JP2001064099A - 薄膜の形成方法 - Google Patents

薄膜の形成方法

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JP2001064099A
JP2001064099A JP23934399A JP23934399A JP2001064099A JP 2001064099 A JP2001064099 A JP 2001064099A JP 23934399 A JP23934399 A JP 23934399A JP 23934399 A JP23934399 A JP 23934399A JP 2001064099 A JP2001064099 A JP 2001064099A
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forming
substrate
iron
thin film
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JP23934399A
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English (en)
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Akiyoshi Tamura
彰良 田村
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Matsushita Electronics Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Si基板上に高品質なβ−FeSi2エピタ
キシャル層を形成する成膜方法を提供する。 【解決手段】 (100)面のn型のSi基板1をマグ
ネトロンスパッタ装置の真空チャンバー2内に配置され
た基板ホルダー3に設置し、基板温度550〜650℃
で加熱しながら、スパッタガスとしてXeガスを用いて
Feをスパッタ法でSi基板1上に堆積し、β−FeS
2層17を形成する。Xeは、通常スパッタ法で用い
られるArガスに比して質量が大きく、スパッタ法によ
るFe堆積時に、Si基板がこれらのプラズマガスに暴
露されることにより、Si基板表面のSi−Si結合の
解離が効率的に進み、堆積されるFeとSiとの反応が
促進され、高品質のβ−FeSi2エピタキシャル層が
形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン(以下、
Siと記す)基板上にベータ鉄シリサイド(以下、β−
FeSi2と記す)を形成する薄膜の形成方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】Siと金属との化合物であるシリサイド
には非常に多くの種類があり、これまで主として電極材
料として研究が行われてきた。最近、半導体の性質を持
つシリサイドとしてβ−FeSi2が注目されている。
β−FeSi2は直接遷移型のバンドギャップ(〜0.
85eV)を持ち、Si基板上にエピタキシャル成長可
能で、太陽電池または古くは熱電素子の材料としても研
究され、近年はSiの発光デバイス実現の有力な材料と
して期待されている。
【0003】β−FeSi2層のSi基板上への形成方
法としては、今までいろいろ報告されている。代表的な
成膜方法として以下の3つがある。
【0004】1つ目は、室温の状態でSi基板上に鉄
(以下、Feと記す)を堆積後、アニールすることによ
りFeとSiの固相反応により形成する方法(Soli
d Phase Epitaxy法;SPE法)であ
る。これは、例えばJ.Derrien et a
l.,Appl.Surf.Sci.,73(199
3)90に記載されている。
【0005】2つ目は、加熱したSi基板上にFeを堆
積しながら、FeとSiの固相反応により形成する方法
(Reactive Deposition Epit
axy法;RDE法)である。これは、例えばA.H.
Reader et al.,Appl.Surf.S
ci.,73(1993)131に記載されている。
【0006】3つ目は、MBEチャンバー中で、加熱し
たSi基板上に、FeとSiを同時に堆積しながら形成
する方法(Molecular Beam Epita
xy法;MBE法である。これは、例えばJ.E.Ma
han et al.,Appl.Phys.Let
t.,56(1900)2126に記載されている。
【0007】SPE法、RDE法でFeを堆積するに
は、通常、電子ビーム(EB)蒸着や、Arガスを用い
たスパッタ法が用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】Si基板にFeを堆積
するSPE法、RDE法においては、β−FeSi2
エピタキシャル層を形成するには、Fe原子1つに対し
てSi原子2つの割合で反応が生じることが必要であ
り、堆積したFe層の約3.2倍の厚さのβ−FeSi
2層が形成される。
【0009】β−FeSi2は斜方晶の結晶構造を有
し、Si基板に対して表1に示すように、結晶面と結晶
軸との関係でβ−FeSi2のエピタキシャル層が得ら
れる。
【0010】
【表1】
【0011】しかし、SPE法ではこの反応を促進させ
るため、RDE法に比して高温の熱処理が必要であり、
上記の結晶関係が初期反応で一意的に決定されず、また
最初に堆積するFe層の膜厚が厚いと未反応のFeが残
ったりして多結晶になりやすい。
【0012】一方、RDE法では最初から加熱したSi
基板にFeを堆積するため、SPE法に比して上記の結
晶関係が生じやすいが、Feの堆積速度(デポレート)
が特に速くなると、反応するSi原子がFe:Si=
1:2の関係より欠乏してβ−FeSi2層の形成が困
難になったりして、成膜条件が限定される。
【0013】また、SPE法、RDE法共に、形成され
るβ−FeSi2のエピタキシャル層の厚さが50nm
を越えて厚くなると、Si原子の拡散が遅くなりFe原
子との反応が抑制され、多結晶になりやすい。
【0014】次に、MBE法では、SPE法と同様に、
最初の結晶核形成が一意的に決定されにくい。そこで、
最初はRDE法と同様にFeのみを1nm程度と極薄に
蒸着堆積して薄いβ−FeSi2のエピタキシャル層を
形成し、それをテンプレートとして、FeとSiをモル
比1:2の割合で同時蒸着するテンプレート法が良く用
いられる。しかし、この方法では工程が複雑になりすぎ
る欠点がある。
【0015】また、Si基板上に形成したβ−FeSi
2のエピタキシャル層の上に更にSiエピタキシャル層
を形成してダブルヘテロ構造を得ることは、β−FeS
2が斜方晶の結晶構造を有していることや、Siの低
温形成が必要であるため、たいへん難しい。
【0016】また、β−FeSi2層への不純物による
n型あるいはp型にするドーピング技術も、一般に不純
物原子とFe原子との電子ビーム蒸着やスパッタ法によ
る同時蒸着が用いられているが、制御性に難がある。
【0017】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、Si基板上に高品質なβ−FeSi
2のエピタキシャル層、β−FeSi2のエピタキシャル
層への高精度なドーピング技術及びSi/β−FeSi
2/Siのダブルヘテロ構造エピタキシャル層の形成を
可能にする成膜方法を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1及び2記載の薄膜の形成方法は、
加熱したSi基板上に、クリプトン(以下、Krと記
す)ガスまたはキセノン(以下、Xeと記す)ガスを使
用したスパッタ法を用いてFeを堆積、またはFeとS
iを同時に、またはFeとSiを交互に堆積させて、S
i基板上にβ−FeSi2層を形成するものである。
【0019】これにより、KrガスやXeガスは、通常
スパッタ法で用いられるアルゴン(以下、Arと記す)
ガスに比して質量が大きく、スパッタ法によるFe堆積
時に、Si基板がこれらのプラズマガスに暴露されるの
で、Si基板表面のSi−Si結合の解離が効率的に進
み、堆積されるFeとSi基板のSiとの反応が促進さ
れ、高品質なβ−FeSi2のエピタキシャル層が形成
できる。
【0020】また、本発明の請求項3記載の薄膜の形成
方法は、加熱したSi基板上に、Feを負イオンの状態
で堆積させてSi基板のSiとの反応により、Si基板
上にβ−FeSi2層を形成するものである。
【0021】これにより、負イオンは、付随エネルギー
が電子親和力で通常の正イオンの電離エネルギーより小
さく、その運動エネルギーを効率的にFeとSiの結合
反応に運ぶため、その反応が促進され、高品質なβ−F
eSi2のエピタキシャル成長が形成できる。
【0022】また、本発明の請求項4、5および6記載
の薄膜の形成方法は、加熱したSi基板上に、Feを堆
積し、またはFeとSiを同時に堆積し、Si基板上に
β−FeSi2層を形成する工程において、Si基板上
に水素(以下、Hと記す)または希ガス{具体的にはネ
オン(以下、Neと記す)、Ar、Kr、Xe等}のラ
ジカルイオンを、Feの堆積と同時、またはFeとSi
の堆積と同時にあるいは交互に照射する工程を含むもの
である。
【0023】これにより、Si基板がHまたはNe、A
r、Kr、Xe等の希ガスのラジカルイオンに暴露され
ることにより、Si基板表面のSi−Si結合の解離が
効率良く進み、そのイオンエネルギーを与えることによ
り、堆積されるFeとSiとの結合反応が促進され、高
品質なβ−FeSi2のエピタキシャル層が形成でき
る。
【0024】また、請求項7記載の本発明は、請求項4
または5に記載の形成方法において、鉄を負イオンの状
態で堆積するものである。
【0025】これにより、負イオンは、付随エネルギー
が電子親和力で通常の正イオンの電離エネルギーより小
さく、その運動エネルギーを効率良くFeとSiの結合
反応に運ぶため、その反応が促進される。
【0026】また、請求項8記載の本発明は、請求項1
ないし5のいずれかに記載の形成方法において、シリコ
ン基板を400〜700℃の範囲で加熱するものであ
る。
【0027】これにより、結晶化が最適に進行する。
【0028】また、本発明の請求項9、10および11
記載の薄膜の形成方法は、Si基板表面にFe、Siま
たは希ガス(具体的には、Ne、Ar、Kr、Xe等)
をイオン注入した後、Si基板を加熱しながらFeを堆
積してSi基板のSiとの反応によりβ−FeSi2
を形成するものである。
【0029】これにより、Si基板に予めFe、Si、
またはNe、Ar、Kr、Xe等の希ガスをイオン注入
することにより、これらの注入原子はSi基板のSi原
子と衝突してそのエネルギーを失い、格子間の位置で止
まる。したがって、Si基板表面のSi−Si結合が解
離し、その後堆積されるFeとSi基板のSiとの反応
が促進され、高品質なβ−FeSi2のエピキャシタル
層が形成できる。
【0030】また、請求項12及び13記載の薄膜の形
成方法は、Si基板表面にn型となるドーピング不純物
(具体的にはコバルト、ニッケル、白金、パラジウム)
またはp型となるドーピング不純物(具体的には、マン
ガン、クロム、モリブデン)をイオン注入後、Si基板
を加熱しながらFeを堆積して、Si基板のSiとの反
応によりn型またはp型のβ−FeSi2層を形成する
ものである。
【0031】これにより、前記請求項9〜11記載の発
明と同様に、注入された不純物は、Si基板の表面のS
i−Si結合を解離させ、その後Si基板に堆積される
FeとSi基板のSiとの反応が促進されるとともに、
形成されるβ−FeSi2層に不純物が取りこまれてF
eと置換し、制御性良くn型またはp型にドーピングす
ることができる。
【0032】また、請求項14に記載の発明は、上記請
求項9、10または12に記載の形成方法において、イ
オン注入のドーズ量が5×1012cm-2から1×1015
cm -2の範囲であるものである。
【0033】これにより、イオン注入によるダメージを
減らすことができる。
【0034】また、請求項15に記載の発明は、請求項
9、10または12に記載の形成方法において、イオン
注入の深さ方向の範囲がSi基板表面から堆積するFe
の膜厚の約3.2倍以内の範囲にするものである。
【0035】これにより、イオン注入される深さ方向の
範囲がβ−FeSi2のエピタキシャル層が形成される
領域であるので、さらに高品質なβ−FeSi2のエピ
タキシャル層が形成できる。
【0036】また、請求項16に記載の発明は、請求項
9、10または12に記載の形成方法において、鉄を負
イオンの状態で堆積させるものである。
【0037】これにより、負イオンは付随エネルギーが
電子親和力で通常の正イオンの電離エネルギーより小さ
く、その運動エネルギーを効率良くFeとSiの結合反
応に運ぶためその反応が促進される。
【0038】また、請求項17に記載の発明は、請求項
9、10または12に記載の形成方法において、Krガ
スまたはXeガスを使用したスパッタ法を用いてFeを
堆積させたものである。
【0039】これにより、Si基板表面のSi−Si結
合の解離が効率良く進み、堆積されるFeとSi基板の
Siの反応が促進される。
【0040】また、本発明の請求項18記載の薄膜の形
成方法は、第1のSi基板の表面にFeを堆積した後、
第1のSi基板の表面側に第2のSi基板を重ね合わせ
て熱処理し、β−FeSi2層を両Si基板の間に埋め
込み形成するものである。
【0041】これにより、Feを堆積した第1のSi基
板を第2のSi基板と重ねて熱処理することで、Feは
両側のSi基板と固相反応を生じ、β−FeSi2のエ
ピタキシャル層が両側のSi層に埋め込まれる形で、2
つのSi基板がボンディングされ、Si/β−FeSi
2/Siのダブルヘテロ構造を容易に形成することがで
きる。
【0042】また、請求項19に記載の発明は、請求項
18に記載の形成方法において、第1のシリコン基板と
第2のシリコン基板の少なくとも一方のシリコン基板を
親水処理して重ね合わせるものである。
【0043】これにより、第1と第2のSi基板の密着
性がよくなる。
【0044】また、請求項20に記載の発明は、請求項
18に記載の形成方法において、重ね合わせた第1のシ
リコン基板と第2のシリコン基板を、水素ガス、窒素ガ
スまたはアルゴンガスを含む雰囲気中で熱処理するもの
である。
【0045】これにより、Feが雰囲気ガスに反応する
ことなく両方のSi基板に拡散して固相反応が促進され
る。
【0046】また、請求項21および22に記載の発明
は、請求項18に記載の形成方法において、第1のシリ
コン基板と第2のシリコン基板の少なくともいずれか一
方の基板表面に、鉄を堆積する前に、予めFeまたはS
iあるいはNe、Ar、KrまたはXeの希ガスをイオ
ン注入するものである。
【0047】これにより、Si基板がこれらのイオンに
暴露されることにより、Si基板表面のSi−Si結合
の解離が効率良く進み、そのイオンエネルギーを与える
ことにより、堆積されるFeとSi基板のSiとの結合
反応が促進される。
【0048】また、請求項23および24に記載の発明
は、請求項18に記載の形成方法において、少なくとも
第1のシリコン基板表面に、鉄を堆積する前に、予めn
型となるドーピング不純物(具体的には、コバルト、ニ
ッケル、白金、パラジウム)またはp型となるドーピン
グ不純物(具体的には、マンガン、クロム、モリブデ
ン)をイオン注入するものである。
【0049】これにより、注入された不純物はSi基板
に堆積されるFeとSi基板のSiとの反応により形成
されるβ−FeSi2層に取りこまれてFeと置換し、
制御性良くn型またはp型にドーピングすることができ
る。
【0050】また、請求項25に記載の発明は、請求項
21ないし24のいずれかに記載の形成方法において、
イオン注入のドーズ量が5×1012cm-2から1×10
15cm-2の範囲であるものである。
【0051】これにより、イオン注入されるダメージを
減らすことができる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0053】(実施の形態1)図1は、本発明の第1の
実施形態における薄膜の形成方法を示す装置の概略図と
基板の断面図である。
【0054】図1(a)に示すように、まず、(10
0)面のn型のSi基板1を、アンモニア過酸化水素水
と塩酸過酸化水素水とを交互に使用する洗浄{以下、R
CA(Radio Corporation of A
merica)洗浄と記す}後、希フッ酸で水素終端処
理を施し、マグネトロンスパッタ装置の真空チャンバー
2内に配置された基板ホルダー3に設置する。
【0055】なお、真空チャンバー2には、Si基板1
を加熱するためのヒーター4と、真空排気するためのポ
ンプにつながっている排気口5と、カソード6、7が設
けられ、カソード6の上にはFeターゲット8、カソー
ド7の上にはSiターゲット9がそれぞれ設けられてい
る。また、カソード6、7には電力を供給するためにそ
れぞれ13.56MHzのRF電源10、11が、マッ
チングボックス12、13を介して設けられている。さ
らに、真空チャンバー2にはスパッタガスを供給するた
めのガス供給口14が設けられ、マスフローコントロー
ラー15で流量制御されたXeガス16がガス供給口か
ら真空チャンバー2内に送り込まれる。
【0056】次に上記装置を用いて、ヒーター4により
基板温度を550〜650℃、マスフローコントローラ
ー15と排気によりスパッタ圧力を5mmTorr、F
eターゲットに印加するRF電源10のRFパワーを2
00W、マスフローコントローラー15を用いてXe流
量を25SCCMに設定し、図1(b)に示すように、
n型のSi基板1上にFeを約3nm/分のデポレート
で30nmのn膜厚に堆積させると、基板加熱により、
Si基板1のSiとFeとが反応し、Si基板1上に、
β−FeSi2層17を約100nmの厚さに形成する
ことができる。
【0057】図2は、こうして本発明のXeガスを用い
た方法によって形成されたβ−FeSi2層17と、従
来のArガスを用いた方法によって形成されたβ−Fe
Si2層のX線回折の結果を示したものである。
【0058】なお、Arガスの場合、Feのデポレート
はXeガスの場合とほぼ同じになるように調節した。
【0059】図2に示すように、Xeガスを用いた本発
明の形成方法によるサンプルはβ−FeSi2の(40
0)、(600)、(800)面の単結晶相のピークが
見られ、高品質なエピタキシャル膜が形成されているこ
とがわかるが、Arガスを用いた従来の形成方法による
サンプルは(202)や(422)面のピークが見ら
れ、単結晶性が劣化していることがわかる。
【0060】また、従来のArガスを用いた方法では、
β−FeSi2層の厚さが50〜100nmを越えると
多結晶になるが、本発明のXeガスを用いた方法では、
β−FeSi2層の厚さが200nmを越えても単結晶
性が維持された。
【0061】(実施の形態2)第1の実施形態では、F
eのみをスパッタ法で堆積したが、図3に示すように、
本発明の第2の実施形態の薄膜の形成方法では、Feと
Siの両方をスパッタ法により(100)面のn型のS
i基板1に同時に堆積してβ−FeSi2層17を形成
するものである。第2の実施の形態の薄膜の形成方法に
用いる装置、及びSi基板の配置は、図1(a)に示し
たものと同一なので図1(a)を参照して説明する。
【0062】図1の装置を用いて、基板温度を550〜
650℃、スパッタ圧力を5mmTorr、Feターゲ
ット8のRFパワーを200W、Siターゲット9のR
Fパワーを150W、Xe流量を25SCCMに設定
し、図3に示すようにSi基板1上に、Fe及びSiを
それぞれ約3nm/分と約10nm/分のデポレートで
堆積させ、Si基板1上にβ−FeSi2層17を約1
00nmの厚さに形成する。この場合も、図2に示した
ものと同様な高品質なエピタキシャル層を示すX線回折
が得られた。
【0063】第1と第2の実施の形態で示したように高
品質なエピキャシタル層が形成される理由は、Xeガス
が、Arに比して大きな質量を有しており、Si原子と
の衝突に際し、Si原子へのエネルギーの寄与率がAr
に比して小さく、また原子半径が大きいことからより多
くのSi原子と衝突する確率が大きく、成長表面層の多
数のSi原子に低ダメージでエネルギーを与えるのでS
i基板表面のSi−Si結合の解離が効率良く進み、堆
積されるFeとSi基板のSiとの反応が促進されるか
らである。また、程度は少ないが、同様の状況がFe原
子との衝突についても成り立つからである。
【0064】上記では、FeとSiの同時堆積について
説明したが、FeとSiを交互に堆積しても同様の効果
が得られる。
【0065】また、第1及び第2の実施形態の説明で
は、Xeガスについて説明したが、Krガスについても
同様の効果がある。また、(100)面のn型のSi基
板について述べたが、(100)面のp型のSi基板
や、(111)面のn型またはp型のSi基板について
も同様の効果がある。また、RFマグネトロンスパッタ
法について説明したが、DCスパッタ、2極スパッタ等
の他のスパッタ法についても同様の結果が得られる。
【0066】(実施の形態3)図4は、本発明の第3の
実施形態による薄膜の形成方法を示す装置の概略図と基
板の断面図である。
【0067】図4(a)に示すように、まず、(10
0)面のn型のSi基板1を、RCA洗浄後、希フッ酸
で水素終端処理を施し、イオンビーム蒸着装置の真空チ
ャンバー18内に配置された基板ホルダー19に設置す
る。なお、真空チャンバー18にはSi基板1を加熱す
るためのヒーター20と、真空排気するためのポンプに
つながっている排気口21と、Feの負イオンを発生す
るためのRFプラズマスパッタ型負重イオン源22が設
けられている。また、RFプラズマスパッタ型負重イオ
ン源22にはRF電源23とマッチングボックス24が
接続されている。
【0068】図5は、RFプラズマスパッタ型負重イオ
ン源22の構造図を示したものである。このRFプラズ
マスパッタ型負重イオン源22は、中性のセシウム(以
下、Csと記す)蒸気25を供給することにより表面に
Csが付着したFeターゲット26をXeガス27のプ
ラズマ放電でたたくことにより、Feの負イオンを形成
させるものである。また、イオンのエネルギーは引出電
極28で調節することができる。なお、29は高周波コ
イル、30は磁石である。
【0069】次に上記装置を用いて、RFプラズマスパ
ッタ型負重イオン源22に10-4Torr台の低圧力の
Xeガス27を供給し、13.56MHzのRFパワー
を約300W印加して、Feの負イオンを生成し、図4
(b)に示すようにFeの負イオンを約3nm/分のデ
ポレートで、550〜650℃に加熱したSi基板1に
照射させ、Si基板1上にβ−FeSi2層17を約1
00nmの厚さに形成する。この場合も、図2に示した
ものと同様な高品質なエピタキシャル層を示すX線回折
が得られた。
【0070】これは、負イオンが、付随エネルギーが電
子親和力(通常は〜1eV程度)で、通常の正イオンの
電離エネルギー(通常は〜10eV)より小さく、その
運動エネルギーを効率良くFeとSiの結合反応に運ぶ
ため、その反応が促進され、高品質なβ−FeSi2
エピタキシャル成長が可能となるからである。この場
合、Feの負イオンのエネルギーとしては、数eV程度
(2〜8eV)が望ましい。Feの負イオンのエネルギ
ーが10eVを越えてあまり高くなるとダメージが発生
し、膜質が劣化する。
【0071】(実施の形態4)図6は、本発明の第4の
実施形態による薄膜の形成方法を示す装置の概略図と基
板の断面図である。
【0072】図6(a)に示すように、(100)面の
n型のSi基板1を、RCA洗浄後、希フッ酸での水素
終端処理を施し、高真空電子ビーム蒸着装置の真空チャ
ンバー31内に配置された基板ホルダー32に設置す
る。
【0073】なお、真空チャンバー31にはSi基板1
を加熱するためのヒーター33と、真空排気するための
ポンプにつながっている排気口34と、Feの電子ビー
ム蒸着のためのFeのEガン35と、Siの電子ビーム
蒸着のためのSiのEガン36およびガスソース用のR
Fラジカルイオン源37が設けられている。なお、38
はRF電源、39はマッチングボックス、40はマスフ
ローコントローラー、41はH2ガスである。
【0074】次に、上記装置を用いて、基板温度を55
0〜650℃に設定し、RFラジカルイオン源37にH
2ガス41を2SCCM供給し、RF電源38より15
0WのRFパワーを印加して、図6(b)に示すように
Hのラジカルイオン42をSi基板1に照射しながら、
電子ビームによりFeを約1nm/分のデポレートで3
0nmの膜厚に堆積させ、Si基板1上にβ−FeSi
2層17を約100nmの厚さに形成する。この場合
も、図2に示したものと同様な高品質なエピタキシャル
層を示すX線回折が得られた。
【0075】これは、Hラジカルイオン42がSi基板
1に照射されると、Si原子と反応してSiH4を形成
するため、Si基板1の表面のSi−Si結合の解離が
効率良く進み、又そのイオンエネルギーを与えることに
より、堆積されるFeとSiとの結合反応が促進される
からである。これによって、高品質なβ−FeSi2
エピタキシャル層が形成できる。なお、上記の説明では
Hのラジカルイオンの照射とFeの堆積とを同時に行っ
ていたが交互に行ってもよい。
【0076】(実施の形態5)本発明の第4の実施形態
では、Feのみを電子ビーム蒸着で堆積したが、本発明
の第5の実施形態では、FeとSiを同時に堆積してβ
−FeSi2層を形成する場合について説明する。装
置、及びSi基板の配置は図6(a)に示したものと同
一なので図6(a)を参照して説明する。
【0077】図6(a)に示した装置を用いて、(10
0)面のn型のSi基板1の基板温度を550〜650
℃に設定し、RFラジカルイオン源37にH2ガス41
を2SCCM供給し、RF電源38により150WのR
Fパワーを印加して、図7に示すようにHのラジカルイ
オン42をSi基板1に照射しながら、電子ビームによ
りFe及びSiをそれぞれ約1nm/分と約3.3nm
/分のデポレートで同時に堆積させ、Si基板1上にβ
−FeSi2層17を約100nmの厚さに形成する。
この場合も、図2に示したものと同様な高品質なエピタ
キシャル層を示すX線回折が得られた。
【0078】上記の説明では、FeとSiの同時堆積に
ついて説明したが、FeとSiを交互に堆積しても同様
の効果が得られる。また、Hのラジカルイオンの照射と
FeとSiの堆積とも同時に行っていたが、交互に行っ
てもよい。
【0079】第4及び第5の実施形態の説明では、RF
ラジカルイオン源37にH2ガスを用いた場合について
説明したが、Xe、Kr等の希ガスを用いた場合にも、
Si基板表面のSi−Si結合の解離が効率良く進み、
又そのイオンエネルギーを与えることにより、堆積され
るFeとSiとの結合反応が促進され、同様の効果が得
られる。
【0080】また、Feは電子ビーム蒸着したが、実施
の形態3に示したように負イオンの状態で堆積すると、
更に高品質のβ−FeSi2層が得られる。
【0081】また、(100)面のn型のSi基板につ
いて述べたが、(100)面のp型のSi基板や、(1
11)面のn型またはp型のSi基板についても同様で
ある。
【0082】また、実施の形態1から実施の形態5で
は、基板温度として550〜650℃を用いたが、40
0〜750℃の範囲であれば高品質なβ−FeSi2
の成膜ができる。
【0083】(実施の形態6)図8は、本発明の第6の
実施形態による薄膜の形成方法を示す基板の工程断面図
である。
【0084】まず、図8(a)に示すように、(10
0)面のn型のSi基板1を、RCA洗浄後、イオン注
入機を用いて、Si基板1の表面にFe56イオンを加速
電圧が100keV、ドーズ量が3×1014cm-2の条
件で注入してFe注入層43を形成する。
【0085】次に、図8(b)に示すように、Feが注
入されたSi基板1を再びRCA洗浄後、希フッ酸での
水素終端処理を施し、その後、Arガスを用いた通常の
マグネトロンスパッタ装置を用いて、第1の実施の形態
で示したのと同じような条件、即ち、基板温度を550
〜650℃、スパッタ圧力を5mmTorr、Feター
ゲットのRFパワーを200W、Ar流量を25SCC
Mに設定してSi基板1上に、Feを約3nm/分のデ
ポレートで30nmの厚さに堆積させ、β−FeSi2
層17を約100nmの厚さに形成する。この場合も、
図2に示したものと同様な高品質なエピタキシャル層を
示すX線回折が得られた。
【0086】これは、Si基板に予めFeをイオン注入
することにより、注入されたFe原子はSi基板のSi
原子と衝突してそのエネルギーを失い、格子間の位置で
止まり、これにより、Si基板表面のSi−Si結合が
解離し、加熱したSi基板上に堆積されるFeとSiと
の反応が促進され、また注入されたFeもSiとの反応
に寄与するためである。これによって、高品質なβ−F
eSi2のエピタキシャル層が形成できる。
【0087】上記の説明では、Feをイオン注入した場
合について説明したが、同じβ−FeSi2の構成元素
であるSiをイオン注入しても同様の効果が得られる。
【0088】(実施の形態7)図9は、本発明の第7の
実施形態による薄膜の形成方法を示す基板の工程断面図
である。
【0089】まず、図9(a)に示すように、(10
0)面のn型のSi基板1を、RCA洗浄後、イオン注
入機を用いて、Si基板1の表面にAr40イオンを加速
電圧が45keV、ドーズ量が1×1014cm-2の条件
で注入してAr注入層44を形成する。
【0090】次に、図9(b)に示すように、Arが注
入されたSi基板1を再びRCA洗浄後、希フッ酸での
水素終端処理を施した後、Arガスを用いた通常のマグ
ネトロンスパッタ装置を用いて、第1の実施の形態で示
したのと同じような条件、即ち、基板温度を550〜6
50℃、スパッタ圧力を5mmTorr、Feターゲッ
トのRFパワーを200W、Ar流量を25SCCMに
設定してSi基板1上に、Feを約3nm/分のデポレ
ートで30nmの厚さに堆積させ、β−FeSi2層1
7を約100nmの膜厚に形成する。この場合も、図2
に示したものと同様な高品質なエピタキシャル層を示す
X線回折が得られた。
【0091】これは、Si基板に予めArをイオン注入
することにより、注入されたAr原子はSi基板のSi
原子と衝突してそのエネルギーを失い、格子間の位置で
止まり、これにより、Si基板表面のSi−Si結合が
解離し、加熱したSi基板上に堆積されるFeとSiと
の反応が促進されるからである。これによって、高品質
なβ−FeSi2のエピタキシャル層を形成することが
できる。
【0092】このとき、注入されたAr原子はSi基板
内に残るが、中性不純物であるので何の影響も与えな
い。
【0093】上記の説明では、Arを注入した場合につ
いて説明したが、同じ希ガス原子のNe、Kr、Xeを
注入しても同様の効果が得られる。
【0094】また、実施の形態6及び実施の形態7にお
いては、FeイオンあるいはArイオンの注入のドーズ
量が多いとSi基板中にダメージが残るため、ドーズ量
は5×1012cm-2から1×1015cm-2の範囲が好ま
しく、またイオン注入の深さの範囲はβ−FeSi2
エピタキシャル層が形成される領域(Si基板表面から
堆積するFeの膜厚の約3.2倍以内)に限定されるの
が好ましい。
【0095】(実施の形態8)図10は、本発明の第8
の実施形態による薄膜の形成方法を示す基板の工程断面
図である。
【0096】まず、図10(a)に示すように、(10
0)面のn型のSi基板1を、RCA洗浄後、イオン注
入機を用いて、Si基板1の表面にコバルト(以下、C
oと記す)イオンを加速電圧が100keV、ドーズ量
が3×1014cm-2の条件で注入してCo注入層45を
形成する。
【0097】次に、図10(b)に示すように、Coが
注入されたSi基板1を再びRCA洗浄後、希フッ酸で
の水素終端処理を施し、Arガスを用いた通常のマグネ
トロンスパッタ装置を用いて、第1の実施の形態で示し
たのと同じような条件、即ち、基板温度を550〜65
0℃、スパッタ圧力を5mmTorr、Feターゲット
のRFパワーを200W、Ar流量を25SCCMに設
定してSi基板1上に、Feを約3nm/分のデポレー
トで30nmの厚さに堆積させ、Coをドープしたn型
のβ−FeSi2層46を約100nmの厚さに形成す
る。この場合も、図2に示したものと同様な高品質なエ
ピタキシャル層を示すX線回折が得られた。
【0098】これは、Si基板に予めn型となる不純物
のCoをイオン注入することにより、注入されたCo原
子はSi基板のSi原子と衝突してそのエネルギーを失
い、格子間の位置で止まり、これにより、Si基板表面
のSi−Si結合が解離し、加熱したSi基板上に堆積
されるFeとSiとの反応が促進され、また注入された
CoはFeと置換するからである。これによって、Co
ドープの高品質なn型のβ−FeSi2のエピタキシャ
ル層を形成することができる。
【0099】なお、通常β−FeSi2層はp型である
が、Coをドーピングすることによりn型のβ−FeS
2層が得られる。
【0100】また、ドーピング量は、イオン注入のドー
ズ量により、制御性良く変化させることができる。
【0101】上記の説明では、Coをイオン注入した場
合について説明したが、n型の不純物として、ニッケル
(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、またp
型の不純物としてマンガン(Mn)、クロム(Cr)、
モリブデン(Mo)等を用いても同様の効果が得られ
る。
【0102】また、実施の形態6及び実施の形態7と同
様に、イオン注入のドーズ量が多いとSi基板中にダメ
ージが残るため、ドーズ量は5×1012cm-2から1×
10 15cm-2の範囲が好ましく、またイオン注入の深さ
方向の範囲はβ−FeSi2のエピタキシャル層が形成
される領域(Si基板表面から堆積するFeの膜厚の約
3.2倍以内)に限定されるのが好ましい。
【0103】また、第6、第7及び第8の実施形態の説
明では、Arガスを用いた通常のマグネトロンスパッタ
法を用いてFeを堆積する方法について説明したが、D
Cスパッタ、2極スパッタ、イオンビームスパッタ等の
他のスパッタ方法、電子ビーム蒸着方法、第1の実施の
形態で示したXeガス、Krガスを用いるスパッタ方
法、及び第3の実施の形態で示したFeを負イオンの状
態で堆積する方法でも前述した同様の効果が得られる。
【0104】また、(100)面のn型のSi基板につ
いて述べたが、(100)面のp型のSi基板や、(1
11)面のn型またはp型のSi基板についても同様の
効果が得られる。
【0105】(実施の形態9)図11は、本発明の第9
の実施形態による薄膜の形成方法を示す基板の工程断面
図である。
【0106】まず、図11(a)に示すように、(10
0)面のn型のSi基板1は、RCA洗浄後、希フッ酸
での水素終端処理を施し、Arガスを用いた通常のマグ
ネトロンスパッタ装置を用いて、基板温度を常温、スパ
ッタ圧力を5mmTorr、FeターゲットのRFパワ
ーを200W、Ar流量を25SCCMに設定しSi基
板1上に、Feを約3nm/分のデポレートで60nm
の厚さに堆積させ、Fe層47を形成する。なお、基板
温度はFeとSiの反応が生じない250℃以下が適当
である。
【0107】次に、図11(b)に示すように、(10
0)面のp型のSi基板48を、H 22−H2SO4溶液
等に浸透させて親水処理を施した後、n型のSi基板1
上のFe層47を間に挟むように重ねて張り合わせて密
着させる。
【0108】次に、図11(c)に示すように、電気炉
を用いて、700℃の温度で1時間H2ガス雰囲気で熱
処理を施す。この熱処理により、Fe原子が雰囲気ガス
に反応することなく両方のSi基板に拡散して固相反応
が生じ、β−FeSi2のエピタキシャル層17が両側
のSi層に埋め込まれる形で形成され、2つの基板がボ
ンディングされる。
【0109】このあと、図11(d)に示すようにp型
のSi基板48を研磨して、所望の厚さにする。これに
より、半導体装置を形成することができるp−Si/β
−FeSi2/n−Siのダブルヘテロ構造を形成する
ことができる。
【0110】上記の説明では、熱処理でH2ガス雰囲気
を用いた場合について説明したが、窒素(N2)ガスや
Arガスを用いても同様の効果が得られる。また、Si
基板の親水処理については、n型のSi基板1でも良
く、少なくともどちらか一方について行えばよい。
【0111】また、Arガスを用いた通常のマグネトロ
ンスパッタ法を用いてFeを堆積する方法について説明
したが、DCスパッタ、2極スパッタ、イオンビームス
パッタ等の他のスパッタ方法や電子ビーム蒸着法、第1
の実施の形態で示したXeガス、Krガスを用いるスパ
ッタ法を用いても同様の効果が得られる。
【0112】また、第6から第8の実施の形態で示した
ように、(100)面のn型のSi基板1または(10
0)面のp型のSi基板48に、Feを堆積する前に予
めFe、Si、またはNe、Ar、Kr、Xe等の希ガ
ス、あるいはn型不純物となるCo、Ni、Pd、また
はp型不純物となるMn、Cr、Mo等をイオン注入し
ても前述した同様の効果がある。
【0113】
【発明の効果】本発明は、加熱したSi基板上にFeを
堆積するのに、KrガスまたはXeガスを使用したスパ
ッタ法を用いることにより、また負イオンの状態にして
Feを堆積することにより、またH、Ne、Ar、K
r、Xe等の希ガスのラジカルイオンをSi基板上に照
射しながらFeを堆積することにより、また予めSi基
板にFe、Si、またはNe、Ar、Kr、Xe等の希
ガスをイオン注入しておいてからFeを堆積することに
より、Si基板表面のSi−Si結合の解離が効率的に
進み、堆積されるFeとSiとの反応が促進され、高品
質のβ−FeSi2のエピタキシャル層が形成されると
いうすぐれた効果を有する薄膜の形成方法を提供するこ
とができるものである。
【0114】また、n型の不純物となるCo、Ni、P
t、Pd、またp型の不純物となるMn、Cr、Mo等
を予めイオン注入したSi基板を加熱して、Feを堆積
することにより、これらの注入不純物がFe原子と置換
し、制御性良くn型またはp型にドーピングした高品質
なβ−FeSi2のエピタキシャル層を形成することが
できる効果も有する。
【0115】さらには、Feを堆積したSi基板を他の
Si基板と重ねて熱処理することにより、Feは両側の
Si基板と固相反応を生じ、β−FeSi2のエピタキ
シャル層が両側のSi層に埋め込まれる形で、2つの基
板がボンディングされ、Si/β−FeSi2/Siの
ダブルヘテロ構造を形成することができるいう効果も有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるβ−FeSi
2膜の形成方法を示す装置の概略図と基板の断面図
【図2】本発明の形成方法により形成されたβ−FeS
2膜のX線回折図
【図3】本発明の第2の実施形態におけるβ−FeSi
2膜の形成方法を示す基板の断面図
【図4】本発明の第3の実施形態におけるβ−FeSi
2膜の形成方法を示す装置の概略図と基板の断面図
【図5】図4に示したRFプラズマスパッタ型負重イオ
ン源の構造断面図
【図6】本発明の第4の実施形態におけるβ−FeSi
2膜の形成方法を示す装置の概略図と基板の断面図
【図7】本発明の第5の実施形態におけるβ−FeSi
2膜の形成方法を示す基板の断面図
【図8】本発明の第6の実施形態におけるβ−FeSi
2膜の形成方法を示す基板の断面図
【図9】本発明の第7の実施形態におけるβ−FeSi
2膜の形成方法を示す基板の断面図
【図10】本発明の第8の実施形態におけるβ−FeS
2膜の形成方法を示す基板の断面図
【図11】本発明の第9の実施形態におけるβ−FeS
2膜の形成方法を示す基板の断面図
【符号の説明】
1 Si基板 2、18、31 真空チャンバー 3、19、32 基板ホルダー 4、20、33 ヒーター 5、21、34 排気口 6、7 カソード 8、26 Feターゲット 9 Siターゲット 10、11、23、38 RF電源 12、13、24、39 マッチングボックス 14 ガス供給口 15、40 マスフローコントローラー 16 Xeガス 17 β−FeSi2層 22 RFプラズマスパッタ型負重イオン源 25 Cs蒸気 27 Xeガス 28 引出電極 29 高周波コイル 30 磁石 35 FeのEガン 36 SiのEガン 37 RFラジカルイオン源 41 H2ガス 42 Hラジカルイオン 43 Fe注入層 44 Ar注入層 45 Co注入層 46 n型のβ−FeSi2層 47 Fe層 48 p型のSi基板

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱したシリコン基板上に、クリプトン
    ガスまたはキセノンガスを使用したスパッタ法を用いて
    鉄を堆積して、前記シリコン基板のシリコンとの反応に
    より前記シリコン基板上にベータ鉄シリサイド層を形成
    することを特徴とする薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 加熱したシリコン基板上に、クリプトン
    ガスまたはキセノンガスを使用したスパッタ法を用い
    て、鉄とシリコンとを同時に、または交互に堆積して、
    前記シリコン基板上にベータ鉄シリサイド層を形成する
    ことを特徴とする薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 加熱したシリコン基板上に、鉄を負イオ
    ンの状態で堆積し、前記シリコン基板のシリコンとの反
    応により、前記シリコン基板上にベータ鉄シリサイド層
    を形成することを特徴とする薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 加熱したシリコン基板上に、鉄を堆積し
    て前記シリコン基板のシリコンとの反応により、前記シ
    リコン基板上にベータ鉄シリサイド層を形成する工程に
    おいて、前記シリコン基板上に水素または希ガスのラジ
    カルイオンを、鉄の堆積と同時にあるいは交互に照射す
    る工程を含むことを特徴とする薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 加熱したシリコン基板上に、鉄とシリコ
    ンを同時に堆積して、前記シリコン基板上にベータ鉄シ
    リサイド層を形成する工程において、水素または希ガス
    のラジカルイオンを、鉄およびシリコンの堆積と同時に
    あるいは交互に照射することを特徴とする薄膜の形成方
    法。
  6. 【請求項6】 希ガスが、ネオン、アルゴン、クリプト
    ン、キセノンのいずれかの成分を含むことを特徴とする
    請求項4または5に記載の薄膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 鉄を負イオンの状態で堆積することを特
    徴とする請求項4または5記載の薄膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 シリコン基板を400〜700℃の範囲
    で加熱することを特徴とする請求項1ないし5のいずれ
    かに記載の薄膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 シリコン基板表面に鉄またはシリコンを
    イオン注入した後、前記シリコン基板を加熱しながら鉄
    を堆積して、前記シリコン基板のシリコンとの反応によ
    り、ベータ鉄シリサイド層を形成することを特徴とする
    薄膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 シリコン基板表面に希ガスをイオン注
    入した後、前記シリコン基板を加熱しながら鉄を堆積し
    て前記シリコン基板のシリコンとの反応により、ベータ
    鉄シリサイド層を形成することを特徴とする薄膜の形成
    方法。
  11. 【請求項11】 希ガスが、ネオン、アルゴン、クリプ
    トン、キセノンのいずれかの成分を含むことを特徴とす
    る請求項10記載の薄膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 シリコン基板表面にn型またはp型と
    なるドーピング不純物をイオン注入した後、前記シリコ
    ン基板を加熱しながら鉄を堆積して前記シリコン基板の
    シリコンとの反応により、n型またはp型のベータ鉄シ
    リサイド層を形成することを特徴とする薄膜の形成方
    法。
  13. 【請求項13】 n型となるドーピング不純物として、
    コバルト、ニッケル、白金、パラジウムのいずれかを、
    p型となるドーピング不純物としてマンガン、クロム、
    モリブデンのいずれかをイオン注入することを特徴とす
    る請求項12記載の薄膜の形成方法。
  14. 【請求項14】 イオン注入のドーズ量が、5×1012
    cm-2から1×1015cm-2の範囲であることを特徴と
    する請求項9、10または12のいずれかに記載の薄膜
    の形成方法。
  15. 【請求項15】 イオン注入の深さ方向の範囲がシリコ
    ン基板表面から堆積する鉄の膜厚の3.2倍以内の範囲
    であることを特徴とする請求項9、10または12に記
    載の薄膜の形成方法。
  16. 【請求項16】 鉄を負イオンの状態で堆積することを
    特徴とする請求項9、10または12に記載の薄膜の形
    成方法。
  17. 【請求項17】 クリプトンガスまたはキセノンガスを
    使用したスパッタ法を用いて鉄を堆積することを特徴と
    する請求項9、10または12に記載の薄膜の形成方
    法。
  18. 【請求項18】 第1のシリコン基板の表面に鉄を堆積
    して鉄堆積層を形成した後、前記第1のシリコン基板の
    表面側に第2のシリコン基板を重ね合わせて熱処理し、
    ベータ鉄シリサイド層を前記第1のシリコン基板と前記
    第2のシリコン基板の間に埋め込み形成することを特徴
    とする薄膜の形成方法。
  19. 【請求項19】 第1のシリコン基板と第2のシリコン
    基板の少なくとも一方のシリコン基板を親水処理して重
    ね合わせることを特徴とする請求項18記載の薄膜の形
    成方法。
  20. 【請求項20】 重ね合わせた第1のシリコン基板と第
    2のシリコン基板を、水素ガス、窒素ガスまたはアルゴ
    ンガスを含む雰囲気中で熱処理することを特徴とする請
    求項18記載の薄膜の形成方法。
  21. 【請求項21】 第1のシリコン基板と第2のシリコン
    基板の少なくともいずれか一方の基板表面に、鉄を堆積
    する前に、予め鉄またはシリコンをイオン注入すること
    を特徴とする請求項18に記載の薄膜の形成方法。
  22. 【請求項22】 第1のシリコン基板と第2のシリコン
    基板の少なくともいずれか一方の基板表面に、鉄を堆積
    する前に、予めネオン、アルゴン、クリプトンまたはキ
    セノンの希ガスをイオン注入することを特徴とする請求
    項18に記載の薄膜の形成方法。
  23. 【請求項23】 第1のシリコン基板と第2のシリコン
    基板の少なくともいずれか一方の基板表面に、鉄を堆積
    する前に、予めn型またはp型となるドーピング不純物
    をイオン注入することを特徴とする請求項18に記載の
    薄膜の形成方法。
  24. 【請求項24】 n型となるドーピング不純物として、
    コバルト、ニッケル、白金、パラジウムのいずれかを、
    p型となるドーピング不純物としてマンガン、クロム、
    モリブデンのいずれかをイオン注入することを特徴とす
    る請求項23記載の薄膜の形成方法。
  25. 【請求項25】 イオン注入のドーズ量が、5×1012
    cm-2から1×1015cm-2の範囲であることを特徴と
    する請求項21ないし24のいずれかに記載の薄膜の形
    成方法。
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