JP4428037B2 - アルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法 - Google Patents

アルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は特に中高圧用アルミ電解コンデンサの陽極箔に使用されるアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法およびその製造装置に関するものである。
近年、電子機器の小型化、高信頼性化に伴い、アルミ電解コンデンサに対するユーザーからのニーズも小型化が強く要望されており、そのためにアルミ電解コンデンサに用いられる電極箔も従来以上に単位面積当たりの静電容量を高める必要が生じている。
一般的なアルミ電解コンデンサは、アルミニウム箔をエッチング処理によって実効表面積を拡大させた表面に陽極酸化により誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔とアルミニウム箔をエッチング処理によって実効表面積を拡大させた陰極箔とをセパレータを介して巻回することによりコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸させるとともに、このコンデンサ素子を金属ケース内に封止することにより構成されている。
この種のアルミ電解コンデンサにおいて、その静電容量を高める或いは小形化を図るには、陽極箔の実効表面積を拡大し単位面積当たりの静電容量を高めることが必要不可欠になっており、陽極箔の実効表面積を拡大させるエッチング技術の開発が盛んに行われている。
前記陽極箔のエッチング処理方法は、硫酸、硝酸、燐酸、蓚酸などの皮膜を形成する酸を添加した塩酸水溶液中で化学的あるいは電気化学的に行われているが、特に中高圧用に使用される陽極箔のエッチング処理方法は、基本的にはトンネル状のピット(以下、単にピットと称す)を生成させる前段エッチング工程と、このピットをアルミ電解コンデンサの使用電圧に適した径まで拡大する後段エッチング工程とからなる方法で、いかに数多くのピットを生成させて、そのピットを効率よく拡大させるかが重要なポイントとなっている。
さらに詳しくは、例えば、エッチング処理を少なくとも2段階に分けて行うアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法において、最初のエッチング処理のエッチング液にフッ素イオンを含有させることにより、ピットの発生が電極箔全面に均一に分散して起こり、静電容量を増大させることができるという提案がなされている(特許文献1参照)。
また、塩酸水溶液中で直流電流を用いてエッチングを行う第1段エッチング工程と、塩素イオンを含む中性塩水溶液または酸性塩水溶液で直流電流を用いてエッチングを行う第2段エッチング工程と、硝酸、硫酸およびこれらの混酸水溶液のいずれかで電気エッチングを行う第3段エッチング工程を備えた製造方法で、表面から多数のメインピットを形成するとともに、そのメインピットの途中または末端に枝状に伸びたサブピットを形成することによりアルミニウム箔の実効表面積を拡大することができるという提案もある(特許文献2参照)。
特開2001−85279号公報 特開平7−272983号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術では、エッチング液中で直流電流をただ単に一定時間印加して直流エッチングを行っただけでは、アルミニウム箔表面は均一なピットを形成することはできるが、ピットの先端付近で水酸化アルミニウムのゲルが多量に生成してしまい、ピットの長さが不均一になり、アルミニウム箔の実効表面積の拡大にあまり結びつかないという課題を有していた。
この対策として、特許文献2に記載の技術は、第2段エッチング工程において、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウムの3種類の塩素イオンの少なくとも1つを含む中性塩水溶液もしくは酸性塩水溶液のうち少なくとも1つからなるエッチング液中で直流電流を用いて直流エッチングを行うという方法のものであるが、この方法においては、直流電流をただ単に一定時間印加しただけではピットの先端付近で水酸化アルミニウムのゲルが多量に生成してしまい、第1段エッチング工程で形成されたメインピットの表面部分だけに垂直方向へのサブピットが形成されるだけで、アルミニウム箔の実効表面積の拡大にあまり結びつかず、機械的強度も低下するという課題を有していた。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、ピット密度の向上とピット長の均一化により電極箔の静電容量を向上することができ、さらに電極箔の機械的強度が高いアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、第1の前段エッチングとその後に行う第2の前段エッチングによってアルミニウム箔に直流電流を印加して前記アルミニウム箔にピットを生成させる前段エッチング工程と、この前段エッチング工程により生成させたピットを拡大する後段エッチング工程とからなるアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法であって、前記第1の前段エッチングのエッチング液は、2〜6%の塩酸に蓚酸、硫酸、リン酸からなる酸またはこれらの塩の少なくとも1つとアルミニウムとを添加した塩酸水溶液であり、前記第2の前段エッチングのエッチング液は、前記第1の前段エッチングのエッチング液に添加するアルミニウムのみを減少させて第1の前段エッチングのエッチング液よりも電導度を高める構成とした電解コンデンサ用電極箔の製造方法であり、第2の前段エッチングのエッチング液は、その調製段階において、添加するアルミニウムのみを減少させるのと同時にその電導度を第1の前段エッチングのエッチング液よりも高められる。この結果、第2の前段エッチングでは、第1の前段エッチングでアルミニウム箔に形成されたピットの成長を抑制するのと共に、新たなピットの形成を促進させることができるので、よりピット密度を増やすとともにピット長を均一にすることができ、アルミニウム箔の静電容量を高め、機械的強度を向上させることができるという作用を有する。
また、前記第2の前段エッチングを少なくとも1回以上行うようにすることにより、形成されたピット密度をさらに増すことができるという作用を有する。
また、前記第2の前段エッチングのエッチング液の電導度を980〜1400mS/cm以上にすることにより、エッチングされたピット長を均一にすることができ、かつエッチング液の液抵抗が下がり電流ロスを低減して電流印加の効率を良くすることができるという作用を有する。
なお、エッチング液の電導度を高くするためには、塩酸濃度、硫酸濃度を高くする手段があるが、これらの濃度を必要以上に高くするとアルミニウムの化学溶解性が高くなり過ぎて、アルミニウム箔の表面溶解が生じて、静電容量が低下してしまうので、エッチング液の電導度は1500mS/cm以下が好ましい。また、ピットの長さを一定以上の長さにして静電容量を高くするためには、エッチング液の電導度は1100mS/cm以上が好ましい。
また、2回以上の第2の前段エッチングを有する場合には、2回目以降のエッチング液の電導度を全て1000mS/cm以上とし、また、徐々に電導度を高くすることにより前記請求項1記載の発明の効果をさらに高めることができる。
また、前記第1の前段エッチングのエッチング液と第2の前段エッチングのエッチング液との電導度の差を100mS/cm以上とすることにより、前記請求項1に記載の発明の効果をさらに高めることができ、特に機械的強度の高い電極箔を得ることができる。
なお、前記電導度の差が200mS/cm以上であれば機械的強度及び静電容量の高い電極箔を得ることができ、さらに、その差が250mS/cm以上であれば特に静電容量の高い電極箔を得ることができる。
前記アルミニウム濃度を低くすることによりエッチング液の電導度を高くすることができるが、エッチング液のアルミニウム濃度は14g/l以下が好ましく、さらにアルミニウム濃度を10g/l以下にすると、特に機械的強度の高い電極箔を得ることができ、アルミニウム濃度を6g/l以下にすると機械的強度及び静電容量の高い電極箔を得ることができる。さらにアルミニウム濃度を4g/l以下にすると特に静電容量の高い電極箔を得ることができる。
また、前記第1の前段エッチングのエッチング液の温度よりも第2の前段エッチングのエッチング液の温度を低くすることにより、エッチング液の電導度を制御する手段として、前記したアルミニウム濃度を変える以外に、エッチング液の温度を変えるもので、アルミニウム濃度を変えた場合と比較して、エッチング液によるアルミニウム箔の化学反応性の変化が大きくなることから、第2の前段エッチングの温度を低くすることにより、無駄な化学反応を抑制し、ピットの生成効率を高くすることができる。
なお、前記第1の前段エッチングのエッチング液と第2の前段エッチングのエッチング液との温度の差を2℃以上にすることにより、無駄な化学反応を抑制し、印加した電気量のピットを形成させることができるので、さらなる静電容量と折曲げ強度の向上を図ることができる。
また、前記第1の前段エッチングで印加する電流密度よりも第2の前段エッチングで印加する電流密度を高くすることにより、第1の前段エッチングで生成したピットをさらに成長させ、第2の前段エッチングでのピットを充分に生成させることができる。
また、第2の前段エッチングを分けて電流を印加することにより、1回当たりの印加する電流量を少なくすることができるので、エッチングの際に生じるジュール熱や反応熱によるエッチング液の温度変動や反応によって生じる水素ガスの発生による影響を少なくすることができる。
なお、2回以上の第2の前段エッチングを有する場合には、徐々にエッチングの電流密度を高くすることにより前記請求項1記載の発明の効果をさらに高めることができる。
なお、一対の陰極板の距離が短くなり過ぎると、反応熱やジュール熱によってエッチング液の温度が上昇して温度変動が生じてしまうので、一対の陰極板の距離は3cm以上が好ましい。
また、陰極板の上部に位置するエッチング液の液面近傍において、一対の陰極板の距離を短くする方が好ましい。これは、電流印加の初期段階で電流密度を高くして、ピット密度を向上させることができるからであり、前記理由で生じるエッチング液の温度バラツキも小さくすることができる。
本発明は、アルミニウム箔に直流電流を印加してアルミニウム箔にピットを生成させる前段エッチング工程と、前記前段エッチング工程により生成させたピットを拡大する後段エッチング工程とを備えたアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法であって、前記前段エッチング工程は第1の前段エッチングと第2の前段エッチングとを備え、第1のエッチングのエッチング液の電導度よりもその後にエッチングを行う第2の前段エッチングのエッチング液の電導度を高くする製造方法とするものであり、前段エッチング工程における第2の前段エッチングのエッチング液の電導度を高めることにより、第1の前段エッチングで形成されたピットの成長を抑制し、第2の前段エッチングのピットの形成を促進させることができるので、よりピット密度を増すとともにピット長を均一にすることができ、その静電容量を高め、機械的強度を向上させることができるという効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
本発明のアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法は、アルミニウム箔を前処理した後、ピットを生成させる前段エッチング工程と、このピットをアルミ電解コンデンサの使用電圧に適した径まで拡大する後段エッチング工程とからなる。
前記前段エッチング工程の概略図を図1に示す。同図において第1の前段エッチング槽12内は、相対向する陰極板16および17を配置するとともに、エッチング液15で満たされている。また、アルミニウム箔11は走行ローラ18、槽内ローラ19、出口ローラ20により第1の前段エッチング槽12内の相対向する陰極板16,17の間を通過させるようにし、走行ローラ18と陰極板16,17に第1の直流電源21から電流を印加することにより、アルミニウム箔11が直流エッチングされるものである。
同様に、第2の前段エッチング槽13,14内にも陰極板とエッチング液を設け、第2の直流電源22を配設している。また、各エッチング槽の間には図示していないが水洗槽を設けても構わない。
前記前段エッチング工程を行う前に、まず、アルミニウム箔として厚さ70〜130μmのものを用い、必要に応じて前処理を行う。前段エッチング工程の前に前処理工程を行うことにより、エッチング前のアルミニウム箔の表面状態を均一にしてピットの分散性を高め、前段エッチング工程でのピットの密度をより高めることができる。この前処理に用いるものとしては、塩酸、リン酸を含む酸性水溶液や水酸化ナトリウム等のアルカリ性水溶液などを使用することができる。
次に、前記図1で示した前段エッチング工程により、アルミニウム箔の表面から垂直方向にピットを形成させる。
ここでのピット形成は、アルミニウム箔表面に数多くのトンネル状のピットを均一に生成させて、そのピットを均一に成長させるかが重要となる。
この前段エッチング工程で使用されるエッチング液は、塩酸に蓚酸、硫酸、リン酸からなる酸またはこれらの塩の少なくとも1つを添加した塩酸水溶液を用いることができる。この塩酸水溶液の塩酸濃度は2〜6%の範囲が好ましく、塩酸濃度が2%以下では化学反応性が低いので充分なピットを得ることができず、6%以上ではピットの成長する速度が速過ぎるのでピット成長の制御が困難になる。
また、このエッチング液は、そのエッチング液中の電導度を第1の前段エッチングよりも第2の前段エッチングを高くする。
これは、エッチング箔のピットを均一な長さに制御するためには、ピット内に生じる電位差(IR:電流×エッチング液の抵抗)を制御することが重要である。エッチング液の抵抗はすなわちエッチング液の電導度であるため、第2の前段エッチングのエッチング液中の電導度を高くして複数回繰り返し印加することによりピットの長さを均一にして、折曲げ強度の強いエッチング箔を製造することができる。
前記エッチング液中の電導度は、塩酸水溶液の塩酸イオン濃度、もしくは蓚酸、硫酸、リン酸の各イオン濃度によってもコントロールできるが、エッチング液中のアルミニウム濃度をコントロールすることにより、経済的で作業性に富んだ方法を提供することができる。
なお、第2の前段エッチングのエッチング液の電導度を1000mS/cm以上にすることにより、第1の前段エッチングで生成されたピットの成長を抑制し、第2の前段エッチングのピットの生成を促進させることができ、よりピット密度を高くすることができるものである。
また、第1の前段エッチングのエッチング液と第2の前段エッチングのエッチング液との電導度の差を100mS/cm以上にすることにより、ピット発生の時期とピットの成長速度とのバランスがとれて、第1の前段エッチングで発生したピットと第2の前段エッチングで発生したピットの長さが揃った強度の高いエッチング箔を得ることができる。
また、エッチング液の液温度は、第2の前段エッチングのエッチング液を低くするようにし、また、それぞれのエッチング液の液温度差を2℃以上にすることにより、無駄な化学反応を抑制し、印加した電気量のピットを形成させることができる。
次に、後段エッチング工程は、前段エッチング工程でできたピットをアルミニウム箔の表面溶解を抑えてピットの径拡大を行うもので、効率よく均一にピット径の拡大をするかがポイントとなる。
この径拡大は化成電圧に応じた化成皮膜を形成させるのに必要な径まで拡大するもので、その化成電圧ごとに径拡大は異なってくる。
この後段エッチング工程に用いられるエッチング液は硫酸、硝酸のいずれかに蓚酸、クロム酸、酢酸、リン酸、クエン酸、硼酸の少なくとも1つ以上を添加したエッチング液が好ましく、その添加濃度は0.1〜5.0%の範囲が好ましい。添加濃度が0.1%未満ではアルミニウム箔表面の溶解が起こり、5.0%を超えるとアルミニウム箔表面に酸化皮膜が形成されすぎて各ピットの径拡大が起こりにくくなる。このエッチング液中で直流エッチングすることにより、アルミニウム箔中の不純物や粒界の影響による表面溶解を抑えて各ピットの径拡大と均一化を図ることができる。
最後に、脱Cl処理してエッチングされたアルミニウム箔(以下、エッチング箔と称する)を得ることができる。
このようにして、得られたエッチング箔は、その後所定の化成電圧を印加して化成処理することにより、静電容量の高い電極箔を得ることができる。
以下、具体的な実施例を用いて詳細に説明する。
(実施例1)
純度99.98%、厚み100μmのアルミニウム箔を5%リン酸水溶液で1分間浸漬して前処理を行った。
次に、前段エッチング工程のエッチング液として、塩酸30g/l、硫酸300g/l、リン酸0.5g/lの水溶液(液温度80℃)を用意し、第1の前段エッチングのエッチング液の電導度として980mS/cm、第2の前段エッチングのエッチング液を1100mS/cmと1200mS/cmに分けるようにし、その電導度の調整を金属アルミニウムを溶解させて行った。この電導度を調整したときのアルミニウム濃度は、それぞれ14.1g/l、9.4g/l、5.7g/lであった。
前記それぞれの前段エッチングのエッチング液中に対向する陰極板を配置させ、第1の前段エッチングのエッチング液中で対向する陰極板の間にアルミニウム箔を入れて、アルミニウム箔と陰極板との間に0.5A/cm2の電流密度で直流電流を印加してエッチングを行った。続いて、第1の前段エッチングが終了したアルミニウム箔を第2の前段エッチングを、第1の前段エッチングと同様にして、電導度の低い順番にエッチングを行い、その後水洗を行った。
次に、後段エッチング工程として、硝酸50g/lにリン酸10g/lを添加した50℃のエッチング液で電解電流密度を0.1A/cm2にして10分間直流エッチング処理を行い、その後水洗をして、最後に脱Cl処理してエッチング箔を作製した。
(実施例2)
前記実施例1において、第1の前段エッチングのエッチング液の電導度を980mS/cm、第2の前段エッチングのエッチング液を1100mS/cmと1250mS/cmになるように金属アルミニウムを溶解させてそれぞれ調整して用いた以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
なお、この電導度を調整したときのアルミニウム濃度は、それぞれ14.1g/l、9.4g/l、3.9g/lであった。
(実施例3)
前記実施例1において、第1の前段エッチングのエッチング液の電導度を980mS/cm、第2の前段エッチングのエッチング液を1100mS/cmと1320mS/cmになるように金属アルミニウムを溶解させてそれぞれ調整して用いた以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
なお、この電導度を調整したときのアルミニウム濃度は、それぞれ14.1g/l、9.4g/l、1.5g/lであった。
(実施例4)
前記実施例1において、第1の前段エッチングのエッチング液の電導度を980mS/cm、第2の前段エッチングのエッチング液を1200mS/cmと1250mS/cmになるように金属アルミニウムを溶解させてそれぞれ調整して用いた以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
なお、この電導度を調整したときのアルミニウム濃度は、それぞれ14.2g/l、5.7g/l、3.9g/lであった。
(実施例5)
前記実施例1において、第1の前段エッチングのエッチング液の電導度を980mS/cm、第2の前段エッチングのエッチング液を1250mS/cmと1320mS/cmになるように金属アルミニウムを溶解させてそれぞれ調整して用いた以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
なお、この電導度を調整したときのアルミニウム濃度は、それぞれ14.2g/l、3.9g/l、1.5g/lであった。
(実施例6)
前記実施例1において、第1の前段エッチングのエッチング液の電導度を980mS/cm、第2の前段エッチングのエッチング液を1250mS/cmと980mS/cmになるように金属アルミニウムを溶解させてそれぞれ調整して用いた以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
なお、この電導度を調整したときのアルミニウム濃度は、それぞれ14.1g/l、3.9g/l、14.1g/lであった。
(実施例7)
前記実施例1において、前段エッチング工程の各エッチング液の液温度をそれぞれ80℃、78℃、76℃、電導度をそれぞれ1000mS/cm、1100mS/cm、1200mS/cm、アルミニウム濃度をそれぞれ14g/l、8g/l、5.4g/lとした以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例8)
前記実施例1において、前段エッチング工程の各エッチング液の液温度をそれぞれ80℃、77℃、74℃、電導度をそれぞれ1000mS/cm、1100mS/cm、1200mS/cm、アルミニウム濃度をそれぞれ14g/l、7.3g/l、3.1g/lとした以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例9)
前記実施例1において、前段エッチング工程の各電流密度を0.4A/cm2、0.5A/cm2、0.6A/cm2の順にしてエッチングした以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
(比較例1)
前記実施例1において、前段エッチング工程の各エッチング液の電導度を1000mS/cmにしたものを用いた以外は前記実施例1と同様にしてエッチング箔を作製した。
前記実施例1〜9と比較例1のエッチング箔を、温度が90℃の8%ホウ酸水溶液中で500Vの印加電圧で化成した後、各試料について静電容量と折曲げ強度(φ1.0mm、250g荷重、折曲げ角度90度の条件下で1往復を1回とする)を測定した。その結果を(表1)に示す。
Figure 0004428037
(表1)から明らかなように、前段エッチング工程のエッチング液の電導度を、第1の前段エッチングのエッチング液よりも第2の前段エッチングのエッチング液を高くする(アルミニウム濃度を低くする)ことにより静電容量を高くすることができ、機械的強度も向上させることができる。
また、前段エッチング工程のエッチング液の液温度を、第1の前段エッチングのエッチング液よりも第2の前段エッチングのエッチング液を低くするようにし、その液温度差を2℃以上にすることにより、無駄な化学反応を抑制し、印加した電気量のピットを形成させることができるので、さらなる静電容量と折曲げ強度の向上を図ることができる。
また、実施例6のように第2の前段エッチングの後半のエッチング液の電導度を前半よりも低くした場合(アルミニウム濃度を高くした場合)であっても、静電容量及び強度は比較例1よりも高くなる。
また、実施例8のように前段エッチング工程の各エッチングする電流密度を順次高くすることにより、より高い静電容量の電極箔を得ることができる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1において、前段エッチング工程を図2に示すように第1の前段エッチング槽と第2の前段エッチング槽を4槽用いた以外は前記実施の形態1と同様である。同図において、23は第1の前段エッチング槽、24,25,26,27は第2の前段エッチング槽で、第1の前段エッチング槽23内には相対向する陰極板28,29とエッチング液33が設けられている。また、アルミニウム箔35は走行ローラ30、槽内ローラ31、出口ローラ32で陰極板28,29の間を走行させて、第1の直流電源34から電流を走行ローラ30と陰極板28,29に印加することにより、アルミニウム箔35をエッチングすることができる。その後、第1の前段エッチングと同様にして第2の前段エッチングを行う。
以下、具体的な実施例を用いて詳細に説明する。
(実施例10)
純度99.98%、厚み100μmのアルミニウム箔を5%リン酸水溶液で1分間浸漬して前処理を行った。
次に、前段エッチング工程のエッチング液として、塩酸40g/l、硫酸250g/l、リン酸0.5g/lの水溶液(液温度85℃)を用意し、第1の前段エッチングのエッチング液の電導度として1080mS/cm、第2の前段エッチングのエッチング液の電導度を順次1150mS/cm、1200mS/cm、1300mS/cm、1400mS/cmになるように金属アルミニウムを溶解させてそれぞれ調整した。この電導度を調整したときのアルミニウム濃度は、それぞれ14g/l、10.5g/l、8.3g/l、4.6g/l、1.1g/lであった。
前記それぞれの前段エッチングのエッチング液中に対向する陰極板を配置させ、第1の前段エッチングのエッチング液中で対向する陰極板の間にアルミニウム箔を入れて、アルミニウム箔と陰極板との間に0.5A/cm2の電流密度で直流電流を印加してエッチングを行い、続いて、第2の前段エッチングを第1の前段エッチングと同様にして、電導度の低い順番にエッチングを行って、その後水洗を行った。
次に、後段エッチング工程として、硝酸50g/lにリン酸10g/lを添加した50℃のエッチング液で電解電流密度を0.1A/cm2にして10分間直流エッチング処理を行い、その後水洗をして、最後に脱Cl処理してエッチング箔を作製した。
(実施例11)
前記実施例10において、第1の前段エッチングのエッチング液の電導度として1070mS/cm、第2の前段エッチングのエッチング液の電導度を順次1200mS/cm、1200mS/cm、1300mS/cm、1300mS/cmになるようにした以外は前記実施例10と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例12)
前記実施例10において、第1の前段エッチングのエッチング液の電導度として1070mS/cm、第2の前段エッチングのエッチング液の電導度を順次1300mS/cm、1300mS/cm、1400mS/cm、1400mS/cmになるようにした以外は前記実施例10と同様にしてエッチング箔を作製した。
(実施例13)
前記実施例10において、前段エッチング工程の各電流密度を順に0.3A/cm2、0.35A/cm2、0.4A/cm2、0.45A/cm2、0.5A/cm2にしてエッチングした以外は前記実施例10と同様にしてエッチング箔を作製した。
(比較例2)
前記実施例10において、前段エッチング工程の各エッチング液の電導度を1080mS/cmにしたものを用いた以外は前記実施例10と同様にしてエッチング箔を作製した。
前記実施例10〜13と比較例2のエッチング箔を、温度が90℃の8%ホウ酸水溶液中で500Vの印加電圧で化成した後、各試料について静電容量と折曲げ強度(φ1.0mm、250g荷重、折曲げ角度90度の条件下で1往復を1回とする)を測定した。その結果を(表2)に示す。
Figure 0004428037
(表2)から明らかなように、前段エッチング工程を第1の前段エッチング槽と第2の前段エッチング槽を4槽用い、その第2の前段エッチング槽のエッチング液の電導度を高くしたエッチング箔は比較例2のエッチング箔よりも静電容量および折曲げ強度が優れていることが判る。
また、実施例13のように前段エッチング工程においてアルミニウム箔に印加する電流密度を順次高くすることにより、より高い静電容量の電極箔を得ることができる。
このように本発明は、前段エッチング工程のエッチング液の電導度を前記実施の形態のようにすることにより、ピットの長さを揃えやすくすることができる。このような方法はアルミニウム箔と陰極板の間の液抵抗を利用するものであり、図3に液抵抗を説明するための模式図(実際の縮尺とは異なる)を示す。同図において、エッチング液15を介して、一対の陰極板16とアルミニウム箔11との間に直流電流を印加することによりピット36が形成される。このときのアルミニウム箔11の表面と陰極板16の距離をA、ピット36の長さをB、ピット径をCで示す。
通常のアルミ電解コンデンサ用電極箔に使用されるアルミニウム箔に形成されたピット径Cは0.1〜3μmと非常に小さく、ピット36の断面積も小さい。よって、ピット36内部の液抵抗は高いものとなり、ピット36の成長も抑制される。
そこで、前段エッチング工程の特に第2の前段エッチングのエッチング液の電導度を高くすることにより、ピット36の成長を促進させることができる。
一方、エッチング液15の全体の液抵抗は、アルミニウム箔11の表面と陰極板の間の液抵抗と、ピット36内部の液抵抗とのバランスで決定される。
そこでもう一つの手段として、アルミニウム箔11の表面と陰極板16の間の液抵抗を制御するために、アルミニウム箔11の表面と陰極板16の距離を短くすることにより、ピット36の長さを揃えやすくすることができる。
なお、アルミニウム箔11の表面と陰極板16の距離を短くし過ぎると、反応熱・陰極板の発熱による液温の変動が生じるため0.5cm以上が好ましく、また、発生する水素ガスによりピット36形成のためのエッチング反応が阻害されるため1cm以上にすることがさらに好ましい。そして、陰極板間の距離は60cm以内とすることにより、エッチング液の液抵抗の効果を発揮させることができる。
この陰極板の構造としては、図4(a)〜(d)に示すような構造の陰極板を用いるのが好ましい。
前記図4(a)の陰極板16を用いる場合に、距離A1を1〜5cmとする。なお前記実施の形態1及び2はこの陰極板を用いたもので、その距離を2.5cmとした。
また、前記図4(b)〜(d)の陰極板16を用いる場合に、距離A1を1〜5cmで、A2,A3の距離は5cm〜30cmの範囲にするのが好ましい。
また、本実施の形態における製造装置では、エッチング液の電導度等を制御してピットを形成するものであるため、0.8μm以上のピット径を有するエッチング箔を製造するのに適している。
本発明は、ピット密度の向上とピット長の均一化により、電極箔の静電容量を向上させ、さらに電極箔の機械的強度の高いアルミ電解コンデンサ用電極箔を製造することにより、その電極箔を用いたアルミ電解コンデンサの定格容量を高めることができ、電子機器の小型化や高信頼性化を図ることができる。
本発明の実施の形態1の前段エッチング工程の概略図 同実施の形態2の前段エッチング工程の概略図 同液抵抗の説明をするための模式図 同実施の形態における陰極板の構造を示す概略図
符号の説明
11 アルミニウム箔
12,13,14 エッチング槽
15 エッチング液
16,17 陰極板
18 走行ローラ
19 槽内ローラ
20 出口ローラ
21 直流電源

Claims (1)

  1. 第1の前段エッチングとその後に行う第2の前段エッチングによってアルミニウム箔に直流電流を印加して前記アルミニウム箔にピットを生成させる前段エッチング工程と、この前段エッチング工程により生成させたピットを拡大する後段エッチング工程とからなるアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法であって、
    前記第1の前段エッチングのエッチング液は、2〜6%の塩酸に蓚酸、硫酸、リン酸からなる酸またはこれらの塩の少なくとも1つとアルミニウムとを添加した塩酸水溶液であり、前記第2の前段エッチングのエッチング液は、前記第1の前段エッチングのエッチング液に添加するアルミニウムのみを減少させて第1の前段エッチングのエッチング液よりも電導度を高める構成としたアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
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