JP2005264288A - アルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法とそのエッチング箔及びその化成箔 - Google Patents

アルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法とそのエッチング箔及びその化成箔 Download PDF

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Abstract

【課題】ピット密度の向上とピット長の均一化により、電極箔の静電容量を向上させ、高電圧に適したアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】アルミニウム箔にピットを生成させる前段エッチング工程と、このピットを拡大する後段エッチング工程とを備え、前段エッチング工程を2段階以上の電流印加に分け、それぞれの電流印加は、エッチング処理の始めの電流密度を最大値とし、そこから電流密度を低下させるときに、その傾きの絶対値を小さくし、前段エッチング工程よりも後段エッチング工程でアルミニウム箔に印加する電気量を大きくしたアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明はアルミ電解コンデンサに用いられる陽極箔に関するもので、特に500V以上の高圧用アルミ電解コンデンサの陽極箔とされるエッチング箔の製造方法とそのエッチング箔及びその化成箔に関するものである。
近年、電子機器の小型化、高信頼性化に伴い、アルミ電解コンデンサに対するユーザーからのニーズも小型化が強く要望されており、そのためにアルミ電解コンデンサに用いられる電極箔も従来以上に単位面積当たりの静電容量を高める必要が生じている。また、産業機器、電源等に用いられるコンデンサとして、500V以上の高電圧においても高い静電容量が求められてきている。
一般的なアルミ電解コンデンサは、アルミニウム箔をエッチング処理によって実効表面積を拡大させた表面に陽極酸化により誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔とアルミニウム箔をエッチング処理によって実効表面積を拡大させた陰極箔とをセパレータを介して巻回することによりコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸させるとともに、このコンデンサ素子を金属ケース内に封止することにより構成されている。
この種のアルミ電解コンデンサにおいて、その静電容量を高める或いは小形化を図るには、陽極箔の実効表面積を拡大し単位面積当たりの静電容量を高めることが必要不可欠になっており、陽極箔の実効表面積を拡大させるエッチング技術の開発が盛んに行われ、また、高電圧で高容量の化成箔を得るために化成技術の開発も行われている。
なお、エッチング処理して実効表面積を拡大されたものをエッチング箔とし、そのエッチング箔に化成処理されたものを化成箔とし、この化成箔をアルミ電解コンデンサに使用されるときに陽極箔とされている。
前記エッチング箔のエッチング処理方法は、硫酸、硝酸、燐酸、蓚酸などの皮膜を形成する酸を添加した塩酸水溶液中で化学的あるいは電気化学的に行われているが、特に中高圧用に使用されるエッチング箔のエッチング処理方法は、基本的にはトンネル状のピット(以下、単にピットと称す)を生成させる前段エッチング工程と、このピットをアルミ電解コンデンサの使用電圧に適した径まで拡大する後段エッチング工程とからなる方法で、いかに数多くのピットを生成させて、そのピットを効率よく拡大させるかが重要なポイントとなっている。
前記前段エッチング工程は直流エッチングにより行われ、その電流は図7(a)(b)(c)に示すような電流波形を印加することにより、アルミニウム箔の表面から垂直に伸びたピットを無数に形成するようにしている。
その後、後段エッチング工程で前記前段エッチング工程で形成されたピットを所定の径まで拡大しエッチング箔を得ることができる。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、2が知られている。
特開平9−148200号公報 特開2000−282299号公報
しかしながら、前記前段エッチング工程においては、ピット長さにばらつきのある形状を有している。これは、アルミニウム箔に一定電流で所定時間印加(図7(a)参照)していることから、アルミニウム箔の表面に次々とピットが形成されて成長し、電流が印加されなくなるとその時点でピットの形成及び成長は止まってしまう。
つまり、電流波形を印加して最初に形成されるピットは所定のピット成長をすることができるが、電流波形の終了付近で形成されたピットは、最初に発生したピットと比較して電流印加の時間が短いのでピット径も細く、長さも短くなってしまう。さらに電流印加のオン−オフを数回繰り返し行うことから、最終的にできたピットは長さが不均一となり、結果として静電容量の向上に結びつかないという課題を有している。
また、ピット長さ及びピット径が適当でないと、静電容量が向上したとしても、エッチング箔の機械的強度が低下して、実際に陽極箔を工業的にアルミ電解コンデンサに使用することが困難になる。また、エッチング箔の機械的強度が極端に低下すると、次工程である化成処理工程でエッチング箔が切れて化成箔の製造が困難になる。
この対策として、前記特許文献1に記載の技術は、電解電流密度を最大値から漸次減少させる方法(図7(b)(c)参照)により、経時的な未エッチド部に対する電解電流密度をほぼ一定に保つことができるので、エッチング表面の脱落を防止して、静電容量を高めることができるとされているが、アルミニウム箔の断面を観察するとピットの長さにばらつきがあり、期待するほどの静電容量を得ることができない。これは、電流密度を漸次減少させたとしても、その減少した電流密度によりピット形成と成長が進行しているためと考えられる。
また、500V以上の高い化成電圧になると化成皮膜の厚さが厚くなるため、ピット径を大きくする必要がある。また、いたずらにピット径を大きくするとピット同士が重なり合う確立が高くなるため、ピットの分散性も従来以上のものが必要となる。さらに高い化成電圧になると化成皮膜の量が多くなるため、機械的強度がばらつきやすくなり強度が低下する傾向にある。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、ピット密度の向上とピット長さを均一化するエッチング箔の製造方法と、そのエッチング箔を500V以上の高い化成電圧で化成処理して静電容量及び機械的強度の高いアルミ電解コンデンサ用化成箔を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前段エッチング工程におけるピットが先細りしていることから、ピットの成長時に消費される電流量の経時変化率に着目し、そのピットの成長に必要な電流を最適に印加して、その電流印加を複数回繰り返し、前段エッチング工程で発生したピットの径を後段エッチング工程で拡大する際に、それぞれの工程で印加する電気量、アルミニウムの溶解量の比を適正な値にすることにより、高電圧においてもエッチング箔の静電容量を向上できることを発現した。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明は、アルミニウム箔に直流電流を印加してピットを生成させる前段エッチング工程と、ピットを拡大する後段エッチング工程とを備えたアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法であって、前段エッチング工程を第1の電流印加と第2の電流印加とを含む2段階以上の電流印加に分けて行い、第1の電流印加と第2の電流印加は、エッチング処理の始めの電流密度を最大値とし、そこから最大値の25%以下まで電流密度を低下させるときに、その傾きの絶対値を徐々に小さくなるように印加し、かつ前段エッチング工程でアルミニウム箔に印加する電気量よりも後段エッチング工程でアルミニウム箔に印加する電気量を大きくするようにしたアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法である。
この方法により、アルミニウム箔の表面に適度の密度で分散性の高いピットを形成し、このピットを最低限必要な電流量で成長させてピット長さを均一に形成することができ、また、この電流波形を複数回繰り返し印加することにより、1回の電流印加で発生するジュール熱・反応熱を抑制し、発熱によるピット生成のばらつきを低減することができるので、ピット密度を高めて、その静電容量を高めることができるという作用を有する。
特に、前段エッチング工程でアルミニウム箔に印加する電気量よりも後段エッチング工程でアルミニウム箔に印加する電気量を大きくすることにより、500V以上の高圧用の化成に用いるエッチング箔の場合において電極箔の静電容量を高くすることができる。
また、従来にない方法で分散性の高いピットを形成し、さらにこれにピット径を拡大することから、500V以上の化成電圧に用いるエッチング箔として用いた場合に静電容量を高くすることができるだけでなく、次工程である化成工程において少ない電力(電気量)でこのエッチング箔を化成することができる。さらに高い化成電圧である600V以上においてはその効果はさらに顕著となる。
従来の方法でピット形成をしてピット径を拡大するだけでは、ピットの分散性が不充分であるため、ピットとピットの間隔のばらつきが大きく、ピット径を拡大しても高い電圧においては静電容量の向上に限界があった。ここに本発明の大きな技術的な飛躍があったものである。
なお、電流印加の電流密度の最大値から、その最大値の25%以下まで低下させるとするものであるが、好ましくは1〜25%の範囲であり、1%未満にするとピット成長速度が遅くなり、化学溶解(表面溶解)が生じてしまい、静電容量が低下する。また、25%を超えると無駄なピットが生成され、ピット長さも不均一になる。
また、前記傾きの絶対値は、縦軸を電流密度A(A/cm2)とし、横軸を時間t(秒)とした場合に、印加した電流密度曲線の接線の傾き(dA/dt)の値とするものであり、この値を徐々に小さくすることにより、最初の電流印加で形成したピットを最低限必要な電流量で成長させてピット長さを均一に形成することができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、第1の電流印加及び第2の電流印加において、それぞれのエッチングの最後に最大電流値の25%以下の電流値で一定時間エッチングしたアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法であり、さらにピットの長さを制御することができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、前段エッチング工程の電気量に対して後段エッチング工程の電気量が1.2〜2.2倍の範囲であるアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法であり、前段エッチング工程でピットの分散性を高めた後に、そのピットの径を適正に拡大することにより、さらに静電容量を高め、高電圧で化成するために適したエッチング箔とすることができる。
本発明の請求項4に記載の発明は、前段エッチング工程でのアルミニウムの溶解量に対して後段エッチング工程でのアルミニウムの溶解量を1.3〜3倍の範囲にしたアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法である。
本発明の請求項5に記載の発明は、第1の電流印加の電流密度の最大値よりも第2の電流印加の電流密度の最大値を高くした請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法であり、第1の電流印加によって生じたピットの成長を促進して、かつ第2の電流印加によるピットの生成の効率を高めることができるという作用を有する。
請求項6に記載の発明は、第2の電流印加以降の電流印加の電流密度の最大値を後段になるほど高くしたアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法である。
請求項7に記載の発明は、第2の電流印加以降の電流印加において、その連続する2つの電流印加の電流密度の最大値の差を0.1〜0.4A/cm2の範囲にしたアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法であり、請求項5に記載の発明の作用及び効果をさらに高めることができる。
なお、第2の電流印加以降の電流印加を、その電流印加とその前段階の電流印加との電流密度の最大値の差が0.1〜0.4A/cm2の範囲から外れるとピット密度が不充分だったり、過剰のピットが形成されたりして、目的とする適正のピット密度を得ることができない。
請求項8に記載の発明は、第1の電流印加の電流密度の最大値を0.7〜2.4A/cm2の範囲にしたアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法である。
なお、エッチング処理の始めの最大値の電流密度が0.7A/cm2未満では、始めの電流印加でできるピットが不充分であり、電流密度が2.4A/cm2を超えると、ピットの数が過剰になりピットとピットが重なりつぶれてしまうので高い静電容量とならない。
本発明の請求項9に記載の発明は、電流印加における電流密度の最大値から、その最大値の25%以下まで低下させるときに、その最初の傾きの絶対値を0.5以上にしたアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法である。なお、ピット密度を最適に形成させるためには、傾きの絶対値を0.5以上で、3.0以下が好ましい範囲である。
本発明の請求項10に記載の発明は、電流印加における電流密度の最大値から、その最大値の25%以下まで低下させるときに、最大値から6.5秒後の傾きの絶対値を最初の傾きの絶対値の15%以下にしたアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法である。この方法により無駄なピットの生成を抑制することができ、ピットの長さを均一にすることができるという作用を有する。
なお、前記最初の傾きの絶対値をAとし、最大値から6.5秒後の傾きの絶対値をBとした場合、B/A×100の値が小さいほどL字のような曲線となりエッチング初期段階でのピットを生成する割合が高くなり、B/A×100の値が大きいほど緩やかな曲線になり徐々にピット形成されるので、最大値から6.5秒後の傾きを15%以下とすることにより、ピットの生成と成長に最低限必要な電流密度をコントロールすることができるものである。
本発明の請求項11に記載の発明は、電流印加における最大値の25%以下の電流密度を一定時間保持したアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法である。この方法によりピットの成長速度のばらつきを小さくするという作用を有する。
本発明の請求項12に記載の発明は、電流印加における電流密度の最大値を一定時間保持した製造方法である。この方法により始めの電流印加をすることによりできるピットを充分に形成することができるという作用を有する。
本発明の請求項13に記載の発明は、アルミニウム箔の厚さ方向に伸びた柱状のピットを有し、前記ピットの中で1.0μm以上のピット径を有するピットが全体のピットの30%以上としたアルミ電解コンデンサ用エッチング箔であり、アルミニウム箔の表面から厚さ方向に生成した20μm以上の長さを有する多数のピットを有し、特に、化成電圧500V以上の電極箔を使用したアルミニウム電解コンデンサに適したエッチング箔である。
通常化成皮膜の厚さは1V当り1×10-10m〜1.4×10-10mであり、化成電圧に比例して化成皮膜は厚くなる。柱状のピットの中で1.0μm以上のピットが全体の30%以上あれば500V以上の化成電圧であっても高い静電容量とすることができ、かつ省電力化成することができるエッチング箔となるという作用及び効果を有する。
さらに、化成電圧600V以上においてはこの効果がさらに顕著となる。また、高電圧になるほどピットの表面に生成する化成皮膜が厚くなるため、1.0μm以上のピット径を有するピットが全体のピットの40%以上であることが好ましい。
本発明の請求項14に記載の発明は、0.5μm以下のピット径を有するピットが全体のピットの30%以下であるアルミ電解コンデンサ用エッチング箔である。化成電圧が高くなると化成皮膜が厚くなるが、ピット径の小さい場合には、ピットが化成皮膜で埋まってしまうことがある。また、ピットが埋まらない場合であっても、ピット径が小さくなり過ぎれば、静電容量を引き出しにくくなる。よって、上記の様に0.5μ以下の小さいピット径をある程度以上少なくすれば、静電容量が高いエッチング箔となる。なお、0.5μ以下のピット径を有するピットが全体のピットの40%以下であることが好適である。
本発明の請求項15に記載の発明は、ピット径分布が0.1〜4μmの範囲であるアルミ電解コンデンサ用エッチング箔である。0.1μm以下のピットであれば化成皮膜によってピットが埋まってしまい、4μm以上のピットが多いとピット同士が重なってしまうためである。
なお、ピットが埋まらないまでもピット径が小さ過ぎれば静電容量を引き出し難いため、ピット径は0.2μm以上が好ましく、ピット径が大き過ぎればピット径同士が重なり合う確立が高くなるために3μm以下が好ましい。
本発明の請求項16に記載の発明は、ピットの平均ピット径が0.7〜2μmの範囲であるアルミ電解コンデンサ用エッチング箔である。
本発明において平均ピット径とは、任意のピット径の中でピット内の体積の総量が最も多いピット径とする。この任意のピット径の体積は、ピット内に水銀を圧入することで測定することができるが、後述する実施例において詳細に説明する。
本発明の請求項17に記載の発明は、アルミ電解コンデンサ用エッチング箔に化成電圧500V以上の耐圧を有する化成皮膜を形成することにより、0.8μm以上のピット径を有するピットが全体のピットの30%以上としたアルミ電解コンデンサ用化成箔である。エッチング箔のピット分布を制御し、このピットを適正なピット径まで拡大すれば、500V以上の高電圧で化成した場合においても静電容量の高い化成箔を得ることができる。
本発明の請求項18に記載の発明は、0.2μm以下のピット径を有するピットが全体のピットの30%以下である請求項17に記載のアルミ電解コンデンサ用化成箔であり、静電容量への寄与が小さいピットを少なくすることにより、静電容量の高い化成箔を得ることができる。
本発明のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法は、エッチング処理において最低限必要な電流量でピットを生成させてピット長さが均一のピットを形成することができる。また、この電流波形を複数回繰り返し印加することによりピット密度を高めて、エッチング箔の静電容量を高めることができるものである。また、分散性の高いピットを形成し、このピットのピット径の拡大に必要な電気量やアルミの溶解量を制御することにより、500V以上の化成電圧に用いるエッチング箔として用いた場合に静電容量、機械的強度を高くすることができるだけでなく、次工程である化成工程において少ない電力(電気量)でこのエッチング箔を化成することができる。さらに高い化成電圧である600V以上においてはその効果はさらに顕著となる。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
まず、アルミニウム箔に厚さ70〜130μmのものを用い、必要に応じて前処理を行う。この前処理は、前段エッチング工程の前に前処理工程を行うことにより前段エッチング工程でのピットの密度をより高めることができるもので、一般的な金属の前処理に用いられている酸処理やアルカリ処理などを使用することができる。
次に、前段エッチング工程は、アルミニウム箔表面に数多くのピットを均一に生成させて、そのピットを均一に成長させるかが重要となる。
本発明は、エッチング処理の始めに電流印加する電流密度を最大値とし、その最大値から最大値の25%以下まで電流密度を低下させるときに、その傾きの絶対値を徐々に小さくなるようにし、その後最大値の25%以下の電流密度でエッチング処理する操作を複数回行うようにしたものであり、その電流波形を図1に示す。
この図1に示す電流波形において、まず、第1の電流印加の電流密度の最大値でアルミニウム箔表面に数多くのピットを生成させる。次に、その電流密度の最大値から、その最大値の25%以下まで電流密度を低下させるときに、その傾きの絶対値を徐々に小さくなるようにし、その後最大値の25%以下の電流密度でエッチング処理することによりアルミニウム箔表面に新たなピットを生成させることなく前記生成させたピットを所定のピット長さに成長させることができる。そして電流を一旦オフにした後、第2及び第3の電流印加により、アルミニウム箔表面に新たなピットを生成させて、それを所定のピット長さに成長させる。このような電流波形を繰り返すことによりアルミニウム箔に形成されるピットは、ピット密度を高め、かつピット長さを均一にすることができる。
前記第1及び第2の電流印加の電流密度の最大値を一定時間保持させても良い。この電流波形を図2に示す。これにより、アルミニウム箔の表面の不純物、前処理の影響を受けにくくして、エッチングピットの生成効率を高めることができる。
また、傾きの絶対値を、最大値で電流印加を行った直後の値を0.5以上とすることにより、無駄なピットを無くしてピットが生成する数を有効に調整することができる。
なお、充分なピットを生成させるためには、電流密度の最大値で電流印加を行った直後の傾きの絶対値が3.0以下であることが好ましい。これは、過剰に急激に電流を低下させると、生成するピット数が少なくなるからである。
また、電流密度の最大値で電流印加を行った後6.5秒後の傾きの絶対値が最初の傾きの絶対値の15%以下にすることにより、ピットが長く成長し過ぎることを防止し、強度を保つことができる。
また、第1の電流印加の電流密度の最大値よりも、第2の電流印加の電流密度の最大値を高くなるようにし、また、第3の電流印加の電流密度の最大値を、さらに高くすることにより、第1の電流印加によって生じたエッチングピットの成長を促進して、かつ、第2の電流印加によるエッチングピットの生成の効率を高めることができる。さらには、第3の電流印加以降の電流印加の回数を多くするほど、エッチングピットの分散性が高まり、1回当たりの電流印加する電流密度の最大値を低下させることができる。
また、前記第1の電流印加の最大値の初期電流密度を0.7〜2.4A/cm2の範囲とし、1回の電流波形によるエッチング時間を15〜30秒の範囲とすることにより、1回の電流波形を印加してできるトンネル状のピットを最適な密度で均一に形成することができる。
また、使用するエッチング液は、塩酸に蓚酸、硫酸、リン酸からなる酸またはその塩の少なくとも1つを添加した塩酸水溶液を用いることができる。この塩酸水溶液の塩酸濃度は2〜6%の範囲が好ましく、塩酸濃度が2%以下では充分なピットを得ることができず、6%以上ではピット成長の制御が困難になる。
このエッチング液中のアルミニウム濃度は、第1の電流印加のエッチング液よりも第2の電流印加以降のエッチング液のアルミニウム濃度を低くなるようにする。また、エッチング液温度は、第1の電流印加のエッチング液よりも第2の電流印加以降のエッチング液温度を低くなるようにする。さらには、エッチング液中の電導度は、第1の電流印加のエッチング液よりも第2の電流印加以降のエッチング液の電導度を高くなるようにする。
このような前段エッチング工程によりエッチングされたアルミニウム箔は、ピット長を均一にすることができ、ピット密度も高めることができる。
なお、前記図1に示す電流波形は、第1の電流印加と第2の電流印加とを含む2段階以上の電流印加に用いることができるが、第3の電流印加以降の電流印加の一部を前記図1に示す以外の電流波形にしても構わない。
次に、後段エッチング工程は、前段エッチング工程でできたピットをアルミニウム箔の表面溶解を抑えてピットの径拡大を行うもので、効率よく均一にピット径の拡大をするかがポイントとなる。
この径拡大は化成電圧に応じた化成皮膜を形成させるのに必要な径まで拡大するもので、その化成電圧ごとに径拡大は異なってくる。
この後段エッチング工程に用いられるエッチング液は硫酸、硝酸のいずれかに蓚酸、燐酸、クロム酸、酢酸、リン酸、クエン酸、硼酸の少なくとも1つ以上を添加したエッチング液が好ましく、その濃度は0.1〜5.0%の範囲が好ましい。濃度が0.1%未満ではアルミニウム箔表面の溶解が起こり、5.0%を超えるとアルミニウム箔表面に酸化皮膜が形成されすぎて各ピットの径拡大が起こりにくくなる。このエッチング液中で直流エッチングすることにより、アルミニウム箔中の不純物や粒界の影響による表面溶解を抑えて各ピットの径拡大と均一化を図ることができる。
また、前段エッチング工程でアルミニウム箔に印加する電気量よりも後段エッチング工程でアルミニウム箔に印加する電気量を大きくすることにより、500V以上の高圧用の化成に用いるエッチング箔の場合でも静電容量を高くすることができる。
また、前段エッチング工程のアルミニウムの溶解量に対して後段エッチング工程のアルミニウムの溶解量を1.3〜3倍の範囲にしても、電気化学的なアルミニウムの溶解量だけでなく、化学的なアルミニウムの溶解量を制御することにより、500V以上の高圧用の化成に用いるエッチング箔の場合でも静電容量を高くすることができる。
最後に、脱Cl処理してエッチングされたアルミニウム箔(以下、エッチング箔と称する)を得ることができる。
このようにして得られたエッチング箔は、その後所定の化成電圧を印加して化成処理することにより、静電容量の高い化成箔を得ることができる。
以下、具体的な実施例を用いて詳細に説明する。
(実施例1)
純度99.98%、厚み110μmのアルミニウム箔を5%リン酸水溶液で1分間浸漬して前処理を行った。
次に、前段エッチング工程のエッチング液として、塩酸30g/l、硫酸300g/l、リン酸0.5g/l、アルミニウム12g/lの水溶液(液温度75℃)を用いた。
このエッチング液中で対向する陰極板を配置させ、アルミニウム箔を直流エッチング処理して水洗を行った。このときの電流印加の波形を図1に示すように、1〜3段の電流印加を行った。
この第1の電流印加は、電流密度の最大値2.0A/cm2から15秒後に0.6A/cm2(最大値の30%)になるようにし、その低下させる傾きの絶対値を、最初の傾きの絶対値を3.0、最初から6.5秒後の傾きの絶対値を0.05、最初から15秒後の傾きの絶対値0として徐々に傾きの絶対値を小さくなるように低下させ、その後0.1A/cm2の電流密度で10秒間印加した後、電流印加をオフにして20秒間エッチング液中に放置した。続いて、第1の電流印加と同じ条件で第2及び第3の電流印加を行った。
続いて、後段エッチング工程として、5%硝酸溶液に0.5%硼酸を添加した60℃のエッチング液で電解電流密度を0.1A/cm2にして直流エッチング処理を行った。この際に、前段エッチング工程と後段エッチング工程との電気量を1:1.5となるようにし、そのときのアルミニウムの溶解量の比は1:1.8であった。
その後水洗をして、最後に脱Cl処理してエッチング箔を作製した。
(実施例2)
前記実施例1において、第1〜第3の電流印加を0.5A/cm2(最大値の25%)で行った以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例3)
前記実施例1において、第1〜第3の電流印加を0.4A/cm2(最大値の20%)で行った以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例4)
前記実施例1において、第1〜第3の電流印加を0.2A/cm2(最大値の10%)で行った以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例5)
前記実施例1において、第1〜第3の電流印加を0.1A/cm2(最大値の5%)で行った以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例6)
前記実施例1において、第1〜第3の電流印加を0.02A/cm2(最大値の1%)で行った以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例7)
前記実施例1において、第1〜第3の電流印加を0.01A/cm2(最大値の0.5%)で行った以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(比較例1)
前記実施例1において、前段エッチング工程の電流波形を図3(b)の電流波形で、初期の電流密度を1.0A/cm2にして、60秒後に0.1A/cm2(最大値の1.0%)まで低下させ、その後電流印加をオフにして直流エッチング処理を行った以外は実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
前記実施例1〜7と比較例1のエッチング箔を、温度が90℃の8%ホウ酸水溶液中で500Vの印加電圧で化成箔とした後、各化成箔について静電容量と折曲げ強度(φ1.0mm、250g荷重、折曲げ角度90度の条件下で1往復を1回とする)を測定した。その結果を(表1)に示す。
Figure 2005264288
(表1)から明らかなように、電流印加を最大値から傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その最大値の1〜20%の範囲にしてエッチング箔は比較例1のエッチング箔よりも静電容量及び折曲げ強度が優れていることが判る。
次に、特に請求項9及び請求項10についての具体的な実施例について説明をする。
(実施例8〜15)
前記実施例1において、第1〜第3の電流印加を電流密度の最大値2.0A/cm2から15秒後に0.4A/cm2(最大値の20%)になるようにし、その低下させる傾きの絶対値を、最初の傾きの絶対値、最初から6.5秒後の傾きの絶対値、最初から15秒後の傾きの絶対値を(表2)に示す条件にした以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
前記実施例8〜15のエッチング箔を、温度が90℃の8%ホウ酸水溶液中で500Vの印加電圧で化成箔とした後、各化成箔について静電容量と折曲げ強度(φ1.0mm、250g荷重、折曲げ角度90度の条件下で1往復を1回とする)を測定した。その結果を(表2)に示す。
Figure 2005264288
(表2)から明らかなように、電流印加を最大電流値からその20%まで低下させるときに、最初の傾きの絶対値を大きくし、6.5秒後の傾きの絶対値を小さくすることにより、より高い静電容量及び機械的強度の化成箔を得ることができる。
次に、特に請求項5〜8及び請求項11〜12についての具体的な実施例について説明をする。
(実施例16)
前記実施例1において、前段エッチング工程の電流印加を、第1の電流印加の電流密度の最大値1.0A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した。次に、第2の電流印加の電流密度の最大値2.4A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した。続いて、第3の電流印加の電流密度の最大値2.8A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例17)
前記実施例1において、前段エッチング工程の電流印加を、第1及び第2の電流印加の電流密度の最大値1.0A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した。続いて、第3の電流印加の電流密度の最大値4.2A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例18)
前記実施例1において、前段エッチング工程の電流印加を、第1の電流印加の電流密度の最大値0.7A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した。次に、第2の電流印加の電流密度の最大値1.4A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した。続いて、第3の電流印加の電流密度の最大値2.8A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例19)
前記実施例1において、前段エッチング工程の電流印加を、第1の電流印加の電流密度の最大値1.0A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した。次に、第2の電流印加の電流密度の最大値2.8A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した。続いて、第3の電流印加の電流密度の最大値2.8A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例20)
前記実施例1において、前段エッチング工程の電流印加を、第1の電流印加の電流密度の最大値1.4A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した。次に、第2の電流印加の電流密度の最大値2.4A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した。続いて、第3の電流印加の電流密度の最大値2.8A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例21)
前記実施例1において、前段エッチング工程の電流印加を、第1の電流印加の電流密度の最大値2.0A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した。次に、第2の電流印加の電流密度の最大値2.4A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した。続いて、第3の電流印加の電流密度の最大値2.4A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例22)
前記実施例1において、前段エッチング工程の電流印加を、第1の電流印加の電流密度の最大値2.4A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した。次に、第2の電流印加の電流密度の最大値2.4A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した。続いて、第3の電流印加の電流密度の最大値2.8A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例23)
前記実施例1において、前段エッチング工程の電流印加の第1〜第3の電流印加を、電流密度の最大値3.0A/cm2から15秒で0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例24)
前記実施例8において、前段エッチング工程の電流印加を、図2に示すような電流波形にし、第1の電流印加の電流密度の最大値1.0A/cm2を5秒間保持し、それから0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように10秒で低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した。次に、第2の電流印加の電流密度の最大値2.4A/cm2を5秒間維持し、それから0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように10秒で低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した。続いて、第3の電流印加電流密度の最大値2.8A/cm2を5秒間維持し、それから0.1A/cm2まで傾きの絶対値を徐々に小さくなるように10秒で低下させ、その後同じ電流で10秒間印加した後電流印加をオフにして20秒間放置した以外は前記実施例8と同様にしてエッチング箔を作製した。
なお、前記実施例16〜24の1〜3段目の最大電流値から低下させる傾きの絶対値を、最初の傾きの絶対値を3.0、最初から6.5秒後の傾きの絶対値を0.05、最初から15秒後の傾きの絶対値0として徐々に傾きの絶対値を小さくなるように低下させた。また、実施例24は最初の傾きの絶対値を3.0、最初から11.5秒後の傾きの絶対値を0.05、最初から15秒後の傾きの絶対値0として徐々に傾きの絶対値を小さくなるように低下させた。
(比較例2)
前記実施例1において、前段エッチング工程の電流波形を図3の電流波形で、電流密度を0.5A/cm2に、1回のエッチング時間を25秒、電流オフ20秒にして3回直流エッチング処理を行った以外は実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
前記実施例16〜24と比較例2のエッチング箔を、温度が90℃の8%ホウ酸水溶液中で500Vの印加電圧で化成箔とした後、各試料について静電容量と折曲げ強度(φ1.0mm、250g荷重、折曲げ角度90度の条件下で1往復を1回とする)を測定した。その結果を(表3)に示す。
Figure 2005264288
(表3)から明らかなように、電流印加を3段階に分け、その第2の電流印加以降の電流密度を高くしてエッチング箔は比較例2のエッチング箔よりも静電容量及び折曲げ強度が優れていることが判る。
また、第1の電流印加の電流密度の最大値を0.7〜2.4A/cm2の範囲にすることにより、アルミニウム箔の表面の不純物、前処理の影響を受けにくくして、エッチングピットの生成効率を高めることができる。
また、実施例24のように電流印加する電流密度の最大値を一定時間保持させてから低下させることにより、アルミニウム箔の表面の不純物、前処理の影響を受けにくくなり、エッチングピットの生成効率を高めることができるので、静電容量の高く、折曲げ強度の強いエッチング箔を得ることができる。
なお、第1の電流印加の電流密度の最大値を0.7A/cm2側に近づけた方が静電容量は比較的低くなるが、その反面折曲げ強度が高くなるので、エッチング箔を製造する際の箔切れを低減させる利点が生じる。
このように、500Vにおいては、前段エッチング工程と後段エッチング工程のアルミニウムの溶解量の比を1:1.8にすることにより、静電容量及び強度を高めることができた。
次に、特に請求項3〜4及び請求項14〜19の具体的な実施例について説明をする。
(実施例25〜27)
純度99.98%、厚み110μmのアルミニウム箔を5%リン酸水溶液で1分間浸漬して前処理を行った。
次に、前段エッチング工程のエッチング液として、塩酸30g/l、硫酸300g/l、リン酸0.5g/l、アルミニウム12g/lの水溶液(液温度75℃)を用いた。
このエッチング液中で対向する陰極板を配置させ、アルミニウム箔を直流エッチング処理して水洗を行った。このときの電流印加の波形を図3に示すように、1〜2段の電流印加を行った。実施例1と異なり電流波形を1〜2段としたのは、さらに高電圧に適したピット分布とするために、ピット数を少なくして、ピット径を大きくしたものである。
この第1の電流印加は、電流密度の最大値2.0A/cm2から15秒後に0.2A/cm2(最大値の10%)、0.02A/cm2(最大値の1%)になるようにし、その低下させる傾きの絶対値を、最初の傾きの絶対値を3.0、最初から6.5秒後の傾きの絶対値を0.05、最初から15秒後の傾きの絶対値0となるように徐々に傾きの絶対値を小さくなるように低下させ、その後0.1A/cm2の電流密度で10秒間印加した後、電流印加をオフにして20秒間エッチング液中に放置した。続いて、第1の電流印加と同じ条件で第2の電流印加を行った。
続いて、後段エッチング工程として、5%硝酸溶液に0.5%硼酸を添加した60℃のエッチング液で電解電流密度を0.1A/cm2にして直流エッチング処理を行い、その後水洗をして、最後に脱Cl処理してエッチング箔を作製した。
この際に、前段エッチング工程に対する後段エッチング工程の電気量の比を1:1.2(120%)、1:1.5(150%)、1:2.2(220%)の3水準として、それぞれ実施例25〜27とした。
また、エッチングの際にはクーロンの法則により電気量に比例して生じるアルミニウムの電気化学的溶解量と、化学溶解により生じる化学溶解量とが混在している。
これを分離するために、まず、前段エッチング前及び前段エッチング後のアルミニウム箔の重量をそれぞれ測定し、その重量の差を求めることにより、電気化学的溶解量と化学溶解量を合計したエッチング溶解量を求める。このエッチング溶解量から計算により求めた電気化学的な溶解量を減じることにより化学溶解量を求めることができる。
本実施例の場合には、前段エッチング工程に対する後段エッチング工程のエッチング溶解量の比は1:1.4(140%)、1:2.3(230%)、1:3(300%)となった。
(比較例3)
前段エッチング工程に対する後段エッチング工程の電気量の比を1:0.5(50%)、前段エッチング工程に対する後段エッチング工程のエッチング溶解量の比を1:0.7(70%)とした以外は、実施例25〜27と同様にした。
上記実施例25〜27及び比較例3のエッチング箔を、温度が90℃のホウ酸水溶液中で500V、630V、840Vの印加電圧で化成箔とした後、各化成箔について静電容量を測定した。その結果を(表4)及び図4に示す。
Figure 2005264288
(表4)に示すように、比較例3と比較して、電気量の比を140%、230%、300%とした場合には500Vにおいても効果があるが、630Vにおいて静電容量アップの効果が顕著であり、高圧になるほどその効果が大きいことがわかる。
また、図4において630V〜840Vの傾きを、実施例25〜27、比較例3とで比較すると、実施例26、27は傾きが緩やかであり600V以上においては省電力なエッチング箔である。
また、675V以上においては実施例26、27の静電容量は実施例25、比較例1、3に対して逆転していると考えられ、ピット径の拡大量が大きいエッチング箔は高電圧になるほど静電容量が高くなることがわかる。
後段エッチング工程においてピット径を拡大する量が大きくなれば、化成電圧が高くなり化成皮膜が厚くなったとしても、静電容量が高い状態を維持できることを示していると考えられる。
この場合のエッチングピットの細孔分布を図5に示す。図5は横軸にピット径、縦軸に任意のピット径のピットの量を体積で示している。そのピットの体積はポロシメータ(島津製作所製:オートポア9220型)で測定した。その測定原理及び方法を以下に説明する。
液体が固体を濡らすということは、液体の固体に対する接触角が90°より小さいということであり、90°以上の接触角では、固体は液体をはじくことになる。水銀の場合、表面張力が大きく、ほとんどの固体に対して90°以上の接触角を示す。このため、固体表面に毛細管があり、そこに一般の液体が接触すれば、その液体は毛細管の中に侵入するが、水銀の場合は逆に毛細管は水銀を押出そうとする。水銀ポロシメトリーはこの現象を利用している。
固体表面にある細孔に、表面張力の高い液体に加えられた圧力と、その圧力でもってその液体が侵入し得る最小の細孔径との関係は次式で表される。
−2σcosθ=r×P
σ:液体の表面張力、θ:液体の接触角
r:細孔半径、P:印加圧力
すなわち表面張力の高い液体に加えられた圧力は、その液体が侵入し得る最小の細孔径と反比例の関係にある。液体に順次圧力を加えていけば、その液体はより細い細孔まで侵入し、σとθという2つの物性値が既知であれば細孔径は一義的に求められる。表面張力の大きい液体としては水銀を用いた。
一方、加圧によって細孔内に侵入した水銀の量、すなわち、圧入量はポロシメータのセル内に圧入された水銀の変位から求められる。ここで得られた圧入量が細孔体積である。このようにして、細孔径に対する細孔体積の関係(細孔分布)が求められる。
なお、本明細書においては最も水銀が侵入する体積が多いピット径を平均ピット径と呼ぶことにする。
また、ピット径が5μm以上のものが存在するが、これはエッチングによって生じたものではなく、表面のキズ等による影響であると考えられるためエッチングによるピットとしてはカウントしない。
また、0.1μm以下の微細なピットも存在するが、特に高圧での化成後ではこのような微細なピットは化成皮膜により埋没してしまうため静電容量への寄与はほとんどないと考えられる。
このように実際に静電容量に寄与するピットは0.1μmから5μmの範囲で広く分布している(図5)。この分布において、0.4μm以下のピットはピット径が小さすぎるため静電容量に寄与度が小さい。また、2μm以上のピットはピット径が大きすぎるためピット同士が重なってしまい、かえって静電容量を低くしてしまう。
実施例25、26及び27の平均ピット径はそれぞれ約0.72、0.92及び1.6μmであり、比較例3の平均ピット径は約0.7μmであった。このことから考えると、化成電圧500V以上では平均ピット径が0.72μm付近が好ましく、化成電圧600V以上では、0.92〜1.6μm付近が好ましい。
このように化成電圧が高くなり化成皮膜が厚くなった場合には、化成電圧に応じたピット径のエッチング箔を製造するのが好ましい。
次に、エッチング箔に生成したピットについて、小さなピット径から順次ピット径が大きくなるにつれてピット径の体積を積算していき、全体のピットの体積を100とした場合に、任意のピット径までのピットの体積の積算量の割合を図6に示す。図6において、ピットの体積の積算量が100%まで到達していないのは、ピット径が大きいと測定されてしまうような表面の大きな傷等の影響があるからである。
全体のピットに対して1.0μm以上のピット径を有するピットが、実施例25においては約30%以上、実施例26においては約40%以上、実施例27においては約65%以上である。このことから考えると、全体のピットに対して1.0μm以上のピット径を有するピットが、化成電圧500V以上では30%以上が好ましく、化成電圧600V以上では40%以上が好ましい。
また、比較例3は全体のピットに対して0.5μm以下のピット径を有するピットが、30%以上存在する。よって化成電圧500V以上に用いる場合には、全体のピットに対して0.5μm以下のピット径を有するピットを30%以下とする必要がある。
実施例25〜27においては、全て全体のピットに対して0.5μm以下のピット径を有するピットが、全体の15%以下になっているので、この範囲にすればさらに静電容量は向上する。
同様に、全体のピットに対して0.4μm以下のピット径を有するピットが、実施例25においては約30%以下、実施例26においては約20%以下、実施例27においては約10%以上である。このことから考えると、全体のピットに対して0.4μm以上のピット径を有するピットが、化成電圧500V以上では30%以下が好ましく、化成電圧600V以上では20%以上が好ましい。
本発明は、ピット密度の向上、ピット分散性の向上、ピット長の均一化により、特に高電圧用の電極箔の静電容量を向上させ、さらに電極箔の機械的強度の高いアルミ電解コンデンサ用電極箔を製造することにより、その電極箔を用いたアルミ電解コンデンサの定格容量・電圧を高めることができ、電子機器の小型化、高信頼性化、高電圧化を図ることができる。
本発明の一実施の形態の前段エッチング工程における電流印加の電流波形図 同実施例24の前段エッチング工程における電流印加の電流波形図 同実施例25〜27の前段エッチング工程における電流印加の電流波形図 同化成電圧と静電容量との関係図 同ピット径分布図 同ピット径と積算体積の関係図 (a)従来の前段エッチング工程における電流印加の電流波形図、(b)同他の例を示す電流印加の電流波形図、(c)同他の例を示す電流印加の電流波形図

Claims (18)

  1. アルミニウム箔に直流電流を印加してピットを生成させる前段エッチング工程と、前記ピットを拡大する後段エッチング工程とを備えたアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法であって、
    前記前段エッチング工程を第1の電流印加と第2の電流印加とを含む2段階以上の電流印加に分けて行い、前記第1の電流印加と前記第2の電流印加は、エッチング処理の始めの電流密度を最大値とし、そこから最大値の25%以下まで電流密度を低下させるときに、その傾きの絶対値を徐々に小さくなるようにして印加し、かつ前記前段エッチング工程でアルミニウム箔に印加する電気量よりも前記後段エッチング工程でアルミニウム箔に印加する電気量を大きくするようにしたアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
  2. 前記第1の電流印加及び前記第2の電流印加において、それぞれの電流印加の最後に最大電流値の25%以下の電流値で一定時間電流印加してエッチングするようにした請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
  3. 前記前段エッチング工程での電気量に対して後段エッチング工程での電気量を1.2〜2.2倍の範囲にした請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
  4. 前記前段エッチング工程でのアルミニウムの溶解量に対して後段エッチング工程でのアルミニウムの溶解量を1.3〜3倍の範囲にした請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
  5. 前記第1の電流印加の電流密度の最大値よりも第2の電流印加の電流密度の最大値を高くした請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
  6. 前記第2の電流印加以降の電流印加の電流密度の最大値を後段になるほど高くした請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
  7. 前記第2の電流印加以降の電流印加において、その連続する2つの電流印加の電流密度の最大値の差を0.1〜0.4A/cm2の範囲にした請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
  8. 前記第1の電流印加の電流密度の最大値を0.7〜2.4A/cm2の範囲にした請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
  9. 前記電流印加における電流密度の最大値から、その最大値の25%以下まで低下させるときに、その最初の傾きの絶対値を0.5以上にした請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
  10. 前記電流印加における電流密度の最大値から、その最大値の25%以下まで低下させるときに、電流密度の最大値から6.5秒後の傾きの絶対値を最初の傾きの絶対値の15%以下にした請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
  11. 前記電流印加における最大値の25%以下の電流密度を一定時間保持した請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
  12. 前記電流印加における電流密度の最大値を一定時間保持した請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
  13. アルミニウム箔の厚さ方向に伸びた柱状のピットを有し、前記ピットの中で1.0μm以上のピット径を有するピットが全体のピットの30%以上としたアルミ電解コンデンサ用エッチング箔。
  14. 0.5μm以下のピット径を有するピットが全体のピットの30%以下である請求項13に記載のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔。
  15. 前記ピットのピット径分布が0.1〜4μmの範囲である請求項13に記載のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔。
  16. 前記ピットの平均ピット径が0.7〜2μmの範囲である請求項13に記載のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔。
  17. 前記請求項13のアルミ電解コンデンサ用エッチング箔に化成電圧500V以上の耐圧を有する化成皮膜を形成することにより、0.8μm以上のピット径を有するピットが全体のピットの30%以上であるアルミ電解コンデンサ用化成箔。
  18. 前記0.2μm以下のピット径を有するピットが全体のピットの30%以下である請求項17に記載のアルミ電解コンデンサ用化成箔。
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