JP2001244110A - ファンモータ - Google Patents
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Abstract
いて、部品点数を減らし振動および騒音を低減する。 【解決手段】 外転形マグネットモータ18にプラスチ
ックマグネット16を用いた構成とすると共に、このプ
ラスチックマグネット16の外周囲にファン部17を一
体的に設けた構成とする。
Description
モータを用いてファン部を一体的に備えたファンモータ
に関する。
冷蔵庫に用いられるファンモータが知られており、斯か
るファンモータは、その送風作用により冷気を庫内に循
環供給するようにしている。そして、最近のファンモー
タでは、庫内の設置スペースを考慮して、径方向および
軸方向にコンパクト化の改善が見込まれる外転形(アウ
ターロータ形)モータが採用されている。
る。この図11に示すファンモータは、大略的には、ケ
ーシング1、このケーシング1に取付けられる後部軸受
組立2、この後部軸受組立2に取付けられるステータ
3、このステータ3に取付けられる前部軸受組立4、前
記両軸受組立2,4に回転自在に支持されるモータ軸5
を中心部に有するロータ6、およびロータ6の外周囲に
一体的に設けられたファン部7を備えた構成としてい
る。
タ6はステータ3の外周囲に配設され、円筒カップ状を
なす亜鉛メッキ鋼板製のロータヨーク8と、このロータ
ヨーク8の内周面に取付けられた例えば12極のロータ
マグネット9とから構成されている。このロータマグネ
ット9は、ロータヨーク8の内周面に、その後端側から
挿入され固定されている。そして、ロータヨーク8の一
端中心部に、前記モータ軸5の一端部が圧入により固着
されている。このように構成されたロータ6は、モータ
軸5が、前記前部軸受組立4および後部軸受組立2に回
転可能に支持され、ロータマグネット9が前記ステータ
3に対し僅かなギャップを存して対向配置され、以って
アウターロータ形の所謂外転形マグネットモータ10を
構成している。
らなり、まず前記ロータヨーク8を図示しない成形金型
内にインサートしておき、溶融材料を注入し成形するこ
とにより一体的に形成されている。このファン部7は、
主として、ロータヨーク8の外周囲を覆うファン基部7
aと、径方向に延出された例えば3枚の羽根部7bとか
ら構成されている。尚、羽根部7bが回転駆動されたと
き、送風方向は矢印Wで示す向き(図示右方)に流れる
ように構成している。
に外転形マグネットモータ10を用いて、そのロータ6
と一体的にファン部7を形成した構成にあっては、回転
駆動時に生ずるロータ6側からの振動、或いは逆にファ
ン部7側からの振動が互に直に伝達することとなり、特
に共振状態の場合には外転形モータ10に与える影響も
大きく、騒音問題延いてはファンモータ全体の耐久性に
も影響を及ぼすことになる。
る必要があるが、上記構成ではモータ軸5の組立精度の
確保が難しく且つ安定し難い。これは、ロータマグネッ
ト9のロータヨーク8内面への位置決めを含む組立作業
が容易でないばかりか、これに更にファン部7が付加さ
れた構成体に対してモータ軸5を圧入して固着する構成
で、所謂組立部品が多くてそれだけ誤差も出易い。従っ
て、回転するファン部7、ロータヨーク8、ロータマグ
ネット9およびモータ軸5の軸心度を高精度に得ること
は難しく且つこれら全体の回転バランスの調整を行うこ
とも面倒であると共に、安定化した品質を得ることも難
しいなどの理由から振動を小さく抑えることは困難であ
るとする問題を有していた。
であり、その目的は、外転形マグネットモータにプラス
チックマグネットを用いて、部品点数を減らすと共に、
モータ軸の組立精度を高め得るなどして、振動および騒
音の低減に寄与できるファンモータを提供するにある。
に、本発明のファンモータは、ステータの外周囲に、ロ
ータマグネットを配した外転形マグネットモータにあっ
て、前記ロータマグネットをプラスチックマグネットに
て構成し、このプラスチックマグネットの外周囲にファ
ン部を一体的に設けたことを特徴とする(請求項1の発
明)。
きるから、その軸心調整はプラスチックマグネットとフ
ァン部の両部品の精度のみにて管理でき、従って高精度
の軸心バランスを容易に得られて振動および騒音を低減
でき、しかも、それだけ組立作業も簡便にできて品質の
安定化と共に、コスト的にも有利なファンモータを提供
できるそして、請求項1記載のものにおいて、熱可塑性
樹脂にてファン部を成形するに際し、プラスチックマグ
ネットをインサート成形したことを特徴とする(請求項
2の発明)。
構成(組立)できるばかりか、インサート成形によるプ
ラスチックマグネットとファン部との軸心バランスは、
成形金型内のバランス調整にて大概可能となり、その調
整後はバランス的にも安定して基本的に振動量を抑えた
ファンモータを供することができる。
スチックマグネットの外周面には凹凸部を形成し、且つ
ファン部の熱可塑性樹脂の成形収縮率を前記プラスチッ
クマグネットより大きくしたことを特徴とする(請求項
3の発明)。
は、内側のプラスチックマグネットを圧縮する如く保持
し、しかも、そのプラスチックマグネットの外周面に設
けた凹凸部により両者は一層強固に結合されるので、こ
れらの接合間での滑り(空回り)の発生はなく、所謂堅
固な回り止め機能が得られる。
スチックマグネットは、軸方向の一端側がほぼ閉塞され
た概ねカップ状に成形されると共に、その閉塞端側の中
心にモータ軸をインサート成形したこと特徴とする(請
求項4の発明)。
成(組立)できるばかりか、金型内にモータ軸を衝とし
て成形できるので、特に軸心バランスを得るに重要なモ
ータ軸を金型内で容易にバランス調整でき、効果的に振
動量を抑えて品質の安定したファンモータを提供でき
る。
スチックマグネットは、そのマグネット内部で磁路を形
成するよう異方化したことを特徴とする(請求項5の発
明)。
構成して、プラスチックマグネットの外周に漏れ磁束が
なく、従って、異物(磁性体)の付着がなく且つロータ
ヨーク(バックヨーク)が不要となり、簡易な構成にて
外転形マグネットモータ本来のコンパクト化を効果的に
達成できる。
1ないし図10を参照して説明する。まず、図1および
図2は、ファンモータの全体構成を示す縦断側面図およ
び背面図である。これら図面に基づき、その構成につき
大略的に述べると、ケーシング11と、このケーシング
11に取付けられる後部軸受組立12と、この後部軸受
組立12に取付けられるステータ13と、このステータ
13に取付けられる前部軸受組立14と、前記両軸受組
立12,14に回転自在に支持されるモータ軸15を中
心部に有するロータマグネットたるプラスチックマグネ
ット16と、および、このマグネット16の外周囲に設
けられたファン部17とを備えた構成としている。
ックマグネット16は、上記ステータ13の外周に僅か
のギャップを存して対向配置され、以って外転形マグネ
ットモータ18を構成しており、斯かるプラスチックマ
グネット16は従来構成のロータ全体構造を兼ねた構成
としている。
ばPBT(ポリブタジエンテレフタレート)等の合成樹
脂からなり、中心部の後面(図1の右側の面)が開放し
た薄形の円筒状部11aを有すると共に、その外周部に
は、特に図2に明示するように放射方向に延びる4本の
モータ支え11bがほぼ90度間隔で一体に設けられ、
更にその外周部に短円筒状のベルマウス11cが一体に
設けられている。また、このベルマウス11cの外周部
3箇所には、図示しない冷蔵庫の庫内に取付けるための
リング状の取付部11dを一体に形成している。
aには前記後部軸受組立12が嵌合取着される構成にあ
って、亜鉛メッキ鋼板からなり前記モータ軸15を挿通
する筒状のブラケット19と、その内方後部に装着され
た焼結メタルからなる軸受20と、潤滑油が充填された
含油フェルト21等を具備してなり、その後面開口部
は、適宜の蓋部材22により塞がれている。尚、この蓋
部材22の内面中心部において、前記モータ軸15の先
端を受ける構成としている。斯くして、後部軸受組立1
2は、前記ケーシング11内に、後ろ側から密に嵌め込
まれて、そのブラケット19が圧入されるようになって
いる。
心に軸方向に貫通する穴を有するステータコア13aに
巻線23を巻装し、これをコネクタ部24と共に合成樹
脂(PBT)のモールド体25によりモールド成形され
た構成としている。そして、このモールド体25の後端
部を前記ケーシング11に係合し、且つステータコア1
3aの中心の穴が前記ブラケット19に圧入嵌合するこ
とにより、後部軸受組立12とステータ13とが、ケー
シング11を両側から挟み付けるようにして強固に固定
される構成となっている。
後部軸受組立12とほぼ対称的に同等の構成を有してお
り、従って、筒状のブラケット26、焼結メタルからな
る軸受27、含油フェルト28および蓋部材29等を備
えた構成にある。但し、この前部軸受組立14では、モ
ータ軸15は完全に貫通して挿通せられている。そし
て、上記と同様に この前部軸受組立14のブラケット
26をステータコア22の貫通穴に圧入嵌合され、該ス
テータ13に固定されるようになっている。尚、上記両
軸受組立12,14の各ブラケット19,26の端部間
には、例えばナイロン材料からリング状に形成された抜
止め部材30が介在され、後述するがモータ軸15の抜
止めの機能を果たすようになっている。
組立14を覆うようにして、前記したロータマグネット
としてのプラスチックマグネット16が設けられ、中心
部には前記モータ軸15を一体的に取付けている。以
下、このプラスチックマグネット16の具体的構成につ
き述べると、特に図3および図4に、モータ軸15を具
備したプラスチックマグネット16の縦断側面図および
正面図を夫々示すように、全体形状としては軸方向の一
端側がほぼ閉塞された概ねカップ状をなし、これはフェ
ライトなどの磁性粉末に結合材として例えばナイロン系
合成樹脂を添加した材料を、後述する射出成形により形
成したもので、このとき同時にモータ軸15をインサー
ト成形することで組立固定している。
具体的形状としては、一端の閉塞端部16aと、これに
連続する筒部16bとから構成されるカップ状をなし、
その閉塞端部16aの中心にはモータ軸15をインサー
トにより埋設したボス部16cを有している。そして、
筒部16bには、後面の開口端側の右半部を厚肉部31
とし、残り左半部の外周面には径方向に段差をなす凹凸
部32(特に図3,4参照)を形成しており、前者の厚
肉部31には所定の極数、例えば8極の磁極が後述する
方法にて着磁されている。また、本構成では上記閉塞端
部16aの前面にも浅い環状の凹溝33が形成してあ
る。尚、モータ軸15は、例えばSUS材料からなり、
途中部に径小部15aを形成しており、また、上記ボス
部16cに埋没する端部には、特に図5の断面図に示す
ように径方向に切除した切欠部15bを形成している。
を一体成形するに際し、前記ファン部17がインサート
成形される(詳細は後述する)。このファン部17の構
成は、図6に示すように例えばポリプロピレン等の熱可
塑性樹脂からなり、主としてファン基部17aと例えば
3枚の羽根部17bとから構成されている。特に、ファ
ン部17を構成するうち羽根部17bを除く部分が、上
記ファン基部17aに相当するもので、前記プラスチッ
クマグネット16の外周囲を覆うように形成されてお
り、従って、やはり概ねカップ状に形成される。そし
て、成形後にあっては、プラスチックマグネット16に
形成された前記凹溝33、および凹凸部32に流入した
溶融樹脂が冷却固化されることによって、両者を強固に
結合すると共に、ファン部17の回転方向への回り止め
の機能を果たす。
端側の図示右半部は、前記プラスチックマグネット16
の厚肉部31の外周囲と隙間34を存して位置し、密着
しない形態に覆っている。この場合、厚肉部31の軸方
向長さL1に対し、隙間34の軸方向長さL2が長くなる
構成とし、この隙間34の長さL2にほぼ相当する部位
を径方向に延出した羽根部17bの根元部としている。
また、ファン基部17aの中心部の突部17cは、モー
タ軸15の先端部をプラスチックマグネット16のボス
部16cと共に隠蔽している。このようにして構成され
たファン部17は、これが回転駆動されると図1中に矢
印Wで示す向き、つまり、プラスチックマグネット16
の軸方向の一端側である前端側から他端側である後端側
に向けて、風が発生するように構成されている。
構成されたプラスチックマグネット16、ファン部1
7、およびモータ軸15からなる構成体は、そのモータ
軸15を、図1に示す如く前記前部および後部軸受組立
14および12内に挿入されることで組立てられる。即
ち、前部軸受組立14の軸受27を貫通して、更に奥方
まで挿入していくことにより前記した抜け止め部材30
を挿通した後、後部軸受組立12の軸受20を貫通し、
その先端が蓋部材22に当接してスラスト支持されるま
で圧挿されることにより組込まれる。尚、上記モータ軸
15を挿入する場合、モータ軸15が抜止め部材30の
開口部を押し広げながら挿入され、その組込み状態で
は、抜止め部材30がモータ軸15の径小部15aに嵌
合した状態となり、以って一旦組込まれると、抜止め部
材30によりモータ軸15は簡単には抜けない抜け止め
構成とされている。
クマグネット16と一体化されたモータ軸15は、前部
と後部の2個の軸受27,20に回転可能に支持され、
ロータマグネットたるプラスチックマグネット16は、
その筒部16b内周面がステータ13を近接した状態で
覆い、具体的には、少なくとも厚肉部31の軸方向長さ
L1にほぼ相当する内周面が、前記ステータコア22の
外周面と僅かなギャップを存して対向するように配設さ
れている。
チックマグネット16およびモータ軸15を一体化する
成形手段につき、図7,8を参照して説明する。この図
7および図8は、一つの成形金型35の概略構造を示す
縦断面図にあって、その成形過程を説明するための異な
る状態を示したものである。この金型35は、図示左側
が固定型35a、右側が可動型35bで、特に本実施例
では一つの金型35の内部の上下部において、異なる形
態の成形を同時に可能とした第1の成形部36および第
2の成形部37を設けている。従って、型締めにより形
成されるキャビティ38,41に連通する湯道39,4
2およびゲート40,43を、夫々固定型35aの上下
部に形成している。
クマグネット16の成形を行うと同時に、モータ軸15
のインサート成形を行い、一方、第2の成形部37で
は、上記第1の成形部36での成形に続く成形工程にお
けるファン部17を成形するようにしている。従って、
これらファン部17およびプラスチックマグネット16
等の成形品はいずれもカップ状をなしているから、型締
めの際、一方の可動型35bを雄型として固定型35a
に嵌合する構成としている。また、可動型35bには、
モータ軸15をインサート成形するため、および該モー
タ軸15を位置決めの衝として固定支持する軸支部4
4,45を有している。
において、プラスチックマグネット16を成形する際、
併せてこの金型35内で該マグネット16に異方性配向
の磁路を形成するようにしている。そのため、磁場形成
用マグネット46を可動型35bに設けており、これは
プラスチックマグネット16の厚肉部に対応して配設さ
れている。
を参照して上部の第1の成形部36におけるプラスチッ
クマグネット16の成形手段につき述べるに、まず同時
にインサート成形するモータ軸15を可動型35bの軸
支部44の所定位置に保持固定する。そして、型締めし
た後、ゲート40および湯道39から溶融材料(ナイロ
ン系磁性粉末)を注入してキャビティ38内に充填す
る。これにより、図8に示すように第1の成形部36で
は、カップ状のプラスチックマグネット16が形成さ
れ、同時に、そのボス部16cにモータ軸15の前端側
の一端が埋設され、所謂インサート成形される。
には、図3,5等に示した切欠部15bが形成されてい
るので、成形後のプラスチックマグネット16が冷却固
化することにより、該モータ軸15は抜けたり空回りす
ることなく強固に固定される。そして、モータ軸15は
軸支部44を介して可動型35bの所定位置に倒れたり
することなく確実に保持固定される。従って、プラスチ
ックマグネット16(キャビティ38)の中心位置に設
定支持された状態でインサート成形されるので、プラス
チックマグネット16との軸心がずれたりすることなく
高精度のもとに一体化(組立)される。
性粉末等の溶融材料は、特に厚肉部31に対応して磁場
形成用マグネット46より発生する磁束の流れ方向に配
向して異方性処理が行われる。即ち、図9,10は、そ
の作用を説明するため図8のB−B線に沿って切断して
示す要部の拡大断面図で、図9に示すように磁場形成用
マグネット46のN,S極を介してプラスチックマグネ
ット16の厚肉部31との磁場中において磁路が形成さ
れ、成形中の溶融材料の磁性粒子がこの磁路に沿って揃
えられ異方性配向がなされる。
の厚肉部31には、その磁路の一部である図9の破線で
示した矢印方向の磁路47a,47b,47c…が形成
される。このように厚肉部31は、内部に十分な磁路4
7a等が形成される厚さ寸法となしている。尚、図10
は、上記工程を経て成形された後のプラスチックマグネ
ット16に対し、必要に応じ一旦脱磁した後、周知の着
磁装置によって所定の、本実施例では、極数が8極に着
磁された形態を示したもので、この場合、上記成形時に
形成された磁路47a等と同じ方向で磁束が揃ってい
る。
ステータ13との間で磁路が形成でき、従来のロータヨ
ーク(バックヨーク)を不要とする外転形マグネットモ
ータ18が構成できる。
5の下部における第2の成形部37では、第1の成形部
36で成形された後のプラスチックマグネット16が改
めて金型35内に装着されていて、ファン部17が成形
される。即ち、第1の成形部36にてモータ軸15を組
込み成形されたプラスチックマグネット16を、型開き
して図示しないロボットのチャックアーム等を利用して
取り出し、そして下部の第2の成形部37に装着する。
この場合、第2の成形部においても可動型35bの軸支
部45にモータ軸15を衝として保持固定させる。
をゲート43および湯道42を介してキャビティ41内
に充填することにより、図8に示す如くプラスチックマ
グネット16の外周囲にファン部17がアウトサート成
形される。換言すれば、ファンブ17を成形するに際
し、プラスチックマグネット16をインサート成形する
ことである。この場合、ファン部17の材料である熱可
塑性樹脂(ポリプロピレン)の成形収縮率がプラスチッ
クマグネット16の材料より大きいため、成形後におい
てファン部17はプラスチックマグネット16に対し、
これを圧縮するように接合する。従って、これらファン
部17およびプラスチックマグネット16間にあって
は、その外周面の凹凸部32、更には凹溝33に溶融材
料が流入して一層強固に結合される。
7にて同時にプラスチックマグネット16およびファン
部17が成形され、即ち、モータ軸15をインサートし
たプラスチックマグネット16、およびファン部17の
組立が一つの金型35内にて簡単にできると共に、これ
ら3者の軸心も高精度に維持した状態で一体化構成でき
る。斯くして、上記構成からなるファンモータ(図1,
2参照)は、その取付部11dを介して、例えば図示し
ない冷蔵庫の庫内に組込まれ、庫内における冷気循環用
として使用されるものである。
次のような効果を有する。今、図1に示すステータコイ
ル23に通電し、ロータマグネットとしてのプラスチッ
クマグネット16を回転させる。即ち、外転形マグネッ
トモータ18が通電駆動され、これによりファン部17
も一体に回転し、冷気が矢印W方向に送風される。この
ようにモータ18が回転駆動されると、ステータ13と
着磁されたプラスチックマグネット16の厚肉部31と
の間に作用する電磁力により吸引力や反発力が発生し、
これに基づき振動が発生する。特に本構成では、従来の
ロータヨークが存在せず、その振動が、プラスチックマ
グネット16から直にファン部17へと伝播する構成に
ある。
外周囲と羽根部17bの根元にあたるファン基部17a
とは隙間34を存して設けられているから、振動伝播を
有効に低減できる。このことは、ファン部17の3枚の
羽根部17bからの送風抵抗とか、共振現象に伴う振動
が発生した場合においても、同様に振動伝播を遮断し低
減するのに有効である。
15、ロータマグネットとしてのプラスチックマグネッ
ト16およびファン部17の共通の軸心を高精度に確保
でき、低振動のファンモータを得ることができる。即
ち、前述した図11に示した従来構成では、ロータマグ
ネット9を組込んだロータヨーク8(ロータ6)に対
し、モータ軸5を圧入すると共に、ファン部7の成形時
にインサート成形して一体化しているため、部品点数が
多くて部品精度のばらつきや組立誤差が大きい。また組
立作業も面倒で、これら部品を同軸心に組込む精度の確
保が難しく、そのためアンバランスによる振動および騒
音を低減するに苦慮していた。
5、プラスチックマグネット16およびファン部17の
3点からなり、所謂従来のロータヨーク8の部品を削減
するのみならず、図7,8に示すようにこれら3部品を
成形金型35を用いた成形手段にて容易に組立でき、且
つ型成形により精度良く構成できると共に、特に軸心と
なるモータ軸15を衝としてインサート成形等行うの
で、一層軸心精度の優れたファンモータが得られる。し
かも、モータ軸15の端部の切欠部15bがプラスチッ
クマグネット16のボス部16c内に埋設されるので、
該モータ軸15の倒れや回動することがない確実な位置
固定ができる。従って、本実施例によれば部品精度およ
び組立精度等に起因するアンバランスによる振動に対
し、大幅な改善ができてファンモータ全体の振動や騒音
の低減が図れる。勿論、部品点数も少なく組立作業も簡
便にでき、対アンバランス調整作業も軽減されることか
らコスト的にも有利で、安定した品質を確保できる。
する際に、プラスチックマグネット16をインサート成
形しているが、このファン部17材料の熱収縮率がプラ
スチックマグネット16の材料(例えば、ナイロン系磁
性材料)より大きいので、成形後の収縮により内部のプ
ラスチックマグネット16に対して圧縮し接合する方向
に作用し、しかも、この接合するプラスチックマグネッ
ト16の外周面に凹凸部32を形成しているので、強固
な結合状態を得てファン部17と該マグネット16間に
滑り(空回り)が生ずるようなおそれもない。
そのマグネット16内部とする厚肉部31内に異方化処
理した磁路47a,47b,47c…(図9参照)を形
成するようにしたので、従来の如きロータヨーク(バッ
クヨーク)がなくても漏れ磁束がなく、ステータ13と
の間で必要な磁路が構成できて、簡易な構成にて一層の
コンパクト化が図れる外転形マグネットモータ18を得
ることができる。しかも、ファン部17とプラスチック
マグネット16とが一体的に連結されて振動が直に伝わ
る構成でありながら、上記の如く軸心バランスが高精度
であるなど振動量を小さく抑えることができて、実用に
供し得るファンモータを提供できる。尚、本発明は、上
記し図面に示した上記実施例に限定されるものではな
く、実施に際して要旨を逸脱しない範囲内にて具体形状
など設計的に種々変更して実施できるものである。
に、外転形マグネットモータにあって、そのロータマグ
ネットをプラスチックマグネットにて構成し、このプラ
スチックマグネットの外周囲にファン部を一体的に設け
たものである。これにより、部品点数が低減できて軸心
調整はプラスチックマグネットとファン部の両部品の精
度のみにて管理できるので、高精度の軸心バランスを容
易に得られて振動および騒音を低減でき、更には組立作
業も簡便にできて品質の安定化と共に、コスト的にも有
利なファンモータを提供できる。
断面図
面図
の縦断面図
大断面図
15bは切欠部、16はプラスチックマグネット(ロー
タマグネット)、16aは閉塞端部、16bは筒部、1
7はファン部、17aはファン基部、17bは羽根部、
18は外転形マグネットモータ、31は厚肉部、32は
凹凸部、35は金型、35aは固定型、35bは可動
型、36は第1の成形部、37は第2の成形部、46は
磁場形成用マグネット、および47a,47b,47c
…は磁路を示す。
Claims (5)
- 【請求項1】 ステータの外周囲に、ロータマグネット
を配した外転形マグネットモータにあって、 前記ロータマグネットをプラスチックマグネットにて構
成し、このプラスチックマグネットの外周囲にファン部
を一体的に設けたことを特徴とするファンモータ。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂にてファン部を成形するに
際し、プラスチックマグネットをインサート成形したこ
とを特徴とする請求項1記載のファンモータ。 - 【請求項3】 プラスチックマグネットの外周面には凹
凸部を形成し、且つファン部の熱可塑性樹脂の成形収縮
率を前記プラスチックマグネットより大きくしたことを
特徴とする請求項2記載のファンモータ。 - 【請求項4】 プラスチックマグネットは、軸方向の一
端側がほぼ閉塞された概ねカップ状に成形されると共
に、その閉塞端側の中心にモータ軸をインサート成形し
たこと特徴とする請求項1記載のファンモータ。 - 【請求項5】 プラスチックマグネットは、そのマグネ
ット内部で磁路を形成するよう異方化したことを特徴と
する請求項1記載のファンモータ。
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