、キャップ層がβ−FeSi2
層の成長に伴う大きな圧縮応力の影響を抑える効果が維
持されるので、厚い膜厚の単結晶のβ−FeSi2のエ
ピタキシャル層を形成することができる。
層の成長に伴う大きな圧縮応力の影響を抑える効果が維
持されるので、厚い膜厚の単結晶のβ−FeSi2のエ
ピタキシャル層を形成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明のβ−FeSi2の
成膜方法における実施形態について、図面を参照しなが
ら説明する。
成膜方法における実施形態について、図面を参照しなが
ら説明する。
【0024】(実施の形態1)図1は、本発明における
第1の実施形態のβ−FeSi2の成膜方法を示す工程
断面図であり、図2は、β−FeSi2の成膜装置の概
略図である。
第1の実施形態のβ−FeSi2の成膜方法を示す工程
断面図であり、図2は、β−FeSi2の成膜装置の概
略図である。
【0025】まず、(100)面のn型のSi基板1を
アンモニア過酸化水素水と塩酸過酸化水素水を使用して
洗浄した{以下、RCA(Radio Corpora
tion of America)洗浄と記す}後、希
フッ酸で水素終端処理を施す。
アンモニア過酸化水素水と塩酸過酸化水素水を使用して
洗浄した{以下、RCA(Radio Corpora
tion of America)洗浄と記す}後、希
フッ酸で水素終端処理を施す。
【0026】次に、このSi基板1を図2に示すRFマ
グネトロンスパッタ装置の真空チャンバー2内の基板ホ
ルダー3に設置する。
グネトロンスパッタ装置の真空チャンバー2内の基板ホ
ルダー3に設置する。
【0027】なお、真空チャンバー2には、Si基板1
の加熱用ヒーター4と、真空排気ポンプにつながってい
る排気口5と、カソード6、7が設けられ、カソード6
の上にはFeターゲット8、カソード7の上にはSiタ
ーゲット9が設置されている。
の加熱用ヒーター4と、真空排気ポンプにつながってい
る排気口5と、カソード6、7が設けられ、カソード6
の上にはFeターゲット8、カソード7の上にはSiタ
ーゲット9が設置されている。
【0028】また、カソード6、7にはそれぞれ、マッ
チングボックス10、11を介して13.56MHzの
RF電源12、13が設けられている。さらに、真空チ
ャンバー2にはスパッタガス供給用のガス供給口14が
設けてあり、マスフローコントローラー15により流量
調整されたArガス16を真空チャンバー2内に供給す
る。
チングボックス10、11を介して13.56MHzの
RF電源12、13が設けられている。さらに、真空チ
ャンバー2にはスパッタガス供給用のガス供給口14が
設けてあり、マスフローコントローラー15により流量
調整されたArガス16を真空チャンバー2内に供給す
る。
【0029】次に、図1と図2を参照しながら、上記R
Fマグネトロンスパッタ装置を用いて、β−FeSi2
の成膜方法について説明する。
Fマグネトロンスパッタ装置を用いて、β−FeSi2
の成膜方法について説明する。
【0030】図1(a)に示すように、ヒーター4によ
り1100℃に加熱したn型のSi基板1上に、Feを
約3nm/分のデポレートで60nmの膜厚となるよう
に堆積する。ここで、成膜条件は、マスフローコントロ
ーラー15を用いてArガス16の流量を約25SCC
Mに設定し、スパッタ圧力を約666mPaに保ち、F
eターゲット8にはRF電源12により200WのRF
パワーを印加した。
り1100℃に加熱したn型のSi基板1上に、Feを
約3nm/分のデポレートで60nmの膜厚となるよう
に堆積する。ここで、成膜条件は、マスフローコントロ
ーラー15を用いてArガス16の流量を約25SCC
Mに設定し、スパッタ圧力を約666mPaに保ち、F
eターゲット8にはRF電源12により200WのRF
パワーを印加した。
【0031】これにより、Si基板1のSiとFeとが
反応して、図1(b)に示すように、Si基板1の上に
α−FeSi2層17を形成することができる。ここで
得られたα−FeSi2層17のX線回折の結果を図3
(a)に示す。
反応して、図1(b)に示すように、Si基板1の上に
α−FeSi2層17を形成することができる。ここで
得られたα−FeSi2層17のX線回折の結果を図3
(a)に示す。
【0032】次に、α−FeSi2層17を形成したS
i基板1を急冷して室温にした後、図1(c)に示すよ
うに、熱処理時に圧縮応力を抑えるキャップ層となるS
i層18をα−FeSi2層17の上に200nmの厚
さに堆積させる。
i基板1を急冷して室温にした後、図1(c)に示すよ
うに、熱処理時に圧縮応力を抑えるキャップ層となるS
i層18をα−FeSi2層17の上に200nmの厚
さに堆積させる。
【0033】次に、図1(d)に示すように、Si基板
1を600〜800℃の温度で10時間の熱処理を施
す。これにより、熱処理温度が940℃以上であれば安
定な正方晶のα−FeSi2になるが、熱処理を940
℃以下で行うことにより安定な斜方晶のβ−FeSi2
に相変化を起こさせることにより、約200nmの厚さ
のβ−FeSi2層19を形成することができる。
1を600〜800℃の温度で10時間の熱処理を施
す。これにより、熱処理温度が940℃以上であれば安
定な正方晶のα−FeSi2になるが、熱処理を940
℃以下で行うことにより安定な斜方晶のβ−FeSi2
に相変化を起こさせることにより、約200nmの厚さ
のβ−FeSi2層19を形成することができる。
【0034】最後に、β−FeSi2層19上に形成し
ているキャップ層であるSi層18を、エッチングによ
り除去する。
ているキャップ層であるSi層18を、エッチングによ
り除去する。
【0035】ここで、第1の実施形態で得られたβ−F
eSi2層19のX線回折の結果を図3(b)に示す。
eSi2層19のX線回折の結果を図3(b)に示す。
【0036】図3(b)に示すように、β−FeSi2
の(400)、(600)、(800)面の単結晶のピ
ークが見られることから、β−FeSi2層19は高品
質なエピタキシャル膜であることがわかる。
の(400)、(600)、(800)面の単結晶のピ
ークが見られることから、β−FeSi2層19は高品
質なエピタキシャル膜であることがわかる。
【0037】なお、キャップ層となるSi層18の厚さ
は、β−FeSi2層19の厚さ以上にすることが好ま
しい。なぜなら、Si層18の厚さがβ−FeSi2層
19の厚さより小さいと、β−FeSi2層19への成
長に伴う大きな圧縮応力の影響を抑える効果が小さくな
り、β−FeSi2がSi基板1から剥離したり、ある
いは多結晶化してしまうからである。
は、β−FeSi2層19の厚さ以上にすることが好ま
しい。なぜなら、Si層18の厚さがβ−FeSi2層
19の厚さより小さいと、β−FeSi2層19への成
長に伴う大きな圧縮応力の影響を抑える効果が小さくな
り、β−FeSi2がSi基板1から剥離したり、ある
いは多結晶化してしまうからである。
【0038】また、α−FeSi2の形成では1000
℃以上の高温でFeとSiを反応させるため、未反応の
Feが残りにくく、かつ、FeとSiの反応層が厚くな
ることによるSiの拡散の低下を抑えることができるの
で、α−FeSi2層の厚膜化が可能となる。これらに
より、α−FeSi2から相変化させてβ−FeSi2を
形成するときには、未反応のFeが極力少ない状態で、
Siの拡散現象に支配されることなく、厚い膜厚のβ−
FeSi2のエピタキシャル層を成長させることができ
る。
℃以上の高温でFeとSiを反応させるため、未反応の
Feが残りにくく、かつ、FeとSiの反応層が厚くな
ることによるSiの拡散の低下を抑えることができるの
で、α−FeSi2層の厚膜化が可能となる。これらに
より、α−FeSi2から相変化させてβ−FeSi2を
形成するときには、未反応のFeが極力少ない状態で、
Siの拡散現象に支配されることなく、厚い膜厚のβ−
FeSi2のエピタキシャル層を成長させることができ
る。
【0039】(実施の形態2)図4は、本発明における
第2の実施形態のβ−FeSi2の成膜方法を示す工程
断面図である。なお、この成膜方法に用いるβ−FeS
i2の成膜装置は、第1の実施形態で示した図2と同じ
なので、成膜装置は図2を参照して説明する。
第2の実施形態のβ−FeSi2の成膜方法を示す工程
断面図である。なお、この成膜方法に用いるβ−FeS
i2の成膜装置は、第1の実施形態で示した図2と同じ
なので、成膜装置は図2を参照して説明する。
【0040】まず、図4(a)に示すように、図2に示
したRFマグネトロンスパッタ装置を用いて、Arガス
16の流量を25SCCM、スパッタ圧力を約666m
Pa、Feターゲット8へのRF電源12のRFパワー
を200W、Siターゲット9へのRF電源13のRF
パワーを150Wに設定して、RCA洗浄および水素終
端化処理を施した室温のSi基板1を基板ホルダー3に
設置し、FeおよびSiをそれぞれ約3nm/分と約1
0nm/分のデポレートで20分間堆積してSi基板1
上にFeとSiの混合層20を形成する。
したRFマグネトロンスパッタ装置を用いて、Arガス
16の流量を25SCCM、スパッタ圧力を約666m
Pa、Feターゲット8へのRF電源12のRFパワー
を200W、Siターゲット9へのRF電源13のRF
パワーを150Wに設定して、RCA洗浄および水素終
端化処理を施した室温のSi基板1を基板ホルダー3に
設置し、FeおよびSiをそれぞれ約3nm/分と約1
0nm/分のデポレートで20分間堆積してSi基板1
上にFeとSiの混合層20を形成する。
【0041】次に、図4(b)に示すように、FeとS
iを同時堆積した混合層20の上にSiのみを200n
mの厚さに堆積させ、熱処理時に圧縮応力を抑えるキャ
ップ層としてのSi層21を形成する。
iを同時堆積した混合層20の上にSiのみを200n
mの厚さに堆積させ、熱処理時に圧縮応力を抑えるキャ
ップ層としてのSi層21を形成する。
【0042】次に、図4(c)に示すように、不活性ガ
ス雰囲気中で1100℃の温度で急速熱処理でするRT
A(Rapid Thermal Annealin
g)処理を施すことによって、FeとSiの混合層20
中のFeとSiを反応させて、α−FeSi2層22を
形成する。
ス雰囲気中で1100℃の温度で急速熱処理でするRT
A(Rapid Thermal Annealin
g)処理を施すことによって、FeとSiの混合層20
中のFeとSiを反応させて、α−FeSi2層22を
形成する。
【0043】次に、図4(d)に示すように、α−Fe
Si2層22を形成した基板を600〜800℃の温度
でさらに10時間加熱することにより、α−FeSi2
からβ−FeSi2に相変化を起こさせて、膜厚が約2
00nmのβ−FeSi2層23を形成する。
Si2層22を形成した基板を600〜800℃の温度
でさらに10時間加熱することにより、α−FeSi2
からβ−FeSi2に相変化を起こさせて、膜厚が約2
00nmのβ−FeSi2層23を形成する。
【0044】最後に、β−FeSi2層23上に形成し
ているキャップ層であるSi層21をエッチングにより
除去する。
ているキャップ層であるSi層21をエッチングにより
除去する。
【0045】なお、第2の実施形態による成膜方法で得
られたβ−FeSi2層23のX線回折の結果は、図3
(b)と同じであった。これにより、この成膜方法でも
高品質な単結晶のエピタキシャル膜が形成できることが
わかった。
られたβ−FeSi2層23のX線回折の結果は、図3
(b)と同じであった。これにより、この成膜方法でも
高品質な単結晶のエピタキシャル膜が形成できることが
わかった。
【0046】なお、第2の実施形態では、FeとSiと
をSi基板に同時に堆積した場合について述べたが、F
eとSiを交互に堆積させた場合も同じ結果が得られ
た。
をSi基板に同時に堆積した場合について述べたが、F
eとSiを交互に堆積させた場合も同じ結果が得られ
た。
【0047】また、第2の実施形態では、室温のSi基
板上にFeとSiを同時堆積させた場合について述べた
が、1100℃に加熱したSi基板にFeとSiとを同
時堆積させてα−FeSi2を形成し、その後にSiキ
ャップ層を堆積させて600〜800℃の温度で10時
間加熱しても同様の結果が得られた。
板上にFeとSiを同時堆積させた場合について述べた
が、1100℃に加熱したSi基板にFeとSiとを同
時堆積させてα−FeSi2を形成し、その後にSiキ
ャップ層を堆積させて600〜800℃の温度で10時
間加熱しても同様の結果が得られた。
【0048】以上、第1の実施形態および第2の実施形
態の説明では、キャップ層としてSiを用いて説明した
が、Si酸化物あるいはSi窒化膜をキャップ層として
用いても同様な効果が得られた。また、成膜方法として
はRFマグネトロンスパッタ装置を使った方法について
説明したが、DCスパッタ、2極スパッタ等の他のスパ
ッタ法や、電子ビーム蒸着法を用いても同様な結果が得
られた。
態の説明では、キャップ層としてSiを用いて説明した
が、Si酸化物あるいはSi窒化膜をキャップ層として
用いても同様な効果が得られた。また、成膜方法として
はRFマグネトロンスパッタ装置を使った方法について
説明したが、DCスパッタ、2極スパッタ等の他のスパ
ッタ法や、電子ビーム蒸着法を用いても同様な結果が得
られた。
【0049】
【発明の効果】本発明は、Si基板上に形成した正方晶
のα−FeSi2の上にSi、Si酸化物あるいはSi
窒化物からなるキャップ層を堆積し、その後、熱処理し
て相変化を起こし、斜方晶のβ−FeSi2を形成する
ことにより、β−FeSi2の成長に伴う大きな内部応
力の影響を抑えることができるので、膜厚の厚い高品質
な単結晶のβ−FeSi2のエピタキシャル層を形成す
ることができる。
のα−FeSi2の上にSi、Si酸化物あるいはSi
窒化物からなるキャップ層を堆積し、その後、熱処理し
て相変化を起こし、斜方晶のβ−FeSi2を形成する
ことにより、β−FeSi2の成長に伴う大きな内部応
力の影響を抑えることができるので、膜厚の厚い高品質
な単結晶のβ−FeSi2のエピタキシャル層を形成す
ることができる。
【図1】本発明における第1の実施の形態のβ−FeS
i2の成膜方法を示す工程断面図
i2の成膜方法を示す工程断面図
【図2】本発明における第1の実施の形態および第2の
実施の形態のβ−FeSi2の成膜方法に用いるRFマ
グネトロンスパッタ装置の概略図
実施の形態のβ−FeSi2の成膜方法に用いるRFマ
グネトロンスパッタ装置の概略図
【図3】本発明の成膜方法により形成される途中のα−
FeSi2層と最終的に形成されるβ−FeSi2層のX
線回折図
FeSi2層と最終的に形成されるβ−FeSi2層のX
線回折図
【図4】 本発明における第2の実施の形態のβ−FeSi2の成
膜方法を示す工程断面図
膜方法を示す工程断面図
1 Si基板 2 真空チャンバー 3 基板ホルダー 4 ヒーター 5 排気口 6、7 カソード 8 Feターゲット 9 Siターゲット 10、11 マッチングボックス 12、13 RF電源 14 ガス供給口 15 マスフローコントローラー 16 Arガス 17、22 α−FeSi2層 18、21 Si層 19、23 β−FeSi2層 20 混合層
Claims (5)
- 【請求項1】 シリコン基板上に鉄を堆積してアルファ
鉄シリサイドを形成する工程と、前記アルファ鉄シリサ
イド上に熱処理時に圧縮応力を抑えるキャップ層を堆積
する工程および熱処理することにより、前記アルファ鉄
シリサイドからベータ鉄シリサイドへの相変化を起こさ
せる工程とを含むことを特徴とするベータ鉄シリサイド
の成膜方法。 - 【請求項2】 シリコン基板上に鉄とシリコンの混合層
を形成する工程と、同混合層の上に熱処理時に圧縮応力
を抑えるキャップ層を形成する工程と、熱処理してアル
ファ鉄シリサイドを形成する工程および熱処理すること
により、前記アルファ鉄シリサイドからベータ鉄シリサ
イドへの相変化を起こさせる工程とを含むことを特徴と
するベータ鉄シリサイドの成膜方法。 - 【請求項3】 シリコン基板上に鉄とシリコンを堆積し
てアルファ鉄シリサイドを形成する工程と、同アルファ
鉄シリサイドの上に熱処理時に圧縮応力を抑えるキャッ
プ層を形成する工程および熱処理することにより、前記
アルファ鉄シリサイドからベータ鉄シリサイドへの相変
化を起こさせる工程とを含むことを特徴とするベータ鉄
シリサイドの成膜方法。 - 【請求項4】 キャップ層が、シリコン、シリコン酸化
物あるいはシリコン窒化物からなることを特徴とする請
求項1、2または3記載のベータ鉄シリサイドの成膜方
法。 - 【請求項5】 キャップ層の膜厚が、アルファ鉄シリサ
イドの膜厚以上であることを特徴とする請求項1、2ま
たは3記載のベータ鉄シリサイドの成膜方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000055289A JP2001244199A (ja) | 2000-03-01 | 2000-03-01 | ベータ鉄シリサイドの成膜方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000055289A JP2001244199A (ja) | 2000-03-01 | 2000-03-01 | ベータ鉄シリサイドの成膜方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001244199A true JP2001244199A (ja) | 2001-09-07 |
Family
ID=18576436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000055289A Pending JP2001244199A (ja) | 2000-03-01 | 2000-03-01 | ベータ鉄シリサイドの成膜方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001244199A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004021458A1 (ja) * | 2002-08-30 | 2004-03-11 | Hamamatsu Photonics K.K. | 発光素子およびその製造方法 |
JP2004303868A (ja) * | 2003-03-31 | 2004-10-28 | Tdk Corp | ベータ鉄シリサイド領域の作製方法 |
JP2007134743A (ja) * | 2007-02-13 | 2007-05-31 | Mitsubishi Materials Corp | 鉄シリサイド層の製造方法並びに半導体基板及び光半導体装置 |
-
2000
- 2000-03-01 JP JP2000055289A patent/JP2001244199A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004021458A1 (ja) * | 2002-08-30 | 2004-03-11 | Hamamatsu Photonics K.K. | 発光素子およびその製造方法 |
CN100364118C (zh) * | 2002-08-30 | 2008-01-23 | 浜松光子学株式会社 | 发光元件及其制造方法 |
JP2004303868A (ja) * | 2003-03-31 | 2004-10-28 | Tdk Corp | ベータ鉄シリサイド領域の作製方法 |
JP4581332B2 (ja) * | 2003-03-31 | 2010-11-17 | Tdk株式会社 | ベータ鉄シリサイド領域の作製方法 |
JP2007134743A (ja) * | 2007-02-13 | 2007-05-31 | Mitsubishi Materials Corp | 鉄シリサイド層の製造方法並びに半導体基板及び光半導体装置 |
JP4556959B2 (ja) * | 2007-02-13 | 2010-10-06 | 三菱マテリアル株式会社 | 鉄シリサイド層の製造方法並びに半導体基板及び光半導体装置 |
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