JP2001244153A - アルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法 - Google Patents
アルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法Info
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Abstract
おいて、アルミニウム箔と陰極板の間に流れる電解電流
密度を均一にすることにより実効表面積の拡大を高めた
アルミニウム箔が得られるアルミ電解コンデンサ用電極
箔の製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 アルミニウム箔1が電流供給ローラ5
a,5bを介して電解液3中の各一対の陰極板2a,2
bの間を通過することによりエッチングされるアルミ電
解コンデンサ用電極箔の製造方法において、アルミニウ
ム箔1と対向する陰極板2a,2bの間に流れる直流電
流を、電気絶縁材4a,4bで部分的に遮断してエッチ
ングをするようにした製造方法により、電解液3中の電
解電流密度が均一になり、実効表面積の拡大を高めたア
ルミ電解コンデンサ用電極箔を得ることができる。
Description
サに用いられる電極箔の製造方法に関するもので、特に
中高圧用アルミ電解コンデンサの陽極用に使用されるア
ルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法に関するもので
ある。
伴い、アルミ電解コンデンサに対するユーザからのニー
ズも小型化が強く要望されており、そのためにアルミ電
解コンデンサの陽極用の電極箔も従来以上に単位面積当
たりの静電容量を高める必要が生じている。
ニウム箔をエッチングして実効表面積を拡大した表面に
陽極酸化により誘電体酸化皮膜を形成した陽極用の電極
箔と、アルミニウム箔をエッチングによって実効表面積
を拡大した陰極箔を用いて、上記陽極用の電極箔と陰極
箔の間にセパレータを介して巻回することによりコンデ
ンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に駆動用電解液
を含浸させると共に、このコンデンサ素子を金属ケース
内に封止した構成になっている。
ミニウム箔を硫酸、硝酸、燐酸、蓚酸などの酸を添加し
た塩化物水溶液中で電気化学的に行われているが、中高
圧用に使用される陽極用の電極箔のエッチングは、基本
的にはエッチングピット(以下、ピットと称す)を生成
させる前段エッチング工程と、このピットを使用電圧に
適した径まで拡大する後段エッチング工程とからなり、
いかに数多くのピットを生成させて効率よくピットの径
を拡大させるかが重要なポイントとなっている。
ッチング工程は、図8に示すようなエッチング槽を複数
槽用いてアルミニウム箔を連続的にエッチングしてい
る。
箔、82a,82bはアルミニウム箔81に対向して配
置された各一対の陰極板、83はエッチングするための
電解液、84a,84bはアルミニウム箔81に給電す
る電流供給ローラ、85はエッチング槽内に配置された
槽内ローラ、86は電解液の液面、→はアルミニウム箔
81の流れる方向を示す。
1のエッチングは、アルミニウム箔81が電流供給ロー
ラ84aを介して電解液83中に入り、電解液83中で
アルミニウム箔81と対向した一対の陰極板82aの間
でエッチングされ、さらにアルミニウム箔81が槽内ロ
ーラ85を通過して再度電流供給ローラ84bからアル
ミニウム箔81に給電され、アルミニウム箔81と対向
した一対の陰極板82bの間でエッチングされることに
より、エッチングされたアルミニウム箔81を連続して
得ることができるものであった。
の方法では、前段エッチング工程及び後段エッチング工
程に上記エッチング槽を用いると、電解液83中の電解
電流密度は電解液83の液面86近傍で高く、電解液8
3の液面86から深くなるにつれて低くなるという現象
が発生するものであった。
a,84bからアルミニウム箔81に供給されるために
アルミニウム箔81の体積固有抵抗による直流電流の損
失によるものと、アルミニウム箔81は電解液83の液
面86から深くなるにつれて実効表面積が拡大して増え
ていき、アルミニウム箔81の単位面積当たりの電流量
が小さくなるからである。
電流密度が高い所ではピットの長さは短くなり、電解電
流密度が低い所ではピットの長さは長くなってしまい、
発生するピットの長さが不均一となり、アルミニウム箔
81の実効表面積の拡大を高めることができにくいとい
う課題を有していた。
3の液面86近傍でしかピットの径の拡大が行われず、
エッチング効率が悪いという課題を有していた。
極板82a,82bの距離を電解液83の液面86近傍
で長くし、電解液83の液面86から深いところで短く
するなどの方法が考えられるが、エッチング槽の構造が
煩雑になって大きくなるので、実際は電解液83中の伝
導度と電解電流密度の最適化を図ってエッチングしてい
るのが実態である。
もので、エッチングするときの電解電流密度を均一にし
てエッチング効率を高め、アルミニウム箔の実効表面積
の拡大を高めることができるアルミ電解コンデンサ用電
極箔の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
に本発明は、アルミニウム箔が電流供給ローラを介して
電解液中の一対の陰極板の間を通過することによりエッ
チングされるアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法
において、アルミニウム箔と対向する陰極板の間に流れ
る直流電流を電気絶縁材で部分的に遮断してエッチング
するようにした製造方法としたもので、この方法によ
り、電解液中の電解電流密度を均一にすることができる
ので、アルミニウム箔に形成されるピットの長さが均一
になり、また、エッチング効率も高めることができるの
で、実効表面積の拡大を高めたアルミ電解コンデンサ用
の電極箔を得ることができる。
が複数の孔または複数のスリットの開口部を設けるよう
にした方法としたもので、電解液中の電解電流密度をよ
り均一にすることができる。
液の液面から深くなるにつれてスリットの開口部を広く
し、かつスリットの間隔を狭くなるようにするか、また
は上記複数の孔の開口部が電解液の液面から深くなるに
つれて、孔の開口部の面積を大きくなるようにした方法
により、電解液中での電解電流密度を制御することがで
きることから、電解電流密度を精度良く均一にすること
ができる。
対向する陰極板の表面に被覆したものか、または陰極板
の表面に電気絶縁材を設置するようにした方法により、
効率的にアルミニウム箔をエッチングすることができ、
電流ロスを少なくすることができる。
された電気絶縁材が、アルミニウム箔との間隔を電解液
に浸漬される陰極板の長さを3%以上とする方法によ
り、アルミニウム箔と電気絶縁材の間の電解電流密度を
より均一にすることができるので、アルミニウム箔を連
続して均一にエッチングすることができる。
はスリットの開口部の電解電流密度が過剰に高くなり、
ピットの長さが不均一となりアルミニウム箔の実効表面
積の拡大を高めることができない。
施の形態によるアルミニウム箔のエッチング工程を示す
フローチャートである。同図において、まず、弁作用を
有するアルミニウム箔は、厚さ50〜110μmのもの
を用い必要に応じて前処理を行う。この前処理は、前段
エッチングの前に前処理工程を行うことにより前段エッ
チングでのピットの密度をより高めることができるもの
で、一般的な金属の前処理に用いられている酸洗浄やア
ルカリ洗浄などを使用することができる。
ム箔の表面を如何に密度を高めて均一にピットを生成さ
せるかが重要となる。このためには、図2に示すエッチ
ング槽を2槽〜3槽用いてアルミニウム箔を連続的にエ
ッチングをする。同図において、1はアルミニウム箔、
2a,2bはアルミニウム箔1に対向して配置された各
一対の陰極板、3はエッチングするための電解液、4
a,4bはアルミニウム箔1と陰極板2a,2bに流れ
る直流電流を部分的に遮断する電気絶縁材、5a,5b
はアルミニウム箔1に給電する電流供給ローラ、6a,
6bはエッチング槽7内に配置された槽内ローラ、8は
電解液3の液面であり、→はアルミニウム箔1の流れる
方向を示す。
1のエッチングは、まずアルミニウム箔1が電流供給ロ
ーラ5aを介して電解液3中に入り、電解液3中でアル
ミニウム箔1と対向した一対の陰極板2aの間でエッチ
ングされる。次にアルミニウム箔1が槽内ローラ6a,
6bを通過して、再度電流供給ローラ5bからアルミニ
ウム箔1に通電されて、アルミニウム箔1と対向した一
対の陰極板4bの間でエッチングされることにより、実
効表面積の拡大を高めたアルミニウム箔1を連続的に得
ることができる。
な構成のものを用いる。同図において、21は陰極板で
あり、電解液3の液面24から下部を部分的にスリット
23を設けるように電気絶縁材22で被覆してある。こ
の電気絶縁材22で被覆するときに、電解液3の液面2
4から深くなるにつれてスリット23の開口部を広く
し、かつスリット23の開口部の間隔を狭くなるように
する。このことにより、電解液3の液面24から下部ま
での電解電流密度を均一にすることができる。
縁材4a,4bの別の方法としては、図4に示すように
電解液3の液面33から深くなるにつれてスリット32
の開口部を広くし、かつスリット32の開口部の間隔を
狭くした電気絶縁材31の板を、アルミニウム箔1と対
向した一対の陰極板2a,2bの表面に設置した方法に
することもできる。
は、図5に示すように電解液3の液面43から深くなる
につれて複数の孔42の面積を大きくなるようにした電
気絶縁材41の板を、アルミニウム箔1と対向した一対
の陰極板2a,2bの表面に設置した方法にすることも
できる。このときの孔42の形状は円形、楕円、四角形
および長方形ならびに多角形にすることができる。
箔1との距離は、電解液3に浸漬される陰極板2a,2
bの長さの3%以上とする。電解液3に浸漬される陰極
板2a,2bの長さは通常100〜200cmの範囲で
あるが、例えば電解液3に浸漬される陰極板2a,2b
の長さを150cmとするとアルミニウム箔1と電気絶
縁材4a,4bの距離は4.5cm以上とする。このこ
とにより、アルミニウム箔1と電気絶縁材4a,4bの
間の電解電流密度を均一にすることができ、連続してア
ルミニウム箔1を均一にエッチングすることができる。
解液3は、塩酸水溶液またはその水溶液に蓚酸、硫酸、
リン酸、硼酸からなる酸またはその塩の少なくとも1つ
を添加した酸性水溶液を用いることができる。この酸性
水溶液の酸濃度は2〜15%の範囲が好ましく、酸濃度
が2%以下では十分なピットを得ることができず、15
%以上ではアルミニウム箔1の表面の溶解が起きてしま
う。
ルミニウム箔1は、ピットの長さを均一にすることがで
き、ピット密度も高めることができる。
ング工程でできたピットをアルミニウム箔1の表面の溶
解を抑えてピットの径拡大を行うもので、効率よく均一
にピット径の拡大をするかがポイントとなる。
箔2a,2bの間の電解電流密度は均一にしなければな
らず、上記エッチング槽7を用いることにより効率よく
均一にピット径の拡大をすることができる。
解液は硫酸、硝酸のいずれかに蓚酸、燐酸、クロム酸、
酢酸、リン酸、クエン酸、硼酸の少なくとも1つ以上を
添加した酸性水溶液が好ましく、この酸性水溶液中でエ
ッチングすることにより、アルミニウム箔1中の不純物
や粒界の影響による表面溶解を抑えてピット径の拡大と
均一化を図ることができる。
アルミニウム箔1とする。
0μmのアルミニウム箔を0.5%NaOH水溶液に1
分間浸漬して前処理を行った。
たエッチング槽を2槽用い、また陰極板として図3に示
した構造(大きさ:厚さ5cm、幅50cm、電解液に
浸漬される長さ140cm、アルミニウム箔と電気絶縁
材の距離4.2cm)のものを使用して、10%塩酸溶
液に1%硫酸を添加した85℃の電解液で電解電流密度
が0.15A/cm2になるように電気給電ローラに直
流電流を給電して、1槽当たり100秒間エッチングを
行い、その後水洗をした。
チングで用いたエッチング槽を4槽用いて、5%硫酸溶
液に0.5%硼酸を添加した50℃の電解液で電解電流
密度が0.1A/cm2になるように電気給電ローラに
直流電流を給電して、1槽当たり100秒間エッチング
を行い、その後水洗をして、最後に脱C1処理してエッ
チングされたアルミニウム箔を作製した。
エッチング工程及び後段エッチング工程で用いた陰極板
を、図4で示すようなスリットを設けたFRPの電気絶
縁材の板を陰極板表面に設置して、アルミニウム箔に対
向しない陰極板の全面をFRPで被覆した以外は実施例
1と同様にしてエッチングされたアルミニウム箔を作製
した。
エッチング工程及び後段エッチング工程で用いた陰極板
を、図5で示すような複数の孔を設けたFRPの電気絶
縁材の板を陰極板の表面に設置して、アルミニウム箔に
対向しない陰極板の全面をFRPで被覆した以外は実施
例1と同様にしてエッチングされたアルミニウム箔を作
製した。
板に被覆した電気絶縁材とアルミニウム箔の距離を5.
6cmにした以外は実施例1と同様にしてエッチングさ
れたアルミニウム箔を作製した。
板に被覆した電気絶縁材とアルミニウム箔の距離を3.
9cmにした以外は実施例1と同様にしてエッチングさ
れたアルミニウム箔を作製した。
絶縁材を被覆しない陰極板(大きさ:厚さ5cm、幅5
0cm、電解液に浸漬される長さ140cm、アルミニ
ウム箔と陰極板の距離4.2cm)を用いた以外は実施
例1と同様にしてエッチングされたアルミニウム箔を作
製した。
エッチングをしたときのアルミニウム箔と電気絶縁材の
間及びアルミニウム箔と陰極板の間の電解電流密度を測
定した結果を図6及び図7に示す。
気絶縁材で部分的に遮断することにより、アルミニウム
箔と対向する陰極板の間に流れる直流電流の電解電流密
度を均一にすることができる。
ングされたアルミニウム箔を、温度が90℃の8%ホウ
酸水溶液中で500Vの印加電圧で化成した後、各試料
について静電容量と折曲げ強度(φ1.0mm、50g
荷重、折曲げ角度90度の条件下で1往復を1回とす
る)を測定した。その結果を(表1)に示す。
施例1〜3のエッチングされたアルミニウム箔は、比較
例に比べて、電解液の液面近傍と液面から深くなる所の
電解電流密度を均一にすることにより静電容量が高くな
り、機械的強度も比較例と同等のものを得ることができ
る。
グされたアルミニウム箔は、アルミニウム箔と電気絶縁
材の距離を変えたものであるが、実施例4のように電解
液に浸漬される陰極板の長さの3%以上にすることによ
り、陽極用の電極箔の静電容量を比較例に比べて10%
以上高めることができる。一方、実施例5はアルミニウ
ム箔と電気絶縁材の距離を電解液に浸漬される陰極板の
長さの2.8%にしたもので、静電容量は比較例に比べ
て3.5%程度アップしているが、実際に生産した場合
は3.5%程度のばらつきを有することから、アルミニ
ウム箔と電気絶縁材の距離は、電解液に浸漬される陰極
板の長さの3%以上にすることが好ましい。
が電流供給ローラを介して電解液中の一対の陰極板の間
を通過することによりエッチングされるアルミ電解コン
デンサ用電極箔の製造方法において、アルミニウム箔と
対向する陰極板の間に流れる直流電流を、電気絶縁材で
部分的に遮断してエッチングするようにした製造方法に
より、電解液中の電解電流密度を均一にすることができ
るので、アルミニウム箔に形成されるピットの長さが均
一になり、また、エッチング効率も高めることができる
ので、実効表面積の拡大を高めたアルミ電解コンデンサ
用電極箔を得ることができるものである。
ッチング工程を示すフローチャート
断面図
視図
す斜視図
と電気絶縁材の間の電解電流密度を示す特性図
電気絶縁材の間の電解電流密度を示す特性図
Claims (7)
- 【請求項1】 アルミニウム箔が電流供給ローラを介し
て電解液中の一対の陰極板の間を通過することによりエ
ッチングされるアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方
法において、アルミニウム箔と対向する陰極板の間に流
れる直流電流を電気絶縁材で部分的に遮断してエッチン
グするようにしたアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造
方法。 - 【請求項2】 電気絶縁材が複数の孔または複数のスリ
ットの開口部を設けたものである請求項1に記載のアル
ミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法。 - 【請求項3】 複数のスリットの開口部が電解液の液面
から深くなるにつれてスリットの開口部を広くし、かつ
スリットの間隔を狭くなるようにした請求項2に記載の
アルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法。 - 【請求項4】 複数の孔の開口部が電解液の液面から深
くなるにつれて、孔の開口部の面積を大きくなるように
した請求項2に記載のアルミ電解コンデンサ用電極箔の
製造方法。 - 【請求項5】 電気絶縁材がアルミニウム箔と対向する
陰極板の表面に被覆したものである請求項1に記載のア
ルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法。 - 【請求項6】 電気絶縁材がアルミニウム箔と対向する
陰極板の表面に設置するようにしたものである請求項1
に記載のアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法。 - 【請求項7】 陰極板の表面に被覆または設置された電
気絶縁材のアルミニウム箔との間隔を、電解液に浸漬さ
れる陰極板の長さの3%以上とする請求項5または6に
記載のアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
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